(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
他の測定装置において測定された基準試料についての予め規定された各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す周波数特性データ、並びに当該他の測定装置において当該周波数特性データに基づいて算出された当該基準試料の等価回路についての各パラメータのパラメータ値をそれぞれ入力する入力部と、
測定対象の試料について前記各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す周波数特性データを測定する測定部と、
前記他の装置において測定された前記基準試料についての周波数特性データおよび算出された当該基準試料についての各パラメータ値を入力周波数特性データおよび入力パラメータ値として前記入力部を介して入力する入力処理、前記入力周波数特性データに基づいて、前記基準試料の等価回路についての前記各パラメータのパラメータ値を算出すると共に、当該算出したパラメータ値で当該パラメータ値に対応する前記入力パラメータ値を除算することにより、当該各パラメータについてのパラメータ補正係数を算出するパラメータ補正係数算出処理、前記基準試料について前記各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す周波数特性データを測定周波数特性データとして前記測定部によって測定する周波数特性データ測定処理、前記入力周波数特性データで示される前記インピーダンスを前記測定周波数特性データで示される前記インピーダンスで除算することにより、前記各周波数におけるインピーダンスについてのインピーダンス補正係数を算出すると共に、前記入力周波数特性データで示される前記位相から前記測定周波数特性データで示される前記位相を減算することにより、前記各周波数における位相についての位相補正値を算出する特性データ補正係数算出処理とを実行する処理部とを備え、
前記処理部は、新たな試料についての前記各パラメータを算出する際に、
前記新たな試料について前記周波数特性データ測定処理を実行して、当該試料について前記各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す前記測定周波数特性データを取得する周波数特性データ取得処理と、
前記取得した前記新たな試料についての前記測定周波数特性データで示される前記インピーダンスに前記インピーダンス補正係数を乗算して補正インピーダンスに補正し、かつ当該測定周波数特性データで示される前記位相に前記位相補正値を加算して補正位相に補正して、補正周波数特性データを算出する周波数特性データ補正処理と、
前記補正周波数特性データに基づいて前記新たな試料の等価回路についての前記各パラメータのパラメータ値を算出すると共に、当該算出したパラメータ値に前記パラメータ補正係数を乗算することにより、当該算出したパラメータ値を補正するパラメータ補正処理とを実行する等価回路パラメータ測定装置。
前記入力部は、外部記憶媒体または電気通信回線を介して、前記他の測定装置において測定された前記基準試料についての前記周波数特性データ、および当該周波数特性データに基づいて算出された当該基準試料の等価回路についての前記各パラメータの前記パラメータ値を入力するインターフェース回路で構成されている請求項1記載の等価回路パラメータ測定装置。
他の測定装置において測定された基準試料についての予め規定された各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す周波数特性データ、並びに当該他の測定装置において当該周波数特性データに基づいて算出された当該基準試料の等価回路についての各パラメータのパラメータ値を入力周波数特性データおよび入力パラメータ値としてそれぞれ入力する入力処理と、
前記入力周波数特性データに基づいて、前記基準試料の等価回路についての前記各パラメータのパラメータ値を算出すると共に、当該算出したパラメータ値で当該パラメータ値に対応する前記入力パラメータ値を除算することにより、当該各パラメータについてのパラメータ補正係数を算出するパラメータ補正係数算出処理と、
前記基準試料について前記各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す周波数特性データを測定周波数特性データとして測定する周波数特性データ測定処理と、
前記入力周波数特性データで示される前記インピーダンスを前記測定周波数特性データで示される前記インピーダンスで除算することにより、前記各周波数におけるインピーダンスについてのインピーダンス補正係数を算出すると共に、前記入力周波数特性データで示される前記位相から前記測定周波数特性データで示される前記位相を減算することにより、前記各周波数における位相についての位相補正値を算出する特性データ補正係数算出処理とを実行し、
新たな試料についての前記各パラメータを算出する際に、
前記新たな試料について前記周波数特性データ測定処理を実行して、当該試料について前記各周波数でのインピーダンスおよび位相を示す前記測定周波数特性データを取得する周波数特性データ取得処理と、
前記取得した前記新たな試料についての前記測定周波数特性データで示される前記インピーダンスに前記インピーダンス補正係数を乗算して補正インピーダンスに補正し、かつ当該測定周波数特性データで示される前記位相に前記位相補正値を加算して補正位相に補正して、補正周波数特性データを算出する周波数特性データ補正処理と、
