特許第5748877号(P5748877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000002
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000003
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000004
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000005
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000006
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000007
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000008
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000009
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000010
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000011
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000012
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000013
  • 特許5748877-抵抗変化型メモリ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5748877
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】抵抗変化型メモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 13/00 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   G11C13/00 480F
   G11C13/00 480K
   G11C13/00 480B
   G11C13/00 270J
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-45328(P2014-45328)
(22)【出願日】2014年3月7日
【審査請求日】2014年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】水藤 克年
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−131271(JP,A)
【文献】 特開2012−074118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆性かつ不揮発性の可変抵抗素子によりデータを記憶する抵抗変化型メモリであって、
一対のビット線間に、一対のトランジスタと一対の可変抵抗素子が直列に接続され、一対の可変抵抗素子間に共通ソース線が接続され、一対の可変抵抗素子の極性が同一方向であり、一対のトランジスタのゲートが共通のワード線に接続されるメモリアレイを備え、
前記一対のビット線のうちの一方のビット線に第1の電圧を印加し、共通ソース線および他方のビット線に第1の電圧よりも小さい第2の電圧を印加し、ワード線に一対のトランジスタがオンする電圧を印加することにより、前記一方のビット線と共通ソース線との間の一方の可変抵抗素子を高抵抗状態にセットし、かつ、前記一方のビット線および共通ソース線に前記第1の電圧を印加し、前記他方のビット線に前記第2の電圧を印加することにより、前記他方のビット線と共通ソース線との間の他方の可変抵抗素子を高抵抗状態にセットすることにより可変抵抗素子のフォーミングを行い、
一対のトランジスタおよび一対の可変抵抗素子は1つのデータを記憶するセルユニットを構成し、前記セルユニットの一対の可変抵抗素子は相補的な状態を有し、
可変抵抗素子は印加される電圧の極性によって高抵抗状態にセットまたは低抵抗状態にリセットされ、前記共通ソース線および一対のビット線に印加する第3の電圧を反転させることにより前記セルユニットに相補的な状態を記憶させ、
前記第1の電圧は、可変抵抗素子をセットまたはリセットさせるときの前記第3の電圧よりも大きい、抵抗変化型メモリ。
【請求項2】
抵抗変化型メモリはさらに、アドレス情報に基づき行を選択する行選択手段と、アドレス情報に基づき列を選択する列選択手段と、データの書き込みを行う書込み手段とを備え、
前記書込み手段は、前記行選択手段および前記列選択手段により選択されたセルユニットのビット線および共通ソース線に書き込むべきデータに応じた電圧を印加する、請求項に記載の抵抗変化型メモリ。
【請求項3】
抵抗変化型メモリはさらに、アドレス情報に基づき行を選択する行選択手段と、アドレス情報に基づき列を選択する列選択手段と、データの読み出しを行う読み出し手段を含み、
