特許第5749050号(P5749050)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749050
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】化学蓄熱器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F28D 20/00 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   F28D20/00 G
   F28D20/00 H
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-61622(P2011-61622)
(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公開番号】特開2012-197967(P2012-197967A)
(43)【公開日】2012年10月18日
【審査請求日】2014年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】591117516
【氏名又は名称】近江鉱業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】志満津 孝
(72)【発明者】
【氏名】望月 美代
(72)【発明者】
【氏名】原 昌司
(72)【発明者】
【氏名】板原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】澤田 勉
(72)【発明者】
【氏名】藤村 崇恒
【審査官】 関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−133588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の化学蓄熱材を含み、多面体構造を有し、真密度比が45%〜63%である化学蓄熱材構造体と、
前記化学蓄熱材構造体を収容する中空部を有すると共に、化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときに、前記中空部の内壁面に少なくとも接触する形状になる前記化学蓄熱材構造体の全ての面を、各面の少なくとも一部において拘束する構造体拘束部材と、
を備えた化学蓄熱器。
【請求項2】
前記構造体拘束部材は、前記化学蓄熱材構造体の多面体構造と同一又は相似の形状の中空部を有し、
前記中空部に前記化学蓄熱材構造体が収容され、収容された化学蓄熱材構造体の全ての面は前記中空部の内壁で拘束されている請求項1に記載の化学蓄熱器。
【請求項3】
前記構造体拘束部材は、前記化学蓄熱材構造体の多面体構造に対応する複数の壁を有し、
前記壁の少なくとも1つは蓄放熱反応媒体が透過する透過壁であり、前記壁の少なくとも1つは熱伝導性の伝熱壁である請求項1又は請求項に記載の化学蓄熱器。
【請求項4】
前記化学蓄熱材は、脱水反応に伴なって吸熱し、水和反応に伴なって放熱する水和反応性蓄熱材である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の化学蓄熱器。
【請求項5】
前記化学蓄熱材は、アルカリ土類金属の水酸化物である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の化学蓄熱器。
【請求項6】
粒状の化学蓄熱材を含み、多面体構造を有し、真密度比が45%〜63%である化学蓄熱材構造体を、該化学蓄熱材構造体に結合した蓄放熱反応媒体の少なくとも一部を脱離した後に、前記化学蓄熱材構造体の全ての面を各面の少なくとも一部において拘束する内部中空の構造体拘束部材に収容する工程を有し、
前記化学蓄熱材構造体を、化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときに、前記構造体拘束部材の中空の内壁面に少なくとも接触する形状にする化学蓄熱器の製造方法。
【請求項7】
前記構造体拘束部材は、前記化学蓄熱材構造体の多面体構造と同一又は相似の形状の中空部を有しており、
前記工程は、蓄放熱反応媒体の少なくとも一部を脱離した後の化学蓄熱材構造体の各面と、前記構造体拘束部材の中空部の各面との間で相似比を維持した状態で、前記化学蓄熱材構造体を収容する請求項に記載の化学蓄熱器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸放熱を担う化学蓄熱材を用いた化学蓄熱器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学反応を利用して熱の吸収、放出を行なうことのできる物質である化学蓄熱材は、従来より広く知られており、種々の分野で利用が検討されている。
