特許第5749293号(P5749293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5749293ゲーム制御方法、コンピュータ、ゲーム制御プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749293
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ゲーム制御方法、コンピュータ、ゲーム制御プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20150625BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20150625BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20150625BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20150625BHJP
【FI】
   A63F13/79 500
   A63F13/69
   A63F13/847
   A63F13/35
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-94459(P2013-94459)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-213080(P2014-213080A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2013年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 亮
【審査官】 坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4125764(JP,B2)
【文献】 特開2010−042083(JP,A)
【文献】 再公表特許第99/038590(JP,A1)
【文献】 特開2012−254366(JP,A)
【文献】 特開2013−34811(JP,A)
【文献】 真・戦国バスター,電撃ゲームアプリ Vol.9,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年 4月13日,p.10-13
【文献】 みんなと 放課後ソウルハンターズ,月刊アプリスタイル,株式会社イースト・プレス,2012年12月28日,第1巻/第1号,p.072-073
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワーク上で1ユーザと関連のある他ユーザ間のレベル差と所定の希少度を有する特典データとを関連付けて記憶した記憶手段及び処理装置を備え、前記各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末に通信可能なコンピュータに用いられ、前記第1の各携帯端末が用いる第1キャラクタが敵とバトル中に、前記第1の各携帯端末のうちのいずれかの第1の携帯端末から救援要請が出された場合、前記第2の各携帯端末のうちのいずれかの第2の携帯端末の救援機能がオン状態のときに前記いずれかの第2の携帯端末が用いる第2キャラクタが前記第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを前記第1の各携帯端末に実行させるためのゲーム制御方法であって、
前記処理装置が、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザの操作により、前記バトル中に当該いずれかの第1の携帯端末から前記救援要請を受けると、当該救援要請を前記第2の各携帯端末に送信する第1救援要請送信工程と、
前記処理装置が、前記送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記第2の各携帯端末の各ユーザのレベルとの差を個別に算出し、当該算出された各々の差が前記記憶手段内で該当するレベル差に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、前記救援要請とを前記第2の各携帯端末に送信する第2救援要請送信工程と、
前記処理装置が、前記第1救援要請送信工程又は前記第2救援要請送信工程により前記救援要請を送信した後、前記いずれかの第2の携帯端末から前記オン状態を示す応答を受信する応答受信工程と
を備えたゲーム制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム制御方法において、
前記処理装置が、前記敵が負けた場合に、前記算出された差が前記記憶手段内で該当するレベル差に関連付けられた特典データを前記いずれかの第2の携帯端末に送信する特典データ送信工程を備えたゲーム制御方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム制御方法において、
前記特典データの一部が前記特典データの全体に占める割合は、前記バトル中に変動する前記敵の体力値とは負の相関関係を有するゲーム制御方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゲーム制御方法において、
前記特典データは、互いに異なる希少度をもつ複数の特典に関する情報からなり、
前記特典データの一部は、前記希少度の低い順に表示されるように前記表示データに含まれるゲーム制御方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゲーム制御方法において、
前記記憶手段は、前記各ユーザのレベルの差と所定の希少度をもつ特典データ及び特典データ交換ポイントとを関連付けて記憶しており、
前記処理装置が、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記いずれかの第2の携帯端末のユーザのレベルとの差を算出し、当該算出された差が前記記憶手段内で該当するレベル差に関連付けられた特典データ交換ポイントを前記応答受信工程の後に、前記いずれかの第2の携帯端末に送信する交換ポイント送信工程を備えたゲーム制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム制御方法において、
前記特典データ交換ポイントは、累積した値に応じて任意の特典と交換可能なポイントであるゲーム制御方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のゲーム制御方法において、
前記バトルゲームの実行中、前記コンピュータと、前記第1及び第2の各携帯端末との間の通信にはウェブソケット通信を用いるゲーム制御方法。
【請求項8】
ソーシャルネットワーク上で1ユーザと関連のある他ユーザとの各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末に通信可能なコンピュータであって、前記第1の各携帯端末が用いる第1キャラクタが敵とバトル中に、当該第1の各携帯端末のうちのいずれかの第1の携帯端末から救援要請が出された場合、前記第2の各携帯端末のうちのいずれかの第2の携帯端末の救援機能がオン状態のときに前記いずれかの第2の携帯端末が用いる第2キャラクタが前記第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを前記第1の各携帯端末に実行させるための前記コンピュータであって、
前記各ユーザ間のレベル差と所定の希少度を有する特典データとを関連付けて記憶した記憶手段と、
前記いずれかの第1の携帯端末のユーザの操作により、前記バトル中に当該いずれかの第1の携帯端末から前記救援要請を受けると、当該救援要請を前記第2の各携帯端末に送信する第1救援要請送信手段と、
前記送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記第2の各携帯端末の各ユーザのレベルとの差を個別に算出し、当該算出された各々の差が前記記憶手段内で該当するレベル差に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、前記救援要請とを前記第2の各携帯端末に送信する第2救援要請送信手段と、
前記第1救援要請送信手段又は前記第2救援要請送信手段により前記救援要請を送信した後、前記いずれかの第2の携帯端末から前記オン状態を示す応答を受信する応答受信手段と
を備えたコンピュータ。
【請求項9】
処理装置及び記憶手段を備え、ソーシャルネットワーク上で1ユーザと関連のある他ユーザとの各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末に通信可能なコンピュータであって、前記第1の各携帯端末が用いる第1キャラクタが敵とバトル中に、当該第1の各携帯端末のうちのいずれかの第1の携帯端末から救援要請が出された場合、前記第2の各携帯端末のうちのいずれかの第2の携帯端末の救援機能がオン状態のときに前記いずれかの第2の携帯端末が用いる第2キャラクタが前記第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを前記第1の各携帯端末に実行させるための前記コンピュータに用いられるゲーム制御プログラムであって、
前記コンピュータの前記処理装置を、
前記各ユーザ間のレベル差と所定の希少度を有する特典データとを関連付けて前記記憶手段に設定する設定手段、
前記いずれかの第1の携帯端末のユーザの操作により、前記バトル中に当該いずれかの第1の携帯端末から前記救援要請を受けると、当該救援要請を前記第2の各携帯端末に送信する第1救援要請送信手段、
前記送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記第2の各携帯端末の各ユーザのレベルとの差を個別に算出し、当該算出された各々の差が前記記憶手段内で該当するレベル差に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、前記救援要請とを前記第2の各携帯端末に送信する第2救援要請送信手段、
