(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示されている密結合冷却システムおよび方法の実施形態が、ここで、類似する参照数字が、いくつかの図のそれぞれの同一の要素または対応する要素を示す、図面を参照して詳しく説明される。
【0018】
本開示は、エネルギー効率の優れた、設置面積を取らない、高密度サーバラック構成を提供するためのモジュラーデータポッドおよび関連サポートシステムに関する。本モジュラー手法は、サーバラックを冷却するための空気がその中を通って循環するホットアイルおよびコールドアイルを作り出すための、八角形状、六角形状、および五角形状等の幾何学形状のきわめて効率的な使用を可能にする。これらの多角形状は、内部の角度と側面と外部の角度と側面の両方の利点を使用して最大のエネルギー効率および設置面積節約を可能にする。内部ポッド形状は、サーバラックを位置決めするための自然の円形の構成を提供する。先行技術と比較すると、この構成は、ホットアイルおよびコールドアイルを作り出し、封じ込めるためのより効率的な方法となる。
【0019】
データサーバ等のコンピュータシステムを効率的に冷却するために使用される冷却空気は、自然対流を可能にする自然経路に従う。自然対流は、たとえばファン等の、効率的に配備される機械的な冷却システムおよび構成部品によって支援される。モジュラーデータポッドの外部形状は、モジュラーデータポッドの多面的かつ多角的な幾何学形状の接地面積節約特性の最も効率的な使用を可能にする。モジュラーデータポッドは、蜂の巣箱に見られるパターンに類似した隙間がないグループで配備できる。蜂の巣箱は、人間にとって既知の最も効率的な空間の使用であると考えられている。モジュラーデータポッドの設置面積を取らない、効率的な設計は、ITデータ記憶業界の驚異的な成長に対応している。完全にモジュラー化されたデータポッドは、エネルギー効率の優れた冷却システム、および「ジャストインタイム」の配備のための電気的な制御装置およびITシステムも特色とする。
【0020】
本開示にかかる密結合冷却システムおよび方法は、「チラーレス」であり、変動するIT負荷の冷却を処理するためにチラーを使用する冷却システムに比べてはるかに少ない機械的な冷凍能力を必要とする。いくつかの実施形態では、システムは約39トンから40トンの副冷却を使用して、1メガワットのIT負荷の冷却を達成する。これは、湿球状態が極端(たとえば、78°F以上の湿球温度)である、北東半球または南半球等の相対的に高湿球の状態の地域で冷却を提供することに基づいている。システムは、チラーまたは直接膨張(DX)システムが通常必須であった相対的に高い湿球環境地域で配備できる。
【0021】
個別の副冷却システムは、負荷の個別の点での密結合冷却とともに動作して、通常はDXまたはチラー支援のどちらかを必要としただろう(コールドアイルでの)ITラック入口冷却温度をサポートできるほど十分な冷却を可能にする。本開示のいくつかの実施形態にかかるシステムは、モジュラーデータセンター用途等の密結合用途で使用される。他の実施形態では、冷却システムは、典型的なデータセンターの空白部分の内部でモジュラー冷却をサポートするための定型システムとして使用できる。システムは、データセンターの運転費(たとえば、エネルギー費用)だけではなく先行投資も大幅に削減できる。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムはある特定のプロジェクトによって決定される72°F以上の冷媒を使用してITサーバラックを冷却できる。これは、ある特定のプロジェクトによって決定される75°F以上のコールドアイル気温またはラック入口温度を提供する。
【0023】
図1は、モジュラーデータセンターまたはデータポッドハイブ1の概略図である。用語「ハイブ」は、ともに結合された複数のモジュラーデータポッドおよび関連冷却インフラを指す。データポッドハイブ1は、データポッドチェーン122、124、125内に配列される複数のモジュラーデータポッド80を含む。モジュラーデータポッド80は、サーバラックを含むデータエンクロージャ85、および冷却回路、電力回路、および制御回路を含む補助エンクロージャ818を含む。
【0024】
データポッド80は、中央冷却システム、電力システム、および制御システムに結合している。中央冷却システムは、中央冷却流体回路を含む。中央冷却流体回路は、冷却塔131a、131bの第1の組、冷却塔132a、132bの第2の組、流体ポンプ146a、146bの2つのバンク、供給管路115a、115bの組、および戻り管路125a、125bの組を含む。中央冷却システムは、流体ポンプ146a、146bのそれぞれのバンクを駆動する可変周波数駆動装置144a、144bの2つのバンクも含む。中央冷却システムは、2組の冷却塔131a、131b、132a、32bの内部でファンおよび/または流体ポンプを駆動する可変周波数駆動装置142a、142bの2つのバンクも含む。また、データポッドハイブ1は、モジュラーデータポッド80aに電池バックアップ電力を提供する1組の中央電池バックアップユニット150a、150bも含む。
【0025】
図1のモジュラーデータハイブ1は、大量のサーバラック容量(たとえば、約12から15
MWのサーバラック容量)をサポートするように設計され、配備され得る。
図1は、モジュラーデータポッドの幾何学形状の設置空間節約属性を示す。モジュラー式ではない典型的なデータセンターは、このレベルのサーバラック容量および密度を処理するために3倍から4倍多くの空間を要する。
【0026】
図1は、モジュラーデータポッドハイブ1の一端にあるシステムインフラの設置を示す。最初に、十分な数のデータポッドが、早期配備のために設置できる。いくつかの冷却塔、ポンプ、および電気スイッチ装置が、必要に応じてジャストインタイムで配備できる。関連するパイプおよび電気チェースを収容するその補助エンクロージャ818を含む、追加のモジュラーデータポッドが、経時的にデータポッドハイブ1に追加できる。
図1は、完全なハイブ配備の例を示す。
【0027】
図2Aから
図2Gは、本開示の実施形態にかかる異なる多角形状を有するモジュラーデータポッドを示す。モジュラーデータポッドの多角形状は、いくつかの利点を提供する。多角形状の外部は、空間効率のよいパッキングまたはグループ化を助長する。そして、多角形上の内部は、モジュラーデータポッドの多角形状内部の円形パターンでの正方形または矩形のサーバラックの隅から隅までの隙間がない配列を可能にする。
【0028】
この配列は、ホットアイルとコールドアイルとの間の効率的な間仕切りを画定する。たとえば、コンピュータラックが、それらがデータポッドの壁に向かって熱を放射するまたは吹き付けるように配列されているそれらの実施形態では、ホットアイルは、モジュラーデータポッドとコンピュータラックとの間の壁の間の空隙によって画定され、ホットアイルは、モジュラーデータポッドの中心を向くコンピュータラックの側面によって生じる空間によって画定される。他の実施形態では、コンピュータラックは、コールドアイルが、モジュラーデータポッドの壁とコンピュータラックとの間の空間によって画定され、コールドアイルが、モジュラーデータポッドの中心を向くコンピュータラックの側面によってモジュラーデータポッドの真中に生じる空間によって画定される。
【0029】
コンピュータラックの隙間がないグループ化は、コンピュータラックで取り付けられる関連装置間の密接な距離の効率的な使用も可能にする。結果は、ホットアイルおよびコールドアイルの効率的な位置決め、密接なグループ化(つまり、設置面積節約)、ならびに電気的、機械的、およびITの相互接続および処理のためのコンピュータシステム間の密接な距離である。
【0030】
図2Aから
図2Gに示されるように、モジュラーデータポッドの壁は、五角形(たとえば、
図2Aのモジュラーデータポッド50)、六角形(
図2Bのモジュラデータポッド6)、七角形(たとえば、
図2Cのモジュラーデータポッド70)、八角形(たとえば、
図2Dのモジュラーデータポッド80)、九角形(
図2Eのモジュラーデータポッド90)、および十角形(
図2Fのモジュラーデータポッド100)を含むさまざまな異なる多角形上で配列され得る。これらの形状は、修正することもできる。たとえば、
図2の八角形をしたモジュラーデータポッド80は、モジュラーデータポッドの2つの壁の長さを増加するために一方向で引き伸ばされて、
図2Gのモジュラーデータポッド80’を形成することができる。
【0031】
図2Aに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の五角形のデータポッド50が、少なくとも1つの端縁に沿って互いに接して結合される5つの外部壁部材1051、1052、1053、1054、および1055を含むデータエンクロージャ105を含む。たとえば、端縁55は、多角形の形状で、外部壁部材1051を外部壁部材1052に、外部壁部材1052を外部壁部材1053に、外部壁部材1053を外部壁部材1054に、外部壁部材1054を外部壁部材1055に、外部壁部材1055を外部壁部材1051に接して結合する。
【0032】
五角形のモジュラーデータポッド50は、外部壁部材1051に近接してモジュラーデータポッド50の内部に配置されるサーバラック501、外部壁部材1052に近接してモジュラーデータポッド50の内部に配置されるサーバラック502、外部壁部材1053に近接してモジュラーデータポッド50の内部に配置されるサーバラック503、外部壁部材1054に近接してモジュラーデータポッド50の内部に配置されるサーバラック504、および外部壁部材1055に近接してモジュラーデータポッド50の内部に配置されるサーバラック505を含む。
【0033】
モジュラーデータポッド50の中心領域の実質的に範囲内で熱交換容積5002を画定するために、互いから離間しているとして示されているサーバラック01および505は、内部壁部材550を介してその間で接して結合され得る。同様に、互いから離間しているとして示されているサーバラック501および02は、内部壁部材510を介してその間で接して結合されてよい。(本明細書に定められるように、内部壁部材は、外部壁部材によって画定されるそれぞれ個別のモジュラーデータポッドの範囲内に置かれる壁部材である。)サーバラック502および503、ならびにサーバラック504および505も互いから離間されているとして示されているが、当業者は、内部壁部材510および550に類似する内部壁部材が、サーバラック502および503、またはサーバラック504および505を接して結合するために配置され得ることを認識するだろう。さらに、当業者は、第1の熱交換容積5001が、モジュラーデータポッド50内部で適切な熱伝達状態を生じさせるために、隣接するサーバラック間のありとあらゆる位置で隙間なく制限される必要がないことも認識する。
【0034】
モジュラーデータポッド50は、外部壁部材1051に隣接する補助エンクロージャ515も含む。他の実施形態では、補助エンクロージャ515は、外部壁部材1051から1055の内の1つに隣接してもよい。補助エンクロージャ515は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム525を含む。
【0035】
図2Bに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の六角形のデータポッド60が、多角形の形状で少なくとも1つの端縁に沿って互いに接して結合される6つの外部壁部材1061、1062、1063、1064、1065、および1066を含むデータエンクロージャ106を含む。
【0036】
六角形のモジュラーデータポッド60は、外部壁部材1061と外部壁部材1062の両方に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック601、外部壁部材1063に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック602、外部壁部材1063と外部壁部材1064の両方に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック603、外部壁部材1064と外部壁部材1065の両方に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック604、外部壁部材1065に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック605、および外部壁部材1066と外部壁部材1061の両方に近接してモジュラーデータポッド60の内部に配置されるサーバラック606を含む。
【0037】
モジュラーデータポッド50に関して上述された類似する方法では、実質的にモジュラーデータポッド60の中心領域の範囲内に熱交換容積6002を画定するために、一実施形態では、互いから離間しているとして示されているサーバラック601および602は、サーバラック601と602との間で内部壁部材610を介してその間で接して結合され得る。再び、サーバラック605および606も互いから離間されているとして示されているが、当業者は、内部壁部材510に類似する内部壁部材が、対応するサーバラック605および606を接して結合するために配置され得ることを認識するだろう。再び、さらに、当業者は、第1の熱交換容積6001が、モジュラーデータポッド60内部で適切な意図された熱伝達状態が発生するために、隣接するサーバラック間のありとあらゆる位置で隙間なく制限される必要がないことも認識する。
【0038】
モジュラーデータポッド60は、外部壁部材1061から1066の内の1つに隣接する補助エンクロージャまたはコンパートメント616も含み、補助エンクロージャ616は、外部壁部材1061に隣接しているとして示されている。再び、補助エンクロージャ616は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム626も含む。
【0039】
図2Cに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の七角形のデータポッド70が、多角形の形状で少なくとも1つの端縁に沿って互いに接して結合される7つの外部壁部材1071、1072、1073、1074、1075、1076、および1077を含むデータエンクロージャ107
を含む。
【0040】
七角形のモジュラーデータポッド70は、外部壁部材1071と外部壁部材1072の両方に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック701、外部壁部材1072に近接して、および外部壁部材1073にも近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック702、外部壁部材1073に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック703、外部壁部材1074に近接してモジュラーデータポッド70内部に配置されるサーバラック704、外部壁部材1075に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック705、外部壁部材1076に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック706、外部壁部材1076と外部壁部材1077の両方に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック707、および外部壁部材1077と外部壁部材1071の両方に近接してモジュラーデータポッド70の内部に配置されるサーバラック708を含む。
【0041】
モジュラーデータポッド50および60に関して上述されたのと同様に、サーバラック701から708は、接して、または実質的に接して配置されて、実質的にモジュラーデータポッド70の中心領域内部に熱交換容積7002を画定する。
【0042】
同様に、モジュラーデータポッド70は、外部壁部材1071から1077の内の1つに隣接する補助エンクロージャ717も含み、補助エンクロージャ717は、外部壁部材1071に隣接しているとして示されている。同様に、補助エンクロージャ717は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム727も含む。
【0043】
図2Dに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の八角形のデータポッド80が、多角形の形状で少なくとも1つの端縁に沿って互いに接して結合される8つの外部壁部材1081、1082、1083、1084、1085、1086、1087、および1088を含むエンクロージャ108を含む。八角形のモジュラーデータポッド80は、サーバラック801、802、803、804、805、806、807、808を含み、それぞれが外部壁部材1081から1088の内の2つに近接して、および2つと角度関係の位置で配置される。
【0044】
再び、モジュラーデータポッド50、60、および70に関して上述されたのと同様に、サーバラック801から808は、接して、または実質的に接して配置されて、実質的にモジュラーデータポッド80の中心領域内部に熱交換容積8002を画定する。
【0045】
同様に、モジュラーデータポッド80は、外部壁部材1081から1088の内の1つに隣接する補助エンクロージャ818も含み、補助エンクロージャ818は、外部壁部材1081に隣接しているとして示されている。上述されたように、補助エンクロージャ818は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム828も含む。
【0046】
図2Eに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の九角形のデータポッド90が、少なくとも1つの端縁、たとえば99に沿って互いに接して結合され、多角形の形状を形成する9つの外部壁部材1091、1092、1093、1094、1095、1096、1097、1098、および1099を含むエンクロージャ109を含む。九角形のモジュラーデータポッド90は、外部壁部材1091から1099の内の少なくとも1つに近接して、および1つと角度関係にある位置で8つのサーバラック901、902、903、904、905、906、907、および908を含む。
【0047】
モジュラーデータポッド50、60、70、および80に関して上述されたのと同様に、サーバラック901から808は、接して、または実質的に接して配置されて、実質的にモジュラーデータポッド90の中心領域内部に熱交換容積9002を画定する。
【0048】
モジュラーデータポッド90は、外部壁部材1091から1099の内の1つに隣接する補助エンクロージャ919も含み、補助エンクロージャ919は、外部壁部材1091に隣接しているとして示されている。上述されたように、補助エンクロージャ919は、
図2、
図4、および