前記補正周波数特性データに基づいて前記新たな試料の等価回路についての前記各パラメータのパラメータ値を算出すると共に、当該算出したパラメータ値に前記パラメータ補正係数を乗算することにより、当該算出したパラメータ値を補正するパラメータ補正処理とを実行する等価回路パラメータ測定方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、等価回路パラメータ測定装置1および等価回路パラメータ測定方法の実施の形態について説明する。
【0016】
最初に、等価回路パラメータ測定装置1(以下、「測定装置1」ともいう)の構成について、図面を参照して説明する。
【0017】
測定装置1は、
図1に示すように、入力部2、測定部3、操作部4、記憶部5、処理部6および出力部7を備え、測定部3に接続された測定対象としての試料8の等価回路についての各パラメータを測定可能に構成されている。本例では一例として、試料8の等価回路は、
図4で示されるように、インダクタンスL、キャパシタンスCおよび抵抗Rの各パラメータで構成されているものとする。
【0018】
入力部2は、他の測定装置(試料8について測定される等価回路は、測定装置1によって測定される等価回路とは相違しているものの検査装置1と同様にして各パラメータL,C,Rで構成されており、この各パラメータL,C,Rを測定可能に構成されている測定装置)において測定された基準試料(例えば、特定の正常な試料8)8rについての予め規定された各周波数でのインピーダンスZ
raおよび位相θ
raをその各周波数に対応付けた周波数特性データD
Fra、並びにこの他の測定装置においてこの周波数特性データD
Fraに基づいて算出された基準試料8rの等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraをそれぞれ入力する。また、入力部2は、入力した周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを処理部6に出力する。また、入力部2は、周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraの入力および処理部6への出力については、処理部6からの要求に応じて実行する。
【0019】
本例では一例として、入力部2は、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶媒体用のインターフェース回路で構成されて、外部記憶媒体9に記憶されている他の測定装置の上記した周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを入力する。なお、RS−232C、GPIB、有線LANまたは無線LANなどの各種の通信方式の電気通信回線に接続されるインターフェース回路で入力部2を構成し、これらの通信方式に従って他の測定装置から電気通信回線を介して伝送されて来る周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを入力(受信)する構成を採用することもできる。
【0020】
測定部3は、プローブ3aを介して試料8(基準試料8rを含む)を接続可能に構成されて、接続された試料8について上記した各周波数(他の測定装置の周波数と同じ周波数)でのインピーダンスZ
rbおよび位相θ
rbをその周波数に対応付けた周波数特性データD
Frbを測定する。また、測定部3は、測定した周波数特性データD
Frbを処理部6に出力する。また、測定部3は、周波数特性データD
Frbの測定および処理部6への出力については、処理部6からの要求に応じて実行する。
【0021】
操作部4は、例えば操作キー(図示せず)を複数備え、操作された操作キーに予め割り当てられた処理を処理部6に対して実行させるための命令データD
cmdを処理部6に出力する。記憶部5は、RAMなどの半導体メモリや、HDD(Hard disk drive)で構成されて、他の測定装置の上記した周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraや、測定部3によって測定された周波数特性データD
Frbなどを記憶する。
【0022】
処理部6は、例えばCPUで構成されて、入力部2および測定部3に対する制御を実行すると共に、補正用データ算出処理およびパラメータ測定処理を実行する。また、処理部6は、パラメータ測定処理において測定した試料8の等価回路についての各パラメータのパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを出力部7に出力する。出力部7は、一例として、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されて、測定されたパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを画面に表示する。なお、表示装置に代えて、外部装置(外部記憶媒体などの外部記憶装置を含む)とのインターフェース回路で出力部7を構成して、この外部装置にパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを出力することもできる。
【0023】