前記第1救援要請送信手段又は前記第2救援要請送信手段により前記救援要請を送信した後、前記いずれかの第2の携帯端末から前記オン状態を示す応答を受信する応答受信手段、
として機能させるためのゲーム制御プログラム。
【請求項10】
請求項に記載のゲーム制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御方法、コンピュータ、ゲーム制御プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム業界では、複数のユーザが参加可能なソーシャルアプリケーションを用いたゲームが普及してきている。この種のソーシャルアプリケーションは、端末にダウンロードされ、当該端末にインストールされて利用されるネイティブアプリケーションと、ウェブサーバ上で動作し、端末のウェブブラウザに利用されるウェブアプリケーションとに大別できる。
【0003】
ネイティブアプリケーションは、スマートフォンのiPhone(登録商標)端末やAndroid(登録商標)端末といった端末のOSに依存するアプリケーションである。例えば、サーバ装置は、Objective-Cを搭載したiPhoneアプリケーション、又はJava(登録商標)を搭載したAndroidアプリケーション等のネイティブアプリケーションをプラットフォームから各端末に配信している。ユーザは、プラットフォームから端末に配信されたネイティブアプリケーション(例:RPG(role playing game)、バトル、恋愛等のゲームを含む)を楽しんでいる。
【0004】
但し、ネイティブアプリケーションは、iPhone端末に対応したプログラミング言語「Objective-C」と、Android端末に対応したプログラミング言語「Java」との2種類で開発する必要がある。このため、ネイティブアプリケーションは、端末のプラットフォーム特有の言語を使ったコーディング処理を介した後に、公式のマーケットプレイスを通して公開する必要がある。
【0005】
一方、ウェブアプリケーションは、両プラットフォームに向けてHTML5(Hyper Text Markup Language 5)、JavaScript(登録商標)、CSS3(Cascading Style Sheets 3)等の言語をベースにしたクロス開発が可能であり、公開に当たって公式のマーケットプレイスを通す必要がない。また、ウェブアプリケーションは、端末のOSに依存しない。
【0006】
ここで、JavaScriptとは、オブジェクト指向スクリプト言語である。主にウェブブラウザなどのクライアントサイドで実装され、動的なウェブサイトの構築や、RIA(rich Internet application)などの高度なユーザインタフェースの開発に用いられる。JavaScriptはプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミング言語である。
【0007】
JavaScriptは、多くの場合、C言語に似た手続き型言語のようなスタイルで書かれるが、第一級関数をサポートしている(関数を第一級オブジェクトとして扱える)など、関数型言語の性質も持ち合わせるように設計されている。JavaScriptは、そのような柔軟な設計から、いくつかのアプリケーションではマクロ言語としても採用されている。また、マークアップ言語(例:HTML(hypertext markup language)、PHP(PHP: Hypertext Preprocessor))での通信方式は、リクエスト&レスポンス方式を採用している。
【0008】
リクエスト&レスポンス方式では、ユーザによるクライアント装置の操作に応じて、クライアント装置からサーバ装置にリクエストが送信され、サーバ装置からクライアント端末にレスポンスが返信される。また、リクエスト&レスポンス方式では、サービスに応じてシステムを動的に形成する際に、サービス実行に必要な機能群を待機させ、状況に応じて機能群を選択してサービスを実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
図21はリクエスト&レスポンス方式を用いたバトルゲームを提供するゲームシステムの構成を示す模式図である。この種のバトルゲームとしては、携帯端末のユーザの操作により敵とのバトルを行うゲームであればよく、ここでは、RPG内で生じるイベントの一つとして、敵であるレイドボスとのバトルを行うレイドバトルゲームを例に挙げて述べる。このレイドバトルゲームでは、通常のボス(boss)よりも強いレイドボス(raid boss)をサーバ装置Svが仮想空間に出現させる。なお、「強い」とは、例えば、HP(体力)が高いことや、攻撃によるダメージを受けにくいことを意味する。第1〜第3ユーザは、iPhone端末又はAndroid端末といった第1〜第3クライアント装置CL1〜CL3のタッチパネルをタップする等の操作により、このレイドボスとバトル(battle)する。例えば、制限時間内にレイドボスを退治できた場合にはユーザの勝ちであり、所定のインセンティブがユーザに与えられる。他の場合にはユーザの負けであり、所定のインセンティブが与えられない。
【0010】
具体的なバトルにおいて、サーバ装置Svは、バトル開始時から制限時間までの間、経過時間を計測する。各クライアント装置CL1〜CL3は、各ユーザの操作に応じたリクエストをサーバ装置Svに送信する。サーバ装置Svは、リクエストに応じてレイドボスのHPを減少させる処理やレイドボスが防御する処理などを実行し、処理結果をレスポンスとして各クライアント装置CL1〜CL3に返信する。
【0011】
この種のレイドバトルゲームでは、レイドボスが強いという設定のため、各クライアント装置CL1〜CL3の操作によって、レイドボスに大きなダメージを与えることが困難となっている。とはいえ、レイドボスが強すぎてユーザがほぼ負けるゲームは、ユーザの支持を得られない。一般にレイドバトルゲームは、バトルに参加するユーザが多いほど、レイドボスを倒しやすい傾向がある。そのため、例えば、レイドバトルゲームに多数のユーザを参加させ、これら多数のユーザが多数のクライアント装置CL1〜CL3、…のタッチパネルを連続的にタップする等の連携攻撃を表す操作を実行し、多数のユーザの操作に応じた大量のリクエストをサーバ装置Svに送信すればよい。
【0012】
しかしながら、多数のクライアント装置CL1〜CL3、…から大量のリクエストがサーバ装置Svに送信されると、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかる。このため、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数を制限し、他のクライアント装置CL3、…を強制的にロックする通信方式を用いている。
【0013】
すなわち、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかるために、多数のユーザがバトルに参加可能なレイドバトルゲームの実現が困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−70845号公報(段落0015−0017、要約書)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
以上説明したように、リクエスト&レスポンス方式では、多数のユーザがバトルに参加可能なレイドバトルゲームの実現が困難であるという不都合がある。また、リクエスト&レスポンス方式では、ロックされたクライアント装置CL3は、サーバ装置Svからロックが解除された後でなければ、正常な処理を実行できないという不都合もある。
【0016】
さらに、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間でマークアップ言語を送受信する場合、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間で複数ページに渡るヘッダ情報を送受信する必要がある。これにより、通信毎にヘッダ情報がサーバ装置Svに蓄積されるため、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数が制限されている。
【0017】
また、以上のようなリクエスト&レスポンス方式を用いる場合、本発明者の検討によれば、バトルに参加しているユーザから救援を求められた際には、当該ユーザを救援するために、ユーザの友達が途中からバトルに参加できることが望ましい。しかしながら、バトル途中からユーザの友達が参加可能なバトルゲームは、前述同様に、実現が困難となっている。
【0018】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、バトル途中からユーザの友達が参加可能なバトルゲームを実現し得るゲーム制御方法、コンピュータ、ゲーム制御プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一つの局面は、ソーシャルネットワーク上で友達関係にある各ユーザのレベルの差分の範囲と、前記差分の大きさに応じて高いレア度をもつ特典データとを関連付けて記憶した記憶手段及び処理装置を備え、前記各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末にウェブソケット通信可能なウェブサーバ装置に用いられ、前記第1の各携帯端末が用いる第1キャラクタが敵とバトル中に、前記第1の各携帯端末のうちのいずれかの第1の携帯端末から救援要請が出された場合、前記第2の各携帯端末のうちのいずれかの第2の携帯端末の救援機能がオン状態のときに第2キャラクタが前記第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを前記第1の各携帯端末に実行させるためのゲーム制御方法であって、前記処理装置が、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザの操作により、前記バトル中に当該いずれかの第1の携帯端末から前記救援要請を受けると、当該救援要請を前記第2の各携帯端末に送信する第1救援要請送信工程と、前記処理装置が、前記送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記第2の各携帯端末の各ユーザのレベルとの差分を個別に算出し、当該算出された各々の差分が前記記憶手段内で該当する範囲に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、前記救援要請とを前記第2の各携帯端末に送信する第2救援要請送信工程と、前記処理装置が、前記第1救援要請送信工程又は前記第2救援要請工程により前記救援要請を送信した後、前記いずれかの第2の携帯端末から前記オン状態を示す応答を受信する応答受信工程と、前記処理装置が、前記敵が負けた場合に、前記いずれかの第1の携帯端末のユーザのレベルと、前記いずれかの第2の携帯端末のユーザのレベルとの差分を算出し、当該算出された差分が前記記憶手段内で該当する範囲に関連付けられた特典データを前記いずれかの第2の携帯端末に送信する特典データ送信工程と、を備え、前記特典データは、互いに異なるレア度をもつ複数のインセンティブデータからなり、前記特典データの一部は、前記レア度の低い順に前記表示データに含まれた各インセンティブデータの一部であり、前記特典データの一部が前記特典データの全体に占める割合は、前記敵の体力値とは負の相関関係を有するゲーム制御方法である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、バトル途中からユーザの友達が参加可能なバトルゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステム及びその周辺構成の一例を示す模式図である。