図4に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム928も含む。
【0049】
図2Fに示される本開示の一実施形態では、モジュラー式の十角形のデータポッド100が、多角形の形状で、少なくとも1つの端縁、たとえば111に沿って互いに接して結合される10の外部壁部材1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108、1109、および1110を含むエンクロージャ110を含む。十角形のモジュラーデータポッド100は、外部壁部材1101から1110の内の少なくとも1つに近接し、1つに角度関係の位置で、モジュラーデータポッド1000内部に配置される8つのサーバラック1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、および1008を含む。
【0050】
再び、モジュラーデータポッド50、60、70、80、および90に関して上述されたのと同様に、サーバラック1001から1008は、接して、または実質的に接して配置されて、実質的にモジュラーデータポッド100の中心領域内部に熱交換容積102を画定する。
【0051】
再び、モジュラーデータポッド100は、外部壁部材1101から1110の内の1つに隣接する補助エンクロージャ1010も含み、補助エンクロージャ1010は、外部壁部材1101に隣接しているとして示されている。再び、補助エンクロージャ1010は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム1020も含む。
【0052】
図2Gに関して上述されたように、
図2Dに示される本開示の一実施形態では、
図2Dの八角形の形状のモジュラーデータポッドは、モジュラーデータポッドの2つの壁の長さを増加するために、一方向で引き伸ばされて、モジュラーデータポッドを形成できる。さらに詳細には、八角形のモジュラーデータポッド80’は、多角形の形状で、少なくとも1つの端縁、たとえば88’に沿って互いに接して結合される外部壁部材1081’、1082’、1083’、1084’、1085’、1086’、1087’、および1088’を含むエンクロージャ108’を含む。
【0053】
八角形のモジュラーデータポッド80’は、それぞれ外部壁部材1081’および外部壁部材1082’に近接してモジュラーデータポッド80’内部に配置される、それぞれサーバラック801’および802’を含む。隣接するサーバラック803a’、803b’、803c’、および803d’も、細長い外部壁部材1083’に近接してそれぞれ八角形のモジュラーデータポッド80’内部に配置される。サーバラック804’、805’、および806’は、それぞれ外部壁部材1084’、1085’、および1085’に近接してモジュラーデータポッド80’の内部に配置される。 隣接するサーバラック807a’、807b’、807c’、および807d’も、細長い外部壁部材1087’に近接してそれぞれ八角形のモジュラーデータポッド80’内部に配置される。サーバラック808’も、外部壁部材1088’に近接して八角形のモジュラーデータポッド80’内部に配置される。
【0054】
接触している外部壁部材1088’、1081’、および1082’は、モジュラーデータポッド80’の第1の端部88’aを形成する。一方、相応して、接触している外部壁部材1084’、1085’、および1086’は、モジュラーデータポッド80’の第2の端部88’bを形成する。同様に、モジュラーデータポッド50、60、70、80、90、および100に関して上述されたように、サーバラック801’から808’は、接して、または実質的に接して配置されて、実質的にモジュラーデータポッド80の中心領域内部に熱交換容積8002を画定する。
【0055】
再び、モジュラーデータポッド80’は、外部壁部材1081’から1088’の内の1つに隣接する補助エンクロージャ818’も含み、補助エンクロージャ818’は、外部壁部材1081’に隣接しているとして示されている。同様に、補助エンクロージャ818’は、
図3、
図4、および
図5に関して以下に詳しくさらに説明される高湿球温度用途でのチラーレス動作用の密結合専用冷却システム828’も含む。
【0056】
図3は、モジュラーデータポッド10として一般的に示される一般的なモジュラーデータポッドの側断面図(つまり、立面図)である。
図3は、モジュラーデータポッド用の冷却システムの空気流回路内部での空気流パターンを示す。モジュラーデータポッドは、さまざまな空気流パターン、ならびにホットアイル構成およびコールドアイル構成を使用してよい。たとえば、
図3に示されるように、ホットアイルはサーバラックの後部または側面にある場合があり、コールドアイルはモジュラーデータポッドの中心にある場合がある。この空気流パターンは、ホットアイルの内部の熱風の自然の噴煙口または上方対流を提供する。一方、コールドアイルは、ファンが支援できる冷気の自然下方空気流パターンである。別の例として、ホットアイルは中心にあり、コールドアイルはサーバラックの取っ手にあるだろう。また、ラックの上部は修正され、熱風がラックまたはシェルフ自体の内部を流れ、ラックの上部または底部のどちらかで出ることを可能にするだろう。空気流パターンに関して、熱風は、上方、下方、または他の方向を流れることがある。
【0057】
モジュラーデータポッドは、空気流回路の多様な場所で中和温度を維持するように設計されてもよい。
図3の実施形態では、一次冷却は、サーバラックまたは棚の後部で起こる。
【0058】
ファンは、当業者に既知の他の空気流パターンを生じさせるために他のやり方で配置されてよい。ファンは、モジュラーデータポッド内部のどこかに位置決めされてよい。たとえば、ファンは、モジュラーデータの上部または下部に位置決めされてよく、ファンは水平にまたは垂直に配向されてよい。ファンの位置およびタイプは、ファン効率の改善を含む、ファン技術の最新の進展に依存してよい。
【0059】
図3に示される冷却コイル構成は、モジュラーデータポッド内部で空気を冷却する3つの方法(N+3)を提供することによって冗長性を提供する。1つまたは複数の電池が、
図3に図示されるフロアチャンバ内部に、またはコールドアイルの内部のどこかに取り付けられてよい。
【0060】
さらに詳細には、モジュラーデータポッド10は、一般的に、たとえばそれぞれ
図2Aから
図2Gに関して上述されたモジュラーデータポッド50、60、70、80、90、100、および80’を表す。 モジュラーデータポッド10は、実質的にモジュラーデータポッド10の屋根を形成し、たとえば明示的に番号が付けられているデータポッド50(
図2Aを参照)の外部壁っ部材1051および1053の上部端縁1051aおよび1053aと接触し、上部端縁1051aおよび1053aによって支えられてよいデータポッドカバリング部材12を含む。外部壁部材1051から1055は、エンクロージャ105の上端部11で開口12’を画定し、それぞれ(
図2Aを参照)外部壁部材1051から1055の内面1051a、1052a、1053a。1054a、および1055aも画定する。このようにして、データポッドカバリング部材12が、開口12’を実質的に覆うように構成され、置かれる。
【0061】
コンピュータラック501から505は、それぞれ、外部壁部材1051から1055の内表面1051aから1055aとの関係で第1の側面501a、502a、503a、504a、505aを画定して、内表面1051a、1052a、1053a、1054a、および1055aと、それぞれコンピュータラック501から505によって画定される第1の側面501a、502a、503a、504a、505aとの間に第1の容積、つまりホットアイル5001を画定する。
【0062】
第1の冷却コイル531および533は、それぞれサーバラック501および503の第1の側面501aおよび503aの上に置かれて、示されている。
【0063】
コンピュータラック501から505は、それぞれ少なくとももう1つの第2の側面を結び付けるように実質的に配向され、その間に第2の容積、たとえば熱交換容積つまり
図2Aに関して上述されたコールドアイル5002を画定する、それぞれ第2の側面501b、502b、503b、504b、505bを画定する。当業者は、
図2B、
図2C、
図2D、
図2E、
図2F、および
図2Gに示されている熱交換容積6002、7002、8002、9002、102、および8002’が、同様にコンピュータラックのそれぞれの第2の側面によって画定される第2の容積を形成することを認識する。
【0064】
モジュラーデータポッド10は、一般にサーバラック501から505の上方で構成され、置かれて、実質的に第2の容積つまり熱交換容積5002を封じ込める、コンピュータラックカバリング部材14も含む。データポッドカバリング部材12およびコンピュータラックカバリング部材14は、第1の容積5001を第2の容積5002に結合する第3の容積20を形成する。
【0065】
空気循環装置支持構造16も、一般にサーバラック501から505の上方に構成され、置かれ、コンピュータラックカバリング部材14の一部を形成する。空気循環装置支持構造16は、一般に、第2の容積5002の上方に置かれ、第2のつまり熱交換容積5002の中央上部境界を画定する。空気循環装置指示構造16は、少なくとも1つの空気循環装置を含み、そのうちの3つの空気循環装置16a、16b、および16cが、矢印Aによって示される容易下方に空気を循環していると示されている。第2の容積5002は、コールドアイルを形成し、下方に循環する空気は、サーバラック501上に置かれるサーバ511a、511b、...511nを通って、およびサーバ533a、533b、...533nを通って循環してそこからの熱を取り除き、サーバによって加熱された空気が次いで冷却される第1の冷却コイル531および533を通って循環する。(同様の冷却コイル、不図示は、それぞれサーバラック502、504、および505の第1の側面502a、504a、および505a上に置かれる。)
【0066】
ここで冷却された空気は、矢印Bによって示されるように第1の容積5001を通って上方に移動し、さらに第3の容積20に上方に移動する。一実施形態では、第2の冷却コイル21および23は、コンピュータラックカバリング部材14とデータポッドカバリング部材12との間に置かれる、循環する空気の経路に、およびそれぞれサーバラック501および503の対応する第1の冷却コイル531および533の一般にすぐ頭上の位置に置かれて、第3の容積20の境界を画定する。第2の冷却コイル21および23は、さらに空気を冷却し、空気は次いで、矢印Cによって示されるように第3の容積20の中に移動し、第3の容積20では空気は空気循環装置16a、16b、および16cの吸引側を通って引き込まれる。
【0067】
一実施形態では空気循環装置支持構造16は、空気循環装置16a、16b、16cを通って循環する空気の追加の冷却のために空気循環装置16a、16b、16cの吸引側に置かれる第3の冷却コイル30をさらに含む。
【0068】
このようにして、その1つまたは複数の空気循環装置16a、16b、および16cが、第1の容積5001、第2の容積5002、および第3の容積5003を通って連続的に空気を循環するように構成される。
【0069】
一実施形態では、冷却コイル531、533、21、22、および30は、冷却媒体として、冷媒、非水、ガスまたは液体を含む。本明細書に定められるように、冷却コイル531、533、21、22、および30は、熱交換器部材である。
【0070】
一実施形態では、モジュラーデータポッド10は、データポッドエンクロージャ105の下端部11’にある1つまたは複数の電池32として示されている専用電源を含む。 1個または複数の電池は、同様に現場から離れた送電網(不図示)と電気的に連通する直流/交流(DC/AC)インバータ(不図示)と電気的に連通してよい。
【0071】
その結果、
図3の例示的な実施形態では、ホットアイルは、ITキャビネットまたはコンピュータサーバラックの裏面と、モジュラーデータポッドとの間に形成され、コールドアイルはコンピュータラックの前側によって形成される。言い換えると、コンピュータラックまたは棚は、ホットアイルおよびコールドアイルを作成するために配置される。他の実施形態では、コンピュータラックは、他のホットアイル構成およびコールドアイル構成を作成するために他のやり方で配置される。さらに他の実施形態では、ホットアイルおよびコールドアイルは完全に封じ込められる。
【0072】
ファン、コイル、コンピュータラック、1つまたは複数の電池、ホットアイル、コールドアイル、配管トンネルは、すべてモジュラーデータポッドエンベロープまたはコンテナ内部に配置される。追加のコンパートメントは、モジュラーデータポッドの側面に取り付けられる。これらのコンパートメントは、交換器モジュール、冷却システム用管、管を通して冷却流体(たとえば、冷媒または脱イオン水)を汲み上げるがめのポンプ、ケーブルバス、および電気コンパートメントを含む。これらのコンパートメントは防水であってよい。ユーザは、これらのコンパートメントにアクセスして、アクセスドアを介して配備タスクまたは保守タスクを実行してよい。
【0073】
モジュラーデータポッドは、さまざまな空気流パターン、ならびにホットアイル構成およびコールドアイル構成を使用してよい。たとえば、
図3に示されるように、ホットアイルは、サーバラックの後部または側面にあるバイがあり、コールドアイルはモジュラーデータポッドの中心にある場合がある。この空気流パターンは、ホットアイルの内部の熱風の自然の噴煙口または上方対流を提供する。一方、コールドアイルは、ファンが支援できる冷気の自然下方空気流パターンである。別の例として、ホットアイルは中心にあり、コールドアイルはサーバラックの取っ手にあるだろう。また、ラックの上部は修正され、熱風がラックまたはシェルフ自体の内部を流れ、ラックの上部または底部のどちらかで出ることを可能にするだろう。空気流パターンに関して、熱風は、上方、下方、または他の方向を流れることがある。
【0074】
モジュラーデータポッドは、空気流回路の多様な場所で中和温度を維持するように設計されてもよい。
図3の実施形態では、一次冷却は、サーバラックまたは棚の後部で起こる。
【0075】
ファンは、当業者に既知の他の空気流パターンを生じさせるために他のやり方で配置されてよい。ファンは、モジュラーデータポッド内部のどこかに位置決めされてよい。たとえば、ファンは、モジュラーデータの上部または下部に位置決めされてよく、ファンは水平にまたは垂直に配向されてよい。ファンの位置およびタイプは、ファン効率の改善を含む、ファン技術の最新の進展に依存してよい。
【0076】
図3に示される冷却コイル構成は、モジュラーデータポッド内部で空気を冷却する3つの方法(N+3)を提供することによって冗長性を提供する。1つまたは複数の電池が、
図3に図示されるフロアチャンバ内部に、またはコールドアイルの内部のどこかに取り付けられてよい。
【0077】
モジュラーデータポッドは、電力、データ収集、およびHVAC冷却容量において大幅な増加(モジュール性)能力を含むように設計される。各ポッドは、低性能、つまりサーバラックあたり約1から2
kWから高性能、つまりサーバラックあたり約40 kWの多種多様のサーバラック負荷を処理するように設計されてよい。
【0078】
データポッドは、自然対流と空気移動装置(たとえば、ファンもしくは空気を移動するまたは空気パターンを作成することができる他の装置)の両方を使用して、ホットアイル回路/コールドアイル回路を通して空気を移動してよい。空気移動装置は、コールドアイル温度とラック負荷の両方をクラウドコンピューティング技術に従って監視する最先端の制御戦略を使用して空気移動装置を制御できるエネルギー効率の優れたVFDに結合されてよい。
【0079】
モジュラーデータポッドの冷却コイルは、マイクロチャネルコイル技術を利用してよい。これらの冷却オイルは、典型的な冷却コイルよりもはるかに少ない奥行および表面積を要する。モジュラーデータは、より高い出力を提供する、またはコイル技術における将来の進展を取り込むコイル等の代替コイルを受け入れるように適応された取り外し可能なコイル部付きで構築されてよい。ポッドメインコイル回路は、標準的な冷媒蒸発コイル、受器、およびタンデムマイクロチャネルコイルから成るハイブリッド二重コイルシステムを含んでよい。コイル技術のこのペアリングが、冷媒の「状態の変化」の利点を使用することによってより大きな熱伝達能力を可能にする。代わりに、システムは、状態の変化のない直列液体ポンプシステムを含むことがある。
【0080】
モジュラーデータポッドは、多様なシール分類に従って構築され得る。たとえば、膜シーラント、壁構造、ガスケッチング、およびドア処理が、鈑金・空調契約業者協会(SMACNA)によって公布されているシール要件を含む、多様なシール要件を満たすように調整されてよい。モジュラーデータポッドは、非導電消火システムも含んでよい。
【0081】
モジュラーデータポッドは、製造されたサーバラックまたは注文設計されたラックおよび棚構成部品のどちらかを受け入れるように設計されてよい。カスタムラックまたは棚構成部品は、多様なタイプのサーバ支持物に適合するために容易に取り除く、適応する、および修正することができる強力な「骨格」システムを提供するために、モジュラーデータポッドの全体的な物理構造の一部として含むことができる。
【0082】
モジュラーデータポッド構造は、耐久性があるが、軽量の構造であってよい。たとえば、モジュラーデータポッド構造は、軽金属正方形管材料またはI形梁、およびヘビーゲージアルミニウム構造部材の複合材から作られてよい。モジュラーデータポッドの壁および屋根は、二重壁断熱パネルまたは単一壁断熱パネルのどちらかを含むことがある。それらは、金属、プラスチック、ガラス、または他の複合材料から構築されることがある。モジュラーデータポッドは、構造骨格骨組みを有する、まあは構造上の能力を有する外板処理を受けることがある。モジュラーデータポッドで使用される断熱の種類および範囲は、ポッドが配備される環境または事業者のあらゆる他の要件に基づいて変わることがある。
【0083】
モジュラーデータポッドの外部は、省エネの反射塗料、表面コーティング、または太陽光膜(たとえば光電装置)または太陽光コーティングで処理されてよい。屋根構造は、農場型用途での太陽電池パネル用の支持物および締め具を含んでよい。
【0084】
モジュラーデータポッド構造は、フォークリフト、ガントリー、クレーン、ヘリコプター、または他の支持材設備を使用してそれを上方または下方から持上げることを可能にする持上げラグ構造および支持構造を取り付けることができる。サーバラックまたは棚は、サーバラックまたは他の設備を輸送のためにポッド内に固定するための拘束装置を含んでよい。
【0085】
データポッドには、パッケージ化された湿度制御装置およびシステムを取り付けることができる。たとえば、モジュラーデータポッドには、膜、防湿層、シーラント、および他の湿度制御機能を取り付けて、外部空間または環境からデータポッドエンベロープの中への湿度の移動を制限できる。
【0086】
