(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが操作する選手キャラクタが一の選手キャラクタに固定されるスポーツゲームでは、当該選手キャラクタがボール(又はパック)から離れた位置にいるような場合、ユーザは試合にほとんど関与できなくなる。このため、上記のようなスポーツゲームでは、ユーザが試合にほとんど関与できない時間が多くなってしまう傾向にあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザが特定の選手キャラクタの操作に専念できるように図ることが可能になるとともに、ユーザが試合にほとんど関与できない時間を減らすことが可能になるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ユーザによって操作される第1チームと、第2チームと、の間で行われるスポーツの試合のゲームを実行するゲーム装置において、前記第1チームに所属する複数の選手キャラクタのうちから、前記試合に出場する複数の選手キャラクタを選択する出場選手選択手段と、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、操作対象候補として、複数の選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて選択する操作対象候補選手選択手段と、前記試合中において、前記ユーザの操作対象を、前記操作対象候補選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちで切り替える操作対象選手切替手段と、前記試合中において、前記ユーザの操作対象になっている選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象選手制御手段と、を含む。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ユーザによって操作される第1チームと、第2チームと、の間で行われるスポーツの試合のゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記第1チームに所属する複数の選手キャラクタのうちから、前記試合に出場する複数の選手キャラクタを選択する出場選手選択ステップと、前記出場選手選択ステップにおいて選択された複数の選手キャラクタのうちから、操作対象候補として、複数の選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて選択する操作対象候補選手選択ステップと、前記試合中において、前記ユーザの操作対象を、前記操作対象候補選手選択ステップにおいて選択された複数の選手キャラクタのうちで切り替える操作対象選手切替ステップと、前記試合中において、前記ユーザの操作対象になっている選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象選手制御ステップと、を含む。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザによって操作される第1チームと、第2チームと、の間で行われるスポーツの試合のゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記第1チームに所属する複数の選手キャラクタのうちから、前記試合に出場する複数の選手キャラクタを選択する出場選手選択手段、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、操作対象候補として、複数の選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて選択する操作対象候補選手選択手段、前記試合中において、前記ユーザの操作対象を、前記操作対象候補選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちで切り替える操作対象候補選手切替手段、及び、前記試合中において、前記ユーザの操作対象になっている選手キャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象選手制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、ユーザが特定の選手キャラクタの操作に専念できるように図ることが可能になるとともに、ユーザが試合にほとんど関与できない時間を減らすことが可能になる。
【0011】
また本発明の一態様では、前記操作対象候補選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタを前記試合中のゲーム画面において案内する操作対象候補案内手段を含むようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから複数の選手キャラクタを選択するように前記ユーザに案内する選択案内手段を含み、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから前記ユーザによって選択された複数の選手キャラクタを前記操作対象候補として選択するようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記第1チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するように前記ユーザに案内する設定案内手段と、前記試合中において、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっていない選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて行動させる味方選手制御手段と、を含むようにしてもよい。前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、前記操作対象候補として、複数の選手キャラクタを前記行動制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記第2チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定する設定手段と、前記試合中において、前記第2チームに所属し、かつ、前記試合に出場している選手キャラクタを前記行動制御情報に基づいて行動させる相手選手制御手段と、を含むようにしてもよい。前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、前記操作対象候補として、複数の選手キャラクタを前記行動制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記行動制御情報に関する条件に対応づけて、前記操作対象候補の選択に関する選択制御情報を記憶する選択制御情報記憶手段を含むようにしてもよい。前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、前記操作対象候補として、複数の選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報が満足する前記条件に対応づけられた前記選択制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記ユーザのゲーム技量の高さに関する技量情報を取得する技量情報取得手段を含むようにしてもよい。前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、前記操作対象候補として、複数の選手キャラクタを前記技量情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【0017】
