(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような非健常者用配置領域等は、駐車場の出入口等に近い場所に設置されている場合が多く便利なため、障害者でない健常者が、自己の自動車等を駐車等する場合が多く問題となっていた。
一方、このような非健常者用配置領域に駐車等している健常者の自動車等を通常の配置領域に移動させる際には、トラブル等が発生し易く、その対処が問題となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、非健常者用配置領域に健常者等の移動手段が配置された後、円滑にその移動手段を移動させることができ
る駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明によれば、移動手段を駐車する駐車場を管理する駐車場管理装置と、非健常者の移動手段の使用料金を精算する精算装置と、を備える駐車場管理システムであって、前記駐車場管理装置は、前記移動手段を配置するための各非健常者用配置領域に形成される照明部と、前記照明部の照明状態を変化させる照明状態変更部と、前記非健常者用配置領域に配置され
るべき非健常者の前記移動手段に関する識別情報を予め登録した情報である既登録識別情報を記憶する既登録識別情報記憶部と、前記識別情報を取得する撮像部と、前記撮像部が取得した前記識別情報と、前記既登録識別情報とを比較判断する識別情報判断部と、を有し、前記識別情報判断部の判断結果に基づいて前記照明状態変更部が前記比較判断した前記識別情報に対応する前記照明状態に前記非健常者用配置領域の前記照明部を変更させ、前記識別情報判断部は、前記識別情報を前記既登録識別情報と比較して、前記識別情報が前記既登録識別情報に含まれる包含識別情報、前記既登録識別情報に含まれない非包含識別情報又は前記既登録識別情報に含まれるか否かが不明な不明識別情報に区分し、前記照明状態変更部が、この前記識別情報判断部の判断に従い、前記照明部の前記照明状態を異なった色彩に変更させ、前記識別情報判断部が、前記識別情報を前記不明識別情報に区分したときは、駐車スペースの点検の文言を管理モニターに表示し、前
記精算装置が、
前記既登録識別情報に記憶されている前記
既登録識別情報を有する前記移動手段が出庫したと判断したときは、
前記駐車場管理装置は、前記既登録識別情報と、これに対応する非健常者の個人カード番号が対応付けられて記憶されている個人番号照会用データベースを参照し、前記出庫
した前記移動手段の前記
既登録識別情報に対応する個人カード番号を特定し、この個人カード番号に対応する店舗における購入データを取得し、前記購入データに対応する駐車料金データを取得して、前記精算装置が駐車料金の精算を実行する構成となっていることを特徴とする駐車場管理システムにより達成される。
【0007】
前記構成によれば、非健常者の移動手段を配置するための各非健常者用配置領域に形成される照明部と、照明部の照明状態を変化させる照明状態変更部と、非健常者用配置領域に配置されている移動手段に関する識別情報を予め登録した情報である既登録識別情報を記憶する既登録識別情報記憶部と、識別情報を取得する撮像部と、撮像部が取得した識別情報と既登録識別情報とを比較判断する識別情報判断部と、を有している。
そして、識別情報判断部の判断結果に基づいて照明状態変更部が比較判断した識別情報に対応する照明状態に配置領域の照明部を変更させる構成となっている。
したがって、例えば、障害者等の非健常者の自動車等である移動手段の車両ナンバー等である識別情報を予め既登録識別情報として記録しておけば、非健常者用配置領域に配置されている自動車等の車両ナンバー等を既登録識別情報と比較することで、当該自動車等が障害者等の自動車等であるか否かを迅速に判断することができる。
また、当該自動車等が障害者等の自動車等でないと判断された場合は、その照明部を例えば、赤色等にすることで、当該自動車等の使用者に注意を喚起することができる。また、駐車場の管理者等に対しても、当該自動車等の使用者が障害者等でないことを知らせることができる。
一方、当該自動車等が障害者等の自動車等であると判断された場合は、その照明部を例えば、青色等にすることで、当該自動車等の使用者が障害者等であり、正当な使用者であることを駐車場の管理者等に示すことができる。
