(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路取付部には、前記制御回路部の熱を放散させる回路放熱部材を介して前記制御回路部が取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の光源固定部材。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車両用前照灯10の構成を示す図である。
図1は、灯具光軸Ax1を含む鉛直面による車両用前照灯10の断面図を示している。車両用前照灯10は、いわゆるロービーム用配光パターンを形成するロービーム用光源として機能する。なお、車両用前照灯10がこれに限られないことは勿論であり、車両用前照灯10がハイビーム用配光パターンを形成するハイビーム光源として機能してもよい。
【0015】
車両用前照灯10は、投影レンズ12、発光モジュール14、リフレクタ16、およびシェード18を備える。投影レンズ12は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後側焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方に投影する。
【0016】
発光モジュール14は、発光装置として機能し、半導体発光素子であるLEDによって構成される発光素子20を有する。なお、発光素子20がLED以外の発光素子によって構成されていてもよくまた、発光素子20に代えて放電灯や白熱灯など他の光源が用いられてもよい。発光モジュール14は、発光素子20が主に上方に光を照射するよう配置される。
【0017】
リフレクタ16は、発光素子20が発した光を反射して集光する反射面16aを有する。リフレクタ16は、反射面16aが発光素子20に対向するよう発光素子20の上方に配置される。シェード18は、シェード部18aおよび連結部18bを有する。シェード部18aは、灯具光軸Ax1を含む平面を有しロービーム用配光パターンの水平線付近のカットオフラインを形成する。なお、シェード部18aの形状は公知であるため説明を省略する。連結部18bは、投影レンズ12とシェード部18aとを連結する。なお、連結部18bは、外部から認識可能な意匠面を構成する意匠部材としても機能する。
【0018】
図2(a)は、第1の実施形態に係る発光モジュール14の構成を示す斜視図であり、
図2(b)は、第1の実施形態に係る発光モジュール14の側面図である。発光モジュール14は、パッケージ30、第1ヒートシンク32、アタッチメント34、およびファン36、カバー40、および制御回路基板42を有する。
【0019】
パッケージ30は、発光素子20を有する。制御回路基板42は、発光素子20の点灯を制御する。第1の実施形態では、制御回路基板42は、プリント配線基板と、当該プリント配線基板に実装される電気部品や素子と、によって構成される。
【0020】
第1ヒートシンク32は、アルミニウムなど放熱性の高い放熱材料によって形成されており、放熱部材として機能する。第1ヒートシンク32は、放熱フィン32aを有し、発光素子20が発する熱を放散させる。第1ヒートシンク32は、アタッチメント34の下面34eに取り付けられる。したがって、アタッチメント34の下面34eは放熱部材取付部として機能する。
【0021】
第1ヒートシンク32の放熱フィン32aは、第1ヒートシンク32の下部に設けられる。放熱フィン32aは、灯具光軸Ax1と垂直な方向に延在するよう設けられる。ファン36は、放熱フィン32aにエアを吹き付けることができるよう、放熱フィン32aの下方において第1ヒートシンク32に取り付けられる。
【0022】
アタッチメント34には、固定コネクタ38が樹脂による一体成形によって一体的に固定されている。固定コネクタ38は、ワイヤコネクタが結合可能に設けられている。また、アタッチメント34には、制御回路基板42を収容すべく下方に凹んだ回路収容部が設けられている。制御回路基板42は、この回路収容部に収容される。制御回路基板42が収容された後、アタッチメント34にカバー40が取り付けられる。なお、カバー40が削除されてもよい。また、カバー40に代えて、回路収容部に制御回路基板42を収容した後、回路収容部に樹脂をモールドしてもよい。
【0023】
制御回路基板42は、灯具光軸Ax1と垂直な方向の長さが、灯具光軸Ax1と平行な方向の長さよりも長くなっている。具体的には、灯具光軸Ax1と垂直な方向の長さが、灯具光軸Ax1と平行な方向の長さの2倍以上長くなっている。このように制御回路基板42を設けることで、発光モジュール14の灯具光軸Ax1方向の長さを抑制でき、車両用前照灯10をさらに小型化することができる。
【0024】