この態様では、前記技量情報に関する条件に対応づけて、前記操作対象候補の選択に関する選択制御情報を記憶する選択制御情報記憶手段を含むようにしてもよい。前記操作対象候補選手選択手段は、前記出場選手選択手段によって選択された複数の選手キャラクタのうちから、前記操作対象候補として、複数の選手キャラクタを、前記技量情報が満足する前記条件に対応づけられた前記選択制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明に係るゲーム装置は、所定情報に関する条件に対応づけて、操作対象候補の選択に関する選択制御情報を記憶する選択制御情報記憶手段と、複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタを、前記所定情報が満足する前記条件に対応づけられた前記選択制御情報に基づいて選択する操作対象候補選択手段と、ゲーム中において、ユーザの操作対象を、前記複数の操作対象候補ゲームキャラクタのうちで切り替える操作対象選手切替手段と、前記ゲーム中において、前記ユーザの操作対象になっているゲームキャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、所定情報に関する条件に対応づけて、操作対象候補の選択に関する選択制御情報を記憶してなる選択制御情報記憶手段の記憶内容を読み出すステップと、複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタを、前記所定情報が満足する前記条件に対応づけられた前記選択制御情報に基づいて選択する操作対象候補選択ステップと、ゲーム中において、ユーザの操作対象を、前記複数の操作対象候補ゲームキャラクタのうちで切り替える操作対象選手切替ステップと、前記ゲーム中において、前記ユーザの操作対象になっているゲームキャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るプログラムは、ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、所定情報に関する条件に対応づけて、操作対象候補の選択に関する選択制御情報を記憶する選択制御情報記憶手段、複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタを、前記所定情報が満足する前記条件に対応づけられた前記選択制御情報に基づいて選択する操作対象候補選択手段、ゲーム中において、ユーザの操作対象を、前記複数の操作対象候補ゲームキャラクタのうちで切り替える操作対象選手切替手段、及び、前記ゲーム中において、前記ユーザの操作対象になっているゲームキャラクタを、前記ユーザの操作に基づいて動作させる操作対象制御手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0021】
また本発明の一態様では、ゲームキャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するようにユーザに案内する設定案内手段と、前記複数のゲームキャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっていないゲームキャラクタを前記行動制御情報に基づいて行動させる非操作対象制御手段と、を含むようにしてもよい。前記所定情報は前記行動制御情報であってもよい。
【0022】
また本発明の一態様では、前記複数のゲームキャラクタに対立する相手ゲームキャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定する設定手段と、前記相手ゲームキャラクタを前記行動制御情報に基づいて行動させる相手制御手段と、を含むようにしてもよい。前記所定情報は前記行動制御情報であってもよい。
【0023】
また本発明の一態様では、前記所定情報は、前記ユーザの技量の高さに関する技量情報であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。
図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ32、スピーカ34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。モニタ32及びスピーカ34は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ32としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0027】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。コントローラ30以外の構成要素は家庭用ゲーム機11の筐体内に収容される。
【0028】
マイクロプロセッサ14は図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、光ディスク36、又はハードディスク26から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶16は例えばRAMを含む。主記憶16には光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18及び入出力処理部20は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0029】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、画像処理部18はVRAM上に描画されたゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ32に出力する。
【0030】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36又はハードディスク26からサウンドバッファに読み出されたゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等の各種音声データを再生してスピーカ34から出力する。通信インタフェース28はインターネット等の通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0031】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。
【0032】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための汎用操作入力手段である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。なお、コントローラ30は家庭用ゲーム機11に有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。
【0033】
ゲーム装置10では、例えば、第1チームと第2チームとの間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。以下、このサッカーゲームについて説明する。以下では、第1チームは一人のユーザによって操作され、第2チームはコンピュータによって操作されることとして説明する。なお、第1チームは複数のユーザが協力して操作されるようにしてもよい。また、第2チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0034】
まず、サッカーゲームの流れについて説明する。
