(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ターゲット中心脳血管系は、前大脳動脈(ACA)、中大脳動脈(MCA)、後大脳動脈(PCA)、内頸動脈(ICA)、脳底動脈(BAS)及び椎骨動脈(VER)、及びウィリス環のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記ナジオン整合部材の反対側の前記ヘッドセット表面上に固定され、かつ実質的に該ヘッドセット平面に沿って超音波(US)ビームを放出するように構成された後頭変換器アレイを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記後頭変換器アレイ及び第1の側頭変換器アレイのうちの少なくとも一方の作動を制御するように構成された手持ち式可搬型遠隔制御ユニットと、該遠隔制御ユニット及び前記ヘッドセットを作動可能に接続する連結物とを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
前記ヘッドセット表面は、前記ヘッドセットが経頭蓋超音波血栓溶解療法に向けて前記被検者の頭部上に位置決めされた時に該被検者の頭部に面する表面であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記ヘッドセットは、前記ヘッドセット平面及び前記ヘッドセットの頭蓋周囲ループを定めるためなどに部材の対応する端部で嵌合するように構成された前部及び後部ヘッドフレーム部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態により、関連の当業技術の現在使用される方法及び装置により必要とされる被検者頭部と協働したUSデバイスの撮像により案内される配置のない非侵襲性経頭蓋超音波処置に向けて構成された方法及び装置を開示する。本発明のシステムの実施形態は、定位的位置決め構造体を含み、かつ所定の再現可能に達成可能な向きでの被検者頭部上への位置決めに向けて適応化され、この位置決めにより、被検者の脳血管系の指定の要素が本発明の方法により確実に超音波照射されることが保証される。
【0023】
本明細書を通した「一実施形態」、「実施形態」、「関連の実施形態」、又は類似の表現への言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態内に含まれることを意味する。従って、本明細書を通して語句「一実施形態では」、「実施形態では」、及び類似の表現が出てきても、同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。たとえそれ自体で及び一部の場合に図に関連して取られたとしても、本発明の開示のいずれの部分も本発明の全ての特徴の完全な説明となることを目的としていないことは理解されるものとする。
【0024】
更に、以下の本発明の開示では、対応する図面を参照して本発明の特徴を説明する場合があり、同じ数値は、できる限り同じか又は類似の要素を表している。図面では、図示の構造的要素は、一般的に縮尺通りではなく、特定の構成要素は、強調及び理解を目的として他の構成要素に対して拡大される。いずれの単一の図面も、本発明の全ての特徴の完全な説明を裏付けることを目的としていないことは理解されるものとする。換言すると、所定の図面は、一般的に、本発明の一部の特徴のみを説明し、一般的に、本発明の一部の特徴の全てを説明するわけではない。所定の図面及びこのような図面を参照する説明を含む本発明の開示の関連の部分は、所定の図面及び説明する内容を簡素化することを目的として、及びこの図面において特徴的に示す要素に説明する内容を関連付けるために、一般的に特定の図の全ての要素又はこの図に示すことができる全ての特徴を含むわけではない。本発明は、特定の特徴、要素、構成要素、構造、詳細、又は特性の1つ又はそれよりも多くがなくても、又は他の方法、構成要素、材料などを使用して一部の場合に実施することができることを当業者は認識するであろう。従って、本発明の実施形態の特定の詳細をこのような実施形態を説明する全ての図面に必ずしも示すことができるというわけではないが、説明の関連上他のものを必要としない限り図面内のこの詳細の存在を意味する場合がある。他の例では、公知の構造、詳細、材料、又は作動は、説明された本発明の実施形態の態様を不明瞭にすることを回避するために、所定の図面には示されていないか、又は詳細に説明されていない場合がある。更に、本発明の説明する単一の特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれよりも多くの実施形態ではあらゆる適切な方法で組み合わされる場合がある。
【0025】
更に、含まれる概略の流れ図は、論理的流れ図として全体的に説明されている。従って、論理的流れの示す順番及び説明された段階は、例示する1つの方法の実施形態を示している。図示の方法その1つ又はそれよりも多くの段階又は部分と機能、論理、又は効果においては同等である他の段階及び方法を考えることができる。更に、使用するフォーマット及び記号は、方法の論理的段階を説明するために示されており、かつ方法の適用範囲を制限しないことを理解される。様々な矢印タイプ及び線種が流れ図に使用する場合があるが、対応する方法の適用範囲を制限しないことを理解される。実際、一部の矢印又は他の接続は、方法の論理的流れのみを示すのに使用される場合がある。例えば、矢印は、図示の方法の列挙する段階の間の指定されていない持続時間の待機期間又はモニタリング期間を示す場合がある。一般性を失わずに、処理段階又は特定の方法が行われる順番は、対応する段階の順番に厳しく固執する場合もあれば固執しない場合もある。
【0026】
本発明の開示に添付された特許請求の範囲に記載の本発明は、全体として本発明の開示に照らして評価されることが意図される。
【0027】
米国では毎年、約700、000件の脳卒中が発生し、そのうちの150,000件を回る事例において脳卒中が、期せずして致命的になり、一方、残りの事例の殆どにおいて、脳卒中は、生き残っている人に対しては衰弱性である。重要なことに、臨床脳卒中集中治療センターで現在対処している脳卒中事例はそのうちの約3%にすぎず、高度の診断及び治療なしの超音波血栓溶解療法処置の後の死亡率及び罹患率は、最も高度の治療を行ってさえも全体的に20%しか改善していない。
【0028】
当業技術で公知のように、非侵襲性超音波血栓溶解療法の手段は実験的であることに留まっており、従って、依然として、脳卒中の基本的な標準治療の変革にはなっておらず、また、予後は劇的には改善していない。既存の超音波血栓溶解療法デバイスの使用には、被検者頭部のターゲット区域の超音波照射の大きな不正確性(被検者頭部と協働するこのようなデバイスの非反復性及びオペレータ任せの位置決めの為)及び非可搬性(定置型電源が必要な為)の問題がある。従って、有効性が改善し、非侵襲性、非外科的、かつ安全な脳卒中医療の装置に対する長年の切実な必要性は満たされていない。
【0029】
一般的に、本発明の実施形態は、ヘッドセット平面を定める(及び頭蓋周囲で装着されるように構成された)ヘッドセットとして形式化され、かつ定位的に又は換言すると外部の座標系との関係で、このようなUSデバイスの変換器アレイの位置決めを補助する1組の整合構造特徴(整合システムとも呼ばれる)を含む経頭蓋超音波照射のUS超音波血栓溶解療法デバイスを含む。
【0030】
外部頭蓋マークとの関係における整合システム
図1、
図2A、及び
図2Bは、本発明のUS超音波血栓溶解療法デバイスの実施形態の概要を示している。
図1は、例えば、このような超音波血栓溶解療法デバイスの斜視
図100である。図示のように、実施形態100は、ヘッドセット平面を定めてかつ被検者頭部と協働した頭蓋周囲位置決めに向けて構成されたヘッドセット又はヘッドセットアセンブリ101、電源がポケットサイズのハウジング内にある遠隔制御ユニット102、及び作動可能に及び任意的に分離可能にヘッドセット101及び遠隔制御102を接続するケーブル又は連結物103を含む。(図示しない関連の実施形態において、遠隔制御ユニット102は、無線で作動可能にヘッドセット101に接続される。別の関連の実施形態において、以下に説明する遠隔制御ユニットの要素は、ヘッドセットアセンブリ101の要素と協働するか又はヘッドセットアセンブリ101に一体化される。)遠隔制御ユニット102には、例えば、オンオフ又は休止アクチュエータ又はボタン107及びステータスインジケータバー108のような適切な作動要素が供給される。ヘッドセット101は、着用期間延長に向けて設計され、重量が500グラム未満であり、全体的な実施形態100は、1kg未満の重量である。実施形態100は、ヘッドセット101の内側に再位置決め可能に固定される3つの変換器アレイ(2つの側頭変換器アレイ105a、105b及び後頭変換器アレイ106)を含むように示されているが、より一般的には、異なる数の複数の変換器アレイを含む。1つの例では、例えば、実施形態100は、側頭アレイ105a、105bの各々において6つの変換器、及び後頭アレイ106において4つの変換器を含む。変換器アレイ105a、105b、106の各々は、任意的に個々に電源が供給され、かつ一般的に約500kHzから約3500kHzの範囲、特定の実施形態において、約1MHzと約2MHzの間で作動する各々直径が約1cmの複数の圧電クリスタルを含む。1つの実施では、ヘッドセットアセンブリ101の構造化シェル及び/又は支持要素は、低いHounsfield密度を有する放射線透過性プラスチックで製造される。このようなプラスチック材料の例には、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂スチレン(ABS)、スチレンアクリルニトリル、ポリスチレン、ナイロン製品、ポリエチレン、アクリル酸エステルなどがある。例えば、これに限定されないが、Bayblend(デラウエア州デュッセルドルのBayer Material Science)を本発明のヘッドセットの製造に使用することができる。様々なプラスチックのCT光透過性は、例えば、Henriksonにより説明されている(CT evaluation of plastic intraocular foreign bodies,Am.J.Neuroradiology,8:378−79,1987(プラスチック眼内異物のCT評価において、Am.J.Neuroradiology、8、378〜79頁、1987年))。
