特許第5748837号(P5748837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5748837発光ダイオードならびに発光ダイオードの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5748837
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】発光ダイオードならびに発光ダイオードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20150625BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20150625BHJP
【FI】
   H01L33/00 410
   H01L33/00 186
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-500237(P2013-500237)
(86)(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公表番号】特表2013-522916(P2013-522916A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】US2011029045
(87)【国際公開番号】WO2011116315
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2012年11月12日
(31)【優先権主張番号】12/728,080
(32)【優先日】2010年3月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス,チャールズ エム.
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−069086(JP,A)
【文献】 特開2009−272638(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/131627(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/152610(WO,A1)
【文献】 特開2009−267164(JP,A)
【文献】 特表2009−512178(JP,A)
【文献】 特開2008−300460(JP,A)
【文献】 特開2005−303289(JP,A)
【文献】 特開2006−303373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)を製造するための方法であって、
第1の光変換材料を前記LED上の第1の領域に付与することと、
第2の光変換材料を前記LED上の、前記第1の領域とは異なる第2の領域に付与することと、
を含み、
前記第1の光変換材料は、ギャップによって前記第2の光変換材料から離間され、前記第1および第2の光変換材料を付与した後に、前記ギャップを通って前記LEDの少なくとも一部にアクセス可能であって、前記LEDの動作中、前記LEDによって発せられた光の少なくとも一部が前記ギャップを通過し、
前記LEDは同じワークピース上の複数のLEDのうちの1つであり、
前記方法は
前記第1の光変換材料を前記ワークピース上の複数のLED上の前記第1の領域に付与することと、
前記第2の光変換材料を前記ワークピース上の複数のLED上の前記第2の領域に付与することと、
を更に含み、
前記ワークピース上の各LEDは第1および第2の光変換材料の異なる配置を含み、これにより、前記各LEDの光波長のばらつきが補償するようになされている、方法。
【請求項2】
前記第1の光変換材料は、前記ワークピース上の2つ以上のLEDに同時にまたは略同時に付与され、
前記第2の光変換材料は、前記ワークピース上の2つ以上のLEDに同時にまたは略同時に付与される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光変換材料は黄色もしくは黄色がかった蛍光体を含み、前記第2の光変換材料は赤色蛍光体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の光変換材料を付与することおよび前記第2の光変換材料を付与することは、前記LED上へ前記第1および第2の光変換材料をスクリーン印刷することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の光変換材料を付与することは、第1のフォトリソグラフィー工程を用いて前記第1の光変換材料を付与することを含み、
