特許第5749342号(P5749342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5749342モザイクチャンネルを提供する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749342
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】モザイクチャンネルを提供する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20150625BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20150625BHJP
【FI】
   H04N21/431
   H04N21/462
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-530511(P2013-530511)
(86)(22)【出願日】2010年9月30日
(65)【公表番号】特表2013-543682(P2013-543682A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】CN2010001539
(87)【国際公開番号】WO2012040882
(87)【国際公開日】20120405
【審査請求日】2013年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マ,シャオジュン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジュンビョウ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュン
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−161510(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/054562(WO,A2)
【文献】 特開2005−086811(JP,A)
【文献】 特開2008−219311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N5/222−5/257
5/76
5/765
5/80−5/91
5/915
5/92
5/922
5/928−5/93
5/937−5/94
5/95−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
19/89−19/895
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアント装置間で、モザイク表示に切り替えるよう命令されたクライアント装置の側で、モザイク表示を提供する方法であって、
前記クライアント装置により、前記モザイク表示に切り替えることの命令を受信するステップと、
前記クライアント装置により、全てのクライアント装置が接続されるデータ通信ネットワークを介して、1つ以上のその他のクライアント装置によって受信されている少なくとも1つのチャンネル番組のチャンネル情報を受信するステップであり、各チャンネル番組のチャンネル情報が、IP層マルチキャストを介して受信され、且つ、前記少なくとも1つのチャンネル番組のうち、少なくとも2つのクライアント装置によって受信されている各チャンネル番組に関して、1つのクライアント装置のみが、代表クライアント装置として前記少なくとも2つのクライアント装置から選定されて、そのチャンネル番組のチャンネル情報をIP層マルチキャストを介して送信する、ステップと、
前記クライアント装置により、前記チャンネル情報を提示する複数のモザイクセルを有する前記モザイク表示を生成するステップであり、前記チャンネル情報は、代表クライアント装置が受信しているチャンネル番組から該代表クライアント装置によってキャプチャされた1つのピクチャ又は複数のピクチャである、ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記複数のクライアント装置は複数のグループにグループ分けされ、前記モザイク表示に切り替える前記クライアント装置は、そのグループのクライアント装置からのチャンネル情報のみを受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のチャンネル番組が複数のチャンネルグループにグループ分けされ、各チャンネルグループが1つのモザイク表示に対応し、或るチャンネルグループに対応するモザイク表示に切り替える前記クライアント装置は、該チャンネルグループのチャンネル番組を受信しているクライアント装置からチャンネル情報を受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記クライアント装置は、通信ネットワークを介してチャンネル番組を受信しているときに、前記データ通信ネットワークを介して該チャンネル番組のチャンネル情報を送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャンネル情報は、前記チャンネル情報を送信するクライアント装置が受信しているチャンネル番組から該クライアント装置によって変換された低解像度ストリームである、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記モザイク表示は1つのチャンネルにて提供される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
モザイク表示を提供するクライアント装置であって、当該クライアント装置は、データ通信ネットワークを介して複数のクライアント装置に、それらとデータを通信するように接続され、当該クライアント装置は、
少なくとも1つのチャンネル番組サーバから少なくとも1つのチャンネル番組を受信するように構成された第1のインタフェースと、
前記データ通信ネットワークに接続するように構成された第2のインタフェースと、
前記第2のインタフェースを介して前記複数のクライアント装置のうちの少なくとも1つから前記少なくとも1つのチャンネル番組のチャンネル情報を受信して、該チャンネル情報を提示する複数のモザイクセルを有する前記モザイク表示を生成するように構成されたプロセッサであり、各チャンネル番組のチャンネル情報が、IP層マルチキャストを介して受信され、且つ、前記少なくとも1つのチャンネル番組のうち、少なくとも2つのクライアント装置によって受信されている各チャンネル番組に関して、1つのクライアント装置のみが、代表クライアント装置として前記少なくとも2つのクライアント装置から選定されて、そのチャンネル番組のチャンネル情報をIP層マルチキャストを介して送信する、プロセッサ