次いで、測定装置1による上記の各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbの測定動作と共に、このパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbの測定方法について図面を参照して説明する。
【0024】
測定装置1では、処理部6が、まず、パラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbの測定に先立ち、
図2に示す補正用データ算出処理50を実行する。この補正用データ算出処理50では、処理部6は、最初に、入力処理を実行する(ステップ51)。なお、この入力処理の実行に際しては、他の測定装置において測定された基準試料8rについての周波数特性データD
Fra、およびこの他の測定装置においてこの周波数特性データD
Fraに基づいて算出された基準試料8rの等価回路についての各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraが記憶された外部記憶媒体9が入力部2に予め接続されているものとする。
【0025】
入力処理では、処理部6は、操作キーに対する操作が行われた操作部4から命令データD
cmd(外部記憶媒体9から周波数特性データD
Fra等の読み込みを指示する命令データ)を入力したときに、入力部2に対して、周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraの外部記憶媒体9からの入力(読み込み)と、入力した周波数特性データD
Fra,および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraの処理部6への出力とを要求する。
【0026】
入力部2は、この処理部6からの要求に応じて、外部記憶媒体9から周波数特性データD
Fra,および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを読み出して、処理部6に出力する。処理部6は、この周波数特性データD
Fra,および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを入力して、周波数特性データD
Fraを入力周波数特性データとして(以下、「入力周波数特性データD
Fra」ともいう)記憶部5に記憶させると共に、各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを入力パラメータ値として(以下、「入力パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rra」ともいう)記憶部5に記憶させる。これにより、入力処理が完了する。
【0027】
処理部6は、上記の入力処理に引き続いて、パラメータ補正係数算出処理を実行する(ステップ52)。このパラメータ補正係数算出処理では、処理部6は、まず、記憶部5に記憶させた入力周波数特性データD
Fraに基づいて、基準試料8rの等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lra1,D
Cra1,D
Rra1を算出する。この場合、処理部6は、測定装置1での等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを算出するための算出アルゴリズム(予め規定されたアルゴリズム)を用いて、入力周波数特性データD
Fraから各パラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを算出して、パラメータ値D
Lra1,D
Cra1,D
Rra1として記憶部5に記憶する。
【0028】
次いで、処理部6は、このパラメータ補正係数算出処理において算出した各パラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbで、各パラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbに対応する入力パラメータ値D
Lra1,D
Cra1,D
Rra1を除算することにより、各パラメータL,C,Rについてのパラメータ補正係数k
L(=D
Lra1/D
Lb),k
C(=D
Cra1/D
Cb),k
R(=D
Rra1/D
Rb)を算出して記憶部5に記憶させる。これにより、パラメータ補正係数算出処理が完了する。
【0029】
続いて、処理部6は、周波数特性データ測定処理を実行する(ステップ53)。この周波数特性データ測定処理に際しては、まず、測定部3に各プローブ3aを介して基準試料8rを接続する。この場合、この基準試料8rとして、他の測定装置において上記の周波数特性データD
Fra等を測定したときに使用した基準試料8rと同じもの(同一の基準試料8r、または同じ特性を示す別の基準試料8r)を使用する。この状態において、処理部6は、操作キーに対する操作が行われた操作部4から命令データD
cmd(測定部3に対して試料8の周波数特性データD
Fb(基準試料8rについては周波数特性データD
Frb)の測定を指示する命令データ)を入力したときに、測定部3に対して、基準試料8rについての周波数特性データD
Frbの測定と、測定した周波数特性データD
Frbの処理部6への出力とを要求する。
【0030】
測定部3は、この処理部6からの要求に応じて、基準試料8rについての周波数特性データD