前記第2の光変換材料を付与することは、第2のフォトリソグラフィー工程を用いて前記第2の光変換材料を付与することを含む、 請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の光変換材料は第1の蛍光体を含み、前記第2の光変換材料は第2の蛍光体を含み、
前記第1の光変換材料を付与することは、
前記LED上に第1のフォトレジスト材料を付与してパターン化することと、
電気泳動を使用して前記第1のフォトレジスト材料中の開口内へ前記第1の蛍光体を堆積することと、
を含み、
前記第2の光変換材料を付与することは、
前記第1のフォトレジスト材料除去することと、
前記LED上に第2のフォトレジスト材料を付与してパターン化することと、
電気泳動を使用して前記第2のフォトレジスト材料中の開口内へ前記第2の蛍光体を堆積することと、
前記第2のフォトレジスト材料を除去することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に発光ダイオードならびに発光ダイオードを製造するための方法に向けたものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、コンピュータ・モニタ、テレビジョン、携帯電話、デジタル・カメラおよび他の電子デバイス、ならびに種々の応用のための効率的な光源である。白色光LEDもまた、一般的な照明、建築用、戸外用、商用のおよび/または住居用の照明において利用可能である。しかしながら、LEDは概して特定の一波長を放射するだけなので、真の白色光LEDは得られない。人間の眼が色を白と受容するには、波長の混合が必要である。
【0003】
LEDによって白色光を模擬するための従来の技術の1つは、基材(例えば、窒化インジウムガリウム(InGaN))に光変換材料(例えば、蛍光体)を蒸着することを含む。作動中に、InGaN基材は青色光を放射し、光変換材料を刺激して黄色光を放射させる。黄色光が人間の眼の赤色及び緑色の受容体を刺激するので、基材および光変換材料が適切に整合すると、青色光と黄色光との混合の結果として目に白の呈色が与えられる。しかしながら、適切に整合しなければ、組合せ発光は灰色がかった白色となり、電子デバイスの色忠実度を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A図1Aは、本技術の実施形態によって構成されるマイクロエレクトロニクスデバイスを搭載した代表的なマイクロエレクトロニクスワークピースを示す部分概略図である。
図1B図1Bは、図1Aに示されるワークピースからシンギュレート(単一化)されるマイクロエレクトロニクスデバイスの概略図である。
図2A図2Aは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す平面図である。
図2B図2Bは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す断面図である。
図3A図3Aは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す平面図である。
図3B図3Bは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す断面図である。
図4A図4Aは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す平面図である。
図4B図4Bは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す断面図である。
図5A図5Aは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す平面図である。
図5B図5Bは、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す断面図である。
図6図6は、本技術の実施形態によってLED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す平面図である。
図7図7は、本技術の他の実施形態によってLED上に選択的に光変換材料を付与した後のマイクロエレクトロニクスワークピースの一部分を部分的に図解する上面図である。
図8図8は、本技術の更に他の実施形態によってLED上に選択的に光変換材料を付与した後のマイクロエレクトロニクスワークピースの一部分を部分概略上面図である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