前記チャンネル番組を低解像度ストリームへと変換する、あるいは前記チャンネル番組から1つのピクチャ又は複数のピクチャをキャプチャする、ように構成されたコンバータと
を有
前記プロセッサは更に、前記低解像度ストリーム、キャプチャされた1つのピクチャ、又はキャプチャされた複数のピクチャを、前記第2のインタフェースを介して送信するように構成されている、
クライアント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオシステムに関し、より具体的には、モザイクチャンネルを提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、1つ以上のモザイクチャンネルが放送者によって提供されている。モザイクチャンネルは、ユーザが、手動でザッピング(チャンネル切替)することなく、現時の複数のTV番組の、わかりやすくて便利な通覧を得ることを可能にする。モザイクチャンネルは、一群の要素(通常はチャンネル)のモザイク(組合せ)表示を含むことが多く、それら要素の表示は静的又は動的であり得る。“静的”とは、各チャンネルのビデオからキャプチャされた1つのピクチャを意味し、“動的”とは、各チャンネルのビデオから取り出されるビデオストリームを意味する。一部のシステムにおいて、ユーザは、モザイクチャンネル内の対応するチャンネルアバター(チャンネルを具現化したもの)を選択することによって、自身の所望のチャンネルに切り替えることができる。
【0003】
例えば、特許文献1は、所与のビデオストリームに対するアクションに関するインジケータを有するインタラクティブなモザイクチャンネルビデオストリームを開示している。そのインタラクティブモザイクチャンネルは、複数の個々のビデオ番組が所与の時間に提示されるようにして、ビデオモニタ上に表示される。これは、少なくともビデオ情報を提示する複数のビデオセルと、それら複数のビデオセル間で移動されることが可能なカーソルとを有する。各ビデオセルは複数の個々のビデオ番組のうちの1つに関連付けられ、各ビデオセルは更に、該ビデオセル内に、そのビデオ番組に関するデータを報告する領域を有する。以上により、ユーザは、選択されたビデオセルに関連付けられたビデオ番組を直接的に選択することができる。
【0004】
しかしながら、従来のモザイクチャンネルは、放送者側で用意されてユーザ装置に伝送されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/030380号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モザイクチャンネルを提供する方法及び装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数のクライアント装置間でモザイクチャンネルを提供する方法が提供される。これら複数のクライアント装置は、互いにデータを通信することができるようにデータ通信ネットワークを介して接続される。モザイクチャンネルに切り替えるよう命令されたクライアント装置側で、その他のクライアント装置がチャンネル番組用通信ネットワークを介して少なくとも1つのチャンネル番組サーバからチャンネル番組を受信しながら、モザイクチャンネルを提供する。当該方法は、チャンネル番組用通信ネットワークを介して、前記その他のクライアント装置のうちの少なくとも1つからチャンネル番組のチャンネル情報を受信するステップと、該チャンネル情報を提示する複数のチャンネルセルを有するモザイクチャンネルを生成するステップとを有する。
【0008】
本発明の一態様によれば、モザイクチャンネルを提供するクライアント装置が提供される。当該クライアント装置は、データ通信ネットワークを介して複数のクライアント装置に、それらとデータを通信するように接続される。当該クライアント装置は、少なくとも1つのチャンネル番組サーバから複数のチャンネル番組を受信するように構成された第1のインタフェースと、前記データ通信ネットワークに接続するように構成された第2のインタフェースと、第2のインタフェースを介して前記複数のクライアント装置のうちの少なくとも1つから前記複数のチャンネル番組のチャンネル情報を受信して、該チャンネル情報を提示する複数のチャンネルセルを有するモザイクチャンネルを生成するように構成されたプロセッサとを有する。
【0009】
理解されるように、本発明の更なる態様及び利点が以下の発明の詳細な説明中に見出される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含められたものであり、発明の原理を説明する役割を果たす本明細書とともに、本発明の実施形態を例示するものである。故に、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。図面は以下の図を含む。
図1】本発明の一実施形態に従ったモザイクチャンネルを提供するシステムの一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に従ったチャンネル情報セルのレイアウトの一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に従ったモザイクチャンネルの階層モデルの一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に従ったSTB−チャンネルマッピングテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に従ったモザイクチャンネルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に従った、STBがMHMGに参加・退去することの一例を示す信号シーケンス図である。
図7】本発明の一実施形態に従ったSTB−チャンネルマッピングテーブルの他の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に従った、STBがACIにチャンネル変更メッセージ又はアライブメッセージを送信するワークフローを例示するフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に従ったメッセージタイプのテーブルの一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に従ったSTB7の加入後のSTB−チャンネルマッピングテーブルの一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に従った、チャンネル変更メッセージが受信された後のSTB−チャンネルマッピングテーブルの一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に従ったチャンネルの代表STBを選択する方法を例示するフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に従ったSTBを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の記載においては、明瞭さ及び簡潔さのため、既知の機能及び構成については詳細な説明を省略することがある。
