(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5748874
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】打楽器練習器及び打楽器練習器の使用方法
(51)【国際特許分類】
A63B 23/16 20060101AFI20150625BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
A63B23/16
A61H1/02 K
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-37536(P2014-37536)
(22)【出願日】2014年2月27日
【審査請求日】2014年9月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514051486
【氏名又は名称】大垣内 英伸
(74)【代理人】
【識別番号】100169133
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大垣内 英伸
【審査官】
岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3131859(JP,U)
【文献】
特開平08−033744(JP,A)
【文献】
実開昭50−113568(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3092615(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3143033(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/16
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材と、
該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材と、
該中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な 複数の環状部材とを有し、
該移動可能な環状部材はサイズの異なる複数の環状部材より構成され、
該サイズの異なる複数の環状部材のうちの一は他の環状部材より相対的にサイズが大きく、
該サイズが他の環状部材より大きな部材を 手指に把持して動かすことにより該サイズが他の環状部材より大きな部材以外の円柱状の部材を含む全ての部材が往復運動することにより手指の強化鍛錬及びリズム強化を行うことを特徴とする、
打楽器練習器。
【請求項2】
該円柱状の部材に用いる材料は、木材又はプラスチックであることを特徴とする、
請求項1記載の打楽器練習器。
【請求項3】
該円柱状の部材は、直径5mm以上2cm以内であることを特徴とする、
請求項2記載の打楽器練習器。
【請求項4】
該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材に用いる材料は、木材又はプラスチックであることを特徴とする、
請求項2又は3記載の打楽器練習器。
【請求項5】
該円柱状の部材に用いる材料は、金属又はプラスチックであることを特徴とする、
請求項1記載の打楽器練習器。
【請求項6】
該円柱状の部材は、直径1mm以上5mm以内であることを特徴とする、
請求項5記載の打楽器練習器。
【請求項7】
該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材に用いる材料は、木材又はプラスチックであることを特徴とする、
請求項5又は6記載の打楽器練習器。
【請求項8】
該打楽器練習器の移動可能な環状部材に用いる材料は、木材、金属、プラスチック、皮革、布帛、ゴム類、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする、
請求項1乃至7記載の打楽器練習器。
【請求項9】
該打楽器練習器の移動可能な環状部材のうち他の環状部材より相対的にサイズが大きい環状部材 は、その表面の一部又は全部に滑り止め部材を有する部材を含むことを特徴とする、
請求項8記載の打楽器練習器。
【請求項10】
該打楽器練習器の移動可能な環状部材は、皮製の部材を含むことを特徴とする、
請求項8記載の打楽器練習器。
【請求項11】
該打楽器練習器の移動可能な環状部材は、その環状側面に切り込み部分を有し、略王冠状の形状を有する部材を含むことを特徴とする、
請求項8記載の打楽器練習器。
【請求項12】
該打楽器練習器は、さらに紐状或いは帯状の部材を有することを特徴とする、
請求項1乃至11のうちの一請求項に記載の打楽器練習器。
【請求項13】
該紐状或いは帯状の部材は、一端を手首或いはその付近に固定し、手指の強化鍛錬を行う際の補助に用いることを特徴とする、
請求項12記載の打楽器練習器。
【請求項14】
中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材と、
