(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
上記の通り、本発明は、殺生物組成物および微生物の制御においてこれを用いる方法を提供する。該組成物は:2,2−ジブロモマロンアミド、および、以下に示す式Iのイソチアゾリノン系殺生剤を含む。驚くべきことに、本開示で記載する2,2−ジブロモマロンアミドとイソチアゾリノン系殺生剤との特定質量比での組合せが、水性媒体または水含有媒体における微生物制御に用いる場合に相乗的であることを見出した。すなわち、組合せ物質は、その個別の性能に基づいて予測されるのと比べて改善された殺生物特性をもたらす。相乗性は、所望の殺生物特性を実現するために用いるべき物質の量の低減、よって工業プロセス水における微生物の生育に起因する問題の低減を、環境的な影響および材料コストの潜在的な低減とともに可能にする。
【0012】
本明細書の目的について、「微生物」の意味としては、これらに限定するものではないが、バクテリア、菌類、藻類、およびウイルスが挙げられる。語句「制御」および「制御する」は、その意味を、微生物の生育または増殖の阻害、殺微生物、消毒および/または防腐を包含しこれらに限定されないように広く解釈すべきである。
【0013】
用語「2,2−ジブロモマロンアミド」は、下記化学式:
【0016】
本発明の組成物のイソチアゾリノン系殺生剤は、式I:
【0018】
(式中、RおよびR
1は、独立に、水素、ハロゲンもしくはC
1−C
4アルキルであり、またはRおよびR
1はこれらが結合している炭素とともにC
4−C
7シクロアルキル環もしくはアリール基を形成し;そして
Yは、H、C
1−C
12アルキル、C
3−C
7シクロアルキル、アリールもしくはアラルキルである)
のものである。
【0019】
幾つかの態様において、式I中のRは、HまたはClである。幾つかの態様において、R
1は、HまたはClである。幾つかの態様において、RおよびR
1は、これらが結合している炭素とともに、フェニルまたはシクロペンチルを形成する。
【0020】
本発明の幾つかの態様において、式I中のYは、H、CH
3、CH
2CH
3、またはn−オクチルである。
【0021】
幾つかの態様において、イソチアゾリノン系殺生剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、またはN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンである。
【0022】
幾つかの態様において、イソチアゾリノン系殺生剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、または5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(MBIT)、またはN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BBIT)である。
【0023】
1種より多いイソチアゾリノン化合物を、本発明で用いるために組合せることができ、そのような場合、比および濃度は、存在する全てのイソチアゾリノン化合物の総質量を用いて算出する。
【0024】
本発明において用いるためのイソチアゾリノンは、市販で入手可能であり、および/または当業者によって、周知技術を用いて容易に調製できる(例えば、米国特許第5,312,827号を参照のこと)。2,2−ジブロモマロンアミドは市販で入手可能である。幾つかの態様において、本発明のイソチアゾリノン含有組成物を、水もしくは有機溶媒またはこれらの組合せを硝酸塩または亜硝酸塩の安定剤とともに含有する溶液中で配合して、イソチアゾリノンの分解を防止することが望ましい(米国特許第3,870,795号を参照のこと)。幾つかの態様において、安定剤は硝酸マグネシウムである。
【0025】
本発明の幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのイソチアゾリノン系殺生剤に対する質量比は、約100:1〜約1:400である。
【0026】
幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのイソチアゾリノン系殺生剤に対する質量比は、約70:1〜約1:350である。
【0027】
幾つかの態様において、2,2−ジブロモマロンアミドのイソチアゾリノン系殺生剤に対する質量比は、約32:1〜約1:320である。
【0028】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約100:1〜約1:20、代替として約70:1〜約1:10、代替として約40:1〜約1:5、または代替として約32:1〜約1:2である。
【0029】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤が2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約20:1〜約1:20、代替として約10:1〜約1:10、または代替として約4:1〜約1:4である。
【0030】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤が4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約20:1〜約1:20、代替として約10:1〜約1:20、または代替として約4:1〜約1:16である。
【0031】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤が1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が、約20:1〜約1:20、代替として約10:1〜約1:10、代替として約1:1〜約1:5、または代替として約1:1.6〜約1:5である。