【0012】
本発明は、放送者側で用意される必要なく1つ以上のモザイクチャンネルを提供する方法を提供し、故に、放送者側でモザイクチャンネルを用意するためのモザイクシステムを配備するコストを省くことができる。具体的には、複数のTVチャンネルのビデオ情報のモザイク表示を提示するよう1つ以上のモザイクチャンネルがユーザ側で用意され、複数のTVチャンネルのビデオ情報は、複数のTVチャンネルのコンテンツを受信する複数のSTBによって直接的あるいは間接的に提供される。“直接的”とは、モザイクチャンネルを表示するSTBに他のSTBがビデオ情報を送信することを意味し、“間接的”とは、他のSTBがネットワーク内の特定の装置にビデオ情報を送信し、該特定の装置がモザイクチャンネルを用意して該モザイクチャンネルを、モザイクチャンネルを表示するよう意図するSTBに送信することを意味する。図2は、実施形態に従ったモザイクチャンネルの一例を示す図である。この図は、発明の原理を説明する役割を果たすものであり、本発明を限定するために使用されるものではない。この例においては、単一ページのモザイクチャンネルが、m個のセル(小区画)を一覧にする手段によってm個のチャンネルの明瞭且つ便利な通覧を視聴者に与える。m個のセルの各々は、m個のチャンネルのうちの1つに関連付けられ、その対応するチャンネルのビデオ情報を提示する。ビデオ情報は、動的情報(例えば、ビデオストリーム)又は静的情報(例えば、チャンネルに対応するビデオストリームからキャプチャされたピクチャ又は画面スナップショット)とし得る。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に従ったモザイクチャンネルを提供するシステムの一例を示す図である。なお、この例は、本発明の態様を例示するためのものであり、本発明を限定するために使用されるものではない。この例において、システムは、2つのネットワークを有しており、すなわち、例えばTV放送(ケーブル又は衛星)ネットワークなどのTVチャンネルを提供するネットワークと、例えばIP(インターネットプロトコル)ネットワークなどのデータ通信を提供するネットワークとを有している。図1に示すように、システムは更に、TVチャンネルのコンテンツを提供する少なくとも1つの放送局と、複数のSTB(セットトップボックス)と、アクティブチャンネルインデクサ(indexer)と呼ぶモザイクチャンネルサーバとを有している。更なる詳細は後述するが、アクティブチャンネルインデクサは、IPネットワークに接続し且つSTB−チャンネルマッピングテーブルを維持管理するサーバである。この例におけるSTBは、ケーブルネットワークに接続するTVネットワークインタフェースとIPネットワークに接続するIPネットワークインタフェースという、少なくとも2つのネットワークインタフェースを有する。これら複数のSTBは、IPネットワークを介して互いに通信することができる。ケーブルネットワークからTVチャンネルのデータを受信するというSTBの現行機能に加えて、STBは更に、その現在チャンネルのデータを低解像度ストリームに変換して該低解像度ストリームをIPネットワークに送信するように設計される。この送信は、マルチキャスト又はユニキャストの何れかで行われ得る。さらに、STBは、他のSTBによって送信された低解像度ストリームをIPネットワークインタフェースを介して受信し、所定のルールに従って1つ以上のモザイクチャンネルを編集することができる。そのルールは、例えば、全てのチャンネルのビデオ情報が、単一のモザイクチャンネル内に、あるいはモザイクチャンネルの複数の連続したページ内に配列されるといったものにし得る。場合により、モザイクチャンネルの連続ページは、複数のモザイクチャンネルとして実現され得る。また、一部のチャンネルについては、何れのSTBもそれらを視聴しておらず、結果として、それらのチャンネルの低解像度ビットストリームがIPネットワーク内で入手可能でないということが起こり得る。故に、入手可能でないチャンネルに対処する3つの手法が存在する。すなわち、入手可能でないチャンネルのビデオ情報は欠けたままにされ、例えば、それら入手可能でないチャンネルに対応するビデオセルは黒く塗りつぶされ;あるいは、入手可能でないチャンネルに対応するビデオセルを後ろに追いやるようにビデオ情報の配列が変更され;あるいは、モザイクチャンネルを表示するSTBがIPネットワーク内のサードパーティサーバからビデオ情報を取得する。
【0014】
一変形例によれば、ビデオセルは、各グループが特定のトピック(例えば、スポーツチャンネル)に対応するよう、あるいは各グループが個人のお気に入りTVチャンネルコレクションに対応するよう、個々のSTB又はサードパーティ装置の何れかによってグループ分けされることができる。従って、例えばスポーツモザイクチャンネルといった特定のトピックに関するモザイクチャンネルを表示する命令を受信すると、STBはそのスポーツモザイクチャンネルに含まれるTVチャンネルのデータストリームを取り出すだけでよい。グループ情報が、STBの記憶モジュール又はサードパーティ装置の記憶モジュールの何れかに格納され得る。グループ情報は少なくとも、グループを一意的に特定するグループ識別子と、そのグループに何れのチャンネルが含まれているかについてのチャンネル情報とを含む。チャンネル情報は、チャンネルを一意的に特定するチャンネル識別子とし得る。一変形例によれば、各STBは一組のグループ情報に対応し、それにより、各STBはそのモザイクチャンネルの構成/配列をカスタマイズすることができる。一変形例によれば、システムは、複数のSTBユーザ及びサードパーティ装置の中の誰がグループを作り出したかにかかわらずにSTBがグループに参加(加入)及び/又は退去(脱退)することを可能にする機構を提供する。対応して、STBとモザイクグループとの間の関係を記録するデータベースが存在する。なお、STBとモザイクグループとの間の関係は、グループ情報を記録するデータベースに統合されることができ、すなわち、グループ識別子、チャンネル識別子及びSTB識別子という3つのフィールドを含むテーブル(表)にされることができる。加えて、STBは、何を受信すべきか、そしてモザイクチャンネル内にどのようにビデオセルを配置すべきかを知るために、上記関係を知ることができる。上記関係は、受信されてSTB内に格納されることができ、例えばグループへの新たなチャンネルの追加やグループからの既存チャンネルの削除などの変更が為されたときに更新されることができる。あるいは、上記関係は、STBがモザイクチャンネルを表示するように命令されたときにSTBに転送されてもよい。
