特許第5748927号(P5748927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5748927放射性物質のモニタリング装置および放射性物質のモニタリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5748927
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】放射性物質のモニタリング装置および放射性物質のモニタリング方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/167 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   G01T1/167 A
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-7353(P2015-7353)
(22)【出願日】2015年1月19日
【審査請求日】2015年2月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋
(72)【発明者】
【氏名】繁泉 恒河
(72)【発明者】
【氏名】野口 俊太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕己
(72)【発明者】
【氏名】江川 守俊
(72)【発明者】
【氏名】喜多 信悟
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−085163(JP,A)
【文献】 特開2014−145638(JP,A)
【文献】 特開2013−124890(JP,A)
【文献】 特開平08−285946(JP,A)
【文献】 特開2014−202510(JP,A)
【文献】 小林 政広 他,森林流域から流出する放射性セシウムの調査法,森林総合研究所研究報告,日本,森林総合研究所,2014年,p147-154
【文献】 申 文浩 他,水田地域への放射性物質の流入を削減する濁度モニタリングシステムの導入,農業農村工学会東北支部研究発表会講演要旨集,日本,農業農村工学会,2013年,p148-151
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水の濁度を測定する濁度計と、
前記排水の水中放射線量を測定する水中放射線量計と、
を備え、
第1放射能濃度域では、前記濁度計を用いて測定した濁度から前記排水中の放射能濃度を推定し、
前記第1放射能濃度域よりも高い第2放射能濃度域では、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から前記排水中の放射能濃度を推定し、
前記第1放射能濃度域と前記第2放射能濃度域との間の第3放射能濃度域では、前記濁度計を用いて測定した濁度および前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から前記排水中の放射能濃度を推定し、
前記排水は、吸着剤および凝集剤を含み、
前記濁度計を用いて測定した濁度および前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量を用いて、前記吸着剤の添加量および処理時間並びに前記凝集剤の添加量および処理時間を管理する、放射性物質のモニタリング装置。
【請求項2】
請求項記載の放射性物質のモニタリング装置において、
前記濁度計を用いて測定した濁度が予め設定された濁度基準値よりも高く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が予め設定された水中放射線量基準値よりも高い場合は、前記凝集剤を増量し、
前記濁度計を用いて測定した濁度が前記濁度基準値よりも高く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が前記水中放射線量基準値よりも低い場合は、前記吸着剤を減量し、
前記濁度計を用いて測定した濁度が前記濁度基準値よりも低く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が前記水中放射線量基準値よりも高い場合は、前記吸着剤を増量するもしくは吸着剤の処理時間を延長する、放射性物質のモニタリング装置。
【請求項3】
以下の工程を有する放射性物質のモニタリング方法:
(a)濁度計を用いて排水の濁度を測定し、水中放射線量計を用いて前記排水の水中放射線量を測定する工程;