図2】同実施形態における携帯端末の用途の一例を示す模式図である。
図3】同実施形態におけるウェブサーバ装置の機能ブロック構成の一例を示す模式図である。
図4】同実施形態におけるソーシャルグラフ情報データベースを説明するための模式図である。
図5】同実施形態における設定機能を説明するための模式図である。
図6】同実施形態における特典データの一部の表示を説明するための模式図である。
図7】同実施形態における所定のインセンティブデータの表示を説明するための模式図である。
図8】同実施形態における携帯端末の機能ブロック構成の一例を示す模式図である。
図9】同実施形態におけるウェブサーバ装置と携帯端末間の接続アーキテクチャの概念を示す模式図である。
図10】同実施形態における動作を説明するためのシーケンス図である。
図11】同実施形態における動作を説明するための模式図である。
図12】同実施形態における動作を説明するための模式図である。
図13】同実施形態における動作を説明するための模式図である。
図14】同実施形態における動作を説明するための模式図である。
図15】同実施形態における動作を説明するための模式図である。
図16】同実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図17】同実施形態におけるレベル管理情報の例を示す模式図である。
図18】同実施形態におけるレベル管理情報の例を示す模式図である。
図19】同実施形態における第2キャラクタの情報の例を示す模式図である。
図20】同実施形態における第2キャラクタ等を説明するための模式図である。
図21】一般的なリクエスト&レスポンス方式を用いたバトルゲームを提供するゲームシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明するが、その前に、本発明の概要について述べる。なお、以下に述べる概要は、「救援要請」、「レイドボス」、「フレンドポイント」及び「友達」等といった具体的な用語を用いているが、本発明は概要の説明に限定されない。例えば、「救援」は、「支援」、「応援」、「援護」、「援軍」、「助勢」、「加勢」、「助太刀」、「ヘルプ(help)」又は「お助け」等のように類似した用語に読み替えてもよく、類似した用語でなくても、他のユーザがバトル途中から味方につく意味であれば、適宜、読み替えてもよい。このように、概要に述べた用語は、類似した用語に読替え可能であり、類似した用語でなくても、同じ結果をもたらす用語であれば、他の用語に適宜、読み替えてもよい。「要請」は、「依頼」、「要求」又は「リクエスト」等と呼んでもよい。「レイドボス」は、「敵」、「ボス」又は「対戦相手」等と呼んでもよい。「フレンドポイント」は、適宜、○○ポイントといった任意の名称に読み替えてもよい。「友達」は、「知人」と読み替えてもよい。
【0023】
本発明の概要は、複数のユーザと、複数のアプリケーション(例、バトルゲームアプリケーション、ソーシャルアプリケーション)とを管理するSNS(Social Networking Service)を運営するウェブサーバ装置に対し、あるユーザが携帯端末を介してバトル中に救援要請を出すと、あるユーザの友達である他のユーザの携帯端末の救援機能により、バトル途中から当該あるユーザを救援することが可能なゲームに関する。
【0024】
ここで、救援要請を出すユーザは、ゲーム初心者等のライトユーザ(以下、ライトユーザAともいう)を想定している。なお、ライトユーザAは、複数のライトユーザのうちの任意のユーザである。
【0025】
救援要請に応じてバトル途中から参加するユーザは、ゲーム熟練者等のヘビーユーザ(以下、ヘビーユーザBともいう)を想定している。なお、ヘビーユーザBは、複数のヘビーユーザのうちの任意のユーザである。
【0026】
各ユーザA、Bは、SNS上の友達のように、SNSで繋がりがあるユーザである。
【0027】
救援の概要は、以下の通りである。
【0028】
ウェブサーバ装置は、予め各ユーザA,Bのレベル差と、特典データと、レア度と、フレンドポイントとを関連付けて管理する。例えば、大きいレベル差と、高いレア度の特典データと、高いレア度と、大きい値のフレンドポイントとが関連付けられる。一般に、レベル差が大きいと救援するための体力値を消耗するので、大きいレベル差と、高いレア度の特典データとを関連付けた方が好ましい。同様に、大きいレベル差と、大きい値のフレンドポイントとを関連付けた方が好ましい。但し、レベル差に代えて、敵の体力値(の範囲)を用いてもよい。このとき、レベル差の場合とは異なり、敵の体力値と、レア度とは負の相関を持たせた方が、敵の体力値が小さいときに(レア度の高い特典データとフレンドポイントによって)救援を強く要請する観点から好ましい。
【0029】
ヘビーユーザBは、予め携帯端末の救援機能のオン状態又はオフ状態を設定する。
【0030】
ライトユーザAは、携帯端末の操作により、バトルゲームを行う。
【0031】
ライトユーザAは、例えばバトルゲームに負けそうになると、携帯端末の操作により、救援要請を出す。
【0032】
ウェブサーバ装置は、救援要請をライトユーザAの友達の各ヘビーユーザBの各携帯端末に転送する。
【0033】
ヘビーユーザBの携帯端末は、救援機能をオフ状態に設定した場合には、各ユーザA,Bのレベル差に応じた特典データのうち、一部の特典データ(以下、特典データの一部という)を含む表示データと、救援要請とをウェブサーバ装置から受けて表示し、救援機能をオン状態に変更するようにヘビーユーザBを促す。
【0034】
特典データの一部は、敵の体力値が小さいときには特典データ全体に占める割合が大きいように表示され、敵の体力値が大きいときには特典データ全体に占める割合が小さいように表示される。また、特典データの一部は、低いレア度の順に表示される。このように、救援機能の設定がオフ状態の場合には特典データの表示を小出しにすることにより、特典データへの期待感を持たせつつ、敵の体力値が小さいときには救援機能のオン状態への変更を強く促すことができる。補足すると、全ての特典データを表示すると、特典データへの期待感が無くなる心配があるので、特典データの一部のみを表示するようにしている。また、敵の体力値が小さい場合には救援により敵に勝てる可能性が高いので、救援を強く促すようにしている。
【0035】
ヘビーユーザBの携帯端末は、救援機能をオン状態に設定した場合には、ライトユーザAを救援機能により救援すると共に、各ユーザA,Bのレベル差に応じたフレンドポイントがウェブサーバ装置から提供される。フレンドポイントは、バトルの勝敗とは無関係に提供される。このように、救援機能の設定がオン状態の場合にはフレンドポイントを付与することにより、救援機能をオン状態に設定することをヘビーユーザBに促している。但し、ヘビーユーザBは、実際にフレンドポイントを受けるまで、何ポイントのフレンドポイントが提供されるかが知らされない。また、最初から救援機能をオン状態に設定した場合には、ヘビーユーザBの携帯端末は、特典データを表示せずにライトユーザAを救援する。
【0036】
ヘビーユーザBの携帯端末は、敵が負けた場合に、各ユーザA,Bのレベル差に応じた特典データがウェブサーバ装置から提供される。
【0037】
ライトユーザAの携帯端末は、敵が負けた場合に、所定のインセンティブデータがウェブサーバ装置から提供される。なお、ウェブサーバ装置は、例えば、敵の体力値が閾値以下になったときに、敵が負けた場合に提供するインセンティブデータを当該ライトユーザAの携帯端末に表示してもよい。この場合、ライトユーザAの戦闘意欲を維持又は向上させることが可能となる。
【0038】
以上が本発明の概要である。続いて、本発明の一実施形態について具体的に説明する。
【0039】
<一実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステムの構成例を示す模式図である。インターネットなどを含むネットワーク1に対し、ウェブサーバ装置2が接続されると共に、本システムでユーザが使用するクライアント装置となる、複数、例えば8台の携帯端末4A〜4Hが、無線LANのアクセスポイント(AP)5、あるいは基地局6を介して接続される。これらの各装置は、それぞれハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワーク又は記憶媒体から各装置のコンピュータにインストールされ、対応する装置の機能を実現させるためのプログラムが用いられる。
【0040】
図2に一例を示すように、各携帯端末4A〜4Hのうち、3台の携帯端末4A〜4Cは、バトルを行う第1の携帯端末として用いられ、5台の携帯端末4D〜4Hは、救援要請に応答可能な第2の携帯端末として用いられる。第2の携帯端末4D〜4Hは、予め救援機能をオン状態又はオフ状態に設定し、救援要請を受けると、救援機能のオン状態又はオフ状態を示す応答を返信する。