【0031】
図2A及び
図2Bは、ヘッドセット101が被検者頭部と協働する時に、以下に説明するように、実施形態の変換器を頭骨内のターゲットにされた音響窓及びターゲットにされた脳血管系と位置合せさせるように構成された定位的整合又は位置決めシステムの要素(鼻及び耳整合ブラケットのような)を示す
図1のヘッドセットアセンブリ101の側面図及び上面図を示している。ヘッドセット101によって定められた上述のヘッドセット平面は、ヘッドセット101に沿って延び、かつ図示のように点破線に沿って
図2Aの平面と交差する平面230である。具体的には、ヘッドセットアセンブリ101は、被検者頭部の前部に適合するようになっており、弓形のしなやかな後方ヘッドフレーム部材101bの対応する端部を受けるように構成された2つの開放端を有する弓形前方ヘッドフレーム部材101aを含む。図示のように、部材101a及び101bは、部材101bの端部が、嵌合した位置において、ヘッドセット101及び被検者頭部の周りで嵌合すべきヘッドセット101の頭蓋周囲ループの平面を定めるために部材101aの対応する端部に挿入されるという点で嵌合される。部材101a及び101bの相互の位置決め及びヘッドセット101のループのサイズは、前方ヘッドフレーム部材101aの本体内の締付け機構又はノブ119によって調節可能である。図示のように、ノブ119はヘッドセット101の前部(被検者頭部の額に対応する)に配置されているが、一般的に、異なる位置に配置することができる。締付けは、後方ヘッドフレーム部材101bに張力付与することによって達成され、整合ブラケットでの前方ヘッドフレーム部材101aの頭蓋周囲の配置を変えないか又は他の点で影響を与えず、従って、脳血管系に対する定位的整合が乱されないことが保証される。ヘッドセット101は、更に、1つがナジオン整合ブラケット120である1組の整合システム要素(以下に詳細に説明する)を含む。ブラケット120は、ヘッドフレーム101の内側に前方に装着され、かつ被検者の鼻と協働して被検者の鼻の鼻梁の上でナジオンに当接して装着されるようになった鼻当て104を支持する。
【0032】
上述したように、本発明の考え方により、本発明のUSデバイスの整合システムは、デバイスの実施形態が被検者頭部と協働し、実施形態の変換器が単一の動きで頭骨の特徴との特定の所定の空間関係で確実に位置決めされてかつそのように向けられ、従って、変換器が最も一般的には脳卒中に関連のターゲットにされた大脳動脈の方向に予想可能に超音波を放出することができることを保証するように構成される。これは、被検者頭部上でのアレイの最適位置決めをもたらし、従って、超音波照射処置の開始を遅延させるようなアレイの反復するオペレータが関わる再配向を必要とする従来技術の解決法と極めて対比形成するものである。超音波照射の動脈のターゲットの1つは、例えば、いわゆるウィリス環の脳動脈を含み、この脳血管樹枝状分岐により、脳循環において冗長性又はコラテラルが発生する。(ウィリス環を交換可能に脳動脈ネクサスと本明細書で呼ぶ。)特に、ウィリス環の1つの部分が阻止又は狭化された、すなわち、ウィリス環に血液を供給する動脈の1つが阻止又は狭化された場合に、他の血管からの血流が、虚血の症状を回避するのに十分に良好に脳潅流を維持することができることが多い。同時に、統計学的に、多くの脳卒中は、ウィリス環に関連の大脳動脈の脳卒中であることが見出される。従って、(i)外部頭蓋マークとの関係でウィリス環の向きを定め、かつ(ii)このような定められた向きに依存するUSデバイスの空間位置決めを設定するように同じ外部頭蓋マークに対してUSデバイスの整合システムを構成することにより、USデバイスの変換器は、ウィリス環及び関連の大脳動脈の超音波照射に向けて明確にかつ受動的に(すなわち、臨床医又は機器からのフィードバックである場合には、このような位置決めの精度を特徴付けるフィードバックの必要性又は使用なしに)かつ反復的に(すなわち、USデバイスが被検者頭部と協働する時にいつでも)確実に位置決めされるようになる。
【0033】
本発明の実施形態の整合システムは、人の頭部に関連付けられた外部頭蓋マークによって定められる。このような保存された外部頭蓋マークの反復使用により、訓練された臨床医及び/又は音波検査担当者に関して、被検者頭部上でデバイスのヘッドセットを調節及び再調節せず済む。本発明の実施形態により、超音波血栓溶解療法の外部の基準系は、外部の骨組織を含み、頭蓋座標系は、例えば、ナジオン、左上耳底点、右上耳底点、耳点、下顎顆状突起、頬骨弓、歯槽点、及び後頭隆起のような頭部の1つ又はそれよりも多くの頭蓋マークに基づいている。一実施形態において、例えば、三角形の座標系は、USデバイスの整合システムを定めるのに使用される。このような三角形の座標系は、少なくともナジオン及び右(Rt)及び左(Lt)上端マークのような3つのマークを含む。このような三角形の座標系の選択により、(i)被検者の頭骨内の側頭及び後頭下音響窓、(ii)蝶形骨の大翼及び小翼によって形成された蝶形骨「棚」、(iii)前及び後床突起、(iv)鞍背、及び(v)ウィリス環、前、中、及び後大脳動脈を結合させる内頸動脈の分岐部及び連通する大脳動脈及び椎骨動脈との脳底動脈の接続部を有する大脳動脈輪の相対位置が明確に確立される。関連の当業技術により選択される被検者頭部(基準平面のような)に対する従来の座標系は、垂直面又は水平面に対してUSデバイスを向けるために定められる。本発明の本発明のシステム及び方法によりターゲットにされる脳血管系の要素、例えば、ウィリス環のようなものにより、垂直でも水平でもなくて水平面に関してかなり傾斜する平面が定められる。従って、作動が従来の座標系に対して定められる超音波照射処置又はUSデバイスは、例えば、再現可能にウィリス環を目標として超音波照射するように構成されていない。従って、本発明の実施形態によって定められた座標系は、従来のBrocaの基準平面(別名「神経耳科平面」又はNOP)より信頼性が高いことが経験的に証明され、かつターゲット解剖学的組織に対して傾斜しかつターゲット解剖学的組織の下方にあるFrankfurt−Virchow平面よりも優って遥かに好ましい。眼窩管に追随するNOPは、ウィリス環よりも僅かに下方にありかつこれに平行であるが、これを使用するには耳点の上方に3.3cmの測定が必要であり、かつ未熟練者には容易に利用可能なものではない。これとは対照的に、本発明の実施形態によって定められる座標系の使用には、臨床職員の指示及び/又は準備が不要である。更に以下に説明するように、予め定義された基準平面に対するデバイスの所要の空間的向きは、ヘッドセット形状の設計により予め設定される。
【0034】
被検者頭部との本発明の実施形態の空間的協働の理解を促すために、
図3、
図4A、
図4B、及び
図4Cは、本発明の実施形態の整合システムを定める頭蓋マークの脳血管システム及び外部システムのターゲットにされた部分の相互の向きの図を示している。特に、
図3は、ウィリス環の主要部が位置する蝶形骨棚(前床突起によりマーク付けされる、
図4Aを参照されたい)との空間関係を有する頭部の特徴的な外部頭蓋マークを伴う頭部の描画を示す図である。本発明のデバイスの整合システムを定めるために本発明の実施形態により選択される外部頭蓋マークのうちには、ナジオン130、上耳底点又はOBS(図示のように、右OBS131)、耳点132、耳道(中心耳点133と共に)、ブレマ134、並びに下顎顆状突起、頬骨弓、歯槽点、前頂部、又は後頭隆起(OCP)(図示せず)がある。
図4Aは、頭蓋冠141、「蝶形骨棚」143と本明細書で呼ぶ解剖学的特徴を形成する骨(蝶形骨の大翼及び小翼のような)、及び脳主幹動脈142、144の全体的な位置を示す頭蓋140の斜視分解組立図である。
図4B及び
図4Cは、脳主幹動脈及びウィリス環144の上方図及び横断方向図である。ターゲット中心脳血管系は、前大脳動脈(ACA)、中大脳動脈(MCA)、後大脳動脈(PCA)、内頸動脈(ICA)、脳底動脈(BAS)及び椎骨動脈(VER)、及びウィリス環との接続部が示されている。
図4Aを再び参照すると、ウィリス環144は、眼窩路の上にある前窩の基部を形成し、かつアレマン平面で全体的に共存している蝶形骨棚143に部分的に載っているように示されている。
【0035】
本発明の考え方により、外部の整合マークの少なくとも3つは、USデバイスの実施形態のヘッドセット(例えば、
図1のヘッドセット101のような)及び変換器(アレイ、105、105b、
図1のうちの106のような)の対応するアレイを頭骨内の音響窓及びターゲットにされた脳血管系と定位的に位置合せさせるために使用される。1つの実施では、例えば、選択されたマークには、ナジオン130及び左及び右OBSがある。この目的のために、
図5Aは、選択された整合マーク(ナジオン130、左OBS131a、及び右OBS131b)を含む基準平面P(アレマン平面とも本明細書で呼ぶ
