【実施例1】
【0017】
図1、
図2において、符号100はプッシュ式スライドレールを示し、プッシュ式スライドレール100は、固定側レール1と、ボールリテーナー4に回転自在に保持されたボール44・・・を介して固定側レール1に摺動自在に保持された中間レール2と、ボールリテーナー5に回転自在に保持されたボール54・・・を介して中間レール2に摺動自在に保持された移動側レール3より構成され、固定側レール1の後端部内面にはラッチ部材60が取付けられ、移動側レールの後端部にはラッチ部材60に対応して案内部材9が取付けられている。
ラッチ部材60は、上下の押しバネ7、7と、係止部材8と、上下の押しバネ7、7と係止部材8を保持し、固定側レール1の収納側端部に取付けられる弾性素子80を有する保持部材6より構成されている。以後、
図1で左下方向を引出し側、右上方向を収納側として説明する。
【0018】
すなわち、固定側レール1は、基板10と、上下折曲縁11、11よりチャンネル型に形成され、上下折曲縁11、11内面と中間レール2の外面間に位置する複数個のボール44・・・を介して、中間レール2を摺動自在に保持している。複数個のボール44・・・は、固定側レール1のほぼ半分程度の長さとなした長尺平板状のボールリテーナー4・・・に回転自在に保持されている。
そして、固定側レール1の基板10の引き出し側端部には前記ボールリテーナー4の引出し方向への移動範囲を規制するリテーナー前ストッパー(図示せず。)が形成されている。
【0019】
中間レール2は、固定側レール1とほぼ同長で、基板20と上下折曲縁21、21より固定側レール1と同方向の略チャンネル型に形成され、上下折曲縁21、21の外面に、摺動方向に渡って前記ボール44・・・が転動する外面側ボール摺動溝を有し、上下折曲縁21、21の内面に、摺動方向に渡ってボール54・・・が転動する内面側ボール摺動溝を有している。
そして、基板20の収納側の上下端部には、中間レール2の最大引出し時に、前記固定側レール1のリテーナー前ストッパー(図示せず。)に引出し側端部が当接したボールリテーナー4の収納側端部に当接して、中間レール2の最大引出し量を規制するリテーナー後ストッパー25、25が形成され、基板20の引出し側端部に、移動側メンバー3が最大伸長状態となった時、ボールリテーナー5の引出し側端部が当接するボールリテーナー前端ストッパー(図示せず。)が形成されている。
【0020】
移動側レール3は、固定側レール1とほぼ同長に形成され、ボールリテーナー5に保持されたボール54・・・を介して摺動自在な大きさで、金属製の細条板の短手両端部を外向き円弧状に折り曲げて形成された、外面長手方向にボール54・・のボ−ル摺動溝を有する上下折曲縁31、31と基板30より断面略C字型に形成されている。
【0021】
そして、基板30の収納側端部には、移動側レール3の最大引出し時に、前記中間レール2のボールリテーナー前端ストッパー(図示せず。)に引出し側端部が当接したボールリテーナー5の収納側端部に当接して、移動側レール3の最大引出し量を規制するボールリテーナー後端ストッパー(図示せず。)が形成されている。
【0022】
ボールリテーナー5は、帯状金属板にて中間レール2の半分程度の長さとし、前記中間レール2と移動側レール3の基板20、30間に挿入可能な大きさのコ字形基板50と、コ字形基板50の両端部よりL字形に突出し、中間レール2と移動側レール3の各上下折曲縁21、21、31、31間に位置する上下突出縁51、51より断面略コ字形に形成され、上下突出縁51、51の摺動方向に複数個のボール54・・・を回転自在に保持している。
【0023】
プッシュ式スライドレール100は、上記の如く構成され、固定側レール1に対する中間レール2の引出し側方向への摺動、中間レール2に対する移動側レール3の引出し側方向への摺動は次のようになる。
中間レール2が固定側レール1に対し引出し側に摺動すると、同時に、ボールリテーナー4も中間レール2の移動量の半分の移動量をもって引出し側に移動し、やがて、ボールリテーナー4の引出し側端部は固定側レール1のリテーナー前ストッパー(図示せず。)に当接して停止し、同時に、中間レール2のリテーナー後ストッパー25、25がリテーナー前ストッパー(図示せず。)に当接したボールリテーナー4の収納側端部に当接して停止する。
【0024】