(b)第1放射能濃度域では、前記濁度から前記排水中の放射能濃度を推定し、前記第1放射能濃度域よりも高い第2放射能濃度域では、前記水中放射線量から前記排水中の放射能濃度を推定し、前記第1放射能濃度域と前記第2放射能濃度域との間の第3放射能濃度域では、前記濁度および前記水中放射線量から前記排水中の放射能濃度を推定する工程
ここで、前記排水は、吸着剤および凝集剤を含み、
前記濁度計を用いて測定した濁度および前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量を用いて、前記吸着剤の添加量および処理時間並びに前記凝集剤の添加量および処理時間を管理する、放射性物質のモニタリング方法。
【請求項4】
請求項記載の放射性物質のモニタリング方法において、
前記濁度計を用いて測定した濁度が予め設定された濁度基準値よりも高く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が予め設定された水中放射線量基準値よりも高い場合は、前記吸着剤を減量し、
前記濁度計を用いて測定した濁度が前記濁度基準値よりも高く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が前記水中放射線量基準値よりも低い場合は、前記吸着剤を減量し、
前記濁度計を用いて測定した濁度が前記濁度基準値よりも低く、前記水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量が前記水中放射線量基準値よりも高い場合は、前記吸着剤を増量するもしくは吸着剤の処理時間を延長する、放射性物質のモニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質のモニタリング装置および放射性物質のモニタリング方法に関し、例えば放射性物質、例えば放射性セシウムを含む廃水の放射能濃度のモニタリングに好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2014−085163号公報(特許文献1)、特開2008−134121号公報(特許文献2)および「森林流域から流出する放射性セシウムの調査法」(非特許文献1)がある。
【0003】
特開2014−085163号公報(特許文献1)には、放射性セシウムを含有する排水の放射能濃度を実質上連続的に測定する装置が記載されている。測定される排水が通過する通過容器は、底部近くに被測定水を導入する開口を備えるとともに上部にオーバーフローのための開口を備え、さらに、底面に検出部を収容する凹みを有する「マリネリ容器」であり、通過容器を放射線遮蔽容器で包んで使用する。
【0004】
また、特開2008−134121号公報(特許文献2)には、測定ユニットと、計測部と、複数の放射能濃度を演算する濃度演算部とを含み、複数の放射能濃度に基づいて排水管理のための情報が演算される排水モニタシステムが記載されている。
【0005】
また、「森林流域から流出する放射性セシウムの調査法」(非特許文献1)には、流出水中の放射性セシウム濃度は濁度と明瞭な相関があること、さらに、これを利用し、濁度と流量を連続測定することで一定期間の放射性セシウム流出量を推定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−085163号公報
【特許文献2】特開2008−134121号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】小林政広、外3名、「森林流域から流出する放射性セシウムの調査法」、2014年9月、森林総合研究所研究報告、第13巻3号、p.147−154
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
放射性物質を含む廃水を処理する際には、処理水中の放射能濃度が管理基準値以下まで低減されているか否かを確認する必要がある。従来は、処理水を採水して分析室へ持ち込み、ゲルマニウム半導体検出器により処理水中の放射能濃度を測定していたが、この方法では、例えば1週間に1回程度、処理水中の放射能濃度を定期的に確認することしかできないという課題がある。また、濁度計を用いて測定した処理水の濁度から処理水中の放射能濃度を推定する方法、または水中放射線量計を用いて測定した処理水の水中放射線量から処理水中の放射能濃度を推定する方法がある。しかし、いずれの方法も測定できる放射能濃度の範囲に制限があり、広範囲の放射能濃度を簡便に、かつ精度よくモニタリングすることができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による放射性物質のモニタリング装置は、排水の濁度を測定する濁度計と、排水の水中放射線量を測定する水中放射線量計とを備える。