【0008】
好ましくは、前記識別情報判断部は、前記識別情報を前記既登録識別情報と比較して、前記識別情報が前記既登録識別情報に含まれる包含識別情報、前記既登録識別情報に含まれない非包含識別情報又は前記既登録識別情報に含まれるか否かが不明な不明識別情報に区分し、前記照明状態変更部が、この前記識別情報判断部の判断に従い、前記照明部の前記照明状態を異なった色彩に変更させることを特徴とする駐車場管理装置である。
【0009】
前記構成によれば、識別情報判断部は、識別情報を既登録識別情報と比較して、識別情報が既登録識別情報に含まれる包含識別情報、既登録識別情報に含まれない非包含識別情報又は既登録識別情報に含まれるか否かが不明な不明識別情報に区分し、照明状態変更部が、この前記識別情報判断部の判断に従い、照明部の前記照明状態を異なった色彩に変更させる構成となっている。
したがって、識別情報が、包含識別情報(例えば、非健常者等の識別情報)、非包含識別情報(例えば、非健常者等の識別情報以外)又は不明識別情報(例えば、非健常者の識別情報であるか否かが不明である識別情報)のいずれかであるかによって、色彩を例えば、青色、赤色又は黄色のいずれかに変更して示すことができる。
このため、駐車場の管理者等は、当該非健常者用配置領域に駐車等されている自動車等の使用者が適切か否かを容易に判断することができる。
また、
前記構成によれば、移動手段の使用料金を精算する精算装置を備え、既登録識別情報と移動手段の非健常者の個人カード識別情報とを関連付け、個人カードの使用情報に基づき使用料金を定める構成となっているので、例えば、非健常者の個人カードの使用情報に基づき自動的に使用料金を精算することができる。
【0010】
好ましくは、前記識別情報が、前記移動手段の固有の識別情報及び/又は非健常者の固有の識別情報であることを特徴とする駐車場管理
システムである。
【0011】
前記構成によれば、識別情報が、移動手段の固有の識別情報及び/又は非健常者の固有の識別情報であるので、これら識別情報を撮像部で撮像することで、識別情報を容易に取得することができる。
【0014】
好ましくは、非健常者が店舗で使用可能なクーポン券を発行するクーポン券発行装置を備えていることを特徴とする駐車場管理システムである。
【0015】
前記構成によれば、非健常者が店舗で使用可能なクーポン券を発行するクーポン券発行装置を備えているので、非健常者は、駐車場でクーポン券を受け取ることができ、このクーポン券を使って店舗で買い物等をすることができる。
【0016】
好ましくは、店舗に配置される物品販売の売り
上げ実績を集計する販売時点情報管理装置を備え、前記販売時点情報管理装置は、非健常者の利用情報を管理する構成となっており、この非健常者の利用情報と前記識別情報判断部の前記包含識別情報に基づき、非健常者利用状況情報を生成する構成となっていることを特徴とする駐車場管理システムである。
【0017】
前記構成によれば、店舗に配置される物品販売の売り上げ実績を集計する販売時点情報管理装置を備え、販売時点情報管理装置は、非健常者の利用情報を管理する構成となっており、この非健常者の利用情報と識別情報判断部の包含識別情報に基づき、非健常者利用状況情報を生成する構成となっている。
このため、非健常者の店舗利用状況を明確に把握することができ、非健常者に最適化した店舗運営等の情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、非健常者用配置領域に健常者等の移動手段が配置された後、円滑にその移動手段を移動させることができ
る駐車場管理システムを提供することができるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
図1は、本発明に係る駐車場管理システムである例えば、障害者用駐車場管理システム1を示す概略システムである。
図1に示すように、障害者用駐車場管理システム1が管理する駐車場には、非健常者である例えば、障害者の移動手段である例えば、自動車Cを配置し、駐車する障害者用駐車スペース(非障害者用配置領域の一例)P1乃至Pnが設けられている。
なお、ここで非健常者とは、歩行に困難を伴う人などをいい、所謂、障害者のみならず、妊婦等を含む広い概念である。
【0022】