図5Aのxz面)を示す図を示している。マーク130、131a、131bによって定められた二等辺三角形Tは、左及び右OBS131a、131bを接続する基線を有し、かつ直線的な正中線136により二分される。正中線136は、前及び後方向に
図4Aの蝶形骨棚143に対して全体的に接線方向に、かつ被験者(図示せず)の視索に平行かつこれよりも僅かに上方にあって大脳半球によって定められた頭蓋冠を通って延びる。本発明の実施形態により、三角形Tによって定められた基準アレマン平面は、脳卒中の影響を最も受けやすい脳血管系の位置に対する外部の指針である。
【0036】
図5Bに示すように、例えば、USデバイスのヘッドセットは、1つの実施では、ヘッドセットが被検者頭部の上に設けられ、アレマン平面Pに対して傾斜するように構成される(図示のように、
図2Aを更に参照すると、ヘッドセット101のこの位置においてヘッドセット平面230と実質的に一致する線「ヘッドセット傾き」138)。このような傾きは、例えば、ナジオン130の上方のヘッドセットのヘッドフレーム101aの前部材を構造的に、例えば、距離h1でオフセットさせることによって達成される。大人のみけん点の高さは、約0.7から約1.6センチメートルであることが認められる。従って、構造的オフセット距離(高さ)h1が約2センチメートルであるように選択された場合に、ヘッドセット101aの前部材は、着用者の額を通過する。後方ヘッドバンド部材101bは、構造的に距離h2で後頭隆起の下方に着座するようになっている。このように傾斜している時に、ヘッドセットは、外部の整合マーク上に載る。傾斜角θは、約10から約15°間、好ましくは約12°であるように選択される。
図6は、
図3、
図4A、及び
図4Bを参照して説明した空間関係により、被検者頭部600上に配置され、かつ選択された外部の整合マークと協働する
図1の実施形態100の側面図である。その後に、
図5Bに示す頭骨の側頭音響窓137の上に、実施形態100の側頭変換器アレイ105a、105bを摺動可能にヘッドフレーム上に位置決めすることができる。
【0037】
外部頭蓋マークに対するこのような所要の傾き及びオフセットを可能にしかつ達成するために、本発明の実施形態は、実施形態のヘッドセットが被検者頭部上に設けられた時に選択された外部のマークと係合させるように構成された適切な表面を有する機械式ブラケットを含む。
図7A、
図7B、
図7C、及び
図7Dは、整合マーク(
図3、
図4A、
図4B、及び
図6を参照して説明したもの)に対する本発明のUSデバイスの所定の位置決めを可能にするように構成された整合システムの要素を伴う
図1のヘッドセット101の部分の図を示している。
【0038】
本発明の整合システムの要素の1つ、ナジオン整合ブラケット120が、
図7Aの前方ヘッドフレーム部材101aの背面立面図及び
図7B〜
図7Dの図に示されている。整合システムの2つの付加的な要素、具体的には、横断方向整合OBSブラケットが、側頭変換器アレイ105bを含む右サブアセンブリ700の横断方向整合OBSブラケット154により表される。横断方向整合OBSブラケット154(耳覆いとして形式化される)は、側頭変換器アレイを
図4Aに示す上耳底点及び蝶形骨棚143と位置合せさせるために使用される表面153を含む。サブアセンブリ600のスライダ脚部153は、ヘッドフレーム部材101aの右スライダトラック152を通って挿入され、かつ摺動可能に確実に嵌入されるように適切に寸法決めされ、従って、完全に組付けされたヘッドセット101が被検者頭部上に位置決めされた時に変換器アレイが
図5Bの側頭音響窓137と係合するように、被験者の耳の前方の変換器アレイ105bの調節された位置決めが可能である。
図5Aを再び参照すると、このような位置決めにより、正中線及び三角形Tの基部に関連してサブアセンブリ700の前及び後方向の調節が定められる。(サブアセンブリ700の相手側は、サブアセンブリ600に同様に構成され、第2の変換器アレイ155aを含み、かつ被検者頭部の反対側の三角形Tの正中線及び基部に関連して前及び後方向で調節されるようにヘッドフレーム101aの左側の第2のスライダトラックを通じて
図7Aのヘッドフレーム101aと協働する。この相手側のサブアセンブリは、例示の簡潔さを期すために示されていない。)
【0039】
図7Dは、斜視図で側頭アレイ105bの変換器155b、155cの圧電クリスタルを通る部分断面積を伴う実施形態700を示す図である。変換器155a、155b、155c(6つのユニットのアレイで配置と図示)は、任意的にハウジング156a内に含まれ、かつスライダ脚部153と協働する底板156bによって覆われている。ハウジングは、頭骨に変換器155a、155b、155cの音響出力をより効率的に結合する結合層として適応化された薄いオーバーレイ層157を含む。オーバーレイ層157は、ポリウレタン、ポリエチレン、シリコン、ゴム、及びかなり軟質かつ従順であり、硬度の値が変換器の硬度と頭骨の硬度の間に存在する類似の材料を含むことができる。代替的に又は追加的に、オーバーレイ層157は、当業技術で公知の接触媒体ゲルを含むことができる。
図6を再び参照すると、前方ヘッドフレーム部材101aが内面にサブアセンブリ700及びその相手側を担持するヘッドセット101が被検者頭部上に設けられた時に、サブアセンブリ700及びその相手側は、対応する変換器155a、155b、155cが頭部と接触し、かつ薄いオーバーレイ層157を通じて音響的に
図5Bの側頭音響窓137に結合されるように、全体的に頬骨弓の上部境界と整合され、かつこれの上方にある。側頭音響窓137は、頭骨の別の部分の骨と比較して薄くしている骨を有する頭骨の部分の位置によって定められる。
【0040】
図8Aは、変換器アレイ及び中心脳血管系(BAS及びウィリス環144が見える)の重畳された図から見た時に、頭骨の同側で側頭音響窓とインタフェースで接続するようになった時の側頭変換器アレイ105(側頭変換器アレイ105a、105bの)を示している。OCP下に繋留された後頭変換器アレイ106も示されている。斜めのパッド104を有するナジオン整合ライザ又はブラケット120’、OCPの下に固定された後方ヘッドフレーム部材101b、及び緊張ノブ119の作動により、選択された頭蓋マークに対するヘッドセット101の固有かつ明確に定められた解剖学的位置の安定化が容易にされる。ヘッドセット101がこのように向けられた状態で、頭部を前傾されて、右(Rt)及び左(Lt)側頭変換器アレイ105a、105bの定位的位置決めを失わずに後頭音響窓を開くことができる。
図8Bは、ターゲットにされた脳血管系の内部解剖学的組織に対してRt側頭変換器アレイ105bにより放出された非集束超音波ビーム(160a、160bとして概略的に図示)の向きを示す斜視図である。音響ビームは、側頭音響窓137(
図5Bに図示)内を伝播し、161で、MCA、ACA、ICA、及びウィリス環144を含む脳血管系の主要な組合せを通過する。1つの実施では、Rt及びLt側頭変換器アレイ105b、105aは、実質的に等しく脳の半球を照射/超音波照射するために交互に超音波を放出するように構成される。
【0041】
図9A、
図9Bは、外部頭蓋マークを使用した本発明の実施形態と選択されたターゲットにされた脳血管系間機械式整合の例の更に別の図を示している。
図9Aは、例えば、上述の整合システムを通じて、及び2つの方向161、163からターゲット中心脳血管系161に放出された側頭及び後頭非集束超音波ビーム160、162での定位的位置決めを使用して被検者頭部(図示せず)と協働するヘッドセットアセンブリ101の上面図を示している。この実施形態において、後頭変換器アレイ106は、4つの後頭変換器166を含むように示されている。
図9Bは、どのように後頭変換器アレイ106の超音波ビーム162a、162bが内部脳血管系に向けられるかを示す「シースルー」側面図である。上述したように本発明の実施形態の定位的整合システムを使用して適切に傾斜されかつ位置決めされた時に、後頭アレイ内の変換器は、脳底動脈及び脊椎骨動脈、並びに内頚動脈及びウィリス環144の連通する前篩骨/後篩骨動脈の接合部の方向に向けられる。
【0042】
本発明の実施形態の補助要素及び作動特性の例
一実施形態において、かつ
図1、
図2B、
図7A〜
図7Dを更に参照すると、例えば、変換器アセンブリ(105a、105b、106)は、ヘッドフレーム部材101aから取外し可能であるように構成される。このような実施形態において、変換器アレイは、「すぐ使用することができる」ゲル接触媒体パッドが予め装着された使い捨てのモジュールとして販売されることがある。変換器モジュールには、任意的に取付けコンセントのメスソケット(スライド154周りのヘッドフレーム部材101aの部分)に差し込まれる配線ピンが設けられ、従って、本発明の実施形態は、超音波照射処置開始前に一体型ウォッチドッグ回路を使用して機能セルフ検査を実行することができる。任意的に、装置は、セルフ検査を実行して、周期的なメタパルス放出の開始前に、この説明部で後述する位相比較器回路を使用してのような音響カプリングを検証することができる。
【0043】
本発明の実施形態は、非集束式変換器、すなわち、伝播すると分岐してより広いターゲット区域を超音波照射するビームを生成する変換器を使用することが好ましい。非集束式変換器に関して、近距離音場限界距離、ビーム広がり角、及びビーム直径は、次式:
として計算することができ、ここで、Lは近距離音場限界距離であり、Dは要素直径又は開口であり、f
cは周波数であり、cは媒体内の音速度である。
【0044】
図9Cは、ハウジング112及びカバー111を有する