に形成され(複数の)LEDを有するマイクロエレクトロニクスワークピース(マイクロ電子ワークピース)およびこの種の(複数の)LEDを製造するための方法のさまざまな実施形態について以下に説明する。用語「マイクロエレクトロニクスワークピース(マイクロ電子ワークピース)」は、全体を通じてマイクロエレクトロニクスデバイス(マイクロ電子デバイス)、マイクロメカニカルデバイス(マイクロ機械デバイス)、データ記憶エレメント、読み出し/書き込みコンポーネントおよび他のフィーチャーがその上および/またはそこに形成され基 板を含む。たとえば、基板は半導体片(例えばシリコンウェーハ、砒化ガリウムウェーハまたは他の半導体ウェーハ)、非導電性片(例えばさまざまなセラミッ ク基板)または導電性片でありえる。この種のシステムとしばしば関連する周知の構造、システムおよび方法は、不必要に本技術のさまざまな実施形態の記述を 不明瞭にすることを避けるために示さないかまたは詳述しなかった。関連した技術の当業者は、したがって、本技術が付加的な実施形態を有することができ、そ して、本技術が図1A〜8に関して示されまたは後述される要素の幾つかを用いずに実践できることを理解するだろう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1Aは、複数のマイクロエレクトロニクスデバイス(マイクロ電子デバイス)またはマイクロ電子コンポーネント120を含む半導体ウェーハ110の形態のマイクロエレクトロニクスワークピース(マイクロ電子ワークピース)100である。後述の少なくとも幾つかの工程は、ウェーハレベルでマイクロエレクトロニクスワークピース100に対して実施でき、そして、デバイス120がより大きいウェーハ110から個片化(単 一化)されたあと、他の工程をマイクロエレクトロニクスワークピース100の個々のマイクロエレクトロニクスデバイス120に実施できる。したがって、特 に明記しない限り、マイクロエレクトロニクスワークピースの文脈で後述する構造および方法は、ウェーハ110、ウェーハ110から形成されるデバイス 120および/または支持部材に取り付けられ一つ以上のデバイス120のアセンブリに適用できる。図1Bは、図1Aに示されるウェーハ110から個片化された後の個々のデバイス120の概略図である。デバイス120は、オプションとして保護封入体内に封入される、動作可能なマイクロエレクトロニクス構造を含むことができる。たとえば、デバイス120はInGaNおよび/または他のタイプの(複数の)LED、トランジスタ、キャパシタ、カラーフィルタ、鏡および/または他のタイプの電気的/機械的/光学的ワークピースを含むことができる。デバイス120は、ピン、ボンドパッド、半田ボール、再配線構造および/または他の導電性構造によって外部構造上のデバイスに対して電気的に接続し得る。
【0007】
図2A〜6は、本技術の実施形態によって(複数の)LED上へ選択的に光変換材料を付与する方法のさまざまな段階を示す。下記で詳述する通り、1つ以上 の光変換材料または変換材料(例えば蛍光体)は、ワークピースまたはウェーハ上の各LEDの個別の領域上へ付与できる。用語「蛍光体」は、励起された粒子 (例えば電子および/または光子)に暴露した後、輝くことを維持できる材料を意味する。光変換材料(複数の光変換材料)は、ウェーハ全体の 色自由度補償を助成するために各LED上へパターン化されるまたは選択的に付与できる。更に、ウェーハ上の個々の構成要素の色(複数の色)は、本願明細書 において記載されている方法を用いて正確に調整または制御できる。
【0008】
図2Aは、ワークピース200上に光変換材料を付与する前の初期段階における、マイクロエレクトロニクスワークピース200の一部部分概略上面図である。図2Bは、実質的に図2Aの線2B−2Bに沿った部分概略側面断面図である。図2Aおよび2Bを共に参照すると、マイクロエレクトロニクスワークピース200は、前側すなわちアクティブ204(図2B)を有する半導体基板202および前側204(図2B)に形成されLED 210(例えばInGaNLED)を含む。単一のLED210だけが示されているものの、図2A−6に関して本願明細書において記載されている方法がワークピース200全体に同時にまたはほぼ同時に複数のデバイスに実行できることはいうまでもない。
【0009】
ワークピース200は、図1Aおよび1Bを参照して上述したワークピース100と全般的に類似の幾つかのフィーチャーを含み得る。たとえ ば、基板202はウェーハ上のダイ・パターンに配置される複数のマイクロエレクトロニクスデバイスまたは構成要素(例えばLED 210)を有する半導体ウェーハであり得る。個々のLED210もまた、端子212(例えば図2Aで示すボンドパッド)および端子212に電気的に結合す る回路(図示せず)を含む。InGaNLEDを形成するための1つの技術には、サファイヤ(Al)お よび/またはシリコン(Si)基板上に金属有機化学蒸着(MOCVD)工程におけるエピタキシャル成長によって窒素ドープ型GaN、InGaN、および燐 ドープ型GaNを順次に付与することを含み得る。しかしながら、他の実施形態において、他の適切な技術をLED 210形成に用いてもよい。