一方、中間レール2に対し移動側レール3が引出し側に摺動すると、ボールリテーナー5も移動側レール3の移動量の半分の移動量をもって引出し側に移動し、やがて、ボールリテーナー5の前端が中間レール2のボールリテーナー前端ストッパーに当接して停止し、この停止したボールリテーナー5の収納側端部に移動側レール3のボールリテーナー後端ストッパーが当接して、移動側レール3が停止する。
【0025】
一方、固定側レール1に対する中間レール2の収納側方向への摺動、中間メンバー2に対する移動側レール3の収納側方向への摺動は次のようになる。中間レール2が固定側レール1に対し収納側に摺動すると、同時にボールリテーナー4も中間レール2の移動量の半分の移動量をもって収納側に移動し、やがて、中間レール2のリテーナー後ストッパー25、25が固定側レール1の収納側端部に取付けられたラッチ部材60の一部に当接し中間レール2の摺動が停止する。
【0026】
一方、中間レール2に対し移動側レール3が収納側に摺動すると、ボールリテーナー5も移動側レール3の移動量の半分の移動量をもって収納側に移動し、やがて、移動側レール3の引出し側端部に形成された移動側レールストッパー33が中間レール2の引出し側端面に当接し、中間レール2を伴って押しバネ7の弾性に抗して収納側に摺動し、収納側端部に取付けられた案内部材9がラッチ部材60の一部に当接し移動側レール3が停止する。そして、ラッチ部材60の上下の押しバネ7、7によって中間レール2及び移動側レール3はやや押し戻され、案内部材9がラッチ部材60の係止部材8と係合し、中間レール2と移動側レール3の収納状態が保持される。
【0027】
ラッチ部材60の保持部材6は、上下端部に固定側レール1の上下折曲縁11、11の内面に嵌合する上下嵌合突部62、62を上下端部に有し、固定側レール1の内面に位置する取付け基板61と、上下嵌合突部62、62の引出し側に突出して連設された上下押しバネ保持筒63、63と、上下バネ保持筒63、63と所定間隔を有してやや内側で、引出し側に突出して取付け基板61連設された上下嵌入柱64、64と、上下嵌入柱64、64間で、引出し側に突出し、取付け基板61の上下方向略中央部に連設された連結嵌合部65と、取付け基板61の収納側端部に連設された、取付け状態で固定側レール1の収納側端面を閉塞する端面閉塞部66より合成樹脂材にて一体に形成されている。
【0028】
そして、上下嵌合突部62、62、上下押しバネ保持筒63、63、上下押しバネ保持筒63、63に取付けられる上下押しバネ7、7、上下押しバネ7、7に設けられる上下嵌合キャップ71、71、上下嵌入柱64、64は上下方向で対向した同形に形成されているので以下上側についてのみ説明する。
上嵌合突部62には、上押しバネ保持筒63の上押しバネ保持面631に連通する上押しバネ保持孔621が形成され、上押しバネ保持筒63の引出し側端部には、上押しバネ7が上押しバネ保持筒63より脱落するのを防止するための上脱落防止突部632が形成されている。
【0029】
上押しバネ7は、上嵌合突部62の摺動方向のほぼ全幅にわたって形成された上押しバネ保持孔621と上押しバネ保持筒63を合わせた長さよりやや長めの圧縮バネよりなり、引出し側に合成樹脂材からなる上嵌合キャップ71が取付けられている。
【0030】
上嵌合キャップ71は、上押しバネ7の長さのほぼ半分程度の長さを有し、上押しバネ7内に嵌入し、上押しバネ7を直線状に保持するための嵌入保持柱711と、嵌入保持柱711の引き出し側端部に一体に形成された、上押しバネ7の引出し側端面を閉塞し、上押しバネ保持面631の形状に合致する上嵌合頭部712と、上嵌合頭部712の外方に突出し、上押しバネ7による所定の弾性で、上脱落防止突部632の収納側端面に当接して、上押しバネ7と上嵌合キャップ71が上押しバネ保持筒63から脱落するのを防止する上内面側当接突部712を有している。
【0031】
そして、上押しバネ7は、移動側レール3と中間レール2の収納側への摺動にともなって、中間レール2のリテーナー後ストッパー25が、上嵌合頭部712の引出し側端面に当接することで所定寸法に圧縮され、案内部材9とラッチ部材60の係止状態を維持するため、中間レール2を介して移動側レール3に所定の弾性を付与すると同時に、係止状態が解除されると、中間レール2を介して移動側レール3が引出し方向に摺動するための弾性を付与する。
【0032】
上嵌入柱64は、引出し側端部が略円錐状とした全体が円柱状に形成されている。