低放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度から排水中の放射能濃度を推定し、中放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度および水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から排水中の放射能濃度を推定し、高放射能濃度域では、水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から排水中の放射能濃度を推定する。さらに、予め水中放射線量と濁度との関係式を求めておき、その係数が変動した場合は、濁度計を用いて測定した濁度を較正して、排水中の放射能濃度を推定する。
【0010】
また、本発明による放射性物質のモニタリング方法は、低放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度から排水中の放射能濃度を推定し、中放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度および水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から排水中の放射能濃度を推定し、高放射能濃度域では、水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から排水中の放射能濃度を推定する。さらに、予め水中放射線量と濁度との関係式を求めておき、その係数が変動した場合は、濁度計を用いて測定した濁度を較正して、排水中の放射能濃度を推定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排水中の放射能濃度を簡便で、かつ精度よくモニタリングすることのできるモニタリング装置およびモニタリング方法を提供することができる。
【0012】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1による廃水中の放射能濃度と正味水中放射線量との関係を示すグラフ図であり、(a)は放射能濃度を示す縦軸を線形軸で表し、(b)は放射能濃度を示す縦軸を対数軸で表す。
図2】実施例1による廃水中の放射能濃度と濁度との関係を示すグラフ図であり、(a)は放射能濃度を示す縦軸を線形軸で表し、(b)は放射能濃度を示す縦軸を対数軸で表す。
図3】実施例1による正味水中放射線量と濁度との関係を示すグラフ図である。
図4】実施例1による放射性物質のモニタリングの流れの一例を説明するフロー図である。
図5】実施例1による放射性物質のモニタリング装置の一例を示すブロック図である。
図6】実施例1による放射性物質のモニタリング装置の他の例を示すブロック図である。
図7】実施例2による廃水処理フローを説明するための廃水処理装置の概略図である。
図8】実施例2による放射性物質のモニタリングの流れの一例を説明するフロー図である。
図9】実施例2による放射性物質のモニタリング装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0015】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0016】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0017】
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0018】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
本実施の形態における濁度の測定には、例えば透過光測定方式、散乱光測定方式、透過光・散乱光演算方式または積分球測定方式の濁度計が適宜使用される。透過光測定方式は、片側から光を当て、その透過光を測定し、光の減衰の度合が水中の懸濁物質の濃度に関連することを利用して濁度を知る簡便な方式である。散乱光測定方式は、散乱光のみを測定し、その散乱の強さが水中の懸濁物質の濃度に比例することを利用して濁度を知る方式である。透過光・散乱光演算方式は、透過光と散乱光を測定し、その両者の比率と懸濁物質の濃度の比例関係を利用し、より正確な測定を可能とした方式である。積分球測定方式は、積分球内に設けた受光素子で散乱光と全入射光を測定し、その両者の比率と懸濁物質の濃度の比例関係を利用して懸濁を知る方式である。
【0020】
また、本実施の形態における水中放射線量の測定には、水中のγ線を短時間で測定することが可能な検出器を用いる必要がある。例えば結晶中の物質の蛍光現象を利用して放射線を測定するシンチレーション方式または管内の気体の電離作用を用いて測定するGM(ガイガーミュラー)計数管方式がある。代表的なシンチレーション検出器としてはNaI、CsI、プラスチックシンチレータが挙げられる。