図1の手持ち式可搬型遠隔制御ユニット102を示す斜視図である。図示のように、遠隔制御ユニット103は、USデバイスの作動を可能にして、任意的に、被検者頭部のこのような作動及び/又は超音波照射に関連のデータを取得及び記憶するように予めプログラムされたマイクロコントローラ115を有するプリント回路基板116を含む。例えば、遠隔制御ユニット102は、USデバイスの作動のパラメータ(例えば、出力エネルギ、変換器発射のシーケンス、又はパルス間隔のような)の少なくとも一部を調節するために任意的にデータを収集し、かつプロセッサ115にフィードバックを生成するセンサ(図示せず)を含む。遠隔制御ユニット103は、有形コンピュータ可読ストレージ媒体を含む適切な電子回路(図示せず)も含む。電子回路は、少なくとも変換器の作動を可能にして、任意的にこのような作動に関連のデータを取得するように構成される。カバー111にはバッテリパック電源113(例えば、3つの単四電池114のような)が装着される。オン/オフ/休止スイッチ107及びLEDベースのインジケータ(代替的に、ブザー又は液晶ディスプレイのような別の適切なステータスインジケータ)のような少なくとも1つのステータスインジケータ108も示されている。プリント回路基板116には、
図1のヘッドセット100に連結物103を通じて経路指定された電力及びデータバスを形成する接合部117に至るリードが供給される。電源113には、約1.5から約4VDC、最も好ましくは、約3.5±1VDCであるが、任意的に約9から12VDCの作動電圧で最大約12時間まで充電なしで約200mAmp−hr、必要であれば400mAmp−hrを供給することができるいくつかの市販のコンパクトバッテリを装備することができる。バッテリパックは、従って、0.6から15ワット時の機能を有し、かつ好ましくは250グラム未満、より好ましくは約100グラム未満、最も好ましくは約50グラム未満の重みを有する。バッテリは、一般的に、充電式バッテリ、挿入可能なバッテリ、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマーバッテリ、リチウム鉄の燐酸塩バッテリ、リチウム−硫黄電池、チタン酸リチウムバッテリ、ニッケル亜鉛バッテリ、エジソン電池、NiCdバッテリ、NiMHバッテリ、アルカリ蓄電池、9Vバッテリ、携帯電話バッテリ、又は少なくとも1つの単三又は単四電池(114、図示のように)などとすることができる。電源は、充電式で及び/又は交換可能であり、充電式である場合に、任意的に、バッテリパックを再充電する際に使用されるBenchymark(BQ2040)から販売されるような「燃料計」を有する制御回路を含むことが好ましい。携帯電話バッテリは、典型的には、約3.7Vであり、かつ約1アンペア時又は約20から40mAmp−hr/gm又はそれよりも多くの比出力を供給することができる。例えば、連続モードで2時間、その後に200mAmp−hrでの間欠モードで10時間作動される、400mAmp−hrの最大電力引出しを有する本発明の装置には、約2.8アンペア−hr機能のバッテリパックが必要になる。200mAmp−hrの最大電力引出しを有する装置は、2hrサイクルでの作動には400mAmp−hrのみが必要であり、従って、約4ボルトを供給する直列の3つの単四電池で作動することができる。新しいバッテリは必要であれば設けることができ、バッテリパックの総重量は、一例として50gm又はそれ未満である。有利な態様において、それによって緊急経頭蓋超音波向けなどに携帯式の作動の延長が可能である。
【0045】
一実施形態において、US変換器は、パルス列で任意的にグループ分けされたパルスで超音波を放出し、パルス列は、プロセッサ115を使用して時間及び/又は空間位置において変調可能である。変換器の作動のこのような調節により、USデバイスの実施形態の作動の効率を増大させながら超音波照射強度及び電源からの電力引出しが低減されると経験的に判断された。USデバイスに関連の有形(及び任意的に、コンピュータ可読)記憶装置に記憶された各変換器のクリスタルの効率又は定格要素には、超音波照射処置の作動中にマイクロコントローラ115によりアクセスすることができ、かつこの効率又は定格要素を使用して、変換器アレイの製造の変動を補償するように別のクリスタルの作動とは独立してヘッドセットの各クリスタルに印加される電圧を変えることができる。それによって超音波処理の層内ヘッドセット変動の有利な低減がもたらされる。
【0046】
周波数、パルス繰返しパターン、及びパルスメタサイクル速度は、本発明の実施形態によるUSデバイスの有効性及び安全性における要素の1つである。その結果、変換器の作動レジーム及び対応するパターン化された波形を予めプログラムされたプロセッサ115を使用して変えることができる。本発明のデバイスの作動に向けて選択された主周波数は、約0.5から約3.5MHzの範囲である。作動周波数が増大する時に、超音波照射された組織のメカニカルインデックス(MI)は減少するが超音波照射された組織の温熱指数(TI)は、逆に増加する。(MIは、組織内の非熱生体効果の可能性の指標であり、ピーク希薄化圧力力又は負の振幅での負荷軽減ピーク圧力÷超音波の周波数の平方根として定義される。
MIが増加する時に、組織内の生体効果の可能性は増加する。規制限度により、一般的に、最大1.9までのメカニカルインデックスを眼の組織以外の殆どの組織に使用することができる。低い音響出力では、音響応答は、一般的に線形である。TIは、音響出力:組織温度を1℃上げるのに必要とされる総音響出力の比率により決まる、超音波の組織吸収に伴う温度増加の計算された推定値である。一部のデバイスでは、超音波照射された組織、軟質均質組織の軟組織温熱指数TI、表面での又はそれ近くでの骨の頭蓋骨温熱指数TIC、及びビームが軟組織を通過した後の骨の骨温熱指数TIBに従って更にTIを下位分類される。より一般的には、超音波照射された組織の温度は、強度の増加及び周波数の増加と共に増加する。)約0.8又は0.9MHzから約3.0MHzの作動周波数の範囲が好ましい。約0.8MHz及び約1.2MHzでの周波数がより好ましい。作動時には、パルス幅、強度、及びパルス繰返し周波数は、約720mW/cm
2の積分I
spta.3限度を超えないなどのように選択される。(従来は、空間ピーク側頭平均強度、すなわち、I
sptaは、強度が最大値である音場における点での側頭平均強度の値を表している。I
spta.0は、例えば、次式:
として計算され、ここで、PDはパルス持続時間に存在し、P
rは組織を通過する音圧力波の片振幅の絶対値として定義されたピーク希薄化圧力である。)音響圧力及び/又は強度の制御は、所定の変換器(V
p-p)に印加された電圧を調節することによって達成される。
【0047】
本発明の実施形態によるUSデバイスの変換器の作動レジームを定める際に、遠隔制御ユニット102のプロセッサ115は、電力消費量を制限して、ヘッドセット及び変換器の外面からの導電冷却及び対流冷却のような受動的手段による放熱を可能にするために、様々なパルス(周期的なメタパルス繰返し周波数又はMCRFを有するメタパルスを含む)及び負荷サイクルの形態のUSで放出を引き起こすように任意的に予めプログラムされ、かつ着用者の冷却機能に過大な応力を掛けないように構成される。MCRFは、各変換器が所定のシーケンスで独立して及び他の変換器から隔離されて超音波を放出するように完全なパルスサイクルがヘッドセットの複数の変換器から放出される周波数である。能動冷却を不要にすることにより、装置の全体的な電力引出しが飛躍的に減少し、当業技術における進歩である。
図11Aは、例えば、主周波数f
cで、正弦波音波339によって形成された一般的なUSパルス340を示している。各パルス340は、約12個の音波を含む。2MHzの主周波数で、例えば、この種類のパルスは、約6マイクロ秒のパルス幅を有する。一例として、以下に限定されるものではないが、約167マイクロ秒のパルス間隔(PI)及び約3.6%の負荷サイクルに対応する約6kHzのパルス繰返し周波数又はPRFで本発明のUSデバイスの変換器により一連のパルス340を放出することができる。負荷サイクルは、0.1から10%、より好ましくは3から5%、最も好ましくは約3.5±0.5%の範囲とすることができる。他の実施形態において、パルス振幅変調又はパルス周波数変調を使用することができる。PI値は、アレイの変換器からの連続的なパルス又はバースト間の時間が、頭骨の対側の壁からの戻り反響を含む一般的にパルスの飛行時間と同じ短さであるように選択される。一実施形態において、パルス強度は、戻り反響が次のパルスが放出される前に一般的に消散されるようなものである。これは、約167マイクロ秒のパルス間隔に対応することができる。パルス間隔は、従って、150から300マイクロ秒、より好ましくは170から250マイクロ秒の範囲である。このようにして、パルス間隔は、反響が建設的に出射パルスと干渉して、約300kPaの許容限度よりも大きいほど局所的希薄化圧力を増大させるのを防止するように構成される。協働して、この構成により、電力消費量低減がもたらされ、かつ可搬性が必要である作動の拡張が可能である。
【0048】
図11Bは、尺度通りではないが、各々が複数のパルスを含む1対のパルス列341a、341bを示している。図に関して、100から300個のパルスを単一の変換器から発射された単一のパルス列でグループ分けすることができる。連続的に発射されるパルス列の繰り返されるサイクルは、「メタパルス」342を構成する。一実施形態において、特定の変換器対又は3つ組みの同時発射を振幅が加算的でない場合に使用することができる。本発明の実施形態により放出されるUSの全体的なパターン又は波形は、任意的に、パルス列の下位パターンで形成された空間的に配分され、かつ時間的に変調されたメタパルスの周期的なパターンを含み、かつ療法形成する。例えば、