アタッチメント34、制御回路基板42、およびカバー40によってアタッチメントユニット33が構成される。第1の実施形態では、アタッチメント34を第1ヒートシンク32に取り付ける前に、アタッチメント34に制御回路基板42およびカバー40が予め取り付けられ、アタッチメントユニット33として第1ヒートシンク32に取り付けられる。これにより、アタッチメント34と制御回路基板42とが一体的に第1ヒートシンク32に装着され、同時に、第1ヒートシンク32との間にパッケージ30が挟持され装着される。したがってアタッチメント34は、光源である発光素子20を第1ヒートシンク32に固定する光源固定部材として機能する。
【0025】
このように発光モジュール14は、光源である発光素子20と、発光素子20の点灯を制御する制御回路基板42と、が一体的に構成されている。これにより、発光モジュール14を車両用前照灯10に組み込むことで、発光素子20と制御回路基板42とを同時に車両用前照灯10に取り付けることができる。このため、車両用前照灯10の組み立て工数を削減することができる。
【0026】
パッケージ30は、発光素子20、サブマウント基板50、および実装基板52を有する。発光素子20はサブマウント基板50に実装され、サブマウント基板50が実装基板52に実装される。実装基板52には給電のための導電性部材(図示せず)が設けられている。
【0027】
制御回路基板42は、発光素子20よりも灯具前方に配置される。このとき制御回路基板42は、発光素子20よりも灯具前方において、発光素子20が発する光のうち配光パターンの形成に用いられる光の進路を避けて配置される。具体的には、制御回路基板42は、パッケージ30よりも灯具前方且つカバー40の下方に配置される。配光パターンの形成に用いられる光の進路は、カバー40の上に配置されるシェード18のシェード部18aよりさらに上方のため、カバー40の下方に制御回路基板42を配置することで、配光パターンの形成に用いられる光の進路を避けた領域に制御回路基板42を配置することができる。
【0028】
発光モジュール14は、発光素子20の主光軸Ax2が鉛直上方に向くように配置される。なお、主光軸Ax2とは、発光素子20の上面である主発光面の中心を通過する主発光面と垂直な軸をいう。したがって発光モジュール14は、車両用前照灯10の灯具光軸Ax1と、発光素子20の主光軸Ax2とが直交するように配置される。これにより、リフレクタ16に効率的に光を照射することができる。このため、リフレクタ16を介してより適切にロービーム用配光パターンを形成することができる。
【0029】
また、発光素子20は、発光部が制御回路基板42よりも主光軸Ax2方向に突出するよう配置される。発光部とは、発光素子20の主発光面と、主発光面を囲う側面とを含む。これにより、発光部の灯具前方正面に制御回路基板42が位置することを回避でき、制御回路基板42を灯具前方に配置することによる配光パターンの影響を回避できる。
【0030】
カバー40は、制御回路基板42への異物の侵入などを防ぐため、回路収容部の上方の開口部の全部を覆うよう設けられている。したがってカバー40は、制御回路基板42の全面を覆うように設けられている。なおカバー40は、制御回路基板42の一部を覆うよう設けられていてもよい。
【0031】
固定コネクタ38は、ワイヤコネクタ58を結合させるとき、ワイヤコネクタ58が光の進路を避けた領域において、鉛直上方に動かされて結合できるよう、ワイヤコネクタ58を結合する結合部が下方に設けられている。なお、ワイヤコネクタ58の結合方向がこれに限られないことは勿論であり、ワイヤコネクタ58が光の進路を避けた領域で、光の進路に近づく他の方向に動かされて結合できるよう設けられていてもよい。
【0032】
ワイヤコネクタ58は、固定コネクタ38に結合される先端部の反対側からワイヤが出されるよう構成されている。このため、ワイヤコネクタ58が鉛直上方に動かされて固定コネクタ38に結合されることで、ワイヤコネクタ58から出されているワイヤを光の進路からより遠くに位置させることができ、ワイヤが変形し上方に進出することによって配光パターンに影響が及ぶ可能性を抑制できる。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュール14の組み立て方法を示す斜視図である。アタッチメントユニット33は、第2ヒートシンク62をさらに有する。第2ヒートシンク62は、回路載置面62cを有し、この回路載置面62cに発光素子20の点灯を制御する制御回路基板42が取り付けられる。第2ヒートシンク62は、制御回路基板42の熱を放散する放熱部材として機能する。したがって、第1ヒートシンク32および第2ヒートシンク62は、発光素子20および制御回路基板42の熱を放散させる放熱機構として機能する。
【0034】
