(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動変速機のケースで回転軸の支持穴に支持されたシールが、内径側に設けたシール部を前記回転軸の外周に圧接させて設けられると共に、前記シール部の径方向外側から前記回転軸の軸方向に伸びるサイドリップを有しており、
前記支持穴の外側に突出させた前記サイドリップの先端側を、前記回転軸に一体回転可能に取り付けられた内径側の壁部と外径側の壁部との間に挿入して、外径側の壁部に圧接させた自動変速機におけるシール構造であって、
前記シールに、前記サイドリップよりも径方向外側から、前記サイドリップと同方向に伸びるラビリンスリップを設けて、前記サイドリップと前記ラビリンスリップとの間に、前記外径側の壁部を位置させ、
前記ラビリンスリップの基端側を、先端側よりも薄肉に形成したことを特徴とする自動変速機におけるシール構造。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態にかかるシール構造を説明する図である。
【
図2】実施の形態にかかるシール構造の作用を説明する図である。
【
図3】ラビリンスリップに作用する応力と隙間との変形量の関係を説明する図である。
【
図4】差動装置周りの一般的な構成を説明する図である。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかるシール構造を説明する図であり、(a)は、変速機ケース107の支持穴108に嵌合支持されたリップシール20周りを拡大して示す断面図であり、(b)は、(a)における領域Aを拡大して示す断面図である。
【0019】
図1の(a)に示すように、車両用自動変速機の変速機ケース107には、ドライブシャフト109の支持穴108が設けられており、この支持穴108には、リング状のリップシール20が内嵌して取り付けられている。
リップシール20は、その内径側に設けた当接部26を、支持穴108を挿通させたドライブシャフト109の外周109aに圧接させており、ドライブシャフト109と支持穴108との隙間が、このリップシール20により封止されるようになっている。
【0020】
図1の(b)に示すように、リップシール20は、支持穴108の内周に嵌合する金属製の環状部材21と、この環状部材21が組み付けられたゴム製のシール部材25と、を備えて構成される。
環状部材21は、環状の嵌合部22と、この嵌合部22の一端側から径方向内側に延びる円板状のフランジ部23を有しており、断面視において略L字形状を成している。
環状部材21のフランジ部23側には、シール部材25が組み付けられており、このシール部材25は、フランジ部23よりも内径側に当接部26を有している。
【0021】
この当接部26は、フランジ部23の内径側に位置するダストリップ26b、26cと、嵌合部22の内径側に位置するメインリップ26aと、備えており、メインリップ26aは、ダストリップ26bよりも変速機ケース107の内側(図中右側)に位置している。
ダストリップ26b、26cは、ドライブシャフト109の回転中心軸X(
図1の(a)参照)の軸方向で、フランジ部23を挟んで一方側(図中右側)と他方側(図中左側)に位置しており、その先端26b1、26c1を、ドライブシャフト109の外周109aに当接させている。
【0022】
ダストリップ26bに隣接するメインリップ26aは、フランジ部23から離れる方向(図中右方向)に延びており、リング状のスプリング30から作用する付勢力で、内径側に位置する尖状の当接部26a1を、ドライブシャフト109の外周109aに圧接させている。
【0023】
シール部材25は、フランジ部23の嵌合部22とは反対側の面(図中左側の面)を覆う基部27を有しており、この基部27では、当接部26よりも径方向外側に、サイドリップ28が設けられている。
ここで、フランジ部23の内径側には、当該フランジ部23の強度を確保するための段部231が設けられており、サイドリップ28は、基部27におけるこの段部231に重なる位置から、支持穴108の外方(図中左側)に向けて延出している。