図12Aを参照すると、今度は約、例えば、2HzのMCRFを有するメタパルス344によって定められたUSデバイスの実施形態の別の作動レジームが示されている。左端余白部に沿って、個々のトレースには、各アレイの特定の変換器の名称が説明され、例えば、「RT1」は、右側頭#1変換器であり、「OC1」は、後頭#1変換器などである。図は、ヘッドセットの1つの完全な発射シーケンス、は、すなわち、繰返し放出される1つ周期的な「メタパルス」344を表している。1つのパルス列が、単一のメタパルスのうちに16個の変換器の各々から発射される。従って、タイムラインを千鳥形時間順配列として見ることができ、最終変換器がパルス列サイクルを完結するまで、第1変換器が、第1パルス列343aを放出し、第2の変換器が第2のパルス列を放出するなどである。従って、異なる変換器アレイからどの変換器が作動されるかに従ってシーケンスを適切に定義することにより、形成されたパルス列が、「音響の突き」のようにターゲット解剖構造に当たり、各音響摂動が、メタパルスサイクルとして多少異なる方向から到着する。100個のパルスの6kHzのパルス列は、約16ミリ秒の持続時間を有し、かつストリーミングを刺激する「突き」と呼ぶことができる。(ストリーミング又はマイクロストリーミングは、フィブリンに結合するプラスミノーゲンアクチベータの増加及び凝血塊への移行を含む低強度超音波での酵素フィブリン溶解現象の増加を含む超音波照射された液体の挙動に及ぼす超音波の効果を示す当業技術に使用される用語である。音響ストリーミング及びマイクロストリーミングは、米国特許第3,961,140号明細書に説明されているように組織液及び血液流体の流れも容易にする。)周期的な繰り返されるメタパルスは、従って、各々が一連のパルスである複数の「突き」で構成された「スーパー突き」である。
図12Aは、従って、各々が固有に向けられてサイクル当たりの一度発射されるパターン化された周期的な放出、すなわち、16個のクリスタルのアレイからのパルス列放出の「メタパルス」を示している。超音波照射領域は、時間的に変調され、かつ空間的に配分されたパルス列の1つ又はそれよりも多くのパターンを含む周期的に反復するメタパルスであると呼ぶことができる。各パルス列は、複数の超音波パルスを含む。超音波照射は、従って、周期的にかつ左右両方で時間的に変調された超音波照射として特徴付けることができる。本発明を特徴付ける際には制限的なものではないが、一度に1つずつ、16ミリ秒のパルス列を発射する16個の変換器を有するヘッドセットは、約0.5秒置きに連続して循環することになる。言うまでもなく、時間的に変調され、かつ空間的に配分された音響ビームの特定のパターンを形成するための使用された変換器の作動の他の置換及び/又はシーケンスも本発明の範囲である。
【0049】
一般的に、プログラムされた超音波照射のパターン化された波形は、パルスの列を含み、各々の上述のパルスは、列当たり2から300個のパルス(特定の実施形態において、より好ましくは、列当たり約100から約300個のパルス)のパルスの列で約0.2から10マイクロ秒(特定の実施形態において、より好ましくは約1から8マイクロ秒、関連の実施形態において、最も好ましくは約6マイクロ秒)のパルス持続時間を有し、パルスの上述の列は、約0.3から約1.0MPa又はそれよりも多くの非減衰ピーク希薄化圧力P
r0として測定された振幅で、かつ0.5から3.5MHz(一部の実施形態において、より好ましくは約0.8又は0.9から約3.0MHz、最も好ましくは約1MHz、又は約1.2MHz、又は約2.0MHz)の超音波周波数で約3kHzから約10kHz(関連の実施形態において、より好ましくは約4kHzから約8kHz、最も好ましくは約6kHz)のパルス繰返し周波数を有する。パルス列はまた、複数の独立して発射する変換器から誘導され、従って、パターン化された波形の空間変調又は分布が発生する。
【0050】
本発明の装置は、周期的に繰り返すメタパルスを放出するために複数の超音波振動子を独立して駆動するように符号化された有形コンピュータ可読固定媒体(
図9Cのプロセッサ115を参照して説明した)上に記憶されたプログラム命令を有し、メタパルスは、主周波数f
c及び300kPaを超えないようにP
rAZspをもたらすように構成された振幅を有する超音波の空間的及び時間的に変調されたパルス列の波模様を含み、パルス列は、変換器当たり1から10%、より好ましくは2から6%、最も好ましくは約3から5%の負荷サイクルに対応するパルス繰返し周波数を有し、メタパルスは、停止命令が受信されるまで0.25から10Hzのメタパルスサイクル繰返し周波数を有し、従って、オペレータ制御とは独立した拡張された携帯式の作動に向けて低い消費電力がもたらされて補助冷却手段が不要である。
【0051】
好ましい実施形態において、個々の変換器は、直径が約1cm又はそれ未満とすることができ、かつ発射間の放熱を可能にするように離間している(従来の位相アレイ変換器アセンブリと異なって)。変換器のクリスタルは、対では発射されず、放出されたビームは、収束性ではないが、代替的に、変換器作動に向けてクロック、パルス発生器、論理回路を含む遠隔制御ユニットの自律制御下で、任意的に、減衰又は変換器間の変動の補償としての個々の変換器出力の振幅の制御で直列に個々に発射される。この複数のミニ変換器手法は、安全、すなわち、定常波及び加熱の危険を認識ことが証明済みであり、かつ驚くほど超音波血栓溶解療法において有効であることが見出されている。理論に縛られるわけではないが、デバイスは、複数の方向からターゲット解剖学的組織に向けられた変調されたパルス超音波パターンに応答して超音波照射によって誘放出された流体ストリーミングによりr−tPAの拡散を刺激すると考えられ、第1の変換器が、パルス列又は「音響の突き」で発射され、第2の変換器がその後に作動し、各パルス列の各パルスの間に、放出された超音波波面は、強度が次第に弱まることが許容される。一般的な用途において10から15cmの側頭−側頭又は後頭−前頭ビーム経路長を考慮すると、パルス間隔は、従って、上述の節でより詳細に説明されているように約150から300マイクロ秒である。
【0052】
実施形態の変換器の作動の予めプログラムされた領域を定義する他のパルス及びメタパルスシーケンスも本発明の範囲である。
図12Bは、例えば、2つのメタパルスが示された(繰返しダブレットパターン、左から右に)メタパルスシーケンス346を示して描写している。各メタパルスは、同時に変換器の様々な対により発射されたパルス列を含む。同時発射に向けて選択されたダブレット対は、一般的に、ビームが満足するピーク圧力の振幅において潜在的な付加性を最小にする対側の対である。研究により、ビーム強度の建設的追加が4から7cm(各半球に向けて)のターゲット深さで有用であり、いずれの深さでも安全な限度を超えないように重なり合うように対側のビームを形成することができることが公知である。この事例では、対側のダブレットパルスが同時に放出されるが、連続的なダブレット対間のパルス間隔は約150から300マイクロ秒である。対側のダブレットパルスは、2MHzでのような特により高い周波数で有用であり、その場合に、パルス減衰は、より急速である。
図12Bの例は、32個の放出されたパルス列(345aから345n)を示すが、一般的に、パルス列の数は、異なる場合がある。
図12Cは、3つのメタパルスが示されたトリプレット及びダブレットから構成されたメタパルスシーケンス348を描写している(繰返しパターン、左から右)。各ダブレット又はトリプレットは、それぞれ、2つ又は3つの変換器による同時のパルス列放出から構成される。ここでもまた、これらは、付加的効果が最小にされるが深さで最も有用であるように選択される。個々の変換器が右側頭、左側頭、後頭アレイから選択される場合に、一度に3つの変換器から発射しても、出力レベルは、ビームが重なり合う場合は安全量を超えない。
図12Cの例は、変換器により放出された全48個のパルス列を示している。
【0053】
特定の実施形態において、本発明の装置は、左右両側頭メタパルスで超音波を放出することによって作動するように構成され、各メタパルスは、例えば、a)単一の変換器のみがあらゆる所定の時間にプログラムされた順番に従って作動する複数の変換器からシーケンスで放出された一連のパルス列、b)変換器の1つの対のみがあらゆる所定の時間にプログラムされた順番に従って作動する複数の変換器から選択された変換器の対から放出された一連のパルス列、c)変換器の1つのトリプレットのみがあらゆる所定の時間にプログラムされた順番に従って作動する複数の変換器から選択された変換器のトリプレットから放出された一連のパルス列、d)連続がシングレット、ダブレット、又はトリプレットの変換器の作動のあらゆる組合せを含む連続した順番で変換器を作動させることによって形成された一連のパルス列、又はe)約5から10kHz、最も好ましくは約6kHzの準超音波周波数を有する搬送波で放出された一連のパルス列のようなパターンで放出された一連のパルス列を含む。
【0054】
臨床医の自由裁量で、例えば、好ましくは脳の特定の半球又は脳血管系の前頭骨面対後頭骨面を超音波照射することが望ましい時に個々のアレイ又は変換器を他のアレイ又は変換器よりも頻繁に作動させることができる。他の事例では、特定の変換器は、交互に前頭骨に向けられたLt側頭変換器と交互に後頭骨に向けられたRt側頭変換器を発射し、その後に、向けられた音響流及び流れを刺激する時計回り及び半時計回りの圧力勾配を作成するように、後頭骨に向けられたLt側頭変換器と交互に前頭骨に向けられたRt側頭変換器を発射することによって方向を逆にすることにより、ウィリス環において円形などに特定の方向で音響流を最適化するように他の変換器より頻繁に発射するように選択される。側頭アレイにおいて対側に位置する対応する変換器間の交互パルスのような往復動式圧力パルス、又は例えば側頭及び後頭アレイの同側性変換器からの交代する直交して向けられたパルスも興味深い。