図2はサッカーゲームの流れの一例を示す図である。
図2に示すように、まず、ユーザは、自分が操作するチーム(第1チーム)をあらかじめ用意された複数のチームのうちから選択する(S101)。
【0035】
次に、ユーザは自分のチームの戦術(行動制御情報)を設定する(S102)。S102において、マイクロプロセッサ14(設定案内手段)は、自分のチームの戦術を設定するようにユーザに案内する画面をモニタ32に表示する。この画面において、例えば、ユーザは自分のチームのフォーメーションを設定する。すなわち、ユーザは、あらかじめ用意された複数のフォーメーションのうちのいずれかを選択することによって、フォワード(FW)、ミッドフィルダー(MF)、及びディフェンダー(DF)の配置を決定する。
図3はフォーメーションの一例を示す図である。
図3に示すフォーメーションは、一般的に「4−3−3」と呼ばれるフォーメーションであり、四名のディフェンダー(DF1,DF2,DF3,DF4)と、三名のミッドフィルダー(MF1,MF2,MF3)と、三名のフォワード(FW1,FW2,FW3)と、ゴールキーパー(GK)と、が配置されるフォーメーションである。なお以下では、ゴールライン42a,42bと、左サイドライン44aと、右サイドライン44bと、によって囲まれた領域40のことを「ピッチ」と記載する。また、ピッチ40内の、自チーム側のゴールライン42aとハーフウェイライン46との間の領域40aのことを「自陣」と記載する。一方、ピッチ40内の、対戦相手チーム側のゴールライン42bとハーフウェイライン46との間の領域40bのことを「相手陣」と記載する。
【0036】
また例えば、上記の画面において、ユーザは、あらかじめ用意された複数の作戦のうちのいずれかを選択し、自分のチームの作戦を決定する。ユーザが選択可能な作戦としては、例えば「左サイドアタック」、「右サイドアタック」、「中央突破」、又は「カウンターアタック」などがある。「左サイドアタック」とは、主に、左サイドライン44a付近の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「右サイドアタック」とは、主に、右サイドライン44b付近の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「中央突破」とは、主に、中央の領域を使用して攻撃を行う作戦である。「カウンターアタック」とは、対戦相手チームに攻め込まれている場合にも、少なくとも一人の選手キャラクタが相手陣40b内に位置するようにし、対戦相手チームからボールを奪った場合には、相手陣40b内に位置している選手にパスを出すことによって、速やかに攻撃を行う作戦である。
【0037】
チームの戦術の設定が完了した場合、ユーザは、自分のチームに所属する選手キャラクタのうちから、試合に出場する選手キャラクタを選択する(S103)。つまり、ユーザは、S102で選択されたフォーメーションの各ポジションに割り当てる選手キャラクタを選択する。このステップでは、試合に出場する選手キャラクタを選択するようユーザに案内する画面がモニタ32に表示される。例えば、18名の選手キャラクタがチームに所属している場合、ユーザは、その画面において、それら18名の選手キャラクタのうちから11名の選手キャラクタを選択する。
【0038】
次に、ユーザは、試合に出場する選手キャラクタのうちから一又は複数の選手キャラクタを操作対象候補として選択する(S104)。後述するように、試合中において、ユーザは、S104で操作対象候補として選択した選手キャラクタのみを操作することができる。つまり、ユーザは、S104で操作対象候補として選択した選手キャラクタの操作に専念することになる。
【0039】
このステップでは、試合に出場する選手キャラクタのうちから一又は複数の選手キャラクタを操作対象候補として選択するようユーザに案内する画面(以下「選択画面」と呼ぶ。)がモニタ32に表示される。
図4は選択画面の一例を示す。
図4に示す選択画面50は、フォーメーション欄52及び出場選手欄54を含む。フォーメーション欄52には、S102でユーザが選択したフォーメーションが表示される。出場選手欄54には、S103でユーザが選択した選手キャラクタのリストが表示される。ユーザは、出場選手欄54に表示される選手キャラクタのうちから一又は複数の選手キャラクタを選択する。選択画面50では、ユーザが選択した選手キャラクタが区別表示される。
図4は、ユーザが選手キャラクタB,F及びIを操作対象候補として選択した状態を示している。
【0040】
なお、選択画面50では、ユーザが選手キャラクタ名を指定することによって、操作対象候補を選択できるようにしてもよいし、ポジション名(例えば
図3における「DF1」や「MF1」など)を指定することによって、操作対象候補を選択できるようにしてもよい。
【0041】
操作対象候補の選択が完了した場合、ユーザは決定ボタン56を指示する。決定ボタン56が指示された場合、試合が開始する(S105)。なお、試合開始後においても、ユーザは戦術を変更したり、試合に出場する選手を交代させることができる。また、試合開始後にユーザは操作対象候補を選択し直すこともできる。
【0042】
試合が開始すると、試合中のゲーム画面を生成するために、仮想3次元空間が主記憶16に構築される。
図5は仮想3次元空間の一例を示す。
図5に示すように、仮想3次元空間60には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド62が配置される。フィールド62上には例えばゴールライン42、サイドライン44、及びハーフウェイライン46が表される。また、フィールド62上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール64と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ66と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール68と、が配置される。
【0043】
ゴール64の一方は第1チームに対応づけられ、他方は第2チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール64内にボール68が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0044】
図5では省略されているが、フィールド62上には、第1チームに所属する11名の選手キャラクタ66と、第2チームに所属する11名の選手キャラクタ66と、が配置される。例えば、試合開始時のフィールド62上には、S103で第1チームに所属する選手キャラクタのうちからユーザが選択した11名の選手キャラクタ66と、第2チームに所属する選手キャラクタのうちからコンピュータが選択した11名の選手キャラクタ66と、が配置される。
【0045】
選手キャラクタ66とボール68とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ66とボール68とが関連づけられる。この場合、ボール68は選手キャラクタ66に従動する。この様子は選手キャラクタ66のドリブル動作として表される。以下では、ボール68が選手キャラクタ66に関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ66がボール68を保持している」というように記載する。
【0046】
ある選手キャラクタ66がボール68を保持している状態において、他の選手キャラクタ66とボール68とが近づくと、所定条件の下、該他の選手キャラクタ66とボール68とが関連づけられる。このようにして、選手キャラクタ66は他の選手キャラクタ66が保持するボール68を奪取する。