【0003】
例えば、多数の気孔を有する生石灰を主体とした化学蓄熱材が開示されており、多数の気孔を有していることにより、穴等の余剰空間が全くない従来の化学蓄熱材に比べ、生石灰から消石灰に変化する過程における体積膨張が吸収され、粒子の破壊、粉化がなくなるとされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、多孔質体の筒状体内に所定の割合で粉体化学蓄熱材を充填した化学蓄熱カプセルや、このような蓄熱カプセルを充填した反応器と熱供給装置とを連結した蓄熱装置が開示されている(例えば、特許文献2〜3参照)。蓄熱システムでは、反応に伴なって熱を系外に導く熱交換が行えることも重要である。筒状体内に充填してカプセル化する場合、カプセル内への充填による熱伝導抵抗の増加や粒子間距離に依存した接触経路の複雑化等で熱律速が生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−225686号公報
【特許文献2】特公平6−80394号公報
【特許文献3】特公平6−80395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、化学蓄熱材を用いたシステムでは、例えば上記のように水酸化カルシウムを化学蓄熱材として用いた場合、システム作動中に酸化カルシウムと水酸化カルシウムとの間の下記の可逆反応を繰り返すことになるが、このとき各粒子は数十%に及ぶ体積の膨張・収縮を伴なう。
CaO + HO ⇔ Ca(OH)
【0007】
そのため、上記従来の技術のように、粒子が気孔を有することである程度の粒子破壊は抑えられることが期待されるが、実際には気孔を有しているだけではその体積変化が大きいために、体積膨張・収縮による影響を吸収しきれないのが実情である。そのため、繰り返される体積変化で、化学蓄熱材を構成する粒子の崩壊を来たす課題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、化学蓄熱材を拘束して体積変化を制限し、体積変化に伴なう化学蓄熱材構造体(成形体)の崩壊が抑制され、蓄熱、放熱を担う可逆反応が安定的に行なわれる化学蓄熱器及びその製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、化学蓄熱材構造体の使用時等において、化学蓄熱材の成形体である化学蓄熱材構造体が、蓄放熱反応媒体の結合又は脱離に伴なう膨張・収縮による体積変化を繰り返すうちに、その体積変化(膨張差)が大きいために崩壊し、所期の形状を維持できない現象は、ある程度の体積変化には追従し、それを越えるような著しい膨張、収縮は制限(拘束)することで改善され、崩壊に至るのを防いで形状を保てるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
【0010】
前記目的を達成するために、第1の発明である化学蓄熱器は、
<1> 粒状の化学蓄熱材を含み、多面体構造を有し、真密度比が45%〜63%である化学蓄熱材構造体と、前記化学蓄熱材構造体を収容する中空部を有すると共に、化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときに、前記中空部の内壁面に少なくとも接触する形状になる前記化学蓄熱材構造体の全ての面を、各面の少なくとも一部において拘束する構造体拘束部材と、を設けて構成されたものである。
【0011】
第1の発明においては、化学蓄熱材構造体が有する複数面(例えば6面体の場合は6面)の全ての面を、各面の少なくとも一部において構造体拘束部材(例えば、化学蓄熱材構造体が収容される構造体拘束部材の中空内部の壁面)と接触させて、化学蓄熱材が膨張・収縮できる空間を規制した状態にすることで、化学蓄熱材構造体の著しい体積変化が制限され、構造体内部の粒子間が適性距離に維持される。具体的には、蓄放熱反応媒体(例えばCa(OH)等の金属水酸化物を用いた場合は水)の結合に伴なう体積膨張時には、大きく膨張し過ぎるのを規制し、また一旦膨張して構造体拘束部材と接した化学蓄熱材構造体はその接触面が構造体拘束部材内壁に付着した状態が形成され、蓄放熱反応媒体の脱離による体積収縮時には、内壁に引っ張られて収縮し過ぎるのが規制される。