前記読み出し手段は、前記行選択手段および前記列選択手段により選択されたセルユニットのビット線および共通ソース線に所定の電圧を印加する、請求項1または2に記載の抵抗変化型メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変抵抗素子を利用した抵抗変化型メモリに関し、特に抵抗変化型メモリのアレイ構造と書込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリに代わる不揮発性メモリとして、可変抵抗素子を利用した抵抗変化型メモリが注目されている。抵抗変化型メモリは、金属酸化物などの膜にパルス電圧を印加し、膜の抵抗を可逆的かつ不揮発的に設定することでデータを記憶するメモリとして知られている。抵抗変化型メモリは、電圧でデータを書き換えることができるため(電流が微量で)消費電力が小さく、また、1トランジスタ+1抵抗からなる比較的単純な構造のためセル面積が約6F2(Fは配線の径で、数十nm程)と小さく、高密度化が可能であり、さらに、読み出し時間が10ナノ秒程度とDRAM並に高速であるという利点がある(特許文献1、2等)。
【0003】
図1は、従来の抵抗変化型メモリのメモリアレイの典型的な構成を示す回路図である。1つのメモリセルユニットは、可変抵抗素子とこれに直列に接続されたアクセス用のトランジスタとから構成される。m×n(m、nは、1以上の整数)個のセルユニットが二次元アレイ状に形成され、トランジスタのゲートがワード線に接続され、ドレイン領域が可変抵抗素子の一方の電極に接続され、ソース領域がソース線に接続される。可変抵抗素子の他方の電極がビット線に接続される。
【0004】
可変抵抗素子は、酸化ハフニウム(HfOx)等の金属酸化物の薄膜から構成され、印加されるパルス電圧の大きさおよび極性によって抵抗値を低抵抗状態または高抵抗状態に可逆的にかつ不揮発性に設定することができる。可変抵抗素子を高抵抗状態に設定(または書込み)することをセット(SET)、低抵抗状態に設定(書込み)することをリセット(RESET)という。
【0005】
セルユニットは、ワード線、ビット線およびソース線によってビット単位で選択することができる。例えば、セルユニットM11に書込みを行う場合には、ワード線WL1によってトランジスタがオンされ、ビット線BL1、ソース線SL1には、セットまたはリセットに応じた電圧が印加される。これにより、可変抵抗素子がセットまたはリセットされる。セルユニットM11の読み出しを行う場合には、ワード線WL1によってトランジスタがオンされ、ビット線BL1、ソース線SL1には読み出しのための電圧が印加される。ビット線BL1には、可変抵抗素子のセットまたはリセットに応じた電圧または電流が表れ、これがセンス回路によって検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−64286号公報
【特許文献2】特開2008−41704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
抵抗変化型メモリのアクセス速度を向上させるため、一対の可変抵抗素子に相補的なデータを保持させるアレイ構造がある。図2は、そのような相補的なデータを記憶するセルユニット構造を有するメモリアレイの一部を示し、図3は、図2の1つのセルユニットを示している。
【0008】
図2図3に示すように、1つのセルユニットCUは、一対のビット線BL、BLb(ビット線バー)との間に直列に接続された一対のアクセス用のトランジスタT1、T2と一対の可変抵抗素子R1、R2とを含む、いわゆる2トランジスタ+2抵抗から構成される。可変抵抗素子R1、R2の接続ノードNに共通ソース線BSLが接続され、トランジスタT1と可変抵抗素子R1がビット線BLと共通ソース線BSL間に直列に接続され、トランジスタT2と可変抵抗素子R2が共通ソース線BSLとビット線BLb間に直列に接続される。また、トランジスタT1、T2のゲートがワード線WLに共通に接続される。
【0009】
コンプリメンタリのセルユニットCUは、いずれか一方の可変抵抗素子がセットされるとき、他方の可変抵抗素子がリセットされる。このため、一対のビット線BL、BLb間には差信号が表れ、この差信号を利用して読み書きが行われる。それ故、シングルビット線のときよりも信頼性が高くなり、高速アクセスが可能となる。
【0010】
次に、セルユニットの動作について説明する。酸化ハフニウム(HfOx)等の金属酸化物の薄膜を可変抵抗素子の材料に用いる場合、初期設定として金属酸化物をフォーミングしなければならない。通常、フォーミングは、可変抵抗素子を書込むときよりも幾分大きな電圧Vfを薄膜に印加することにより実施され、電圧を印加したときに薄膜を流れる電流の向きによって、セットおよびリセットの極性が決定される。このようなフォーミングは、抵抗変化型メモリを出荷する前に行われる。
【0011】