【0041】
ウェブサーバ装置2は、バトルゲームを実現するためのゲーム制御プログラム及びイベント情報を携帯端末4A〜4Hに提供するコンピュータである。このウェブサーバ装置2は、例えばSNS(Social Networking Service)を運営する企業が、サービスの一環としてオンラインゲームのサービスを提供するべく設置するものであり、ネットワーク1に接続される。また、ウェブサーバ装置2としては、各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hにウェブソケット通信可能なものを設置している。
【0042】
一方、クライアント側の携帯端末4A〜4Hは、それぞれスマートフォン、フィーチャー・フォンなどを含み、例えば、Android又はiOSなどのOS(Operating System)上で動作する携帯電話であっても良いし、さらにはノートブック型のパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータなどであっても良い。以下の実施形態では、説明を簡略化するために、携帯端末4A〜4Hはいずれもタッチパネルを有するスマートフォンであるものとして説明する。
【0043】
携帯端末4A〜4Hは、上記基地局6を介してのネットワーク1との接続に加えて、例えばIEEE802.11a/b/g/n規格の無線LAN(Local Area Network)であるWi−Fi(登録商標)を優先的に選択可能として、上記アクセスポイント5と相互接続が可能であるものとする。
【0044】
また、携帯端末4A〜4Hは、例えば、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)技術により相互に無線接続が可能となっている。
【0045】
携帯端末4A〜4Hとしては、その機種固有のハードウェア構成、採用しているOS、インストールされているアプリケーション等が多岐にわたるものとし、ウェブサーバ装置2はそれら多様な携帯端末4A〜4Hに対応した各種アプリケーションプログラムをそれぞれに配信可能であるものとする。
【0046】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Hそれぞれの機能ブロック構成について図3乃至図8を参照して述べる。
【0047】
ウェブサーバ装置2は、図3に示すように、記憶装置21、メモリ22、プロセッサ23及び通信部24を備えている。
【0048】
記憶装置21は、バトルゲームを実現するためのゲーム制御プログラムp_s3等を記憶するものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、DVD、MOなどの大容量記憶装置である。この記憶装置21には、OS(オペレーティングシステム)p_s0、サーバ側JS実行環境プログラムp_s1、A社フレームワークプログラムp_s2、ソーシャルグラフ情報データベースd_s及びゲーム制御プログラムp_s3が記憶されている。
【0049】
OS p_s0、は、ウェブサーバ装置2の基本的な機能を実現するためのプログラムである。
【0050】
サーバ側JS実行環境プログラムp_s1は、プロセッサ23により実行され、後述するサーバ側JS実行環境S1を実現するためのプログラムである。
【0051】
A社フレームワークプログラムp_s2は、プロセッサ23により実行され、後述するA社フレームワークS2を実現するためのプログラムである。
【0052】
ソーシャルグラフ情報データベースd_sは、図示しないソーシャルネットワーク運営プログラム(API)によって用いられるデータを管理する。本実施形態においては、ゲーム(を実現するゲーム制御プログラムの識別情報)毎に、ユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザと他のユーザとの関係を示すユーザ関係情報(例、ソーシャルグラフ情報)とを関連付けて記憶装置21に記憶している。以下、本実施形態では、ユーザ関係情報の一例としてソーシャルグラフ情報を用いた場合について説明する。
【0053】
なお、ゲーム(のゲーム制御プログラムの識別情報)毎に、ユーザ識別情報と、ソーシャルグラフ情報とを関連付けて記憶した旨が記載されているが、これに限らない。例えば、ソーシャルグラフ情報毎に、ユーザ識別情報と、ゲーム制御プログラムとを関連付けて記憶してもよい。
【0054】
ソーシャルグラフ情報データベースp_sでは、図4に示すように、各ゲーム(のゲーム制御プログラムの識別情報)毎に、ユーザID31、ユーザ情報32及びソーシャルグラフ情報33が関連付けられて記憶装置21に記憶されている。
【0055】
「ユーザID31」は、各ゲームのゲーム制御プログラムにおいて、共通に使用される識別情報である。したがって、ユーザ識別情報が同じであれば、同一のユーザであることを示し、そのユーザ情報32及びソーシャルグラフ情報33は、各ゲーム(のゲーム制御プログラムの識別情報)毎に保持される。
【0056】
「ユーザ情報32」は、ユーザ個人の属性に関する情報であり、例えば、ユーザのレベル、アイテム、コインの数、メダルの数、カードなどである。ここで、「レベル」は、例えばゲームの熟練度に応じた値であり、後述するレベルの差分の算出に用いられる。また、ユーザ情報32にはユーザ認証情報や携帯端末識別情報を含めてもよい。あるいは、ユーザ認証情報や携帯端末識別情報は、図示しない他のデータベースで管理してもよい。
【0057】
「ソーシャルグラフ情報33」は、ソーシャルグラフを表示する際に、検索される対象となる情報であり、他のユーザとの関係を示す情報である。例えば、他のユーザとの「親密度」、「相性」、「友達」といった情報をソーシャルグラフ情報33としても良い。
【0058】
「親密度」は、例えば、ユーザAと会話(チャットなど)をした回数により、ユーザ毎に定められる。「相性」は、例えば、ユーザのキャラクタの属性や、アイテムなどにより、ユーザ毎に定められる。「友達」は、ユーザAの友達申請が承認されたユーザ、或いは相手方のユーザからの友達申請され、ユーザAが承認した場合に「友達」となる。なお、ここで挙げた例は、あくまで一例にすぎず、他のユーザとの関係を示す情報であれば、これに限られない。例えば、相手方のユーザからの友達申請がされた後、ユーザAが承認した場合に「友達」となると記載されているが、承認されなくても「友達」となってもよい。この場合、予めサーバー上で決められた閾値(新密度と相性の関係を示すもの)を用いてユーザ間の友達の定義が算出され、友達承認がなされる。新密度と相性の関係についてはサーバー上の計算であるので、ここでは説明を割愛する。
【0059】
ゲーム制御プログラムp_s3は、プロセッサ23により実行され、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを実現するためのプログラムである。補足すると、ゲーム制御プログラムp_s3は、ソーシャルネットワーク上で友達関係にある各ユーザのレベルの差分の範囲と、当該差分の大きさに応じて高いレア度をもつ特典データとを関連付けて記憶したメモリ(記憶手段)22及びプロセッサ(処理装置)23を備えたウェブサーバ装置に用いられる。このゲーム制御プログラムp_s3は、各ユーザが操作する第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうちの第1の各携帯端末4A〜4Cが用いる第1キャラクタが敵とバトル中に、当該第1の各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの第1の携帯端末(例、4A)から救援要請が出された場合、第2の各携帯端末4D〜4Hのうちのいずれかの第2の携帯端末(例、4D)の救援機能がオン状態のときに第2キャラクタが当該第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを第1の各携帯端末4A〜4Cに実行させるためのプログラムである。第1キャラクタ及び第2キャラクタが敵に勝った場合、当該第1キャラクタに対応する第1の各携帯端末4A〜4Cには所定のインセンティブデータがウェブサーバ装置2から送信され、当該第2キャラクタに対応する第2の携帯端末(例、4D)には、後述する特典データがウェブサーバ装置2から送信される。
【0060】
ここで、敵は、例えば、イベント情報によるアタック(攻撃)を受けるレイドボスとしてもよく、バトルゲームは、当該レイドボスとバトルを行うレイドバトルゲームとしてもよい。以下の説明では、敵がレイドボスであり、バトルゲームがレイドバトルゲームである場合を例に挙げて述べる。この場合、レイドバトルゲームは、例えば、バトルゲーム開始時から制限時間内にレイドボスを退治できるか否かで勝敗が決まる方式や、制限時間なしにレイドボスを退治できるか否かで勝敗が決まる方式のいずれでも実施可能である。バトルゲーム開始時は、レイドボス出現時としてもよい。また、「退治」とは、HP(体力)値をゼロにする方式、ダメージ値を目標値まで蓄積する方式、又は所定の弱点を攻撃する方式のいずれでも実施可能である。なお、レイドボスの設定(例、応戦する/応戦しない、HP値、ダメージ値の目標値、所定の弱点など)は、レイドバトルゲームの方式等に応じて若干変わるが、通常のボスよりも強い(=退治しにくい)ボスであることに変わりはない。
【0061】
また、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f5)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0062】
(f1) 各ユーザのレベルの差分の範囲と、当該差分の大きさに応じて高いレア度をもつ特典データとを関連付けてメモリ22に設定する設定機能。
【0063】
なお、設定機能は、例えば、図5に一例を示すように、レベル差、特典データ、レア度及びフレンドポイントを関連付けてメモリ22に設定してもよい。レベル差は、前述した各ユーザのレベルの差分の範囲を示している。また、特典データが差分の大きさに応じて高いレア度を有していればよいので、明示的にレア度を設定する必要はない。すなわち、特典設定データのうち、レア度は、任意の付加的事項であり、省略してもよい。また、フレンドポイント(データ交換ポイント)は、各ユーザのレベルの差分の大きさに応じて高い値を有し、累積した値に応じて任意のインセンティブデータと交換可能なポイントである。