【0047】
また、仮想3次元空間60には仮想カメラ69(視点)が設定される。例えば、仮想カメラ69はボール68の移動に基づいて仮想3次元空間60内を移動する。仮想3次元空間60を仮想カメラ69から見た様子を表すゲーム画面がモニタ32に表示される。
【0048】
図6は試合中のゲーム画面の一例を示す。
図6に示すゲーム画面70には、6人の選手キャラクタ66a,66b,66c,66d,66e,66fが表示されている。そのうち、4人の選手キャラクタ66a〜66dは第1チームに所属する選手キャラクタ66であり、残りの2人の選手キャラクタ66e,66fは第2チームに所属する選手キャラクタ66である。
【0049】
選手キャラクタ66a,66b,66cの足下には、楕円形状の第1マーク画像72が表示されている。なお、
図6では、第1マーク画像72を斜め上方から見た場合を示しているため、第1マーク画像72の形状が楕円形になっている。第1マーク画像72を真上から見た場合、第1マーク画像72の形状は円形になる。第1マーク画像72は、
図2のS104でユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の足下に表示され、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66を案内する役割を果たしている。また、選手キャラクタ66aの頭上には、三角形状の第2マーク画像74が表示されている。第2マーク画像74は、ユーザの操作対象の選手キャラクタ66の頭上に表示され、ユーザの現在の操作対象の選手キャラクタ66を案内する役割を果たしている。
【0050】
ユーザの操作対象は、
図2のS104でユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちで、ボール68の移動又はユーザの切替指示操作に基づいて切り替わる。
【0051】
原則として、例えば、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちで、ボール68に最も近い選手キャラクタ66がユーザの操作対象に設定される。このため、
図6に示す状態では、ボール68に最も近い選手キャラクタ66aがユーザの操作対象に設定されている。また、
図6に示す状態において、選手キャラクタ66eから選手キャラクタ66fへのパスが実行された場合、ユーザの操作対象が選手キャラクタ66aから選手キャラクタ66bに切り替わる。この場合、選手キャラクタ66bよりも選手キャラクタ66dの方がボール68(選手キャラクタ66f)に近いが、選手キャラクタ66dは操作対象候補として選択されていない。このため、選手キャラクタ66dはユーザの操作対象にならず、操作対象候補として選択されている選手キャラクタ66a,66b,66cのうちで、ボール68に最も近い選手キャラクタ66bがユーザの操作対象に設定される。
【0052】
また、ユーザが切替指示操作を行った場合、操作対象候補として選択されている選手キャラクタ66のうちで、その時点でユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66の次にボール68に近い選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象に設定される。例えば、
図6に示す状態でユーザが切替指示操作を行った場合、ユーザの操作対象が、操作対象候補として選択されている選手キャラクタ66a,66b,66cのうちで、選手キャラクタ66aの次にボール68に近い選手キャラクタ66bに切り替わる。
【0053】
ユーザの操作対象の選手キャラクタ66はユーザの操作に基づいて動作する。例えば、ユーザの操作対象の選手キャラクタ66はユーザの方向指示操作に従って移動する。また例えば、ユーザの操作対象の選手キャラクタ66がボール68を保持しているような場合、当該選手キャラクタ66は、ユーザのパス又はシュート指示操作に従って、パス又はシュート動作を行う。
【0054】
一方、第1チームに属する選手キャラクタ66のうちの、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66以外の選手キャラクタ66(以下「味方選手キャラクタ」と呼ぶ。)は所定のアルゴリズムに従って行動する。例えば、各味方選手キャラクタの行動は、その味方選手キャラクタが割り当てられているポジションと、
図2のS102でユーザが選択した作戦と、に基づいて制御される。すなわち、味方選手キャラクタは、ユーザが選択した作戦に従って行動するように制御される。なお、第2チームに所属する選手キャラクタ66も所定のアルゴリズムに従って行動する。第2チーム(第2チームの選手キャラクタ)に対しても戦術が設定されており、第2チームに所属する選手キャラクタ66はその戦術に基づいて行動するように制御される。第2チームの戦術はマイクロプロセッサ14(設定手段)によって設定される。例えば、複数の戦術のうちの、あらかじめ定められた戦術が第2チームに設定される。また例えば、複数の戦術のうちから、乱数に基づいて選択された戦術が第2チームに設定される。
【0055】
以上のように、本実施の形態では、ユーザの操作対象が、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちで切り替えられる。このため、ユーザは、自分が操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の操作に専念できるようになる。
【0056】
特に、本実施の形態では、ユーザが操作対象候補として複数の選手キャラクタ66を選択できるようになっている。ここで、ユーザが操作対象候補として一の選手キャラクタ66のみを選択できる態様を想定する。すなわち、ユーザの操作対象が一の選手キャラクタ66に固定される態様を想定する。この態様では、ユーザが操作している選手キャラクタ66がボール68から離れている場合、ユーザは、選手キャラクタ66を単に移動させる操作しか行えなくなり、試合にほとんど関与できなくなってしまう。このため、上記の態様では、ユーザが試合にほとんど関与できないような時間が多くなってしまう傾向がある。この点、本実施の形態では、ユーザが操作対象候補として複数の選手キャラクタ66を選択できるようになっており、それらの複数の選手キャラクタ66の間でユーザの操作対象が切り替わるため、上記のような、ユーザが試合にほとんど関与できなくなる時間を減るようになる。
【0057】
また、本実施の形態では、ユーザは自分が操作する選手キャラクタ66を多種多様に限定することも可能である。例えば、ユーザはピッチ40内の領域を考慮して、自分が操作する選手キャラクタ66を限定することが可能である。具体的には、ユーザは、左サイドライン44a付近のポジション(
図3の場合には「FW1」,「MF1」,「DF1」)の選手キャラクタ66のみを操作対象候補として選択することができる。すなわち、ユーザは、自分が操作する選手キャラクタ66を、左サイドライン44a付近のポジションの選手キャラクタ66に限定できる。また例えば、ユーザはポジション種類を考慮して、自分が操作する選手キャラクタ66を限定することが可能である。より具体的には、ユーザは、フォワードの選手キャラクタ66のみを操作対象候補として選択することが可能になる。すなわち、ユーザは、自分が操作する選手キャラクタ66をフォワードに限定できる。
【0058】
また、本実施の形態のゲーム画面70では、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66が第1マーク画像72によって案内されるため、ユーザは、自分が操作対象候補として選択した選手キャラクタ66がどの選手キャラクタ66であるかを一見して把握できる。また、上記のサッカーゲームでは、ユーザが操作している選手キャラクタ66が第2マーク画像74によって案内されるため、ユーザは、どの選手キャラクタ66を操作しているのかを一見して把握できる。