そして、ラッチ部材60の係止部材8と案内部材9が係止した状態で、移動側レール3の上折曲縁31の外面長手方向に形成されたボール54・・・のボール摺動溝の収納側端部の上面に上嵌入柱64が弾性的圧接し、上嵌入柱64の引出し側端部が、中間レール2の上折曲縁21、21の内面に、摺動方向に渡って形成されたボール54・・・が転動する内面側ボール摺動溝の収納側の下面間に嵌入することで、ラッチ部材60と案内部材9の係止状態で、中間レール2の収納側端部から収納方向に飛び出した移動側レール3の収納側部分(ボール54・・・が位置しない部分)の強度の低下を防止している。
【0033】
連結嵌合部65には、固定側レール1に取付けられた状態で、固定側レール1の収納側端部近傍の基板10に形成された、移動側レール3方向に突出する連結用係合突起101と係合する連結用係合孔651が形成されている。
【0034】
取付け基板61には係止部材8を上下方向に移動可能に保持するための案内嵌合部67が形成されている。
案内嵌合部67は、上嵌入柱64間で連結嵌合部65よりに位置して前後方向に貫通する
案内嵌合孔671と、案内嵌合孔671の引出し側、収納側の端面より、所定寸法引出し側及び収納側に位置する所定深さの左右支持面679、679を有し、案内嵌合孔671の外側レール1の基板10側に連設された案内嵌合凹部672と、案内嵌合凹部672より浅い深さで、嵌合凹部672の上方に連設され、引出し側と収納側に位置すする2つの左右上下案内溝673、673と、左右上下案内溝673、673間に形成された案内支持突部674より形成されている。
【0035】
そして、案内嵌合孔671の引出し側及び収納側方向の中央部で、案内嵌合凹部672の下端で外側レール1の基板10側の端面から、案内支持突部674と所定間隔(後ほど説明する係止部材取付け用間隙800)を有する位置まで上方に突出する弾性素子80が取付け基板61と一体に形成されている。
【0036】
弾性素子80は、取付け基板61との連設部分(保持部材6との連設部分)から遠ざかる(案内支持突部674に近づく)に従って、固定側レール1の基板10から離れる方向に傾斜し、前後方向に所定の弾性を付与された状態で、所定厚みに成型されている。
【0037】
案内嵌合部67に取付けられる係止部材8は、案内嵌合孔671に嵌合し、上下方向に所定距離移動可能な上下寸法で、弾性素子80の反対方向に所定寸法突出する係止ピン81を有する案内嵌合凸部82と、案内嵌合凸部82と同じ高さで、案内嵌合凹部672とほぼ同じ深さの厚みで、案内嵌合凹部672に嵌合する基板凸部83と、基板凸部83の(収納側と引出し側の端部で所定間隔(案内支持突部674が嵌合する間隔)を有して上方に突出し、前記左右上下案内溝673、673内に合致し、係止部材8が最も上方に位置した状態で、上端が上嵌合凸部62の上方に突出しない程度の高さに形成された左右案内角部84、84より形成されている。
【0038】
そして、案内嵌合凸部82の係止ピン81が突出する面と反対側の面(基板凸部83の固定側レール1の基板10側の面)には、前記弾性素子80が嵌合する弾性素子嵌合凹部85が形成されている。
すなわち 、表側の面から固定側レール1の基板10側に力を加えて、弾性素子80を弾性変形させることで、係止部材取付け用間隙800を広げ、この広げられた係止部材取付け用間隙800に、係止ピン81を表側方向にして、左右案内角部84、84を摘んで係止部材8をややかたむけた状態で斜め方向から、案内嵌合凸部82と基板凸部83を案内嵌合孔671と案内嵌合凹部672に嵌入した後、弾性素子80に加えた力を取り除くと、弾性素子80は弾性素子嵌合凹部85に嵌合し、左右案内角部84、84は、左右上下案内溝673、673に嵌合し、係止部材8は弾性素子80の弾性力で表側方向に押しやられる。
【0039】
そして、基板凸部83の表側の面は案内嵌合凹部672の底面670、670に当接しているので、所定の強さで係止部材8は案内嵌合凹部672所定の強さで押し付けられた状態で保持され、外部から力が負荷されない限り上下に移動する事はない。
【0040】
ラッチ部材60は上記の如く構成され、固定側レール1の収納側端部から差し込まれ、上下嵌合凸部62、62が固定側レールの基板10と上下折曲縁11、11の角部内面に嵌合し、端面閉塞部66が固定側レール1の収納側端面に当接した状態で、固定側レール1に形成された連結用係合突起101に連結用係合孔651が係合し、固定側レール1の収納側端部に取付けられる。
