(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態>
〔画像形成装置1及び用紙仕分け装置5の構成〕
まず、
図1〜
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1及び用紙仕分け装置5の構成について説明する。
本実施の形態の画像形成装置1(情報処理装置、コンピュータ)は、例えば複写機やMFPであり、
図1を参照すると、原稿読取部2と、原稿給送部3と、本体部4と、テンキーやボタン等を備えた操作パネル部6とを備えて、外付けの用紙仕分け装置5と接続されている。
原稿読取部2は、本体部4の上部に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上部に配設されている。用紙仕分け装置5は、画像形成装置1の本体部4の、記録用の用紙の排出口41側に配設されている。用紙仕分け装置5は、
図1の例では、画像形成装置1の接地面に対して斜めになるよう接続されている。また、操作パネル部6は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
【0011】
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ、及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
【0012】
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得して、取得した画像データを本体部4に出力する。
また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部4に出力する。
【0013】
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部32に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させることができる。
【0014】
本体部4は、記録部7を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラ44と、排出ローラ45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる用紙を収納する複数の給紙カセット421と、給紙カセット421から用紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラ422とを備えている。
給紙ローラ422、搬送ローラ44、及び排出ローラ45は、搬送部として機能する。用紙は、この搬送部により搬送される。給紙ローラ422によって用紙搬送路43に繰り出された用紙は、搬送ローラ44によって記録部7に搬送される。
そして、記録部7によって記録が施された用紙は、排出ローラ45によって排出口41から用紙仕分け装置5へ排出される。
【0015】
記録部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、画像形成部73と、転写部74と、定着部75とを備えている。露光部72は、レーザ装置やLEDアレイやミラーやレンズ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいて光等を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。
画像形成部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。転写部74は、画像形成部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を用紙に転写させる。定着部75は、転写部74によってトナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させることで記録を行う。
【0016】
図2には、画像形成装置1の概略構成を示すブロック図が示されている。
上述の原稿読取部2、原稿給送部3、搬送部(給紙ローラ422、搬送ローラ44、排出ローラ45)、操作パネル部6、及び記録部7は、制御部8に接続され、制御部8によって動作制御される。
また、制御部8には、記憶部9(記憶手段)及び画像処理部10(画像処理手段、タッチ座標処理手段)が接続されている。
また、搬送部はコネクタ(図示せず)等を介し、用紙仕分け装置5と接続されている。このため、用紙仕分け装置5も、制御部8から制御可能である。
【0017】
