特許第5748810号(P5748810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748810
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-173145(P2013-173145)
(22)【出願日】2013年8月23日
(62)【分割の表示】特願2007-337591(P2007-337591)の分割
【原出願日】2007年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-28158(P2014-28158A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】末竹 佑輔
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−268040(JP,A)
【文献】 特開2006−346228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤に、遊技状況に応じて、駆動源の動力により移動可能な演出移動体を配置した弾球遊技機において、
前記演出移動体は、遊技状況に応じて点灯または点滅する光源により照明されるレンズ部を有して、表示装置の前面側の所定位置に出現する出現位置及び前記出現位置から退避した待機位置に移動可能であり、
前記遊技盤に、前記待機位置にある前記演出移動体の前面側に位置するとともに光透過部を形成する装飾部材を設け、
前記演出移動体が前記待機位置にあるとき、前記レンズが前記装飾部材の裏面から前記光透過部に対向し、前記光源により照明される前記レンズ部の明かりが前記光透過部を透過することによって、前記遊技盤の前面側を電飾可能とすることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に遊技状況に応じて移動する演出移動体を配置した弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機(パチンコ機)において、前面に遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤の後方に、遊技に係わる演出情報を表示可能な表示装置を配置すると共に、表示装置に表示される演出情報を透視可能とする遊技盤の透視窓に、遊技状況に応じて、各種キャラクターを模した演出移動体を出没させることによって遊技時の演出を高めるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−38036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような弾球遊技機においては、通常、遊技が大当りになる可能性が高いときには、演出移動体が移動して遊技盤の透視窓内に出現して、大当りの期待感を高めるような演出を行なう。また、大当りになる可能性が低いときには、演出移動体は動くことなく透視窓から退避した待機位置に停止している。したがって、演出移動体が煩雑に動いている状態では、演出移動体の存在を遊技者に供することはできるが、その反面、演出移動体が移動するチャンスが少ない状態においては、演出移動体が遊技者から視認し難い待機位置に滞留することが多くなり、演出移動体の機能を十分に発揮することができない。
【0005】
本発明は、上述のような課題に鑑み、演出移動体が待機位置にあるとき、演出移動体により遊技領域を電飾演出することができるようにして、演出移動体の機能を十分に発揮できるようにした弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明にかかる弾球遊技機においては、前面に遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤に、遊技状況に応じて、駆動源の動力により移動可能な演出移動体を配置した弾球遊技機において、前記演出移動体は、遊技状況に応じて点灯または点滅する光源により照明されるレンズ部を有して、表示装置の前面側の所定位置に出現する出現位置及び前記出現位置から退避した待機位置に移動可能であり、前記遊技盤に、前記待機位置にある前記演出移動体の前面側に位置するとともに光透過部を形成する装飾部材を設け、前記演出移動体が前記待機位置にあるとき、前記レンズが前記装飾部材の裏面から前記光透過部に対向し、前記光源により照明される前記レンズ部の明かりが前記光透過部を透過することによって、前記遊技盤の前面側を電飾可能とする。