【0015】
図3は、本実施形態に従ったモザイクチャンネルの階層モデルの一例を示す図である。この階層モデルは4つのレイヤを含んでいる。第1レイヤはモザイク生成層であり、対応するグループの加入STBによって全てのモザイクが生成される。これが意味することは、マルチキャストネットワークにおいては、各チャンネルに関し、対応するモザイクを生成し、更にはグループに寄与するよう、1つだけの代表STBが選定され;P2Pネットワークにおいては、各チャンネルに関し、特定のルールに従って、グループのSTBのうちの幾つかが、モザイクを生成してその他のピアに送信するように要求され得る;ということである。第2レイヤはモザイク配信層であり、基礎となるネットワークによってどちらの配信技術がサポートされているかに応じてマルチキャスト的又はP2P的の何れかでモザイクが配信され得る。第3レイヤは、STB上でモザイクを提示するモザイク提示層である。これはフレキシブルであり、モザイクを提示することには様々な手法が存在する。例えば、モザイクは、例えばスポーツなどの視聴者のお気に入りトピックに基づいて提示されることができる。第4レイヤは統計収集・提供層である。各STBによるチャンネル切替の情報はアクティブチャンネルインデクサに送信される必要があるので、TVサービス提供者又はサードパーティがアクティブチャンネルインデクサからチャンネル人気の統計を得ることは容易である。これは、特別なタイムスロットにおいてユーザの視聴嗜好を分析するために使用され得る。複数のSTBの間で共有される寄与及び情報に基づき、ユーザ嗜好やお奨めなどを指し示すものに関して、例えばチャンネル人気などの統計が容易に収集されて全視聴者に提供され得る。
【0016】
図4は、本実施形態に従ったSTB−チャンネルマッピングテーブルの一例を示している。図示のように、マッピングテープルは、どのSTBがどのTVチャンネルを再生しているかについての情報を維持管理する。ここでは、アクティブチャンネルを、少なくとも1つのSTBによって再生されているチャンネルとして定義する。マルチキャストをサポートするIPネットワークでは、STB−チャンネルマッピング情報は、各アクティブチャンネルの代表STBを発見する助けとするために使用される。代表STBは、そのチャンネルの番組を低解像度ストリームへとトランスコーディングして該ストリームをIPネットワークに送信することを担うものである。P2Pネットワークでは、このテーブルは、特定のピアに、ピア検索によって使用されることが可能なピアのリストを提供する。リスト内のピアから1つのピアが選定され、そのピアが、チャンネル番組を低解像度ストリームへとトランスコーディングし、且つ該ストリームを上記特定のピアに送信する。マルチキャストをサポートするIPネットワークにおいて、特定チャンネルの代表STBを選定するためのルールは以下を含む:
1.該特定チャンネルにチャンネルを合わせている最初のSTBを代表STBとして使用し、最初のSTBが機能しないか退去するかするとき2番目のSTBを使用する。このプロセスは、該特定チャンネルに合わせているSTBが存在しなくなるまで繰り返される;
2.代表STBとして1つのSTBをランダムに選定する。
【0017】
全てのSTBは、電源がオンになるときに、自身をアクティブチャンネルインデクサに登録する。登録後、STBは、モザイクチャンネルを得たり、低解像度ストリームを送信する代表STBとして選定されたりすることができるようになる。一変形例によれば、STBは、TVチャンネルのモザイク表示を受信することは依然として望みながら、低解像度ストリームを送信する代表STBとして選定されることは望まないことがある。この状況において、STBは自身を登録する必要はなく、STBは、モザイク表示を受信しようとするときに、例えばアクティブチャンネルインデクサであるサーバからモザイク表示を受信する方法についての情報を得るための命令を送信する。
【0018】
STBが有効なチャンネル切替を行う限り、該STBは、例えば替えた後のチャンネルを一意的に特定するチャンネルIDとSTB IDとを含むメッセージを送信することによって、その有効なチャンネル切替をアクティブチャンネルインデクサに通知する。なお、ここでは、一般的なチャンネルサーフィン(チャンネルを次々に替えること)から区別するために、有効なチャンネル切替なる表現を使用している。時にして視聴者は気に入った番組を探すために素速いチャンネルサーフィンを行う傾向にあるので、チャンネルサーフィン中のチャンネル切替動作ごとにメッセージを送信することは避けるべきである。有効なチャンネル切替が行われたときにのみ、例えば、視聴者が少なくとも15秒間1つのチャンネルにとどまった後にのみ、報告が送出されるべきである。しかしながら、有効なチャンネル切替とは何であるかを定義するための統一された基準は存在しない。例えば視聴者が少なくとも10秒間1つのチャンネルにとどまった後といった、その他の基準が適用されてもよい。
【0019】
図5は、本実施形態に従ったモザイクチャンネルを受信する方法の一例を示すフローチャートである。この例はSTB群をグループ分けする。ここでは、グループを、複数世帯モザイクグループ(multiple household mosaic group;MHMG)と呼ぶ。このようなMHMGを形成することには様々な手法が存在する。例えば、MHMGはユーザ領域に基づいて予め定められ、すなわち、或る領域内のSTBのグループが1つのMHMGを形成する。また、例えばスポーツやニュースなどの特定のテーマに関して、1つ以上のMHMGがモザイクサービス提供者又はSTBユーザによって作り出され、1つ以上のMHMGへのSTBの加入又は脱退(参加又は退去)が可能にされる。MHMGについての情報、及びどのSTBがどのMHMGに加入しているかについての情報は、全てのSTBにアクセス可能なサーバ内に格納される。このサーバはアクティブチャンネルインデクサとし得る。
【0020】
ステップ501にて、或るSTBが或るMHMGに加わる。該STBが加わる前に、該MHMGは幾つかのメンバーSTBを含んでいるとし得る。
【0021】
ステップ502にて、該STBは複数の他のメンバーSTBから複数の低ビットレートストリームを受信する。これら低ビットレートストリームは、これら他のメンバーSTBによって、ケーブルインタフェースを介して受信されたデータストリームから生成されたものである。
【0022】
ステップ503にて、該STBは、受信した複数の低ビットレートストリームからモザイク表示を生成する。モザイク表示においては、複数のビデオセルが使用されて、これら低ビットレートストリームのコンテンツが提示される。時にして、2つ以上のメンバーSTBが同じTVチャンネルを受信していることがある。そのような状況においては、遅れて受信した1つ以上のストリームを廃棄して最初に受信したストリームのみを使用するか、代表STBを選定してそのストリームを送信するように上記2つ以上のメンバーSTBに要求するか、の何れかとし得る。