【0021】
(課題の詳細な説明)
原子力発電所の事故により広範囲に放出された放射性物質、主に放射性セシウムを除去する除染作業においては、住宅の樋および道路面等を高圧洗浄により洗浄する作業が行われる。作業にともない排出される廃水は懸濁し、懸濁物質には放射性物質が含まれる(非特許文献1参照)。また、放射性物質は土壌中の粘土鉱物に強く吸着する。従って、廃水から懸濁物質を除去することは、放射能濃度の低減に対して効果がある。そこで、通常これらの廃水は回収され、所定の場所の廃水処理装置で処理する、または現地にてろ過・凝集沈殿処理した後、放流される。
【0022】
また、広範囲に放出された放射性物質は、廃棄物を焼却処理した際に排出される焼却灰(主灰、飛灰)に濃縮される。そのため、焼却灰を冷却、洗浄処理した際に排出される廃水にも放射性物質が含まれる。なお、焼却灰に由来する廃水の特徴として、例えば放射性セシウムの一部が塩化セシウムなどの易溶出性を有する形態で存在することが挙げられる。このため、廃水処理にはセシウムイオンを選択的に吸着する吸着剤が用いられる。吸着剤としては、例えばプルシアンブルー(フェロシアン化鉄)またはゼオライトなどが挙げられる。
【0023】
ところで、このような放射性物質を含む除染廃水および焼却灰由来廃水を処理する際には、処理水中の放射能濃度が管理基準値以下まで低減されているか否かを確認する必要がある。
【0024】
そこで、従来は、処理水を採水して分析室へ持ち込み、ゲルマニウム半導体検出器により処理水中の放射能濃度を測定することによって、処理水中の放射能濃度を確認していた。しかし、ゲルマニウム半導体検出器による測定は時間も費用も要するため、この方法では、処理水を1週間に1回程度定期的に採水し、測定して、処理水中の放射能濃度を確認することしかできない。
【0025】
また、放射性セシウムが粘土鉱物に吸着しやすい性質を利用し、濁度計を用いて、廃水に含まれる懸濁物質の濃度、例えば濁度を測定することにより、処理水中の放射能濃度を推定することが可能である。しかし、濁度計は測定上限があること、これに加えて濁度はあくまでも間接的な測定方法であるので、易溶出性を有する放射性セシウムが混入した廃水の場合または濁度あたりの水中放射線量が高い廃水の場合には、処理水中の放射能濃度が精度よく推定できない可能性があり、処理水中の放射能濃度が管理基準値を超過してしまう恐れがある。
【0026】
また、水中放射線量計を用いて、現地で処理水中の放射能濃度を測定し、モニタリングする方法がある。この方法は、30Bq/L以上の放射能濃度域を測定することができる。しかし、この方法は、100Bq/L以下の放射能濃度域では周囲の空間線量(バックグラウンド)の影響が大きくなるため、定量下限を下げるためには、鉛板または大きな水界を用いてバックグラウンドからの放射線を遮蔽する必要があり、重量およびスペースなどの点において操作性に課題がある。
【0027】
このため、処理水中の放射能濃度が管理基準値以下まで低減されているか否かを検査するために、処理水中の放射能濃度を簡便で、かつ精度よくモニタリングする技術が望まれていた。
【実施例1】
【0028】
本実施例1による処理水中の放射能濃度と水中放射線量計を用いて測定された正味水中放射線量との関係について図1を用いて説明する。図1は、廃水中の放射能濃度(Cs−134およびCs−137)と正味水中放射線量との関係を示すグラフ図であり、(a)は放射能濃度を示す縦軸を線形軸で表し、(b)は放射能濃度を示す縦軸を対数軸で表している。正味水中放射線量とは、バックグラウンドの放射線量(清水測定時の放射線量)を差し引いた正味の水中放射線量である。
【0029】
図1(a)および(b)に示すように、水中放射線量は、廃水中の放射能濃度と高い相関関係を有している。水中放射線量は懸濁分に関わらず測定できるため、1,000Bq/L以上であっても、水中放射線量計を用いた放射能濃度の測定が可能である。しかし、例えば30Bq/L以下の低放射能濃度域では、検出できる水中放射線量の差が小さくなり、処理水中の放射能濃度を定量的に求めることが難しくなる。
【0030】
本実施例1による処理水中の放射能濃度と濁度計を用いて測定された濁度との関係について図2を用いて説明する。図2は、廃水中の放射能濃度(Cs−134およびCs−137)と濁度との関係を示すグラフ図であり、(a)は放射能濃度を示す縦軸を線形軸で表し、(b)は放射能濃度を示す縦軸を対数軸で表している。濁度は、ホルマジン度で表している。
【0031】