これら各障害者用駐車スペースP1乃至Pnには、それぞれ、撮像部である例えば、カメラK1乃至Knが配置され、これらのカメラK1乃至K3は、
図1に示すように、非障害者用駐車スペースP1等に駐車している自動車CのナンバープレートNに表示されている識別情報である例えば、車両ナンバーN1を撮影する構成となっている。
また、各障害者用駐車スペースP1等には、
図1に示すように、それぞれ近接センサS1乃至Snが配置され、自動車Cが障害者用駐車スペースP1等に配置されたか否か監視することができるようになっている。
【0023】
さらに、これらカメラK1等は、例えば、CMOSイメージセンサで画像を取得する構成となっている。
そして、各障害者用駐車スペースP1等には、それらの表面に照明部である例えば、照明機L1乃至Lnがそれぞれ配置され、これら照明機L1等は、異なった色彩、例えば、赤色、黄色、青色に変化して光る構成となっている。
また、
図1に示すように、駐車場には、スピーカー11も設置されている。
【0024】
また、障害者用駐車場管理システム1は、
図1に示すように、駐車場管理装置である例えば、障害者用駐車場管理装置10を有している。この障害者用駐車場管理装置10は、照明機L1等を制御する照明機制御装置20、カメラK1等や近接センサS1、スピーカー11等及びその他全般を制御等する駐車場管理装置本体40、そして、各種データ等を表示する管理モニター90等を有している。
また、駐車場管理装置本体40は、駐車場に併設されている店舗の店舗側POS(Point of Sales System)装置100と接続されている。
この店舗側POS装置100は、店舗における物品販売の売上実績を単品単位で集計可能な装置となっている。この店舗側POS装置100が、販売時点情報管理装置の一例となっている。
【0025】
また、駐車場管理装置本体40は、
図1に示すように、自動車C等が駐車場から出庫する際の使用料金を精算する精算装置である例えば、自動精算装置120と接続されている。
また、駐車場管理装置本体40は、
図1に示すように、障害者が店舗で使用可能なクーポン券を発行するクーポン券発行装置140とも接続されている。
【0026】
ところで、情報処理等を行う、
図1の駐車場管理装置本体40その他の装置は、コンピュータを有しており、このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、これらは、バス等を介して配置されている。
ところで、上述のバスは、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部パスである。CPUは所定のプログラムの処理を行う他、バスに接続されたROM等を制御している。ROMは、各種プログラムや各種情報等を格納している。RAMは、プログラム処理中のメモリの内容の対比やプログラムを実行するためのエリアとしての機能を有する。
【0027】
図2は、
図1の駐車場管理装置本体40等の概略ブロック図である。
図2に示すように、駐車場管理装置本体40は、駐車場管理装置本体制御部41を有すると共に、計時装置42や、照明機Lnを消灯するための消灯スイッチ43も有し、これらが駐車場管理装置本体制御部41に接続されている。
また、駐車場管理装置本体40は、第1の記憶部50及び第2の記憶部70を有し、これらも駐車場管理装置本体制御部41に接続されている。
【0028】
図3は、
図2の第1の記憶部50を示す概略ブロック図であり、
図4は、
図2の第2の記憶部70を示す概略ブロック図である。
図2乃至
図4には、第1の記憶部50と第2の記憶部70を示しているが、実際にかかる区分に従って、各ブロックが配置されていることを示すものではなく、説明の便宜上、区分して配置させたものである。したがって、これらが同一の記憶部等に区分せずに配置されていても構わない。
【0029】
図5乃至
図8は、本実施の形態に係る障害者用駐車場管理システム1の主な動作例等を示す概略フローチャートである。
以下、
図5乃至
図8のフローチャートに沿って、障害者用駐車場管理システム1の主な動作例等を説明しながら、
図2乃至
図4のブロック図の各構成等についても説明する。
【0030】
先ず、本実施の形態に係る障害者用駐車場管理システム1は、例えば、店舗の駐車場に設置される。店舗の駐車場には、上述のように、各障害者用駐車スペースPnの表面に照明機Lnが埋め込まれている(