【0023】
一変形例によれば、低ビットレートストリームの他に、ケーブルネットワークのデータストリームから変換された低解像度ストリーム、現時に表示中のビデオの1枚のピクチャ、及びビデオからサンプリングされた複数のピクチャなども使用し得る。対応して、モザイク表示内のセルは、メンバーSTBの各々がキャプチャしたピクチャを送信するときには静止画のみを示す。また、帯域幅が許す場合には、ケーブルネットワークのデータストリームを何らの変換もせずに直接使用してもよい。
【0024】
一変形例によれば、複数の異なるテーマに関する複数のMHMGが存在し得る。IPネットワークによってマルチキャスト送信がサポートされている場合、MHMGはマルチキャストアドレスによってインデックス(索引)付けされ得る。そうでなく、IPネットワーク(例えば、インターネット)がマルチキャスト送信をサポートしていない場合、MHMGは特別なユニキャストアドレスによってインデックス付けされ、この場合、例えばアプリケーション層マルチキャスト又はP2P伝送などの技術が使用され得る。STBのMHMG情報は、事前設定されるか、あるいはアクティブチャンネルインデクサから動的に取り出されるかすることができる。
【0025】
また、MHMGは複数の特定TVチャンネルを含むように事前に定められ得る。或るSTBがこのタイプのMHMGに加わってモザイク表示に切り替えようとするとき、該STBはこのMHMGの他のメンバーSTBからデータを受信することになる。
【0026】
図6は、本実施形態に従った、STBがMHMGに参加・退去することの一例を示す信号シーケンス図である。明瞭さ及び簡潔さのため、システムに為される変更についてのみ、すなわち、STB、アクティブチャンネルインデクサ(ACI)及びHMMGの間で交換されるメッセージについてのみ説明する。
【0027】
ステップ601にて、STBが、自身が複数世帯モザイクサービス(MHMS)に加入することに関心があることを指し示す要求を、アクティブチャンネルインデクサ(ACI)に送信する。このMHMS加入要求は少なくとも以下のフィールド:
1.Message_Type(メッセージタイプ)
2.STB_ID(STB ID)
3.Active_Channel(アクティブチャンネル)
を含み得る。
【0028】
ここでは、Message_Typeを0に設定することが、それがMHMS加入要求であることを指し示す。そして、STB_ID及びActive_Channelは、そのSTB固有の識別子及びそのアクティブチャンネルを指し示すために使用される。図9は、メッセージタイプのテーブルを示している。一変形例によれば、Active_Channelフィールドは、該STBがその現時のTV番組の低ビットレートストリームを提供する必要がないときには不要とし得る。
【0029】
ステップ602にて、ACIが該STBに加入を確認する。この確認は少なくとも以下のフィールド:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Subscription_Flag(加入フラグ)
4.MHMG_address(MHMGアドレス)
を含む。
【0030】
ここでは、Message_Typeを1に設定することが、それがMHMS加入要求への応答であることを指し示し、Subscription_Flagを1に設定することが加入成功を表し、Subscription_Flagを0に設定することが加入失敗を表す。MHMG_addressは、例えば239.1.1.1といった複数世帯モザイクグループ(MHMG)のマルチキャストアドレスである。
【0031】
加入成功の場合、ACIはSTB−チャンネルマッピングテーブルを更新する。図7は、本実施形態に従ったSTB−チャンネルマッピングテーブルの他の一例を示している。図7に示すように、各チャンネルに対応するSTBのリストが存在し、例えば、STB2及びSTB5は現時においてチャンネル1にあり、STB1及びSTB4はチャンネル2にあり、等々である。なお、この例において、各アイテムは、STB_IDとActive_Time(アクティブ時間)とを含んだ2タプルのセットである。Active_Timeは、そのSTBからACIがチャンネル情報を受信した最後の時間を表すために使用され得る。Active_Timeは、以下のイベント:
1.ACIが1つのSTBからHMMS加入要求を受信する
2.ACIが1つのSTBからアライブ(alive)メッセージを受信する
3.ACIが1つのSTBからチャンネル変更メッセージを受信する
4.ACIが1つのSTBからHMMS脱退要求を受信する
のうちの何れか1つが起こったときに更新される。
【0032】
Active_Timeは、ACIが上述のイベントのうちの何れかを受信するときにACIによってローカルに読み出される。加入イベント又はチャンネル変更イベントを受信するとき、ACIは対応するSTBのActive_Timeを然るべく更新し、脱退イベントを受信するとき、ACIは対応するSTBの2タプルアイテムをSTB−チャンネルマッピングテーブルから削除する。MHMSに加入しているSTBごとに、STBは周期的に、それが依然として動作していることとアクティブチャンネルIDとを指し示すアライブメッセージをACIに送信する。当業者に認識されるように、全てのSTBがアライブメッセージを送信することは必ずしも要求されない。
【0033】
ステップ603にて、STBがMHMGに加わる。マルチキャストをサポートするネットワークでは、STBは、MHMGに加わるために、マルチキャストグループにIGMP(インターネットグループマネージメントプロトコル)グループ加入(Join Group)要求を送信するだけでよい。P2Pネットワークでは、参加及び退去のために特有のプロトコルが設計され得る。アクティブチャンネルインデクサにより、そのような参加及び退去は容易に設計されてACIとSTBとの間で理解されることができる。
【0034】
ステップ604にて、STBは、MHMGから複数世帯モザイク(MHM)コンテンツを受信し、該コンテンツをデコードしてモザイクチャンネルを編集する。チャンネル情報セルのレイアウトについては、図2のレイアウトを参照することができる。STBは同じMHMG内の複数のメンバーSTBから同時にデータストリームを受信することがあるので、それらのデータストリームを相互に区別する必要がある。何故なら、それらのデータストリームは後に、モザイクチャンネル内のそれぞれのビデオセルを作り出すために使用されるからである。なお、マルチキャストが用いられるとき、データは、パケットヘッダ内のトランスポートポート(transport port)番号をマルチキャストアドレスに加えたものとともに送信される。故に、複数の異なるTV番組チャンネルのモザイクコンテンツを複数の異なるトランスポートポート番号に送信する単純な一手法は、例えば、チャンネル1がポート10001でマルチキャストアドレス226.1.1.1に送信され、チャンネル2がポート10002でマルチキャストアドレス226.1.1.1に送信され、チャンネル3がポート10003でマルチキャストアドレス226.1.1.1に送信され、等々といったものである。唯一の要件は、予め定められてACIから読み出されることが可能なチャンネル−ポート番号マッピングテーブルを各STBが取得し、その結果、STBがこれらの情報を用いて複数のTVチャンネルのモザイク表示を生成することができる、ということである。
