特許第5749217号(P5749217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5749217カラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749217
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】カラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-123130(P2012-123130)
(22)【出願日】2012年5月30日
(65)【公開番号】特開2013-250315(P2013-250315A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2014年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 惇也
【審査官】 冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−330577(JP,A)
【文献】 特開平08−265703(JP,A)
【文献】 特開2001−187270(JP,A)
【文献】 特開2002−328689(JP,A)
【文献】 特開平11−055659(JP,A)
【文献】 特開平10−105183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
A63F 13/00−13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、当該カラオケ楽曲の演奏に伴い表示される背景映像を、利用者の指示に応じて任意のタイミングで静止表示可能とし、当該静止表示指示タイミングを評価するためのシステムであって、背景映像静止表示手段と、基準静止表示タイミングデータベースと、静止表示指示タイミング評価手段と、評価結果出力手段と、を備え、
前記背景映像静止表示手段は、利用者の指示に応じた静止表示指示タイミングで、表示中の背景映像を静止表示させ、
前記基準静止表示タイミングデータベースは、背景映像毎にその基準静止表示タイミングを記憶し、
前記静止表示指示タイミング評価手段は、前記静止表示指示タイミングと、現に演奏されているカラオケ楽曲に対応した背景映像の基準静止表示タイミングとの差違に基づく評価値を算出し、
前記評価結果出力手段は、前記評価値に基づく評価結果を出力する、
ことを特徴とするカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システム。
【請求項2】
静止表示指示タイミング記憶手段と、静止表示指示タイミング統計手段と、基準静止表示タイミング更新手段と、をさらに備え、
前記静止表示指示タイミング記憶手段は、カラオケ楽曲が演奏される毎に、指示された静止表示指示タイミングを背景映像に対応させて記憶させ、
前記静止表示指示タイミング統計手段は、前記記憶した静止表示指示タイミングの統計値を背景映像毎に算出し、
前記基準静止表示タイミング更新手段は、前記統計値に応じて、前記背景映像毎に前記基準静止表示タイミングを更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ楽曲の演奏を中止することなく、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、当該カラオケ楽曲の演奏に伴い表示される背景映像を、利用者の指示に応じて任意のタイミングで静止表示可能とし、当該静止表示指示タイミングを評価するためのカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケシステムは、カラオケ楽曲の演奏に合わせて背景映像を表示すると共に、この背景映像に歌詞テロップをスーパーインポーズ表示して、歌唱の雰囲気を高めると共に、歌唱の補助を行っている。
【0003】
ところで、連続して表示される背景映像の中に、利用者が気に入った映像カットがあった場合には、当該背景映像を十分に楽しみたいという要望がある。しかしながら、現在のカラオケシステムには、背景映像のみを静止表示させるための仕組みはなく、背景映像を静止表示させるためには楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を停止させなければならない。これでは、歌唱を中断せざるを得ず、歌唱者が歌唱を楽しむというカラオケ本来の目的に反することになる。
【0004】
カラオケシステムに関する技術ではないが、セルフポートレート撮影印刷装置において、利用者が気に入ったポーズを選定することができるようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、人物のモーション映像を記録すると共に、自在に再生して静止ポーズを抽出できるようにしたものである。すなわち、連続的に画像を撮影しておき、利用者が気に入った箇所で静止ポーズ画像を抽出する技術であるが、これをそのまま上述したカラオケシステムに適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−55659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、カラオケ楽曲の演奏に伴い連続して表示される背景映像の中に、利用者が気に入った映像カットがあった場合には、当該背景映像を十分に楽しみたいという要望がある。さらに、このような背景映像の静止表示指示タイミングについて、利用者が静止表示を指示したタイミングをシャッタータイミングとみなし、当該シャッタータイミングに関するセンスを競うというゲームを楽しむことも考えられる。例えば、予めセンスが良いとした基準シャッタータイミングを設定しておき、この基準シャッタータイミングで背景映像を静止表示させた場合には高評価を得ることができ、これ以外のシャッタータイミングで背景映像を静止表示させた場合には高評価を得られないというようなゲームである。
【0007】
