特許第5749836号(P5749836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5749836[F−18]−ラベルされたL−グルタミン酸、[F−18]−ラベルされたL−グルタミン、それらの誘導体、及びそれらの調製のためへのそれらの使用及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749836
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】[F−18]−ラベルされたL−グルタミン酸、[F−18]−ラベルされたL−グルタミン、それらの誘導体、及びそれらの調製のためへのそれらの使用及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 229/24 20060101AFI20150625BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20150625BHJP
   C07B 59/00 20060101ALN20150625BHJP
【FI】
   C07C229/24CSP
   A61K49/02 A
   !C07B59/00
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】72
(21)【出願番号】特願2014-119836(P2014-119836)
(22)【出願日】2014年6月10日
(62)【分割の表示】特願2013-249417(P2013-249417)の分割
【原出願日】2007年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-221764(P2014-221764A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2014年7月10日
(31)【優先権主張番号】2006138584
(32)【優先日】2006年11月1日
(33)【優先権主張国】RU
(31)【優先権主張番号】06090211.1
(32)【優先日】2006年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512158125
【氏名又は名称】ピラマル イメージング ソシエテ アノニム
(73)【特許権者】
【識別番号】509124205
【氏名又は名称】エー.エヌ.ネスメヤノフ インスティテュート オブ オルガノエレメント コンパウンズ ザ ロシアン アカデミー オブ サイエンシズ(アイエヌイーオーエス アールエーエス)
(73)【特許権者】
【識別番号】509124216
【氏名又は名称】エヌ.ピー.ベチュテレバ インスティテュート オブ ザ ヒューマン ブレイン オブ ザ ロシアン アカデミー オブ サイエンシズ(アイエイチビー アールエーエス)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(72)【発明者】
【氏名】ディンケルボルク,ルートガー
(72)【発明者】
【氏名】フリーベ,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】クラシコワ,ライサ ニコラエフナ
(72)【発明者】
【氏名】ベロコン,ユリ
(72)【発明者】
【氏名】クズネツォバ,オルガ フェドロフナ
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,キース
(72)【発明者】
【氏名】レーマン,ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット−ビリヒ,ヘリベルト
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5529540(JP,B2)
【文献】 特表2011−520931(JP,A)
【文献】 特表2011−522799(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/067388(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07B,C07C
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】
[式中、
Aは、ヒドロキシル又はO-Zを表し;
Gは、ヒドロキシル又はO-Zを表し;
R1は、枝分かれ若しくは枝なしの19F-C1-C5アルキルを表し;
R2は、水素を表し;そして
Zは、金属カチオンを表す]
で表される化合物、又はそのジアステレオマー若しくは鏡像異性体。
【請求項2】
R1が、19F−プロピル又は19F−ブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Zが、Mg2+、Ca2+、Na+及びK+から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
2−アミノ−4−(3−[F-19]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸、又は2−アミノ−4−(4−[F-19]フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を含んで成る、測定用参照剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲に特徴づけられる対象、すなわち一般式Iで表わされる[F-18]−ラベルされたL−グルタミン酸及び[F-18]−ラベルされたL−グルタミン、それらの誘導体、及びそれらの調製のためへのそれらの使用及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍の初期診断は、腫瘍患者の生存予後において非常に重要な役割を演じる。この診断においては、非侵襲性診断イメージング方法が重要な手段である。最近、PET技法(Positron Emission Tomography)が特に、有用であることがわかっている。PET技法の感度及び特異性は、使用されるシグナル−伝達物質(トレーサー)及び身体におけるその分布に有意に依存する。適切なトレーサーについての調査においては、健康な周囲組織から腫瘍組織を分化する腫瘍のある性質を利用することが試みられて来た。PETのために使用される好ましい市販の使用されるアイソトープは、18Fである。2時間以下のその短い半減期のために、18Fは適切なトレーサーの調製を特に必要なものにする。
【0003】
同位体の放射能の相当な部分が、トレーサーが診断のために使用される前、すでに壊変しているので、面倒な長い合成路及び精製は、このアイソトープにより不可能である。従って、18Fトレーサーの合成において非放射性弗素化のための確立された合成路を使用することはしばしば不可能である。さらに、18Fの高い比活性(約80GBq/nモル)が、トレーサーの合成のために非常に少量の[18F]フルオリド物質を誘導し、これは、非常に過剰の前駆体を必要とし、そして予測できない非放射性弗素化反応に基づいての放射性合成手段を成功せしめる。
【0004】