【0041】
移動側レール3の収納側端部に取付けられ、ラッチ部材60と係脱自在となる案内部材9は合成樹脂材より一体に形成されている。
案内部材9は所定の厚みを有する案内基板90と、案内基板90に形成された収納側端部が開口し、係止ピン81の先端部分が挿通する案内凹部91より形成されている。
そして案内凹部91の上下方向略中央部には横向き略ハート形の案内突部92が形成されている。
【0042】
案内基板90は、移動側レール3の基板30方向に突出し、移動側レール3の収納側端面の切欠き部に合致し、切欠き部端面を閉塞する収納側端面に形成された端面突出縁93と、端面突出縁93の所定寸法引出し側で、移動側レール3の基板30に形成された取付孔(図示せず。)に嵌合する嵌合突起94と、移動側レールの基板30と上下折曲縁31、31の角部に密嵌する上下嵌合縁部95、95を有し、移動側レール3の収納側端部で、上下折曲縁31、31間の基板30内面に強圧的に嵌合して取付けられる。
【0043】
案内凹部91は、係止部材8の上下動可能寸法に対応する上下寸法を有して、収納側端部が開口する出入口挿通部910と、第1案内壁面911と、第1上壁面912と、第1下壁面913、係止解除壁面914と、第1上壁面912と、第2上壁面915と、第2下壁面916と、第1押上げ壁面917と第2押上げ壁面918より形成されている。
【0044】
すなわち、第1案内壁面911は、出入挿通用開口910の上端から引出し側に向かって緩やかに下方に傾斜し、さらに、案内突部92の上方辺りから係止ピン81が通過可能な間隙を案内突部92の上方の引出し側に有し、案内突部92の上端とほぼ同じ高さ位置まで下方に円弧状に傾斜している。
【0045】
第1上壁面912は、第1案内壁面911の引出し側端部から、案内突部92の上端とほぼ同じ高さ位置で引き出し側に所定長さ延出され、第1下壁面913は、係止ピン81が通過可能な間隙を有して第1上壁面912の下方に平行に形成され、収納側端部が第1案内壁面911の引出し側端部より、係止ピン81が載置可能な長さ収納側にやや突出している。
【0046】
係止解除壁面914は、第1下壁面913の収納側端部から下方に引出し方向で案内突部92の下端とほぼ同じ高さ位置まで傾斜し、第2上壁面915は、係止解除壁面914の引出し側端部から、案内突部92の下端とほぼ同じ高さ位置で第1上壁面912と同様に引き出し側に所定長さ延出され、第2下壁面916は、係止ピン81が通過可能な間隙を有して第2上壁面915の下方に平行に形成され、収納側端部は案内凸部92の収納側端部よりやや収納側まで達している。
【0047】
第1押上げ壁面917は、第2下壁面916の収納側端部から、案内凸部92の下端よりやや高い位置まで、収納側に向かって上方に傾斜し、案内突部92の後端間に、係止ピン81が通過可能な間隙を有し、第2押上げ壁面918は、第1押上げ壁面917の上端から収納側方向にむかって下方に傾斜している。
【0048】
案内突部92は、第1上壁面912と第2下壁面916間で、係止ピン81が通過可能な間隙を有して形成され、収納側端部に下端から上方に向かって引出し側に傾斜する押上げ案内面921と、押上げ案内面921の上端から下方に向かって収納側に傾斜する係止案内面922と、係止案内面922の下端部に連設された、下方に向かって引出し側に傾斜する係止面923より形成されている。
【0049】
第1実施例は上記の如く構成され、中間レール2のリテーナー後ストッパー25、25が上下押しバネ7、7の上下嵌合頭部712、712に当接し、移動側レール3の移動側レールストッパー33が中間レール2の引出し側端面に当接した状態(
図10に示す状態)
から中間レール2で上下押しバネ7、7を圧縮しながら、移動側レール3を押し込んでいくと、係止部材8の係止ピン81に案内凸部92の押上げ案内面921が当接し、移動側レール3(案内部材9)の収納方向への移動にともなって、係止ピン81(係止部材8)は押上げ案内面921に沿って上方に移動し、案内凸部92を乗り越える位置に達する。(係止ピン81が最も押上げられた状態。
図11に示す状態)
【0050】
そして、移動側レール3をさらに収納方向に押し込むと、係止ピン81は第1案内壁面911の引出し側端部に沿って下方に移動し、第1上壁面912と第1下壁面913間に位置し、移動側レール3と中間レール2が最も押し込まれた(移動側レール3の摺動が停止した)状態で、収納力を解除すると、中間レール2(移動側レール3)は上下押しバネ7、7の弾性力で引出し方向に押し戻され、第1上壁面912の収納側端部が係止ピン81の箇所を通過して(