この構成により、演出移動体が待機位置にあるとき、演出移動体が搭載する光源が点灯、点滅することによって、電飾演出することができる。よって、演出移動体は、出現位置に移動したりするときの演出に加え、待機位置にあっても電飾演出を行うことができ、機能を十分に発揮できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の弾球遊技機は、演出移動体が待機位置にあるとき、源が点灯、点滅することによって、技領域を電飾することができる。これにより、演出移動体が出現位置に移動したりするときの演出に加え、演出移動体が待機位置にあっても飾演出を行うため、演出移動体の機能を十分に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態を適用した弾球遊技機の正面図である。
図2】遊技盤ユニットの分解斜視図である。
図3】演出移動体が待機位置にあるときの遊技盤ユニットの正面図である。
図4】演出移動体が出現位置にあるときの遊技盤ユニットの正面図である。
図5】要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した弾球遊技機の正面図、図2は、遊技盤ユニットの分解斜視図、図3は、演出移動体が待機位置にあるときの遊技盤ユニットの正面図、図4は、演出移動体が出現位置にあるときの遊技盤ユニットの正面図、図5は、要部の正面図である。なお、以下の説明においては、図1及び図3図5における図面手前を「前方または表面」とし、図面奥を「後方または裏面」とし、左方を「左方」とし、右方を「右方」とする。
【0011】
弾球遊技機1は、遊技施設に据え付けられる外枠2と、外枠2に支持される遊技盤ユニット3と、遊技盤ユニット3の後方に配置され、かつ遊技に係わる図柄、数字等で構成される演出情報20を表示可能な表示装置(図示略)と、中央部に円形のガラス板が嵌め込まれ、外枠2の左部に上下方向のヒンジ軸により開閉可能に支持された前扉4とを備え、前面右下に設けられたハンドル5を時計方向へ回転操作することにより、前扉4の下方に設けられた球貯留皿6に貯留されている遊技球が図示略の発射装置から後述の遊技盤7の前面に形成された遊技領域71に打ち込まれることにより所定の遊技が行われる。
【0012】
図2に示すように、遊技盤ユニット3は、透明で光透過性の合成樹脂板により形成される遊技盤7と、表示装置の前面に配置され、かつ遊技盤7の裏側に固定される合成樹脂製のセット部材8と、遊技状況に応じて駆動可能な可動役物ユニット9とを含む。セット部材8には、表示装置に表示される演出情報20を視認可能とする正面視ほぼ矩形の開口部81が設けられている。
【0013】
遊技盤7は、前面に帯状のガイドレール10、11によって包囲される円形の遊技領域71を有している。遊技領域71には、主な部品として、遊技領域71に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる多数の遊技釘12、表示装置に表示される演出情報20をセット板8の開口部81を通して透視可能とする透視窓72、透視窓72の周囲を装飾する不透明な合成樹脂製の装飾枠13、遊技領域71に打ち込まれた遊技球が入賞可能な図柄始動口14及び遊技者にとって不利な第1状態(遊技球が入賞不能な閉鎖状態)及び遊技者にとって有利な第2状態(遊技球が入賞可能な開放状態)に変化可能な大入賞口14等が配置されている。また、遊技領域71の最下部には、図柄始動口14、大入賞口15等に入賞しなかった外れ遊技球を遊技盤7の裏面側に排出するアウト口16が設けられている。なお、遊技盤7は、完全な透明である必要はなく、表示装置に表示される演出情報20を透視でき得る程度の半透明であっても良い。
【0014】
遊技盤7の裏側には、遊技領域71の透視窓72の左方を遊技盤7の裏側から装飾するための後述の光透過部171を除いて不透明な合成樹脂製の第1装飾部材17、及び不透明な合成樹脂製の第2装飾部材18が固定される。これにより、遊技領域71における透視窓72の左方は、遊技機1の裏側が露呈しないように隠蔽される。
【0015】
第1装飾部材17の後述の演出移動体95の前面に対向する下部には、演出移動体95が搭載する後述の光源953の明かりが透過可能な光透過部171が形成される。
【0016】
第2装飾部材18の上部(演出移動体95における移動範囲外の領域)の裏側には、複数の光源を実装した光源基板19が取り付けられる。光源は、遊技状況に応じて点灯、点滅することによって、光源の明かりは、第2装飾部材18に設けた開口部181を通して、遊技領域71の表面を裏側から電飾して遊技時の演出効果を高める。