制御部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理手段である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。
制御部8及び画像処理部10は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作パネル部6から入力された所定の指示情報に応じて装置全体の制御を行う。
【0018】
記憶部9は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段である。記憶部9には、各種プログラムやデータを記憶している。
また、記憶部9は、印刷用データ91を記憶する。印刷用データ91は、原稿読取部2によって原稿を読み取ることで取得された画像データ、図示しないPC(Personal Computer)から送信された印刷文書のデータ、FAX受信データ等の各種ファイル等である。
【0019】
画像処理部10は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)の制御演算部位である。画像処理部10は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理を行う。
【0020】
なお、画像形成装置1は、LANやWANに接続するためのLANボード等のネットワーク接続部を備えていてもよい。
また、制御部8と画像処理部10とを、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成してもよい。
【0021】
〔用紙仕分け装置5の詳細構成〕
図3を更に参照して、用紙仕分け装置5の詳細構成について説明する。
用紙仕分け装置5は、例えば、フィニッシャやソータに対応する、画像形成装置1に外付けされた用紙仕分け装置である。
用紙仕分け装置5は、画像形成装置1の排出口41から排出された記録済みの用紙を、例えば、用紙の進行方向に対して中央、右、左の3種類の位置(仕分け位置)に、所定枚数毎に仕分けして配置することができる。
【0022】
以下の例においては、本体部4の排出口41から用紙が排出される方向を、用紙の「進行方向」(
図3の下から上方向)とし、この進行方向に直交する左右方向を「仕分け方向」とする。
また、排出口41の側の領域が、用紙が仕分けされる仕分け用配置領域(
図3の下部)となる。その後、仕分け後に用紙が配置される領域が仕分け済み配置領域(
図3の上部)となる。
図3の例では、仕分け用配置領域と仕分け済み配置領域とを分けるために、仕切り壁55を用いている。
【0023】
より詳しく説明すると、用紙仕分け装置5は、記録済みの用紙が配置される排出トレイ57に、左側用紙検知センサ51(第1の用紙検知センサ)、右側用紙検知センサ52(第2の用紙検知センサ)、進行ローラ53、仕分けローラ54、仕切り壁55、用紙留め56、制御部58、仕分け位置カウンタ59を備えている。
左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52は、例えば、赤外線/レーザ等を用いた光学センサや圧力センサや超音波センサ等の用紙検知センサであり、紙や障害物が配置された場合に検知することができる。
左側用紙検知センサ51は、仕分け用配置領域の左側で用紙の端を検知する。つまり、左側用紙検知センサ51は、後述するように、用紙が仕分けローラ54で右側に移動させた際に、左側の用紙の端を検知する。
右側用紙検知センサ52は、仕分け用配置領域の右側で用紙の端を検知する。つまり、右側用紙検知センサ52は、後述するように、用紙が仕分けローラ54で左側に移動させた際に、右側の用紙の端を検知する。
【0024】
進行ローラ53は、例えばブチルゴムやエラストマー等の回転部と、ステッピングモータ等の駆動部とを備える用紙送り用のローラである。
進行ローラ53は、制御部58の制御信号により用紙を進行方向へ移動させる。
【0025】
仕分けローラ54は、進行ローラ53と同様の回転部と駆動部を備える用紙送り用のローラである。
仕分けローラ54は、制御部58の制御信号により、用紙を進行方向の左右方向、つまり仕分け方向に移動させる。この際、仕分けローラ54は、進行方向を軸として時計回りに回転すると、用紙を右に移動させる。また、仕分けローラ54は、進行方向を軸として反時計回りに回転すると、用紙を左に移動させる。
【0026】
仕切り壁55は、仕分け位置に移動された用紙が、仕分け済み配置領域に移動された際に、仕分け済み配置領域に留めるための部材である。
仕切り壁55は、排出トレイ57の用紙の配置面を底面として、仕分け済み配置領域に向かって上昇する斜面を備える三角柱のような形状とすることができる。
すなわち、進行ローラ53の進行方向への回転により移動された用紙は、仕切り壁55の斜面を上昇して超え、仕分け済み配置領域に配置されて留められる。