【0035】
ステップ605にて、STBが、自身が依然として動作していることとそのアクティブチャンネルIDとを指し示すアライブメッセージを周期的にACIに送信し、あるいは、視聴者がTVチャンネルを変更する場合にチャンネル変更メッセージを送信する。アライブメッセージに関して、アライブメッセージを送信する周期は、例えば30秒ごとなど、予め定められ得る。アライブメッセージは以下の情報:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Active_Channel
を含む。
【0036】
ここでは、Message_Typeを4に設定することが、それがアライブメッセージであることを指し示す。
【0037】
STBからアライブメッセージを受信すると、ACIはSTB−チャンネルマッピングテーブル内の対応するSTBの2タプルアイテムを更新する。なお、Active_Timeは、アライブメッセージを受信したときのACIのローカル時間に設定される。
【0038】
チャンネル変更メッセージに関して、該メッセージは以下の情報:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Active_Channel
を含む。
【0039】
ここでは、Message_Typeを6に設定することが、それがチャンネル変更メッセージであることを指し示す。
【0040】
なお、視聴者が素速いチャンネルサーフィンを行うことが起こり得る。例えば(素速い)チャンネルサーフィンによって引き起こされる無用なメッセージの送信を避けるため、例えばSTBが15秒間1つのチャンネルにとどまった後にのみチャンネル変更メッセージが送信されるといった、更なるルールが適用され得る。図8は、本実施形態に従った、STBがACIにチャンネル変更メッセージ又はアライブメッセージを送信するワークフローを例示するフローチャートである。ステップ801にて、STBはアクティブチャンネルとアライブメッセージ送信タイマとを監視する。ステップ802にて、STBは、チャンネルが変更されたかどうか、及び視聴者がチャンネル変更後に新たなチャンネルに15秒より長くとどまっているかどうかを決定する。双方の答えがyesである場合、STBはチャンネル変更メッセージをACIに送信する。そうでない場合、STBは、ステップ804にて、アライブメッセージ送信タイマが満了したかを決定する。タイマが満了した場合、STBはアライブメッセージをACIに送信する。そうでない場合、STBはアライブメッセージ送信タイマを監視し続ける。当業者に認識されるように、図8の方法は単に取り得る一実装例であり、その他の実装も可能である。例えば、STBはアクティブチャンネルとアライブメッセージ送信タイマとを別々に監視してもよい。
【0041】
ステップ606にて、ACIがSTBからアライブメッセージ又はチャンネル変更メッセージを受信した後、ACIは、確認メッセージをSTBに返送するとともに、STB−チャンネルマッピングテーブル内の対応する2タプルアイテムを更新する。この確認メッセージは以下のフィールド:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Active_Channel
を含む。
【0042】
ここでは、Message_Typeを5に設定することが、それがアライブメッセージへの応答であることを指し示し、Message_Typeを7に設定することが、それがチャンネル変更メッセージへの応答であることを指し示す。
【0043】
ステップ607にて、STBの新チャンネルへの変更又はアライブメッセージの送信の後、STBは、MHMGからのMHMコンテンツの受信を続け、該コンテンツをデコードしてモザイクチャンネルを編集する。
【0044】
ステップ608にて、STBが、自身がMHMSを脱退することを望むことを指し示すMHMS脱退要求をACIに送信する。MHMS脱退要求は少なくとも以下のフィールド:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Active_Channel
を含み得る。
【0045】
ここでは、Message_Typeを2に設定することが、それがMHMS脱退要求であることを指し示す。
【0046】
ステップ609にて、ACIが該STBに脱退を確認する。この確認は少なくとも以下のフィールド:
1.Message_Type
2.STB_ID
3.Un−subscription_Flag(脱退フラグ)
を含む。
【0047】
ここでは、Message_Typeを3に設定することが、それがMHMS脱退要求への応答であることを指し示す。Un−subscription_Flagを1に設定することが脱退成功を表し、Un−subscription_Flagを0に設定することが脱退失敗を表す。
【0048】
ステップ610にて、STBがMHMGを退去する。
【0049】
上述の例から理解されるように、STBは、それがモザイクチャンネルにあるか否かにかかわらず、MHMコンテンツの受信とモザイクチャンネル用のモザイク表示の編集とを続けている。一変形例によれば、STBは、自身がモザイクチャンネルに切り替えられているときにのみ、受信ストリームをデコードしてモザイクチャンネル用のモザイク表示を生成する。
【0050】
ケーブルネットワークからのTVチャンネル及びモザイクチャンネルのチャンネル番号の割当てに関して、各TVチャンネルに例えばチャンネル1、チャンネル2などの1つのチャンネル番号が割り当てられ、モザイクチャンネルには例えばチャンネル0又はチャンネル999などの特別な番号が割り当てられ得る。一変形例によれば、モザイクチャンネルへの速い切替えを容易にするために、リモートコントローラに特別なキーが実装され得る。
【0051】