該中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な 複数の環状部材とを有し、
該移動可能な環状部材はサイズの異なる複数の環状部材より構成され、
該サイズの異なる複数の環状部材のうちの一は他の環状部材より相対的にサイズが大きく、
該サイズが他の環状部材より大きな部材を 手指に把持して動かすことにより該サイズが他の環状部材より大きな部材以外の円柱状の部材を含む全ての部材が往復運動することにより手指の強化鍛錬及びリズム強化を行うことを特徴とする、
請求項1乃至13記載の打楽器練習器の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手指の強化鍛錬、特に打楽器演奏の上達等に有効な強化鍛錬器具及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
打楽器は、殆どの音楽に於いてリズムを担当し、重要なパートとなっている。打楽器は一部手指など身体の一部を用いて演奏するものもあるが、多くはスティック、撥、マレットなどの棒状の器具を用いて演奏するものである。ここで、本明細書中ではこれらの打楽器演奏用の器具をスティックと総称する。
【0003】
スティックを用いて的確な演奏を行うためには、特有の動作に習熟すると共に、スティックを用いた動作に必要な筋肉を鍛錬する必要がある。
【0004】
また、打楽器の練習動作は手指の機能回復、リハビリテーションに最適であるが、これに適しさらに回復訓練を快適に行えることも求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−236060号公報
【特許文献2】特開2004−318032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は打楽器演奏に必要なスティック操作に習熟し、スティックを用いた動作に必要な筋肉を鍛錬するために最適である。さらに実際の打楽器を演奏した際に発生する大きな音や振動がないので場所や時間を気にせずに練習を楽しく快適に行えて、継続的な練習が可能となり、打楽器演奏技術の向上に有効な手指の強化鍛錬を実現することを課題とする。
【0007】
また発明は、手指の機能回復、リハビリテーションに最適であって、回復訓練を快適に行えるハビリテーション器具を実現することを課題とする。
【0008】
しかし、従前は特許文献1のような補助具付きのスティックや特許文献2に示される演奏補助具のように演奏動作を補助するものはあったが、打楽器演奏技術の向上に有効な手指の強化鍛錬器具は存在しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために本発明は、中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材と、 該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材と、該中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な
複数の環状部材とを有し、
該移動可能な環状部材はサイズの異なる複数の環状部材より構成され、該サイズの異なる複数の環状部材のうちの一は他の環状部材より相対的にサイズが大きく、該サイズが他の環状部材より大きな部材を 手指に把持して動かすことにより
該サイズが他の環状部材より大きな部材以外の円柱状の部材を含む全ての部材が往復運動することにより手指の強化鍛錬及びリズム強化を行うことを特徴とする、
打楽器練習器である。また、この器具を動かすことにより、ある程度の音が発生し、これを以てリズム演奏の練習が出来る。
【0010】
また本発明は、該円柱状の部材は、直径1mm以上5mm以内の金属又はプラスチック、或いは、直径5mm以上2cm以内の木材又はプラスチックであることを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0011】
また本発明は、該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材に用いる材料は、木材又はプラスチックであることを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0012】
また本発明は、該
打楽器練習器の移動可能な環状部材は、木材、金属、プラスチック、皮革、布帛、ゴム類、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする、手指の強化鍛錬器具である。
【0013】
また本発明は、該
打楽器練習器の移動可能な環状部材のうち他の環状部材より相対的にサイズが大きい環状部材 は、その表面の一部又は全部に滑り止め部材を有する部材を含むことを特徴とする、手指の強化鍛錬器具である。
【0014】
また本発明は、該手指の強化鍛錬器具の移動可能な環状部材は、皮製の部材を含むことを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0015】