【0027】
用紙留め56は、排出口41から排出された用紙が、排出トレイ57の仕分け用配置領域に一旦留まるように配置するための仕切り板等の部材である。
なお、上述の
図1では排出トレイ57が接地面に対して斜めであるように記載したが、仕分け済み配置領域が接地面に対して平行の場合等、移動された用紙がずり落ちないように配置できる場合は、仕切り壁55を用いない構成も可能である。
【0028】
制御部58は、
図2に記載された用紙仕分け装置5のMPU(Micro Processing Unit)や電子回路等の制御手段である。
制御部58は、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52の検知結果によって、進行ローラ53と仕分けローラ54との回転の制御を行い、用紙を仕分け方向の複数の仕分け位置に仕分けるよう制御する。
制御部58は、右又は左の仕分け位置に仕分ける場合、仕分けローラ54を対応する仕分け方向に回転して用紙を移動させ、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52のいずれかが用紙を検知しなくなった際に仕分けローラ54を停止させる。制御部58は、中央の仕分け位置に仕分ける場合、仕分けローラ54は停止させたままにする。この上で、制御部58は、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52が用紙を検知しなくなるまで進行ローラ53により、用紙を移動させる。
【0029】
仕分け位置カウンタ59は、用紙仕分け装置5における仕分けの位置を示す値(以下、「仕分け位置値」という。)、及び同じ仕分け位置に仕分けを行うための所定枚数が記憶される記憶部位である。
仕分け位置カウンタ59は、例えば、用紙仕分け装置5にて3種類の位置に仕分けが可能であった場合、「0」「1」「2」のように、3種類の仕分け位置値を用いることができる。また、仕分け位置カウンタ59は、所定枚数として、文書、FAX、複写等で一度に印刷(記録)される単位である「ジョブ」毎の記録枚数を用いることができる。
なお、仕分け位置カウンタ59は、仕分けの位置を2進数の各ビットに対応して表現することもできる。つまり、用紙仕分け装置5の配置位置の中央、右、左にそれぞれ対応して、「00」「01」「10」のような2ビットの仕分け位置値を用いて、仕分の位置を表現することもできる。この場合、制御部58は、仕分け位置カウンタ59の仕分け位置値を、「00」−>「01」−>「10」−>「00」−>「01」のように、ジョブ毎に変化させて記憶する。これにより、仕分け位置値に対応させて進行ローラ53及び仕分けローラ54の制御を行う回路が簡易になり、コストを低減することができる。
【0030】
〔画像形成装置1及び用紙仕分け装置5による仕分け処理〕
次に、
図4〜
図7を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1及び用紙仕分け装置5による仕分け処理の説明を行う。
本実施形態の画像形成装置1及び用紙仕分け装置5は、仕分け処理により、記録された用紙を、所定枚数単位で仕分けて配置することができる。
本実施形態の仕分け処理は、画像形成装置1の制御部8の指示により、用紙仕分け装置5の制御部58が、ハードウェア資源を用いて各部を制御することで実現する。
以下の仕分け処理では、ジョブA、B、Cの3種類に対応して、仕分け位置を3種類に変更する例について説明する。つまり、仕分け位置カウンタ59は、中央、右、左に対応した、それぞれ「0」「1」「2」の仕分け位置値を備えることができる。本実施形態では、この仕分け位置値は、ジョブA、B、Cに、それぞれ対応している。また、ジョブA、B、Cで仕分ける用紙をそれぞれ、用紙101、102、103とする。つまり、仕分け位置カウンタ59の仕分け位置値が「0」の場合は、ジョブAに対応し、仕分け済み配置領域(
図3)の中央に用紙101を配置する。また、仕分け位置値が「1」の場合は、ジョブBに対応して、仕分け済み配置領域の右側に用紙102を配置する。また、仕分け位置値が「2」の場合は、ジョブCに対応して、仕分け済み配置領域の左側に用紙103を配置する。
以下で、
図4のフローチャート及び
図5〜
図7の概略平面図を参照して、本実施形態の仕分け処理を、ステップ毎に詳しく説明する。
【0031】
(ステップS101)
まず、用紙仕分け装置5の制御部58は、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52の両方で用紙を検知したか否かについて判定する。