このようなゲームでは、予め基準となるシャッタータイミングを設定したリファレンスデータを用意し、利用者が静止表示を指示したタイミングと、リファレンスデータとを比較して、評価を行うことが考えられる。しかし、必ずしも、予め設定したリファレンスデータが利用者全般の嗜好を反映しているとは限らず、適切な評価を行うことができない場合もある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、当該カラオケ楽曲の演奏に伴い表示される背景映像を、利用者の指示に応じて任意のタイミングで静止表示可能とし、当該静止表示指示タイミングを評価するためのカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、利用者全般の嗜好を反映した基準静止表示停止タイミングを設定することが可能なカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムは、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、当該カラオケ楽曲の演奏に伴い表示される背景映像を、利用者の指示に応じて任意のタイミングで静止表示可能とし、当該静止表示指示タイミングを評価するためのシステムであって、背景映像静止表示手段と、基準静止表示タイミングデータベースと、静止表示指示タイミング評価手段と、評価結果出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
背景映像静止表示手段は、利用者の指示に応じた静止表示指示タイミングで、表示中の背景映像を静止表示させるための手段である。基準静止表示タイミングデータベースは、背景映像毎にその基準静止表示タイミングを記憶したデータベースである。静止表示指示タイミング評価手段は、静止表示指示タイミングと、現に演奏されているカラオケ楽曲に対応した背景映像の基準静止表示タイミングとの差違に基づく評価値を算出するための手段である。評価結果出力手段は、評価値に基づく評価結果を出力するための手段である。
【0012】
また、上記した構成に加えて、静止表示指示タイミング記憶手段と、静止表示指示タイミング統計手段と、基準静止表示タイミング更新手段とをさらに備えることが可能である。静止表示指示タイミング記憶手段は、カラオケ楽曲が演奏される毎に、指示された静止表示指示タイミング(時系列的な位置データ)を背景映像に対応させて記憶するための手段である。静止表示指示タイミング統計手段は、記憶した静止表示指示タイミングの統計値を背景映像毎に算出するための手段である。基準静止表示タイミング更新手段は、統計値に応じて、背景映像毎に基準静止表示タイミングを更新するための手段である。
【0013】
このような構成からなるカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムでは、背景映像静止表示手段の機能により、カラオケ楽曲を演奏中に、同時に表示されている背景映像を利用者の指示に応じて静止表示させる。この際、背景映像のみが静止表示され、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示はそのまま進行する。
【0014】
基準静止表示タイミングデータベースには、背景映像の基準静止表示タイミングが、背景映像毎に記憶されている。そして、背景映像が静止表示されると、静止表示指示タイミング評価手段の機能により、静止表示指示タイミングと現に演奏されているカラオケ楽曲に対応した背景映像の基準静止表示タイミングとを比較して、その差違に基づく評価値を算出する。算出された評価値は、評価結果出力手段の機能により評価結果として出力される。評価結果は、表示装置の表示画面に表示されたり、スピーカから音声出力されたりする。
【0015】
また、静止表示指示タイミング記憶手段と、静止表示指示タイミング統計手段と、基準静止表示タイミング更新手段とを備えた場合には、利用者により指示された静止表示指示タイミングの統計値に基づいて、基準静止表示タイミングが更新される。すなわち、静止表示指示タイミング記憶手段の機能により、カラオケ楽曲が演奏される毎に、利用者により指示された静止表示指示タイミングを背景映像に対応させて記憶する。そして、静止表示指示タイミング統計手段の機能により、記憶した静止表示指示タイミングに基づいて、背景映像毎に静止表示指示タイミングの統計値を算出する。さらに、基準静止表示タイミング更新手段の機能により、当該統計値を用いて、背景映像毎に基準静止表示タイミングを更新して、利用者の嗜好を反映する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムによれば、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させたまま、利用者が指示した任意のタイミングで、カラオケ楽曲の演奏に伴い表示されている背景映像を静止表示させることができる。すなわち、背景映像を静止表示させても、カラオケ楽曲の演奏は進行し、また背景映像にスーパーインポーズされている歌詞テロップの表示も進行するため、歌唱者はカラオケ本来の目的である歌唱を楽しむことができると共に、他の利用者も含めて好みの背景画像を楽しむことができる。
【0017】
また、静止表示指示タイミングと基準静止表示タイミングとの差違を評価し、評価結果を出力することにより、利用者に評価結果を報知することができる。これにより、利用者が静止表示を指示したタイミングを、その利用者が画像を撮影するシャッタータイミングとみなし、撮影センスを競うというゲームを楽しむことができる。
【0018】
また基準静止表示タイミング更新手段を備えた場合には、利用者が静止表示を指示したタイミングが基準静止表示タイミングに反映されるため、利用者の平均的な嗜好を反映した基準静止表示タイミングを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムを適用したカラオケ演奏装置の構成を示すブロック図。
図2】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムにおける基準静止表示タイミングの一例を示す説明図。
図3】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムにおける静止表示指示タイミング評価値の一例を示す説明図。
図4】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムにおける静止表示指示タイミングデータベースの一例を示す説明図。
図5】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムにおける基準静止表示タイミングの更新例を示す説明図。