まず第2ヒートシンク62に制御回路基板42が取り付けられて回路ユニット60が構成される。次に回路ユニット60をアタッチメント34に固定する。回路ユニット60の固定後、ワイヤボンディングなどによって制御回路基板42とアタッチメント34に設けられた導電性部材とを接続する。その後、回路上に封止のための樹脂を充填し、最後にアタッチメント34にカバー40が取り付けられ、アタッチメントユニット33が構成される。
【0035】
図4は、第1の実施形態に係るアタッチメントユニット33の斜視図である。このように第2ヒートシンク62に制御回路基板42が載置されて構成された回路ユニット60が、アタッチメント34に取り付けられることでアタッチメントユニット33が構成される。
【0036】
図5(a)は、回路ユニット60の上面図、
図5(b)は、回路ユニット60の正面図、
図5(c)は、回路ユニット60の右側面図である。第2ヒートシンク62は、回路支持部62aおよび放熱フィン62bを有する。回路支持部62aは、制御回路基板42と略同一の大きさを有する板状に形成される。上面となる回路載置面に制御回路基板42が取り付けられる。
【0037】
放熱フィン62bは、回路支持部62aの下面から下方に延在するよう形成される。第2ヒートシンク62は、制御回路基板42の略中央に対向する部分が、制御回路基板42の両端部近傍に対向する部分よりも下方に突出するよう形成される。具体的には、第2ヒートシンク62の放熱フィン62bは、制御回路基板42の略中央に対向する部分にのみ設けられている。
【0038】
図5(a)に示すように、発熱する主な実装部品は制御回路基板42の中央に実装されている。このため、制御回路基板42の一部に対向して設けられた放熱フィン62bを用いて効率的に制御回路基板42の熱を放散させることができる。
【0039】
図6は、アタッチメント34の上面図である。アタッチメント34は、回路収容部34a、フィン挿入孔34b、スリット34c、開口部34d、およびパッケージ固定部34fを有する。
【0040】
回路収容部34aは、発光素子20の点灯を制御する制御回路基板42が取り付けられる。したがって、回路収容部34aは、回路取付部として機能する。回路収容部34aは、下方に凹むよう設けられ、この底面に回路ユニット60が当接して固定される。スリット34cは、第1ヒートシンク32および第2ヒートシンク62との接触面積を小さくするよう回路収容部34aの底部に形成されている。
【0041】
パッケージ固定部34fは、アタッチメント34の下面34eが第1ヒートシンク32に取り付けられることで、第1ヒートシンク32との間にパッケージ30を挟持してパッケージ30を固定する。これにより発光素子20が固定される。
【0042】
パッケージ固定部34fには、開口部34d、導電性部材64、および板バネ65が設けられている。開口部34dは、発光素子20を下方から通してアタッチメント34の上面よりも突出させるべく形成されている。導電性部材64は、この開口部34dの内部に向かって突出するよう形成されている。導電性部材64は、アタッチメント34の下面34eに第1ヒートシンク32が取り付けられたときに、実装基板52に設けられた発光素子20の電極に接触し、制御回路基板42と発光素子20とを導通させるよう設けられている。板バネ65は、アタッチメント34が第1ヒートシンク32に取り付けられたときにパッケージ30を第1ヒートシンク32に押し付けて固定する。したがって板バネ65は、パッケージ30を押し付ける押し付け部材として機能する。
【0043】
アタッチメント34は、導電性部材64を制御回路基板42への接続部66まで引き回す。したがって、アタッチメント34のうちパッケージ固定部34fから接続部66までの間の部分は、導電性部材64を引き回す引き回し部として機能する。接続部66と制御回路基板42とがワイヤボンディングなどによって接続され、導電性部材64が制御回路基板42に接続される。導電性部材64は、開口部34dから突出する部分と接続部66に露出する部分以外は、アタッチメント34に一体成形されている。
【0044】
アタッチメント34は、導電性部材68を有する。導電性部材68は、固定コネクタ38の接続ピンに接続されている。導電性部材68とこの接続ピンとは一体的に形成されていてもよい。導電性部材68もまた、アタッチメント34と一体成形されている。
【0045】
回路収容部34aに制御回路基板42が取り付けられた後、制御回路基板42と接続部66および導電性部材68とは、ワイヤボンディングにより接続される。これにより、制御回路基板42と発光素子20、および制御回路基板42と固定コネクタ38の接続ピンとが電気的に接続される。
【0046】
図7(a)は、アタッチメントユニット33の上面図であり、
図7(b)は、アタッチメントユニット33の右側面図であり、
図7(c)は、アタッチメントユニット33の裏面図である。なお、
図7(a)〜
図7(c)において、ファン36の図示は省略している。
【0047】
