【0012】
本発明に用いる動粘度が5.0mm
2/s以下のジメチルシリコーンオイルとしては、25℃の動粘度が5.0mm
2/s以下であれば特に問題ないが好ましくは2.0mm
2/s以下であり、さらに好ましくは1.0〜1.5mm
2/sである。5.0mm
2/sを超えると塗布時の伸びの効果が得られない。動粘度が1.0mm
2/s未満では、特に問題はないが安全性に問題がある場合がある。また本発明に用いられるジメチルシリコーンオイルは直鎖状である。具体的にはオクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等がある。尚本願発明に用いられる動粘度はJIS Z8803(液体の粘度 測定方法)で規定されている。
ジメチルシリコーンオイルの配合量は特に限定されないが、組成物の総重量に対して2〜20%が好ましい。さらに好ましくは3〜10%である。2%未満では塗布時の伸びの効果が得られない。20%を超えると使用感が非常に軽くなるので併用する油分の選択が難しくなる場合がある。
また顔料級酸化チタン1に対してジメチルシリコーンオイルの配合量を0.5〜4の範囲で調整するのが好ましく、1〜3の範囲に調整するとさらに良い。
【実施例】
【0018】
実験例1
下記表1に示す処方及び下記製法により、クリームファンデーションを調製し、本願発明の必須成分である5.0mm
2/s以下のジメチルシリコーンオイルと他の揮発性油剤と比較した。そして以下に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を併せて表1に示した。
【0019】
【表1】
※1 KF−96A−1cs(信越化学工業株式会社製)
※2 KF−96L−1.5cs(信越化学工業株式会社製)
※3 マルカゾールR(丸善石油化学株式会社製)
※4 SH200 C FLUID 10CS(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)
※5 KF−6038(信越化学工業株式会社製)
※6 AEROSIL R976(日本アエロジル株式会社製)
※7 SAS−チタンCR−50(100%)(メチルポリシロキサン3%、メチルハイドロジェンポリシロキサン0.5%処理、平均粒子径0.25μm:三好化成株式会社製)
【0020】
(製法)
No.1〜8を混合した後、No.9〜12を加えて均一に分散した。これにNo.13〜17の混合水溶液を加え、乳化してクリームファンデーションを得た。
【0021】
(評価方法;塗布時の伸び)
20〜40代の化粧品専門パネル5名に、上記実施例および比較例のクリームファンデーションを使用してもらい、塗布時の伸びについて、以下の評価基準により評点を付し、ベースファンデーションごとに評点の平均点を算出して、以下に示す判定基準に従って判定した。
<評価基準>
〔使用感〕 〔評点〕
非常に良好 :5
良好 :4
普通 :3
やや塗布の重みを感じる :2
塗布の重みを感じる :1
<判定基準>
〔評点の平均点〕 〔判定〕
4.5以上 ◎
3.5以上4.5未満 ○
2以上3.5未満 △
2未満 ×
【0022】
表1から判るように、動粘度が5.0mm
2/s以下のジメチルシリコーンオイルを用いた実施例1、2は塗布時ののびに関し申し分なかった。
【0023】
実験例2
下記表2に示す処方及び下記製法により、クリームファンデーションを調製し、本願発明の必須成分である5.0mm
2/s以下のジメチルシリコーンオイルとそれ以上の動粘度のシリコーンオイルを用いた場合と塗布時の伸びについて比較した。実験例1.に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を併せて表2に示した。
【0024】
【表2】
※8 KF−96L−2cs(信越化学工業株式会社製)
※9 KF−96A−5cs(信越化学工業株式会社製)
【0025】
(製法)
No.1〜8を混合した後、No.9〜12を加えて均一に分散した。これにNo.13〜17の混合水溶液を加え、乳化してクリームファンデーションを得た。
【0026】
表2から判るように、動粘度が5.0mm
2/s以下のジメチルシリコーンオイルを用いた実施例3〜6は塗布時の伸びは申し分なかった。しかし動粘度が10.0mm
2/sのジメチルシリコーンオイルを配合したファンデーションは伸びが極端に悪かった。
【0027】
実験例3
下記表3に示す処方及び下記製法により、クリームファンデーションを調製し、本願発明の必須成分である動粘度が1.5mm
2/sのジメチルシリコーンオイルの配合量を変えて塗布時の伸びを評価した。実験例1.に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を併せて表3に示した。
【0028】
【表3】
※10 KF−56A(信越化学工業株式会社製)
【0029】
(製法)
No.1〜5を混合した後、No.6〜9を加えて均一に分散した。これにNo.10〜14の混合水溶液を加え、乳化してクリームファンデーションを得た。