図6】本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システムにおける評価結果の表示例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ背景映像の静止表示指示タイミング評価システム(以下、静止表示指示タイミング評価システムと略記する)の実施形態について説明する。図1図6は本発明の実施形態に係る静止表示指示タイミング評価システムを示すもので、図1は静止表示指示タイミング評価システムを適用したカラオケ演奏装置の構成を示すブロック図、図2は基準静止表示タイミングの一例を示す説明図、図3は静止表示指示タイミング評価値の一例を示す説明図、図4は静止表示指示タイミングデータベースの一例を示す説明図、図5は基準静止表示タイミングの更新例を示す説明図、図6は評価結果の表示例を示す説明図である。
【0021】
<静止表示指示タイミング評価システムの概要>
本発明の実施形態に係る静止表示指示タイミング評価システムは、カラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、当該カラオケ楽曲の演奏に伴い表示される背景映像を、利用者の指示に応じて任意のタイミングで静止表示可能とし、当該静止表示指示タイミングを評価するためのシステムであって、カラオケ演奏装置10に組み込まれて使用される。本実施形態の静止表示指示タイミング評価システムを構成する機能手段は、図1に示すように、背景映像静止表示手段29と、基準静止表示タイミングデータベース24cと、静止表示指示タイミング評価手段30と、評価結果出力手段31とからなる。
【0022】
また、これらの手段に加えて、静止表示指示タイミング記憶手段32と、静止表示指示タイミング統計手段33と、基準静止表示タイミング更新手段34を備えることが可能である。この静止表示指示タイミング評価システムは、カラオケ演奏装置10に組み込まれることにより、カカラオケ楽曲の演奏及び歌詞テロップの表示を継続させながら、背景映像を静止表示させることができると共に、利用者が背景映像の静止表示を指示したタイミングについてそのセンス評価を行うことができる。なお、以下に説明する実施形態では、各手段はカラオケ本体11またはカラオケリモコン装置12の機能手段として構成している。
【0023】
また、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0024】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係る静止表示指示タイミング評価システムを適用するカラオケ演奏装置10は、図1に示すように、カラオケ本体11、カラオケリモコン装置12、スピーカ13、マイクロホン14、表示装置15、ミキシングアンプ16を備えている。
【0025】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置12は、図1に示すように、カラオケ本体11の送受信手段25との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置12は、楽曲検索手段12aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース12b、ユーザインタフェース機能を有する入出力表示部12c、静止映像表示指示手段12dとして機能するプログラム、カラオケ本体11との間でデータの送受信を行うためのプログラム及び電子機器(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置12に付帯するスイッチ類や、入出力表示部12cに表示される各種のアイコン等を操作することにより、背景映像の静止表示操作、選曲操作等が行われる。
【0026】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段12aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース12bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース12bは、カラオケ演奏装置10で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段12aにより楽曲検索を行うと、例えば、カラオケリモコン装置12の入出力表示部12cに、検索結果が一覧表示される。
【0027】
<入出力表示部>
入出力表示部12cは、例えば、タッチセンサを備えた液晶表示装置を備えており、表示画面に種々のアイコン表示等が行われ、アイコン表示等をタッチペンによりタッチすることにより、楽曲の検索、選曲予約、音程キーの変更、ログイン認証、背景映像の静止表示指示等、種々の操作を行うことができる。
【0028】
<静止映像表示指示手段>
静止映像表示指示手段12dは、現在演奏中のカラオケ楽曲と共に表示されている背景映像について、その静止表示を指示するためのプログラムからなる。この静止映像表示指示手段12dは、利用者が入出力表示部12cに表示される背景映像の静止指示ボタン等のアイコンを操作すると、当該時点における背景映像の静止表示信号をカラオケ本体11に送信する。そして、カラオケ本体11では、後に詳述するように、背景映像静止表示手段29の機能により背景映像を静止表示させる。
【0029】
<マイクロホン>
マイクロホン14は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン14から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ16により、音楽再生制御手段から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ13へ出力される。また、マイクロホン14からの音声入力信号をA/Dコンバータ(図示せず)によりデジタル変換し、歌唱採点等に使用してもよい。
【0030】
<表示装置>
表示装置15は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。本実施形態では、表示装置15の表示画面に、背景映像の静止表示指示タイミング評価値を表示するようになっている。
【0031】
<カラオケ本体>