図2(a)および(b)に示すように、濁度も、廃水中の放射能濃度と高い相関関係を有している。但し、本実施例1で用いた濁度計の測定上限が99.9度であったため、100Bq/L以上の高放射能濃度域では測定ができない。しかし、例えば30Bq/L以下の低放射能濃度域では、放射能濃度の減少に応じた濁度の減少を確認することができるので、廃水を処理した水中の放射能濃度を定量的に求めることができる。
【0032】
本実施例1では、水中放射線量計と濁度計とを併用することにより、それぞれの特徴を生かして、廃水中の放射能濃度を広域において測定し、モニタリングする。具体的には、100Bq/L以上の高放射能濃度域では水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から水中の放射能濃度を推定する。30〜100Bq/Lの中放射能濃度域では水中放射線量計と濁度計とを併用し、水中放射線量を用いて測定した水中放射線量および濁度計を用いて測定した濁度からそれぞれ水中の放射能濃度を推定する。30Bq/L以下の低放射能濃度域では濁度計を用いて測定した濁度から水中の放射能濃度を推定する。これにより、水中の放射能濃度を広域においてモニタリングすることができる。水中放射線量の定量下限値を本実施例1では30Bq/Lとしているが、この値は外部の空間線量の影響を受けるため変動する。但し、本発明では、定量下限値が{((Cs−134/60)+(Cs−137/90))≦1}(以下、公共水域限度と言う)以下となるように、空間線量が高い場合には必要に応じて遮蔽を行う。
【0033】
表1に、除染廃水の処理データの一例を示す。No.1およびNo.3に原水の種々の値をそれぞれ示し、No.2およびNo.4に処理水の種々の値をそれぞれ示す。No.1は、雨水枡洗浄廃水を対象とし、No.2は、この雨水枡洗浄廃水を処理した後の処理水を対象としている。また、No.3は、桶洗浄廃水を対象とし、No.4は、この桶洗浄廃水を処理した後の処理水を対象としている。
【0034】
【表1】
表1には、濁度計を用いて測定した濁度、水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量、バックグラウンドの水中放射線量、濁度から推定される放射能濃度、水中放射線量から推定される放射能濃度および実測した放射能濃度を示している。
【0035】
原水である雨水枡洗浄廃水(No.1)および桶洗浄廃水(No.3)は濁度が大きく(99.9度以上)、濁度計を用いた濁度の測定ができないことから、濁度から放射能濃度を推定することができない。しかし、水中放射線量計を用いた水中放射線量は測定できるので、水中放射線量から放射能濃度を推定することができる。
【0036】
一方、雨水枡洗浄廃水の処理水(No.2)および桶洗浄廃水の処理水(No.4)では、水中放射線量がバックグラウンドの水中放射線量の変動幅内に入ってしまうことから、水中放射線量から放射能濃度を推定することが難しい。しかし、濁度計を用いた濁度は測定できるので、濁度から放射能濃度を推定することができる。
【0037】
実測した放射能濃度と比較した場合、水中放射線量から推定した放射能濃度の精度は高いが、濁度から推定した放射能濃度の精度は低いようにも思える。しかし、10Bq/L(水道水基準)以下の運転管理をする場合は、濁度の値を安全側に基準値として設定して(例えば図2において濁度15度に管理目標値を設定)、廃水を処理することができるので、運転上は問題ない。
【0038】
ところで、本実施例1では、濁度計を用いて測定された濁度から低放射能濃度域(例えば30Bq/L以下)の放射能濃度を求める。これにより、水中放射線量計を用いて測定された水中放射線量から低放射能濃度域を測定する場合と比べて、放射線を遮蔽する必要がないので、操作性よく処理水中の放射能濃度を求めることができる。しかし、濁度は懸濁物質の性状の影響を受けるため、廃水に含まれる懸濁物質の性状が変化すると、処理水中の放射能濃度が正確に求められないことが懸念される。そこで、本実施例1では、さらに懸濁物質の性状が変化しても、処理水中の放射能濃度を正確に求めることのできる手法を用いる。
【0039】
以下に、上記手法について図3を用いて説明する。図3は、本実施例1による正味水中放射線量と濁度との関係を示すグラフ図である。廃水の水中放射線量および濁度の測定は、例えば30〜100Bq/Lの放射能濃度域において水中放射線量計および濁度計をそれぞれ用いて同時に行った。
【0040】
水中放射線量は懸濁物質の性状の影響を受けないが、濁度は懸濁物質の性状の影響を受ける。このため、図3に示すように、水中放射線量と濁度との関係は、廃水の種類によって大きく変化する。しかし、水中放射線量と濁度との間には相関関係がある。
【0041】