【0055】
一度に数個の変換器のみを発射することにより、かつ1から10%の範囲、より好ましくは、約3から6%の範囲の負荷サイクルで、及び一実施形態においては約3.6%の負荷サイクルで個々の変換器を発射することにより(パルス繰返し周波数により決まるように)、補助冷却の必要性が回避される。より長い負荷サイクルによるTI及び熱的加熱効果は制限される。この手法により、より高い周波数の使用が可能であり、これは、メカニカルインデックス(MI)がより簡単に制限されるので有利である可能性がある。有効性を失わずに電力消費量低減も得られる。装置は、典型的には受動的に空冷され、ファン、冷却剤の循環などによる電力消費量が回避される。
【0056】
約4から10kHz、より好ましくは約5から8kHz、最も好ましくは約6kHzのパルス繰返し周波数で必要なパルス間隔をもたらすことができる。ユーザが、特に2から4kHzの範囲において、定義により聞こえない超音波パルスということである一種の生物学的復調により逆説的に感知しながらも心地よくない音としてパルス超音波照射を察知することが観測されるという点において、図らずも、このPRFの方が、より低い周波数より生理的に適合している。0.5から3.5MHzの1次周波数は、人の聴力の範囲をかなり超えるが、2から4kHzでパルスが与えられた時に「復調される」可能性がある。
【0057】
図13は、変調されたパルス列周波数の関数として超音波被曝の可聴感覚の閾値を定量化するものである。0.2から4kHzの範囲外の感覚を引き出すためにはより大きな振幅が必要である。約4kHzよりも大きい周波数でのパルス繰返しの方が、ユーザによって察知される可能性が低い。2kHzから3kHz範囲の周波数が、最も察知可能である。5kHz又は6kHzのPRFの選択が、殆どの個人による察知に最適であり、3から6%程度の負荷サイクルでは、TI及びI
sppa.3により測定された時に、過度の加熱又は被曝過多の大きな危険性が発生しないと経験的に判断される。10kHzよりも大きいPRFで、連続した波模様の空間的重なりは、定常波に関連付けられる可能性があるので、約4kHzから約10kHzのRPFは、被験者の安全が損なわれない快適さの狭い範囲を含むことが見出される。
【0058】
超音波照射振幅は、ピーク希薄化圧力に直接関連しており、回路は、z
spの深さで僅か300kPaを供給するように構成される。
図14Aは、30から80V
p-pの変換器電圧(V
p-p)の選択された増分に関する深さの関数としてのピーク希薄化圧力を示している。
図14Bは、臨床試験からのデータの遡及解析からここで判断されたピーク希薄化圧力(kPa)と頭蓋内溶血(ICH)変換(%)の関係を表している。局所的音響の頭蓋内圧は、最大ピーク希薄化圧力360と相関しているので、少なくとも部分的に、
図14Bに示す未処理基線(361)にわたるICHの増加の原因であると考えられる。変換器面での適用された音響圧力と頭骨内の深さでの得られる音響圧力の関係は、減衰の複雑な解析に依存する。300kPaは、超音波照射振幅の増加がICH変換の増加に関連している閾値を表し、技術的問題が以前に認められていないということを見ることができる。この解析に基づいて、ターゲット組織においてPr≦300kPa閾値を超えないなどのように作動するように構成されたデバイスの特定の実施形態を評価した。偶然にも、この構成は、電力が低いほど長い期間にわたって作動し、かつ身体の健康に良好な結果を改善することが見出され、これは、当業技術における技術的進歩である。
【0059】
減衰の役割を明らかにする第1の例では、
図15Aは、1MHzでの深さの関数としての肉厚及び薄い頭骨表現型の効果を示すピーク希薄化圧力363のプロットである。非減衰放出362の曲線も示されている。
図15Bは、側頭骨の減衰係数(A
TempBONE)対周波数の曲線当て嵌めである。減衰係数αは、dB/mm−MHzで示されている。
【0060】
図16A及び
図16Bは、側頭音響窓で着座した変換器(
図16A)及び後頭音響窓を並置する変換器(
図16B)の深さの関数としての減衰プロフィールの解析の物理モデルを示し、脂肪質の組織の層が、全体的に環椎及び大後頭孔上にある脊柱の筋肉を覆う。減衰計算結果の概要は、最初に絵文字的に示されている。描画は、側頭音響窓で着座した変換器(
図16A)及び後頭音響窓を並置する変換器(
図16B)の深さの関数としての減衰プロフィールの解析の物理モデルを表し、脂肪質の組織の層が、全体的に環椎及び大後頭孔上にある脊柱の筋肉を覆う。
【0061】
関連の数学的説明
側頭インタフェースモデル(
図16Aに対応する)の数学的な説明を展開するには、様々な組織タイプにおける音速及び減衰に関する情報が必要である。組織特異的減衰定数は、測定厚みに向けて因数分解された文献値から近似することができ、その後に、複合減衰プロフィールは、深さの関数としてで計算することができ、側頭音響窓にわたるP
rの減衰は、次式(1):
として与えられ、ここで、P
r(Z)は、減衰された(P
rAz)対センチメートル単位の深さ(z)の関数としての非減衰(P
rUz)超音波圧力の比率である。減衰パラメータは、次式(2):
及び(3)
から得られ、次式(4):
をもたらすと判断することができ、ここで、
は、ビーム経路上の深さzでの減衰されたピーク希薄化圧力であり、
は、深さzでの非減衰ピーク希薄化圧力であり、A
SKINは、外層及び組織内の音波減衰であり、A
BONEは、頭骨骨を通した音波減衰であり、A
REFLECTIONは、名目上3.02dBであり、頭骨の内面と脳の間のインタフェースでの反射損失と同等である減衰であり、A
BRAINは、脳内の音波減衰、典型的には約0.06dB/mm−MHzでの定数であり、zは、深さ、又は超音波ビーム波面が横切った距離であり、t
SKINは、外層と組織層の厚みであり、t
SKULLは、変換器に近い頭蓋骨の厚みであり、f
cは、中心周波数(MHz)である。
【0062】
各成分をここで別々に考慮する。一般文献から取った以下の減衰定数を参考のために表1に示している。
【0064】
皮膚により導入される減衰は典型的には小さいので無視することができるが、次式(5):
より与えられる。これと比較すると、骨による減衰は、有意であり、変換器ビームの経路内の骨の厚み、周波数に依存し、かつ生理的データの非線形曲線当て嵌めにより最も良好に説明されている。側頭骨(A
TempBONE)の減衰は、利用可能なデータ(
図15B)の放物線状曲線当て嵌めにより導出され、次式(6):
として数学的に説明されている。方程式(6)を使用して取得したデータの回帰当て嵌め(R
2)は、0.875であった。脳減衰は、次式(7):
より与えられる。頭骨/脳インタフェースでの反射減衰は、側頭骨と基本的な脳組織間の音響インピーダンスの相対差の関数であり、かつ本質的に定数:
である。骨質層厚が見出され、定数項の基準値があると、デシベル単位の全減衰及び反射(K
SKULL)が容易に判断される。同様の測定値及び計算は、皮膚に対して行うことができる。殆どの場合に、外層層に関連の減衰は、頭蓋骨のより大きい寄与率と比較すると無視することができるので、方程式3は、次式(8):
に更に簡素化され、ここで、P
rAzは組織減衰後の深さzでの計算された圧力であり、P
rUzは、水のタンク内で測定された時の深さzでの測定された希薄化圧力である。方程式(8)は、頭骨厚みを与えられた時に、搭載された数学機能性を有するマイクロコントローラのような計算機械により容易に解かれ、この方程式により、デバイスは、CT走査によりのような頭骨層厚の測定値に基づいて深さの関数としてのP
rAZsp(z
spでのピーク希薄化圧力)を予知することができる。
【0065】
図16Bをここで参照すると、後頭下音響窓で着座した変換器の深さの関数としての減衰プロフィールの解析の物理モデルが描かれている。
図18Bは、脊柱と大後頭孔の間の頭蓋冠に入る超音波エネルギの後頭下伝達路を示している。後頭下音響窓に対応する生理機能は、骨質層の全体的な欠如により側頭音響窓の生理機能と区別される。更に、後頭下音響窓を通るUS伝播に関連のUS減衰は、側頭音響窓に対応するUS減衰より実質的に小さい。波動力伝達の主モードは、横断方向であり、すなわち、放出された波に関連の波面は実質的に対応する変換器の放出小面に平行であるように意図される。超音波圧力波は変換器から頭蓋の最大被曝点まで伝播するので、組織減衰定数で各々4つの主要な層(
図16Bに示すように皮膚、脂肪、筋肉、及び脳組織)にわたる透過特性を評価することにより、後頭下経路に沿った減衰の全体的なモデルを近似することができる。
【0066】
減衰パラメータは、次式(9):
から解くことができる。従って、次式(10)のようになる。
ここで、
は、ビーム経路上の深さzでの減衰されたピーク希薄化圧力であり、
は、深さzでの非減衰ピーク希薄化圧力であり、A
SKINは、外層における音波減衰であり、A
FATは、骨を通る音波減衰であり、A
MUSCLEは、脂肪層を通る減衰であり、A
BRAINは、脳内の音波減衰、典型的には約0.06dB/mm−MHzでの定数であり、zは、深さ、又は超音波ビーム波面が横切った距離であり、t
SKINは、外層の厚みであり、t
FATは、脂肪層の厚みであり、t
MUSCLEは、筋層の厚みであり、f
cは、中心周波数(MHz)である。
【0067】
各成分をここで別々に考慮する。減衰定数(α)は、表1において先に要約している。皮膚減衰は、典型的には小さいが、次式(11):
により与えられ、ここで、厚みは、約1mmである。脂肪組織減衰は、次式(12):