【0059】
次に、上記のサッカーゲームを実現するための構成について説明する。
図7は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関する機能を主として示す機能ブロック図である。
図7に示すように、ゲーム装置10はゲームデータ記憶部80及びゲーム制御部82を含む。これらの機能ブロックはマイクロプロセッサ14がプログラムを実行することによって実現される。
【0060】
ゲームデータ記憶部80は例えば主記憶16、ハードディスク26、又は光ディスク36によって実現される。ゲームデータ記憶部80はサッカーゲームを実現するためのゲームデータを記憶する。例えば、複数のチームデータ、複数のフォーメーションデータ、及び複数の作戦データがゲームデータ記憶部80に記憶される。各チームデータはそのチームに所属する選手キャラクタのリストを含む。
【0061】
また、
図2のS101,S102における選択結果を示すデータがゲームデータ記憶部80に記憶される。すなわち、ユーザが選択したチーム、フォーメーション、及び作戦を示すデータがゲームデータ記憶部80に記憶される。
【0062】
さらに、サッカーゲームの状況を示すゲーム状況データがゲームデータ記憶部80に記憶される。例えば、各選手キャラクタの状況を示す選手状況データがゲームデータ記憶部80に記憶される。
図8は選手状況データの一例を示す。
図8に示す選手状況データは、「選手ID」、「出場フラグ」、「ポジション」、「操作対象候補フラグ」、「操作対象フラグ」、「ボール保持フラグ」フィールドを含んでいる。
【0063】
「選手ID」は選手キャラクタを一意に識別する情報である。
図8において、選手IDが「P101」〜「P118」である選手キャラクタは第1チームに所属する選手キャラクタであり、選手IDが「P201」〜「P218」である選手キャラクタは第2チームに所属する選手キャラクタである。
【0064】
「出場フラグ」は0,1,2の値をとる。値「0」は選手キャラクタがまだ試合に出場していないことを示す。値「1」は選手キャラクタが試合に出場中であることを示す。値「2」は選手キャラクタが試合に出場していたが、他の選手キャラクタと交代し、現在は試合に出場していないことを示す。
【0065】
「操作対象候補フラグ」は、選手キャラクタが操作対象候補として選択されているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は選手キャラクタが操作対象候補でないことを示し、値「1」は選手キャラクタが操作対象候補であることを示す。
【0066】
「操作対象フラグ」は、選手キャラクタがユーザの操作対象になっているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は、現在、選手キャラクタがユーザの操作対象になっていないことを示し、値「1」は、現在、選手キャラクタがユーザの操作対象になっていることを示す。
【0067】
「ボール保持フラグ」は、選手キャラクタがボールを保持しているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は、現在、選手キャラクタがボールを保持していないことを示し、値「1」は、現在、選手キャラクタがボールを保持していることを示す。
【0068】
なお
図8では省略されているが、選手状況データには、以上の情報の他、例えば、仮想3次元空間60に配置された選手キャラクタ66の位置や姿勢などを示すデータも含まれる。
【0069】
また例えば、ボール68の位置、移動方向及び移動速度を示すデータや、仮想カメラ69の位置や視線方向を示すデータがゲームデータ記憶部80に記憶される。さらに例えば、両チームの得点を示すデータや、経過時間を示すデータもゲームデータ記憶部80に記憶される。
【0070】
ゲーム制御部82は例えばマイクロプロセッサ14を主として実現される。ゲーム制御部82は、出場選手選択部84、操作対象候補選手選択部86、操作対象選手切替部88、選手制御部90、及び試合画面表示制御部92を含む。
【0071】
出場選手選択部84は
図2のS103に対応している。出場選手選択部84は、チームに所属する複数の選手キャラクタのうちから、試合に出場する選手キャラクタとして、複数の選手キャラクタを選択する。例えば、出場選手選択部84は、チームに所属する複数の選手キャラクタのうちから複数の選手キャラクタを選択するようユーザに案内する画面をモニタ32に表示する。そして、出場選手選択部84は、その画面でユーザが選択した複数の選手キャラクタを、試合に出場する選手キャラクタとして選択する。また、その選択結果に基づいて、出場選手選択部84は選手状況データ(
図8参照)の「出場選手フラグ」を更新する。
【0072】
操作対象候補選手選択部86は
図2のS104に対応している。操作対象候補選手選択部86は、試合に出場する複数の選手キャラクタのうちから、操作対象候補として、一又は複数の選手キャラクタを選択する。例えば、操作対象候補選手選択部86(選択案内手段)は選択画面50(
図4参照)をモニタ32に表示する。そして、操作対象候補選手選択部86は、選択画面50でユーザが選択した一又は複数の選手キャラクタを、ユーザの操作対象候補として選択する。また、その選択結果に基づいて、操作対象候補選手選択部86は選手状況データ(
図8参照)の「操作対象候補フラグ」を更新する。
【0073】
操作対象選手切替部88は、試合中において、ユーザの操作対象を、操作対象候補として選択された選手キャラクタ66のうちで切り替える。例えば、ユーザの操作対象の切り替えは、ボール68の移動、又はユーザの切替指示操作に基づいて実行される。詳細については後述する(
図9のS201及びS202参照)。
【0074】
選手制御部90は、試合中において、選手キャラクタ66の動作を制御する。例えば、選手制御部90は、第1チームに所属する選手キャラクタ66を下記のように制御する。すなわち、選手制御部90(操作対象選手制御手段)は、ユーザの操作内容に基づいて、当該ユーザが操作している選手キャラクタ66を動作させる。例えば、選手制御部90は、ユーザの移動指示操作に基づいて、当該ユーザが操作している選手キャラクタ66を移動させる。また例えば、選手制御部90は、ユーザのパス又はシュート移動指示操作に基づいて、当該ユーザが操作している選手キャラクタ66にパス又はシュート動作を行わせる。また、選手制御部90(味方選手制御手段)は、ユーザが設定した戦術(作戦など)に基づいて、味方選手キャラクタを行動させる。すなわち、選手制御部90は、ユーザが選択した戦術(作戦など)に従った行動を味方選手キャラクタに行わせる。このように、
図2のS102でユーザが選択する戦術は、味方選手キャラクタの行動制御の基礎となる。
【0075】
試合画面表示制御部92(操作対象候補案内手段)は、試合中において、仮想3次元空間60を仮想カメラ69から見た様子を表すゲーム画面70(
図6参照)をモニタ32に表示する。
【0076】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。
図9は、試合が開始してから終了するまでの間にゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに実行する処理のうち、本発明に関連する処理を主として示すフロー図である。マイクロプロセッサ14は光ディスク36に記憶されるプログラムに従って、
図9に示す処理を実行する。
【0077】
