【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば
図1〜
図6に示すように、基礎1または床20から上方に突出するアンカーボルト2または緊結ボルト22に断面矩形状の柱部材3の下端部が結合金物4によって結合された柱構造であって、
前記結合金物4は、前記アンカーボルト2または緊結ボルト22の上端部が締結された金物本体10と、この金物本体10の側面から立ち上がる側板部11とを備え、
前記柱部材3の側面下端部には、前記側板部11の厚さと略等しい深さに窪んだ取付面3bが形成され、
前記金物本体10の上面に前記柱部材3の下端面が当接されるとともに、前記側板部11に前記
取付面3bが固定され
ることにより、前記側板部11の表面と前記柱部材3の側面3aとが面一になっており、
前記側板部11は、その幅を当該側板部11が固定される前記柱部材3の側面3aの幅より小さくすることによって、当該側面3aの両側に釘打ち代3d,3dを残して
前記取付面3bに固定され、
前記柱部材3の前記側面3aに、構造部材15,25がその
下端部を前記側板部11に
当接させるとともにその他の部分を前記柱部材3に当接させた状態で固定され、当該
下端部はこれを通して釘16を前記釘打ち代3d,3dに打ち込むことによって固定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、結合金物4の側板部11がその幅を当該側板部11が固定される前記柱部材3の側面3aの幅より小さくすることによって、当該側面3aの両側に釘打ち代3d,3dを残してこの側面3aに固定され、前記柱部材3の前記側面3aに、構造部材15,25がその一部を前記側板部11に重ねて固定され、当該一部はこれを通して釘16を前記釘打ち代3d,3dに打ち込むことによって固定されているので、柱部材3の側面3aに構造部材15,25を容易かつ確実に接合できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の柱構造において、
前記金物本体10は断面ロ字形に形成され、その下壁部10bに前記アンカーボルト2または緊結ボルト22の上端部が挿通されてナット12によって締結され、
前記金物本体10の対向する側面からそれぞれ一対の前記側板部11,11が立ち上がり、
この一対の側板部11,11に前記柱部材3の対向する側面3a,3aがそれぞれ固定され、
この柱部材3の対向する側面3a,3aにそれぞれ前記構造部材15,25が固定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、金物本体10の対向する側面からそれぞれ立ち上がる一対の側板部11,11に柱部材3の対向する側面3a,3aがそれぞれ固定されているので、柱部材3に結合金物4を安定的かつ強固に取り付けることができる。また、柱部材3の対向する側面3a,3aにそれぞれ構造部材15,15が固定されているので、この構造部材15,15によって柱部材3を補強できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の柱構造において、
前記結合金物4は、その金物本体10の開口部10cを前記基礎1の厚さ方向または前記床8,20の奥行き方向に向けて配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、金物本体10の開口部11cを基礎1の厚さ方向または床8,20の奥行き方向に向けているので、基礎1の前面側や床8,20の奥側から、アンカーボルト2または緊結ボルト22の上端部にナット12を螺合して締め付けることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の柱構造において、
前記構造部材15は前記柱部材3の長手方向に沿って長尺な角材であり、前記構造部材15の上端面は前記柱部材3の上端面より低くなっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、柱部材3の長手方向に沿って長尺な角材である構造部材15の上端面が柱部材3の上端面より低くなっているので、この構造部材15の上端面によって、柱部材3の上端部に接合された壁(垂れ壁)25やまぐさ等の横架材を下方から支持できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図5および
図6に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の柱構造において、
床20から上方に突出する前記緊結ボルト22の上端部に前記柱部材3の下端部が前記結合金物4によって結合されており、
前記柱部材3を上側柱部材3として、前記床20の下方に断面矩形状の下側柱部材3が前記上側柱部材3と同軸に配置され、
前記緊結ボルト22の下端部が前記床20から下方に突出し、この緊結ボルト22の下端部に前記下側柱部材3の上端部が、前記結合金物4と同じ結合金物を上下反転してなる反転結合金物24によって結合され、
前記反転結合金物24は、前記緊結ボルト22の下端部が締結された金物本体10と、この金物本体10の側面から垂れ下がる側板部11,11とを備え、
前記金物本体10の下面に前記下側柱部材3の上端面が当接されるとともに、前記側板部11に前記下側柱部材3の上端部の側面が固定され、
前記側板部11は、その幅を当該側板部11が固定される前記下側柱部材3の側面3aの幅より小さくすることによって、当該側面3aの両側に釘打ち代3d,3dを残してこの側面3aに固定され、
前記下側柱部材3の前記側面3aに、構造部材25がその一部を前記側板部11に重ねて固定され、当該一部はこれを通して釘16を前記釘打ち代3d,3dに打ち込むことによって固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、上側柱部材3と下側柱部材3とが床20を挟んで上下に配置され、上側柱部材3の下端部が床20に挿通され当該床20から上方に突出する緊結ボルト22の上端部に結合金物4によって結合され、下側柱部材3の上端部が前記床20から下方に突出する前記緊結ボルト22の下端部に反転結合金物24によって結合されているので、上側柱部材3と下側柱部材3とを確実に連結することができる。また、反転結合金物24は、結合金物4と同じ結合金物を上下に反転したものであるので、別途反転結合金物を製造する必要がないので、コスト軽減を図れる。