そして、 蓄放熱反応媒体の結合が飽和したとき(例えば金属水酸化物の場合は水和量が最大に達したとき)に中空部の内壁面に接触するとは、該結合が飽和状態に達したときに、中空部の内形寸法が、化学蓄熱材構造体の、蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときの外形寸法と等しくなる場合が含まれる。
化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体(例えばCa(OH)等の金属水酸化物を用いた場合は水)の結合が飽和したとき(例えば金属水酸化物の場合は水和量が最大に達したとき)には、体積が最も膨張した状態にあり、この状態に至ったときに中空部壁面に接触あるいは密着する関係が得られることで、体積膨張時に過剰な力が構造体拘束部材にかかるのを抑制することができる。これより、後述のように構造体拘束部材の壁(以下、拘束壁ともいう。)を、蓄放熱反応媒体が透過する透過壁や熱伝導性の伝熱壁で構成した場合の構造強度に対する要求を最小限に留めることができる。
また、中空部の内形寸法と化学蓄熱材構造体の蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときの外形寸法とが等しくなる状態を形成した場合、成形段階にある構造体内部の粒子間距離を略一定に保つことが可能である。その結果、成形体の膨張・収縮に伴なう内部クラックを抑制すると共に、生成したクラックを自己補修することが可能になる。また、外形における曲げ、反りなどの変形を抑制することで外部欠損を抑制する効果が期待でき、収縮時に何らかの欠損が生じた場合にも、膨張時に拘束壁との間の協業により自己補修することができる。
真密度が前記範囲内である場合に化学蓄熱材は粒子同士が結着性を示し、粒子間距離が適性距離に保たれる。これより、蓄放熱反応媒体(例えばCa(OH)等の金属水酸化物を用いた場合は水)の結合反応が良好に進行すると共に、脱水反応時の体積収縮時には、過剰な変形が抑制され、化学蓄熱材構造体の内壁からの界面分離を小さく抑えることができる。
これより、成形物である化学蓄熱材構造体の崩壊が防止される。崩壊抑制により粒子間距離に依存した熱伝導経路が確保され、低熱抵抗が得られ、熱律速が解消されて熱効率の高い化学蓄熱システムを構築することができる。
【0012】
本発明において、「拘束」とは、化学蓄熱材構造体の使用時等における著しい膨張、収縮を制限することを意味する。具体的には、蓄放熱反応媒体(例えば水)の脱離(例えば脱水)による化学蓄熱材構造体の収縮と、蓄放熱反応媒体の結合(例えば水和)に伴なう化学蓄熱材構造体の膨張との差から生じる化学蓄熱材構造体の崩壊を抑制するのに必要とされる程度に、化学蓄熱材構造体にその体積変化を所定の面で制限する状態が形成されていることをいう。構造体拘束部材中に化学蓄熱材構造体の真密度比が45%以上63%以下を満たす範囲で収容された状態が好ましい。
【0013】
<2> 前記<1>に記載の第1の発明に係る化学蓄熱器において、構造体拘束部材は、化学蓄熱材構造体の多面体構造と同一又は相似の形状の中空部を有しており、前記化学蓄熱材構造体が中空部に収容され、収容された化学蓄熱材構造体の全ての面が、中空部の内壁で拘束されている態様が好ましい。
【0014】
化学蓄熱材構造体の膨張・収縮を規制する構造体拘束部材の中空部の形状が、化学蓄熱材構造体の形状と同一あるいは相似関係にあることで、化学蓄熱材構造体に体積変化が生じた場合に、構造体表面の全体(例えば、6面体構造の場合は6面の全て)に亘って膨張・収縮が起きやすい部位が部分的に生じないように一様に規制される。これにより、化学蓄熱材構造体の崩壊をより防ぐことができる。
【0020】
> 前記<1>又は前記<2>に記載の第1の発明に係る化学蓄熱器において、構造体拘束部材として、化学蓄熱材構造体の多面体構造に対応する複数の壁を有し、複数面の内壁で形成された室を有する容器(例えば6つの壁からなる内部中空の6面体)を用い、複数の壁の少なくとも1つを放熱反応媒体が透過する透過壁とし、複数の壁の他の少なくとも1つを熱伝導性の伝熱壁とした形態が好ましい。
【0021】
少なくとも1つが蓄放熱反応媒体(例えばCa(OH)等の金属水酸化物を用いた場合は水)が透過する透過壁であるため、蓄放熱反応媒体の通過抵抗を小さく抑えた反応(例えば水和反応)が可能になり、化学蓄熱の高効率化、高出力化が図れる。また、少なくとも1つが伝熱壁であるため、熱交換が良好に行なえる。
【0022】
> 前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の第1の発明では、化学蓄熱材は、脱水反応に伴なって吸熱し、水和反応に伴なって放熱する水和反応性蓄熱材であることが好ましい。