図4にフォーミングの一例を示す。例えば、ビット線BL、BLbに0Vを印加し、共通ソース線BSLにフォーミング電圧Vf(例えば、4V)を印加し、ワード線WLにトランジスタT1、T2がオンするのに必要な電圧(例えば、6V)が印加される。これにより、可変抵抗素子R1には、共通ソース線BSLからビット線BLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R2には、共通ソース線BSLからビット線BLbに向けて電流が流れる。フォーミングが行われたとき、可変抵抗素子R1、R2は、高抵抗状態にあり、すなわちセットされた状態になる。可変抵抗素子R1、R2をリセットさせるには、BSL>BL、BSL>BLbのバイアス電圧を印加し、セットさせるには、BSL<BL、BSL<BLbのバイアス電圧を印加する。このような極性をもつ可変抵抗素子の接続は、バックトゥーバック接続とも称される。
【0012】
次に、セルユニットCUの書込み動作について説明する。上記したようにフォーミングされたとき、可変抵抗素子R1、R2は、高抵抗状態、すなわちセットされた状態である。可変抵抗素子R1をリセット、すなわち低抵抗状態にするには、例えば、図5(A)に示すように、ビット線BL=0V、ビット線BLb=2V、共通ソース線BSL=2V、ワード線WL=4Vを印加する。これにより、可変抵抗素子R1には共通ソース線BSLからビット線BLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1にリセットが設定される。可変抵抗素子R1がリセット、可変抵抗素子R2がセットのときを、仮に、データ「0」と定義する。
【0013】
次に、データ「0」からデータ「1」への書換えを行う動作について説明する。先ず、図5(B)に示すように、ビット線BL=2V、ビット線BLb=0V、共通ソース線BSL=2V、ワード線WL=4Vを印加する。これにより、可変抵抗素子R2には、共通ソース線BSLからビット線BLbに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R2にリセットが設定される。このとき、可変抵抗素子R1には電流が流れないので、リセットのままである。次に、図5(C)に示すように、ビット線BL=2V、ビット線BLb=0V、共通ソース線BSL=0V、ワード線WL=4Vを印加する。これにより、可変抵抗素子R1にはビット線BLから共通ソース線BSLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1にセットが設定される。こうして、可変抵抗素子R1、R2のセット、リセット状態が反転される。
【0014】
上記の書き換え方法では、図5(B)、(C)に示すような2回のバイアス電圧の印加が必要であるが、これを1回で行う場合には、図5(D)に示すようなバイアス電圧を印加すればよい。つまり、ビット線BL=4V、ビット線BLb=0V、共通ソース線BSL=2V、ワード線WL=6Vを印加する。これにより、可変抵抗素子R1にはビット線BLから共通ソース線BSLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1にセットが設定され、同時に、可変抵抗素子R2には共通ソース線BSLからビット線BLbに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R2にリセットが設定される。
【0015】
このように、従来のバックトゥーバック接続されたコンプリメンタリのセルユニットCUにおいてデータの書き換えを行う場合には、図5(B)、(C)に示すように2回のバイアス電圧を印加する動作が必要になり、書込みに時間がかかってしまうという課題がある。他方、図5(D)に示すように1回のバイアス電圧の印加により書込みを行う場合には、ビット線BL、BLbに設定する電圧を大きくしなければならず、それ故、ワード線WLの電圧も大きくしなければならない。その結果、抵抗変化型メモリを単一電源で動作させることが難しくなり、昇圧回路を必要とし、低コスト化、省スペース化の障害になってしまう。
【0016】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、高速化、低コスト化、省スペース化を図ることができる抵抗変化型メモリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る抵抗変化型メモリは、可逆性かつ不揮発性の可変抵抗素子によりデータを記憶するものであって、一対のビット線間に、一対のトランジスタと一対の可変抵抗素子が直列に接続され、一対の可変抵抗素子間に共通ソース線が接続され、一対の可変抵抗素子の極性が同一方向であり、一対のトランジスタのゲートが共通のワード線に接続されるメモリアレイを備える。
【0018】