また本発明は、該手指の強化鍛錬器具の移動可能な環状部材はその
環状側面に切り込み部分を有
し、略王冠状の形状を有する部材を含むことを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0016】
また本発明は、該手指の強化鍛錬器具の移動可能な環状部材は、複数の部材で構成され、該複数の部材のうちの一つはその表面の一部又は全部に滑り止め部材を有し、該その表面の一部又は全部に滑り止め部材を有する部材は他の部材よりも相対的に大きいことを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0017】
また本発明は、さらに紐状或いは帯状の部材を有し、該紐状或いは帯状の部材は、一端を手首或いはその付近に固定し、手指に把持して動かすことを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0018】
また本発明は、該紐状或いは帯状の部材は、一端を手首或いはその付近に固定し、手指に把持して動かすことにより手指の強化鍛錬を行う際の補助に用いることを特徴とする、
打楽器練習器である。
【0019】
また本発明は、前記の
打楽器練習器を
鍵盤打楽器を含む打楽器練習に用い、或いは、リハビリテーションなどの手指の機能回復訓練に用いられることを特徴とする手指の強化鍛錬器具の使用方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る手指の強化鍛錬器具は、打楽器演奏に必要なスティック等の操作に習熟し、スティック等を用いた動作に必要な筋肉を鍛錬するために最適であり、さらに練習を楽しく快適に行えて継続的な練習が可能となって、打楽器演奏技術の向上に有効な打楽器練習器具を実現することが出来る。また、手指の機能回復、リハビリテーションに最適であって、回復訓練を快適に行えるハビリテーション器具を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明に係る
打楽器練習器の外観を示す図面代用写真である。
【
図2】
図2は本発明に係る他の形態の
打楽器練習器の外観を示す図面代用写真である。
【
図3】
図3は本発明に係る他の形態の
打楽器練習器で、帯状の部材を備えたものの外観を示す図面代用写真である。
【
図4】
図4は本発明に係る
打楽器練習器の、螺子加工部に嵌合する複数のナット状部材の固定部分の外観を示す図面代用写真である。
【
図5】
図5は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用する形態(左手のトラディショナルグリップ)を示す図面代用写真である。
【
図6】
図6は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用する他の形態(スティックを持つ奏法)を示す図面代用写真である。
【
図7】
図7は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用する他の形態(スティックを持つ奏法の別の形態)を示す図面代用写真である。
【
図8】
図8は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用するさらに他の形態(マレットを1本持つ奏法)を示す図面代用写真である。
【
図9】
図9は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用するさらに他の形態(マレットを1本持つ奏法の別の形態)を示す図面代用写真である。
【
図10】
図10は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用するさらに他の形態(マレットを2本持つ奏法)を示す図面代用写真である。
【
図11】
図11は本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用するさらに他の形態(マレットを2本持つ奏法の別の形態)を示す図面代用写真である。
【
図12】
図12は本発明に係る
打楽器練習器の、移動可能な環状部材に皮製の部材を含むものの外観を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、打楽器演奏に必要なスティック操作に習熟し、スティックを用いた動作に必要な筋肉を鍛錬するために最適であり、さらに練習を楽しく快適に行えて継続的な練習が可能となって、打楽器演奏技術の向上に有効な打楽器練習器具を実現するために、中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材と、 該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材と、該中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な
複数の環状部材とを有し、
該移動可能な環状部材はサイズの異なる複数の環状部材より構成され、該サイズの異なる複数の環状部材のうちの一は他の環状部材より相対的にサイズが大きく、該サイズが他の環状部材より大きな部材を 手指に把持して動かすことにより