【0032】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤が2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が、約20:1〜約1:350、代替として約1:1〜約1:320、代替として約1:2〜約1:320、または代替として約1:2.5〜約1:320である。
【0033】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤がN−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドのN−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が、約20:1〜約1:280、代替として約1:1〜約1:256である。
【0034】
幾つかの態様においては、イソチアゾリノン系殺生剤がN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドのN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が、約20:1〜約1:20、代替として約10:1〜約1:10、代替として約1:1〜約1:8、または代替として約1:2〜約1:8である。
【0035】
本発明の組成物は、種々の水性系および水含有系における微生物を制御するのに有用である。このような系の例としては、これらに限定するものではないが、塗料およびコーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用および工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキングおよび接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体(例えばスピン仕上)、工業プロセス水(例えば、油田水、パルプおよび紙の水、冷却水、ならびにエアウオッシャー)、油田機能性流体(例えば、掘削泥水および破砕流体)、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、ならびに水泳プール水およびスパ水が挙げられる。好ましい水性系は、金属作動流体、パーソナルケア、家庭用および工業用の洗浄剤、工業プロセス水、ならびに塗料およびコーティングである。特に好ましくは、工業プロセス水、塗料およびコーティング、金属作動流体、およびテキスタイル流体(例えばスピン仕上)である。
【0036】
当業者は過度の実験なく、微生物制御を与えるための任意の特定用途において用いるべき組成物の有効量を容易に決定できる。例として、好適な活性物質濃度(2,2−ジブロモマロンアミドおよびイソチアゾリノン系殺生剤の両者の合計)は、典型的には、少なくとも約1ppm、代替として少なくとも約3ppm、代替として少なくとも約7ppm、代替として少なくとも約10ppm、または代替として少なくとも約100ppm(水性系または水含有系の総質量基準)である。幾つかの態様において、活性物質濃度の好適な上限は、約1000ppm、代替として約500ppm、代替として約100ppm、代替として約50ppm、代替として約30ppm、代替として約15ppm、代替として約10ppm、または代替として約7ppm(水性系または水含有系の総質量基準)である。
【0037】
組成物の成分は、水性系または水含有系に別個に添加でき、または添加前に前もってブレンドできる。当業者は、適切な添加方法を容易に決定できる。組成物は、他の添加剤,例えば、これらに限定するものではないが界面活性剤、イオン性/ノニオン性のポリマー、ならびにスケールおよび腐食の防止剤、酸素捕捉剤、ならびに/または追加の殺生剤、とともに系中で使用できる。
【0038】
以下の例は、本発明を例示するが、その範囲の限定を意図しない。特記がない限り、本開示で用いる比、パーセント、部等は質量基準である。
【0039】
例
生育阻害アッセイ. 例で用いる生育阻害アッセイは、バクテリア集団の生育の阻害(またはその不足)を測定する。生育の阻害は、殺細胞(よって生育は起きない)、再増殖が長時間を必要とするような細胞の集団の相当部分の殺生物、または殺生物を伴わない生育の阻害(スタシス)の結果であることができる。作用機序に関わらず、殺生剤(または殺生剤の組合せ)の影響を、群のサイズの増大を基準として経時的に測定できる。
【0040】
アッセイは、希薄ミネラル塩媒体中でのバクテリアの集団の生育の防止における1種以上の殺生剤の効果を測定する。媒体は(mg/l単位で)以下の成分を含有する:FeCl
3.6H
2O(1);CaCl
2・2H
2O(10);MgSO
4・7H
2O(22.5);(NH
4)
2SO
4(40);KH
2PO
4(10);K
2HPO
4(25.5);酵母抽出物(10);およびグルコース(100)。全成分を脱イオン水に添加した後、媒体のpHを7.5に調整する。フィルター滅菌後、アリコートを100μl量で滅菌マイクロタイタープレートウエルに分配する。次いで、2,2−ジブロモマロンアミド(「DBMAL」)および/または「殺生剤B」の希釈物を、マイクロタイタープレートに添加する。下記に示す活性成分の組合せを準備した後、各ウエルに100μlの細胞懸濁液(約1×10
6細胞毎ミリリットルのPseudomonas aeruginosa,Klebsiella pneumoniae,Staphylococcus aureus,およびBacillus subtilisの混合物を含有する)を接種する。各ウエルにおける媒体の最終的な総体積は300μlである。本開示で記載するように準備したら、各活性物質の濃度は25ppm〜0.19ppmである(表1に示す通り)。得られるマトリクスは、各活性物質の8つの濃度および(活性物質の)比における活性物質の64の組合せの試験を可能にする。
【0042】
対照(示さず)は、殺生剤添加なしの媒体を含有する。
【0043】
マイクロタイタープレートを準備した直後、各ウエルについての光学密度(OD)読みを580nmにて測定し、次いでプレートを37℃で24時間インキュベートする。インキュベート時間後、プレートを穏やかに撹拌した後、OD