【0064】
(f2) いずれかの第1の携帯端末(例、4A)のユーザの操作により、バトル中に当該いずれかの第1の携帯端末4Aから救援要請を受けると、当該救援要請を第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する第1救援要請送信機能。
【0065】
(f3) 送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、当該いずれかの第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、第2の各携帯端末4D〜4Hの各ユーザのレベルとの差分を個別に算出し、当該算出された各々の差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、救援要請とを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する第2救援要請送信機能。
【0066】
ここで、特典データは、互いに異なるレア度をもつ複数のインセンティブデータからなるデータである。インセンティブデータとしては、当該レイドバトルを含むRPG又は他のゲーム等で使用可能なデータであって、例えば、衣服や道具などのアイテム、カード及びゲーム内通貨といった任意の種類のデータが適用可能となっている。レア度は、希少価値を意味しており、例えば、売却するときの値段に正の相関がある値である(レア度が高いほど、売却時の値段が高い。)。
【0067】
特典データの一部は、レア度の高いインセンティブデータを早期に見せずに第2の携帯端末4D〜4Hのユーザに期待感を持たせる観点から、レア度の低い順に表示データに含まれた各インセンティブデータの一部であることが好ましい。なお、レア度の低い順に表示データに含まれることは、必須ではなく、任意の付加的事項である。
【0068】
表示データに含まれる特典データの一部が特典データの全体に占める割合は、敵の体力値(HP)が低いときには制限時間が迫っていて救援要請が切実な場合が多いことから、敵の体力値とは負の相関関係を有することが好ましい。
【0069】
例えば、敵の体力値が小さい場合(例、10%)には、表示データに含まれる特典データの一部が特典データ全体に占める割合が大きい(例、90%=100%−敵の体力値)ことが好ましい。なお、ここでは、「割合」に関する説明の便宜上、体力値の単位を%としているが、体力値の単位としては、「点」又は「ポイント」のように任意の単位が使用可能である(例えば、10000点を100%と定めた場合のように、任意の単位と%とは容易に換算可能である。)。また、図6に示すように、敵の体力値が大きい場合(例、70%)には、表示データに含まれる特典データの一部が特典データ全体に占める割合(以下、特典表示割合ともいう)が小さい(例、30%)ことが好ましい。また、特典データの一部が特典データ全体に占める割合が小さい場合(例、5%)であっても、何らかの特典データを表示したいときには、例えばデフォルトで、レア度が最低のインセンティブデータを1つだけ示すようにし、残りの95%の特典データについては、敵の体力値と負の相関関係を有する割合で表示してもよい。なお、表示データに含まれる特典データの一部と、敵の体力値とが負の相関を持つことは、必須ではなく、任意の付加的事項である。
【0070】
また、図7に示すように、第1の各携帯端末4A〜4Cは、特典表示割合が閾値(例、50%)を超えたら(又は敵の体力値が閾値より低下したら)、敵が負けた場合に第1の各携帯端末4A〜4Cのユーザが獲得する所定のインセンティブデータを予め表示するようにしてもよい。これにより、敵の体力値が小さい場合(例、50%未満)に、第1の各携帯端末4A〜4Cのユーザを元気づけることができる。
【0071】
(f4) 第1救援要請送信機能又は第2救援要請機能により救援要請を送信した後、いずれかの第2の携帯端末(例、4D)からオン状態を示す応答を受信する応答受信機能。
【0072】
(f5) 敵が負けた場合に、当該いずれかの第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、当該いずれかの第2の携帯端末4Dのユーザのレベルとの差分を算出し、当該算出された差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられた特典データを当該いずれかの第2の携帯端末4Dに送信する特典データ送信機能。
【0073】
なお、メモリ22にフレンドポイントが設定される場合、ゲーム制御プログラムp_s3は、次の機能(f6)を備えてもよい。
【0074】
(f6) 応答受信機能による受信の後に、いずれかの第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、当該いずれかの第2の携帯端末4Dのユーザのレベルとの差分を算出し、当該算出された差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられたフレンドポイント(データ交換ポイント)を当該いずれかの第2の携帯端末4Dに送信する交換ポイント送信機能。
【0075】
このように、救援機能のオン状態を設定したことによるフレンドポイントと、救援したことによる特典データを与えることができるので、救援する意欲の向上を図ることができる。これに対し、従来は、バトル途中からユーザの友達が救援する形態が無く、ユーザが所定の強さレベルのレイドボスとバトルを行い、バトル途中でレイドボスに負けそうになると、多くの場合、そのままレイドボスに負けてしまう方式であった。すなわち、従来のバトルゲームは、救援とは無関係の方式であった。
【0076】
また、ウェブソケット通信に関し、ゲーム制御プログラムp_sは、以下の機能(f7)〜(f11)を備えてもよい。
【0077】
(f7) バトルゲームへの参加募集期間中、第1の各携帯端末4A〜4Cからバトルへの参加を求める第1ハンドシェイク要求を受けると、当該第1ハンドシェイク要求に基づき、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立して第1ハンドシェイク応答を返信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cにバトルへの参加を許可する第1接続確立機能。
【0078】
(f8) 第2の各携帯端末4D〜4Hから救援機能のオン状態又はオフ状態の設定完了を含む第2ハンドシェイク要求を受けると、当該第2ハンドシェイク要求に基づき、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を確立して第2ハンドシェイク応答を返信する第2接続確立機能。
【0079】
(f9) 第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従っていずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の各携帯端末(4B〜4D)に送信するウェブソケット通信機能。
【0080】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f9)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B〜4D)に送信するものとしてもよい。
【0081】
(f10) 敵が負けた場合に、所定のインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する第1接続切断機能。
【0082】
(f11) 敵が負けた場合に、特典データ送信機能(f5)により特典データを第2の携帯端末4Dに送信した後、当該第2の携帯端末4Dとの接続を切断する第2接続切断機能。
【0083】
メモリ22は、ゲーム制御プログラムp_s3等を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0084】
プロセッサ23は、記憶装置21に記憶されたゲーム制御プログラムp_s3と協働して、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを行なう他、ウェブサーバ装置2全体の制御を司るものである。
【0085】
通信部24は、ネットワーク1を介した携帯端末4A〜4Hなどの外部装置との通信の制御を司る。
【0086】
各携帯端末4A〜4Hの機能ブロック構成は、互いに同一のため、ここでは携帯端末4Aの機能ブロック構成を代表例に挙げて述べる。
【0087】
携帯端末4Aは、図8に示すように、記憶装置41A、メモリ42A、プロセッサ43A、通信部44A、電子コンパス45A、カメラ46A、表示部47A及びタッチパネル48Aを備えている。各部41A〜48Aの説明は、符号の末尾AをB、C、D、E、F、G又はHに読み替えることにより、他の携帯端末4B、4C、4D、4E、4F、4G又は4Hにおける各部41B〜48B、41C〜48C、41D〜48D、41E〜48E、41F〜48F、41G〜48G又は41H〜48Hの説明として読み替え可能となっている。
【0088】
記憶装置41Aは、バトルゲームを実現するためのクライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4等を記憶するものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの大容量記憶装置である。この記憶装置41Aには、OS(オペレーティングシステム)p_c0、アプリケーション実行環境プログラムp_c1、A社DB接続キットプログラムp_c2、A社フレームワークプログラムp_c3及びゲーム制御プログラムp_c4が記憶されている。
【0089】
OS p_c0は、携帯端末4Aの基本的な機能を実現するためのプログラムである。
【0090】
アプリケーション実行環境プログラムp_c1は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するアプリケーション実行環境C1を実現するためのプログラムである。