モジュラーデータポッドは、アクセスドアを含むこともあれば、含まないこともある。ドアは、モジュラーデータポッドの外部検査用の二重海事断熱視覚ガラスを含んでよい。モジュラーデータポッドには、必要に応じて内部と外部両方に照明レセプタクルおよびサービスレセプタクルが取り付けられてよい。全ての電気回路は、接地故障保護で保護されてよい。屋外使用向けのモジュラーデータポッドは、照明保護用構造を含んでよい。
【0087】
モジュラーデータポッドは、現場に配備される間に集中制御場所でコンピュータラックを用いて事前に積み重ねられてよい。これによって、特に遠隔地での現場でポッドにコンピュータラックを積み重ねるのに要する時間および費用が節約される。
【0088】
図4は、
図2Dの八角形のモジュラーデータポッド80の平面図(つまり、水平断面図)であり、それぞれのサーバラック801、802、803、804、805、805、806、807、および808の上方に置かれる、鉛直に置かれた上部冷却コイル841、842、843、844、845、846、847、および848のアレイ840を鉛直に支持し、それぞれが、コンピュータラックカバリング部材14とデータポッドカバリング部材12との間に置かれる、循環する空気の経路に置かれ、
図3のモジュラーデータポッド10に関して説明されるように、第3の容積20の境界を画定する第2の冷却コイル21および22に同様に境界を形成する、八角形の上部コイルデック838aを示す。 コンピュータラック801から808のそれぞれの背面(不図示)上の下後部コイルは、
図3の冷媒コイル531および533に類似している。 下後部コイルは第1段、またはホットアイル851,852、853、854、855、856、857、および858で流れる空気を冷却する一次方法である。ホットアイル851は、サーバラック801の後部側と、外部壁部材1081および1082との間に形成される。ホットアイル852は、サーバラック802の後部側と、外部壁部材1082および1083との間に形成される。同様に、ホットアイル853は、サーバラック804の後部側と、外部壁部材1083および1084との間に形成される。ホットアイル854は、サーバラック804の後部側と、外部壁部材1084および1085との間に形成される。当業者は、ホットアイル855から858がどのようにして同様に形成されるのかを認識する。
【0089】
八角形状である上部鉛直コイルアレイ840は、ホットアイル851から858内で流れる空気を冷却する二次的な方法(n+2)である。配管接続部840aおよび840bが、
図6に関して後述される密結合冷却システム2100に関して上述される、電子機器の環境5と流体連通している冷媒ガス流体供給経路2100a、および電子機器の環境5とも流体連通する流体戻り経路2100bとの流体連通を提供する。
【0090】
空気循環装置16a、16b、16cの吸引側に置かれる第3の冷却コイル30に類似する、頭上平板コイル860は、ホットアイル851から858を通って流れる空気を冷却する第3の方法(n+3)としてモジュラーデータポッド80の(図示されているような)中心に配置されてよい。この第3のコイル860は、任意のサーバラックでの熱負荷が補足冷却を必要とする場合に「トリム」コイルとして使用することもできる。第3のコイル860は、特定のサーバラックでのときおりの過負荷を処理する。また、第3のコイル860はきわめて低負荷の熱出力状態のための省エネコイルとして使用することもできる。制御戦略は、低システム負荷を処理するために一次コイルまたはメインコイル(不図示)を停止し、第3のコイル860を起動することを含んでよい。同様に、配管接続部860aおよび860bは、
図6に関して後述される密結合冷却システム2100に関して上述される、電子機器の環境5と流体連通している冷媒ガス流体供給経路2100a、および電子機器の環境5とも流体連通する流体戻り経路2100bとの流体連通を提供する。
【0091】
図5は、天井ファンアセンブリ870を示すモジュラーデータポッド80の天井高さでの平面図(水平断面図)である。コンピュータラック801から804、および806から806のそれぞれは、サーバラック801の角801a、801b、サーバラック802の角802a、802b、サーバラック803の角803a、803b、サーバラック804の角804a、804b、サーバラック806の角806a、806b、サーバラック807の角807a、807b、およびサーバラック808の角808a、808bを含む。サーバラック801から804、および806から808は、それぞれ隣接するコンピュータラック808および802の角808bおよび802aと接しているラック801の角801aおよび801bとの円形パターンで配置されると示される。当業者は、残りのサーバラック802、803、804、および806、および807の角の配列を理解するだろう。サーバラック801から804、および806から808の円形パターンでのこの配列は、ホットアイル85から854および856から858と、容積8002によって形成されるコールドアイルとの間に間仕切りを提供する。いくつかの実施形態では、それぞれコンピュータラック801と802、802と803、803と804、806と807、807と808、808と801との間のパイ形状の空間851’、852’、853’、856’、857’、および858’が、コールドアイル8002から分割され、ホットアイル851、852、853、854、856、857、および858の部分を形成する。
図5に示されるように、モジュラーデータポッドは、7つのサーバラック(たとえば、40
kWのサーバラック)に適合してよい。2つのサーバラック、たとえば図示されるようにサーバラック804と806との間には空間805’があり、人間のオペレータにアクセスドア81を介したアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、モジュラーデータポッドは、アクセスドアを含まない。これらの実施形態では、モジュラーデータポッド構造は、8つのサーバラックに適合してよい。
【0092】
ファンアセンブリ870および照明880のファン871は、モジュラーデータポッド80の天井高さに配置される。ファンは、建物管理システム(BMS)によって制御される可変周波数駆動装置(VFD)(不図示)によって駆動される。BMSは、コンピュータラックの温度および/または負荷に基づいてファン速度を加速または減速できる。たとえば、BMSは、ホットアイルの内部の温度が上昇するにつれてファン速度を加速してよい。
【0093】
図5は、下部パイプチェース(不図示)に入る、および出る冷却管も示す。下部パイプチェースは、取り外し自在であってよく、熱交換器(
図6に関して後述されるコンデンサ1200a、1200b、および1300を含む完全な密結合冷却システム4000)、およびモジュラーデータポッドアセンブリの電気設備を含む補助エンクロージャ818の下方に位置してよい。冷却管882は、6本の環、つまりモジュラーデータポッドのオイルに冷却流体を供給するための2本の供給管、冷却システムに冷却流体を戻すための2本の戻り管、および2本の高速逆還水管を含む。モジュラーデータポッドアセンブリは、多様なコンパートメント間で防水間仕切りを含んでよい。
【0094】
例示的なモジュラーデータポッド10、50、60、70,80、90、100および80’は、コンピュータデータ記憶のためにそれらが使用される上でユニバーサルとなるように設計される。それらは、単一ポッド配備に使用できる。それらは、一時的な使用または半永久的な使用のためにトレーラ化できる。それらは、倉庫または組合せ型の用途で屋内使用できる。それらは屋外または「農場」型の環境で配備できる。他の大型で重量のある「コンテナ化された」モジュラー製品を使用することが事業計画実施上、またはその他の方法で実践的ではない場合に、設置面積を取らない形状、サイズ、および相対的な重量という利点によって、モジュラーデータポッドは実現可能となる。
【0095】
図6は、ITデータセンターの電子機器を冷却するように設計された密結合冷却システム4000を示す。システム4000は、それぞれ4100、4200、4300、および4400として示される4つの独立しているが、協調している流体回路を含む。
【0096】
第1の回路4100は、ITデータセンターの電子機器とインタフェースをとり、第1の流体を介して電子機器に冷却を提供する。第1の流体は、冷媒R134aまたは類似する冷媒を含んでよい。流体回路4100は、電子的に熱的連通しており、電子機器から第1の流体に熱を抽出する、少なくとも1つの蒸発器コイル(
図6では不図示であるが、たとえば
図12の蒸発器コイルを参照すること)を含む。第1の流体が、その少なくとも1つの蒸発器コイルの入口から蒸発器コイルの出口に流れるにつれて、熱は電子機器から第1の流体に伝達される。一実施形態では、第1の流体は、約23℃の温度でその少なくとも1つの蒸発器コイルに進入する。熱伝達または熱交換の間に、第1の流体は、液相状態から少なくとも部分的に気相状態に変化する。
【0097】
第1の回路4100は、それぞれその少なくとも1つの蒸発器コイルの入口および出口に結合される、流体供給経路4100aおよび流体戻り経路4100bを含む。流体供給経路4100aは、液相状態の第1の流体を、その少なくとも1つの蒸発器コイルの入口に送達し、流体戻り経路4100bは、少なくとも部分的に気相状態にある第1の流体を、その少なくとも1つの蒸発器コイルから受け取る。第1の回路4100は、流体供給経路4100aを通して第1の流体を汲み上げる液体冷媒ポンプ4120を含む。第1の回路4100は、液体冷媒ポンプ4120の容量およびモータ速度を調節する可変周波数駆動装置4125も含む。
【0098】
第1の回路4100は、流体戻り経路4100bから第1の流体を受け取る液体メインコンデンサ1300を含む。メインコンデンサ1300は、メインコンデンサ1300を通過する第1の流体を冷却し、その少なくとも部分的に気相状態から液相状態に第1の流体を凝縮する冷媒から水への熱交換器である。一実施形態では、第1の流体を完全に凝縮し、冷却するために、メインコンデンサ1300は、約23.3℃以下の所定の凝縮温度で維持される。
【0099】
さらに、第1の回路4100は、(1)メインコンデンサ1300から冷媒液体受器4128に第1の流体を運ぶ流体経路4100c、および(2)冷媒液体受器4128から液体冷媒ポンプ4120の吸引側に第1の流体を運ぶ流体経路4100dを含んでよい。
【0100】
冷媒液体受器4128は、第1の流体の温度を検出し、調節するように構成される。具体的には、冷媒液体受器4128は、第1の回路4100を第4の回路4400に熱的に結合することによって第1の流体の温度を削減するように構成される。いくつかの実施形態では、冷媒液体受器4128は、約22.2℃と約23.3℃との間の所定の温度で第1の流体を維持する。
【0101】
冷媒液体受器4128は、冷媒液体受器4128内に入れられる第1の流体の液面を検出し、調節するように構成される構成部品(たとえば、検出器および制御装置)も含んでよい。冷媒液体受器4128内の液面が低いと、液体冷媒ポンプ4120でキャビテーションの問題が生じることがある。この問題を回避するために、冷媒液体受器4128は、受器4128内の液面を検出し、低液面が検出されると警報をトリガする液面制御装置4128を含む。また、冷媒液体受器4128は、冷却システム4000がアイドルモードまたはスタンバイモードにあるときに第1の回路4100内で第1の流体を収集してよい。
【0102】
第1の回路4100は、メインコンデンサ1300の出口で流体経路4100c上に位置する温度センサ4126も含む。温度センサ4126は、第1の流体がメインコンデンサ1300を出るときに第1の流体の温度を検出する。温度センサ4126の示度は、メインコンデンサ1300の温度を反映する。
【0103】
第2の回路4200は、メインコンデンサ1300aで第1の回路4100とインタフェースをとり、メインコンデンサ1300aで、第2の回路は第1の回路4100との熱交換を実行する。具体的には、第2の回路4200は、それを通って流れる第2の流体を有する。第2の流体は、メインコンデンサ1300aで第1の回路4100の第1の流体から熱を除去する。一実施形態では、第2の流体は、メインコンデンサ1300aを出ると、約22.8℃の温度を有する。
【0104】
第2の回路4200は、冷却塔、流体クーラーまたは乾燥クーラー(
図6では図示されていないが、たとえば
図14の冷却塔CT−1Aを参照すること)から第2の回路4200に第2の流体を運ぶ流体経路4200aを含む。流体経路4200aは、メインコンデンサ1300に第2の流体を送達する流体経路4200dに流体結合される。第2の回路は、さらに、メインコンデンサ1300から第2の流体を受け取る流体経路4200hを含む。流体経路4200hは、第2の流体を冷却塔、流体クーラーまたは乾燥クーラーに送達する流体経路4200mに第2の流体を運ぶ流体経路4200eに流体結合される。
【0105】
いくつかの実施形態では、第2の回路4200は、第2に回路4200を通って第2の流体の流れを容易にするためのポンプを含む。一実施形態では、第2の流体は、約315
gpmの流速で調節される。ポンプは、以下の形、つまり中央ポンピング冷却塔、乾燥クーラー、流体クーラー、または他の冷水回路または井戸水回路のどれかをとってよい。
【0106】
さらに、第2の回路4200は、第2の流体がメインコンデンサ1300に進入する前に第2の流体の温度を監視する混合水温センサ4220を含んでよい。第2の回路4200は、第1の回路の温度センサ4126と動作可能なように通信する水調節弁4214も含んでよい。水調節弁4214は、温度センサ4126の示度に比例して第2の流体の流量を調節するように構成される。
【0107】
たとえば、メインコンデンサ1300を所定の凝縮温度(たとえば23.3℃)でまたはそれ未満で維持するために、水調節弁4214は、温度センサ4126によって測定されるようにメインコンデンサ1300の温度に基づいて第2の流体の流量を調整する。たとえば、温度センサ4126が、メインコンデンサ1300の所定の凝縮温度(たとえば、23.3℃)よりも著しく高い示度を有する場合、水調節弁4214は、次いで第2の回路4200を通って流れる第2の流体の流量を大幅に増加し、それによってメインコンデンサ1300の温度を急速に削減する。しかしながら、温度センサ4126が、所定の凝縮温度(たとえば、23.3℃)よりもわずかに高い示度を有する場合、水調節弁4214は、次いで第2の回路4200を通って流れる第2の流体の流量をわずかに増加する。
【0108】
いくつかの実施形態では、メインコンデンサ1300の温度を所定の凝縮温度(たとえば、23.3℃)でまたはそれ未満で維持するために、第2の流体は約18.9℃以下の閾値温度で維持される。
【0109】
第2の流体を閾値温度(たとえば、18.9℃)でまたはそれ未満で維持するために、第2の回路4200は、少なくとも1つの冷却モードを含み、第2の流体を冷却してよい。たとえば、第2の回路4200は、第2の流体4200が、冷却塔、流体クーラー、または乾燥クーラーを介して第2の流体を冷却するために大気に依存する簡略フリークーリングモードを含んでよい。動作中、熱がメインコンデンサ1300で第1の流体から第2の流体に伝達された後、第2の流体は、流体経路4200h、4200eをたどり、冷却塔、流体クーラー、または乾燥クーラー(
図6では不図示)に進み、大気中へのその熱を拒絶する。冷却された第2の流体は、次いで流体経路4200aおよび4200dをたどってメインコンデンサ1300に戻り第1の流体を冷却する。第2の流体は、蒸気サイクルを連続的に繰り返してよいと想定される。
【0110】
一実施形態では、簡略フリークーリングモードが、ITデータセンターの湿球温度が17.2℃未満であるときだけ、閾値温度(たとえば、18.9℃)でまたはそれ未満で第2の流体を維持する。湿球温度が17.2℃を超える場合、第2の流体はその閾値温度を超えてよい。
【0111】
さらに、第2の回路4200は、第3の回路4300が、機械圧縮サイクルを通して第2の回路4200を冷却する機械圧縮冷却モードを含んでよい。第3の流量は、第3の回路4300を通って流れる。第3の流体は、R134a等の液体冷媒、または任意の他の適切な冷媒を含んでよい。
【0112】
第3の回路4300は、第2の流体がメインコンデンサ1300に達する前に、第2の流体4200をサブクールするために大気サブクーラー交換機1200aを含む。大気サブクーラー交換機1200aは、第2の流体の少なくとも一部を削減する、または冷却する冷媒から水への熱交換器である。第3の回路4300は、第3の流体が大気サブクーラー熱交換器1200aで第2の流体から吸収する熱である第3の流体の熱を、第2の流体に伝達して戻す冷媒から水への熱交換器であるトリムコンデンサ1200bも含んでよい。第3の回路4300は、さらに、第3の流体を圧縮するサブクーラー圧縮機4310をさらに含んでよい。
【0113】
第3の回路4300は、大気サブクーラー交換機1200aから圧縮のためにサブクーラー圧縮機4310に運ぶ流体経路4300a、および圧縮された第3の流体をトリムコンデンサ1200bに運ぶ流体経路4300bを含む。さらに、第3の回路4300は、トリムコンデンサ1200bから計量装置に第3の流体を運ぶ流体経路4300c、または第3の流体を大気サブクーラー交換機1200aに膨張して戻す熱膨張弁4311を含む。第3の流体は、第3の回路4300が作動している限り、第3の回路4300を通って連続的に流れてよいと想定される。
【0114】
いくつかの実施形態では、第3の回路4300は、第2の流体が、湿球温度が17.2℃を超えているときに発生することがあるその閾値温度(たとえば、18.9℃)を超えているときだけ作動している。第3の回路4300の冷却容量は、表1に示されるように、17.2℃を超えている湿球温度に直接比例して調節されてよい。
【表1】
【0115】
第3の回路4300は、第2の流体の温度を削減し、一度に一度冷却することによって、第2の流体の温度を密接に制御する。たとえば、第2の流体温度が一度、その閾値温度を超えて上昇する場合、第3の回路4300は、次いで、一度、第2の流体の温度を下げる。
【0116】
一実施形態では、効率性の理由から、第2の回路4200は、第2の流体がメインコンデンサ1300に進入する前に、第2の流体の小さな部分を管理して、第3の流体との熱交換を実行する。具体的には、第2の回路4200は、メインコンデンサ1300の入口の前の流体経路4200d上にスプリッタT形継手4210を含む。スプリッタT形継手4210は、第2の流体の一部、第2の流体のほぼ3分の1を大気サブクーラー交換機1200aの入口に逸らす。いくつかの実施形態では、第2の流体のほぼ3分の1が、大気サブクーラー交換機1200aの入口で22.2℃の温度を有する。
【0117】
第2の回路4200は、スプリッタT形継手4210から上流の流体経路4200d上に別のスプリッタT形継手4211を含んでよい。スプリッタT形継手4211は、第2の流体の約3分の1が、大気サブクーラー交換機1200aの出口から流体経路4200dに流れることを可能にする。スプリッタT形継手4211で、第2の流体の約3分の1は、第2の流体の残りの3分の2に再結合する。融合した第2の流体は、次いで、メインコンデンサ1300に進む。融合した第2の流体は、メインコンデンサ1300に入る前に約18.9℃の温度を有すると想定される。