により与えられる。経験豊かなTCD音波検査者の経験的観測に基づいて、頸部の背面上の組織全厚は、約2cmと約5cmの間で変化することになり、このうち1cmは筋肉である。従って、脂肪層は、約1cmと約4cmの間に変化する可能性がある。
【0068】
筋肉組織減衰は、次式(13):
により与えられる。公称筋肉厚みは、殆どの用途に対して10mmと取られる。脳減衰は、次式(14):
により与えられる。脂肪層内の大きい変動及び変換器選択に依存する最大圧力(z
sp)点の変動のために、実際の最大ピーク負圧点は、脳自体においてではなく脳との隣接した層内にある可能性があるという可能性がある。
【0069】
被験者の頭骨に関連の脂肪層が1cm肉厚の場合に、最大値ピーク負圧点は、確実に脳の内側にあることになる。数学的には、z
sp=3cm上にある組織の層が2.1cm厚(=0.1cm+1cm+1cm)(皮膚+脂肪+筋肉)である場合に、P
rAmaxは、脳組織の内側0.9cmにある。P
rAmaxは、組織内の最大音響振幅点である。減衰の計算は、P
rAmaxが結合組織層に位置しない限り簡単である。
【0070】
しかし、z
spが脂肪又は筋層の内側にある場合に、推定値は変化する。この場合に、皮膚、脂肪、及び筋肉にわたる全減衰を考慮して、その後に、筋肉脳組織インタフェースでのピーク負圧を推定することが必要である。これが、脳組織内の推定最大値ピーク負圧(P
rAmax)になる。
【0071】
殆どの超音波システムに関して、ピーク負圧は、約1センチメートルにつき0.5%減少すると保守的に仮定される。従って、脳組織内の最大ピーク負圧(他の減衰値に対処する前)は、(z
sp≦t
SKIN+T
FAT+T
MUSCLEに対して)次式(15):
及びz
sp>t
SKIN+t
FAT+t
MUSCLEに対して次式(16):
から推定することができる。これらの考慮事項及び計算は、本発明のヘッドセットの作動の条件を選択する際には有用である。
【0072】
付加的な構成
図17は、変換器結合が装置の作動の前又はその最中に試験及び検証される場合の装置390の自動作動の流れ図又は論理図である。段階391で、一般的に変換器上でのゲルによる頭骨へのヘッドセットの装着後に、段階392で、装置をオンにすると作動時自己診断を実行する。装置のプロセッサは、その後に、段階393で、各変換器に関して、頭部との物理結合が効率的な音波透過に十分か否かを判断する。システムがGOであり、音響カプリングが検証された場合に、段階394で、装置は、超音波照射メタパルスサイクルを開始し、段階395でオフにされるまで、又はプログラミングにおいて事前設定された持続時間にわたってこれを続ける。396で分るように、必要に応じて、このサイクルを繰り返すことができる。
【0073】
図18A及び
図18Bは、音響カプリングの検証のための位相角θの使用を描写している。
図18Bは、
図19のカプリング検証回路の位相角に対応する電圧出力を表している。この用途では、超音波パルスを使用して、変換器インタフェースと基本的な組織ターゲット間の音響カプリングを検証することができる。変換器が一般的に接触媒体ゲルで音響的に基本的な頭骨に結合されていない場合に、超音波は、介在する空気の層に反射して頭骨を通過することはできない。カプリングを検証するために、一実施形態において、電圧比較器回路を使用して変換器を作動させる電圧パルスの位相角を測定する。高い位相角は、カプリング不良を示し、すなわち、一般的に変換器とターゲット組織の間の空気の存在を示している。低い位相角は、良好なカプリングを示している。これらの回路は、自律超音波パルス処理領域を開始する前に良好な音響カプリングを保証するという問題の実用的な解決法である。マイクロコントローラが、位相角が超音波照射を開始する前に予め設定された閾値を超えないことを検証することになる。
【0074】
図18Aに示すように、インピーダンス整合システムは、ヘッドセットが頭蓋上で適切に着座して音響的に結合される時に、信号源インピーダンス及び負荷インピーダンスを適合させるように設計することができる。この用途における信号源は、パルスで放出された増幅されたクロック周波数であり、負荷は、圧電変換器である。
【0075】
容量性リアクタンスを有する超音波振動子を考慮する際には、全体的な電力負荷インピーダンスは、実数抵抗「R」及び虚数リアクタンス「−jX」の合計である。電流は、電圧に対して角度θ位相がシフトしている。全インピーダンスZ
magは、次式(17):
として計算され、ここで、Rは、オーム単位の抵抗である、ωは、ラジアン、ω=2πfとして表される周波数であり、ここで、fは、Hz単位の周波数であり、Cは、ファラッド単位で表されたキャパシタンスであり、これは、次式(18):
と書くことができ、ここで、X
Cは、容量性リアクタンス(オーム)である。
【0076】
RCネットワークを取って、実軸にインピーダンスの実数部を、虚軸に虚数部を割り当てると、インピーダンスベクトルZ
magは、
図18Aのように現れることになる。縦座標R、横座標XC、及び直角三角形の斜辺Zを関連付ける直角三角形形状のピタゴラスの関係により、インピーダンスZ
magを抵抗及び容量性リアクタンスX
Cから解くことができる。しかし、変換器の表面が音響的に外部負荷に結合されたか否かを判断するのに必要なのは、位相角θだけである。位相角(θ
OPEN)は、変換器が空気と音響的に適合してない時に大きく(すなわち、容量性リアクタンスは大きく)なり、変換器が頭骨の組織と音響的に適合している時には飛躍的に小さくなる(θ
COUPLED)。この観測結果を
図18Aに示している。カプリングが確立される時の複雑なインピーダンス(複素振幅表記、Z
1、Z
2のZ
mag∠θでの)の変化の完全な測定は、クリスタルとヘッドセットを着用する被験者の頭部の間の音響カプリングの作動レベルの検出には必要ではない。音響パルスを放出して変換器内のパルスの位相角を評価することによって位相角の迅速な検査を行うことができる。音響カプリングを評価するには、マイクロコントローラに位相角をデジタル的に知らせる回路で十分であり、オペレータの介入なしに各変換器に対して個々にこの試験を行うようにマイクロコントローラをプログラムすることができる。変換器が結合されていない場合に、オペレータは、着用者上でのヘッドセットの取付具合を再調節するか、又は例えばゲル接触媒体を追加することによって変換器と皮膚の間のあらゆる空気を排除しなければならないことになる。
【0077】
発振器402により駆動された変換器負荷403上の位相測定の回路400の実施の例を
図21に示している。ここでは、HCT2046A(フィリップス半導体、1997年データシートを参照されたい)のような実施は、エッジトリガRS−タイプフリップフロップ位相比較器(PC3)を含む位相比較器を有する集積回路で実施され、低減通過フィルタを通じて電圧比較器に供給され、かつピン10(405、V
PHASE)で復調器出力で見られる位相比較器401からの平均出力は、
図18Bに示すように一般的に0から360°θ間には線形であるSIG
IN及びCOMP
INの位相差の結果である。R
SENSEからの出力404は、0°で望ましいVPHASE=0を生成するためにオフセットすることができる。このデバイスの更なる詳細は、フィリップスのVCO ICデータシートを用いた74HC/HCT4046A位相ロックループに示されている。
【0078】
これらの考慮の実現は、比較的不慣れな技術者によるデバイスの使用に必要とされるような是正アクションに向けて又は自己使用に向けてヘッドセットアレイにおいて変換器の未結合をフラグ表示するためにデジタル的に符号化することができる線形出力電圧を有する位相検出回路である。例えば、簡単なLEDを使用して変換器の未結合を示すことができる。
【0079】
超音波照射の開始前の各変換器での音響カプリングの検出に向けて構成された装置の自律的な作動では、装置は、カプリングに調節が必要である場合に、フォールト作動することになる。
【0080】
超音波照射を開始する前に適切な機能を検証する様々なウォッチドッグ回路を使用することができる。ステータス灯、又は音、ブザー、LED、又は更に液晶ディスプレイのような他のインジケータを使用して、超音波放出を始めるデバイスの待機状態を伝えることができる。LCDは、例えば、変換器の1つが適切に頭部上に着座していないことを示すメッセージをスクロールすることができる。ステータスディスプレイは、バッテリステータスインジケータ、温度センサ、及び指標などを含むことができる。電子技術を実施する者の技能内の回路故障検出器を組み込むことができる。
【0081】
一般的に、周波数も既知であり、又は簡単に測定され、他の計算において飛行時間のようなZ
mag∠θ情報の使用が可能であり、正中線シフト条件の基本的な撮像及び全線量(変換器間のパルス受光の測定から)の定量化においてこの情報を利用することができる。
【0082】
過去の報告書では、超音波の高度の集束による部分的な成功が示されており、個々の凝血塊がTCCDで視覚化されて、その後に、約400mW/cm
2で2MHzで超音波照射されていた(Cintas et al,2002,High Rate of Recanalization of Middle Cerebral Artery Occlusion During 2−MHz Transcranial Color−Coded Doppler Continuous Monitoring Without Thrombolytic Drug,Stroke 33;626−628(Cintas他著、2002年、「血栓溶解薬なしの2MHz経頭蓋色分けドップラー常時モニタリング中の中大脳動脈閉塞の高再開率」、脳卒中33、626〜628頁))。この研究では、変換器の正確な断層撮影のための位置決め及び凝血塊の正確な部位での超音波照射の集束が必要であった。