図9に示すように、まず、マイクロプロセッサ14(操作対象選手切替部88)は、ユーザの操作対象を切り替えるタイミングが到来したか否かを判定する(S201)。例えば、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちに、ユーザの現在の操作対象の選手キャラクタ66よりもボール68に近い選手キャラクタ66が存在する場合に、上記の切替タイミングが到来したと判定される。また例えば、ユーザが切替指示操作(例えば所定ボタンの押下)を行った場合にも、上記の切替タイミングが到来したと判定される。
【0078】
上記の切替タイミングが到来したと判定された場合、マイクロプロセッサ14(操作対象選手切替部88)は、ユーザの操作対象を他の選手キャラクタ66に変更する(S202)。例えば、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちに、ユーザの現在の操作対象の選手キャラクタ66よりもボール68に近い選手キャラクタ66が存在する場合には、当該選手キャラクタ66がユーザの新たな操作対象に設定される。また例えば、ユーザが切替指示操作(例えば所定ボタンの押下)を行った場合には、操作対象候補として選択された選手キャラクタ66であって、かつ、ユーザの現在の操作対象の選手キャラクタ66の次にボール68に近い選手キャラクタ66が、ユーザの新たな操作対象に設定される。なお、ユーザの操作対象でなくなった選手キャラクタ66の「操作対象フラグ」は0に更新され、新たにユーザの操作対象になった選手キャラクタ66の「操作対象フラグ」は1に更新される。
【0079】
S202の処理が実行された後、又は、S201において上記の切替タイミングが到来していないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(選手制御部90)は、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66の状態(例えば位置や姿勢など)をユーザの操作内容に基づいて更新する(S203)。例えば、ユーザによって移動指示操作が行われた場合には、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66の位置が、ユーザが指示した移動方向に基づいて更新される。また例えば、ユーザによってパス又はシュート移動指示操作が行われた場合には、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66の姿勢が、パス又はシュートモーションデータに従って更新される。
【0080】
また、マイクロプロセッサ14は、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66以外の選手キャラクタ66、ボール68、及び仮想カメラ69の状態を更新する(S204)。例えば、マイクロプロセッサ14(選手制御部90)は、第1チームの味方選手キャラクタの状態を、S102でユーザが設定した戦術に基づいて更新する。また例えば、マイクロプロセッサ14(相手選手制御手段)は、第2チームに所属する選手キャラクタ66の状態を所定のアルゴリズムに従って更新する。また例えば、ボール68の状態が選手キャラクタ66の動作(例えば、ドリブル、パス又はシュート)に基づいて更新される。さらに例えば、仮想カメラ69の状態がボール68の位置に基づいて更新される。
【0081】
その後、マイクロプロセッサ14(試合画面表示制御部92)はゲーム画面70を更新する(S205)。すなわち、仮想3次元空間60を仮想カメラ69から見た様子を示すゲーム画面70が、ゲーム状況データに基づいてVRAM上に生成される。なお、この場合の仮想3次元空間60では、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の足下に、第1マーク画像72に対応するオブジェクトが配置される。また、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ66の頭上に、第2マーク画像74に対応するオブジェクトが配置される。VRAM上に形成されたゲーム画面70はモニタ32に表示される。
【0082】
以上に説明したゲーム装置10によれば、ユーザの操作対象が、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66のうちで切り替えられる。このため、ユーザは、自分が操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の操作に専念できる。
【0083】
特に、ゲーム装置10では、ユーザは操作対象候補として複数の選手キャラクタ66を選択できる。ここで、ユーザの操作対象が一の選手キャラクタ66に固定されている態様を想定する。この態様では、ユーザが操作している選手キャラクタ66から離れた位置にボール68がある場合、ユーザは、選手キャラクタ66を単に移動させる操作しか行えなくなり、試合にほとんど関与できなくなってしまう。このため、上記の態様では、ユーザが試合にほとんど関与できないような時間が多くなってしまう場合がある。この点、ゲーム装置10では、ユーザが操作対象候補として選択した複数の選手キャラクタ66のうちでユーザの操作対象が切り替わるため、ユーザが試合にほとんど関与できなくなってしまうような時間を減らすことが可能になる。
【0084】
また、ゲーム装置10では、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66が試合中のゲーム画面70において案内されるため、ユーザは、自分が操作対象候補として選択した選手キャラクタ66がどの選手キャラクタ66であるかを一見して把握できる。
【0085】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0086】
[第1変形例]
例えば、第1マーク画像72は円形(楕円形)以外の形状としてもよい。また、第1マーク画像72は、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の足元以外の位置に表示されるようにしてもよい。第1マーク画像72は、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の位置に基づいて決定される位置に表示されるようにすればよい。また、第1マーク画像72を表示する代わりに、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66の表示態様(色又は濃さなど)を他の選手キャラクタ66と異ならせるようにしてもよい。こうすることによって、ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66がゲーム画面70において案内されるようにしてもよい。
【0087】
[第2変形例]
また例えば、一つのチームを複数のユーザが協力して操作するようにしてもよい。この場合、
図2のS104では、各ユーザごとに一又は複数の操作対象候補が選択される。
【0088】
ここで、第1ユーザ及び第2ユーザが協力して一つのチームを操作する場合を想定する。また、
図2のS102で選択されたフォーメーションが「4−3−3」(
図3参照)である場合を想定する。
【0089】
この場合、例えば、フォワード(FW1〜3)の選手キャラクタ66を第1ユーザの操作対象候補とし、ディフェンダー(DF1〜4)の選手キャラクタ66を第2ユーザの操作対象候補とすることが可能になる。このように、ポジション種類を考慮して、二名のユーザの役割分担を行えるようになる。
【0090】