【0118】
さらに、効率性の理由から、第2の回路4200は、第2の流体がメインコンデンサ1300から出た後に、第2の流体の小さな部分だけを管理して、第3の流体との熱交換を実行する。具体的には、第2の回路4200は、メインコンデンサ1300の出口の流体経路4200h上にスプリッタT形継手4212を含む。[4200G/Kとはなにか]スプリッタT形継手4212は、流体経路4200iを介して第2の流体の約3分の1をトリムコンデンサ1200bに逸らし、第3の流体から熱を取り戻す。トリムコンデンサ1200bの出口で、第2の流体の約3分の1が、約27.4℃の温度を有すると想定される。 第2の回路4200は、スプリッタT形継手4212から上下流の流体経路4200h上に追加のスプリッタT形継手44213を含んでよい。スプリッタT形継手4213は、トリムコンデンサ1200bから出る第2の流体の約3分の1が、第2の流体の残りに結合できるようにする。スプリッタT形継手4213で、第2の流体の約3分の1は、第2の流体の残りの3分の2に再結合する。融合した第2の流体は、スプリッタT形継手4213で約26.4℃の温度を有することがあると想定される。融合された第2の流体は、次いでともに流体経路4200e、4200mを、第2の回路4200の出口に向かってたどる。
【0119】
いくつかの実施形態では、第3の回路4300は、大気サブクーラー交換機1200aまたはトリムコンデンサ1200bを含んでいない。むしろ、第3の回路4300は、ITデータセンター全体を冷却するように構成されるトリムチラーを含む。
【0120】
一実施形態では、第2の回路4200は、1つの冷却モードだけ、つまり上述された簡略フリークーリングモードまたは機械圧縮冷却モードのどちらかだけを排他的に有してよい。
【0121】
別の実施形態では、第2の回路4200は、互いに交互に起こる冷却モードの両方ともを有してよい。たとえば、第2の回路4200は、湿球温度が、閾値温度、たとえば17.2℃であるまたはそれ未満であるときに簡略フリークーリングモードに切り替わり、いったん湿球温度が閾値温度を超えると、機械圧縮冷却モードに切り替わる。
【0122】
他の実施形態では、2つの冷却モードは多と協調し、第2の回路4200は、両方の冷却モードで並行して動作してよい。これらの実施形態では、簡略フリークーリングモードはつねにオンであり、したがって簡略フリークーリングモードは、湿球温度に関係なくアクティブなままである。他方、機械圧縮冷却モード、たとえば第3の回路4300は、湿球温度が閾値、たとえば17.2℃を超えるとき等、簡略フリークーリングモード単独で、閾値温度、たとえば18.9℃でまたはそれ未満に第2の流体を維持できないときにだけ起動される。これらの実施形態では、湿球温度がその閾値温度で、またはその閾値温度未満であるとき、第2の回路4200は、冷却用の大気だけに依存する。湿球温度がいったんその閾値温度を超えて達すると、第3の回路は起動され、閾値温度を超える湿球温度に比例して冷却容量を生じさせるように制御される。第3の回路4300は、ユーザの介入なしに自動的にオンおよびオフにすることができると想定される。たとえば、大気サブクーラー交換機1200aは、湿球温度がその閾値温度を越すと、自動的にアクティブまたはイナクティブになる。
【0123】
統計的に、冷却システム4000は、動作時間の約95%の間、もっぱら簡略フリークーリングモードで動作する。機械圧縮冷却モードは、動作時間の約5%の間オンになる。湿球温度が約18.3℃である地理的地域では、冷却システム4000は、実質的に一年中簡略フリークーリングモードでもっぱら運転し、動作時間の0.04%未満の間、機械圧縮冷却モードをオンにする。地域が約20.6℃の湿球温度を有する場合、機械圧縮冷却モードは、動作時間の約3%アクティブである。これらの状況では、先行技術におけるような、従来の大型の特大冷却電気インフラは、その動作時間の約40から60%の間機械圧縮サイクルに依存し、したがって冷却システム4000のはるかに高い運営費を生じさせる。
【0124】
第2の回路4200に加えて、第4の回路4400が、第1の回路4100と熱交換を実行してもよい。具体的には、第4の回路4400は、冷媒液体受器4128で第1の回路4100とインタフェースを取り、冷媒液体受器4128で、第4の回路4400は、第4の回路4400を通って流れる第4の流体を介して第1の流体を凝縮し、冷却する。冷媒液体受器4128は、第1の回路4100と第4の回路4400の両方に熱的に結合される蒸発器である、サブクーラーコイル4129を有する。
【0125】
第4の回路4400は、第4の流体、および4の回路4400から第2の回路4200に熱を伝達するサブクーラーコンデンサ1300aを圧縮するように構成されるサブクーラー圧縮機4410を含む。サブクーラー圧縮機4410とサブクーラーコンデンサ1300aの両方とも、冷媒液体受器4128のサブクーラーコイル4129に流体結合される。
【0126】
第4の回路4400は、受器サブクーラーコイル4129から圧縮のためにサブクーラー圧縮機の吸引側に第4の流体を運ぶ流体経路4400a、サブクーラー圧縮機4410からサブクーラーコンデンサ1300aに圧縮された第4の流体を運ぶ流体経路4400b、およびサブクーラーコンデンサ1300aから、第4の流体を膨張させ、膨張した第4の流体をサブクーラーコイル4129に提供する熱膨張弁4420に第4の流体を運ぶ流体経路4400cを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、第4の回路4400は、冷媒液体受器4128によって検出される状態に基づいて自動的にオンおよびオフにされる。たとえば、第4の回路4400は、冷媒液体受器4128によって検出される液面が所定の閾値よりも下がると、アクティブになる。具体的には、第4の回路4400は、低液面が検出されるときに液面制御装置4127によって発生する警報信号に応えて起動されてよく、液面が所定の閾値に達するとイナクティブになる。さらに、第4の回路4400は、冷媒液体受器4128によって検出される第1の流体の温度にも警戒してよい。たとえば、第4の回路4400は、第1の流体の温度が所定の閾値を超えるとアクティブになり、温度が所定の閾値に、または所定の閾値よりも下がると、イナクティブになる。
【0128】
第2の回路4200は、サブクーラーコンデンサ1300aで第4の回路4400から熱を取り除く。いくつかの実施形態では、第2の回路4200は、流体経路4200d上でスプリッタT形継手4205を含む。スプリッタT形継手4205は、第2の流体の小さな部分、つまり約5
gpmを、第2の流体のその小さな部分が第4の回路4400から熱を抽出するサブクーラーコンデンサ1300aの入口に逸らす分割経路4200bを含む。第2の流体の残りの逸らされていない部分は、メインコンデンサ1300まで流体経路4200dをたどり、第1の回路から熱を取り除く。
【0129】
第2の回路4200は、流体経路4200e上に別のスプリッタT形継手4215も含んでよい。スプリッタT形継手4215は、サブクーラーコンデンサ1300aの出口から戻された第2の流体の小さな部分を、流体経路4200eに運び、第2の回路4200の出口に向かって進む第2の流体の残りに結合する分割分岐4200cを有する。一実施形態では、スプリッタT形継手4215での第2の流体の温度は、第4の回路4400がアクティブであるとき、つまりサブクーラーコンデンサ1300aがオンであるとき約26.4℃であり、第4の回路4400がイナクティブであるとき、つまりサブクーラーコンデンサ1300aがオフであるとき約26.7℃である。
【0130】
密結合冷却システム4000は、モジュラーデータポッドの補助エンクロージャ内に設置されてよく、高湿球温度用途でモジュラーデータポッドのデータエンクロージャ内部でチラーレス冷却を提供してよい。たとえば、それぞれ
図2Aから
図2D、および
図2Fから
図2Gの専用の密結合冷却システム525、626、727、828、1020、および828’は、
図6の密結合冷却システム4000を含んでよい。
【0131】
冷却システム4000は、冷水システム、チラー設備、または直接膨張冷却システム等の従来の冷却システムに優る多くの重要な優位点を有する。第1に、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりもはるかに機械的に支援されない冷却インフラを必要とする。冷却システム4000は、必要とされるときだけ、機械支援冷却インフラのその使用を増加する。具体的には、冷却システム4000は、たえず運転する2つの基本回路、つまり第1の回路4100および第2の回路4200、および2つのバックアップ回路、つまり必要なときだけ運転する第3の回路4300および第4の回路4400を有する。具体的には、第3の回路4300は、湿球温度が閾値温度を超えているときだけアクティブであり、第4の回路4400は、第1の流体液面が低い、または第1の流体温度が一定の閾値を超えているときだけアクティブである。2つのバックアップ回路は、たとえば動作時間の約10から20%等、必要なときだけ動作するので、冷却システム4000は全体的に、従来の冷却システムよりも機械支援冷却インフラに依存しない。
【0132】
第2に、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりも故障しにくい。具体的には、冷却システム4000は、従来の冷却システムではよく起こる全システム転換プロセスを完全に回避する。全システム転換プロセスは、あるシステムを停止し、もう1つのシステムを起動することによって2つのシステムの間で切り替わり、通常は、従来の冷却システムがフリークーリングシステムと機械冷却システムとの間で切り替わるときに起こる。全システム転換プロセスは、危険であり、故障しやすい。他方、冷却システム4000は、全システムオーバープロセスを回避する。冷却システム4000では、基本回路およびバックアップ回路は無関係ではあるが、互いに協調して運転する。基本回路4100および4200は、バックアップ回路430および4400の状態とは関係なく、連続的に運転する。バックアップ回路4300および4400は、必要なときにだけオンになる。したがって、冷却システム4000は、全システム転換プロセスでの呼称を回避し、従来の冷却システムよりも安全な手法である。
【0133】
第3に、近接システム4000は、従来の冷却システムよりも高湿球温度に対して高い公差を有する。従来の冷却システムは、一般に、湿球温度が10°を超えるとき、非常に高い運用費を有する。たとえば、従来の冷却システムがフリークーリングモードで生き残ることができる最大湿球温度は、約10℃である。湿球温度が10℃を超えるとき、従来の冷却システムは、フリークーリングシステムから機械冷却システムに切り替わり、ITデータセンターに十分な冷却を提供しなければならない。10℃を超える約0.5℃ごとに、機械冷却システムは、91トンの追加の冷却容量を生じさせなければならず、これは従来の冷却システムに、追加の冷却容量を生じさせるほど十分な電力の獲得を要求する。他方、本開示の冷却システム4000は、高湿球温度に対してより優れた公差を有する。冷却システム4000がフリークーリングモードで生き残ることができる最大湿球温度は、約17.2℃であり、従来の冷却システムの最大湿球温度よりもはるかに高い。いったん湿球温度が17.2℃を超えると、冷却システム4000は機械圧縮冷却モードに切り替わる。17.2℃を超える0.5℃ごとに、機械圧縮冷却モードは、13トンの追加の冷却容量を生じさせ、これは、同様に、従来の冷却システムよりもはるかに少ない電力を消費する。高湿球温度に対するその高い公差のために、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりも、たとえばラックあたり40
kW等の高密度ITデータセンターにより適している。
【0134】
第4に、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりもよりエネルギー効率が優れている。冷却システム4000は、ITデータセンターを冷却するのを支援するために大気に依存する簡略フリークーリングモードを有することによってエネルギー節約を最大限にする。簡略フリークーリングモードでは、冷却システム4000は、たとえば、従来の冷却システムに電力を提供するために要するものよりも15%少ない限られた電力を消費する。さらに、冷却システム4000は、ITデータセンターでの負荷の関数としてその電力消費量を動的に調整する。負荷が増加するにつれて、冷却システム4000はその電力消費量レベルを増加し、2つの基本回路での流量の増加を生じさせる、および/または同様に負荷増加を補償するためにより多くの冷却容量を生じさせるバックアップ回路の一方または両方を起動させる。対照的に、負荷が減少するにつれ、冷却システム4000は、同様に冷却容量のその出力を削減するその電力消費量レベルを減少する。
【0135】
第5に、冷却システム4000は、典型的な冷却システムよりも、ITデータセンターのサイズにより拡張可能であり、より容易に配備できる。たとえば、冷却システム4000は、ITデータセンターの完全範囲をカバーする全体として配備されなければならない典型的な冷却システムとは対照的に、ITデータセンターの特定の目標とされる場所でモジュール式で配備できる。そのモジュール性のため、冷却システム4000は、ITデータセンター内の特定の場所を目標とし、冷却を必要としない場所を避ける。また、そのモジュール性のため、冷却システム4000は、典型的な冷却システムが配備することができない既存の冷却システムおよび改造冷却システムに配備できる。さらに、Itデータセンターに配備される冷却システム4000の数は、たとえば、ITデータセンターの縮小または成長等の動的な変化に従って拡大縮小されてよい。
【0136】
最後に、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりも低い総費用を有する。たとえば、冷却システム4000は、相対的に低い当初の資本金、および保守を必要とする。さらに、そのエネルギー効率のため、冷却システム4000は、低い運営費を有する。その結果、冷却システム4000は、従来の冷却システムよりもより費用効果が高い。高湿球温度に対するその高い公差に加えてその全体的な低費用のため、冷却システム4000は、たとえばラックあたり40
kW等の高密度ITデータセンターに対する最適冷却選択肢となる。
【0137】
したがって、制御戦略は、迂回制御弁、温度センサおよび圧力センサ、ならびに受器安全装置および圧力調節装置を活用する、近接システム圧力および流量公差を可能にするために利用される。この制御戦略はリアルタイムであり、すべての構成部品の動的な制御と相関的である。この制御戦略は、ラックサーバのリアルタイムの個別負荷およびコンピュータ負荷に基づいて密接結合冷却をよりうまく容易にするために、ITサーバからのフィードバックを組み込む。
【0138】
専用密結合冷却システム(たとえば、525)の利点の1つは、それらがモジュラーデータポッドに入れられる異なるサーバによって生じる異なる熱負荷に適応できるという点である。その結果、専用密結合冷却システムは、効率的に動作できる。対照的に、データセンターおよびデータポッドモジュール用の従来の冷却システムは、通常、ある特定のコンピュータデザインのための最悪条件のために設計され、その最悪条件で動作する。また、従来の冷却システムは、最大の熱負荷のデータモジュールに従ってすべてのデータポッドモジュールを冷却する。
【0139】
図7は、モジュラーデータポッド用の専用密結合ハイブリッド冷媒冷却式の冷却システムおよび水冷式の冷却システムの概略図である。
図7の例示的な実施形態では、冷却システム2000は、
図2Aのモジュラーデータポッド50に適用されているとして示されている。冷却システムは、3つの独立した個別ポンプ式の冷媒冷却コイル回路を含む。チラーレス動作用の専用密結合冷却システム525は、
図2Aに関して上述されたように、補助エンクロージャまたはコンパートメント515の内部に収容される。専用密結合冷却システム525は、3つのサブクーリング回路2011、2012、および2013を含む。サブクーリング回路2011、2012、および2013は、それぞれ
図6の冷却システム4000に類似している。サブクーリング回路2011、2012、および2013は、それぞれ第1の冷却回路2100、第2の冷却回路2200、および第3の冷却回路2300をそれぞれ含む。
図6に関して上述されたように、湿球温度が所定の湿球温度限度である、または所定の湿球温度限度を超えている場合、第2の流体回路2200は、第1の冷却回路2100を通って流れる第1の流路をサブクールするための動作に入れられる。第2の流体回路2200の動作は、1つまたは複数の圧縮機2200、およびサブクーラーコンデンサ1200a、および蒸発サブクーラー1200b、および1つまたは複数のポンプ210に入口で安定した液面を提供するように設計される冷媒流体受器2130の動作を含む。
【0140】
第1の回路2011は、それぞれサーバラック501から505の後部501aから505aに隣接して、一時冷却鉛直コイル531から535を含む。一次鉛直コイル531から535は、第1の冷媒冷却ガス供給接続ヘッダ2101aを介して冷媒ガス流体供給経路2100aと流体連通する。冷媒ガスは、一次鉛直コイル531から535を通過して、それぞれサーバラック501から505を冷却する。冷媒ガスは、次いで
図5に関して上述された電子機器および流体戻り通路2100bと流体連通する冷媒冷却ガス戻り接続ヘッダ2011bに放出される。
【0141】
第2の回路2012は、
図3に明示的に示されていない追加の(N+1)鉛直冷却コイル23、24および25を加えて、
図3のモジュラーデータポッド10に関して上述された(N+1)に次冷却鉛直コイル21および22を含む。二次鉛直コイル21から25は、第1の冷媒冷却ガス供給接続ヘッダ2012aを介して冷媒ガス流体供給経路2100aと流体連通する。二次鉛直コイル21から25は、第1の冷媒冷却ガス供給接続ヘッダ2102aを介して冷媒ガス流体供給経路2100aと流体連通する。冷媒は、一般に、サーバラック501から505の近傍に配置され、それぞれサーバラック501から505を冷却する二次鉛直コイル21から25を通過する。冷媒ガスは、次いで
図5に関して上述された電子機器および流体戻り通路2100bと流体連通する冷媒冷却ガス戻り接続ヘッダ2011bに放出される。冷媒ガスは、次いで、
図5に関して上述された電子機器および流体戻り経路2100bと流体連通する冷媒冷却ガス戻り接続ヘッダ2012bに放出される。
【0142】
同様に、第3の回路2013は、