【0083】
しかし、驚くべきことに、本出願に説明するように、時間的及び空間的に変調された未集束経頭蓋超音波の使用は、r−tPAの外因性投与がなくても有用であることが示されている。変調された超音波が、本質的にパターン内のパターン内のパターンである一連のパターン化されたパルス列で全体として複数の方向(すなわち、空間的に配分された変調)から脳血管系に向けられ、パルスのパルス列は、個々の非集束式変換器から放出され、複数のアレイの複数の変換器がパターン化された連続した順序で(すなわち、パルスの空間的及び時間的にパターン化されたパルス列であるメタパルスとして)発射される。凝血塊の存在又は位置に関する特定情報がなくても超音波をこのように供給することができ、かつ必要に応じて診断なしに予防的に実行することができる。
【0084】
図20A及び
図20Bは、内因性一酸化窒素の放出を伴う脈管血管拡張のモデルを示す図であり、血液剪断(
図20A)が超音波に対して代わられる(
図20B)。このモデルでは、本発明の超音波デバイスが片頭痛、頭痛、頭蓋内圧亢進、脳水腫などを含め様々な病状の非侵襲性の治療に対して独立型装置として確実な効果を有することを予想し、かつ様々な腸管外及び口腔薬物製剤の送出を改善するように脳への血液流れを増大させることができる。
【0085】
デバイスのヘッドセットの構造化部材は、全体的にプラスチックから作られることが好ましく、電子機器の要素は、ヘッドセットが遠隔制御で作動されるようにヘッドセットから隔離され、従って、CT/MRI走査に向けてCT又はMRI機器へのヘッドセットの挿入が可能である。
【0086】
産業上の利用可能性及び実際使用の例
1つの実施では、15人の健康的なボランティアに本発明の装置を取り付けた。デバイスのEEPROMメモリ内に埋め込まれる自律的な命令に従って変調された超音波照射を作動させて、脈管及び神経状態をモニタしながら続行した。超音波波模様の特定のパラメータは、一般的に、先に開示した通りであった。悪影響なく超音波照射を2時間続行した。悪影響は、試験のいずれにおいても報告されなかった。
【0087】
本発明の実施形態により、USデバイスのヘッドセット101(例えば、
図1を参照されたい)は、臨床医が、付随又は先行する撮像による調査なしに、すなわち、単に基準平面及び主要動脈の位置を定める頭蓋測定点に従って頭骨上へヘッドセットを取り付けることにより、極めて重要な血管系をターゲットにすることを可能にするように構成される。従って、脳血管系のターゲティングのどのレベルが本発明の実施形態で達成することができるかを判断するために実験による研究を着手した。このような研究では、経頭蓋ドップラーモニタリングを可能にするように本発明のヘッドセットの変換器アレイを調節し、ターゲット血管系からのドップラー信号の検出により超音波照射の「ターゲット上の」狙いを採点した。1つの研究では、事例報告書の考慮により、患者らの86%は、MCA及び関連の脳血管系において検出可能なドップラー波形を有していたことが見出される。平均4.1個の変換器が、複数の変換器がターゲット上にあることを示す戻り信号を受信していた。別の研究では、MCAで位置が識別されたドップラーが、全ての被験者の100%において検出され、12個の一時的に配置した変換器のうちの平均5.8個が、ターゲットにされたMCA領域からドップラー戻り信号を受信し、後頭下アレイ内の4個の変換器のうち2.7個が、ターゲットにされた脳底動脈からドップラー戻り信号を受信していた。研究結果を結びつけると、被験者の91%が、ヘッドセット変換器アレイが問題の脳血管系組合せを正しく目標としていたという証拠を示している。重要な脈管ターゲット上への超音波変換器の迅速かつ自力による「受動的」定位的ターゲティングをもたらすヘッドセットの機能が、この成功における要素である。
【0088】
虚血発作後に、数日又は数週間にわたって超音波(r−tPAなし)での定期的な追跡治療により90日間の結果の改善が得られたが、実際には、非侵襲的に血栓溶解の内因性媒介物質を作動させる機能のために、必要な場合に、ヘッドセットを単独で予防的に使用することができる。
【0089】
本発明の超音波脳梗塞治療装置は、超音波波模様の反復サイクルで患部組織を照射することによって脳梗塞の原因である血栓を溶解することが示された装置である。装置は、虚血性脳卒中における超音波の非外科用途に、かつ表面的な修正で他の脈管構造体の梗塞性又は塞栓性の病状に有用である。一実施形態において、装置は、本質的に経頭蓋超音波を供給する予めプログラムされた自動装置として介入なしのものであり、任意的にデータを収集し、かつ相応に作動パラメータを調節するセンサと共に自立して機能する。第1のセンサモードでは、経頭蓋超音波装置は、超音波放出作動前に音響カプリングを検証する位相検出回路を伴って構成される。別のモードでは、経頭蓋超音波装置は、変換器電圧レスポンスに関するデータを使用してV
BANGを調節するように構成される。多重化された駆動信号又は複数の信号を使用して、オンザフライで各個々の変換器に電圧を変えてながら超音波がアレイの複数の変換器により放出され、従って、変換器製造における変動のために不規則になり兼ねない超音波照射の再現性及び一貫性が改善する。
【0090】
引用の文献(特許文書及び非特許文献を含む)の各々は、全体が引用により本明細書に組み込まれている。
【0091】
本発明の実施形態は、メモリに記憶された命令によって制御されたプロセッサを含むと説明した。メモリは、制御ソフトウエア又は他の命令及びデータを記憶するのに適切なランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、又はあらゆる他のメモリ又はその組合せとすることができる。当業者は、本発明の機能を定義する命令又はプログラムを有線又は無線コンピュータネットワークを含め通信媒体を通じて書込不能ストレージ媒体(例えば、ROMのようなコンピュータ内の読取専用メモリデバイス、又はCD−ROM又はDVDディスクのようなコンピュータI/Oアタッチメントにより可読なデバイス)上に恒久的に記憶された情報、書込可能ストレージ媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、脱着自在フラッシュメモリ、及びハードドライブ)上に変更可能に記憶された情報、又はコンピュータに伝えられる情報を含むがこれらに限定されない多くの形態でプロセッサに供給することができることを容易に認識するはずである。更に、本発明は、ソフトウエアに実施することができるが、本発明を実行するのに必要な機能は、任意的に又は追加的に、組合せ論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のハードウエア、又はハードウエア、ソフトウエア、及び/又はファームウエア構成要素の何らかの組合せのようなファームウエア及び/又はハードウエア構成要素を使用して一部又は全部に関わらず具現化することができる。
【0092】
本発明を上述の実施形態の例を通じて説明したが、本明細書に開示する本発明の概念から逸脱することなく例示した実施形態の修正及び変形を行うことができることは、当業者により理解されるであろう。例えば、実施形態のプロセッサは、被検者頭部へのヘッドセットの所定の変換器の音響カプリングの程度が満足であるか否かを判断し、かつカプリングの質が改善されなければならない場合は臨床医又は他のユーザに注意を喚起するように任意的に予めプログラムすることができる。ヘッドセットを位置決めする頭蓋マークは、以下に限定されるものではないが、ナジオン、Lt上耳底点(Lt OBS)、Rt上耳底点(Rt OBS)、耳点、下顎顆状突起、頬骨弓、歯槽点、又は後頭隆起から選択することができる。少なくとも3つが、三角形及び/又は基準平面を定めるように選択される。訓練を受けていないオペレータによる便利な現場の使用の問題として、ナジオン/Lt OBS/Rt OBSの3つ組が良好に適切であると証明されている。ヘッドセット上の装着アセンブリは、例えば、第1の応答に対して直ちには利用可能でない経頭蓋ドップラーのような画像診断法を必要とする更に別の調節なしにデバイスを使用することができるように、頭部の目印に係合して上述の頭蓋の大脳動脈への側頭及び後頭音響窓に対して定位的に変換器アレイの向きを決める面を用いて構成される。更に、一部の実施形態は、遠隔制御ユニットを参照して説明したが、関連の実施形態において、コントロールユニット構成要素(例えば、マイクロプロセッサ、電子回路、及び/又はストレージ媒体のような)の少なくとも一部は、
図1のヘッドセットアセンブリ101のようなヘッドセットアセンブリに任意的に組み込むか、内蔵するか、又は取り付けることができることが認められる。特に、機械的に協働し、かつコントロールユニット構成要素と接触しているヘッドフレーム部材101a、101bのうちの少なくとも一方を使用することは本発明の範囲である。
【0093】
本発明の一部の態様を流れ図を参照して説明したが、当業者は、流れ図の各ブロックの全部又は一部又はブロックの組合せの機能、作動、判断などを組み合わせるか、別々の作動に分離するか、又は他の順序で実行することができることを容易に認識するはずである。更に、実施形態を様々な例示的なデータ構造に関連して説明したが、当業者は、システムを様々なデータ構造を使用して実施することができることを認識するであろう。更に、開示した方法及び構造は、適切な代替材料と共に使用することができる。更に、開示した態様又はこれらの態様の各部分は、上記に説明していない方法で組み合わせることができる。従って、本発明は、開示した実施形態に限定されると考えるべきでない。