好ましくは一対のトランジスタおよび一対の可変抵抗素子は、1つのデータを記憶するセルユニットを構成する。好ましくは前記セルユニットの一対の可変抵抗素子は、相補的な状態を有する。好ましくは可変抵抗素子は、印加される電圧の極性によって高抵抗状態にセットまたは低抵抗状態にリセットされる。好ましくは前記共通ソース線および一対のビット線に印加する電圧を反転させることにより、前記セルユニットに相補的な状態を記憶させる。好ましくは可変抵抗素子の極性は、可変抵抗素子に電流を流すフォーミングにより決定される。好ましくは抵抗変化型メモリはさらに、アドレス情報に基づき行を選択する行選択手段と、アドレス情報に基づき列を選択する列選択手段と、データの書き込みを行う書込み手段とを備え、前記書込み手段は、前記行選択手段および前記列選択手段により選択されたセルユニットのビット線および共通ソース線に書き込むべきデータに応じた電圧を印加する。好ましくは抵抗変化型メモリはさらに、アドレス情報に基づき行を選択する行選択手段と、アドレス情報に基づき列を選択する列選択手段と、データの読み出しを行う読み出し手段を含み、前記読み出し手段は、前記行選択手段および前記列選択手段により選択されたセルユニットのビット線および共通ソース線に所定の電圧を印加する。
【0019】
本発明に係る抵抗変化型メモリの書込み方法は、一対のビット線間に、一対のトランジスタと一対の可変抵抗素子が直列に接続され、一対の可変抵抗素子間に共通ソース線が接続され、一対の可変抵抗素子の極性が同一方向であり、一対のトランジスタのゲートが共通のワード線に接続されたセルユニットを複数含むメモリアレイを用意し、アドレス情報に従い前記セルユニットを選択し、選択されたセルユニットの一対のビット線および共通ソース線に所定のバイアス電圧を印加し、選択されたセルユニットのワード線に所定のバイアス電圧を印加し、前記セルユニットの一対の可変抵抗素子に同時に相補的な状態を書き込む。好ましくは前記一対の可変抵抗素子は、同時にセットおよびリセットされる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来と比較して、一対の可変抵抗素子に相補的な状態を同時に書込むことができ、それ故、従来よりもアクセス速度を向上させることができる。さらに、書込みに必要とされるバイアス電圧が小さくて良いため、必ずしも昇圧回路が必要とせず、抵抗変化型メモリの単一電源での動作が可能となる。その結果、抵抗変化型メモリの高集積化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の抵抗変化型メモリのアレイ構成を示す図である。
図2】従来の高速アクセス用の抵抗変化型メモリのアレイ構成を示す図である。
図3図2に示すセルユニットの構成を示す図である。
図4】従来のセルユニットのフォーミングを説明する図である。
図5】従来のセルユニットのデータの書込み動作を説明する図である。
図6】本発明の実施例に係る抵抗変化型メモリの構成を示す図である。
図7】本発明の実施例に係る抵抗変化型メモリのアレイ構成を示す図である。
図8図7に示すセルユニットの構成を示す図である。
図9】本実施例のセルユニットのフォーミングを説明する図である。
図10】本実施例のセルユニットのデータの書込み動作を説明する図である。
図11】本発明の実施例に係るセルユニットの他の構成例を示す図である。
図12】本実施例の抵抗変化型メモリの書込み時の各部の電圧波形を示す図である。
図13】本発明の実施例に係るセルユニットの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、図面は、分かり易くするために各部を強調して示してあり、実際のデバイスのスケールとは異なることに留意すべきである。
【実施例】
【0023】
図6は、本発明の実施例に係る抵抗変化型メモリの全体構成を示すブロック図である。本実施例の抵抗変化型メモリ100は、行列状に配列された複数のセルユニットが配置されたメモリアレイ110と、外部入出力端子I/Oに接続され、入出力データを保持する入出力バッファ120と、入出力バッファ120からのアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ130と、入出力されるデータを保持するデータレジスタ140と、入出力バッファ120からのコマンドデータ等に基づき各部を制御するコントローラ150と、アドレスレジスタ130からの行アドレス情報Axをデコードしデコード結果に基づきワード線の選択および駆動を行うワード線選択回路160と、アドレスレジスタ130からの列アドレス情報Ayをデコードしデコード結果に基づきビット線の選択および駆動を行う列選択回路170と、列選択回路170によって選択されたセルユニットから読み出された信号を検出したり、選択されたセルユニットへの書込みデータを保持するセンス回路180と、データの読出しや書込みに必要な電圧を発生させ、これをワード線選択回路160および列選択回路170へ供給する電圧発生回路190とを含んで構成される。
【0024】
本実施例の抵抗変化型メモリ100は、従来とは異なるセルユニット構造にコンプリメンタリな状態を記憶するメモリアレイ110を含む。図7に本実施例のメモリアレイの一部を示し、図8に本実施例の1つのセルユニットを示す。本実施例のセルユニットCUは、ビット線BLと共通ソース線BSLとの間にアクセス用トランジスタT1と可変抵抗素子R1が直列に接続され、共通ソース線BSLとビット線BLbとの間にアクセス用トランジスタT2と可変抵抗素子R2が直列に接続される。可変抵抗素子R1、R2は、その極性が同じ方向または向きに接続され、可変抵抗素子R1と可変抵抗素子R2との接続ノードNに共通ソース線BSLが接続される。
【0025】