そこで、まず、予め両者の測定が可能である中放射能濃度域(例えば30〜100Bq/Lの放射能濃度域)において廃水の水中放射線量と濁度とを同時に測定し、さらに、中放射能濃度域における廃水中の放射能濃度を、例えばゲルマニウム半導体検出器などを用いて実測する。そして、水中放射線量から推定された放射能濃度、濁度から推定された放射能濃度および実測された放射能濃度から、水中放射線量と濁度との関係式およびその関係式から得られる「線量/濁度」の係数を求めておく。
【0042】
その後は、水中放射線量と濁度との関係をモニタリングして、濁度の較正の必要があるか否かを判断する。例えばこのモニタリングにおいて、その係数が変動したときは、水中放射線量と濁度との関係式を用いて濁度を較正する。これにより、懸濁物質の性状が変化しても、低放射能濃度域および中放射能濃度域において濁度計を用いて測定した濁度から処理水中の放射能濃度を正確に求めることができる。
【0043】
図4は、本実施例1による放射性物質のモニタリングの流れの一例を説明するフロー図である。
【0044】
まず、前述したように、中放射能濃度域(例えば30〜100Bq/Lの放射能濃度域)において、水中放射線量から推定された放射能濃度、濁度から推定された放射能濃度および実測された放射能濃度から、水中放射線量と濁度との関係式およびその関係式から得られる「線量/濁度」の係数を求めておく。
【0045】
次に、水中放射線量計を用いて水中放射線量を測定し、同時に濁度計を用いて濁度を測定し、これらから処理水中の放射能濃度を求める。
【0046】
高放射能濃度域(例えば100Bq/L以上)では、水中放射線量計を用いて得られた水中放射線量を管理値として放射能濃度を推定する。中放射能濃度域(例えば30〜100Bq/L)では、水中放射線量計を用いて得られた水中放射線量と濁度計を用いて得られた濁度を管理値として放射能濃度を推定する。測定時には水中放射線量と濁度との関係をモニタリングしておき、「線量/濁度」の係数に変化がないかを確認する。低放射能濃度域(例えば30Bq/L以下)では、濁度計を用いて得られた濁度を管理値として放射能濃度を推定する。低放射能濃度域では、濁度が管理基準値を超過していないかを確認し、超過した場合はまずその原水を用いて「線量/濁度」の係数に変化がないかを確認する。変化がない場合は、放射能濃度が管理基準値を超過している可能性があるため、適切な対応を行う。一方、超過しない場合でも、例えば1週間に1回など定期的に「線量/濁度」の係数に変化がないかを確認する。仮に「線量/濁度」の係数の定期チェックの間に線量が高い(濁度は管理基準値以下)処理水が発生していたとしても水中放射線量計の定量下限値を公共水域限度以下に設定しているため、それ以上となる恐れはない。
【0047】
濁度物質の性状が変化すると、「線量/濁度」の係数が変わり、低放射能濃度域および中放射能濃度域において、濁度から正確に放射能濃度が推定できなくなる。そこで、この場合は、予め求めた中放射能濃度域(例えば30〜100Bq/Lの放射能濃度域)における水中放射線量と濁度との関係式を用いて濁度を較正する。これにより、特に低放射能濃度域において、濁度から推定される放射能濃度の精度を向上させることができる。
【0048】
また、前述したように、廃水処理装置の処理水側にのみ濁度計および水中放射線量計を設置し(後述の図5参照)、測定毎または定期的に「線量/濁度」の係数に変化がないかを確認してもよいが、原水槽または反応槽など処理水槽より前段の、まだ濁質分や放射性物質が残存している槽に濁度計および水中放射線量計を追加で設置してもよい(後述の図6参照)。追加で濁度計および水中放射線量計を設置することにより、処理前段にある濁度計および水中放射線量計により常時、「線量/濁度」の係数を更新することができるので、処理水の濁度からの放射能濃度の推定精度をより向上させることが可能である。
【0049】
このように、濁度と水中放射線量の両方を用いることにより低放射能濃度域から高放射能濃度域まで、広い範囲で精度よく処理水中の放射能濃度をモニタリングすることができる。
【0050】
図5および図6は、本実施例1による放射性物質のモニタリング装置の一例を示すブロック図である。
【0051】
モニタリング装置MM1,MM2は、濁度計と水中放射線量計とを有する。濁度計には、記憶・演算部TRC、表示部TDおよび測定部TMが備わっており、測定部TMにおいて処理水の濁度を測定し、記録・演算部TRCにおいて濁度から処理水中の放射能濃度を推定し、記憶する。同様に、水中放射線量計には、記憶・演算部RRC、表示部RDおよび測定部RMが備わっており、測定部RMにおいて処理水の水中放射線量を測定し、記録・演算部RRCにおいて水中放射線量から処理水中の放射能濃度を推定し、記憶する。
【0052】