カラオケ本体11は、中央制御手段21、ROM22、RAM23、HDD24、送受信手段25、予約管理手段26、音楽再生制御手段27、映像再生制御手段28、背景映像静止表示手段29、静止表示指示タイミング評価手段30、評価結果出力手段31を備えている。さらに、本実施形態では、静止表示指示タイミング記憶手段32、静止表示指示タイミング統計手段33、基準静止表示タイミング更新手段34を備えることが可能である。
【0032】
<中央制御手段>
中央制御手段21は、カラオケ本体11を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM22等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0033】
<ROM/RAM>
ROM22は、カラオケ本体11を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM23は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM23を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM23を構成してもよい。本実施形態では、RAM23に、予約待ち行列23aが記憶されるようになっている。なお、予約待ち行列23aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等の識別データが紐付けられている場合もある。
【0034】
<HDD>
HDD24は、大容量記憶装置として機能する装置で、楽曲データベース24a、映像データベース24b、基準静止表示タイミングデータベース24c、静止表示指示タイミングデータベース24dが格納されている。なお、HDD24に替えて、あるいはHDD24と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0035】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース24aは、演奏制御データ(MIDI規格データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成したデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース24bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータである。
【0036】
<基準静止表示タイミングデータベース>
基準静止表示タイミングデータベース24cは、背景映像毎に、その基準静止表示タイミングを格納したデータベースである。各背景映像の基準静止表示タイミングは、例えば、図2に示すように、背景映像の基準静止表示タイミングを時系列的に表現したデータからなる。この基準静止表示タイミングに基づいて、静止表示指示タイミング評価手段30における評価値の算出が行われる。
【0037】
また、本実施形態では、基準静止表示タイミング更新手段34の機能により、利用者の指示に応じた背景映像の静止表示指示タイミングの統計値に基づいて、基準静止表示タイミングを更新することができる。
【0038】
<静止表示指示タイミングデータベース>
静止表示指示タイミングデータベース24dは、静止表示指示タイミング記憶手段32の機能により生成されるデータベースであり、図4に示すように、カラオケ楽曲が演奏される毎に、指示された静止表示指示タイミングの時系列的な位置データを背景映像に対応させて記憶したデータベースである。
【0039】
<送受信手段>
送受信手段25は、カラオケ本体11とカラオケリモコン装置12との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体11とカラオケリモコン装置12との間でデータの送受信が行われる。
【0040】
<予約管理手段>
予約管理手段26は、利用者により楽曲検索手段12aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列23aを生成し、この予約待ち行列23aをRAM23に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0041】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段27は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース24aから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ16に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ16は、マイクロホン14から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段27から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ13より出力させるための装置である。
【0042】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段28は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース24bから抽出した背景映像データと、楽曲データベース24aに含まれる歌詞描出データ(歌詞テロップデータ)とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置15に出力するためのプログラムからなる。
【0043】
<背景映像静止表示手段>
背景映像静止表示手段29は、利用者の指示に応じた静止表示指示タイミングで、表示中の背景映像を静止表示させるためのプログラムからなる。背景映像の静止表示は、利用者が静止映像表示指示手段12dの機能により背景映像の一時停止を指示した場合に実施される制御であり、表示装置15の表示画面に静止表示指示タイミングにおける背景映像を静止表示する。
【0044】