Yes、すなわち、排出口41から排出された用紙101、102、103を左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52で検知した場合、制御部58は処理をステップS102に進める。これは、
図5(a)、
図6(a)、
図7(a)の状態にあたる。
No、すなわち、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52のいずれでも用紙101、102、103を検知しなかった場合、制御部58は、処理をステップS101のまま、待機する。
【0032】
(ステップS102)
次に、用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分け位置カウンタ59の値が「1」及び「2」のいずれかであるか、それ以外であるかについて判定する。つまり、制御部58は、ジョブBにて右に仕分けする/ジョブCにて左に仕分けするか否かについて判定する。
Yes、すなわち、仕分け位置カウンタ59の値が、「1」又は「2」であった場合、制御部58は、処理をステップS103に進める。
No、すなわち、仕分け位置カウンタ59の値が、それ以外である「0」であった場合には、制御部58は、処理をステップS109に進める。なお、この場合は、ジョブAにて中央に仕分けを行う。
【0033】
(ステップS103)
用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分け位置カウンタ59が「1」であったか否かについて更に判定する。つまり、制御部58はジョブBであるか否かについて判定する。
Yes、すなわち、仕分け位置カウンタ59の値が「1」であった場合に、制御部58は、処理をステップS104に進める。
No、すなわち、仕分け位置カウンタ59の値がそれ以外の「2」であった場合に、制御部58は、処理をステップS106に進める。
【0034】
(ステップS104)
仕分け位置カウンタ59の値が「1」であった場合に、用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分けローラ時計回り処理を行う。これは、ジョブBに対応する。
具体的に、制御部58は仕分けローラ54を時計回りに回転させて、仕分け用配置領域(
図3)に配置された用紙102を右側に移動させる。
【0035】
(ステップS105)
次に、用紙仕分け装置5の制御部58は、左側用紙検知センサ51が用紙102を検知しなくなった(Yes)か否か(No)について判定する。制御部58は、用紙102が右側の仕分け位置に到達したことを、左側用紙検知センサ51にて検知する。
Yesの場合、制御部58は処理をステップS108に進める。この状態が
図6(b)に対応する。
Noの場合、制御部58は処理をステップS104に戻して、用紙を更に右側へ移動させる。
【0036】
(ステップS106)
仕分け位置カウンタ59の値が「2」であった場合に、用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分けローラ反時計回り処理を行う。これは、ジョブCに対応する。
制御部58は、仕分けローラ54を反時計回りに回転させ、仕分け用配置領域(
図3)に配置された用紙103を左側に移動させる。
【0037】
(ステップS107)
次に、用紙仕分け装置5の制御部58は、右側用紙検知センサ52が用紙103を検知しなくなった(Yes)か否か(No)について判定する。制御部58は、用紙103が左側の仕分け位置に到達したことを、右側用紙検知センサ52にて検知する。
Yesの場合、制御部58は処理をステップS108に進める。この状態が
図7(b)に対応する。
Noの場合、制御部58は処理をステップS106に戻して、用紙を更に左側へ移動させる。
【0038】
(ステップS108)
用紙102又は103が右又は左にそれぞれ充分に移動された場合、用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分けローラ回転停止処理を行う。
具体的には、制御部58は、仕分けローラ54を停止させる。この上で制御部58は、処理をステップS109に進める。
【0039】
(ステップS109)
ここで、用紙仕分け装置5の制御部58は、進行ローラ回転処理を行う。
具体的には、制御部58は、進行ローラ53を進行方向へ回転させて、仕分け用配置領域の用紙101、102、103を、仕切り壁55を超えた仕分け済み配置領域に移動させる。
【0040】
(ステップS110)