該サイズが他の環状部材より大きな部材以外の円柱状の部材を含む全ての部材が往復運動することにより手指の強化鍛錬及びリズム強化を実現することが出来る。
また、この器具を動かすことにより、ある程度の音が発生し、これを以てリズム演奏の強化を実現することが出来る。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明に係る
打楽器練習器を、図面代用写真を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る
打楽器練習器。の外観を示す図面代用写真である。本発明に係る手指の強化鍛錬器具は、中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材と、 該螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材と、該中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な
複数の環状部材とを有し、
該移動可能な環状部材はサイズの異なる複数の環状部材より構成され、該サイズの異なる複数の環状部材のうちの一は他の環状部材より相対的にサイズが大きく、該サイズが他の環状部材より大きな部材を 手指に把持して動かすことにより
該サイズが他の環状部材より大きな部材以外の円柱状の部材を含む全ての部材が往復運動することにより手指の強化鍛錬及びリズム強化を行うことを特徴とする、
打楽器練習器である。また、この器具を動かすことにより、ある程度の音が発生し、これを以てリズム演奏の練習が出来る。
【0024】
本実施例においては、円柱状の部材1として木材を用いている。これは、比較的太めの軸を持つ手指の強化鍛錬器具の形態である。ここで、円柱状の部材1としては木材以外のプラスチック、金属などを適宜使用出来るが、本実施例のような太めの軸の形態の場合は重量の問題から木材又はプラスチックを用いることが望ましい。また、本実施例のような太めの軸の形態の場合は円柱状の部材は、直径5mm以上2cm以内であることが操作性の点から望ましい。
【0025】
円柱状の部材1は、両側概ね各3分の1程度の部分に螺子切りがなされ、中央付近は平滑に保たれている。なお、この螺子部と平滑部の分布は前記の配分に固定されるものではなく、用途や素材、大きさなどにより適宜決定すれば良い。また、中央付近の平滑部は、軸全体に螺子切りした後、テープ等により平滑部を構成する方法で作成しても問題ない。
【0026】
螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材2は、夫々複数のナットを締め付けることによって、両側のナット状部材間を移動可能な環状部材3の移動範囲を規定し、またこれらの脱落を防止するものである。
図4は本発明に係る手指の強化鍛錬器具の、螺子加工部に嵌合する複数のナット状部材の固定部分の外観を示す図面代用写真である。このようにネットを互いに締め付けることにより端部に固定部分を作る。これらのナット状部材2として、本実施例では木材を用いたが、木材以外のプラスチック、金属などを適宜使用出来る。ただし、複数のナット状部材2は、円柱状の部材1と同じ素材であることが望ましい。
【0027】
図5は、本発明に係る
打楽器練習器を把持して使用する形態を示す図面代用写真である。このように本発明に係る器具を手指に把持して手指の強化鍛錬を行う。ここで、使用者の手指の大きさに合わせて螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材2により規定される両側のナット状部材間を移動可能な環状部材3の移動範囲を調整することにより、
打楽器練習の効果を向上させることが出来る。
【0028】
図5、
図6及び
図7は、本発明に係る
打楽器練習器。を把持して打楽器練習に使用する形態を示す図面代用写真である。このように本発明に係る器具を手指に把持して手指の強化鍛錬を行う。ここで、かかる使用方法はスティックを持つ奏法の練習に有効な把持形態を示しており、かかる使用方法により
打楽器練習の効果を向上させることが出来る。
【0029】
中央の平滑部に該ナット状部材に挟持され両側のナット状部材間を移動可能な環状部材は、木材、金属、プラスチック、皮革、布帛、ゴム類、或いはこれらの複合材料を用いることが望ましい。また、複数であることが望ましく、さらにその大きさは異なっていてよい。ここで、複数の移動可能な環状部材のうち1個は他の部材に較べて比較的大きいものをもちいるのがよい。前記の比較的大きな部材は、
打楽器練習器の操作時に把持する中心となる。
【0030】
打楽器練習器の移動可能な環状部材は、その表面の一部又は全部に滑り止め部材4を有することが望ましい。これは、特に操作時に把持する中心となる他の部材に較べて比較的大きい部材に備えられることが望ましい。また、移動可能な環状部材は、その表面の一部又は全部に滑り止め部材を有することが望ましい。
【0031】
さらに、
打楽器練習器の移動可能な環状部材は、皮製の部材を含むことも有効であり、その