STBをモザイクチャンネルに切り替えるとき、ユーザはSTBのリモートコントローラ上の右/左/上/下/ページアップ/ページダウンキーを用いてモザイクチャンネルを閲覧し得る。ユーザが特定のチャンネルに切り替えることを決定したとき、ユーザは先ず右/左/上/下を用いて対応するモザイクに移動し、次いでOKキーを押すことで、所望のチャンネルに切り替えるようにSTBに要求し得る。他の例では、ユーザがモザイクチャンネルの閲覧中に1つの面白いチャンネルを見つけた場合、ユーザは、例えばチャンネル10に直接切り替えるために番号10を入力してもよい。この機能を実装するため、低ビットレートストリームを提供する各STBが例えばチャンネルIDといったチャンネル情報をストリーム内に追加することで、ストリームを受信するSTBは、ユーザによって選択されたセルがどのTVチャンネルに対応するかを知ることができる。その他に、ユーザが直接的にリモートコントローラを用いてチャンネル番号を入力することができるよう、チャンネル情報を示すようにセルを構成することができ、例えば画面の底部といった画面の特定の領域が、チャンネル情報を示すように構成される。
【0052】
MHMSに加入する何れのSTBも、MHMコンテンツを受信するだけでなく、必要時にアクティブチャンネル番組を低ビットストリームにトランスコーディングし且つそれをMHMGに送信することによってMHMGに寄与するように強いられる。なお、マルチキャストをサポートするネットワークでは、チャンネルの代表者が寄与することを要求されるので、アクティブチャンネルインデクサによって1つのSTBのみが選定される。P2Pネットワークでは、STBは、ピアSTBによって要求されるときに、低ビットレートストリームのトランスコーディング及び送信を実行する。STBは、各ストリームが1つのTVチャンネルに対応した、複数のピアSTBからの複数の低ビットレートストリームを要求し得る。どのSTBがどのTVチャンネルを再生しているかについての情報は、各STBがそのチャンネル情報を登録するサーバから得ることができる。
【0053】
ACIは、STBから以下のメッセージ:
1.MHMS加入要求
2.MHMS脱退要求
3.アライブメッセージ
4.チャンネル変更メッセージ
のうちの1つのタイプを受信すると常に、STB/チャンネルマッピングテーブルを更新する。
【0054】
MHMS加入要求の受信を受けて、ACIはSTB/チャンネルマッピングテーブルに2タプルアイテムを追加する。例えば、アクティブチャンネル1を背負ったSTB7からMHMS加入要求を受信するとき、ACIは、チャンネル1に対応するリスト内に2タプルアイテム(STB7,Active_Time)を追加する。
【0055】
図10は、STB7の加入後のSTB−チャンネルマッピングテーブルの一例を示している。
【0056】
MHMS脱退要求の受信を受けて、ACIはSTB−チャンネルマッピングテーブル内のそのSTBの2タプルアイテムを削除する。
【0057】
アライブメッセージの受信を受けて、ACIはSTB−チャンネルマッピングテーブル内のそのSTBの2タプルアイテムのActive_Timeを更新する。Active_Timeは、ACIがアライブメッセージを受信したときのACIのローカル時間である。
【0058】
チャンネル変更メッセージの受信を受けて、ACIは、その以前のチャンネルリストから対応するSTBの2タプルアイテムを削除するとともに、新たなチャンネルリストに新たな2タプルアイテムを追加する。例えば、STB5から、チャンネル1からチャンネル2へのそのチャンネル変更を指し示すチャンネル変更メッセージを受信するとき、ACIは、図11に示すように、チャンネル1リストからSTBの2タプルアイテムを削除するとともに、チャンネル2リストに2タプルアイテムを追加する。
【0059】
マルチキャストをサポートするネットワークでは、アクティブチャンネルインデクサが、各アクティブチャンネルの代表STB及びバックアップSTBを選定することを担う。現時の代表者がシャットダウン又はチャンネル切替によって寄与に利用可能でなくなった場合、ACIによって直ちに、代表者の責務を引き継ぐようバックアップSTBに通知される。各チャンネルの代表者及びバックアップ代表者を選定することには、例えばチャンネルリストからのランダムな選択やチャンネルリストの最初のノードを選択することなど、様々な基準が存在する。
【0060】
ACIが1つのチャンネルの代表者として1つのSTBを選定することを決定すると、ACIは、該STBの現時の視聴TVチャンネルの代表STBとして該STBが選定されたことを指し示す代表者通知を該STBに送信することによって、MHMGに寄与するよう該STBに通知する。代表STBは、代表者通知への応答を用いてACIに返答する。図12は、チャンネルの代表STBを選択する方法を例示するフローチャートを示している。ステップ1201にて、ACIが、STB−チャンネルマッピングテーブルに基づいて、チャンネルごとに1つのSTBを代表STBとして選定する。ステップ1202にて、ACIは、選択されたSTBに代表者通知を送信するとともに、応答待機タイマをセットする。ステップ1203にて、ACIは代表STBからの応答を待つ。ステップ1204にて、ACIは、応答を待っている間に応答待機タイマが満了したかを監視する。タイマが満了していない場合、ACIはなおも応答を待つ。応答を受信した場合、ACIはタイマをキャンセルする。タイマが満了した場合、ACIは、ステップ1205にて、そのチャンネルの代表STBとしてバックアップSTBを選定する。バックアップSTBは、上述と同様にして選定される。タイマをセットする理由は、例えば選択されたSTBのシャットダウン、クラッシュ又はその他の例外問題などの理由により、ACIが選択されたSTBから応答を受信することができないことがあるからである。この場合、ACIは別のSTBを、代表者となるよう選定することができる。応答待機タイマは、例えば1秒又は500msなどと事前に定められ得る。
【0061】
一変形例によれば、P2Pネットワークに関して、アクティブチャンネルインデクサはMHMGメンバーに関する検索サービスを提供する。MHMGメンバーSTBは、それからチャンネル及びピアの情報を得ることができる。
【0062】
また、アクティブチャンネルインデクサは全てのMHMGメンバーのアクティブチャンネル情報を知っているので、人気のあるチャンネル及び視聴者の評価の統計が容易に取得され、MHMGメンバー又はTVサービス提供者に提供され得る。
【0063】
さらに、本発明によって提供する方法は、例えばケーブルTV又は衛星TVなどの伝統的な放送システムに適用され得るのみでなく、IPTVシステムにも直観的に適用されることができる。
【0064】
本実施形態の一変形例によれば、上述の2つのネットワークを単一のネットワークとし得る。すなわち、TVチャンネルの配信とデータ通信とを提供する単一のネットワークである。例えば、それは、TVチャンネルのコンテンツをカプセル化するデータパケットとデータ通信のためのデータパケットとの双方を配信するために使用されるIPネットワークをし得る。
【0065】
本実施形態の一変形例によれば、アクティブチャンネルインデクサはシステムに含まれない。この場合、STB自身が上述のような情報を維持管理し、例えば、全てのSTBがそれらの情報のコピーを有し、それらの情報が変更されたとき、その変更が全てのSTBに通知される。