580値を収集する。T
0でのOD
580値をT
24値から差し引いて、生じた生育(またはその不足)の総量を決定する。これらの値を用いて、各殺生剤および64の組合せの各々の存在に起因する生育の阻害%を算出する。生育の90%阻害を、下記等式での相乗指数(SI)値算出のための閾値として用いる。
【0044】
相乗指数=M
DBMAL/C
DBMAL+M
B/C
B
式中、
C
DBMAL:単独で使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要なDBMALの濃度
C
B:単独で使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要な殺生剤(B)の濃度
M
DBMAL:殺生剤(B)との組合せで使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要なDBMALの濃度
M
B:DBMALとの組合せで使用した場合にバクテリア生育を約90%阻害するのに必要な殺生剤(B)の濃度
【0045】
SI値は以下のように解釈する:
SI<1:相乗的な組合せ
SI=1:相加的な組合せ
SI>1:拮抗的な組合せ
【0046】
下記例において、溶液中の殺生剤の量は、溶液1リットル当たりのmg(mg/l)で測定する。溶液密度は約1.00であるため、mg/l測定値は質量ppmに対応する。従って両単位は例において互換的に使用できる。
【0047】
例1
DBMALおよびCMIT
表2は、DBMAL、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。アッセイで、集団の生育が対照よりも少なくとも90%少ない(例えば、I
90値)ときのDBMALの最小濃度は、12.5mg/lである。CMITについてのI
90値は0.78mg/lである。しかし、活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。例えば、0.19mg/lのDBMALと0.38mg/lのCMITとの組合せは、微生物集団の生育の97%阻害をもたらす。
【0049】
表3は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびCMITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0051】
例2
DBMALおよびMIT
表4は、DBMAL、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、およびこれらの組合せについてのアッセイ結果を示す。MITおよびDBMALについてのI
90値は、それぞれ25mg/lおよび12.5mg/lであった。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0053】
表5は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびMITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0055】
例3
DBMALおよびDCOIT
表6は、DBMAL、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン(DCOIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。DCOITおよびDBMALについてのI
90値は、それぞれ6.25mg/lおよび12.5mg/lであった。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0057】
表7は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびDCOITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0059】
例4
DBMALおよびBIT
表8は、DBMAL、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。BITについてのI
90値は15.63mg/lであり、DBMALについてのI
90値は12.5mg/lである。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0061】
表9は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびBITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0063】
例5
DBMALおよびOIT
表10は、DBMAL、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。OITおよびDBMALについてのI
90値は、それぞれ125mg/lおよび12.5mg/lであった。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0065】
表11は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびOITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0067】
例6
DBMALおよびMBIT
表12は、DBMAL、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(MBIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。MBITおよびDBMALについてのI
90値は、それぞれ100.0mg/lおよび12.5mg/lであった。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0069】