図12に示す状態)から、係止案内面922が係止ピン81に当接し、係止案内面922に沿って、係止ピン81を押し下げ、係止面923に当接し(ラッチ部材60と案内部材9が係止状態となる。
図13に示す状態。)、移動側レ−ル3と中間レール2は固定側レール1に対して収納状態が維持される。
【0051】
次ぎに、移動側レール3と中間レール2を引出す時は、
図13に示す状態から移動側レール3を上下押しバネ7、7の弾性に抗して収納側に押し込むと、係止ピン81に係止解除壁面914が当接し、係止ピン81は係止解除壁面914にそって押し下げられる。(
図14に示す状態。)
この状態で収納方向への付加を取り去るか、あるいは、さらに、係止ピン81が、第2上壁面915と第2下壁面916間の所定位置(移動側レール3が停止する位置)まで最も押し込んで付加を取り除くと、中間レール2(移動側レール3)は上下押しバネ7、7の弾性力で引出し方向に所定位置まで押し戻される。
【0052】
この時、第2下壁面916の収納側端部が係止ピン81の箇所を通過しさらに、第1押上げ壁面917が係止ピン81に当接し、第1押上げ壁面917に沿って、係止ピン81は上方に押しやられる状態(
図15に示す状態)を経て、係止部材8(係止ピン81)は、弾性素子80の弾性によって、案内嵌合凹部672の底面670、670に弾性的に押付けられているので、所定高さに維持される。(
図10に示す高さ位置)
【0053】
すなわち、第1押上げ壁面917は、案内凸部92の押上げ案内面921の下端部やや上方の高さ位置に、移動側レール3が収納されるとき、係止ピン81が確実に当接するよう、移動側レールの引出し時、係止ピン81の高さ位置を規定するものである。
【0054】
一方、係止部材8を保持部材6に取付けただけでは、係止ピン81は不定の高さ位置となっているので、この状態で固定側レール1にラッチ部材60が取付けられ、移動側レール3が収納され場合、前記したように、係止ピン81が確実に案内凸部92の押上げ案内面921に当接するとは限らない。
次ぎに、当初、係止ピン81が案内凸部92より高い位置にあった場合と、案内凸部92より低い位置にあった場合について説明する。
【0055】
係止ピン81が、案内凸部92より高い位置にあった場合、出入口挿通部910は、係止部材8の上下動可能寸法に対応する上下寸法を有して収納側端部が開口し、第1案内壁面911は、出入挿通用開口910の上端から引出し側に向かって緩やかに下方に傾斜し、さらに、案内突部92の上方辺りから係止ピン81が通過可能な間隙を案内突部92の上方の引出し側に有し、案内突部92の上端とほぼ同じ高さ位置まで下方に円弧状に傾斜しているので、移動側レール3が収納方向に押込まれる、係止ピン81は第1案内壁面911の収納側端部から引出し側端部に沿って下方に移動し、第1上壁面912と第1下壁面913間に位置し、移動側レール3と中間レール2が最も押し込まれた(移動側レール3の摺動が停止した)状態となる。
【0056】
そして、収納力を解除すると、中間レール2(移動側レール3)は上下押しバネ7、7の弾性力で引出し方向に押し戻され、第1下壁面913の収納側端部が係止ピン81の箇所を通過して(
図12に示す状態)から、係止案内面922が係止ピン81に当接し、係止案内面922に沿って、係止ピン81を押し下げ、係止面923に当接し(ラッチ部材60と案内部材9が係止状態となる。
図13に示す状態。)、移動側レ−ル3と中間レール2は固定側レール1に対して収納状態が維持される。
【0057】
係止ピン81が、案内凸部92より低い位置にあった場合、第2押上げ壁面918は上端が案内凸部92の下端よりやや高い位置まで、引出し方向にむかって上方に傾斜するよう形成されているので、移動側レール3が収納方向に押込まれる、係止ピン81は第2押上げ壁面918沿って上方に移動し、次に、案内凸部92の押上げ案内面921が当接し、係止ピン81(係止部材8)は、押上げ案内面921に沿って上方に移動し、案内凸部92を乗り越える位置に達し(係止ピン81が最も押上げられた状態。
図11に示す状態)、その後、係止面923に当接し(ラッチ部材60と案内部材9が係止状態となる。(
図13に示す状態。)、移動側レ−ル3と中間レール2は固定側レール1に対して収納状態が維持される。