【0024】
サイドリップ28は、回転中心軸Xに対して平行な軸線Xaに沿って略直線状に延びたのち、長手方向における途中位置から、その先端28a側を基端28b側よりも径方向外側に位置させる向きで延びている。そのため、回転中心軸Xの軸方向から見てリング状を成すサイドリップ28の外径D1(
図1の(a)参照)は、長手方向における途中位置から、その先端28aに向かうにつれて拡径している。
【0025】
ここで、ドライブシャフト109には、サイドリップ28との対向部109bに、ダストカバー110が固定されている。このダストカバー110では、外径側の壁部112と内径側の壁部113とが、回転中心軸Xの径方向で間隔を開けて配置されており、回転中心軸Xの軸方向から見てリング状を成すこれらの壁部112、113は、その対向部109b側(図中左側)の端部が、リング状の接続壁111により接続されている。
【0026】
実施の形態では、サイドリップ28の基部27からの長さL1は、ドライブシャフト109を変速機ケース107の支持穴108で支持させた際に、その先端28a側が、外径側の壁部112と内径側の壁部113の間に挿入される長さに設定されている。そして、この状態においてサイドリップ28の先端28aが、外径側の壁部112に圧入されて、サイドリップ28と外径側の壁部112との間に隙間が生じないようにされている。
【0027】
ここで、外径側の壁部112の先端側は、回転中心軸Xから離れる方向に湾曲した湾曲部112aとなっている。そのため、ドライブシャフト109を変速機ケース107の支持穴108に挿入した際に、サイドリップ28の先端28aが、この湾曲部112aを摺動することで、サイドリップ28の先端28a側が、その外径を狭めながらリング状の壁部112の内側に挿入(圧入)されるようになっている。
【0028】
実施の形態では、ダストカバー110の内径側の壁部112と、外径側の壁部113と、これら壁部112、113の間に挿入されたサイドリップ28とにより、ラビリンスシールを形成しており、このラビリンスシールにより、サイドリップ28よりも内径側の空間Sへの泥水などの異物の進入を阻止している。
【0029】
サイドリップ28の径方向外側には、サイドリップ28と同方向に延びるラビリンスリップ29が設けられている。このラビリンスリップ29は、回転中心軸Xに対して平行な軸線Xbに沿って延びており、前記した環状部材21の嵌合部22と同軸に設けられている。
【0030】
ラビリンスリップ29の基部27からの長さは、サイドリップ28の長さL1と同じ長さL1となっており、ドライブシャフト109を変速機ケース107の支持穴108で支持させた際に、回転中心軸Xの径方向で間隔を開けて配置されたサイドリップ28とラビリンスリップ29との間に、ダストカバー110の外径側の壁部112が位置するようになっている。
【0031】
この状態においてラビリンスリップ29と壁部112(湾曲部112aの外径側の平坦面112c)との間に隙間Waが確保されており、サイドリップ28の径方向外側に、当該サイドリップ28とラビリンスリップ29と、壁部112とで、新たなラビリンスシールが形成されている。
【0032】
ラビリンスリップ29の基端29bを支持する基部27の外径側には、支持穴108との当接部271が、環状部材21の嵌合部22側(図中右側)に延出して形成されており、この当接部271のラビリンスリップ29側に隣接して、内径側(回転中心軸X側)に窪んだ凹部272が形成されている。
この凹部272は、基部27の外径側からラビリンスリップ29の基端29bに及ぶ範囲に設けられており、ラビリンスリップ29の基端29bは、先端29a側よりも薄肉に形成されている。
【0033】
そのため、ラビリンスリップ29の先端29a側が、基端29bを支点として回転中心軸Xの径方向に変可能となっており、泥水などの異物が、回転中心軸Xの径方向外側からラビリンスリップ29に衝突すると、ラビリンスリップ29の先端29a側が、内径側に位置するダストカバー110の壁部112との隙間Waを狭める方向に変位するようになっている。