【0091】
A社DB接続キットプログラムp_c2は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社DB接続キットC2を実現するためのプログラムである。
【0092】
A社フレームワークプログラムp_C3は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社フレームワークC3を実現するためのプログラムである。
【0093】
ゲーム制御プログラムp_c4は、プロセッサ43Aにより実行され、本発明の実施の形態に係るバトルゲームのクライアント側の処理を制御するプログラムである。
【0094】
メモリ42Aは、クライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0095】
プロセッサ43Aは、記憶装置41Aに記憶されたゲーム制御プログラムp_c4と協働して、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを行なう他、携帯端末4A全体の制御を司るものである。
【0096】
通信部44Aは、ネットワーク1を介したウェブサーバ装置2などの外部装置との通信の制御を司る。また、通信部43は、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、WiFiなどの無線通信機能をも有する。
【0097】
電子コンパス45Aは、地磁気センサを有し、方位を測定する。
【0098】
カメラ46Aは、撮像機能を有し、撮像した画像を記憶装置41Aに格納する。
【0099】
表示部47Aは、タッチパネル48Aが取り付けられたディスプレイ装置である。
【0100】
タッチパネル48Aは、ユーザの操作に応じて、操作データを入力する機能をもっている。
【0101】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Hそれぞれの機能ブロック構成に対応する電子回路のハードウェア構成自体は、きわめて一般的で周知であるものとして、その記載及び説明を省略する。
【0102】
図9は、本実施形態に係るウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4H間の接続アーキテクチャの概念を示す模式図である。同図に示すように、A社が提供するオンラインのゲームプログラム又はアプリケーションプログラムを実行するに当たり、携帯端末4A〜4Hには、例えばAIR(登録商標)などで記述された、当該ゲームプログラム又はアプリケーションプログラムのためのアプリケーション実行環境C1が実装されると共に、当該A社のデータベースに接続して課金処理等を行うためのA社データベース接続キットC2が組込まれる。
【0103】
これと共に、携帯端末4A〜4Hがウェブサーバ装置2との通信を行う部分に関しては、A社が開発した(ソフトウェア)クライアントサイドのフレームワークC3がインストールされる。
【0104】
一方のウェブサーバ装置2では、オンラインゲーム及びアプリケーションを実行するための、例えばNode.js(登録商標)で記述されたサーバ側JavaScript(登録商標)実行環境S1が設けられると共に、携帯端末4A〜4Hとの通信を行う部分には、上記フレームワークC3と対応するA社(ソフトウェア)サーバサイドのフレームワークS2が設けられる。
【0105】
携帯端末4A〜4HのフレームワークC3と、ウェブサーバ装置2のフレームワークS2との間では、HTML5に関連した規格であるウェブソケット(WebSocket)を基盤としてアイテムの情報等が送受される。
【0106】
ウェブソケットによれば、サーバクライアント間でHTTP(hypertext transfer protocol)を使用して1回ハンドシェイクを行い、サーバクライアント間で接続が確立すると、HTTP(リクエスト&レスポンス方式)を使用せずに、ウェブソケット専用のプロトコルで双方向通信が実行される。ウェブソケットによる双方向通信は、長時間の接続を前提としており、サーバ又はクライアントにより切断されるまで継続して実行される。また、ウェブソケットによる通信は、HTTP通信よりもヘッダ情報及び処理負荷(オーバーヘッド)が小さい利点もある。さらに、ウェブソケットによる通信は、接続状態にある全ての装置が同じデータをリアルタイムで送受信して共有できる利点もある。また、ウェブソケットでは、クライアント側とサーバ側のいずれからでも送信が可能であり、例えば、サーバ側からクライアント側にデータをプッシュ配信することが可能である。
【0107】
このように、ウェブソケットによれば、リクエスト&レスポンス形式の通信とは異なり、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できる。このため、従来とは異なり、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をサーバ装置に接続でき、バトルゲームを実現できる。
【0108】
上記フレームワークC3、S2は、OSに依存しないスクリプト言語として、例えばJavaScriptを用いて記述されている。そのため、携帯端末4A〜4HのOSがAndroid及びiOSなどのいずれのOSであっても同一接続環境を構築できる。
【0109】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について図10乃至図20を用いて説明する。なお、以下の説明では、ウェブサーバ装置2には、予め図3に示した各プログラムp_s1〜p_s3がインストールされているものとする。同様に、各携帯端末4A〜4Hには、最初にA社からサービス提供を受けた際に、図8に示した各プログラムp_c1〜p_c4がインストールされたものとする。また、以下の説明では、記載を簡潔にする観点から、送受信に通信部24、44A〜44Hを介在させている旨の記載を省略する。また、以下の説明では、救援を含まない場合(第1の携帯端末4A〜4Cを含み、第2の携帯端末4D〜4Hを含まない場合)の動作について説明し、続いて、救援を含む場合(第1及び第2の携帯端末4A〜4Hを含む場合)の動作について説明する。
【0110】
(救援を含まない場合;図10
始めに、ウェブサーバ装置2では、第1の各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、第1の各携帯端末4A〜4Cにバトルを開始させる(時刻t0)。例えば、ウェブサーバ装置2では、ほぼ同時刻にハンドシェイク要求を受け付けた第1の各携帯端末4A〜4Cを1つのグループとしてレイドバトルゲームに参加させるものとする。また、このときの接続の確立により、ウェブサーバ装置2と第1の各携帯端末4A〜4Cとの間でウェブソケット通信が実行可能となる。
【0111】
次に、例えば第1の携帯端末4Aでは、ユーザがタッチパネル48Aに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図10及び図11に示すように、プロセッサ43Aが、当該タップ操作を示すアクション情報actAと、当該タップ操作された時点(t11)から所定の期間1(=t11〜t19)を示す期間情報とを含むイベント情報ivAを作成する(時刻t11)。なお、期間1の値“1”としては、例えば、タップ操作された時点t11から+1ずつカウントアップしてt19に至るまでの間の十の位を示す値“1”が使用可能となっている。これは他の期間の値も同様である。また、カウントアップの時間間隔は任意であるが、リアルタイムでゲーム上の処理を実行する観点から、短い方が好ましい。
【0112】
また、第1の携帯端末4Aでは、プロセッサ43Aが、このイベント情報ivAによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。なお、レイドボスのHPを−10させる処理は、アタックによりレイドボスがダメージを受けることに相当する。このことは、以下の説明でも同様である。
【0113】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivAによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。また、プロセッサ23は、図10及び図12に示すように、このイベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の第1の携帯端末4B、4Cに送信する(時刻t12)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivAを当該イベント情報ivAに含まれる期間情報が示す期間内に他の第1の携帯端末4B、4Cに送信する。
【0114】
他の第1の携帯端末4B、4Cでは、プロセッサ43B、43Cが、このイベント情報ivAによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0115】
また同様に、例えば第1の携帯端末4Bでは、ユーザがタッチパネル48Bに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図10及び図13に示すように、プロセッサ43Bが、当該タップ操作を示すアクション情報actBと、当該タップ操作された時点(t21)から所定の期間2(=t21〜t29)を示す期間情報とを含むイベント情報ivBを作成する(時刻t21)。
【0116】
また、第1の携帯端末4Bでは、プロセッサ43Bが、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivBを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0117】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。また、プロセッサ23は、図10及び図14に示すように、このイベント情報ivBをウェブソケットの通信規格に従って他の第1の携帯端末4A、4Cに送信する(時刻t22)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivBを当該イベント情報ivBに含まれる期間情報が示す期間内に他の第1の携帯端末4A、4Cに送信する。