【0023】
このような水和反応性の蓄熱材で構成される場合に、吸発熱時に生じる体積膨張、体積収縮が大きく、この体積変化で起きやすい割れ等の破損や変形、及びそれに伴なう反応性の低下を効果的に防止することができる。
【0024】
> 前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の第1の発明に係る化学蓄熱器において、化学蓄熱材は、アルカリ土類金属の水酸化物であることが更に好ましい。
【0025】
化学蓄熱材として、アルカリ土類金属の水酸化物を用いるので、上記体積変化が大きいことで本発明の効果がより奏効することに加え、蓄熱・放熱反応(水和・脱水)に対する材料安定性が高い。そのため、長期に亘って安定した蓄熱効果を得ることができる。
【0026】
また、第2の発明である化学蓄熱器の製造方法は、
> 粒状の化学蓄熱材を含み、多面体構造を有し、真密度比が45%〜63%である化学蓄熱材構造体を、該化学蓄熱材構造体に結合した蓄放熱反応媒体の少なくとも一部を脱離した後に、前記化学蓄熱材構造体の全ての面を各面の少なくとも一部において拘束する内部中空の構造体拘束部材に収容する工程を設け
前記化学蓄熱材構造体を、化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体の結合が飽和したときに、前記構造体拘束部材の中空の内壁面に少なくとも接触する形状にして構成されたものである。
【0027】
第2の発明においては、化学蓄熱材構造体における蓄放熱反応媒体が脱離した収縮状態では、化学蓄熱材構造体の体積が減少しているため、構造体拘束部材への収納が容易に行なえる。
そして、小体積の化学蓄熱材構造体を構造体拘束部材へ収納した後、蓄放熱反応媒体を供給して結合させ、体積膨張させることで、構造体拘束部材の中空内部の壁面に密着し、その密着性が高められることで拘束状態が形成される。その後に収縮しても壁面への付着が維持されるので、脱離時にも拘束効果が得られる。
【0028】
> 前記<>に記載の第2の発明に係る化学蓄熱器の製造方法において、構造体拘束部材を、化学蓄熱材構造体の多面体構造と同一又は相似の形状の中空部を設けた構成とし、化学蓄熱材構造体を構造体拘束部材に収容する前記工程は、蓄放熱反応媒体の少なくとも一部を脱離した後の化学蓄熱材構造体の各面と、前記構造体拘束部材の中空部の各面との間で相似比を維持した状態で、前記化学蓄熱材構造体を収容する態様が好ましい。
【0029】
構造体拘束部材の中空部の構造と該中空部に収容される化学蓄熱材構造体の多面体構造とが同一の形状あるいは相似関係にある形状であり、化学蓄熱材構造体とこれを収容する中空部との間で相似比を維持した状態(例えば6面体の場合、3次元座標軸(XYZ軸)の3軸方向における各辺の変位量の比が等比である状態)として化学蓄熱材構造体を収容する過程が設けられることで、収容される化学蓄熱材構造体に対する拘束を均等加重をかけて行なうことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、化学蓄熱材を拘束して体積変化を制限し、体積変化に伴なう化学蓄熱材構造体(成形体)の崩壊が抑制され、蓄熱、放熱を担う可逆反応が安定的に行なわれる化学蓄熱器及びその製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係る化学蓄熱器を示す斜視図である。
図2図1に示す化学蓄熱器の構造を分解して示す分解図である。
図3】成形体を支持する2つのL字型治具が間隔を空けて配置された状態を示す写真である。
図4】(A)は、化学蓄熱材構造体の表面性を厚みの変動(凹凸状態)で概念的に示す断面図であり、(B)は、(A)の目標厚みに対する厚み変動(最大厚み−最小厚み)の比(厚み誤差;%)を真密度比を変化させて示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の化学蓄熱器の実施形態について詳細に説明すると共に、該説明を通じて、本発明の化学蓄熱器の製造方法の実施形態についても詳述する。なお、下記の実施形態において、化学蓄熱材としてアルカリ土類金属の水酸化物である水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いた形態を中心に説明する。但し、本発明においては、下記の実施形態に制限されるものではない。
【0033】