例えば処理水中の放射能濃度が管理基準値を超える、または濁度物質の性状の変化の影響を受けて「線量/濁度」の係数が変動すると、モニタリング装置MM1に備わる記録・演算部RRC,TRCから警報装置に制御信号が送られる。そして、その制御信号に対応して警報装置が警報を発する。
【0053】
このように、本実施例1によれば、水中放射線量計および濁度計を併用することにより、低放射能濃度域(例えば30Bq/L以下)から高放射能濃度域(例えば100Bq/L以上)の処理水中の放射能濃度を簡便で、かつ精度よくモニタリングすることができる。
【実施例2】
【0054】
焼却灰(主灰、飛灰)に含まれる放射性セシウムの一部は塩化セシウムなどの易溶出性を有する形態で存在するため、廃水中にセシウムイオンが存在する。この場合、凝集剤だけではセシウムイオンを除去できないため、廃水処理にはセシウムイオンを選択的に吸着する吸着剤を添加する必要がある。吸着剤としては一般的にゼオライトが用いられるが、焼却灰由来の廃水にはナトリウムなどの他の塩類が含まれるため、より選択性の高いプルシアンブルー(フェロシアン化鉄)といったフェロシアン化物などの吸着剤が用いられる。プルシアンブルーなどのセシウム選択性のある吸着剤は単価が高いため、接触効率を上げるために廃水中での分散性を高めて用いることが多い。
【0055】
しかし、プルシアンブルーのように分散性が高い吸着剤を用いると、添加量が多くなった場合、凝集剤ですべての吸着剤を凝集沈殿処理することができず、廃水処理後の上清水(処理水)にプルシアンブルーが混入するという問題が生じる。プルシアンブルーの場合は特にシアンを含有するため、放射性物質を吸着していない状態でも公共用水域にそのまま排水することはできない。そのため、使用量をできるだけ最適化することにより、無駄な吸着剤を添加しないことは、このような廃水処理において重要である。
【0056】
そこで、本実施例2では、廃水処理装置において、廃水処理後の上清水中の放射能濃度を求めることに加えて、モニタリング装置MMにより測定された水中放射線量および濁度を用いて、廃水処理に用いられる吸着剤(ここではプルシアンブルー)または凝集剤の添加量および処理時間など、廃水処理装置全体の運転の最適化を図る。
【0057】
本実施例2による廃水処理フローを図7および図8を用いて説明する。図7は、本実施例2による廃水処理フローを説明するための廃水処理装置の概略図である。図8は、本実施例2による廃水処理装置の運転条件を制御する一連の流れの一例を説明するフロー図である。
【0058】
図7に示すように、まず、原水槽T1に貯留された廃水をpH調整槽T2へ移送する。
【0059】
次に、pH調整槽T2において、廃水のpHを調整する。プルシアンブルーの最適pHは5程度であるため、廃水に酸またはアルカリを添加して、そのpH域になるように廃水のpHを調整する。
【0060】
次に、吸着反応槽T3において、酸またはアルカリを添加した廃水に放射性セシウムの吸着剤としてプルシアンブルーを添加して、所定の時間撹拌することにより、プルシアンブルーに放射性セシウムを吸着させる。プルシアンブルーの添加量および処理時間は廃水の組成によって変わるため、適宜これらを設定する必要がある。
【0061】
次に、凝沈槽T4において、プルシアンブルーを添加した廃水に凝集剤を添加して、汚泥として沈殿させる。沈殿した汚泥は、放射性セシウムが高濃度に含有されているため、適切に管理し処分する。
【0062】
次に、モニタリング槽T5において、凝沈槽T4から移送された沈殿した汚泥の上清水中の放射能濃度を、前述の実施例1において説明したモニタリング装置MMを用いて測定する。管理基準値としては、例えば放射性物質特措法により定められている管理基準値((Cs−134/60+Cs−137/90)≦1)が適用されるが、上乗せの基準としては、最高で10Bq/L(水道水基準)が想定される。
【0063】
すなわち、前述の実施例1で説明したように、モニタリング装置MMを用いて測定された水中放射線量および濁度から廃水処理後の上清水中の放射能濃度を推定する。その値が管理基準値を超える、または濁度物質の性状の変化の影響を受けて「線量/濁度」の係数が変動すると、モニタリング装置MMに備わる記録・演算部RRC,TRCから警報装置に制御信号が送られる。そして、その制御信号に対応して警報装置が警報を発する。
【0064】
これに加えて、モニタリング装置MMを用いて測定された水中放射線量および濁度から、例えば吸着反応槽T3に添加する吸着剤および凝沈槽T4に添加する凝集剤のそれぞれの添加量、吸着反応槽T3および凝沈槽T4におけるそれぞれの処理時間、並びに返送ポンプPMの稼働などを管理することができる。
【0065】
本実施例2による廃水処理装置の運転条件を制御する一連の流れの一例を図7および図8を用いて説明する。
【0066】