【0010】
光変換材料は、様々な異なる方法を使用してLED210に選択的に付与できる。たとえば、図示した実施形態において、第1のマスクまた はレチクル220は、LED210上に配置される。第1のマスク220は、LED210上の第1の光変換材料(図示されていないが、図3Aおよび3Bを参 照して下記に詳細に記載される)の所望のパターンと一致している複数のアパーチャまたは開口222を含む。第1のマスク220はLED210の上表面から 離隔した離散的要素であり得る、または、マスク220はLED210(図2Bの破線に示す)の上表面に付与されるフォトレジスト材料または他の適切なマス ク材料を含むことができ、フォトリソグラフィーおよび/または他の適切な技術を使用してパターン化される。端子212もまた、処理の間の短絡または汚染 (コンタミネーション)を妨ぐためにマスクされ得る。
【0011】
図3Aおよび3Bを参照すると、第1の光変換材料または第1の変換材料224(例えば黄色蛍光体)は、LED 210上に所望のパターンで付与される。第1の光変換材料224は、スクリーン印刷プロセスおよび/または他の適切な方法を使用して付与される。上記した通り、第1の光変換材料224がLED 210の所望の領域だけの上へ選択的に付与されるように、第1のマスク220は特定の接触領域を除外するように構成される。図示した実施形態において、第1の光変換材料224は、LED210上の選択されたパターンで配置された複数のブロックまたは「島」を含む。第1の光変換材料224の個々の部分は、複数の第1のギャップまたは溝225によって相互に分離される。図3Aおよび3Bに示したパターンは単に、第1の光変換材料224の特定のパターンの代表的なものに過ぎない。第1の光変換材料224は、多種多様な異なるパターンまたは配置でLED 210上へ付与できる。
【0012】
第1の光変換材料224は、刺激を受けると所望の波長で発光する組成物を有し得る。たとえば、一実施形態において、第1の光変換材料224は、燐含有セリウム(III)ドープ型イットリウムアルミニウムガーネット(Ce:YAGまたはYAG:Ce)を特定の濃度で含み得る。この種の材料は、光ルミネセンスの下で緑色から黄色まで、そして、赤色までの広範囲の色を放射することができる。他の実施形態において、第1の光変換材料224は、ネオジムドープ型YAG、ネオジム-クロミウム二重ドープ型YAG、エルビウムドープ型YAG、イッテルビウムドープ型YAG、ネオジム-セリウム二重ドープ型YAG、ホルミウム‐クロミウム‐ツリウム三重ドープ型YAG、ツリウムドープ型YAG、クロミウムドープ型YAG、ジスプロシウムドープ型YAG、サマリウムドープ型YAG、テルビウムドープ型YAG、および/または他の適切な燐組成物を含み得る。他の実施形態において、第1の光変換材料224は、ユウロピウム蛍光体(例えばCaS:Eu、CaAlSiN:Eu、SrSi:Eu、SrS:Eu、 BaSi:Eu、 SrSiO:Eu、 SrSi:Eu、 SrGa:Eu、SrAl:Eu、 BaSiO:Eu、SrAl1425:Eu、 SrSiAlN:Eu、BaMgAl1017:Eu、SrO7:Eu、BaSO:Eu、および/またはSrB:Eu)を含み得る。光変換材料の前述のリストは、網羅的ではない。蛍光体材料はまた、適切なキャリヤ材料(エポキシ、シリコーン、その他)に混合できる。
【0013】
上記した通り、第1の光変換材料(そして、任意のそれに続く光変換材料)は、選択的に多くの異なる方法を使用してLED210に付与できる。たとえば、 LED210上に第1の光変換材料224を選択的に付与するための適切な他の方法において、蛍光体材料(例えば、Ce:YAG)は感光性の材料(例えば PVAおよび重クロム酸アンモニウム)と混合でき、そして、組成物の層はLED210上へ付与される。フォトリソグラフィーの手順は選択的に組成物の部分 を露光するために用いられ、露光した部分はLED210上の所望の位置で「固定され」、第1の光変換材料224を形成する。この付与/露光/現像工程は、 LED210上へ選択的に追加の光変換材料を付与するために何度も繰り返され得る。
【0014】