表13は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびMBITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0071】
例7
DBMALおよびBBIT
表14は、DBMAL、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BBIT)、および組合せについてのアッセイ結果を示す。BBITおよびDBMALについてのI
90値は、それぞれ50.0mg/lおよび12.5mg/lであった。活性物質の幾つかの組合せは、これらのそれぞれのI
90値よりも下で阻害性である。
【0073】
表15は、相乗性であることが見出されるDBMALおよびBBITの濃度を示す。比は活性物質の濃度を基準とする。
【0075】
本発明をその好ましい態様に関して説明してきたが、これは本開示の精神および範囲の中で改変可能である。従って本件は、本開示の一般原理を用いる本発明の任意の変更、使用または適合を網羅することを意図する。更に、本件は、本発明が属する分野における公知または慣用の実施の範囲内となり、特許請求の範囲の限定の範囲内となるような本開示からの逸脱を網羅することを意図する。
以下もまた開示される。
[1] 2,2−ジブロモマロンアミド、および式I:
【化1】
(式中、RおよびR1は、独立に、水素、ハロゲンもしくはC1−C4アルキルであり、またはRおよびR1はこれらが結合している炭素とともにC4−C7シクロアルキル環もしくはアリール基を形成し;そして
Yは、H、C1−C12アルキル、C3−C7シクロアルキル、アリールもしくはアラルキルである)
のイソチアゾリノン系殺生剤を含む、殺生物組成物。
[2] 2,2−ジブロモマロンアミドの、式Iのイソチアゾリノン系殺生剤に対する質量比が、約100:1〜約1:400である、上記[1]に記載の組成物。
[3] 式Iのイソチアゾリノン系殺生剤が、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、N−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、またはN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、上記[1]に記載の組成物。
[4] 式Iのイソチアゾリノン系殺生剤が5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約32:1〜約1:2である、上記[1]に記載の組成物。
[5] イソチアゾリノン系殺生剤が2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約4:1〜約1:4である、上記[1]に記載の組成物。
[6] イソチアゾリノン系殺生剤が4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約4:1〜約1:16である、上記[1]に記載の組成物。
[7] イソチアゾリノン系殺生剤が1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約1:1〜約1:5である、上記[1]に記載の組成物。
[8] イソチアゾリノン系殺生剤が2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドの2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約1:2〜約1:320である、上記[1]に記載の組成物。
[9] イソチアゾリノン系殺生剤がN−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドのN−メチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約1:1〜約1:256である、上記[1]に記載の組成物。
[10] イソチアゾリノン系殺生剤がN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンであり、2,2−ジブロモマロンアミドのN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンに対する質量比が約1:2〜約1:8である、上記[1]に記載の組成物。
[11] 塗料、コーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用または工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキング、接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体、スピン仕上、工業プロセス水、油田機能性流体、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、水泳プール水またはスパ水である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12] 水性系または水含有系における微生物の生育を制御する方法であって、水性系または水含有系を有効量の上記[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物で処理することを含む、方法。
[13] 水性系または水含有系が、塗料、コーティング、水性エマルション、ラテックス、接着剤、インク、顔料分散体、家庭用または工業用の洗浄剤、洗剤、食器用洗剤、ミネラルスラリーポリマーエマルション、コーキング、接着剤、テープジョイントコンパウンド、消毒剤、殺菌剤、金属作動流体、構造物、パーソナルケア製品、テキスタイル流体、スピン仕上、工業プロセス水、油田機能性流体、燃料、エアウオッシャー、廃水、バラスト水、濾過系、水泳プール水またはスパ水である、上記[12]に記載の方法。