環状側面に切り込み部分を有
し、略王冠状の形状を有する部材を含むことも有効である。これらの例は
図1、
図2、図6、図7或いは図12に示されている。なお、
図12の下部に示された部材のうちの中央のものが皮製部材である。
【0032】
また、
打楽器練習器の移動可能な環状部材は、複数の部材で構成され、該複数の部材のうちの一つはその表面の一部又は全部に滑り止め部材を有し、該その表面の一部又は全部に滑り止め部材を有する部材は他の部材よりも相対的に大きいことが望ましい。
【0033】
また、本発明に係る
打楽器練習器は、さらに紐状或いは帯状の部材5を有することも有効である。かかる紐状或いは帯状の部材5によって器具の一部と使用者の手首など下腕部の一部に連携することにより、操作時に器具を取り落とすなどの操作上の困難を排除することが出来、
打楽器練習の効果を向上させることが出来る。
【0034】
本実施例においては、紐状或いは帯状の部材5として全面面ファスナーの帯状部材を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な素材を活用出来、また繋止方法も適宜選択出来る。
【実施例2】
【0035】
図2は本発明に係る他の形態の
打楽器練習器の外観を示す図面代用写真である。本実施例においては、円柱状の部材1として金属を用いている。これは、比較的細めの軸を持つ手指の強化鍛錬器具の形態である。ここで、円柱状の部材1としては金属以外のプラスチック、木材などを適宜使用出来るが、本実施例のような細めの軸の形態の場合は強度の問題から金属又はプラスチックを用いることが望ましい。また、本実施例のような細めの軸の形態の場合は円柱状の部材は、直径1mm以上5mm以内であることが操作性の点から望ましい。
【0036】
図3は本発明に係る他の形態の
打楽器練習器で、帯状の部材を備えたものの外観を示す図面代用写真である。かかる形態においても、紐状或いは帯状の部材5は操作上の困難を排除することが出来、
打楽器練習の効果を向上させることが出来る。
【0037】
部材の選択については前記の通りであるが、本実施例においては軸材料として金属を用いているため、移動部材の一部には金属ナットを、把持部材としてはプラスチックを用いている。これらの材料も、適宜変更しても差し支えない。
【0038】
これら本発明に係る他の形態の
打楽器練習器を用いることで、打楽器演奏に必要なスティック操作に習熟し、スティックを用いた動作に必要な筋肉を鍛錬するために最適であり、さらに練習を楽しく快適に行えて継続的な練習が可能となって、打楽器演奏技術の向上に有効な打楽器練習器具を実現することが出来る。本発明に係る器具は、効果的に必要な筋肉を鍛えるのみならず、移動部材がストロークに応じて音を発するため、リズミカルに楽しく練習を行うことが出来、練習効果を増大することが出来る。
【0039】
図8、
図9、
図10及び
図11は、本発明に係る
打楽器練習器を把持して打楽器練習に使用する形態を示す図面代用写真である。このように本発明に係る器具を手指に把持して手指の強化鍛錬を行う。ここで、かかる使用方法はマレットを持つ奏法の練習に有効な把持形態を示しており、
図8と
図9はマレットを1本持つ奏法、
図10と
図11はマレットを2本持つ奏法の練習方法を示している。かかる使用方法により
打楽器練習の効果を向上させることが出来る。
【0040】
また、同様に本発明に係る
打楽器練習器は手指の機能回復、リハビリテーションに最適であって、回復訓練を快適に行えるハビリテーション器具を実現することが出来、効果的に必要な筋肉を鍛えるのみならず、移動部材がストロークに応じて音を発するため、リズミカルに楽しくリハビリを行うことが出来、機能回復効果を増大することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上述べて来たように、本発明は打楽器演奏に必要なスティック操作に習熟し、スティックを用いた動作に必要な筋肉を鍛錬するために最適であり、さらに練習を楽しく快適に行えて継続的な練習が可能となって、打楽器演奏技術の向上に有効な打楽器練習器具を実現し、産業上の利用可能性は非常に大きいといえる。
【符号の説明】
【0042】
1 中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材
2 螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材
3 両側のナット状部材間を移動可能な環状部材
4 滑り止め部材
5 紐状或いは帯状の部材
【要約】 (修正有)
【課題】打楽器演奏のための手指の鍛錬、手指の機能回復訓練などを手軽に楽しく実現することが可能な手指の強化鍛錬器具を提供する。
【解決手段】手指の強化鍛錬器具は、中央に平滑部、両端に近い部位に螺子加工部を有する円柱状の部材1と、螺子加工部に嵌合する夫々複数のナット状部材2と、中央の平滑部にナット状部材2に挟持され両側のナット状部材2間を移動可能な環状部材3を含んで構成される。また、環状部材3の移動に伴い音が発生するように構成されている。
【選択図】
図1