図3に関して上述されたように、空気循環装置16a、16b、16cを通って循環する空気の追加の冷却のために置かれる第3の冷却コイル30等の1つまたは複数の(N+2)冷却コイルを含む。同様に、第3の冷却コイル30は、第1の冷媒冷却ガス供給接続ヘッダ2103aを介して冷媒ガス流体供給経路2100aと流体連通する。冷媒ガスは、一般にサーバラック501から505の上方に配置され、それぞれサーバラック501から505を冷却する第3の冷却コイル30を通過する。冷媒ガスは、次いで、
図5に関して上述された電子機器および流体戻り経路2100bと流体連通する冷媒冷却ガス戻り接続ヘッダ2013bに放出される。
【0143】
一般に、初期構成では、第1の冷却回路2011は、一次冷却コイル冷却水供給接続2311aを介して、一次鉛直冷却コイル531から535と、および冷却水供給ヘッダ2152aに流体連通し、一時冷却コイル冷却水供給接続2311aは、第1の低温供給経路2310aと、および第1の高温戻り経路2310bと流体連通する一次冷却コイル冷却水戻り接続2311bを介して流体連通する。一次冷却コイル冷却水戻り接続2311bは、冷却水戻りヘッダ2151bと流体連通する。冷却水供給ヘッダ2152aは、第2の冷却水供給ヘッダ2151aとも流体連通してよい。同様に、冷却水戻りヘッダ2151bも、第2の冷却水戻りヘッダ2152bと流体連通してよい。
【0144】
モジュラーデータポッド50内部の熱負荷が増加するにつれて、二次(N+1)鉛直冷却コイル21から25が設置でき、第2の冷却回路2012は、第1の低温供給経路2310aと流体連通する第2の冷却コイル冷却水供給接続2312aを介して、および第1の高温戻り経路2310bと流体連通する第2の冷却コイル冷却水戻り接続2312bを介して、二次鉛直冷却コイル21から25に、および冷却水供給ヘッダ2152aに接続される。第2の冷却コイル冷却水戻り接続2312bは、冷却水戻りヘッダ2151bと流体連通する。
【0145】
モジュラーデータポッド50内部の熱負荷が増加するにつれて、その1つまたは複数の第3の(N+2)冷却コイル30が設置され、第3の冷却回路2013は、第1の低温供給経路2310aと流体連通する第3の冷却コイル冷却水供給接続2313aを介して、および第1の高温戻り経路2310bと流体連通する第3の冷却コイル冷却水戻り接続2313bを介して、その1つまたは複数の第3の冷却コイル30に、および冷却水供給ヘッダ2152aに接続される。第3の冷却コイル冷却水戻り接続2313bは、冷却水戻りヘッダ2151bと流体連通する。
【0146】
図7の詳細7Aは、供給ヘッダ2151aが、物理的にループまたは管曲げ2151’aで設置され、還水機能を提供するために、代替供給ヘッダ2152aに比較してより長い総長を提供することを示す。
【0147】
同様に、戻りヘッダ2151bは、物理的にループまたは管曲げ2151’bで設置され、還水機能を提供するために、代替戻りヘッダ2152bに比較してより長い総長を提供することを示す。
【0148】
したがって、それぞれ第1の冷却回路、第2の冷却回路、および第3の冷却回路2011、2012、2013は、熱負荷に応じて、単一の個別のモジュラーデータポッドで段階的にまたは必要に応じて設置し、動作できる。台の冷却システムおよび第3の冷却システム2012および2013が使用されないとき、流体受器4128内の第4の流体のすべてまたは一部は、気相状態および衝撃に従って変化してよい。
【0149】
第3の冷却剤冷却コイル回路2011、2012、および2013は、R−134a(つまり、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)冷媒を使用してよい。他の実施形態では、回路の内の1つまたは複数が、当業者にとって既知の他の冷媒を使用してよい。各回路は、二次ポンプまたは冗長ポンプも含んでよい。
【0150】
図7は、水冷式コンデンサ1300も示す。他の実施形態では、冷却システムは、空冷式コンデンサまたは他のタイプのコンデンサを使用できる。各コンデンサ回路は、エネルギー効率の優れた制御装置を含み、冷媒回路および冷却水回路を維持し、最適化し、管理する。冷却システムの冷水側は、たとえば空冷式システム、冷却塔、流体クーラー、グリコール水冷式システムおよび地熱システム等の、熱を拒絶するための任意の媒体を使用できる。
【0151】
冷媒温度の制御および調節は、所与の設定点に基づいて液体冷媒の温度を調節する、水調節弁によって管理される。冷却システムは、モジュラーデータポッドの内部状態を監視し、内部温度および特定のラック負荷要件に基づいて、冷却システムの出力を調節する制御論理回路を含む。脱イオン水回路または冷媒回路は、それぞれ冗長なポンプを含む。ポンプは、駆動VFDであり、多様な制御戦略に従って制御される。制御戦略は、クラウドコンピューティング技術に従ってサーバ場所およびラック場所で需要負荷を組み込んでよい。
【0152】
図8は、たとえば脱イオン水(非導電)水等の流れを示す、モジュラーデータポッド50に適用される、専用密結合水冷式冷却システム2400の例示的な実施形態の概略図である。水冷式冷却システム2400は、モジュラーデータポッド50の補助エンクロージャ55の内部に設置される、3つの独立した個別ポンプ式の脱イオン水冷却コイル回路2401、2402、および2403を含む。
図8の回路は、
図7の専用密結合冷却システム2000が、ここで、熱交換器を含む専用密結合冷却システム2400によって置き換えられ、
図8の冷却システム2400が、補助エンクロージャ515内に収容される専用外部チラースキッド2450と流体連通する脱イオン水水源(不図示)をさらに含む点を除き、
図6の回路に類似している。専用外部チラースキッド2450は、第1の機械支援チラー2451、および冗長な第2の機械支援チラー2452を含むとして示される。 冷却コイル回路2401、2401、2403のそれぞれは、脱イオン水側2420aおよび冷却水側2420bを有する熱交換器2420を含む。脱イオン水側2420aでは、脱イオン水は、補助エンクロージャ515の内部に位置する脱イオン冷却水供給管路2403aを介して熱交換器2420から放出される。脱イオン冷却水供給管路2403aは、共通のポンプ吸引ヘッダ2430を有する冗長なポンプ2431および2432を含む。モジュラーデータポッド50から戻る加熱された水は、脱イオン冷却水戻り管路2403bを介して熱交換器2420に戻され、脱イオン冷却水戻り管路で、熱は熱交換器2420の脱イオン水側2420aと、熱交換器2420の冷却水側2420bとの間で交換される。
【0153】
熱交換器2420の冷却水側2420bは、第1の冷却水供給管路2410a1を介して冷却水供給ヘッダ2152aと流体連通する。また、熱交換器2420の冷却水側2420bも、第1の冷却水戻り管路2410b1を介して冷却水戻りヘッダ2151bと流体連通する。
図7に関して上述されたのと同様に、冷却水供給ヘッダ2152aは、第2の冷却水供給ヘッダ2151aとも流体連通してよい。同様に、冷却水戻りヘッダ2151bも、第2の冷却水戻りヘッダ2152bと流体連通してよい。
【0154】
機械支援チラー241および242は、膨張タンク2460と流体連通する第1の脱イオン水冷水供給および戻り管路2461を介して共通ポンプ吸引ヘッダ2430と流体連通する。機械支援チラー2451および2452は、膨張タンク2460から交互に脱イオン水を引き出して、機械支援チラー2451および2452の動作の冷却段階の間に熱を取り除き、冷却された脱イオン水を膨張タンク2460およびポンプ吸引ヘッダ2430に排出する。
【0155】
当業者は、脱イオン冷水の供給および戻りが第1の冷水供給および戻り管路2461を介して交互の順序で発生するとして示されているが、脱イオン冷水供給および戻りが、機械支援チラー2451および2452と、共通ポンプ吸引ヘッダ2430との間の別々の供給管路および戻り管路を介しても達成できることを認識する。その場合、機械支援チラースキッド2450は、連続冷却運転モードのために、別個のポンピング能力(不図示)ならびに別個の供給管路および戻り管路(不図示)を含む。
【0156】
図5の密結合冷却システム2000に関して上述されたように、第1の冷却回路2401の脱イオン冷却水供給管路2403aは、モジュラーデータポッド50の中に概して伸び、一次冷却コイル531から535と流体連通する第1の供給接続ヘッダ2101aと流体連通する。冷媒ガスを輸送する代わりに、第1の供給接続ヘッダ2101aは、ここで一次冷却コイル531から535を通って脱イオン水を輸送し、一次冷却コイルは、同様に、ここで加熱された脱イオン水を、脱イオン冷却水戻り管路2403bと流体連通する第1の戻り接続ヘッダ2101bに放出する。
【0157】
上述されたように、脱イオン冷却水戻り管路2403bは、熱交換器2420の脱イオン水側2420aに熱を輸送する。熱交換器2420の冷却水側2420b上での冷却水の流れは、第1の冷却回路2401の脱イオン冷却水供給管路2403aでの温度に応じて作動される温度制御弁または流量制御弁によって制御される。
【0158】
同様に、第2の冷却回路2402の脱イオン冷却水供給管路2403aは、モジュラーデータポッド50の中に概して伸び、二次冷却コイル21から25と流体連通する第2の供給接続ヘッダ2102aと流体連通する。再び、冷媒ガスを輸送する代わりに、第2の供給接続ヘッダ2102aは、ここで第2の冷却コイル21から25を通って脱イオン水を輸送し、第2の冷却コイルは、同様に、ここで加熱された脱イオン水を、脱イオン冷却水戻り管路2403bと流体連通する第1の戻り接続ヘッダ2101bに放出する。再び、脱イオン冷却水戻り管路2403bは、熱交換器2420の脱イオン水側2420aに熱を輸送する。
【0159】
また、第3の冷却回路2403の脱イオン冷却水供給管路2403aは、モジュラーデータポッド50の中に概して伸び、二次冷却コイル21から30と流体連通する第2の供給接続ヘッダ2102aと流体連通する。再び、冷媒ガスを輸送する代わりに、第3の供給接続ヘッダ2103aは、ここで1つまたは複数の第3の冷却コイル30を通って脱イオン水を輸送し、第3の冷却コイルは、同様に、ここで加熱された脱イオン水を、脱イオン冷却水戻り管路2403bと流体連通する第3の戻り接続ヘッダ2101bに放出する。再び、脱イオン冷却水戻り管路2403bは、熱交換器2420の脱イオン水側2420aに熱を輸送する。
【0160】
図6に関して上述されたのと同様に、湿球温度が所定の限度である、または所定の限度を超える場合、機械支援チラー2451および2452の内の1つまたは両方は、冷却回路2401、2402、および2403の内の1つまたは複数を通って流れる脱イオン水をサブクールするために作動される。
【0161】
したがって、それぞれ第1の冷却回路、第2の冷却回路、および第3の冷却回路2401、2401、および2403は、その1つまたは複数のモジュラーデータポッドの初期設置後の特定のときの熱負荷要件に応じて、単一の個別のモジュラーデータポッドで段階的にまたは必要に応じて設置し、動作できる。
【0162】
熱遮断も、空冷式コンデンサまたは他のタイプのコンデンサを使用して達成できる。システムの冷水側2420bは、冷却された空気、冷却塔、流体クーラー、グリコール水、および地熱等の熱を遮断するための任意の媒体を含むことがある。回路は、冗長なポンプを有することがある。脱イオン水ループ温度の制御および調節は、熱交換器の低温側に位置する調節弁の制御によって管理される。調節弁2415は、所定の設定点に基づいて開閉される。システムは、モジュラーデータポッドの内部状態を監視し、内部温度および特定のラック負荷要件に基づいて、冷却システムの出力を調節する制御論理回路を含む。携帯式脱イオン水および膨張タンクは、必要に応じて冷却システムに水を提供するために使用される。
【0163】
このようにして、データポッドは、脱イオン水冷却コイルまたは冷媒冷却コイルのどちらかを使用できる。コイルの各セットは、(高需要を満たすために)縦一列で、または冗長なバックアップ回路として使用できる個別回路を有する。たとえば、データポッドは、通常の状態にはコイルの主要セットを使用し、他の状態にはコイルの1つまたは複数の補足セットを使用できる。
【0164】
図9から
図11は、いくつかの違いがある、
図3の一般的なモジュラーデータポッド10に類似するモジュラーデータポッド80”を示す。
図3に関して上述された一般的なモジュラーデータポッド10に比較すると、
図9に示されるモジュラーデータポッド80”は、追加の「Aフレーム」冷却回路2601を含む。一実施形態では、「Aフレーム」冷却回路2601は、
図12および
図13に関して後述される第1の冷却サイクルスキッド3001から供給されるクーラントを含む。「Aフレーム」冷却回路2601は、
図9に示される空気循環装置指示構造816と連結して、
図10に示される冷却コイル3401a−cおよび3502a−cから部分的に形成される、「Aフレーム」熱交換器アセンブリ3400を有する。
【0165】
図9を参照すると、空気循環装置指示構造816は、以下の方向で空気の循環を誘発するように構成され、置かれる、空気循環装置816a、816b、および816cを含む。コールドアイル8002’内の冷気は、各サーバラック803aまたは807c’の上部からサーバラックの底部に下方に流れる。空気が、サーバラック、たとえば803a’の上の、サーバ、たとえば813a’を通過した後、空気は熱交換器3214aを横切って通過し、次いでサーバラック、たとえば803a’と外部壁部材1083’との間に位置するホットアイル8001’に進入する。その後、空気は、第3の容積8003’の中に上方に循環し、1つの循環サイクルを完了する。空気は、次いで、上述されたのと同じ順序で「Aフレーム」熱交換器アセンブリ3400を通って再循環する。
【0166】
モジュラーデータポッド80”は、
図12および
図13に関して後述されるように、第1の流体回路2071の部分である流体供給経路2701aおよび2702a、ならびに第2の流体回路2702の部分である流体戻り経路2702aおよび2702bを含む、支持構造8000’上で支えられる。
【0167】
モジュラーデータポッド80”は、サーバラック、たとえば803a’および807c’の上方に例示的に取り付けられるケーブルトレイ340も含む。一実施形態では、モジュラーデータポッド80”は、専用電源、たとえばデータポッドエンクロージャ108”の下端部811’に位置する1つまたは複数の電池832を含む。
【0168】
図9に示されるように、外部壁部材1083’および1087’は、エンクロージャ108”の上端部811で開口812’を画定する。データポッドカバリング部材812が、開口812’を実質的に覆うように構成され、置かれる。
【0169】
図10は、モジュラーデータポッド80”の上部平面図である。モジュラーデータポッド80”は、モジュラーデータポッド80”がそれぞれの外部壁部材1081’から1088’に沿ってより少ない量のサーバラックを含む点を除き、
図2Gのモジュラーデータポッド80”とほぼ同一である。たとえば、細長い外部壁部材1083’は、サーバラック803a’から803c’を含み、第2の端部88’bは、2つのサーバラック804’および806’を含む。サーバラックは、
図10に示されるような「U」形、または他の形状で配列されてよい。
【0170】
モジュラーデータポッド80”は、それぞれサーバラック803a’、803b’、803c’、および804’の上方に取り付けられる第1の熱交換器3101aから3101dも含む。また、モジュラーデータポッド80”は、それぞれサーバラック807c’、807b’、807a’、および806’の上方に取り付けられる第2の熱交換器3102aから3102dも含む。
【0171】
図11は、モジュラーデータセンターポッド80”の中央アイル850の下方に置かれ、空気流をサンプ852を通って鉛直に上方に押しやるように構成される空気循環装置816aおよび816bを示すモジュラーデータセンターポッド80”の下部平面図である。ケーブルトレイ340は、サーバラック803a’から803c’、806’および807a’から807c’の上方の、概して「U形状の」構成を示す。
【0172】
一実施形態では、
図12から
図13に示されるように、モジュラーデータセンターポッド80”は、2つの「Aフレーム」冷却回路2601、262を含んでよい。明確にすするために、奇数の参照数字は、第1の冷却回路2601に含まれる構成部品を指し、偶数番号の参照数字は、第2の冷却回路2602に含まれる構成部品を指す。冷却回路2601および2602の設置および動作は、同時に起こる必要はない。
【0173】
2つの冷却回路2601、2602は、それぞれ第1の冷却サイクルスキッド3001、および第2の冷却サイクルスキッド3002から供給されるクーラントを受け取る。
【0174】
図13に示されるように、各冷却回路2601、2602は、それぞれ第1の流体回路2701、2702を含む。第1の流体回路2701および2702は、R134aまたは類似する冷媒を活用する蒸発器回路であり、一実施形態では、データセンターアセンブリ10または10’の多様な熱交換器と熱流体連通する。
【0175】
図12に戻ると、第1の流体回路2701、2701のそれぞれは、流体供給経路2701a、2702a、および流体戻り経路2701b、2702bを含み、その両方とも、熱交換器へおよび熱交換器から流体または冷媒を運ぶことによって、熱交換器、たとえば3101aから3101nと流体連通する。熱交換器、たとえば3101aから3101nは、負荷の点で密結合冷却を提供するためにITデータセンター内のITサーバまたはITラックに近接して設置される。
【0176】
第1の流体供給経路2701aは、小分岐2703aから2703nを介して第1の熱交換器3101aから3101nに、小分岐2704aから2704nを介して第2の熱交換器3102aから3102nにクーラントまたは冷却流体を運ぶ第1の分岐経路2702a1を含む。第1の流体戻り経路2701bは、小分岐2705aから2705nを介して第1の熱交換器3101aから3101nから第1の冷却回路2601にクーラントを運んで戻し、小分岐2706aから2706nを介して第2の熱交換器3102aから3102nからクーラントを運ぶ。
【0177】
一実施形態では、第1の流体供給経路2701aは、小分岐2775aから2775nを介して第4の熱交換器3401aから3401nに、次いで第5の熱交換器3502aから302nにクーラントを供給する第2の分岐経路2702a2を含む。クーラントは、小分岐2776aから2776nを介して第5の熱交換器3502aから3502nから、分岐経路2701b2を介して第1の流体戻り経路2701bに出る。クーラントは、第4の熱交換器および第5の熱交換器から熱を取り除き、結果的に加熱された流体に変換される。
【0178】
第2の流体経路2702aから2702bが、第1の流体経路2701aから2701bの構造および機能に類似する構造および機能を有して、熱交換器3301aから3301n、3213aから3213n、および3214aから3214を冷却すると想定される。
【0179】
クーラントが各熱交換器を離れるにつれて、クーラントは熱交換器から熱を吸収し、加熱流体になる。加熱流体は、次いで、冷却のために
図13に示されるメインコンデンサ1300の入口に送達される。
【0180】
図13に示されるように、第1の冷却回路2601は、