本実施例のセルユニットCUは、可変抵抗素子R1、R2の極性が同じ方向に整列され、共通ソース線BSLから見た可変抵抗素子R1、R2の極性の向きが反対となる。これに対し、図3に示すバックトゥーバック接続のセルユニットでは、共通ソース線BSLから見た可変抵抗素子R1、R2の極性が同じ向きとなる。従って、本実施例のセルユニットCUでは、共通ソース線BSLに高電圧VHを印加し、ビット線BL、BLbに低電圧VLを印加したとき、あるいは共通ソース線BSLに低電圧VLを印加し、ビット線BL、BLbに高電圧BLbを印加したとき、一方の可変抵抗素子をセットさせ、同時に他方の可変抵抗素子をリセットさせることができる。
【0026】
次に、本実施例のセルユニットのフォーミングについて説明する。図9(A)は、可変抵抗素子R1のフォーミング、図9(B)は、可変抵抗素子R2のフォーミングを示している。図9(A)に示すように、可変抵抗素子R1をフォーミングするとき、例えば、ビット線BL=3.8V、共通ソース線BSL=0V、ビット線BLb=0V、ワード線WL=5Vが印加される。これにより、可変抵抗素子R1には、ビット線BLから共通ソース線BSLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1が高抵抗状態、すなわちセットされる。このとき、共通ソース線BSLとビット線BLb間には電位差が生じないので、可変抵抗素子R2には電流が流れない。
【0027】
次に、可変抵抗素子R2のフォーミングが行われる。図9(B)に示すように、ビット線BL=3.8V、共通ソース線BSL=3.8V、ビット線BLb=0V、ワード線WL=5Vが印加される。これにより、可変抵抗素子R2には、共通ソース線BSLからビット線BLbに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R2が高抵抗状態、すなわちセットされる。このとき、ビット線BLと共通ソース線BSL間には電位差が生じないので、可変抵抗素子R1には電流が流れない。フォーミングに要する電圧は、可変抵抗素子R1、R2の書込み電圧(セット、リセットするときのバイアス電圧)よりも幾分大きい値が用いられる。また、ワード線WLに印加される電圧は、トランジスタT1、T2がオンするのに十分な大きさであればよい。ここに示す電圧の値は例示であり、これ以外の電圧値であってもよいことに留意すべきである。フォーミングは、工場出荷前に行われる工程であるから、仮に抵抗変化型メモリで用いられる単一電源よりも大きな電圧が必要とされたとしても、抵抗変化型メモリに昇圧回路を設けることを要しない。
【0028】
次に、本実施例のセルユニットの基本的な書込み動作について図10を参照して説明する。可変抵抗素子R1にリセットを設定するには、図10(A)に示すように、ビット線BL=0V、共通ソース線BSL=2V、ビット線BLb=2V、ワード線WL=4Vを印加する。これにより、可変抵抗素子R1には、共通ソース線BSLからビット線BLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1が低抵抗状態、すなわちリセットされる。
【0029】
可変抵抗素子R1がリセット、可変抵抗素子R2がセットのときをデータ「0」としたとき、データ「0」からデータ「1」への書換えは、図10(B)に示すようなバイアス電圧を印加することにより行われる。つまり、ビット線BL=2V、ビット線BLb=0V、共通ソース線BSL=2V、ワード線WL=4Vが印加される。可変抵抗素子R1には、ビット線BLから共通ソース線BSLに向けて電流が流れ、可変抵抗素子R1がセットされ、可変抵抗素子R2には、ビット線BLbから共通ソース線BSLに向けて電流が流れるので、可変抵抗素子R2がリセットされる。
【0030】
データ「1」をデータ「0」に書き換える場合には、図10(C)に示すようなバイアス電圧を印加することにより行われる。つまり、ビット線BL=0V、ビット線BLb=0V、共通ソース線BSL=2V、ワード線WL=4Vが印加される。
【0031】
図10(D)は、データ「0」、データ「1」を書込む場合のバイアス条件を示したテーブルである。ビット線BL、BLbの電圧、共通ソース線BSLの電圧を反転させることで、簡単にデータ「0」または「1」の書込みを行うことができる。
【0032】
このように本実施例のセルユニットでは、ビット線BL、BLb、共通ソース線BSLに所望のバイアス電圧を1回印加するだけで、可変抵抗素子R1、R2を同時にセット、リセットさせることができ、コンプリメンタリなセルユニットのデータの書込みを短時間で容易に行うことができる。
【0033】
また、可変抵抗素子R1、R2をフォーミングするときの極性は、図11(A)に示すように、図8と反対であってもよい。この場合、図8のセルユニットにデータを書込むときのバイアス条件は反転され、図11(B)に示すようなバイアス条件になる。
【0034】
次に、本実施例の抵抗変化型メモリのセルユニットの読出し動作を説明する。コントローラ150は、外部端子に入力された信号等に応答して読出しを開始し、各部の動作を制御する。また、入出力バッファ120からアドレスデータが受け取られ、行アドレスAxがワード線選択回路160へ提供され、列アドレスAyが列選択回路170へ提供される。また、電圧発生回路190は、コントローラ150からの指示に従い、読出しに必要な電圧をワード線選択回路160やセンス回路180等に供給する。