本発明の化学蓄熱器及びその製造方法に係る実施形態を図1図2を参照して説明する。本実施形態は、化学蓄熱材としてCa(OH)の粒状物を用い、これを6面体である直方体に成形した化学蓄熱材構造体を、6壁を有し、そのうち広幅な2壁は水分(蓄放熱反応媒体)を透過する不織布(透過壁)で形成され、他の4つの側壁は熱伝導性のステンレス鋼板(伝熱壁)で形成された6面体容器に収容し、構造体の6面全てが6壁で拘束される構造となっている。
【0034】
図1図2に示すように、本実施形態の化学蓄熱器100は、狭幅長尺状の2つのステンレス鋼材11及び狭幅短尺状の2つのステンレス鋼材13とステンレス鋼製の枠材(不図示)に化学繊維で形成された不織布を取り付けてなる2つの水分透過壁15とを用いて内部中空の6面体構造に形成された構造体拘束容器(構造体拘束部材)30と、この構造体拘束容器に収容され、Ca(OH)の粉体をプレス成形法により成形した直方体のCa(OH)構造体21とを備えている。
【0035】
構造体拘束容器30は、図1図2に示すように、ステンレス鋼材11及びステンレス鋼材13で無端枠の構造を形成する4つの伝熱壁と、ステンレス鋼製の枠材(不図示)に不織布を取り付けてなる2つの水分透過壁(透過壁)15とで形成されたものである。4つの伝熱壁は連結された状態で熱伝導性を有する側壁として設けられている。Ca(OH)構造体21の6面は、構造体拘束容器30の6面の内壁に少なくとも接触した状態となっている。Ca(OH)構造体21が水和反応により膨張すると、構造体の外形は構造体拘束容器30の内壁で規制されることで形状が保たれると共に、内壁との密着が上がり、伝熱壁を介して外部に放熱できるようになっている。また、水和反応時の体積膨張は、Ca(OH)構造体と各内壁との間の僅かな隙間と構造体中の気孔体積分の空間で吸収される。逆に、Ca(OH)構造体21が脱水反応により収縮すると、構造体は内壁との密着により収縮が制限され、形状が保たれる。
【0036】
水分透過壁15は、化学繊維を用いて作製された不織布であり、その枠材の部分でステンレス鋼材11及びステンレス鋼材13と互いに接合されている。水分透過壁15により、構造体拘束容器30の内部に収容されたCa(OH)構造体21での水和反応又は脱水反応の際に発生する水分移動が可能な構成になっている。
【0037】
水分透過壁15には、水分透過が可能な孔を有する板状の材料を制限なく使用することが可能であり、例えばステンレス鋼(例えばSUS316L)製のメッシュ材であってもよい。この場合、メッシュサイズは、特に制限されるものではないが、200メッシュ〜400メッシュの範囲のものが好ましい。また、メッシュ状のものに限られず、他の形状を任意に選択して孔が設けられたものを用いることができる。例えば複数の円形の孔が所定間隔で設けられているものでもよい。
【0038】
また、水分透過壁の材質としては、化学蓄熱材構造体(本実施形態ではCa(OH)構造体)の膨張・収縮に追従又は制限を与えられるものであればよく、蓄放熱反応媒体(本実施形態では水)で腐食、軟化等や錆などの劣化を起こし難いものが好ましい。具体的には、ステンレス鋼材やアルミニウム材などの金属材料、樹脂材料などでもよい。
【0039】
ステンレス鋼材11及びステンレス鋼材13は、蓄放熱反応媒体(本実施形態では水)で腐食、軟化等や錆などの劣化を起こし難く、熱伝導性を付与できる材質が好ましい。例えば、ステンレス鋼材やアルミニウム材などの金属材料が挙げられる。
【0040】
構造体拘束容器30の中空内部は、6面の内壁で50mm×30mm×3mmのサイズに形成されており、中空部の内寸は後述のようにCa(OH)構造体21のサイズとほぼ同サイズとなっている。
【0041】
中空内部の大きさは、目的や収容される化学蓄熱材構造体(本実施形態ではCa(OH)構造体)の種類(すなわち膨張・収縮率)、体積に合わせて任意に選択することができる。
【0042】
本実施形態における構造体拘束容器30は、Ca(OH)構造体21を収容すると共にその6面全体を拘束していることにより、脱水反応に伴なって吸熱し、水和反応に伴なって放熱する際に著しい体積膨張・体積収縮が起きないようになっている。
【0043】
Ca(OH)構造体21が拘束されるとは、Ca(OH)構造体21の使用時等における著しい膨張、収縮を制限することを意味する。本実施形態の場合、脱水反応(蓄放熱反応媒体の脱離)したときのCa(OH)構造体21の収縮と、水和反応(蓄放熱反応媒体の結合)したときのCa(OH)構造体21の膨張との差を、Ca(OH)構造体21の崩壊が抑制される程度に、Ca(OH)構造体21に構造体拘束容器30の器壁が接触して体積変化が小さく制限された状態が形成されていることをいう。
【0044】
−化学蓄熱材−