【0034】
実施の形態にかかるシール構造の作用を説明する。
図2は、実施の形態にかかるシール構造の作用を説明する図であり、(a)は、ラビリンスリップ29の先端29a側が変位していない位置(基準位置)にある状態を示す図であり、(b)は、泥水などの異物との衝突により、ラビリンスリップ29の先端29a側が内径側に変位した状態を示す図であり、(c)は、ラビリンスリップ29の内側に泥水が進入した場合を説明する図であり、(d)は、(a)における領域Aの拡大図である。
【0035】
図2の(a)に示すように、ドライブシャフト109の外周109aと、変速機ケース107の支持穴108との隙間を封止するリップシール20は、ダストカバー110側に突出したサイドリップ28の先端28a側を、支持穴108の外部で、ダストカバー110の内径側の壁部113と外径側の壁部112との間に挿入してラビリンスシールを形成している。
【0036】
この状態においてサイドリップ28の先端28aは、外径側の壁部112の内周面112bに圧入されており、サイドリップ28よりも内径側の空間Sへの異物(埃など)の進入が阻止されている。
【0037】
さらに、回転中心軸Xの径方向から見て、ラビリンスリップ29と壁部112とが重なるように設けられており、サイドリップ28の径方向外側に、当該サイドリップ28とラビリンスリップ29と、壁部112とで、新たなラビリンスシールが形成されている。
【0038】
この状態において、泥水などの異物が、回転中心軸Xの径方向外側からリップシール20側に進入すると(図中、矢印参照)、サイドリップ28の径方向外側にラビリンスリップ29が位置しており、サイドリップ28は外部(径方向外側)に露出していないので、泥水などの異物は、ラビリンスリップ29に衝突することになる。
【0039】
そうすると、ラビリンスリップ29は、その基端29bが薄肉に形成されているので、ラビリンスリップ29の先端29a側が、衝突力により内径側(
図2の(d)、矢印a参照)に変位して、ダストカバー110の壁部112との隙間Wxが、変位前の隙間Waよりも狭められることになる(
図2の(b)参照)。
これにより、泥水などの異物が、ラビリンスリップ29の先端29a側を回り込んで、ラビリンスリップ29と壁部112の間の隙間Wxを通過しようとしても、この隙間Wxはラビリンスリップ29の変位前の隙間Waよりも狭くなっているので、サイドリップ28側への異物の進入が抑えられるようになっている。
【0040】
図3は、実施の形態にかかるラビリンスリップ29に作用する応力と、ラビリンスリップ29と壁部112との間の隙間との関係を説明する図である。
図3に示すように、ラビリンスリップ29に応力が作用していない(応力=0)ときには、ラビリンスリップ29は軸線Xbに沿って位置しており(
図2の(a)参照)、内径側に位置する壁部112との間の隙間Waが存在する。
そして、ラビリンスリップ29に応力が作用すると、ラビリンスリップ29のたわみ量(先端29a側の変位量)が急激に増大して、壁部112との間の隙間Waが急激に狭くなる。そして、その後は、応力の増大に伴って、徐々に隙間Waが狭められる。
例えば、ラビリンスリップ29に作用する応力がxである場合には、ラビリンスリップ29の撓み量がWbとなって、ラビリンスリップ29と壁部112との間の隙間Wxは、当初の隙間Waよりも狭い隙間となる(Wx=Wa−Wb)。
【0041】
実施の形態では、ラビリンスリップ29の先端29aが変位しても、ラビリンスリップ29と壁部112とが衝突しないように、サイドリップの長さL1と、先端29a側の幅W2が設定されており、さらに、応力が小さい段階で先端29a側が大きく変位するように、基端29bの幅W1が設定されている(
図2の(d)参照)。
なお、実施の形態では、基端29bの幅W1と先端29a側の幅W2が、少なくともW2≧W1となるように設定されている。
【0042】
さらに、ラビリンスリップ29の先端29a側は、壁部112に近づく方向だけでなく、壁部112から離れる方向(