次に、用紙仕分け装置5の制御部58は、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52の両方で用紙101、102、103が未検知になったか否か判定する。ここでは、制御部58は、用紙101、102、103が、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52で未検知になった場合、用紙101、102、103の仕分け済み配置領域へ移動したとして、Yesと判定する。つまり、用紙101、102、103が慣性等で仕切り壁55を超えたものと判断する。それ以外の場合、制御部58は、Noと判定する。
Yesの場合、制御部58は、処理をステップS111に進める。この状態が、
図5(b)、
図6(c)、
図7(c)に対応する。
Noの場合、制御部58は、まだ用紙を移動途中であるとして、処理をステップS109に戻す。
【0041】
(ステップS111)
左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52の両方で用紙が未検知になり、用紙101、102、103の移動が終了した場合、用紙仕分け装置5の制御部58は、進行ローラ回転停止処理を行う。
ここでは、制御部58は、進行ローラ53を停止するよう制御する。
【0042】
以上の仕分けと用紙の移動についてまとめると、仕分け位置カウンタ59の値が「0」でジョブAであった場合、制御部58は、用紙101を仕分け方向に移動させず、そのまま仕分け済み配置領域に移動させる。
また、仕分け位置カウンタ59の値が「1」でジョブBであった場合、制御部58は、用紙102を右の仕分け位置に移動させた上で、仕分け済み配置領域に移動させる。
また、仕分け位置カウンタ59の値が「2」でジョブCであった場合、制御部58は、用紙103を左の仕分け位置に移動させた上で、仕分け済み配置領域に移動させる。
【0043】
なお、制御部58は、特に、仕分け位置カウンタ59の値が「0」でありジョブAであった場合、進行ローラ53を、いちいち停止させないよう制御することもできる。
さらに、制御部58は、進行ローラ53と仕分けローラ54とを同時に回転させるような制御を行うこともできる。
【0044】
(ステップS112)
ここで、用紙仕分け装置5の制御部58は、所定枚数の仕分けが完了したか否かについて判定する。
この処理において、制御部58は、仕分けに係る所定枚数の用紙を仕分けした場合、Yesと判定し、そうでない場合にはNoと判定する。本実施形態の場合、制御部58は、1つのジョブに係る全ての用紙への印刷が終了した場合にYesと判定する。
Yesの場合、制御部58は、処理をステップS113に進める。
Noの場合、制御部58は、処理をステップS101に戻して、同じジョブに係る次の記録済み用紙の排出を待つ。
【0045】
(ステップS113)
所定枚数の仕分けが完了した場合、用紙仕分け装置5の制御部58は、仕分け位置値増加処理を行う。
具体的に、制御部58は、仕分け位置カウンタ59をインクリメントさせ、仕分け可能な位置の仕分け位置値を超えたら、「0」に戻す。
すなわち、本実施例において、制御部58は、ジョブが完了した後で、仕分けの位置に対応する仕分け位置値を「0」−>「1」−>「2」−>「0」の順で切り換えることができる。つまり、ジョブCが完了した後のジョブDではジョブAと同様の処理を行い、次のジョブEではジョブBと同様の処理を行い、次のジョブFではジョブCと同様の処理を繰り返す。これにより、ジョブ毎の用紙仕分けを実現する。
【0046】
(ステップS114)
次に、全ての仕分けが完了したか否かについて判定する。用紙仕分け装置5の制御部58は、記憶部9のジョブに係る記録を全て終えた場合、すなわち印刷するジョブがない場合は、Yesと判定する。それ以外の場合はNoと判定する。
Yesの場合、制御部58は、仕分け処理を終了する。
Noの場合、制御部58は、処理をステップS101に戻し、次のジョブにより排出口41から用紙が排出されるまで待つ。そして、用紙が排出された場合、制御部58は、ステップS101から仕分け処理を再び実行する。
【0047】
なお、制御部58は、画像形成装置1の電源が切れたり、省電力モードになったり、所定時間使用されなかったりした場合には、仕分け位置カウンタ59の仕分け位置値を、「0」にリセットすることが好適である。
以上により、仕分け処理を終了する。
【0048】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来技術1は、排出口の手前に記録部があって組み込みが難しいものの、複雑な構造が必要であり、高価な部品を用いる必要があった。
これに対して、本実施形態の用紙仕分け装置5は、複雑で高価な部品を必要とすることなく、一般向けの画像形成装置1で記録された用紙の仕分けを実現することができる。
また、従来技術1は、排出口で用紙シフトを行うため、仕分けを行うと用紙の排出のスピードを落とす必要があった。