また、例えば、ポジション(FW1,FW3,MF1〜3)の選手キャラクタ66を第1ユーザの操作対象候補とし、ポジション(FW2,DF1〜4)の選手キャラクタ66を第2ユーザの操作対象候補とすることも可能になる。このように、ミッドフィルダー又はディフェンダーについてはそれぞれ一人のユーザが担当することとし、フォワードについては二人のユーザで共同して担当することが可能になる。
【0091】
また、第1ユーザ、第2ユーザ及び第3ユーザが協力して一つのチームを操作する場合を想定する。また、
図2のS102で選択されたフォーメーションが「4−3−3」(
図3参照)である場合を想定する。
【0092】
この場合、例えば、フォワード(FW1〜3)の選手キャラクタ66を第1ユーザの操作対象候補とし、ミッドフィルダー(MF1〜3)の選手キャラクタ66を第2ユーザの操作対象候補とし、ディフェンダー(DF1〜4)の選手キャラクタ66を第3ユーザの操作対象候補とすることが可能になる。このように、ポジション種類を考慮して、三人のユーザの役割分担を行えるようになる。
【0093】
また、例えば、左サイドライン44a側のポジション(FW1,MF1,DF1)の選手キャラクタ66を第1ユーザの操作対象候補とし、右サイドライン44b側のポジション(FW3,MF3,DF4)の選手キャラクタ66を第2ユーザの操作対象候補とし、中央のポジション(FW2,MF2,DF2,DF3)の選手キャラクタ66を第3ユーザの操作対象候補とするようなことも可能になる。このように、ピッチ40内の領域を考慮して、三人のユーザの役割分担を行えるようになる。
【0094】
なお、例えば、少なくとも一人のユーザは操作対象候補を選択しないようにしてもよい。例えば、第1ユーザのみが操作対象候補を選択し、第2ユーザ及び第3ユーザは操作対象候補を選択しないようにしてもよい。この場合、第2ユーザ又は第3ユーザの操作対象は、第1ユーザの操作対象候補として選択されていない選手キャラクタ66のうちで切り替えられる。例えば、第1ユーザがサッカーゲームの初心者である場合、第1ユーザの操作対象候補をフォワード(FW1〜3)の選手キャラクタ66に設定し、第2ユーザ及び第3ユーザの操作対象候補を設定しないようにすれば、初心者である第1ユーザが攻撃のみに専念して楽しめるように図ることが可能になる。
【0095】
以上のように、一つのチームを複数のユーザが協力して操作する場合に、それらの複数のユーザの役割分担を様々な態様で行えるようになる。
【0096】
なお、第1ユーザ、第2ユーザ及び第3ユーザが協力して一つのチームを操作する場合のゲーム画面70では、第1マーク画像72や第2マーク画像74が、各ユーザごとに異なる態様(色、形状又は濃さなど)で表示されるようにするとよい。このようにして、第1ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66と、第2ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66と、第3ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66と、が区別して案内されるようにするとよい。また、操作対象候補として選択された選手キャラクタ66自体の表示態様(色や濃さなど)を各ユーザごとに異ならせることによって、各ユーザが操作対象候補として選択した選手キャラクタ66が区別して案内されるようにしてもよい。
【0097】
[第3変形例]
また例えば、
図2のS104では、S102でユーザが設定した戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。すなわち、S102におけるユーザの戦術設定操作に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。なお、ユーザが所定操作を行った場合に限って、S102でユーザが設定した戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0098】
ここで、ユーザが選択したフォーメーションが「4−3−3」(
図3参照)である場合を想定する。この場合、例えば、ユーザが選択した作戦が「左サイドアタック」であるときには、当該作戦に関連するポジション、すなわち、左サイドライン44a側のポジション(FW1,MF1,DF1)に割り当てられている選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象候補として選択される。また例えば、ユーザが選択した作戦が「カウンターアタック」である場合には、当該作戦に関連するポジション(FW1〜3,DF1〜4)に割り当てられている選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象候補として選択される。
【0099】
この態様では、ユーザが設定した戦術に基づいてユーザの操作対象候補を選択するためのデータがゲームデータ記憶部80(選択制御情報記憶手段)に記憶される。例えば、戦術に関する条件と、操作対象候補の選択に関する選択制御情報と、を対応づけたデータが記憶される。
図10及び
図11はこのデータの例を示す図である。
【0100】
図10に示すデータでは、作戦と、ポジション条件(ポジションに関する条件)と、が対応づけられている。この場合、S102でユーザが選択した作戦に対応づけられたポジション条件を満足するポジションに割り当てられた選手キャラクタが、ユーザの操作対象候補として選択される。例えば、
図10に示すデータでは、作戦「左サイドアタック」と、ポジション条件「左サイドライン付近のポジション」と、が対応づけられている。このため、S102でユーザが選択したフォーメーション及び作戦が、「4−3−3」(
図3参照)及び「左サイドアタック」である場合、作戦「左サイドアタック」に対応づけられたポジション条件「左サイドライン付近のポジション」を満足するポジション(FW1,MF1,DF1)に割り当てられている選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象候補として選択される。
【0101】
図11に示すデータでは、作戦及びフォーメーションの組み合わせと、ポジションと、が対応づけられている。この場合、S102でユーザが選択した作戦及びフォーメーションに対応づけられたポジションに割り当てられた選手キャラクタが、ユーザの操作対象候補として選択される。例えば、
図11に示すデータでは、フォーメーション「4−3−3」及び作戦「左サイドアタック」の組み合わせと、ポジション「FW1,MF1,DF1」と、が対応づけられている。このため、S102でユーザが選択したフォーメーション及び作戦が、「4−3−3」(
図3参照)及び「左サイドアタック」である場合、ポジション(FW1,MF1,DF1)に割り当てられている選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象候補として選択される。
【0102】
上記の態様によれば、ユーザが設定した戦術に適した操作対象候補が選択されるように図ることが可能になる。また、自分が設定した戦術に適した操作対象候補を選択しようとするユーザの手間が軽減される。なお、上記の態様では、ユーザがチームの戦術を試合中に変更した場合、変更後の戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が再選択されるようにしてもよい。
【0103】
[第4変形例]
また例えば、
図2のS104では、第2チームに設定された戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。なお、ユーザが所定操作を行った場合に限って、第2チームに設定された戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0104】