図2の(d)、矢印b参照)にも変位可能となっており、ラビリンスリップ29の先端29a側が図中矢印b方向に変位すると、壁部112との間の隙間Waが広がるようになっている。
そのため、ラビリンスリップ29とサイドリップ28との間に泥水が進入して、基部27の近傍に滞留したとしても、進入した泥水が重力方向における下側に集まると、ラビリンスリップ29の先端29a側が、集まった泥水の自重により下方に変位して、ラビリンスリップ29が基準位置にある時よりも広い隙間Wyが形成されるようになっている(
図2の(c)参照)。
よって、進入した泥水が、ラビリンスリップ29とサイドリップ28との間に滞留したままとならずに、ラビリンスリップ29の先端29a側が重力方向における下側(壁部112から離れる方向)に変位することで、進入した泥水が、ラビリンスリップ29とサイドリップ28との間から、外部に排出されるようになっている。
【0043】
ここで、泥水が滞留した場合には、泥水が固化した際に固形の異物が発生して、この異物が、サイドリップ28の先端28aと壁部112との間に挟まることがある。この状態でドライブシャフト109が回転中心軸X(
図1の(a)参照)周りに回転すると、当該ドライブシャフト109と一体に回転する外径側の壁部112の内周面112bを、サイドリップ28の先端28aが摺動するので、異物を挟み込んだ状態でサイドリップ28の先端28aが摺動すると、サイドリップ28の先端28a側が異物により削られて、シール性が失われてしまう。
上記のように、進入した泥水のラビリンスリップ29とサイドリップ28との間での滞留を好適に防止できるので、シール性が失われてしまう事態の発生を好適に防止できる。
【0044】
以上の通り、実施の形態では、変速機ケース107のドライブシャフト109の支持穴108で支持されたリップシール20が、内径側に設けた当接部26をドライブシャフト109の外周109aに圧接させて設けられると共に、当接部26の径方向外側からドライブシャフト109の軸方向に伸びるサイドリップ28を有しており、
支持穴108の外側に突出させたサイドリップ28の先端28a側を、ドライブシャフト109に一体回転可能に取り付けられたダストカバー110の内径側の壁部113と外径側の壁部112との間に挿入して、ラビリンスシールを形成すると共に、サイドリップ28の先端28a側を外径側の壁部112に圧接させた自動変速機におけるシール構造であって、
リップシール20に、サイドリップ28よりも径方向外側から、サイドリップ28と同方向に伸びるラビリンスリップ29を設けて、サイドリップ28とラビリンスリップ29との間に外径側の壁部112を位置させて、サイドリップ28の外径側に、新たなラビリンスシールを形成した構成の自動変速機におけるシール構造とした。
【0045】
このように構成すると、サイドリップ28の径方向外側にラビリンスリップ29が位置しており、ドライブシャフト109の回転中心軸Xの径方向から見てサイドリップ28は、ラビリンスリップ29に隠れて露出していないので、異物がサイドリップ28に直接干渉して、サイドリップ28の先端28a側が変位することがない。よって、サイドリップ28の先端28aと外径側の壁部112との間に異物が挟まって、シール性が失われることを好適に防止できる。
これにより、車両の走行時に、ドライブシャフト109と一体に回転するダストカバー110とサイドリップ28とが、サイドリップ28の先端28aと壁部112の内周面112bとの間に異物を挟み込んだ状態で相対回転することが好適に防止される。
そのため、サイドリップ28の先端28aが、壁部112との間に異物を挟み込んだままの状態で内周面112bを摺動すると、サイドリップ28の先端28a側が異物により削られて、シール性が完全に失われてしまうことがあるが、かかる事態の発生を好適に防止できる。
【0046】
さらに、サイドリップ28によるシール性が完全に失われると、内側の空間S内に進入した異物が、当接部26におけるメインリップ26aやダストリップ26b、26cとドライブシャフト109の外周109aとの間に挟まることがある。