Ca(OH)構造体21は、化学蓄熱材であるCa(OH)の粒状物(平均一次粒子径6〜8μm)をプレス成形した真密度比57%の成形体である。化学蓄熱材は、化学反応を利用して熱の吸収、放出を行なうことのできる物質であり、構造体内部に粉体として存在させる。化学蓄熱材が粒体又は粒状であるとは、粒子を含む粉末の状態をいう。
【0045】
化学蓄熱材としては、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))のほか、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化バリウム(Ba(OH))及びその水和物(Ba(OH)・HO)などのアルカリ土類金属の無機水酸化物や、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)などのアルカリ金属の無機水酸化物、酸化アルミニウム三水和物(Al・3HO)などの無機酸化物などを挙げることができる。中でも、脱水反応に伴なって吸熱し、水和反応に伴なって放熱する水和反応性蓄熱材が好ましく、特に水酸化カルシウム(Ca(OH))好ましい。また、化学蓄熱材は、上市された市販品を用いてもよい。
【0046】
ここで、水酸化カルシウム(Ca(OH))を例に蓄熱と放熱について説明する。
化学蓄熱材であるCa(OH)は、脱水に伴なって蓄熱(吸熱)し、水和(水酸化カルシウムへの復原)に伴なって放熱(発熱)する構成となる。すなわち、Ca(OH)は、以下に示す反応により蓄熱、放熱を可逆的に繰り返することができる。
Ca(OH) ⇔ CaO + H
またこれに、蓄熱量、発熱量Qを併せて示すと、以下のようになる。
Ca(OH) + Q → CaO + H
CaO + HO → Ca(OH) + Q
【0047】
粒状の化学蓄熱材の平均粒径としては、平均一次粒子径で10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、平均一次粒子径の下限は、0.1μmが望ましい。なお、化学蓄熱材の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱粒度分布計SALD−2000A〔(株)島津製作所製〕を用いてレーザー回折散乱法により測定される。
【0048】
Ca(OH)構造体21の真密度比は57%であるが、化学蓄熱材構造体の真密度比としては、45〜63%の範囲に調節することが好ましい。真密度比とは、気孔を除いた構造体を構成する実質的な成分比率がどの程度であるかを示し、気孔が少ないほど真密度比は高くなる。真密度比が45〜63%の範囲であると、化学蓄熱材は粒子同士が結着性を示し、粒子間距離が適性距離に保たれる。具体的には、真密度が45%以上であると、体積変化を構造体の崩壊等が起きない程度に抑えることができ、また真密度が63%以下であると、堆積膨張できる許容体積が確保され、良好な反応性が得られる。
これにより、Ca(OH)構造体21での水和反応(蓄放熱反応媒体の結合反応)が良好に進行すると共に、脱水反応時の体積収縮時には、過剰な変形が抑制され、Ca(OH)構造体21の内壁からの界面分離を小さく抑えることができる。
本発明における化学蓄熱材構造体の真密度比は、51〜60%の範囲がより好ましく、55〜59%の範囲が特に好ましい形態である。
【0049】
前記真密度比は、化学蓄熱材構造体の質量[g]と体積[ml]とを計測し、計測値をもとに下記式から算出される値である。
真密度比[%]=(質量/体積)/真密度×100
【0050】
また、Ca(OH)構造体21は、50mm×30mm×3mmのサイズに形成されており、構造体拘束容器30の内寸と同サイズに成形されることで、拘束状態が形成されており、成形時の蓄熱材粉体の粒子間距離を略一定に保つことができる。これにより、Ca(OH)構造体21の体積膨張・収縮に伴なう内部クラックの発生が抑制されると共に、発生した内部クラックを自己補修することができる。また、外形上の曲げ、反り等の変形を抑制することで外部欠損が抑制される効果も期待でき、収縮時の欠損は膨張時に自己修復できる効果が得られる。
【0051】
このような観点から、化学蓄熱材構造体は、プレス成形後の外寸が、構造体拘束容器の内寸と同等ないし同等とみなせる範囲にある場合が好ましい。また、化学蓄熱材構造体のプレス成形後の外形が、構造体拘束容器の中空内部の形状と相似の関係にある態様であってもよく、この場合は、蓄放熱反応媒体の少なくとも一部を脱離した後の化学蓄熱材構造体の各面と、構造体拘束部材の中空部の各面との間で相似比を維持した状態にある態様が好ましい。互いに相似比が等しいと、化学蓄熱材構造体を収容し、使用時の化学蓄熱材構造体の膨張、収縮させた場合に、構造体拘束容器の中空部の内壁面に対して良好な密着が得られる。相似比は、対比する形状間で各辺等の比が同じことをさし、例えば、6面体の場合は3次元座標軸(XYZ軸)の3軸方向における各辺の変位量の比が等しいことをいう。この場合、化学蓄熱材構造体の膨潤・収縮したときに、構造体拘束容器30内で各面が均等に拘束される。更に加えて、上記と同様の理由から、Ca(OH)構造体などアルカリ土類金属の水酸化物の化学蓄熱材構造体が用いられ、これが真密度比55〜59%の範囲で充填されている形態が好ましい。