【0118】
他の第1の携帯端末4A、4Cでは、プロセッサ43A、43Cが、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0119】
更に同様に、他の第1の携帯端末4Cでは、ユーザがタッチパネル48Cに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図10及び図15に示すように、プロセッサ43Cが、当該タップ操作を示すアクション情報actCと、当該タップ操作された時点(t31)から所定の期間3(=t31〜t39)を示す期間情報とを含むイベント情報ivCを作成する(時刻t31)。
【0120】
また、第1の携帯端末4Cでは、プロセッサ43Cが、このイベント情報ivCによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivCを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0121】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivCによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。また、プロセッサ23は、このイベント情報ivCをウェブソケットの通信規格に従って他の第1の携帯端末4A、4Bに送信する(時刻t32)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivCを当該イベント情報ivCに含まれる期間情報が示す期間内に他の第1の携帯端末4A、4Bに送信する。
【0122】
他の第1の携帯端末4A、4Bでは、プロセッサ43A、43Cが、このイベント情報ivCによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0123】
続いて、以上のようなイベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0124】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてバトルを終了させる。なお、バトルの終了は、レイドボスのHPがゼロになった場合に限らず、例えば制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合でもよい。
【0125】
いずれにしても、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルを終了させると、第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn)。このときの接続の切断により、ウェブソケット通信が終了される。
【0126】
これにより、救援を用いない場合の1回のレイドバトルゲームが完了する。
【0127】
次に、以上の説明を踏まえ、救援を用いる場合の動作について述べる。
【0128】
(救援を用いる場合;図16
救援を用いる場合、ウェブサーバ装置2は、図10に示した動作に並行して、図16に示すように、各ステップST2〜ST12等を実行する。
【0129】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、各ユーザのレベルの差分の範囲と、特典データと、レア度と、特典データ交換ポイントとを関連付けてメモリ22に設定する(ST1)。この設定により、救援を用いるレイドバトルゲームが実行可能となる。
【0130】
続いて、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルゲームへの参加募集期間の計時を開始する。
【0131】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、参加募集期間中、第1の各携帯端末4A〜4Cからバトルへの参加を求める第1ハンドシェイク要求を受けると、当該第1ハンドシェイク要求に基づき、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立して第1ハンドシェイク応答を返信し(時刻t0)、第1の各携帯端末4A〜4Cにバトルへの参加を許可する(ST2)。このときの接続の確立により、ウェブサーバ装置2と第1の各携帯端末4A〜4Cとの間でウェブソケット通信が実行可能となる。以下、接続の切断までの間は、特に述べなくても、ウェブサーバ装置2と第1の各携帯端末4A〜4Cとの間の通信にはウェブソケット通信が用いられる。
【0132】
ステップST2と並行して、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、参加募集期間中、例えば、SNS上で第1の各携帯端末4A〜4Cの各ユーザとは友達関係にある各ユーザをソーシャルグラフ情報データベースp_sから当該ゲームに関して検索する。また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、検索結果に基づいて、図17に示すように、第1の各携帯端末4A〜4Cの各ユーザのユーザ識別情報と、第2の各携帯端末4D〜4Hの各ユーザのユーザ識別情報とを関連付けてメモリ22に書込む。このとき、ユーザ識別情報には各ユーザのレベル(同図中「Lv:○○」と表記。○○は任意の数値)(図示せず)も付加しておく。なお、各ユーザ識別情報(及びレベル)を関連付けた情報(以下、レベル管理情報34という)の書き込みは、第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続の確立後に実行してもよい。また、レベル管理情報34内のユーザ識別情報にはユーザのレベルの他に、携帯端末識別情報(図示せず)を付加してもよい。また、レベル管理情報34は、例えば図18に示すように、各ユーザのユーザ識別情報及びレベルを互いに関連付けた情報と表現してもよい。
【0133】
しかる後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、参加募集期間中、検索結果に基づき、SNS上で第1の各携帯端末4A〜4Cの各ユーザとは友達関係にある各ユーザの第2の各携帯端末4D〜4Hに対し、第2キャラクタの情報の設定と、第2ハンドシェイク要求の送信とを促すメッセージを送信する。但し、このメッセージの送信は必須ではない。例えば、第1の各携帯端末4A〜4Cの各ユーザが電子メール等で個人的に第2の各携帯端末のユーザに救援機能の設定を依頼してもよいためである。あるいは、参加募集期間中、第2の各携帯端末4D〜4Hのユーザが自発的に救援機能の設定をしてもよいためである。
【0134】
第2の各携帯端末4D〜4Hは、このメッセージを表示すると、各ユーザの操作により、第2キャラクタの情報をそれぞれメモリ42D〜42Hに設定した後、設定完了を含む第2ハンドシェイク要求をウェブサーバ装置2に送信する。なお、第2キャラクタの情報は、図19に一例を示すように、第2キャラクタによる救援機能のオン状態又はオフ状態を含んでいる。具体的には、第2キャラクタの情報は、例えばユーザID、キャラクタID、HP等のパラメータ情報、及び救援機能のオン/オフの設定を含んでいる。
【0135】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第2の各携帯端末4D〜4Hから第2ハンドシェイク要求を受けると、当該第2ハンドシェイク要求に基づき、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を確立して第2ハンドシェイク応答を返信し(時刻t0’)、第2の各携帯端末4D〜4Hの救援機能による救援態勢を整える(ST3)。このときの接続の確立により、ウェブサーバ装置2と第2の各携帯端末4D〜4Hとの間でウェブソケット通信が実行可能となる。以下、接続の切断までの間は、特に述べなくても、ウェブサーバ装置2と第2の各携帯端末4D〜4Hとの間の通信にはウェブソケット通信が用いられる。
【0136】
なお、参加募集期間は第1及び第2の各携帯端末4A〜4H間で同一(又は共通)であるが、時刻t0の値は第1の各携帯端末4A〜4Cにおける第1ハンドシェイク要求の送信時刻に応じて第1の各携帯端末4A〜4C毎に異なる。同様に、時刻t0’の値は第2の各携帯端末4D〜4Hにおける第2ハンドシェイク要求の送信時刻に応じて第2の各携帯端末4D〜4H毎に異なる。
【0137】
ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、参加募集期間の終了後、所定の制限時間等に基づいてバトルゲームの実行を開始する(ST4)。なお、携帯端末の電源オフ等により、参加募集期間中にステップST3が実行されなかった第2の各携帯端末があれば、バトルの実行期間中もステップST3の救援態勢を整える処理を継続してもよい(ST5)。
【0138】
次に、ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、第1の各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末4A,4B又は4Cからユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従っていずれかの携帯端末以外の他の各携帯端末に送信する(ST6)。
【0139】
例えば第1の携帯端末4Aでは、ユーザによるタッチパネル48Aのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Aが、イベント情報ivAを作成し、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを減少させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0140】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを減少させる処理)を実行し、当該イベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B,4Cに送信する。