そうすると、ドライブシャフト109の回転により、メインリップ26aやダストリップ26b、26cがドライブシャフト109の外周109aを摺動した際に、メインリップ26aやダストリップ26b、26cが、挟み込まれた異物により削られて、シール性が失われてしまう虞がある。
上記のように構成して、サイドリップ28の部分においてシール性が失われることを好適に防止することで、メインリップ26aやダストリップ26b、26c側への異物の進入を防止できるので、メインリップ26aやダストリップ26b、26cの部分でのシール性が失われることも、好適に防止できる。
これにより、泥水などの異物が、リップシール20によるシールを破って、変速機ケース107内に進入することを好適に防止できる。また、リップシール20によるシール性が経時的に大きく損なわれることがないので、変速機107内の潤滑油が、リップシール20の部分を通って、変速機ケース107の外部に漏出することを好適に防止できる。
【0047】
ラビリンスリップ29の基端29b側は、先端29a側よりも薄肉に形成されている構成とした。
【0048】
このように構成すると、ラビリンスリップ29の先端29a側が変位しやすくなるので、ラビリンスリップ29に対して径方向外側から異物が衝突すると、ラビリンスリップ29の先端29a側は、径方向内側に位置する外径側の壁部112に近づく方向に変位して、外径側の壁部112との間の隙間Waを狭めることになる。これにより、サイドリップ28側への異物の侵入がいっそう困難になるので、サイドリップ28の先端28a側と外径側の壁部112との間に異物が挟まることを、より好適に防止できる。
よって、リップシール20によるシール性が失われることを、好適に防止できる。
【0049】
リップシール20は、支持穴108に嵌合支持される環状部材21の嵌合部22と、この環状部材21が組み付けられるシール部材25とから構成されており、
前記ラビリンスリップ29は、ドライブシャフト109の回転中心軸Xに対して平行な軸線Xbに沿って延びると共に、嵌合部22の延長上に位置しており、回転中心軸Xの径方向においてラビリンスリップ29は、嵌合部22の外周と同軸線上に設けられている構成とした。
【0050】
このように構成すると、ラビリンスリップ29を設けるために、リップシール20や支持穴108の外径を大きくする必要がないので、自動変速機の支持穴108に支持させていた従来のリップシールを単純に置き換えることで、シール性の低下を好適に防止できるシール構造となる。
また、従来のリップシールの外径を変更することなく、ラビリンスリップ29の撓み量を大きく確保することができる。
【0051】
シール部材25では、ラビリンスリップ29の基端29bを支持する基部27の外周に、内径側に窪んだ凹部272が形成されており、この凹部272は、回転中心軸Xの軸方向で、ラビリンスリップ29の基端29bに及ぶ範囲に設けられて、ラビリンスリップ29の基端29bを、先端29a側よりも薄肉に形成している構成とした。
【0052】
このように構成すると、回転中心軸Xの径方向と軸方向における凹部2722の深さと範囲(長さ)を適宜変更することで、ラビリンスリップ29の撓みやすさ(先端29a側の変位のしやすさ)を、適切に調整できる。
【0053】
シール部材25の外周には、回転中心軸Xの軸方向におけるラビリンスリップ29とは反対側に、支持穴108との当接部271が設けられており、ラビリンスリップ29と、当接部271と、環状部材21の嵌合部22とが、回転中心軸Xに対して平行な軸線Xb上で、同軸に位置している構成とした。
【0054】
このように構成すると、ラビリンスリップ29の基端29b側が、ゴム製の当接部271を介在させて、金属製の環状部材21に支持されることになる。
そうすると、応力を受けたラビリンスリップ29が変位する際に、ゴム製の当接部271の伸縮が、ラビリンスリップ29の変位のし易さに寄与することになる。
よって、ラビリンスリップ29の基端29b側を金属製の環状部材21で直接支持せた場合に比べて、ラビリンスリップ29が変位し易くなると共に、ラビリンスリップ29の変位の速度が早くなるので、サイドリップ28側への異物の進入をより好適に防止できるようになる。