【0030】
参考例1 化粧下地
配合成分 配合量(重量%)
(1) イソノナン酸イソトリデシル 3.00
(2) デカメチルテトラシロキサン※2 7.00
(3) ジメチルポリシロキサン(10cs)※4 10.00
(4) メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
(5) ポリエーテル変性シリコーン※11 1.00
(6) 側鎖型ポリエーテル変性シリコーン※12 2.50
(7) トリメチルシロキシケイ酸 1.50
(8) ジステアルジモニウムヘクトライト 0.20
(9) 疎水化シリカ※6 2.00
(10)トコフェロール 0.05
(11)シリコーン処理微粒子酸化チタン 3.00
(12)表面処理顔料級酸化チタン※13 5.00
(13)シリコーン処理ベンガラ 0.12
(14)シリコーン処理黄酸化鉄 0.36
(15)シリコーン処理黒酸化鉄 0.06
(16)精製水 残量
(17)1,3−ブチレングリコール 10.00
(18)グリセリン 8.00
(19)キサンタンガム 0.10
(20)硫酸マグネシウム 0.40
(21)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
※11 KF−6016(信越化学工業株式会社製)
※12 KF−6038(信越化学工業株式会社製)
※13 TITANIX JR−800(水酸化AL、シリカ処理、平均粒子径0.27μm:テイカ株式会社製)
【0031】
調製方法:(1)〜(10)を混合した後、(11)〜(15)を加えて均一に分散した。これに(16)〜(21)の混合水溶液を加え、乳化して化粧下地を得た。
【0032】
参考例2 クリームファンデーション
配合成分 配合量(重量%)
(1) ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00
(2) ヘキサデカメチルヘプタシロキサン※8 10.00
(3) シクロペンタシロキサン 8.00
(4) メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
(5) ポリエーテル変性シリコーン※11 1.00
(6) 側鎖型ポリエーテル変性シリコーン※12 2.50
(7) トリメチルシロキシケイ酸 1.50
(8) ジステアルジモニウムヘクトライト 0.20
(9) 疎水化シリカ※6 2.00
(10)トコフェロール 0.05
(11)シリコーン処理微粒子酸化チタン 4.00
(12)表面処理顔料級酸化チタン※14 8.00
(13)シリコーン処理ベンガラ 0.40
(14)シリコーン処理黄酸化鉄 1.60
(15)シリコーン処理黒酸化鉄 0.20
(16)精製水 残量
(17)1,3−ブチレングリコール 10.00
(18)グリセリン 8.00
(19)キサンタンガム 0.10
(20)硫酸マグネシウム 0.40
(21)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
※14 TITANIX JR−301(水酸化AL処理、平均粒子径0.30μm:テイカ株式会社製)
【0033】
調製方法:(1)〜(10)を混合した後、(11)〜(15)を加えて均一に分散した。これに(16)〜(21)の混合水溶液を加え、乳化してクリームファンデーションを得た。
【0034】
参考例3 リキッドファンデーション
配合成分 配合量(重量%)
(1) メチルフェニルポリシロキサン※10 23.00
(2) オクタメチルトリシロキサン※1 10.00
(3) メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4.00
(4) ポリエーテル変性シリコーン※11 1.00
(5) 側鎖型ポリエーテル変性シリコーン※12 2.50
(6) トリメチルシロキシケイ酸 1.50
(7) ジステアルジモニウムヘクトライト 0.10
(8) 疎水化シリカ※6 0.30
(9) トコフェロール 0.05
(10)シリコーン処理微粒子酸化チタン 5.00
(11)表面処理顔料級酸化チタン※15 10.00
(12)シリコーン処理ベンガラ 0.50
(13)シリコーン処理黄酸化鉄 1.80
(14)シリコーン処理黒酸化鉄 0.30
(15)精製水 残量
(16)1,3−ブチレングリコール 10.00
(17)グリセリン 8.00
(18)キサンタンガム 0.10
(19)硫酸マグネシウム 0.40
(20)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
※15 TITANIX JR−405(水酸化AL処理、平均粒子径0.21μm:テイカ株式会社製)
【0035】
調製方法:(1)〜(9)を混合した後、(10)〜(14)を加えて均一に分散した。これに(15)〜(20)の混合水溶液を加え、乳化してリキッドファンデーションを得た。
【0036】
実施例12〜14ともに、塗布時の伸びが良く良好な化粧料であった。