第1の光変換材料224を選択的に付与するためのさらに別の適切な技術は、LED210上にフォトレジスト材料をスピン塗布し、材料をパターン化してLED210の所望面積または領域上に開口を形成することを含む。第1の光変換材料224は、電気泳動または適切な他の工程を使用して開口内に、およびLED210上へ付与できる。第1の光変換材料224を付与した後に、フォトレジストは除去できる。代替の実施形態において、感光性材料を使用するよりはむしろ、ある他の適切な材料はLED210上へ付与でき、開口はエキシマ・レーザ・アブレーションまたは適切な他の工程を使用して、選択的に形成できる。更に他の実施形態において、他の適切な技術は、LED 210上へ選択的に第1の光変換材料224(そして、任意のそれに続く光変換材料)を付与するために用い得る。
【0015】
図4Aおよび4Bを参照すると、第2のマスクまたはレチクル230は、LED210上に配置される。第2のマスク230は、LED 210上の第2の光変換材料(図示されないが、図5Aおよび5Bを参照して下記に詳述される)の所望のパターンに対応する複数のアパーチャまたは開口232を含む。第1のマスク220と同様に、第2のマスク230はLED 210の上表面から離隔した離散的構成要素であり得る、または、第2のマスク230はLED210上の表面に付与されるフォトレジスト材料または他の適切なマスク材料を含むことができて、フォトリソグラフィーおよび/または他の適切な技術を使用してパターン化される。
【0016】
次に図5A及び5Bを参照すると、第2の光変換材料234(例えば赤色蛍光体)は、LED210上に所望のパターンで選択的に付与される。図示した実施 形態において、たとえば、第2の光変換材料234は、LED210上の選択されたパターンで配置された複数のブロックまたは「島」を含み、そのパターンで は、第2の光変換材料234が第1の光変換材料224の隣接した部分に接触してもよくまたは接触しなくてもよい。第2の光変 換材料234の個々の部分は、たとえば、互いに分離され、第1の光変換材料224は複数の第2のギャップまたはチャネル235によって分離される。図5A 及び5Bに示されるパターンは単に、第2の光変換材料234用の1つの特定のパターンの代表的なものに過ぎない。第2の光変換材料234は、多種多様な異 なるパターンまたは配置でLED210上へ付加できる。
【0017】
第2の光変換材料234は、図3Aおよび3Bを参照して上述した第1の光変換材料(例えば、Ce:YAG、等)の材料と類似した材料を含むことができ る。加えて、第2の光変換材料234は、図3Aおよび3Bを参照して上述した第1の光変換材料224を付与するために用いる材料と同様な材料を使用してLED210上へ付与できる。しかしながら他の実施形態において、第2の光変換材料234は、異なる材料から構成されおよび/または異なる技術を使用してLED210上へ付与できる。
【0018】
図6は、第1および第2の光変換材料224および234がLED210の所望の部分に選択的に付与され、第2のマスク230(図5A及び5B)は除去された後の、ワークピース200の部分概略上面図である。LED210は、どの光変換材料も含まない青色光を通過させる複数の非塗布もしくは非被覆部分240を含む。LED210はしたがって、非塗布部分240、第1の光変換材料224の部分、および第2の光変換材料234の部分の配置と寄与に基づいて所望の色の光を生成するように構成されている。第1および第2の光変換材料224および234用の特定の組成物の選択およびLED210上の第1および第2の光変換材料224および234のLED210上への正確な配置によって、LED210は、任意の所望の色の光(例えば白色光)も生成できることはいうまでもない。さらに、2つの光変換材料だけが本願明細書において記載されているものの、他の実施形態において、単一の光変換材料のみまたは2より多くの光変換材料をLED210上へ付加できる。
【0019】
先述の通り、単一のLED210のみが図2A〜6に関して示されているが、本願明細書において記載されている方法はワークピース200全体の複数のLED210 に、同時にまたはほぼ同時に実行できる。一実施形態において、たとえば、ワークピース200上の各LED210は、光変換材料の同一であるか全般的に同一 のパターンを使用して処理できる。しかしながら他の実施形態において、個々のLED210上の光変換材料のパターンは、ワークピース200全体で変化でき る。たとえば、ウェーハレベルでマイクロエレクトロニクスデバイスを製造する1つの挑戦では、個々のマイクロエレクトロニクスデバイスの相違を配慮してい る。たとえば、同じマイクロエレクトロニクスワークピース上のマイクロエレクトロニクスデバイスの形成の間のエピタキシャル成長、化学的機械研摩、ウェットエッ チング、および/または、他の操作の処理の相違によってワークピース200の一領域のLEDに他の領域とは異なる波長で発光させる。その結果、ワークピー ス200全体の各LEDが選択的に付与された光変換材料の同じパターンを含む場合、少なくとも幾つかのLEDからの発光は不一致もしくはオフホワイト(例 えば、赤、青および/または緑色をおびた)であり得る。図2A〜6に関連して上記した方法の実施形態は、ワークピース200全体のLEDの前述の発光変動 を、第1および第2の光変換材料224および234の組成および/または配置を個々のLED210に具体的に合わせることにより、解消できる。