【0141】
他の携帯端末4B,4Cでは、プロセッサ43B,43Cが、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0142】
すなわち、ステップST6では、各携帯端末4A〜4Cから送信されたイベント情報ivA〜ivCが、ウェブソケット通信により、リアルタイムで他の各携帯端末4A〜4Cに共有される。
【0143】
続いて、以上のようなイベント情報及び制限時間に基づいてゲーム状況が進行し、例えば、バトル中に第1の携帯端末4Aの第1キャラクタが敵に負けそうになったとする。このとき、第1の携帯端末4Aは、ユーザの操作により、救援要請をウェブサーバ装置2に送信する。
【0144】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第1の携帯端末4Aから救援要請を受けると、当該救援要請を第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する(ST7)。
【0145】
各携帯端末4D〜4Hは、プロセッサ43D〜43Hが、救援要請を受けると、メモリ42D〜42Hを参照し、救援機能のオン状態又はオフ状態を示す応答をウェブサーバ装置2に送信する。
【0146】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、送信した救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、救援要請を送信した第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、第2の各携帯端末4D〜4Hの各ユーザのレベルとの差分を個別に算出し、当該算出された各々の差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、救援要請とを第2の各携帯端末4D〜4Hにウェブソケットの通信規格に従って送信(プッシュ配信)する。
【0147】
第2の各携帯端末4D〜4Hでは、特典データの一部を含む表示データと、救援要請とを表示し、救援機能をオン状態に変更することを各ユーザに促す。このとき、第2の携帯端末4Dでは、ユーザの操作により、メモリ42Dに設定された救援機能のオフ状態をオン状態に変更したとする。第2の携帯端末4Dでは、プロセッサ43Dが、当該救援機能のオン状態を示す応答をウェブサーバ装置2に送信する。これは、2回目の救援要請に対する応答が救援機能のオン状態を示す例であるが、この例に限らず、1回目の救援要請に対する応答が救援機能のオン状態を示していてもよい。
【0148】
いずれにしても、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、救援要請を送信した後、例えば第2の携帯端末4Dから救援機能のオン状態を示す応答を受信したとする(ST8)。
【0149】
ここで、フレンドポイントを用いる場合には、ウェブサーバ装置2では、救援機能のオン状態を示す応答の受信の後に、救援要請を出した第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、当該応答を送信した第2の携帯端末4Dのユーザのレベルとの差分を算出し、当該算出された差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられたフレンドポイントを当該第2の携帯端末4Dに送信する。第2の携帯端末4Dでは、プロセッサ43Dが、フレンドポイントを受信すると、当該フレンドポイントをメモリ42Dに保存する。また、フレンドポイントを用いない場合には、このフレンドポイントに関する処理は省略される。
【0150】
さて、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第2の携帯端末4Dから救援機能のオン状態を示す応答を受信すると、図20に一例を示すように、当該第2の携帯端末4Dの救援機能により第2キャラクタC−4Dをバトル途中からバトルに参加させる(ST9)。第2キャラクタC−4Dとしては、例えば、第2の携帯端末4Dによる操作が不要であり、ゲームAI(人工知能)により制御されるNPC(ノン・プレイヤー・キャラクタ)が使用可能となっている。第2キャラクタC−4Dは、救援要請を出した第1の携帯端末4Aの第1キャラクタC−4Aを救援するように、レイドボスとバトルを行う。なお、第1キャラクタC−4Aは、第1の携帯端末4Aの攻撃ボタンB1のタップ操作により、レイドボスを攻撃するPC(プレイヤー・キャラクタ)である。また、図中の救援要請ボタンB2は、救援要請を送信する指示を入力するためのボタンである。回復ボタンB3は、ユーザのタップ操作により、第1キャラクタC−4Aの体力値(HP)を回復させるためのボタンである。
【0151】
続いて、前述したイベント情報及び制限時間に基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0152】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報によるアタックに基づいてバトルを終了させる(ST10)。但し、バトルの終了は、イベント情報に基づいてレイドボスのHPがゼロになった場合(レイドボスが負けた場合)に限らず、例えば、制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合(レイドボスが勝った場合)でもよい。
【0153】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、敵が負けた場合に、所定のインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(ST11;時刻tn)。但し、プロセッサ23は、敵が勝った場合にはインセンティブデータを送信せずに、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn)。
【0154】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、敵が負けた場合に、救援要請を出した第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、救援機能のオン状態を示す応答を送信した第2の携帯端末4Dのユーザのレベルとの差分を算出する。
【0155】
しかる後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該算出した差分がメモリ22内で該当する範囲に関連付けられた特典データを当該第2の携帯端末4Dに送信し、当該第2の携帯端末4Dとの接続を切断する(ST12;時刻tn’)。
【0156】
ステップST11とST12により接続が切断されると、ウェブソケット通信が終了される。これにより、図14に示した如き、救援を用いた場合の1回のレイドバトルゲームが完了する。
【0157】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2は、各携帯端末4A〜4Hとウェブソケット通信を実行する。ウェブサーバ装置2は、いずれかの第1の携帯端末4Aから救援要請を受けると、当該救援要請を第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する。ウェブサーバ装置2は、第2の各携帯端末4D〜4Hのうちのいずれかの第2の携帯端末4Dの救援機能がオン状態のときに第2キャラクタが第1キャラクタを救援可能なバトルゲームを第1の各携帯端末4A〜4Cに実行させる。
【0158】
従って、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、バトル途中からユーザの友達が参加可能なバトルゲームを実現することができる。
【0159】
また、救援要請に対する応答がいずれもオフ状態を示すとき、ウェブサーバ装置2が、当該いずれかの第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、第2の各携帯端末4D〜4Hの各ユーザのレベルとの差分に該当する範囲に関連付けられた特典データの一部を含む表示データと、救援要請とを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する。ここで、特典データの一部は、レア度の低い順に表示データに含まれた各インセンティブデータの一部である。特典データの一部が特典データの全体に占める割合は、敵の体力値とは負の相関関係を有する。すなわち、ゲーム終盤の敵の体力値が小さいときに、特典データの多くが表示されると共に、表示内容にレア度の高い特典データが含まれるようになる。
【0160】
従って、ゲーム終盤の敵の体力値が小さいときに、第2の各携帯端末4D〜4Hの各ユーザに対し、救援機能の設定をオン状態に変えるように、強く促すことができる。
【0161】
また、救援要請に対する応答のいずれかがオン状態を示すとき、ウェブサーバ装置2が、救援要請を出した第1の携帯端末4Aのユーザのレベルと、オン状態を示す応答をした第2の携帯端末4Dのユーザのレベルとの差分に該当する範囲に関連付けられたフレンドポイントを当該第2の携帯端末4Dに送信する。
【0162】
このように、救援機能をオン状態に設定した第2の携帯端末4Dにフレンドポイントを与えることができるので、救援する意欲の向上を図ることができる。
【0163】
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0164】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0165】
1…ネットワーク、2…ウェブサーバ装置、4A〜4H…携帯端末、5…アクセスポイント(AP)、6…基地局、21,41A…記憶装置、22,42A…メモリ、23,43A…プロセッサ、24,44A…通信部、45A…電子コンパス、46A…カメラ、47A…表示部、48A…タッチパネル。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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