【0052】
化学蓄熱材の化学蓄熱材構造体中における含有比率としては、体積比率では、構造体全体積に対して50体積%以上(構造体全質量に対して50質量%以上)が好ましく、90体積%以上(構造体全質量に対して90質量%以上)がより好ましい。化学蓄熱材の含有量は、50体積%以上又は50質量%以上であると、吸発熱量を高く保つことができる。
【0053】
−有機バインダー−
化学蓄熱材構造体(本実施形態ではCa(OH)構造体21)は、粒状の化学蓄熱材(本実施形態ではCa(OH))と共に、有機バインダーを用いて成形されてもよい。
【0054】
粒状の化学蓄熱材は、一般に粒子同士のくっつきが悪く成形し難いため、構造体成形性の付与(結着成分)のために有機バインダーを併用してもよい。また、有機バインダーの併用により、結晶制御、多孔化なども向上させることができる。
【0055】
有機バインダーとしては、例えば、変性又は未変性の各種ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、水性ウレタン等のウレタン樹脂、デンプンなどの樹脂成分や、ジエチレングリコール(DEG)、エタノールなどの溶剤成分、等を好適に用いることができる。
【0056】
−他の成分−
化学蓄熱材構造体(本実施形態ではCa(OH)構造体21)には、上記した成分以外に、場合により不可避的不純物や添加剤などの他の成分が含有されていてもよい。
【0057】
次に、本実施形態に係る化学蓄熱器100の製造方法について説明する。
本実施形態に係る化学蓄熱器100の作製にあたり、まず、平均一次粒子径dμmの粒状の化学蓄熱材としてCa(OH)を用い、プレス成形して図2に示すように50mm×30mm×3mmのサイズの直方体のCa(OH)構造体(化学蓄熱材構造体)21を作製する(以下、この工程を「構造体準備工程」ともいう。)。プレス成形時の成形条件は、化学蓄熱材の組成や性状及び厚み等の形状に合わせて適宜選択すればよい。
【0058】
本実施形態における構造体準備工程では、Ca(OH)粉をプレス成形により成形体を形成するが、必ずしもプレス成形を行なって準備する必要はなく、市販のCa(OH)の成形体を使用してもよい。成形加工は、プレス成形に限らず、他の成形方法を用いて行なってもよい。
【0059】
図2に示すように50mm×30mm×3mmの断面矩形の筒状の構造体拘束容器(構造体拘束部材)30を用意する。
そして、構造体拘束容器30の開口する一端から、得られたCa(OH)構造体21を、水和水の一部を脱離させて体積収縮を起こさせて例えば49mm×29.4mm×2.94mmのサイズにして挿入し、構造体拘束容器30の開口する前記一端及びその他端を蓋材13で閉塞する(以下、この工程を「構造体収容工程」ともいう。)。
【0060】
構造体拘束容器30は、図1図2に示すように、ステンレス鋼材11及びステンレス鋼材13で無端形状を形成する4つの伝熱壁と、ステンレス鋼製の枠材(不図示)に化学繊維からなる不織布を取り付けてなる2つの水分透過壁(透過壁)15とで形成されたものである。このとき、Ca(OH)構造体21の6面が構造体拘束容器30の6面の内壁に密着はしていないが接触した状態となっている。Ca(OH)構造体21が水和反応して膨張したときには、構造体の外形は内壁で規制されることで形状が保たれ、内壁との密着が上がって伝熱壁を介して外部に放熱することができる。また、水和反応時の体積膨張は、Ca(OH)構造体と各内壁との間の僅かな隙間と構造体中の気孔体積分の空間で吸収される。
【0061】
以上のようにして、化学蓄熱材構造体であるCa(OH)構造体21の6面を、構造体拘束容器30の6面の内壁で拘束した化学蓄熱器が作製される。
【実施例】
【0062】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
化学蓄熱材として、平均一次粒子径が0.8μmの水酸化カルシウム(Ca(OH))の白色粉末(JIS R 9001 等級:特号)を用意し、この白色粉末と、有機バインダーとして前記白色粉末との合計量に対して1質量%となる量のポリビニルアルコール(PVA)と、イオン交換水とを混合し造粒することにより、蓄熱材構造体を作製するための前駆組成物を調製した。