これに対して、本実施形態の用紙仕分け装置5は、画像形成装置1で記録した用紙の排出速度を落とす必要がなく、高速な印刷を行うことができる。
さらに、従来技術1では、排出口付近の内部で定着後の用紙をシフトさせると紙詰まりの可能性があった。
これに対して、本実施形態の用紙仕分け装置5は、画像形成装置1の排出口41からの用紙の排出後に仕分けすることで、紙詰まりの可能性を低くすることができる。
【0049】
このように、本発明の実施の形態に係る用紙仕分け装置5は、進行ローラ53、仕分けローラ54、左側用紙検知センサ51、右側用紙検知センサ52、及び仕切り壁55を仕分け機構として用いて用紙を仕分けることができる。
用紙仕分け装置5により、少ない部材を用いた仕分け機構を用いるため、コストを削減することが可能になる。また、視認性よく用紙を仕分けることができ、ユーザーの利便性を高めることができる。
また、画像形成装置1の仕分け位置カウンタ59の情報による制御で、所定枚数の用紙を、例えばジョブ毎に仕分けることが可能である。これにより、ユーザーの利便性を高めることができる。
【0050】
また、上述の実施の形態では、左側用紙検知センサ51と右側用紙検知センサ52とを備えていたところ、このいずれかのみ備える構成も可能である。この場合は、中央、及び右若しくは左のいずれかの2種類の仕分けを行う。
さらに、用紙の進行方向にセンサを備えて、進行方向に対して左右だけでなく、前後方向に仕分けるように構成してもよい。
また、上述のセンサとして、仕分け位置、用紙のサイズ、記録の向き等にそれぞれ対応して、複数のセンサを備えていてもよい。つまり、2つより多い用紙検知センサを用いてもよい。
さらに、制御部58は、印刷中は進行ローラ53を回転させておくこともできる。この上で、制御部58は、左側用紙検知センサ51及び右側用紙検知センサ52で用紙を検知したら、進行ローラ53を停止させるように構成してもよい。
【0051】
また、上述の実施の形態では、ジョブ毎に仕分け位置カウンタ59を変化させるように構成したが、これに限られない。
たとえば、仕分け位置カウンタ59に「仕分けモード」についても記憶して、制御部8はこの仕分けモードに従って進行ローラ53と仕分けローラ54とを制御することができる。この仕分けモードとしては、上述のようにジョブ単位で仕分けの位置を変化させる「ジョブ毎仕分け位置変更モード」、一枚〜所定枚数単位に仕分の位置を変化させる「ジョブ内仕分け位置変更モード」、そもそも仕分けを行わない「仕分けなしモード」等をジョブ毎に用いることができる。
この仕分けモードは、操作パネル部6によるユーザーの指示や、図示しないPCのドライバ設定等で変更できる。つまり、「ジョブ毎仕分け位置変更モード」の場合、制御部8は、仕分け位置カウンタ59に、例えば3種類のジョブに対応した仕分け位置値を記憶し、ジョブの変更毎に仕分け位置値を変化させる。「ジョブ内仕分け位置変更モード」の場合は、制御部8は、一枚〜所定枚数単位に仕分け位置値を変化させて、仕分の位置を変化させる。また、「仕分けなしモード」の場合、制御部8は、仕分け位置カウンタ59の仕分け位置値を、例えば「0」に固定する。
これにより、柔軟な仕分けが可能となる。
なお、用紙仕分け装置5に図示しないスイッチ等を備えて、仕分け位置、所定枚数、及び仕分けモードを変更することもできる。
【0052】
また、上述の実施の形態では用紙仕分け装置5を外付けの装置として記載した。しかしながら、画像形成装置1と用紙仕分け装置5とを一体的に構成してもよい。
また、進行ローラ53及び仕分けローラ54の制御を、各用紙検知センサの取得信号により、回路で行うように構成し、本体部4からの仕分け位置値の指示がなくても仕分けを行うように構成してもよい。さらに、図示しないPC等から、仕分けの制御を直接行うような構成も可能である。この場合には、仕分け位置カウンタは、当該PCの画像形成装置1のドライバに係る記憶領域に記憶することができる。
また、上述の実施の形態では、用紙の排出された方向を進行方向として記載したが、これに限られない。たとえば、仕分け済み配置領域を排出トレイ57の右又は左とし、この反対側を仕分け用配置領域として、上下に用紙検知センサを備える構成も可能である。この場合、進行方向は用紙の排出された方向の左又は右方向となり、用紙は、仕分けローラにより上下に移動され、進行ローラにより仕分け済み配置領域に移動される。
また、レーザ等を用いた用紙検知センサを用いる場合、仕分け済み配置領域やその他の領域に当該用紙検知センサを配置することもできる。この場合でも、当該用紙検知センサは、仕分け用配置領域内の仕分け位置に排出された用紙を検知し、仕分けに用いる。
【0053】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。