図1参照)。これら照明機Lnは、それぞれ赤色、黄色又は青色に発光するライトとなっている。
また、各障害者用駐車スペースPnには、それぞれ、上述のように、近接センサSnやカメラKnが配置されている。
【0031】
具体的には、自動車Cが、障害者用駐車スペースPnに配置されると、近接センサSnが動作して、自動車Cが障害者用駐車スペースPnに駐車したことを検知し、
図5のST1へ進む。
ST1では、カメラKnが当該自動車Cを撮影し、その画像を取得し、車両検知のための画像解析を実行する。
具体的には、
図2のカメラKnが撮影した画像は、
図4の第2の記憶部70のカメラ画像記憶部71に記憶される。そして、
図1の車両存在検知部(プログラム)51が動作し、
図4の車両存在検知用データ記憶部72を参照する。この車両存在検知用データ記憶部72には、車両画像と判断するための比較用データが記憶されている。このため、車両存在検知部(プログラム)51は、カメラ画像記憶部71に記憶された画像が車両か否かを判断することができる。
【0032】
次いで、ST2で、車両存在検知部(プログラム)51が、車両の存在を検知した場合は、ST3へ進む。
ST3では、車両画像から車両ナンバー部位画像を抽出する。具体的には、
図3の車両ナンバー部位画像抽出部(プログラム)52が動作し、
図4の車両ナンバー部位抽出用データ記憶部73内のデータを参照する。この車両ナンバー部位抽出用データ記憶部73内には、車両のナンバープレートの配置位置のデータ等が記憶されている。このため、車両ナンバー部位画像抽出部(プログラム)52は、車両ナンバー部位画像、すなわち、
図1のナンバープレートNの画像を抽出することができる。なお、車両ナンバー部位画像抽出部(プログラム)52は、その後、その画像を
図4の車両ナンバー部位画像記憶部74に記憶させる。
このように、車両ナンバー部位画像抽出部(プログラム)52は、車両ナンバー部位抽出用データ記憶部73内の車両のナンバープレートの配置位置のデータ等に基づき、ナンバープレートの位置を特定し、この特定した位置に対応する車両ナンバー位置画像(ナンバープレートNの画像)を抽出して、車両ナンバー部位画像記憶部74に記憶させることになる。
【0033】
次いで、ST4へ進む。ST4では、車両ナンバー部位画像を解析する。具体的には、
図3の車両ナンバー部位画像解析部(プログラム)53が動作し、
図4の車両ナンバー部位画像記憶部74内の画像を、
図4の車両ナンバー部位画像解析用データ記憶部75内のデータと比較する解析が開始される。
この車両ナンバー部位画像解析用データ記憶部75内には、数字や文字等の比較データが記憶されている。
すなわち、車両ナンバー部位画像解析部(プログラム)53は、車両ナンバー部位画像解析用データ記憶部75内の数字や文字等の比較データに基づいて、車両ナンバー部位画像記憶部74内の画像の解析を開始する。そして、その車両ナンバーを、例えば、
図1の「新潟 330 ね 77−77」等と特定するための解析を開始する。
なお、車両ナンバー部位画像解析部(プログラム)53は、車両ナンバーの解析が終了すると、その結果、例えば「新潟 330 ね 77−77」等を、
図4の解析済み車両ナンバー記憶部76に記憶させる。
【0034】
次いで、ST5へ進む。ST5では、
図2の計時装置42による時間カウントが開始される。具体的には、ST4の解析が開始されるとほぼ同時に時間カウントが開始される。
【0035】
次いで、ST6へ進み、ST4で開始した車両ナンバー部位画像解析が終了したか否かが判断される。
具体的には、
図3の車両ナンバー部位画像解析終了判断部(プログラム)54が動作し、
図4の解析済み車両ナンバー記憶部76に解析済みのデータとして、例えば、「新潟 330 ね 77−77」等が記憶されているか否かを判断する。
【0036】
ST6で、車両ナンバー部位画像解析が終了したと判断された場合は、
図6のST7へ進む。ST7では、解析済みナンバーが、登録済みナンバーか否かが判断される。
具体的には、
図3の車両ナンバー照会部(プログラム)55が動作し、
図4の解析済み車両ナンバー記憶部76内のデータ、例えば「新潟 330 ね 77−77」等が、
図4の登録車両ナンバーデータベース77に既に登録されている車両ナンバーに含まれているか否かを判断する。