なお、背景映像データは連続した映像データであり、背景映像の静止表示が解除された場合には、当該解除された時点におけるカラオケ楽曲の演奏に合致したタイミングで背景映像の表示が再開される。例えば、背景映像が10秒間静止表示され、10秒経過後に背景映像の表示が再開される場合には、静止表示開始から10秒経過後のカラオケ演奏に合わせた背景映像が表示される。すなわち、背景映像の静止表示を解除すると、静止表示時点から背景映像の表示が再開されるのではなく、静止表示時間経過後の時点における背景映像にジャンプして背景映像の表示が再開される。
【0045】
<基準静止表示タイミングデータベース>
基準静止表示タイミングデータベース24cは、背景映像毎にその基準静止表示タイミングを記憶するためのプログラムからなる。こ基準静止表示タイミングデータベース24cの機能により基準静止表示タイミングデータベース24cが生成され、HDD24に格納される。
【0046】
<静止表示指示タイミング評価手段>
静止表示指示タイミング評価手段30は、静止表示指示タイミングと、現に演奏されているカラオケ楽曲に対応した背景映像の基準静止表示タイミングとの差違に基づく評価値を算出するためのプログラムからなる。上述したように、基準静止表示タイミングは、基準静止表示タイミングデータベース24cに格納されている。
【0047】
静止表示指示タイミング評価手段30では、例えば、図3に示すように、静止表示指示タイミングが基準静止表示タイミングに対して前後1秒以内ならば10点、前後1秒以上2秒以内ならば5点、前後2秒以上3秒以内ならば1点、3秒以上の時間であれば0点のように評価値を算出する。
【0048】
<評価結果出力手段>
評価結果出力手段31は、利用者に対して評価値を提示するためのプログラムからなる。例えば、図6に示すように、評価値が10点であれば「Excellent!」の文字、評価点が5点であれば「Good」の文字、評価点が1点であれば「So−So」、評価知が0点であれば「Bad!」のような文字が、表示手段の表示画面に表示される。
【0049】
<静止表示指示タイミング記憶手段>
静止表示指示タイミング記憶手段32は、カラオケ楽曲が演奏される毎に、指示された静止表示指示タイミング(時系列的な位置データ)を背景映像に対応させて記憶するためのプログラムからなる。この静止表示指示タイミング記憶手段32の機能により静止表示指示タイミングデータベース24dが生成され、HDD24に格納される。
【0050】
<静止表示指示タイミング統計手段>
静止表示指示タイミング統計手段33は、記憶した静止表示指示タイミングの統計値を背景映像毎に算出するためのプログラムからなる。すなわち、静止表示指示タイミング統計手段33は、静止表示指示タイミングデータベース24dを参照して、背景映像毎に静止表示指示タイミングの統計値を算出する。
【0051】
なお、静止表示指示タイミングの統計値を算出する場合に、背景映像の表示回数(カラオケ楽曲の演奏回数)の基準値を設け、所定回数以上背景映像が表示された場合(カラオケ楽曲が演奏された場合)に、統計値を算出するようにしてもよい。このように、統計値を算出するための閾値を設けることにより、利用者の平均的な嗜好に基づく統計値を算出することができる。
【0052】
<基準静止表示タイミング更新手段>
基準静止表示タイミング更新手段34は、静止表示指示タイミング統計手段33の機能により算出された統計値に応じて、背景映像毎に基準静止表示タイミングを更新するためのプログラムからなる。すなわち、基準静止表示タイミング更新手段34では、利用者の平均的な嗜好に基づく統計値を用いて、基準静止表示タイミングを書き換える。
【0053】
例えば、図5に示すように、基準静止表示タイミングデータベース24cに格納されている基準静止表示タイミングにおいて、静止表示指示タイミングとして設定されているタイミングからずれて、利用者により静止表示指示タイミングとして指定された回数が所定回数(例えば3回)以上であれば、当該静止表示指示タイミングの統計値(平均値)を基準静止表示タイミングとして、基準静止表示タイミングを書き換える。
【0054】
同様に、所定回数(例えば3回)以上の演奏で、基準静止表示タイミングデータベース24cに格納されている基準静止表示タイミングにおいて設定されていない静止表示指示タイミングが、利用者により静止表示指示タイミングとして指定された場合には、当該静止表示指示タイミングを新たな基準静止表示タイミングとして、基準静止表示タイミングを書き換えてもよい。
【0055】
また、所定回数(例えば3回)以上の演奏で、基準静止表示タイミングデータベース24cに格納されている基準静止表示タイミングにおいて設定されているタイミングが、利用者により静止表示指示タイミングとして一度も指定されない場合には、当該タイミングを基準静止表示タイミングではないものとして削除し、基準静止表示タイミングを書き換えてもよい。
【0056】
<他の実施形態>
本発明の静止表示指示タイミング評価システム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ演奏装置10を単体で動作させるのではなく、ホスト装置にネットワーク接続したカラオケ演奏装置10として動作させてもよい。
【0057】
このように、カラオケ演奏装置10をカラオケ演奏端末としてネットワーク接続し、ホスト装置により管理することにより、ネットワークに接続されたすべてのカラオケ演奏端末における静止表示指示タイミングデータの統計値を求めて、これを各カラオケ演奏端末に配信することにより、より一層的確に、利用者の平均的な嗜好に基づく統計値を得ることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 カラオケ演奏装置
11 カラオケ本体
12 カラオケリモコン装置
12a 楽曲検索手段
12b 楽曲索引データベース
12c 入出力表示部
12d 静止映像表示指示手段
13 スピーカ
14 マイクロホン
15 表示装置
16 ミキシングアンプ
21 中央制御手段
22 ROM
23 RAM
23a 予約待ち行列
24 HDD
24a 楽曲データベース
24b 映像データベース
24c 基準静止表示タイミングデータベース
24d 静止表示指示タイミングデータベース
25 送受信手段
26 予約管理手段
27 音楽再生制御手段
28 映像再生制御手段
29 背景映像静止表示手段
30 静止表示指示タイミング評価手段
31 評価結果出力手段
32 静止表示指示タイミング記憶手段
33 静止表示指示タイミング統計手段
34 基準静止表示タイミング更新手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6