図7(b)および
図7(c)に示すように、放熱フィン32aは、第1ヒートシンク32の下部に設けられ、放熱フィン62bは第2ヒートシンク62の下部に設けられる。
図7(c)に示すように、第1ヒートシンク32には、第2ヒートシンク62の放熱フィン62bを挿入するための開口部32bが設けられている。放熱フィン62bは、この開口部32bに挿入される。
【0048】
第1ヒートシンク32の放熱フィン32aおよび第2ヒートシンク62の放熱フィン62bは、灯具光軸Ax1と垂直な方向に平行に延在するよう設けられている。ファン36は、放熱フィン32aおよび放熱フィン62bにエアを吹き付けることができるよう、放熱フィン32aおよび放熱フィン62bの下方において第1ヒートシンク32に取り付けられる。
【0049】
また、第2ヒートシンク62の放熱フィン62bは、一つ一つが第1ヒートシンク32の放熱フィン32aと一直線上に延在するように配置されている。これにより、放熱フィン62bの間の空間を放熱フィン62bの間の空間に直線状に続かせることができ、エアを円滑に流動させることができる。
【0050】
図8(a)は、
図7(a)のP−P断面図であり、
図8(b)は、
図7(a)のQ−Q断面図である。
図8(a)では、図示されている第2ヒートシンク62の放熱フィン62bよりも手前および奧に第1ヒートシンク32の放熱フィン32aが設けられている。したがって第2ヒートシンク62の放熱フィン62bは、
図8(a)に示す灯具光軸Ax1と平行な方向や、
図8(b)に示す灯具光軸Ax1と垂直な方向など制御回路基板42と平行な方向から見て、第1ヒートシンク32の放熱フィン32aと重なるよう配置される。これにより、第1ヒートシンク32と第2ヒートシンク62とを互いに制御回路基板42と平行な方向から見て重ならないよう配置した場合、すなわち上下の別の位置に配置した場合に比べ、アタッチメントユニット33の高さを抑制できる。このため、第1ヒートシンク32および第2ヒートシンク62の双方を設けることによる発光モジュール14の大型化を抑制することができる。
【0051】
第2ヒートシンク62の放熱フィン62bは、第1ヒートシンク32の放熱フィン32aと略同一位置まで制御回路基板42と垂直な方向に延在する。これにより、両者の高さを異ならせる場合に比べ、高さ方向のスペースを有効に利用することができる。
【0052】
図8(a)に示すように、回路収容部34aには、制御回路基板42の熱を放散させる第2ヒートシンク62を介して制御回路基板42が取り付けられる。このとき第1ヒートシンク32と第2ヒートシンク62とは、アタッチメント34を介して互いに固定される。さらに第2ヒートシンク62は、アタッチメント34の下面34eに第1ヒートシンク32が取り付けられたときに第1ヒートシンク32に非接触となるよう構成される。
【0053】
アタッチメント34の回路収容部34aは、第1ヒートシンク32および第2ヒートシンク62よりも熱伝導率が低い材料によって形成されている。このため、アタッチメント34は、第1ヒートシンク32および第2ヒートシンク62よりも熱伝導率が低い材料によって形成されている。このためアタッチメント34は、発光素子20が発する熱と制御回路基板42が発する熱とを互いに分離する熱分離部材として機能する。これにより、第1ヒートシンク32と第2ヒートシンク62とを近づけて配置することにより、発光素子20および制御回路基板42の一方が発した熱が他方へ伝達することを回避できる。
【0054】
また、放熱フィン62bは、灯具光軸Ax1と平行な方向に見て、制御回路基板42の略中央に対向する部分が下方に延在するように設けられている。一方、制御回路基板42の両端部近傍に対向する部分には放熱フィン62bが設けられていない。熱を発生しやすい部品を制御回路基板42の中央に配置するのは制御回路基板42の端部近傍に配置する場合に比べて一般的に容易である。このように、放熱フィン62bを制御回路基板42の略中央に対向する部分が下方に延在するように設け、さらに制御回路基板42において熱を発生しやすい部品を制御回路基板42の中央に配置することで、制御回路基板42が発生する熱を効率的に放熱フィン62bによって放散させることができる。
【0055】
なお、放熱フィン62bは、制御回路基板42と平行な所定方向に見て、制御回路基板42の略中央以外の他の所定個所に対向する部分が下方に延在するように設けられていてもよい。また、放熱フィン62bは、制御回路基板42の当該所定個所に対向する部分が当該所定個所以外の他の所定個所に対向する部分よりも制御回路基板42と垂直な方向に長く延在するよう設けられていてもよい。
【0056】
