【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るインダクタ一体型リードフレームは、
一枚の金属板から作製されたインダクタ一体型リードフレームであって、
複数の配線リードと、前記複数の配線リードの外周の少なくとも一部を囲うとともに前記複数の配線リードを支持する支持枠とを有する、配線リードフレーム部と、
前記配線リードフレーム部から延びるように設けられた、接続リード部と、
前記接続リード部を介して前記配線リードと接続され、かつ、前記複数の配線リードが位置する領域よりも小さい、平面コイル部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
前記インダクタ一体型リードフレームにおいて、
前記平面コイル部は、前記接続リード部から直線状に延びる直行部と、前記直行部の端部と接続され、つづら折り形状に形成されたミアンダ部と、を有するようにしてもよい。
【0010】
前記インダクタ一体型リードフレームにおいて、
前記平面コイル部は、前記金属板の厚さ方向に波打つように形成されているようにしてもよい。
【0011】
前記インダクタ一体型リードフレームにおいて、
前記配線リードフレーム部および前記平面コイル部を囲う外枠部と、前記外枠部と前記配線リードフレーム部とを接続するランナー部と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
前記インダクタ一体型リードフレームにおいて、
前記外枠部に位置合わせ用の孔が設けられているようにしてもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る電子回路モジュールは、
同一平面上に配置され、かつ対向する第1の面および第2の面を有する、複数の配線リードと、
前記配線リードの前記第1の面に実装された電子部品と、
接続リード部を介して前記配線リードと一体に構成され、かつ、前記接続リード部を折り曲げることで前記配線リードの前記第2の面側に設けられた、平面コイル部と、
金属粒子と前記金属粒子を絶縁する絶縁体とを有し、かつ、前記平面コイル部を埋め込むように前記配線リードの前記第2の面に設けられた、磁性体部と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
前記電子回路モジュールにおいて、
前記電子部品を封止するとともに、前記第1の面と平行な樹脂面を有する樹脂部と、
前記配線リードと電気的に接続されるとともに、前記第1の面と平行な端子面を有する外部端子とをさらに備え、
前記樹脂面と前記端子面は面一であるようにしてもよい。
【0015】
前記電子回路モジュールにおいて、
前記平面コイル部は、前記接続リード部から直線状に延びる直行部と、前記直行部の端部と接続され、つづら折り形状に形成されたミアンダ部と、を有するようにしてもよい。
【0016】
前記電子回路モジュールにおいて、
前記平面コイル部は、前記第1の面と垂直な方向に波打つように形成されているようにしてもよい。
【0017】
前記電子回路モジュールにおいて、
前記平面コイル部は、前記配線リードの前記第2の面と平行に設けられているようにしてもよい。
【0018】
本発明の一態様に係る電子回路モジュールの製造方法は、
複数の配線リードと、前記複数の配線リードの外周の少なくとも一部を囲うとともに前記複数の配線リードを支持する支持枠とを有する配線リードフレーム部と、前記配線リードフレーム部から延びるように設けられた接続リード部と、前記接続リード部を介して前記配線リードと接続され、かつ、前記複数の配線リードが位置する領域よりも小さい平面コイル部とを備えるインダクタ一体型リードフレームを、1枚の金属板を加工することにより作製する工程と、
前記接続リード部を折り曲げて、前記平面コイル部が前記配線リードフレーム部の磁性体形成面の上方に配置されるようにする工程と、
前記平面コイル部を埋め込むように、金属粒子と前記金属粒子を絶縁する絶縁体とを有する磁性体部を前記磁性体形成面の磁性体形成領域に形成する工程と、
前記配線リードフレーム部の前記磁性体形成面と逆側の電子部品実装面に電子部品を実装する工程と、
開口部および前記開口部と連結する樹脂流込口が設けられるとともに、前記開口部の辺から突成された複数の凸部を有する端子リードフレームを、1枚の金属板を加工して作製する工程と、
前記凸部が前記支持枠の内縁を跨ぎ前記凸部の少なくとも一部が前記配線リードと電気的に接続され、且つ前記実装された電子部品が前記開口部内に収容されるように、前記端子リードフレームを前記配線リードフレーム部の前記電子部品実装面に重ね合わせる工程と、
前記電子部品実装面に実装された電子部品を樹脂で封止する工程と、
前記樹脂が硬化した後、前記端子リードフレームの前記凸部の少なくとも一部が前記配線リード上に残るように前記端子リードフレームを切り落として前記凸部同士を電気的に分離させるとともに、前記配線リードフレーム部の前記支持枠を切り落として前記配線リード同士を電気的に分離させる工程と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記電子部品を樹脂で封止する工程は、
前記端子リードフレームの開口部と樹脂流込口を覆うように前記端子リードフレームの上に閉塞部材を形成して、前記開口部および前記閉塞部材により凹部を画成する工程と、
前記磁性体形成面側から前記樹脂流込口に樹脂を注入し、前記凹部に樹脂を充填する工程と、
を備えてもよい。
【0020】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記磁性体形成領域を前記支持枠の内縁より内側とし、隣り合う前記配線リード間の隙間の一部を、前記凹部に樹脂を充填する際に発生するエアの放出口としてもよい。