【0064】
なお、平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱粒度分布計SALD−2000A〔(株)島津製作所製〕を用いて、レーザー回折散乱法により測定したものである。
【0065】
得られた前駆組成物をプレス成形法により成形し、縦50mm×横30mm×厚さ3mmのサイズの成形体を得た。このとき、成形時のプレス圧などを制御することで、真密度比を46.8〜64.7%の範囲(このときの密度は1.05〜1.45)で調整し、複数の成形体を作製した。詳細を図4に示す。
【0066】
次いで、各成形体に対して、700℃で60分間の加熱処理(焼成)を施し、前駆組成物中のCa(OH)を脱水すると共に、PVAを除去し、これと同時に雰囲気中の炭酸カルシウムを分解して脱炭酸を施した。
【0067】
次に、上記のような加熱処理を終えた成形体を、その6面を支持することができる所定の治具にセットした。
具体的には、ステンレス鋼板の一方面に、材質が化学繊維の不織布を取り付け、この不織布の上にステンレス鋼製の2つのL字型治具を、その長辺と短辺とが互いに向き合うように図3に示すようにして配置しておき、L字型治具で取り囲まれた中(50mm×30mm×3mm)に、上記の成形体をセットした。続いて、一方面に不織布が取り付けられたステンレス鋼板をさらに1枚用意し、この不織布付のステンレス鋼板を前記成形体上に、その不織布面が成形体と接する向きに重ね合わせた。このようにして、成形体の2つの平面を不織布からなるガス透過性の透過壁で支持されるようにすると共に、4つの側面をL字型治具で支持されるようにした。
【0068】
上記のように、成形体の6面を覆った状態で200℃にて30分間保持し、成形体を水和反応させた。その後、再び加熱して500℃に昇温し15分間保持(脱水・焼成)した後、降温して200℃に保持(水和)した。このように温度を昇降させて焼成、水和させる操作を4回繰り返して行なった。
【0069】
最後に焼成を行なって脱水反応させた後、成形体を不織布から剥離して取り出し、化学蓄熱構造体を作製した。作製された化学蓄熱構造体は、水和量が最大になったときに50mm×30mm×厚さ3mmのサイズになる形状に成形されている。
【0070】
得られた化学蓄熱構造体を、図2に示すようにステンレス鋼材(SUS316L)で形成された50mm×30mm×3mmサイズの、筒断面が矩形の筒状体の中に挿入し、挿入方向における筒状体の底部と天部とをSUS316L製の蓋材13で閉塞し、化学蓄熱器100を作製した。
得られた化学蓄熱器は、使用時等に水和反応を起こして発熱した際に、化学蓄熱構造体は体積膨張し、筒状体及び蓋材と密着された状態が形成される。化学蓄熱構造体が筒状体及び蓋材と密着した状態が形成された後は、体積収縮時にも密着状態が維持され、これより膨張、収縮による体積変化が抑制される。
【0071】
作製した化学蓄熱器について、温度を昇降させて焼成、水和させる操作を4回繰り返して行なった後、筒状体の中から取り出し、ノギスを用いて表面の凹凸を計測した。結果を図4に示す。
【0072】
(比較例1)
実施例1において、4つの側面をL字治具で支持する所定の治具にセットせずに、焼成と水和を行なわせる操作を繰り返した。
その結果、成形体を剥離して取り出した時点で、既に構造体は損壊していた。損壊に至っていない部分に対し、実施例1と同様の方法により表面の凹凸の計測を試みた。
【0073】
図4に示すように、化学蓄熱構造体を治具及び筒状体で拘束した実施例の化学蓄熱器は、繰り返し使用による損壊はみられなかった。即ち、実施例では、対比のために拘束せずに作製を試みた比較例に比べ、表面のたわみやシワ等に伴なう厚み変動が極めて小さく、成形時の形状が維持されていた。このことは、使用時の膨張・収縮に伴なう成形体の崩壊が防止されていることを示す。
【0074】
このように、化学蓄熱構造体は6面全てが金属壁に接して拘束された状態にあることで、反応時の膨張等に伴なう崩壊が防止された。
【0075】
上記の実施形態及び実施例では、化学蓄熱材及びその構造体として、Ca(OH)及びその6面体構造のCa(OH)構造体を中心に説明したが、Ca(OH)や6面体構造に限られるものではなく、Ca(OH)以外の化学蓄熱材、6面体構造以外の多面体構造とした場合にも良好な結果が得られる。
【符号の説明】
【0076】
11,13・・・伝熱壁
15・・・透過壁
21・・・Ca(OH)構造体(化学蓄熱材構造体)
30・・・構造体拘束容器(構造体拘束部材)
図1
図2
図3
図4