この登録車両ナンバーデータベース77には、予め障害者の自動車の車両ナンバーが登録されている。
このため、解析済み車両ナンバー記憶部76内の車両ナンバーが、この登録車両ナンバーデータベース77内の車両ナンバーに含まれている場合は、当該自動車が障害者の自動車であると判断することができる。
この解析済み車両ナンバー記憶部76内の車両ナンバーが、この登録車両ナンバーデータベース77内の車両ナンバーに含まれている情報が、包含識別情報の一例となっている。
【0037】
このように、登録車両ナンバーデータベース77が、既登録識別情報記憶部の一例であり、車両ナンバー照会部(プログラム)55が、識別情報判断部の一例となっている。
【0038】
ST7で、解析済み車両ナンバー記憶部76内の車両ナンバーが、登録車両ナンバーデータベース77内の車両ナンバーに含まれていると判断された場合は、ST8へ進む。
ST8では、照明機Lnを青色に点灯させる。
具体的には、車両ナンバー照会部(プログラム)55の判断に基づいて、
図2の照明機制御装置20が動作して、当該車両ナンバーの自動車Cが駐車している障害者用駐車スペースPnの照明機Ln(
図1の例では障害者用駐車スペースP1)を青色に点灯させる。
【0039】
すなわち、ST7で、解析済み車両ナンバー記憶部76内の車両ナンバーが、登録車両ナンバーデータベース77内の車両ナンバーに含まれていると判断された場合は、駐車している自動車Cは、障害者用自動車Cであるため、駐車中の自動車Cが適切な利用であることを示すため、青色で周囲に知らせる構成となっている。
【0040】
このように、照明機制御装置20が、照明状態変更部の一例である。
【0041】
次いで、ST9へ進む。ST9では、計時装置42が時刻カウントを開始する。具体的には、ST8の照明機Lnの青色点灯とほぼ同時に、
図2の計時装置42が時間カウントを開始する。
【0042】
次いで、ST10へ進む。ST10では、時間カウントが所定時間以内か否かを判断する。具体的には、
図3の点灯時間部(プログラム)58が動作し、
図4の点灯時間データ記憶部79内のデータと、計時装置42を参照して判断する。
すなわち、点灯時間部(プログラム)58は、計時装置42の時間カウントが点灯時間データ記憶部79内のデータを参照して、定められた時間内か否かを判断する。
【0043】
そして、ST10で、所定時間以内でないと判断された場合は、ST11へ進む。ST11では、照明機Lnが消灯する。具体的には、計時装置42の判断に基づいて、
図2の照明機制御装置20が照明機Ln(
図1の場合は、照明機L1)の青色点灯を消灯させる。
【0044】
一方、ST7で、解析済みナンバーが、登録済みナンバーでないと判断された場合は、
図6のST12へ進む。ST12では、照明機Lnを赤色に点灯させる。
具体的には、車両ナンバー照会部(プログラム)55の判断に基づいて、
図2の照明機制御装置20が動作して、当該車両ナンバーの自動車Cが駐車している障害者用駐車スペースPnの照明機Ln(
図1の例では障害者用駐車スペースP1)を赤色に点灯させる。
この解析済みナンバーが、登録済みナンバーでないとの情報が、非包含識別情報の一例である。
さらに、
図1にスピーカー11から同時に警告音等が流される。
【0045】
すなわち、ST7で、解析済み車両ナンバー記憶部76内の車両ナンバーが、登録車両ナンバーデータベース77内の車両ナンバーに含まれていないと判断された場合は、駐車している自動車Cは、障害者用自動車Cではないため、駐車中の自動車Cが適切な利用でないことを示すため、赤色及び警告音等で周囲に知らせる構成となっている。
これにより、自動車Cの利用者に羞恥心等を感じさせることができ、その結果、自動車Cを障害者用駐車スペースPnから、健常者用の他の駐車スペースへ移動するように間接的に促すことができる。
このように、本実施の形態では、照明機Lnを赤色に点灯させることで、直接管理者等が使用者に注意をすることがないので、従来生じていた感情的なトラブル等を未然に防ぐことができる。
【0046】
また、本実施の形態では、誰が見ても一目で正規利用が不正利用かを明らかにすることができる。そして、不正利用の利用者に注意をするプロセスが、「人から人」ではなく、「機械から人」にすることで、人から直接注意を受ける場合に比べ、柔らかな注意とすることができる。