【0017】
可動役物ユニット9は、セット板8の下部前面に固定されるベース部材91と、ベース部材91の右端部に、回転軸が上下方向を向くように取り付けられる駆動源をなすモータ92と、ベース部材91の左右両端部に枢支された左右のプーリ(図示略)に掛け回され、モータ92により左右方向へ回走する無端状のタイミングベルト93と、ベース部材91に支持された左右方向を向く案内棒94と、案内棒94に摺動自在に支持されると共に、タイミングベルト93の回走に従動して左右方向へ移動可能な演出移動体95とを含む。
【0018】
演出移動体95は、内部に複数の光源953を実装した光源基板を搭載すると共に、前面には、光源953により照明されるほぼ円形の大レンズ部951及び大レンズ部951の周りに設けられる複数の小レンズ部952を有し、モータ92の回転に伴うタイミングベルト93の回走に従動して、図3、5に示す待機位置及び図4に示す出現位置に移動する。
【0019】
演出移動体95が待機位置にある場合、演出移動体95は、透視窓72から退避し、遊技領域71における透視窓72の左方裏側、すなわち第1装飾部材17の裏側に隠れ、遊技盤7の前面から見難い状態にあり、また、各レンズ部951、952は、第1装飾部材17の裏側から光透過部171に対向する。したがって、演出移動体95が待機位置にある状態で、遊技状況に応じて、光源953が点灯、点滅することにより、光源953の明かりは、演出移動体95の各レンズ部951、952及び第1装飾部材17の光透過部171を透過して、遊技領域71を電飾することができる。
【0020】
演出移動体95が出現位置にある場合、演出移動体95は、透視窓72内の下部中央に出現すると共に、左右両側に設けた可動部954が外側に移動することによって自体の形状を変形させて遊技を盛り上げる。また、これに加えて、光源953が点灯、点滅して電飾演出によっても遊技を盛り上げる。
【0021】
次に、本実施形態の作用について説明する。遊技領域71に打ち込まれた遊技球が図柄始動口14に入賞すると、これを契機に内部抽選が実行される。そして、内部抽選の結果に基づいて、表示装置に表示されている演出情報20が可変表示すると共に、待機位置にある演出移動体95の光源953が遊技盤7の裏側で点灯、点滅したりする。これにより、光源953の明かりは、演出移動体95の各レンズ部951、952及び第1装飾部材17の光透過部171を透過して、遊技領域71を裏側から照明し、そのときの演出を高める。
【0022】
また、内部抽選の結果、大当たりになる可能性がある場合には、可動役物ユニット9におけるモータ92を駆動制御し、演出移動体95を待機位置から出現位置に移動させると共に、各光源953を点灯、点滅させる演出を行って、そのときの遊技を盛り上げる。
【0023】
そして、所定時間経過後、演出情報20の可変表示は、停止して確定表示される。確定表示された演出情報の数字、図柄等の組み合わせが、予め定められた表示態様、例えば、同一の数字や図柄が揃った場合には、大当り状態を生起させ、大入賞口15を第1の状態から第2の状態に変化させ、遊技者に所定の遊技価値を付与する。
【0024】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。
(i)遊技盤7を光不透過性として、遊技盤7における待機位置にある演出移動体95の第1、2レンズ部951、952またはその近傍に対向する領域のみを光透過性とする。このようにした場合には、待機位置にある演出移動体95を遊技盤7の前面から見難くする各装飾部材17、18を省略することができる。
(ii)演出移動体95を移動させるためのタイミングベルト93を、ラック&ピニオン、またはねじ杆等に代える。
【符号の説明】
【0025】
1 弾球遊技機
2 外枠
3 遊技盤ユニット
4 前扉
5 ハンドル
6 球貯留皿
7 遊技盤
8 セット部材
9 可動役物ユニット
10、11 ガイドレール
12 遊技釘
13 装飾枠
14 図柄始動口
15 大入賞口
16 アウト口
17 第1装飾部材
18 第2装飾部材
19 光源基板
20 演出情報
71 遊技領域
72 透視窓
81 開口部
91 ベース部材
92 モータ(駆動源)
93 タイミングベルト
94 案内棒
95 演出移動体
171 光透過部
181 開口部
951 大レンズ部
952 小レンズ部
953 光源
954 可動部
図1
図2
図3
図4
図5