【0066】
本実施形態の一変形例によれば、上述の複数のチャンネル番組は、各グループが1つのモザイクチャンネルに対応する複数のチャンネルグループに分割される。チャンネルグループに関する情報もACIに格納される。或るSTBが、例えばスポーツモザイクチャンネルなどの或る特定のチャンネルグループに対応するモザイクチャンネルにチャンネルを合わせるとき、該STBは、該特定のチャンネルグループのチャンネル番組を受信している他のSTBからチャンネル情報を受信する。
【0067】
図13は、本実施形態に従ったSTBを例示するブロック図である。このSTBは、ケーブルネットワークに接続するケーブルインタフェース、IPネットワークに接続するIPインタフェース、コンバータ、及びプロセッサを含んでいる。ケーブルインタフェースは、TVチャンネル提供者からTVチャンネルのデータストリームを受信するために使用され、IPインタフェースは、IPパケットにカプセル化されたデータの送信及び受信のために使用される。コンバータは、例えば、TVチャンネルのデータストリームを低解像度データストリームに変換すること、デコードされたTVチャンネルのコンテンツから単一のピクチャ又は一連のピクチャをキャプチャすることなど、フォーマット変換を実行するために使用される。図13から理解されるように、入力はケーブルインタフェースからであり、出力はIPインタフェースへである。IPインタフェースは、シグナリング情報、制御情報、及び他のSTBからのデータを受信し、変換後の低解像度データストリームをマルチキャストモード又はユニキャストモードの何れかでネットワークに送信するように構成される。一部の実装例において、そのSTBが代表STBとして選定されていないとき、そのSTBは変換を実行して変換後のストリームを送信する必要はない。プロセッサは、ユーザがTVチャンネルを使用しているときに、TVチャンネルのコンテンツをデコードして提示するために使用され、また、STBがモザイクチャンネルにチャンネルを合わせられるときに、IPインタフェースを介して受信したデータストリームに基づいて複数のTVチャンネルのモザイク表示を生成する。さらに、プロセッサは、ユーザがモザイクチャンネルを閲覧してモザイクチャンネル内の或るビデオセルの選択を行うときに、選択されたビデオセルに対応するTVチャンネルにSTBのチャンネルを合わせるように構成される。これらのモジュールの更なる説明については、上述の方法の説明を参照することができる。
【0068】
多数の実装例を説明してきた。そうはいうものの、理解されるように、様々な変更が為され得る。例えば、相異なる実装例の要素が組み合わされ、補足され、改変され、あるいは除去されて更なる実装例が生み出され得る。また、当業者に理解されるように、開示のものに代えて他の構造及びプロセスが用いられてもよく、それにより得られる実装例は、開示の実装例と少なくとも実質的に同様にして、少なくとも実質的に同じ機能を果たし、少なくとも実質的に同じ結果を達成するであろう。従って、上述の実装例に加えてその他の実装例も本発明の範囲に入るものである。
(付記1) 互いにデータを通信することができるようにデータ通信ネットワークを介して接続された複数のクライアント装置間で、モザイクチャンネルに切り替えるよう命令されたクライアント装置側で、その他のクライアント装置がチャンネル番組用通信ネットワークを介して少なくとも1つのチャンネル番組サーバからチャンネル番組を受信しながら、モザイクチャンネルを提供する方法であって、
前記チャンネル番組用通信ネットワークを介して、前記その他のクライアント装置のうちの少なくとも1つから、前記チャンネル番組のチャンネル情報を受信するステップと、
前記チャンネル情報を提示する複数のチャンネルセルを有するモザイクチャンネルを生成するステップと、
を有する方法。
(付記2) 前記複数のクライアント装置は複数のグループにグループ分けされ、前記モザイクチャンネルに切り替えるクライアント装置は、そのグループのクライアント装置からのチャンネル情報のみを受信する、付記1に記載の方法。
(付記3) 複数のチャンネル番組が複数のチャンネルグループにグループ分けされ、各チャンネルグループが1つのモザイクチャンネルに対応し、或るチャンネルグループに対応するモザイクチャンネルに切り替えるクライアント装置は、該チャンネルグループのチャンネル番組を受信しているクライアント装置からチャンネル情報を受信する、付記1に記載の方法。
(付記4) 同じチャンネル番組を受信している少なくとも2つのクライアント装置の中で、1つが該チャンネル番組の代表クライアント装置として選定されて該チャンネル番組のチャンネル情報を送信する、付記1に記載の方法。
(付記5) 前記クライアント装置は、前記チャンネル番組用通信ネットワークを介してチャンネル番組を受信しているときに、前記データ通信ネットワークを介して該チャンネル番組のチャンネル情報を送信する、付記1に記載の方法。
(付記6) 前記チャンネル情報は、前記チャンネル情報を送信するクライアント装置が受信しているチャンネル番組から該クライアント装置によって変換された低解像度ストリームである、付記1乃至5の何れかに記載の方法。
(付記7) 前記チャンネル情報は、前記チャンネル情報を送信するクライアント装置が受信しているチャンネル番組から該クライアント装置によってキャプチャされた1つのピクチャ又は複数のピクチャである、付記1乃至5の何れかに記載の方法。
(付記8) 前記データ通信ネットワーク及び前記チャンネル番組用通信ネットワークは同一のネットワークである、付記1乃至5の何れかに記載の方法。
(付記9) モザイクチャンネルを提供するクライアント装置であって、当該クライアント装置は、データ通信ネットワークを介して複数のクライアント装置に、それらとデータを通信するように接続され、当該クライアント装置は、
少なくとも1つのチャンネル番組サーバから複数のチャンネル番組を受信するように構成された第1のインタフェースと、
前記データ通信ネットワークに接続するように構成された第2のインタフェースと、
前記第2のインタフェースを介して前記複数のクライアント装置のうちの少なくとも1つから前記複数のチャンネル番組のチャンネル情報を受信して、該チャンネル情報を提示する複数のチャンネルセルを有するモザイクチャンネルを生成するように構成されたプロセッサと
を有する、クライアント装置。
(付記10) 前記チャンネル番組を低解像度ストリームへと変換する、あるいは前記チャンネル番組から1つのピクチャ又は複数のピクチャをキャプチャする、ように構成されたコンバータを更に有し、前記プロセッサは更に、前記低解像度ストリーム、キャプチャされた1つのピクチャ、又はキャプチャされた複数のピクチャを、前記第2のインタフェースを介して送信するように構成されている、付記9に記載のクライアント装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13