図6の冷却システム10に類似する冷却システムを含む。第1の冷却回路2601の第1の流体供給経路2701aおよび第1の流体戻り経路2701bは、それぞれ冷却システムの第1の回路100の第1の供給経路4100aおよび第1の戻り経路4100bに結合される。動作中、第1の流体戻り経路271bは、第1の戻り経路4100bに加熱された流体を運び、第1の戻り経路は加熱流体を、加熱流体が冷却され、凝縮されるメインコンデンサ1300に送達する。加熱流体を冷却するために、メインコンデンサ1300は、第2の回路4200および第3の回路4300によって支援されてよい。
【0181】
流体はメインコンデンサ1300を出た後、流体は、流体の液面および温度が測定される冷媒液体受器4128に流れる。液面が低い場合、または温度が高いバイ、サブクーラー圧縮機4410およびサブクーラーコンデンサ1300aが起動され、液面を上昇させる、および/または流体の温度を下げる。流体は冷媒液体受器4128から出た後、流体は、液体冷媒ポンプ4120に流、液体冷媒ポンプは、流体、ここではクーラントを第1の流体供給経路2701aに次いでクーラントを送達する流体供給経路4100aに汲み上げる。クーラントは、次いで熱交換器、たとえば3101aから3101nを冷却するために再利用されるだろう。
【0182】
きわめて高密度の用途(たとえばラックあたり25 kWを超える)場合、二重コイル(直列の)回路が活用できる。二次コイル(マイクロチャネル)は、最も冷たい冷媒液体を最初に受け取る。このコイルは、(ITラックにすぐ隣接する)一次コイルへの入口温度から約10°F低い入口気温を受け取る。マイクロチャネルを離れる液体および部分的な蒸気は、次いで簡略な曲がりくねった単列蒸発器コイルに進入する。この曲がりくねったコイルは、ITラックに最も近い。したがって、曲がりくねったコイルは、最も高温の空気(約105°F)を受け取る。残りの液体は曲がりくねったコイル内で沸きこぼされ、それによって蒸発原理の潜熱の完全熱遮断利点を活用する。コイルの前方には、熱膨張弁または他の圧力計量装置はない。
【0183】
図14は、モジュラーデータポッド、たとえば
図2Aから
図2Gおよび
図3から
図13のモジュラーデータポッド10、50、60、70、80、90、100、および80’用の水冷式冷却システム3000の概略図である。本実施形態では、冷却塔CT−1A、CT−1B,CT−2AおよびCT−2Bは、冷却システム3000用の環境に熱遮断を提供する。ただし、他の実施形態では、他の流体クーラーおよびドライクーラー等の他の伝熱設備が使用できる。冷却システムは、二重冗長管本館および設備(ポンプおよび冷却塔)も含む。
【0184】
さらに詳細には、冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2AおよびCT−2Bからの冷却水は、共通の冷却水供給ヘッダ311の中に排出する。完全に冗長な、または代わりに半分の容量のポンプ3102aおよび3102が、供給ヘッダ3101および別々の冷却水供給ヘッダ分岐管路3101aおよび3101bを介して、冷却塔CT−1A、CT−1B,CT−2AおよびCT−2Bと流体連通し、したがってポンプ3102aは、分岐管路3101aを介して吸水を引き込み、ポンプ3102bは分岐管路3101bを介して吸水を引き込む。
【0185】
冷却システム3000は、主管、およびモジュラーデータポッドを主管に接続する分岐管上に還水管回路を含む。さらに詳細には、本開示の一実施形態では、第1のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3103aは、冷却水供給ヘッダ分岐管路3101aと流体連通して、冷却水を1つまたは複数のモジュラーデータポッド80に供給する。同様に、第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3103bは、冷却水供給ヘッダ分岐管路3101bと流体連通して、冷却水を1つまたは複数のモジュラーデータポッド80に供給する。
【0186】
冷却水は、モジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818を通過する、それぞれ第1のおよび第2の冷却水供給分岐管路3103aおよび3103bの部分を介して1つまたは複数のモジュラーデータポッド80に供給される。
【0187】
それぞれ、第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3103aおよび3103bは、「U形状」構成で構成され、置かれ、冷却水システム3000に還水機能を提供する。
【0188】
補助エンクロージャ818を通過し、その1つまたは複数のモジュラーデータポッド80内の設備によって加熱された冷却水は、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3113aおよび3113bの部分を介して冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、およびCT−2Bに戻される。第1のおよび第2のモジュラーデータポッド戻り分岐管路3113aおよび3113bは、それぞれ別々の冷却水戻りヘッダ分岐管路3111aおよび3111bを介して、それぞれ、共通冷却塔水戻りヘッダ3111および冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、およびCT−2Bと流体連通する。
【0189】
同様に、冷却水は、別のモジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818を通過する、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3105aおよび3105bの部分を介して1つまたは複数のモジュラーデータポッド80に供給される。
【0190】
それぞれ、第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3105aおよび3105bは、「U形状」構成で構成され、置かれ、冷却水システム3000に還水機能を提供する。
【0191】
再び、補助エンクロージャ818を通過し、その1つまたは複数のモジュラーデータポッド80内の設備によって加熱された冷却水は、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3115aおよび3115bの部分を介して冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、およびCT−2Bに戻される。第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3115aおよび3115bは、それぞれ別々の冷却水戻りヘッダ分岐管路3111aおよび3111bを介して、それぞれ、共通冷却塔水戻りヘッダ3111および冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、およびCT−2Bと流体連通する。
【0192】
一実施形態では、追加の網羅―データポッドに対するニーズが高まるにつれて、それぞれ、モジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818を通過する第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3103aおよび3103bは、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3103a’および3103b’として伸張でき、1つまたは複数の追加モジュラーデータポッド80の追加を可能にする。
【0193】
それぞれ、第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路伸張部3103a’および3103b’は、「U形状」構成で構成され、置かれ、冷却水システム3000に還水機能を提供する。
【0194】
同様に、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3113aおよび3113も、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータ戻り冷却水分岐管路伸張部3113a’および3113b’として伸張でき、1つまたは複数の追加モジュラーデータポッド冷却水0の追加を可能にする。
【0195】
当業者は、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3105aおよび3105b、ならびにそれぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水戻り分岐管路3115aおよび3115bも、第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路伸張部3105a’および3105b’ならびにそれぞれ第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水戻り分岐管路伸張部3115a’および3115b’と同様に伸張でき、1つまたは複数のモジュラーデータポッド80の追加を可能にする。
【0196】
それぞれ、第1のおよび第2のモジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3105aおよび3105bも、「U形状」構成で構成され、置かれ、冷却水システム3000に還水機能を提供する。
【0197】
還水機能に関する上記説明から理解できるように、冷却塔にモジュラーデータポッドを接続する管回路はの総経路長は、各モジュラーデータポッドに同じである。この還水機能は、回路上の隣接するポッドのシステム停止を必要とすることなく、または隣接するモジュラーデータポッドの動作に影響を与えることなく、モジュラーデータポッドを冷却システムに追加する、または冷却システムから差し引くことを可能にする。事実上、この機能によって、データサイトに、冷却システムの全体的な動作に影響を及ぼさずに、自由自在にモジュラーデータポッドを加えるおよび差し引く柔軟性を可能にする。
【0198】
本開示の実施形態にかかるモジュラーデータポッド設計のモジュラー機能と相まった還水機能は、相対的に容易にモジュラーデータポッドモジュラーデータポッドの追加、取外し、および再度積み重ねを可能にする。したがって、モジュラーデータポッドは、「ジャストインタイム」で設置できる。また、モジュラーデータポッドは、典型的なデータセンターが経時的に負荷を段階的に行ったよりも少ない先行インフラ作業、ひいては少ない費用を必要とする。
【0199】
図15は、高湿球状態がときおり発生する低湿球環境用の冷却システム3000’の概略図である。冷却システム3000’は、冷却システム3000がさらにモジュラーチラー3150を含む点を除き、
図14に関して上述された冷却システム3000と同一である。 冷却システム3000’は、1つまたは複数の冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、またはCT−2B、または低湿球状態に対して効果的である他の流体クーラー、および高湿球状態に対して効果的であるモジュラーチラー3150を含む。
【0200】
さらに詳細には、モジュラーチラー3150は、それぞれ第1のおよび第2のモジュラーチラー吸引管路3131aおよび3131bを介して、それぞれ別々の第1のおよび第2の冷却水戻りヘッダ分岐管路3111aおよび3111bと、ならびにそれぞれ第1のおよび第2のモジュラーチラー排出管路3121aおよび3121bを介して、それぞれ別々の第1のおよび第2の冷却水供給ヘッダ分岐管路3101aおよび3101bと流体連通するので、モジュラーチラー3150は、1つまたは複数の冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2AおよびCT−2Bの回りに副管を提供する。
【0201】
高湿球条件下では、モジュラーチラー3150は、それぞれ第1のおよび第2の冷却水供給ヘッダ分岐管路3101aおよび3101bの中に補足的にクーラー水を注入することによって、モジュラーデータポッド80の内の1つまたは複数に外部機械支援冷却を提供するために作動される。
【0202】
冷却システム3000’は、冷却システムが別個のチラーが水または他の冷却流体を冷却する必要がほとんどまたはまったくなく動作できるように、モジュラーデータポッドハイブに結合できるだろう。
【0203】
図16は、モジュラーデータポッド、たとえばモジュラーデータポッド80が結合される既存の水冷式冷却システムを含む、水冷式冷却システム3110の部分の概略図である。モジュラーデータポッド80は、すべての種類の水冷式冷却システムおよび冷媒冷却式冷却システムから給電されるように設計されてよい。モジュラーデータポッド構造80は、新しいまたは既存のコンデンサ水、グリコール、地熱、廃水、または冷媒の冷却システムで動作するように設計されてよい。
【0204】
図16に示されるように、モジュラーデータポッド80からの配管は、既存の冷水回路に結合される。特に、既存のチラー水回路は、供給ヘッダ3201および戻りヘッダ3202を含む。データポッドからの配管は、モジュラーデータポッドが典型的な快適冷却システムよりも高い冷却気温を使用するため、冷水戻り上での冷水回路の「より暖かい」つまり「使用済みの側」に結合されてよい。さらに詳細には、水冷式冷却システム3110は、冷水側3161aおよびモジュラーデータポッド側3161bを有する熱交換器3161を含む。冷水側3161aは、熱交換器3161冷水供給管路3160を介して既存の冷水戻りヘッダ3202と流体連通する。冷水戻りヘッダ3202からの「使用済みの側」の水は、1つまたは複数の冷水循環ポンプ、たとえばポンプ3162Aおよび3162Bを介して熱交換器3161の冷水側3161aの入口を通って流れる。水がここで熱交換器3161の冷水側3161aの入口での水に比較して高温である熱交換器3161の冷水側3161aの出口も、ポンプ3162Aおよび3162Bならびに熱交換器3161冷水戻り管路3163を介して冷水戻りヘッダ3202と流体連通する。
【0205】
モジュラーデータポッド側3161bは、モジュラーデータポッド冷水供給ヘッダ3165を介して1つまたは複数のモジュラーデータポッド80と流体連通する。モジュラーで^田ポッド冷水供給ヘッダ3165は、1つまたは複数のモジュラーデータ供給冷水供給ポンプ、たとえばポンプ3164Aおよび3164Bを介して熱交換器3161のモジュラーデータポッド側3161bと流体連通し、したがって水は熱交換器3161のモジュラーデータ供給側3161bの出口から、モジュラーデータポッド冷水供給ヘッダ3165に流れる。1つまたは複数のモジュラーデータポッド80は、モジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818を通過するモジュラーデータポッド冷水供給ヘッダ分岐管路3166の部分と流体連通する。
【0206】
補助エンクロージャ818を通過し、その1つまたは複数のモジュラーデータポッド80内の設備によって加熱された冷却水は、モジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3167の部分を介して既存の冷水戻りヘッダ3202に戻される。モジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3167は、共通熱交換器モジュラーデータ供給側ヘッダ3170を介して熱交換器3161のモジュラーデータポッド側3161bへの入口と流体連通する。
【0207】
同様に、冷却水は、別のモジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818を通過する、モジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3168の部分を介して1つまたは複数のモジュラーデータポッド80に供給される
【0208】
再び、補助エンクロージャ818を通過し、その1つまたは複数のモジュラーデータポッド80内の設備によって加熱された冷却水は、モジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3169の部分を介して熱交換器3161のモジュラーデータポッド側3161bの入口に戻される。また、モジュラーデータポッド冷却戻り分岐管路3168は、共通熱交換器モジュラーデータ供給側ヘッダ3170を介して熱交換器3161のモジュラーデータポッド側3161bの入口と流体連通する。
【0209】
モジュラーデータポッド冷却水供給分岐管路3168および3168も、「U形状」構成で構成され、置かれ、冷却水システム3110に還水機能を提供する。
【0210】
モジュラーデータポッドには、他の冷却の目的で使用され、冷却製造設備(つまり、チラー)に戻される途中である冷水も供給できる。モジュラーデータポッドは、きわめて高い効率レベルで動作し、制御システムは、システム最適化戦略を組み込み、完全に利用するために修正できる。これらの戦略は、データポッドのエネルギー利用の費用を削減するだけではなく、既存の冷水設備の操業費も削減する。
【0211】
上記から理解できるように、再び
図2Aから
図2Gを参照すると、一実施形態では、本開示は、多角形の形状で各壁部材の少なくとも1つの端縁に沿って互いに接して結合される壁部材、およびデータポッドカバリング部材を含むエンクロージャと、エンクロージャ内部に配列され、壁部材の内表面とコンピュータラックの第1の側面との間に第1の容積、およびコンピュータラックの第2の側面から形成される第2の容積を形成する複数のコンピュータラックと、第2の容積、コンピュータラックカバリング部材、および第1の容積を第2の容積に結合する第3の容積を形成するデータポッドカバリング部材を封じ込めるように構成されるコンピュータラックカバリング部材と、第1の容積、第2の容積および第3の容積を通して空気を連続的に循環させるように構成される空気循環装置とを含む、モジュラーデータポッド、たとえば
図1Aのモジュラーデータポッド105、
図1Bのモジュラーデータポッド106に関する。
【0212】
モジュラーデータポッド80は、データポッドをより容易に配備できるようにする重要な適応性があり、拡張可能、かつ収縮可能な造作を含む。
図17は、データポッドファームの段階的な拡大を示すモジュラーデータポッドハイブ1700の概略図である。図示されるように、初期段階では、部分的なハイブが配備される。太字のデータポッドは、ポンプ、電気部品、および冷却塔を含む基礎インフラとともの初期段階に配備されるデータポッドである。この初期配備後、より多くのデータポッドおよび関連するサポートシステムインフラが追加されてよい。また、冷却システム用のより多くの冷却塔、ポンプ、および他の設備も、負荷が経時的に増加するにつれて追加できる。
【0213】