また、利用者のモラルではなく、利用者の羞恥心(視覚)に訴えることで、自動車Cの移動を効果的に促すことができる。
さらに、本実施の形態では、遮断機のような閉鎖的な手段ではなく、照明機Lnの色彩で注意を喚起するので、利用者に圧迫感がなく、開かれた状態で、適正な利用を促すことができる構成となっている。
【0047】
次いで、ST13へ進む。ST13では、ST2と同様に、車両の存在を検知したか否かが判断される。
そして、ST13で、車両の存在が検知されなくなった場合は、ST14へ進む。ST13で、車両の存在を検知しなくなった場合は、既に自動車Cが当該障害者用駐車スペースPnから他へ移動したと判断し、照明機Lnを消灯させる。
具体的には、
図3の車両存在検知部(プログラム)51の判断に基づき、
図2の照明機制御装置20が当該照明機Ln(
図1では照明機L1)の赤色発光を消灯させる。
【0048】
一方、
図5のST6で、車両ナンバー部位画像の解析が終了していない場合は、ST15へ進み、所定時間が経過したか否かを判断する。
具体的には、
図3の解析時間判断部(プログラム)56が動作して、
図2の計時装置42のカウントされた時間と、
図4の解析時間データ記憶部86を参照して、このカウントされた時間が解析時間データ記憶部86のデータに定められた時間内か否かが判断される。
【0049】
ST15で、所定時間以内でないと判断された場合は、ST16へ進む。ST16では、照明機Lnを黄色に点灯させる。
具体的には、解析時間判断部(プログラム)56の判断に基づいて、
図2の照明機制御装置20が動作し、自動車Cが駐車している障害者用駐車スペースPnの照明機Lnを黄色に点灯させる。
この車両ナンバー部位画像の解析が終了していないとの情報が、不明識別情報の一例である。
【0050】
次いで、ST17へ進む。ST17では、
図2の管理モニター90に「駐車スペースを点検してください」との警告が表示される。
具体的には、
図3の表示実行部(プログラム)57が動作し、
図4の表示データ記憶部78内の例えば、「駐車スペースを点検してください」との文言を参照して、このデータを
図2の管理モニター90に表示させる。
【0051】
これにより、管理者等は、本システム1が、障害者用駐車スペースPnに駐車した自動車CのナンバープレートNを読み取ることができなかったことを知ることができる。
【0052】
次いで、ST18へ進む。ST18では、管理モニター90を見た管理者等が、
図2の消灯スイッチ43を操作したか否かを判断する。
ST18で、管理者等が消灯スイッチ43を操作し、照明機Lnの黄色点灯を消すと、終了する。
このように、本システム1では、ナンバープレートNを読み取ることができない場合でも、かかる事実が管理者等に伝わるまで、黄色点灯し続けるので、読み取ることができない場合でも、その状態を確実に管理者等に伝えることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、当該自動車Cが障害者の自動車Cか否かは、移動手段の固有の識別情報である例えば、車両ナンバーN1で判断したが、これに限らず、非健常者の固有の識別情報である例えば、身障者用駐車場利用証でも構わない。
この身障者用駐車場利用証は、例えば長方形の板状を成し、その表面に特定のデザインの記号等が表示されている。
したがって、障害者が、この身障者用駐車場利用証を自動車Cのフロントガラスの内側に配置等し、この身障者用駐車場利用証をカメラKnが撮像し解析する構成としても構わない。
また、これら車両ナンバーN1及び身障者用駐車場利用証の双方を撮像し、これら双方を解析し、双方が合致した場合のみ、適切な利用であると判断する構成としても構わない。
【0054】
ところで、ST7で、解析済みナンバーが、登録済みナンバーであると判断された場合は、
図6に示すように、ST8と共に、ST19へも進む。
ST19では、登録済み車両ナンバーを入店登録車両ナンバーとして登録する。
具体的には、登録ナンバー照会部(プログラム)55で登録ありと判断された登録ナンバーを入店登録車両ナンバー記憶部80に記憶する。
【0055】
次いで、ST20へ進む。ST20では、障害者の自動車Cが出庫するか否かを判断する。具体的には、
図1及び
図2の自動精算装置120が、
図4の登録車両ナンバーデータベース77に記憶されている車両ナンバーN1を有する自動車Cが出庫したか否かを判断する。