図8(b)に示すように、第1ヒートシンク32は、突部32cを有する。突部32cは、発光素子20が制御回路基板42よりも鉛直上方に突出するよう、回路載置面62cから上方に突出して形成される。なお、第1の実施形態では、制御回路基板42の上方にカバー40およびシェード部18aが配置される。このため突部32cは、シェード部18aの上面よりも発光素子20の発光部が上方に位置するよう、回路載置面62cから上方に突出して形成される。
【0057】
図9は、アタッチメントユニット33の上面図において、第1ヒートシンク32の放熱フィン32aが設けられた領域、および第2ヒートシンク62の放熱フィン62bが設けられた領域を表した図である。
【0058】
図9に示すように、第1ヒートシンク32の放熱フィン32aは、制御回路基板42と垂直な方向から見て制御回路基板42の両端部近傍と重なるよう設けられる。上述のように、制御回路基板42の略中央に対向する部分には放熱フィン62bが設けられているが、制御回路基板42の両端部近傍には放熱フィン62bが設けられていない。このため、このスペースに放熱フィン32aを設けることで、放熱フィン32aの配置面積を広げることができる。
【0059】
上述のように、制御回路基板42よりも発光素子20の方が冷却の必要性が大きい。一方、制御回路基板42の面積は一般的に広いため、この制御回路基板42の面積と略同一面積の放熱フィン62bを制御回路基板42の冷却に必要な高さで設けると、発光素子20を冷却するための放熱フィン32aよりも制御回路基板42を冷却するための放熱フィン62bの方が低くなり得る。放熱フィン32aと開口部32bとを制御回路基板42と垂直方向の同じ位置に配置したにもかかわらず両者のフィンの高さが異なると、フィンの高さの違いにより発生するスペースを有効に利用することが困難となる。
【0060】
このように、制御回路基板42を冷却するための放熱フィン62bを制御回路基板42の一部に対向する部分にのみ設け、発光素子20を冷却するための放熱フィン32aを制御回路基板42の他の部分に対向する部分に設けることで、両者の高さの差を抑制しつつ冷却の必要性に応じた面積のフィンを適切に設けることができる。なお、第1ヒートシンク32が制御回路基板42と重なるのが制御回路基板42の端部近傍に限られないことは勿論であり、第1ヒートシンク32は、制御回路基板42と垂直な方向から見て制御回路基板42の他の一部と重なるよう設けられていてもよい。
【0061】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る車両用前照灯100の構成を示す図である。なお、第1の実施形態と同様の個所は同一の符号を付して説明を省略する。車両用前照灯100は、発光モジュール14に代えて発光モジュール102が設けられた以外は、第1の実施形態に係る車両用前照灯10と同様に構成される。
【0062】
図11は、第2の実施形態に係る発光モジュール102の斜視図である。発光モジュール102は、発光装置として機能し、アタッチメントユニット110、パッケージ30、第1ヒートシンク112、およびファン114を有する。アタッチメントユニット110は、制御回路基板120を含む。制御回路基板120は、発光素子20の点灯を制御する。第2の実施形態においても、制御回路基板120は、プリント配線基板と、当該プリント配線基板に実装される電気部品や素子と、によって構成される。このように第2の実施形態においても、発光モジュール102は、光源である発光素子20と、発光素子20の点灯を制御する制御回路基板120と、が一体的に構成されている。
【0063】
第1ヒートシンク112は、アルミニウムなど放熱性の高い放熱材料によって形成されており、放熱部材として機能する。第1ヒートシンク112は、放熱フィン112aを有し、発光素子20が発する熱を放散させる。第1ヒートシンク112は、アタッチメント122の下面に取り付けられる。したがって、アタッチメント122の下面は放熱部材取付部として機能する。
【0064】
第1ヒートシンク112の放熱フィン112aは、第1ヒートシンク112の下部に設けられる。放熱フィン112aは、灯具光軸Ax1と平行な方向に延在するよう設けられる。ファン114は、放熱フィン112aにエアを吹き付けることができるよう、放熱フィン112aの下方において第1ヒートシンク112に取り付けられる。
【0065】
図12は、第2の実施形態に係るアタッチメントユニット110の斜視図である。アタッチメントユニット110は、アタッチメント122、制御回路基板120、およびカバー126を有する。
【0066】
アタッチメント122には、発光素子20の点灯を制御する制御回路基板120を収容すべく下方に凹んだ回路収容部122bが設けられている。回路収容部122bは、制御回路基板120が取り付けられる。したがって、回路収容部122bは、回路取付部として機能する。
【0067】