Frb(各周波数でのインピーダンスZ
rbおよび位相θ
rb)を測定して、処理部6に出力する。処理部6は、この周波数特性データD
Frbを入力して、周波数特性データD
Frbを測定周波数特性データとして(以下、「測定周波数特性データD
Frb」ともいう)記憶部5に記憶させる。なお、基準試料8rについては、測定部3による周波数特性データD
Frbの測定後に、測定部3から取り外される。これにより、周波数特性データ測定処理が完了する。
【0031】
次いで、処理部6は、特性データ補正係数算出処理を実行する(ステップ54)。この特性データ補正係数算出処理では、まず、処理部6は、各周波数における入力周波数特性データD
Fraで示されるインピーダンスZ
raを、対応する周波数における測定周波数特性データD
Frbで示されるインピーダンスZ
rbで除算することにより、各周波数におけるインピーダンスZ
rbについてのインピーダンス補正係数m(=Z
ra/Z
rb)を算出して記憶部5に記憶する。また、処理部6は、各周波数における入力周波数特性データD
Fraで示される位相θ
raから、対応する周波数における測定周波数特性データD
Frbで示される位相θ
rbを減算することにより、各周波数における位相θ
rbについての位相補正値n(=θ
ra−θ
rb)を算出して記憶部5に記憶する。これにより、特性データ補正係数算出処理が完了し、補正用データ算出処理50についても完了する。以上により、測定装置1は、新たな試料8についての等価回路の各パラメータL,C,Rを算出可能な状態となる。
【0032】
このようにして算出されたインピーダンス補正係数mは、一般的には周波数毎に相違する値となり、また位相補正値nについても、一般的に周波数毎に相違する値となる。
【0033】
次に、測定装置1による新たな試料8の等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbの測定動作について説明する。
【0034】
測定装置1では、測定部3に試料8が接続されている状態において、処理部6は、
図3に示すパラメータ測定処理60を実行する。このパラメータ測定処理60では、処理部6は、まず、周波数特性データ取得処理を実行する(ステップ61)。
【0035】
この周波数特性データ取得処理では、処理部6は、操作キーに対する操作が行われた操作部4から命令データD
cmd(測定部3に対して試料8の周波数特性データD
Fbの測定(取得)を指示する命令データ)を入力したときに、測定部3に対して、試料8についての周波数特性データD
Fbの測定と、測定した周波数特性データD
Fbの処理部6への出力とを要求する。
【0036】
測定部3は、この処理部6からの要求に応じて、試料8についての周波数特性データD
Fb(各周波数でのインピーダンスZ
bおよび位相θ
b)を測定して、処理部6に出力する。処理部6は、この周波数特性データD
Fbを入力(取得)して、周波数特性データ(測定周波数特性データ)D
Fbを記憶部5に記憶させる。これにより、周波数特性データ取得処理が完了する。
【0037】
次いで、処理部6は、周波数特性データ補正処理を実行する(ステップ62)。この周波数特性データ補正処理では、処理部6は、取得した新たな試料8についての測定周波数特性データD
Fbで示される各周波数でのインピーダンスZ
bにインピーダンス補正係数mを乗算して補正インピーダンスZ
b1に補正し、かつ測定周波数特性データD
Fbで示される位相θ
bに位相補正値nを加算して補正位相θ
b1に補正する。また、この補正によって算出された補正インピーダンスZ
b1および補正位相θ
b1を補正周波数特性データD
Fb1として記憶部5に記憶させる。
【0038】
これにより、この周波数特性データ補正処理によって得られた補正インピーダンスZ
b1および補正位相θ
b1は、測定装置1で測定している試料8を他の測定装置(上記したステップ51において、入力部2を介して入力した周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを測定した測定装置)で測定したときに得られるインピーダンスZ
a1および補正位相θ
a1に一致させられる(揃えられる)。
【0039】
続いて、処理部6は、パラメータ補正処理を実行する(ステップ63)。このパラメータ補正処理では、処理部6は、まず、補正周波数特性データD
Fb1に基づいて、試料8の等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb1,D
Cb1,D
Rb1を算出する。次いで、処理部6は、算出した各パラメータ値D
Lb1,D
Cb1,D
Rb1に、記憶部5から読み出した各パラメータL,C,Rについてのパラメータ補正係数k
L,k
C,k
Rを乗算することにより、各パラメータ値D
Lb1,D
Cb1,D
Rb1を各パラメータL,C,Rについての最終的なパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbに補正して記憶部5に記憶させる。これにより、パラメータ測定処理60が完了する。
【0040】
この結果、このパラメータ補正処理によって得られたパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbは、測定装置1で測定している試料8を他の測定装置(上記したステップ51において、入力部2を介して入力した周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを測定した測定装置)で測定したときに得られるパラメータ値D