ここで、ユーザが選択したフォーメーションが「4−3−3」(
図3参照)である場合を想定する。この場合、例えば、第2チームに設定された作戦が「左サイドアタック」であるときには、当該作戦を妨げるために重要なポジション、すなわち、右サイドライン44b側のポジション(FW3,MF3,DF3)に割り当てられている選手キャラクタ66が、ユーザの操作対象候補として選択される。
【0105】
この態様は、第3変形例と同様にして実現することができる。すなわち、
図10及び
図11と類似のデータを用いて実現される。
【0106】
この態様によれば、対戦相手チーム(第2チーム)に設定された戦術に適した操作対象候補が選択されるように図ることが可能になる。また、対戦相手チームに設定された戦術に適した操作対象候補を選択しようとするユーザの手間が軽減される。なお、上記の態様では、対戦相手チームの戦術が試合中に変更された場合、変更後の戦術に基づいて、ユーザの操作対象候補が再選択されるようにしてもよい。
【0107】
[第5変形例]
また例えば、
図2のS104では、ユーザのゲームの技量に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。なお、ユーザが所定操作を行った場合に限って、ユーザのゲームの技量に基づいて、ユーザの操作対象候補が自動的に選択されるようにしてもよい。
【0108】
この態様では、ユーザのゲームの技量の高さを示す技量情報がゲームデータ記憶部80に記憶され、
図2のS104において、マイクロプロセッサ14(技量情報取得手段)は技量情報をゲームデータ記憶部80から取得する。なお、技量情報は、通信ネットワークを介してアクセスされる記憶手段に記憶されるようにしてもよい。また、技量情報は、例えばユーザの対戦成績(通算勝利数、通算敗北数)、通算得点、又は通算失点に基づく情報である。例えば、技量情報は、ユーザの対戦成績、通算得点、又は通算失点に基づくレベル情報であってもよい。また例えば、技量情報は、ユーザの対戦成績、通算得点、又は通算失点自体であってもよい。
【0109】
また、この態様では、技量情報に基づいてユーザの操作対象候補を選択するためのデータがゲームデータ記憶部80に記憶される。例えば、技量情報に関する条件と、操作対象候補の選択に関する選択制御情報と、を対応づけたデータが記憶される。そして、ユーザの技量情報に対応づけられた選択制御情報に基づいて、ユーザの操作対象候補が選択される。
【0110】
なお例えば、選択制御情報は、操作対象候補として選択される選手キャラクタのポジションを示す情報である。このようにすれば、ゲームの技量の高いユーザについては、比較的難易度の高いポジション(例えばディフェンダー)の選手キャラクタが操作対象候補として選択され、ゲームの技量の低いユーザについては、比較的難易度の低いポジション(例えばフォワード)の選手キャラクタが操作対象候補として選択されるように図ることが可能になる。
【0111】
また例えば、選択制御情報は、操作対象候補として選択される選手キャラクタの数を示す情報である。このようにすれば、ゲームの技量の高いユーザについては、比較的多い数(例えば5人)の選手キャラクタが操作対象候補として選択され、ゲームの技量の低いユーザについては、比較的少ない数(例えば2人)の選手キャラクタが操作対象候補として選択されるように図ることが可能になる。
【0112】
上記に説明した態様によれば、ユーザのゲーム技量に合わせて操作対象候補が選択されるように図ることが可能になる。また、自分のゲーム技量に合わせて操作対象候補を選択しようとするユーザの手間が軽減される。
【0113】
[第6変形例]
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームに限られない。ゲーム装置10で実行されるゲームは、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームであってもよい。すなわち、ゲーム装置10で実行されるゲームは、ボールや選手キャラクタの位置等が2つの座標要素で管理されるゲームであってもよい。
【0114】
[第7変形例]
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、複数のユーザがネットワークを介して参加するネットワークゲームであってもよい。また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボールのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。また例えば、本発明は野球ゲームに適用することもできる。例えば、ユーザに対応するチームが守備を行う場合、ユーザがあらかじめ選択した複数の選手キャラクタのうちで、ユーザの操作対象が切り替えられるようにしてもよい。こうすれば、例えば、ユーザは内野の選手キャラクタ達を操作し、外野の選手キャラクタ達の操作はコンピュータに任せるということも可能になる。
【0115】
[第8変形例]
なお、本発明はスポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。例えば、第3変形例、第4変形例、又は第5変形例の構成は、スポーツゲーム以外のゲームにも適用することができる。ここで、ユーザに対応する主人公キャラクタグループと、これに対立する敵キャラクタ(相手ゲームキャラクタ)と、が登場するアクションゲームを想定する。この場合、「主人公キャラクタグループ」は、上記サッカーゲームにおける「第1チーム」に対応し、「敵キャラクタ」は、上記サッカーゲームにおける「第2チームに所属する選手キャラクタ」に対応する。
【0116】
このアクションゲームでは、ユーザが、主人公キャラクタグループに所属する複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタを選択するようにしてもよい。そして、ゲーム中においては、ユーザの操作対象が、複数の操作対象候補ゲームキャラクタのうちで切り替えられるようにしてもよい。
【0117】
また、このアクションゲームでは、主人公キャラクタグループのゲームキャラクタの行動制御の基礎とされる行動制御情報(例えば作戦又はフォーメーションなど)をユーザが設定するようにしてもよい。そして、主人公キャラクタグループに所属するゲームキャラクタのうちの、ユーザの操作対象に設定されていないゲームキャラクタの行動が行動制御情報に基づいて制御されるようにしてもよい。さらに、この場合、主人公キャラクタグループに所属する複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタが、ユーザが設定した行動制御情報に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0118】
また、このアクションゲームでは、敵キャラクタに設定される行動制御情報に基づいて、敵キャラクタの行動が制御されるようにしてもよい。また、この場合、主人公キャラクタグループに所属する複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタが、敵キャラクタに設定された行動制御情報に基づいて選択されるようにしてもよい。
【0119】
また、このアクションゲームでは、ユーザのゲーム技量を示す技量情報に基づいて、主人公キャラクタグループに所属する複数のゲームキャラクタのうちから、複数の操作対象候補ゲームキャラクタが選択されるようにしてもよい。この場合の技量情報は、例えばユーザの過去の得点、又はユーザが過去に倒した敵キャラクタの数に基づく情報である。