予め廃水処理後の上清水の水中放射線量の基準値(以下、水中放射線量基準値と言う)および濁度の基準値(以下、濁度基準値と言う)を設定しておき、モニタリング装置MMにより、図7に示すモニタリング槽T5に貯留された上清水の水中放射線量および濁度を測定する。
【0067】
(Case1)
水中放射線量および濁度ともにそれぞれ水中放射線量基準値および濁度基準値よりも高い場合は、処理不良と判断して、返送ポンプPMを稼働させてモニタリング槽T5から原水槽T1へ上清水を移送し、再処理を行う。そして、凝沈槽T4に添加される凝集剤を増量することによって、水中放射線量および濁度ともにそれぞれ水中放射線量基準値および濁度基準値以下となるように制御する。
【0068】
(Case2)
濁度のみが濁度基準値よりも高い場合は、吸着剤が過剰であると判断して、吸着反応槽T3に添加される吸着剤を減量する。
【0069】
(Case3)
水中放射線量のみが水中放射線量基準値よりも高い場合は、放射性セシウムの吸着が未了であると判断して、返送ポンプPMを稼働させてモニタリング槽T5から原水槽T1へ上清水を移送し、再処理を行う。そして、吸着反応槽T3に添加される吸着剤を増量する。もしくは吸着反応槽T3における滞留時間を長くして、吸着剤の反応時間を十分確保する。
【0070】
(Case4)
水中放射線量および濁度ともにそれぞれ水中放射線量基準値および濁度基準値よりも低い場合は、処理良好と判断して、後段の処理が行われる。
【0071】
図9は、本実施例2による放射性物質のモニタリング装置の一例を示すブロック図である。
【0072】
モニタリング装置MMにより測定された水中放射線量および濁度がそれぞれ水中放射線量基準値および濁度基準値からはずれたときは、モニタリング装置MMに備わる記録・演算部RRC,TRCから警報装置に制御信号が送られる。そして、制御フローに基づきフィードバックを行うことにより、廃水処理に用いられる凝集剤の添加量および処理時間の調整、吸着剤の添加量および処理時間の調整並びに返送ポンプPMの稼働など、廃水処理装置全体の運転の最適化を図る。
【0073】
このように、本実施例2によれば、水中放射線量計および濁度計を併用したモニタリング装置MMを用いて、廃水処理後の上清水の水中放射線量および濁度を測定することにより、廃水処理後の上清水に含まれる放射能濃度を簡便で、かつ精度よくモニタリングできることに加えて、廃水処理装置全体の運転の最適化を図ることができる。
【0074】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0075】
例えば前記実施の形態では、主に、除染作業において排出される廃水、または焼却灰を冷却、洗浄処理した際に排出される廃水を処理した処理水中の放射能濃度をモニタリングする方法について詳細に説明したが、モニタリングの対象は上記廃水を処理した処理水に限定されるものではない。例えば放射性物質を含有する可能性のある雨水、湧水、河川水、ため池・湖沼水、海水、工場や病院等から排出される廃水、建設現場等の廃水など、種々の排水(処理していない排水および処理した排水のいずれも含む)の放射能濃度を測定する際にも、本発明によるモニタリング装置およびモニタリング方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
MM1,MM2 モニタリング装置
PM 返送ポンプ
RD 水中放射線量計の表示部
RM 水中放射線量計の測定部
RRC 水中放射線量計の記録・演算部
T1 原水槽
T2 pH調整槽
T3 吸着反応槽
T4 凝沈槽
T5 モニタリング槽
TD 濁度計の表示部
TM 濁度計の測定部
TRC 濁度計の記録・演算部
【要約】
【課題】排水中の放射能濃度を簡便で、かつ精度よくモニタリングすることのできるモニタリング装置およびモニタリング方法を提供する。
【解決手段】放射性物質のモニタリング装置は、処理水の濁度を測定する濁度計と、処理水の水中放射線量を測定する水中放射線量計とを備える。低放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度から処理水中の放射能濃度を推定し、中放射能濃度域では、濁度計を用いて測定した濁度および水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から処理水中の放射能濃度を推定し、高放射能濃度域では、水中放射線量計を用いて測定した水中放射線量から処理水中の放射能濃度を推定する。さらに、予め水中放射線量と濁度との関係式を求めておき、その係数が変動した場合は、濁度計を用いて測定した濁度を較正して、処理水中の放射能濃度を推定する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9