【0056】
ST20で、かかる自動車Cが出庫したと判断されると、ST21へ進む。ST21では、出庫する車両ナンバーに対応する個人カード番号を特定する。
具体的には、
図3の個人カード番号照会部(プログラム)59が動作して、個人カード番号照会用データベース81を参照する。この個人カード番号照会用データベース81には、登録車両ナンバーデータベース77の登録車両ナンバーと、これに対応する障害者の個人カード番号が対応付けられて記憶されている。したがって、個人カード番号照会部(プログラム)59は、出庫する登録車両ナンバーに対応する個人カード番号を特定することができる。
ここで、個人カード番号は、店舗における買い物等で使用可能なカードとなっており、例えば、
図2等の店舗側POS装置100等を介して管理されている。
また、この個人カード番号は、個人カード識別情報の一例となっている。
【0057】
次に、ST22へ進む。ST22では、個人カード番号に対応する店舗における購入データを取得する。
具体的には、
図3の個人カード番号対応購入データ取得部(プログラム)60が動作し、
図4の個人カード番号対応購入データ記憶部82内の、当該個人カード番号に対応する店舗の購入データを取得する。
これにより、当該個人カード番号、すなわち、登録車両ナンバーの障害者の店舗における購入金額等のデータを取得することができる。
【0058】
次いで、ST23へ進む。ST23では、購入データに対応する駐車料金データを取得して、自動精算装置120が精算を行う。
具体的には、
図3の購入データ対応駐車料金データ取得部(プログラム)61が動作して、
図4の購入データ対応駐車料金データ記憶部83を参照する。この購入データ対応駐車料金データ記憶部83には、購入データに対する駐車料金のデータが記憶されている。
このため、購入データ対応駐車料金データ取得部(プログラム)61は、購入データ対応駐車料金データ記憶部83を参照することで、購入金額等に対応して割引等された駐車料金データを取得することができる。
そして、
図2の自動精算装置120は、この駐車料金データに基づいて、駐車料金の精算を実行することになる。
【0059】
このように、本実施の形態によれば、障害者がその自動車Cで店舗に来て、その障害者用駐車スペースPnに駐車し、その後、店舗で個人カードを使用して買い物等をすると、その買い物金額に応じて、駐車料金の割引等を自動的に受けることができ、店舗にとっても、障害者等にとっても極めて使い易いシステムとなる。
【0060】
また、次にST24へ進む。ST24では、駐車場の自動精算装置120に例えば、隣接して配置されているクーポン券発行装置140が、店舗で使用可能なクーポン券を自動発行する構成となっている。
これにより、障害者等の自動車Cの自動精算をすると共に、併せてクーポン券も自動発行することができ、極めて効率的なシステムとなる。
【0061】
図8は、要介護者利用状況データ生成のためのフローチャートを示す。
図8のST101では、
図4の入店登録車両ナンバー記憶部80内のデータと、
図2の店舗側POS装置100で取得する要介護者来店回数(精算回数)データを用いて要介護者利用状況データを生成して、その結果を要介護者利用状況記憶部に記憶する。
具体的には、
図3の要介護者利用状況データ生成部(プログラム)62が動作して、
図4の入店登録車両ナンバー記憶部80のデータと、店舗側POS装置100で取得する
図4の要介護者来店回数データ記憶部84内のデータを参照して、要介護者利用状況データを生成し、そのデータを
図4の要介護者利用状況記憶部85に記憶する。
これにより、障害者等の要介護者の店舗の利用状況を明確に把握することができ、要介護者に最適化した店舗運営をするための資料を取得することができる。
なお、要介護者利用状況データが、非健常者利用状況情報の一例となっている。
【0062】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。上述の実施の形態では、近接センサSnを用いて、自動車Cが障害者用スペースP1等に配置されたか否かを監視しているが、これに限らず、近接センサSnを用いない形態としても良い。この場合は、カメラK1等が常時又は定期的に撮像動作を行っており、この画像から自動車Cの配置を判断することになる。