La,D
Ca,D
Raに一致させられる。
【0041】
最後に、処理部6は、算出(測定)した試料8の等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを出力部7としての表示装置の画面に表示させる。
【0042】
このように、この測定装置1および等価回路パラメータ測定方法では、他の測定装置において測定された基準試料8rの周波数特性データ(入力周波数特性データ)D
Fraおよび基準試料8rの等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値(入力パラメータ値)D
Lra,D
Cra,D
Rraと、この入力周波数特性データD
Fraに基づいて測定装置1が算出した等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lra1,D
Cra1,D
Rra1とに基づいて、各パラメータL,C,Rについてのパラメータ補正係数k
L,k
C,k
Rを算出する。また、測定装置1が測定した基準試料8rの周波数特性データD
Frbと他の測定装置において測定された基準試料8rの周波数特性データ(入力周波数特性データ)D
Fraとに基づいて、インピーダンスZ
rbのインピーダンス補正係数mと、位相θ
rbの位相補正値nとを算出する。また、新たな試料8についての周波数特性データ(測定周波数特性データ)D
Fbを測定したときには、測定周波数特性データD
Fbで示される各周波数でのインピーダンスZ
bにインピーダンス補正係数mを乗算して補正インピーダンスZ
b1に補正し、かつ測定周波数特性データD
Fbで示される位相θ
bに位相補正値nを加算して補正位相θ
b1に補正することにより、上記の他の測定装置で測定したときに得られるインピーダンスZ
a1および補正位相θ
a1に一致させ、このインピーダンスZ
a1および補正位相θ
a1(周波数特性データD
Fb1)に基づいて、新たな試料8の等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値D
Lb1,D
Cb1,D
Rb1を算出し、最後に、このパラメータ値D
Lb1,D
Cb1,D
Rb1に各パラメータ補正係数k
L,k
C,k
Rを乗算することにより、上記の他の測定装置でこの試料8を測定したときに得られるパラメータ値D
La,D
Ca,D
Raに一致するパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbに補正する。
【0043】
したがって、この測定装置1および等価回路パラメータ測定方法によれば、他の測定装置と同じ試料8についての等価回路のパラメータL,C,Rについてのパラメータ値を測定したときに、他の測定装置で測定されるパラメータ値D
La,D
Ca,D
Raと同じ値のパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを測定することができる。
【0044】
また、この測定装置1によれば、外部記憶媒体9に記憶されているデータを入力するインターフェース回路で入力部2を構成したことにより、他の測定装置において測定された基準試料8rについての周波数特性データD
Fra、およびこの他の測定装置においてこの周波数特性データD
Fraに基づいて算出された基準試料8rの等価回路についての各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraが記憶されている外部記憶媒体9を入力部2に接続するだけで、この外部記憶媒体9を介して、他の測定装置での周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを短時間で、しかも簡易に入力することができる。
【0045】
なお、上記の例では、他の測定装置において測定された周波数特性データD
Fra、および基準試料8rの等価回路についての各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを1つの測定装置1に入力することにより、他の測定装置と同じ試料8についての等価回路のパラメータL,C,Rについてのパラメータ値を1つの測定装置1で測定したときに、他の測定装置で測定されるパラメータ値D
La,D
Ca,D
Raと同じ値のパラメータ値D
Lb,D
Cb,D
Rbを測定できるように構成しているが、他の測定装置において測定された周波数特性データD
Fra、および各パラメータ値D
Lra,D
Cra,D
Rraを複数の測定装置に入力し、この複数の測定装置において上記した測定装置1と同様にして、試料8の等価回路についての各パラメータL,C,Rのパラメータ値を測定(算出)することにより、他の測定装置で測定されるパラメータ値D
La,D
Ca,D
Raと同じ値のパラメータ値をこの複数の測定装置で測定できるように構成することもできる。
【0046】
また、上記の測定装置1や他の測定装置について、3つのパラメータL,C,Rを含む等価回路の各パラメータ値を算出する例を挙げて説明したが、3つのパラメータL,C,Rのうちの少なくとも1つを含む等価回路の各パラメータを算出する構成とすることもできる。