第1の実施形態では、アタッチメント122を第1ヒートシンク112に取り付ける前に、アタッチメント122に制御回路基板120およびカバー126が予め取り付けられ、アタッチメントユニット33として第1ヒートシンク112に取り付けられる。このときカバー126は、制御回路基板120の上方全体を覆う。なおカバー126は、制御回路基板120の少なくとも一部を覆うよう設けられていてもよい。こうしてアタッチメント122と制御回路基板120とが一体的に第1ヒートシンク112に装着され、同時に、第1ヒートシンク112との間にパッケージ30が挟持され装着される。
【0068】
第2の実施形態では、制御回路基板120は、発光素子20よりも灯具後方に配置される。発光モジュール102は、発光素子20の主光軸Ax2が鉛直上方に向くように配置される。
【0069】
アタッチメント122には、固定コネクタ128が樹脂による一体成形によって一体的に固定されている。固定コネクタ128は、ワイヤコネクタが結合可能に設けられている。固定コネクタ128は、灯具前方に向けてワイヤコネクタを移動させることでワイヤコネクタを結合させることができるよう設けられている。
【0070】
図13(a)は、アタッチメントユニット110の正面図、
図13(b)は、アタッチメントユニット110の右側面図、
図13(c)は、アタッチメントユニット110の裏面図である。アタッチメント122は、パッケージ固定部122a、および回路収容部122b、開口部122cを有する。
【0071】
アタッチメントユニット110は、第2ヒートシンク124をさらに有する。第2ヒートシンク124には、発光素子20の点灯を制御する制御回路基板120が取り付けられる。第2ヒートシンク124は、制御回路基板120の熱を放散する放熱部材として機能する。したがって、第1ヒートシンク112および第2ヒートシンク124は、発光素子20および制御回路基板120の熱を放散させる放熱機構として機能する。
【0072】
パッケージ固定部122aは、アタッチメント122の下面122dが第1ヒートシンク112に取り付けられることで、第1ヒートシンク112との間にパッケージ30を挟持してパッケージ30を固定する。これにより発光素子20が固定される。
【0073】
パッケージ固定部122aには、開口部122c、導電性部材130、および板バネ131が設けられている。開口部122cは、発光素子20を下方から通してアタッチメント122の上面よりも突出させるべく形成されている。導電性部材130は、この開口部122cの内部に向かって突出するよう形成されている。導電性部材130は、アタッチメント122の下面122dに第1ヒートシンク112が取り付けられたときに、実装基板52に設けられた発光素子20の電極に接触し、制御回路基板120と発光素子20とを導通させるよう設けられている。板バネ131は、アタッチメント122が第1ヒートシンク32に取り付けられたときにパッケージ30を第1ヒートシンク112に押し付けて固定する。したがって板バネ131は、パッケージ30を押し付ける押し付け部材として機能する。
【0074】
アタッチメント122は、導電性部材130を制御回路基板120への接続部まで引き回す。したがって、アタッチメント122のうちパッケージ固定部122aから接続部までの間の部分は、導電性部材130を引き回す引き回し部として機能する。接続部と制御回路基板120とがワイヤボンディングなどによって接続され、導電性部材130が制御回路基板120に接続される。導電性部材130は、開口部122cから突出する部分と接続部に露出する部分以外は、アタッチメント122に一体成形されている。
【0075】
図14(a)は、発光モジュール102の正面図、
図14(b)は、発光モジュール102の右側面図、
図14(c)は、発光モジュール102の裏面図である。
図14(b)および
図14(c)に示すように、放熱フィン112aは、第1ヒートシンク112の下部に設けられ、放熱フィン124aは第2ヒートシンク124の下部に設けられる。
図14(c)に示すように、第1ヒートシンク112には、第2ヒートシンク124の放熱フィン124aを挿入するための開口部112bが設けられている。放熱フィン124aは、この開口部112bに挿入される。このとき第2ヒートシンク124は、第1ヒートシンク112に非接触となるよう構成される。
【0076】
第1ヒートシンク112の放熱フィン112aおよび第2ヒートシンク124の放熱フィン124aは、灯具光軸Ax1と平行な方向に平行に延在するよう設けられている。放熱フィン124aを放熱フィン112aと同一方向に延在させることで、エアを円滑に流動させることができる。ファン36は、放熱フィン112aおよび放熱フィン124aにエアを吹き付けることができるよう、放熱フィン112aおよび放熱フィン124aの下方において第1ヒートシンク112に取り付けられる。
【0077】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。