物理的なインフラ本管(つまり、管および電気ケーブル)は、ハイブの一方の側に位置する。この配列によって、ハイブを支持するために必要とされる管の量が削減される。実際の分岐本管(つまり、特定のデータポッド用の環および電気ケーブル)は、各データポッドとともに含まれ、それによって現場で設置される支持分岐本管の量、および現場で支持分岐本管を設置する費用を削減する。これも費用を大幅に削減する。
【0214】
図17に示されるように、モジュラーデータポッド80は、データポッドハイブ1700、またはデータチェーン122、124、および126に追加、もしくはデータポッドハイブ1700、またはデータチェーン122、124、および126から除去できる。特に、各モジュラーデータポッド80は、モジュラーデータポッド80をデータポッドハイブ1700に追加できるようにするシステム構成要素を含む。各モジュラーデータポッド80は、流体回路部および電気回路部を含む補助エンクロージャ818を含む。流体回路部および電気回路部は、HVAC管路および電線用導管を含んでよい。補助エンクロージャ818のそれぞれに含まれるHVAC管路および電線用導管のセグメントは、モジュラーデータポッドチェーン122、124、および126上の既存の、新規の、および将来のモジュラーデータポッドの間で流体および電気のリンクを形成する。
【0215】
補助エンクロージャ818ならびにそのHAVC管路および電線用導管は、以前に配備されたモジュラーデータポッドおよび対応する冷却インフラの運用を中断させることなくデータセンターの段階的な拡大を容易にする。たとえば、
図17のモジュラーデータセンターまたはモジュラーデータポッドハイブ1700の初期配備は、冷却塔131aおよび131b、供給管路115aおよび115b、戻り管路125aおよび125bの第1の組、ならびにモジュラーデータポッドモジュラーデータポッド122のチェーン等の中央冷却装置を含む中央冷却流体回路を有してよい。モジュラーデータポッド122のチェーンの中の各モジュラーデータポッドは、共有された、つまり共通の流体および電気回路部を含む補助エンクロージャ818を含む。モジュラーデータポッド122のチェーンの中の各モジュラーデータポッド80は、共有される流体および電気回路部分に結合する、非共有流体および電気回路の少なくとも一部を含むデータエンクロージャ85も含む。非共有流体および電気回路は、対応するデータエンクロージャ内に含まれる電子機器を冷却するように構成される冷却流体回路を含む。共有流体電気回路部は、直列でともに結合され、共有流体および電気回路1705を形成する。共有流体および電気回路1715は、第1の端部1710で、中央冷却流体回路の流体供給管路115aおよび115b、ならびに流体戻り管路125aおよび125bに結合される。
【0216】
共有流体および電気回路1705は、少なくとも1つの供給管路および少なくとも1つの戻り管路を含む。供給管路および戻り管路は、還水構成で配列されてよい。たとえば、対応する補助エンクロージャ内部に含まれる共有流体および電気回路部のそれぞれは、4つの供給管路セグメントおよび2つの戻り管路セグメントを含んでよい。各モジュラーデータポッド80の補助エンクロージャ818内部のパイプチェースは、二重還水管回路セグメントを含み、管回路の内の1つが故障した場合の冗長性を提供する。これらの回路は、それぞれの新しいモジュラーデータポッドがモジュラーデータポッドチェーンに配備されるにつれて、冷却システムの還水機能を続行する。この機能によって、停止または高価な水システムの平衡の問題なしにモジュラーデータポッドを追加または除去できる。他の実施形態では、モジュラーデータポッドは、(還水本管に対する)直接供給本管、または単一の非冗長本管を含む(たとえば、共通冷却流体回路は、単一の供給管路および単一の戻り管路を含む)。これらのモジュラーデータポッドは、自動平衡、信頼性、および冗長性の問題があまり重大ではない層1型施設で使用できる。
【0217】
冷却塔の組は、中央冷却流体回路に流体結合され、モジュラーデータポッドの第1のチェーンの冷却要件の少なくとも一部をサポートするように構成される。特に、冷却塔の組は、好ましい環境条件、たとえば好ましい周囲湿球温度で、モジュラーデータポッドのチェーンの冷却要件のすべてをサポートするように構成される。
【0218】
上述されたように、各モジュラーデータポッドは、データエンクロージャおよび補助エンクロージャ818を含む。
図17に示されるように、補助エンクロージャの共有流体および電気回路部は、直列でともに結合され、線形経路を形成する。データエンクロージャは、この線形回路の交互の側面で対応する補助エンクロージャに結合される。データエンクロージャは、線形経路の同じ側面上の隣接するデータエンクロージャが、人が補助エンクロージャに接近できるようにする経路を形成するような形状および大きさにすることができる。データエンクロージャは、六角形または八角形等の多角形の形状を取ることができる。モジュラーデータポッドのこの配列は、データセンターに、従来のデータセンターと比較して非常に小さい接地面積を与える。平方フィート当たりのデータ容量をさらに増加するために、モジュラーデータポッドは、互いの上に積み重ねられ得る。
【0219】
初期配備後、モジュラーデータセンターは、追加のデータ容量を必要とすことがある。したがって、第2の段階では、モジュラーデータポッドの第2のチェーン、およびモジュラーデータポッドの第3のチェーンが、モジュラーデータセンター##の初期配備に類似するように中央冷却流路回路に結合され得る。第1の組の冷却塔に、モジュラーデータポッド”の追加チェーンの冷却要件を処理するために十分な容量がない場合には、冷却塔##の第2の組等の第2の中央冷却装置が、第2の段階で中央冷却流体回路に流体結合されてよい。将来の配備段階では、追加のモジュラーデータポッドが、第1のチェーンおよび第2のチェーン”に付加され得る。このようにして、モジュラーデータセンターは、経時的に途切れなく拡大される。また、
図17に示されるように、中央冷却流体回路は、還水構成の供給管路および戻り管路を含む。
【0220】
図18は、本開示のいくつかの実施形態にかかるモジュラーデータポッド80用の輸送システムを示す、モジュラーデータポッドハイブの概略図である。
【0221】
図18に示されるように、モジュラーデータポッド80は、クレーン1805を使用してモジュラーデータポッドチェーンから取り除かれ、別の場所への輸送のためにドロップベッドトラクタートレイら―1810上に置かれる。モジュラーデータポッド80のサイズは、より小型のトラックまたは鉄道の平らな路盤上に適合するように縮小され得る。この縮小設計は、モジュラーデータポッドが処理できる総出力を減少させる。
屋内または屋外の環境または用途では輸送システムは、頭上ガントリー、クレーン、およびレールを含んでよい。支持材用に十分な頭上の空間的な余地が利用できない場合、データポッドのチェーン間の通路の幅を増加できる。これによって、フォークリフトまたは他の等級レベルの支持材装置は、データポッドを容易に取り外すまたは配備できるように、通路に接近できるようになる。
【0222】
図19は、取り除かれたデータポッドを新しいコンピュータシステムまたはサーバで積み重ねしなおすことができるように一定のデータポッドが取り除かれ、現地外に輸送されたモジュラーデータポッドハイブ1を示す。補助エンクロージャ、ならびに管パイプチェースチャンバおよび電気チェースチャンバを含む流体および電気回路部は、管および電気システムのインフラをそのままにして、動作中のままとなる隣接データポッドをサポートする一方で、適所に留まって、データポッドエンベロープまたはエンクロージャを取り外すことを可能にする。このようにして、モジュラーデータポッドハイブのこの設計によって、残りのデータポッドの動作に影響を及ぼさずに、モジュラーデータポッドを追加する、取り外す、修正する、および改良することができる。
【0223】
この設計は、データポッドに新しいコンピュータシステム再度積み重ねる、またはそれ以外の場合データポッドを修理する現場または現地外のどちらかの別の区域にデータポッドを取り外すことができるため、時間および金を節約する。、再度積み重ねられたデータポッドは、次いで同じデータポッドファームまたは異なるデータポッドファームに再配備され得る。この設計は、技術者および設備を遠隔地に送り、データポッドを再度積み重ねるまたはそれ以外の場合修理する必要がないため、データポッドが遠隔地に配備される場合に特に時間および金を節約する。データポッドは、単に、データポッドを再度積み重ねるまたは修理することができる別個の区域に輸送できる。
【0224】
図20は、大規模データポッドファーム2002の概略図兼平面図である。図示されるように、隣接するハイブは鏡像パターンで位置決めできる。ハイブを鏡像設置することで、ハイブ間の統合が可能になる。ハイブは、経時的に段階またはフェーズ的に配備できる。それぞれの新しいハイブは、任意の方向でそれに隣接する鏡像ハイブに接続できる。ハイブのこのコミュニティが、ハイブコミュニティ構造内部での冗長性機能を可能にする。図示されるように、大規模データポッドファームは、隣接するハイブにサービスを提供するために使用できる進入路を含む。
図20に示されるように、移動クレーンおよび/またはトラクタートレーラー、または他の輸送車両が、複数のモジュラーデータポッドハイブ1を取り囲む進入路2005を介してモジュラーデータポッドファーム内のモジュラーデータポッド80に接近できる。
【0225】
データポッドファームの全体的な設計は、データポッド形状およびハイブパターンの効率的な使用を組み込んで、典型的なデータセンターの3倍から4倍少ない空間に大型データポッドファームを配備できるようにする。実際、このモジュール式手法は、他のコンテナ化されたモジュラー設計に対して全体的な空間のその使用ではるかに効率的である。データポッド自体は、出荷コンテナの形をとるデータポッド等の典型的なモジュール式の矩形または正方形の形状のデータポッドよりもはるかに密集できる。本開示の実施形態にかかるデータポッドは、やはり狭い接地面積の中に組み込まれる、モジュール式ポンプ室および電気建物から給電できる。
【0226】
図1から
図20の上述の説明と併せて、
図21Aおよび
図21Bは、電子機器を冷却する方法4500の一実施形態を示す。方法は、第1の流体、たとえば、液体冷媒R134aまたは類似冷媒を使用して、電子機器、たとえば
図3に示され、
図3に関して説明されるサーバ5511a...511n、および533a...533nを冷却するステップ4502を含む、ステップ4501で開始する。また、方法は、第1の流体から、たとえば
図6に関して説明されるように大気を使用して冷却された第2の流体への熱伝達を可能にし、第1の流体をフリークールすることが第1の流体を冷却するには不十分となる範囲まで機械的に第2の流体を冷却することによって、第1の流体をフリークールするステップ4502も含む。第2の流体の機械的な冷却は、第2の流体の温度の関数である。
【0227】
ステップ4506は、第2の流体から第3の流体への熱伝達を可能にすることによって、第2の流体を使用して第1の流体をフリークールする前に、第2の流体を冷却することを含む。方法は、ステップ4508で、
図6の第3の回路4300内のサブクーラー圧縮機4310を介して第3の流体を圧縮することを含む。ステップ4510は、第2の流体を使用して第1の流体をフリークールした後に、トリムコンデンサ1200bを介して圧縮された第3の流体から第2の流体への熱伝達を可能にすることによって、圧縮された第3の流体を凝縮することを含む。さらに詳細には、圧縮された第3の流体を凝縮することは、トリムコンデンサ1200bによって実行される。
【0228】
ステップ4512は、たとえば熱膨張弁4311を介して凝縮された第3の流体の圧力を削減して、第3の流体の温度を下げることを含む。ステップ4514は、大気の湿球温度を感知することを含む。ステップ4516は、第2の流体の温度を変えるために感知された湿球温度の関数として、たとえばサブクーラー圧縮機4310を介して第3の流体を圧縮する速度を変えることを含む。
【0229】
ステップ4518は、たとえば流体受器4128等の流体受器内にフリークールされた第1の流体を受け入れることを含む。ステップ4520は、たとえばレベルライト4127を介して流体受器4128に入れられる第1の流体の液面を感知することを含む。
【0230】
ステップ4522は、流体受器4128の感知された液面が第1の所定のレベルを下回るときに、第1の流体を凝縮するために第1の流体を機械的に冷却することを含む。第1の流体の機械的な冷却は、サブクーラー圧縮機4410を介して流体回路4400によって実行され、第4の流体が、冷媒液体受器4128のサブクーラーコイル4129を通ってサブクールコンデンサ1300aの中に流れ込ませてよい。ステップ4524は、たとえば液体受器128内の第2の液面が、第1の所定の液面よりも高い第2の所定の液面レベルに達するときにサブクーラー圧縮機4410の動作を停止することによって、機械的な冷却動作を停止することを含む。
【0231】
ステップ4526は、流体受器4128内の第1の流体から第4の流体への熱伝達を可能にすることによって、流体受器4128内の第1の流体を冷却することを含む。ステップ4528は、たとえばサブクーラー圧縮機4410を介して第4の流体を圧縮することを含む。ステップ4530は、圧縮された第4の流体から、大気を使用して冷却された第2の流体への熱伝達を可能にすることによって、圧縮された第4の流体を凝縮することを含む。ステップ4532は、たとえば、第4の流体を膨張させサブクーラーコイル4129に戻して、第4の流体の温度を削減する熱膨張弁4420へサブクーラーコンデンサ1300aを出る第4の流体を介して凝縮された第4の流体の圧力を削減することを含む。
【0232】
第1の流体、第3の流体、および第4の流体は、R134A等の冷媒を含んでよく、第2の流体は、たとえば凝縮水、冷水、またはグリコール水溶液等の水を含む。
【0233】
方法4500は、第1の冷却回路4100でフリークールされた第1の流体の温度を感知すること、およびたとえば、第1の流体がメインコンデンサ1300から出るときに第1の流体の温度を検出する温度センサ4126を介して、フリークールされた第1の流体の温度の関数として、第2の冷却回路4200で第2の流体の流量を調節することも含んでよい。温度センサ4126の示度は、メインコンデンサ1300の温度を反映する。 方法はステップ4621で終了する。
【0234】
図22Aから
図22Bは、モジュラーデータポッドを配備して、本開示の一実施形態にかかるデータセンターを形成する方法4600を示す。さらに詳細には、方法4600はステップ4601で開始し、それぞれの複数のモジュラーデータポッド、たとえばモジュラーデータポッド80の複数の共有流体および電気回路部を直列で結合して、共有流体および電気回路を形成するステップ4602を含む。ステップ4604は、複数のモジュラーデータポッド80の各モジュラーデータポッド80の非共有流体および電気回路を、それぞれの共有流体および電気回路部に結合することを含む。ステップ4606は、共有流体および電気回路の第1の端部にある共有流体および電気回路部を中央流体および電気回路に結合することを含む。
【0235】
方法4600は、少なくとも1つの流体供給管路、および少なくとも1つの流体戻り管路、たとえばそれぞれ、たとえば
図7に示されるような流体供給ヘッダ2151a、2152a、および2151b、2152bを含む共有流体および電気回路を含む。
図7に関して上述されたように、流体供給ヘッダ2151a、2152aおよび流体戻りヘッダは、還水構成で構成されてよい。
【0236】
再び、
図22Aから
図22Bを参照すると、ステップ4608は、中央冷却装置、たとえば
図15に示される冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、またはCT−2Bを結合することを含み、冷却装置は、複数のモジュラーデータポッド80の冷却要件の少なくとも一部を満たすように構成される。
【0237】
図22Aのステップ4610は、それぞれの第2の複数のモジュラーデータポッド80の複数の第2の共有流体および電気回路部を、直列で結合して、第1の端部および第2の端部を有する第2の共有流体および電気回路を形成することを含み、たとえば
図17に関して説明されるように、共有流体および電気回路部は、ともに直列で結合され、共有流体および電気回路1705を形成する。共有流体および電気回路1715は、第1の端部1710で、中央冷却流体回路の流体供給管路115aおよび115b、ならびに流体戻り管路125aおよび125bに結合される。
【0238】
ステップ4612は、第2の複数のモジュラーデータポッドの各モジュラーデータポッドの非共有流体および電気回路を、
図17に関して上述されたように、それぞれの第2の共有流体および電気回路部に結合することを含む。
【0239】
ステップ4614は、第2の共有流体および電気回路の第1の端部にある第2の共有流体および電気回路部を、
図17に関して上述されたように、共有流体および電気回路の第2の端部にある第1の共有流体および電気回路部に結合することを含む。
【0240】
ステップ4616は、第2の複数のモジュラーデータポッド80の共有流体および電気回路部を直列で結合して、第1の端部1702および第2の端部1706を有する第2の共有流体および電気回路を形成することを含む。
【0241】
ステップ4618は、第2の複数のモジュラーデータポッド80の各モジュラーデータポッドの非共有流体および電気回路、たとえばクーラント供給管路4101a、4102a、4103a、および
図7のクーラント戻り管路4101b、4102b、4103bを、たとえば
図17に関して上述されたようにそれぞれの第2の共有流体および電気回路部に結合することを含む。
【0242】
ステップ4620は、第2の共有流体および電気回路の第1の端部で、第2の複数のモジュラーデータポッドの内のモジュラーデータポッドの第2の共有流体および電気回路を、たとえば
図17に関して上述されたように、中央流体および電気回路に結合することを含む。
【0243】
中央冷却装置は、第1の中央冷却装置、たとえば、
図14および
図15に示される冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、CT−2Bである。冷却塔CT−1A、CT−1B、CT−2A、CT−2Bの内の1つが第2の複数のモジュラーデータポッド80の冷却要件の少なくとも一部を満たすことができない場合、方法4600は、第2の中央冷却装置CT−1A、CT−1B、CT−2A、CT−2Bを中央流体および電気回路に結合することを含む。
【0244】
方法4600は、複数のモジュラーデータポッド80の内の各モジュラーデータポッドが、それぞれの共有流体および電気回路を含む、データエンクロージャ、たとえば
図2Dのモジュラーデータポッド80のデータエンクロージャ108、および補助エンクロージャ、たとえば、
図2Dの補助エンクロージャ828を含み、共有流体および電気回路が、線形経路、たとえば、
図17のチェーン122、124、126を形成することを含み、さらに、
図17に示されるように、共有流体および電気回路の交互のそうめんでデータエンクロージャを補助エンクロージャに結合するステップを含む。中央流体および電気回路に結合することを含む。