【0021】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記電子部品を樹脂で封止する工程は、
前記端子リードフレームの開口部を覆うように前記端子リードフレームの上に閉塞部材を形成して、前記開口部、前記閉塞部材および前記配線リードフレーム部により封止空間を画成する工程と、
前記磁性体部を収容可能な収容部を有する治具を用意し、前記磁性体部が前記治具の収容部に収容されるように、前記インダクタ一体型リードフレームを前記治具の上に載置する工程と、
前記電子部品実装面側から前記樹脂流込口に樹脂を注入し、前記封止空間に樹脂を充填する工程と、
を備えるようにしてもよい。
【0022】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記封止空間に樹脂を注入する前に、前記治具の収納部と前記封止空間とを繋ぐ前記配線リードフレーム部の貫通孔を前記磁性体形成面側から樹脂で塞いでもよい。
【0023】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記閉塞部材は、粘着テープを前記端子リードフレーム上に貼付する、または、弾性体を前記端子リードフレーム上に押し付けることにより形成してもよい。
【0024】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記磁性体部は、
前記磁性体形成領域の形状と同じ横断面形状の貫通孔を有する上側金型と、平らな上面を有する下側金型と、前記上側金型の貫通孔に嵌合する加圧金型とを有するプレス装置を用意し、
前記配線リードフレーム部の電子部品実装面が前記下側金型の上面に接するように、前記インダクタ一体型リードフレームを前記下側金型に載置し、
前記平面コイル部が前記上側金型の貫通孔内に位置し、かつ前記貫通孔の側面が前記磁性体形成領域の境界線に一致するように、前記インダクタ一体型リードフレームの上に前記上側金型を載せ、
絶縁体の薄層で覆われた金属粒子を含む絶縁磁性粉末を前記上側金型の貫通孔に注ぎ込んで、前記平面コイル部を前記絶縁磁性粉末で埋め込み、
前記加圧金型により前記上側金型の貫通孔内に堆積した絶縁磁性粉末に圧力を印加して加圧成形し、その後、加圧成形された前記絶縁磁性粉末を加熱して硬化させる、
ことにより形成してもよい。
【0025】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記接続リード部を折り曲げる際、前記接続リード部から前記平面コイル部の先端方向に行くにつれて前記平面コイル部と前記配線リードフレーム部との間隔が大きくなるように前記接続リード部を折り曲げておき、
前記加圧金型の圧力により、前記平面コイル部が前記配線リードフレーム部の磁性体形成面に対して平行になるようにしてもよい。
【0026】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記インダクタ一体型リードフレームを作製する際、前記金属板の厚さ方向に波打つように前記平面コイル部を形成してもよい。
【0027】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記インダクタ一体型リードフレームおよび前記端子リードフレームに位置合わせ孔を設けておき、
前記位置合わせ孔にピンを挿入することにより、前記インダクタ一体型リードフレームと前記端子リードフレームとの位置合わせを行ってもよい。
【0028】
本発明の別態様に係る電子回路モジュールの製造方法は、
表面に電子部品実装面が設けられ、前記電子部品実装面に形成された複数の配線パターンと、前記複数の配線パターンを囲う外周部とを有する基板を作製する工程と、
前記基板の電子部品実装面に電子部品を実装する工程と、
開口部および前記開口部と連結する樹脂流込口が設けられるとともに、前記開口部の辺から突成された凸部を有する端子リードフレームを、1枚の金属板を加工して作製する工程と、
前記凸部が前記外周部の内縁を跨ぎ前記凸部の少なくとも一部が前記配線パターンと電気的に接続され、且つ前記実装された電子部品が前記開口部内に収容されるように、前記端子リードフレームを前記基板の前記電子部品実装面に重ね合わせる工程と、
前記電子部品実装面に実装された電子部品を樹脂で封止する工程と、
前記樹脂が硬化した後、前記端子リードフレームの前記凸部の少なくとも一部が前記配線パターン上に残るように前記端子リードフレームを切り落として前記凸部同士を電気的に分離させる工程と、
を備えることを特徴とする。
【0029】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記電子部品を樹脂で封止する工程は、
前記端子リードフレームの開口部と樹脂流込口を覆うように前記端子リードフレームの上に閉塞部材を形成して、前記開口部および前記閉塞部材により凹部を画成する工程と、
前記電子部品実装面の逆側から前記樹脂流込口に樹脂を注入し、前記凹部に樹脂を充填する工程と、
を備えてもよい。
【0030】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記電子部品を樹脂で封止する工程は、
前記端子リードフレームの開口部を覆うように前記端子リードフレームの上に閉塞部材を形成して、前記開口部、前記閉塞部材および前記配線リードフレーム部により封止空間を画成する工程と、
前記基板を平板の上に載置し、前記電子部品実装面側から前記樹脂流込口に樹脂を注入し、前記封止空間に樹脂を充填する工程と、
を備えてもよい。
【0031】
前記電子回路モジュールの製造方法において、
前記閉塞部材は、粘着テープを前記端子リードフレーム上に貼付する、または、弾性体を前記端子リードフレーム上に押し付けることにより形成してもよい。