【0035】
センス回路180は、列選択回路170のデコード結果に基づき選択されたセルユニットの共通ソース線BSLを、例えば2.0Vにプリチャージする。次いで、センス回路180は、選択されたセルユニットのビット線BL、BLbに1.8Vを印加する。共通ソース線BSLとビット線BL、BLb間の電位差を大きくしすぎると、可変抵抗素子に大きな電流が流れてしまう。このため、電位差は、例えば0.2V程度にできるだけ小さいことが望ましく、他方、センス回路180によって差信号を検出することができる大きさである必要がある。次に、ワード線選択回路160は、行アドレスAxに基づき選択されたワード線WLに読出し電圧、例えば3Vを印加する。
【0036】
図10(B)に示すように、可変抵抗素子R1がセット、可変抵抗素子R2がリセットであるとき、トランジスタT1がオフし、トランジスタT2がオンする。従って、ビット線BLには電流が流れず、その電位は変化しないが、ビット線BLbには共通ソース線BSLから電流が流れ、その電位が変化する。センス回路180は、ビット線BLとBLs間の電位差、または電流差に基づきデータ「0」を感知する。
【0037】
また、図10(C)に示すように、可変抵抗素子R1がリセット、可変抵抗素子R2がセットであるとき、トランジスタT1がオンし、トランジスタT2がオフする。従って、ビット線BLbには電流が流れず、その電位は変化しないが、ビット線BLには共通ソース線BSLから電流が流れ、その電位が変化する。センス回路180は、ビット線BLとBLs間の電位差、または電流差に基づきデータ「1」を感知する。センス回路180によって感知されたデータは、データレジスタ140、入出力バッファ120を介して外部へ出力される。
【0038】
次に、セルユニットへの書込みについて説明する。コントローラ150は、外部端子に入力された信号等に応答して書込みを開始し、各部の動作を制御する。入出力バッファ120で受け取られた行アドレスAxがワード線選択回路160へ提供され、列アドレスAyが列選択回路170へ提供される。また、書込みデータは、データレジスタ140を介してセンス回路180によって保持される。さらに、電圧発生回路190は、コントローラ150からの指示に従い、書込みに必要な電圧をワード線選択回路160やセンス回路180等に供給する。
【0039】
センス回路180は、列選択回路170のデコード結果に基づき選択されたセルユニットのビット線BL、BLb、共通ソース線BSLに、データ「0」または「1」に対応する電圧を供給する。
【0040】
データ「1」の書込みを行うとき、例えば、ビット線BL、BLbに2.6Vが印加され、共通ソース線BSLに0Vが印加される。次に、ワード線選択回路160は、行アドレスAxに基づき選択されたワード線WLに書込み電圧、例えば4Vを印加する。これにより、ビット線BLと共通ソース線BSL間には、可変抵抗素子R1がリセット状態となるようなバイアス電圧が印加され、共通ソース線BSLとビット線BLb間には、可変抵抗素子R2がセット状態となるようなバイアス電圧が印加される。他方、データ「0」の書込みを行う場合には、ビット線BL、BLbに0Vが印加され、共通ビット線BSLに2.6Vが印加される。これにより、可変抵抗素子R1がセットされ、可変抵抗素子R2がリセットされる。図12に、データ「1」、「0」を書込むときの各部の電圧波形のタイミングを示す。
【0041】
図13に、本実施例のセルユニットの他の構成例を示す。上記の例では、共通ソース線BSLに対して可変抵抗素子R1、R2が接続され、これに直列にトランジスタT1、T2が接続されたが、図13(A)、(B)に示すように、共通ソース線BSLに対してトランジスタT1、T2が接続され、これに極性の向きが同じになるように可変抵抗素子R1、R2が直列に接続される構成であってもよい。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
100:抵抗変化型メモリ
110:メモリアレイ
120:入出力バッファ
130:アドレスレジスタ
140:データレジスタ
150:コントローラ
160:ワード線選択回路
170:列選択回路
180:センス回路
190:電圧発生回路
R1、R2:可変抵抗素子
T1、T2:アクセス用トランジスタ
【要約】      (修正有)
【課題】高速化、低コスト化、省スペース化を図ることができる抵抗変化型メモリを提供する。
【解決手段】抵抗変化型メモリは、相補的な状態を記憶するセルユニット構造のメモリアレイを含む。セルユニットCUは、ビット線BLと共通ソース線BSLとの間にアクセス用トランジスタT1と可変抵抗素子R1が直列に接続され、共通ソース線BSLとビット線BLbとの間にアクセス用トランジスタT2と可変抵抗素子R2が直列に接続される。可変抵抗素子R1、R2は、その極性が同一方向を向くように直列接続され、可変抵抗素子R1と可変抵抗素子R2との接続ノードNに共通ソース線BSLが接続される。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13