【0245】
図20に示されるように、共有流体および電流回路の同じ側の隣接するデータエンクロージャは、ユーザに補助エンクロージャ818へのアクセスを提供する経路1を形成する。
【0246】
モジュラーデータポッドは、標準的な快適冷却温度(たとえば、ポッドへの入口で75°F以上)よりも高い冷却温度を使用するように設計されてよい。ポッドは、冷水(たとえば、脱イオン水)、冷媒、冷水と冷媒の混成物、または冷気を使用して、冷却温度を、通常の快適冷却温度よりも高いレベルで維持できる。冷却空気(または他の冷却流体)の温度は、モジュラーデータポッドエンベロープ内部の露点温度を支障なく超えて維持され、凝縮から保護する。モジュラーデータポッドは、1つまたは複数の加湿器および関連する制御装置を含み、モジュラーデータポッドにとって内部の空気を所望されるレベルで維持してよい。その1つまたは複数の加湿器は、水管理システム(たとえば、漏れ制御装置)をモジュラーデータポッドと関連付けられた他のシステムから別にするように隣接ポンプチャンバ内に収容されてよい。ポッドは、加湿器、または水または蒸気を使用する他の方法の組合せを使用して、内部空気の湿度を制御してもよい。
【0247】
複数のモジュラーデータポッドを含むデータセンターは、典型的な現場組立て式データセンターよりも少ない基礎インフラで配備できる。これは、初期配備段階では高データ負荷を有さないことが意図される現場の先行費用を節約する。システムは拡張可能であり、初期配備に必要とするインフラは、はるかに少ない。
【0248】
電気システム、機械システムおよびITインフラシステム上の構成部品の大部分は、現場でデータポッドシステムを配備するために要する時間および金の量を大幅に削減するプレハブ支持構造に統合できる。
【0249】
冷却システムおよびモジュラーデータポッドの設計が、意図されたデータセンタープロジェクトの層に特定のニーズに合わせて調整する柔軟性を与える。倉庫ハイブおよびファームハイブ等の大型配備システムは、経時的にそのように行うことが必要となる場合に、システムが層の能力で拡大できるようにする拡大可能な造作を有するように設計される。システム層能力を経時的に高める方法論が、共有ハイブと呼ばれる。基本的なシステム設計は、システムを隣接するハイブで冷却源から供給できるようにする、弁お構成要素および緊急制御戦略を含む。このハイブ連結機能によって、モジュラーデータポッドは、必要な場合、補足的な冷却源から給電されることを可能にする。
【0250】
冷却システム10によって提供される冷却プロセス(サイクル)は、大気状態(湿球温度)とITラック冷却への進入空気との間のアプローチ温度での密接な項さを可能にする。サイクルは、環境条件(低湿球温度)を活用して、環境条件がゆするときにラック冷却負荷を完全に処理するように設計される。また、サイクルは、システムが湿球温度でのスパイクにも関わらず冷却負荷を処理できるようにするサブクーリングプロセスのバックアップシステムも含む。これは、冷却媒体(R134a)または他の冷媒の非熱特性に最適化することによって達成される。
【0251】
冷却システム10によって提供される間接冷却サイクルは、ITラック入口温度を維持し、DX容量またはチラー容量のどちらかで通常必要となるだろうものの約15%未満のサイズとすることができるサブクーラーシステムを活用できる。
【0252】
したがって、モジュラーデータポッドは、データポッドハイブまたはデータチェーンに追加、もしくはデータポッドハイブまたはデータチェーンから除去できる。特に、各モジュラーデータポッドは、モジュラーデータポッドをハイブに追加できるようにするシステム構成要素を含むように設計される。各モジュラーデータポッドに含まれるHVAC管路および電線用導管は、モジュラーデータポッドチェーンの既存の、新規の、および将来のモジュラーデータポッドの間でリンクを形成する。
【0253】
各モジュラーデータポッドのパイプチェースは、二重還水管回路を含む。これらの回路は、それぞれの新しいモジュラーデータポッドがモジュラーデータポッドチェーンに配備されるにつれて、システムの還水機能を続行することを目的とする。この機能によって、停止または高価な水システムの平衡の問題なしにモジュラーデータポッドを追加または除去できる。代わりに、モジュラーポッドは、(還水本管に対する)直接供給本管または単一の非冗長本管を含んでよい。これらのポッドは、自動平衡、信頼性、および冗長性の問題があまり重大ではない層1型施設で使用できる。
【0254】
各流体回路または管回路には、管回路を配備し、管回路を現場に特定の作動油で充填し、管回路を試運転するために必要とされる弁および付属機器が取り付けられる。システムは、乾溜回路を続行または伸張できるようにする厳しいプロセスを組み込んでよい。プロセスは、モジュラーが、モジュラーデータポッドのシステムに導入される前に、回路を充填し、回路にベントを付け、回路を静圧的に試験することを含む。このプロセスは、管回路が輸送中または配備中に損なわれないことを保証するために工場で行われる静圧適性検査または空気圧適性検査を再現する。これによって、隣接するモジュラーデータポッドの動作に影響及ぼさずに、または高価な意図しない停止を引き起こさずに、モジュラーデータポッドを途切れなくデータポッドシステムに追加できる。
【0255】
各ポッドチェーンの端部ユニットは、2つの乾溜回路のそれぞれでの副管T形継手配置を含む。これによって、データポッドチェーンで以前のデータポッドを停止することなく、データポッドチェーンに将来ポッドを拡張できるようになる。
【0256】
データポッドハイブ1の各データポッドチェーンは、一体化しているが、完全に着脱自在である二重パイプ、たとえばモジュラーデータポッドの下部に位置する電気的およびITシステムのインフラを含むように設計される。この機械的/電気的なシャシ部は、メインデータポッドエンベロープから隔離されるように設計される。後部つまり補助エンクロージャは、メインポッドアセンブリから着脱自在であり、データエンベロープまたはエンクロージャを取り外すことを可能にする。モジュラーデータポッドは、周期的に現地外の場所に取り外され、コンピュータサーバを再度積み重ねる、またはモジュラーデータポッドの機械システム、電気システム、または制御システムを保守または改良できるようにする。管および導管は、付属品機構(たとえば、フランジまたは離脱ボルトまたは配線ハーネスプラグ)を含み、管および導管のモジュラーデータポッドアセンブリへの容易な分離および再取付けを容易にしてよい。パイプチェースおよび導管チェースは、壁、膜、およびシーラントを含み、チェースとモジュラーデータポッドエンベロープとの間の水密シールを提供してよい。
【0257】
モジュラーデータポッド80が屋外環境で設置されるとき、各モジュラーデータポッド80の環回路は、熱トレース、絶縁、および絶縁保護を含んでよい。各モジュラーデータポッドは、警報およびステータス情報を提供してよいBMSと完全に統合される独自の熱トレースパネルを有してよい。
【0258】
各ポッドは、各コイルバンクの下方に漏れ格納パンを含んでよい。パンは、BMSにリンクされる漏れ検出器を含んでよい。BMSは、漏れまたは他の異常な状態(たとえば、モジュラーデータセンターエンベロープ内部の高湿度)が検出さえると、警報をトリガする、またはそれ以外の場合ンオペレータに通知してよい。
【0259】
各ポッドには、モジュラーデータセンターエンベロープ、ポンプ、熱交換器チャンバ、および着脱自在の管/電気チャンバ内部の戦略的な点で配備できる漏れ検出センサを取り付けられてよい。漏れ検出システムは、警報およびステータス情報を提供できるBMSと完全に統合されてよい。
【0260】
モジュラーデータポッドは、完全に冗長な40
kWのサーバラック等の高密度サーバ設備を処理するように設計される。モジュラーデータポッド設計は拡張可能であり、サーバ技術での進展の結果として、サーバ機器の1立方フィートあたりの電力出力の増加に対応する。モジュラーデータポッド設計を拡大縮小するには、熱交換器およびポンピング設備およびサーバラックへの配電を改装することを必要とすることがある。モジュラーデータポッド設計を拡大縮小するために行われるあらゆる修正の範囲は、電力出力の増加量に依存してよい。
【0261】
モジュラーデータポッド冷却本管は、鋼管、ポリ塩化ビニル(PVC)管、ステンレス鋼管、銅管、繊維ガラス管、鉄筋コンクリート管(RCP)、または他のタイプの管であってよい。管のタイプ、口径、強度、および厚さは、特定のデータポッドシステムの要件に応じる。
【0262】
モジュラーデータポッドは、大量生産、または所与の仕様を満たすために個別に注文に応じて作られるかのどちらかであってよい。
【0263】
モジュラーデータポッド、およびモジュラーポンピング設備および電気設備を構築し、配備することを含むモジュラー手法は、データセンターを構築するための費用効果が高い方法である。たとえば、モジュラー手法は、現場での労働は、モジュラーデータポッドおよびモジュラーポンピングおよび電気設備を設置し、配備するためだけに必要とされるため、現場の人件費およびリスクを大幅に削減する。
【0264】
エネルギー費は、倉庫または類似する施設に、本開示にかかるモジュラーを設置することによって削減できる。これは、各モジュラーデータポッドエンベロープ内部の空間が、調整を要する倉庫内部の空間だけであるためである。各モジュラーデータポッド外部の倉庫空間は、最小の換気を必要とする。これは、モジュラーデータポッドは、その小さい物理的な設置面積によって空間を節約するように設計されるため重要である。したがって、倉庫または同様の施設はさらに小さくなることができる。
【0265】
典型的なデータセンターは、データセンターフロア全体で拡散されるサーバラックアセンブリによって画定されるホットアイルおよびコールドアイル内の空気を処理するために最小の設置面積を要する。たとえば、10,000平方フィートのデータセンターは、約200から220のサーバラックを収容してよい。各ラックは、平均で6
kWと12 kWの間で生成する能力を有してよい。いくつかのラックは、たとえば16から24 kWのより高い出力を生じさせることができる。対照的に、本開示のいくつかの実施形態にかかるモジュラーデータポッドは、相対的に小さい物理的な設置面積で40
kW以上を消費する8台のサーバラックを冷却するほど十分に高レベルの熱遮断を達成できる。
【0266】
モジュラーデータポッドの実施形態でのサーバラックの密な円形構成によって、モジュラーデータポッドの内部の相対的に小さい空間を冷却するために必要とされるエネルギーが少ないために、エネルギー費が削減される。また、サーバラックおよびアイル封じ込めの密な構成のため、モジュラーデータポッドのは、空気流パターンの制御により少ないファン馬力を必要とする。
【0267】
モジュラーデータポッドは、冷却塔、流体クーラー、チラー、地熱システム、または既存の建物または工場水システムから流体を得るモジュラーポンピングポッドから給電できる。
【0268】
サーバラックの円形構成と連動したモジュラーデータポッドコンテナの幾何学形状は、空間の効率的な使用を実現し、熱風パターンの制御のための自然なホットアイル/コールドアイル封じ込めおよび自然の「煙突効果」を生じさせる。
【0269】
包括的なモジュラー設計の追加の利点によって、「協同組合型のデータウェアハウスおよびデータスイートでの配備用にさらに多くの量のセキュリティおよびコンパートメント化が可能になる。モジュラーボックスは、協同組合内の他のITサーバラックからの材料分離を生じさせる。ボックスは、セキュリティのために施錠し、容易に監視できる。
【0270】
モジュラーデータポッドの内部でのサーバラックの密な円形構成は、親/子サーバ、マスタ/スレーブサーバ、および冗長なサーバ等の相互に関連のあるサーバおよびIT機器のはるかに密接なグループ化を容易にする。この密接な構成は、相互に依存するIT構成要素間でのファイバおよびケーブルのより短い取付けを可能にする。
【0271】
ハイブの中に実際のモジュラーデータポッドを密に詰めることによって、通常のデータフロア増築で必要とされるよりも短いケーブル布線およびファイバ取付け長が可能になる。ハイブ構造は、意図的にパターン化し、相互に依存するITシステムを配備でより効率的にグループ化できるようにする。これらの相互依存グループ化は、ケーブル布線およびファイバ長を削減してよい。これらの削減は、人件費および材料費を削減するだけでなく、より短いデータケーブル取付けのために操業費も削減する。
【0272】
モジュラーデータポッドは、重大なIT負荷、ITステータス、冷却、および電力系統性能のリアルタイム監視を生じさせることができるリアルタイムデータ監視サーバを含んでよい。モジュラーデータポッドは、外部タッチパッドシステムステータスおよび監視ディスプレイパネルも含んでよい。
【0273】
モジュラーデータポッドは、低ラック密度用途向けの物理サイズで縮小することもできる。より小さな用途は、より小さなモジュラーデータポッドでより有益である五角形、六角形、または他の多角形状を活用できる。
【0274】
個別に採用されるか、またはシステムで採用されるかのどちらかのモジュラーデータポッド設計の実施形態は、現場組立てされる典型的なデータセンターに優る費用便益を提供する。モジュラーデータポッドの部分的な配備または全システム配備の費用は、現場組立てされたデータセンターまたはサイトで組み立てられたデータセンターよりも少なくとも30%未満である。
【0275】
モジュラーデータポッドの配備は、建設のためにはるかに少ない現場での工数を必要とする。これによって、データセンタープロジェクト、特に遠隔場所でのデータセンタープロジェクトの全体的なスケジュールは大幅に短縮される。
【0276】
管、ITファイバ導管、および電気的なチェース封じ込め領域は、メインデータポッドアセンブリから完全に切り離し可能である。チェースには、水システム輸送管路を実際のITデータポッドエンベロープから隔離する漏れ検出手段および漏れ制御手段を取り付けることができる。データ領域および冷却水の「混合スペース」使用はない。モジュラーデータポッドは、冷媒ループまたは脱イオン水用途のどちらかを含んでよい。(水用途が使用される場合に、脱イオン非導電水以外の)外部冷却水は、実際のデータポッドエンベロープに進入しない。
【0277】
モジュラーデータポッドは、革新的な制御戦略を使用して、高い効率を達成する冷却システムに結合できる。冷却システムは、それがデータセンター電力使用基準にとってきわめて高い効率で動作できるようになる革新的な制御戦略を使用できる。システムは、システムが、有益な湿球状態を有する区域またはゾーンについて1.1
PUEレベルで動作できるようにする制御戦略を使用してよい。
【0278】
好ましくない湿球状態を経験する環境の場合、冷却システムは、湿球状態が、システム負荷がもはや大気状態によって処理できない点まで劣化するときに、水冷式冷却システムを支援するためのチラーを含むことがある。
【0279】
データポッドは、低圧または中圧のどちらかで、家庭運転用導管、ケーブルバスダクト、または標準バスダクトを介して電力を給電されてよい。電気インフラは、各ポッドの中に組み込まれてよく、それまたは隣接するポッドがポッドチェーンに追加される、またはポッドチェーンから取り除かれる場合に拡張可能かつ適応可能となる能力を有する。
【0280】
各モジュラーデータポッドは、たとえば大型配備用途の場合、専用の無停電電源装置(UPS)またはUPSメインシステムに接続する能力を含んでよい。ポッドは、回転式UPSまたは静的UPS等の二重冗長UPSで給電されてよい。また、ポッドは、変圧器および充電器を受け入れるように構成されてもよい。変圧器、UPS、1つまたは複数の電池、および分電盤は、実際のデータポッドエンベロープにとって外部のコンパートメントに収容されてよい。
【0281】
ポッドの基部には、緊急用電力のために1つまたは複数のバックアップ電池を取り付けることができる。また、ポッドには、電気バス内のプラグに類似した内部リング型電気バスを取り付けることもできる。各ポッドは、1つまたは複数の電池を再充電できる充電器を有することがある。その1つまたは複数のバックアップ電池は、代替エネルギーフィードまたは自然エネルギーフィードを介して充電されてよい。ラック間の割れ目の空間は、コンピュータラックごとの電力およびデータパッチプラグポイントを組み込むために使用されてよい。
【0282】
本線バスフィードとモジュラーデータポッドエンベロープとの間のポッド電気コネクタは、取り外し自在であってよく、本線バスフィードからポッドを切断して、ポッドエンベロープの取り外しおよび再配備を可能にしてよい。各モジュラーデータポッドは、DCダイオード減結合機能を組み込んでよい。
【0283】
ポッドは、カラーコード化されたライト(たとえば、LEDまたは光ファイバーライト)で外部で照明される能力を有する。ライトの色および輝度は、動作負荷のタイプおよび密度に応じてよい。
【0284】
ポッド電気システムは、たとえばそう1から4等、所与のデータセンタープロジェクトに対する特定の層要件に応じて適応可能である。
【0285】
電池回路は、それが特定のプロジェクトにとって必要とされる場合には、隣接するポッドバッテリバックアップ機能を含むように修正できる。
【0286】
ポッドは、カスタム取り外し可能コンピュータラックを特色としてよい。コンピュータラックは、小型サーバ支持荷重および大型サーバ支持荷重の両方を処理できるように適応可能となるように設計され得る。また、コンピュータラックは、サーバを傾け、上方流パターンである、熱風パターンをコンピュータラック(たとえば、サーバラック)の後部で提供できるようにする特色も有する。コンピュータラックは、後部句気流パターンおよび側面空気流パターンを有するサーバを処理してよい。
【0287】
モジュラーデータポッドは、冷却システムを動作し、監視し、制御するための水道メータおよびイギリス熱単位(BTU)メータを含んでよい。モジュラーデータポッドは、モジュラーデータポッドおよび関連システムを制御し、監視し、最適化するために、制御システムおよび必要な制御パネルおよび構成部品のすべてを含んでよい。
【0288】
モジュラーデータポッドは、スマートグリッドシステムに結び付くことができ、電力平均分配および代替ポッドおよび現地外のデータ収集サイトに対する処理情報の転送のために、クラウドコンピューティング技術を使用してよい。
【0289】
モジュラーデータポッドは、密封することもできれば、密封しないこともできる。密封ポッドは、ポッド内部に真空を生じさせる、またはポッド内部で空気の組成を変更し(たとえば、酸素の除去)、熱伝達を増加し、火災を抑制する機器を含む、または機器に結合されてよい。
【0290】
本開示のいくつかの実施形態は、図面で示された、および/または本明細書に説明されたが、開示は、範囲において技術が許すのと同程度に幅広く、明細書が同様に読まれることが意図されるので、開示がそれに制限されることは意図されていない。したがって、上記説明は、制限的として解釈されるべきではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内の他の修正形態を想定するだろう。