【0020】
しかしながら他の実施形態において、各LED210のためのパターンをカスタマイズすることよりむしろ選択的に付与した光変換材料のパターンが、ワークピース200上の特定の領域の複数のLED のために使用し得る。たとえば、オペレータは個々のLED210の領域のための代表として、ワークピース200上の選択されたLED210の発光特性を測 定することができる。更なる実施形態において、測定された発光特性は、平均化、濾過、および/または他様に操作できて個々のLED210の領域の代表的値 として、値を導出することができる。さらに他の実施形態において、処理されるワークピースは前もってソートされることができ、同様な発光特性を有するワー クピースの第1のバッチが個々のワークピース上の素子のための光変換材料の第1の選択されたパターンを使用して、一緒に処理されることができて、ワーク ピースの第2のバッチは、個々のワークピース、等の上のデバイスのための光変換材料の第2のパターンを使用して、一緒に処理されることができる。
【0021】
図7および8は、図2A〜6を参照して上述したように、マイクロエレクトロニクスワークピース上へ選択的に光変換材料を付与する方法の2つの更なる実施形態を示す。図7および8のそれぞれにおいて、幾つかのフィーチャーは、図2A〜6のワークピース200と関連して議論された上記と同一であってもよい。したがって、同様な参照番号は図2A〜6ならびに図7および8の同様な構成要素を意味する。
【0022】
図7は、たとえば、本技術の他の実施形態によってLED210上に光変換材料を付与したワークピース300を部分概略上面図である。より具体的には、ワークピース300は第1の光変換材料324および第2の光変換材料334が、図6の第1および第2の光変換材料224および234とは選択的に。異なるパターンのLED210上へ付与されたという点で図2A〜6に示されるワークピース200と異なる。本実施形態において、たとえば、第1の光変換材料324は、LED210全体にわたり複数の一般的な同心円を含む。他の形状、例えば、三角形、六角形等もまた、考慮される。第1の光変換材料324の個々の環状部は、チャネルまたはギャップ325によって分離される。これらのチャネルまたはギャップ325の一部は、非塗布領域340を含み、LED210から青色光が通過できる。
【0023】
図8は、本技術の更に他の実施形態によってLED210上に光変換材料を付与したワークピース400部分概略上面図である。ワークピース400は、第1の光変換材料424がLED210全体の複数の個々の矩形状部分のLED210上へ付与されたという点で、図2A〜7に関して上記したワークピース200および300と異なる。第1の光変換材料424の個々の矩形状部 分は、チャネルまたはギャップ425によって分離される。第2の光変換材料434の個々の部分は、第1の光変換材料424の直線状部分の配置と一般に一致 しているパターンのLED210上へ付与される。さらに他の実施形態において、第1のおよび/または第2の光変換材料の一部は、他の形状(例えば、多角形 の)または適切なパターンのLED210上へ、選択的に付与できる。
【0024】
前述のことから、本技術のある実施形態が説明のために本願明細書において記載されていたことはいうまでもない、しかしながら、そのさまざまな変更は本技術の趣旨および権利範囲から逸脱することなく実行できる。たとえば、ある実施形態の文脈に記載されている構造および/または工程は他の実施形態において組合せることができるかまたは消去できる。特に、ある実施形態に関して上記した第1のおよび/または第2の光変換材料の配置はウェーハ全体の選択されたLED上へ選択的に付与される1つ以上の付加的光変換材料を含むことができ、または、上記した光変換材料のうちの1つ以上は省略できる。さらに、本技術のある実施形態と関連する効果がこれらの実施形態の文脈に記載されると共に、他の実施形態はまた、この種の効果を呈することができ、実施形態が必ずしも必要とする全技術の権利範囲内に含まれる効果を示すというわけではない。したがって、本技術の実施形態は添付請求項以外では制限されることはない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8