FDG([18F]2−フルオロデオキシグルコース)−PETは、腫瘍の診断及びさらなる臨床学的モニターリングにおいて広く許容でき且つ広い手段である。悪性腫瘍は、栄養供給に対するグルコース供給について宿主生物と競争する(Warburg O. Uber den Stoffwechsel der Carcinomzelle.[Conceming the Metabolism of the Carcinoma Cell] Biochem. Zeitschrift 1924; 152: 309-339; Kellof G. Progress and Promise of FDG-PET Imaging for Cancer Patient Management and Oncologic Drug Development. Clin Cancer Res. 2005; 11(8): 2785-2807)。ここで、腫瘍細胞は通常、正常組織の周囲細胞に比較して、高められたグルコース代謝を有する。
【0005】
これは、フルオロデオキシグルコース(FDG)、すなわちグルコース誘導体の使用に利用され、これは高められた量で細胞中に輸送されるが、しかしリン酸化の後、FDG6-リン酸としてそこに代謝的に閉じ込められる(“Warburg効果”)。従って、18F−ラベルされたFDGは、PET技法による、患者における腫瘍の検出のために効果的トレーサーである。新規PETトレーサーについての調査においては、最近、アミノ酸が18F PETイメージングのために、ますます使用されて来ている(例えば、Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2002 May;29(5):681-90を参照のこと)。ここで、18F−ラベルされたアミノ酸のいくつかはタンパク質合成速度の測定のために適切であるが、しかしほとんどの他の誘導体は腫瘍における直接的な細胞摂取の測定のために適切である。
【0006】
既知の18F−ラベルされたアミノ酸は例えば、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、アスパラギン及び異常アミノ酸から誘導される(例えば、J. Nucl Med 1991; 32:1338-1346, J Nucl Med 1996; 37:320-325, J Nucl Med 2001;42:752-754 bzw. J Nucl Med 1999; 40:331-338.)。グルタミン酸及びグルタミンは18F−ラベルされた誘導体として知られてはないが、ところが非放射性の弗素化されたグルタミン及びグルタミン酸誘導体、例えばγ−位置に弗素を含むそれらの誘導体が通常使用される(例えば、Amino Acids. (2003) Apr;24(3):245-61) or in the β- Position (z. Bsp. Tetrahedron Lett; 30; 14; 1989; 1799-1802, J. Org. Chem.; 54; 2; 1989; 498-500, Tetrahedron: Asymmetry; 12; 9; 2001; 1303 - 1312を参照のこと)。
【0007】
化学官能価に基づく保護基及びβ−又はγ−位置に脱離基を有するグルタミン酸誘導体については過去にすでに報告されている。従って、γ−位置でのメシレート又はブロミドとしてのグルタメート、エステル又はZ保護基を供給された酸及びアミン官能基(J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 ; 1986; 1323-1328)、又は例えば保護基を有さないγ−クロログルタミン酸についての情報が提供されている。しかしながら、脱離基がβ位置に位置する類似する誘導体が時々、説明されて来た(例えば、Chem. Pharm. Bull.; 17; 5; (1969); 879-885, J.Gen.Chem.USSR (Engl.Transl.); 38; (1968); 1645-1648; Tetrahedron Lett; 27; 19; (1986), 2143-2144, Chem. Pharm. Bull.; EN; 17; 5; 1969; 873-878, FR特許第 1461184号, JP特許第 13142号)。
【0008】
腫瘍診断のために使用されるこのPETトレーサーは、いくつかの明白な欠点を有し;従って、PDGは好ましくは、高められたグルコース代謝を有するそれらの細胞において蓄積するが、他の病理学的及び生理学的状態、例えば、感染又は創傷治療の中心に包含される細胞及び組織においてまた、高められたグルコース代謝が存在する(J. Nucl. Med. Technol. (2005), 33, 145-155)。FDG-PETにより検出される損傷が実際、腫瘍起源のものであるか、又は組織の他の生理学的又は病理学的状態に寄与されるかどうかを決定することはまだ、しばしば困難である。概していえば、腫瘍学におけるFDG-PETによる診断活性は、84%の感度及び88%の特異性を有する(Gambhir et al. "A tabulated summary of the FDG PET literature" J. Nucl. Med. 2001 , 42, 1-93S)。
【0009】
脳における腫瘍は、例えば健康な脳組織におけるFDGの高い蓄積のために、ほとんど示され得ない。これまで知られている18F−ラベルされたアミノ酸誘導体は、多くの場合、脳における腫瘍の検出のために適切であるが(EurJ Nucl Med Mol Imaging. 2002 May;29(5):681-90)、ところが他の腫瘍においては、それらは、“ゴールド標準”[18F]2−FDGのイメージング性質と競争することはできない。腫瘍組織におけるこれまでのF-18−ラベルされたアミノ酸の代謝蓄積及び保持は一般的に、FDGに関するよりも低い。さらに、異性的に純粋なF-18−ラベルされた非芳香族アミノ酸の入手は、化学的に非常に高い要求である。
【0010】
グルコースに対しての類似する態様で、増殖する腫瘍細胞における高められた代謝がまた、グルタミン酸及びグルタミンについて記載されている(Medina, J Nutr. 1131:2539S- 2542S, 2001 ; Souba, Ann Surg 218: 715-728, 1993)。タンパク質及び核酸合成の高められた速度及びエネルギー生成自体が、腫瘍細胞の高められたグルタミン消化についての理由として仮定される。
【0011】
天然の基質と同一である、対応するC−11−及びC−14−ラベルされた化合物の合成はすでに文献において記載されている(例えば、Antoni, Enzyme Catalyzed Synthesis of L-[4-C-11]Aspartate and L-[5-C-11]Glutamate. J. Labelled Compd. Radiopharm. 44;( 4) 2001. 287 - 294) und Buchanan, The biosynthesis of showdomycin: studies with stable isotopes and the determination of principal precursors. J. Chem. Soc. Chem. Commun.; EN; 22; 1984; 1515-1517)。C−11−ラベルされた化合物について最初の指摘は、いずれかの有意な腫瘍蓄積も示さない。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、PETに基づく診断のための[18F]−ラベルされた形で適切である新規化合物を見出すことがある。
前記目的は、下記一般式(I)の[18F]−ラベルされたL−グルタミン酸及び[18F]−ラベルされたL−グルタミン及びそれらの誘導体、それらのジアステレオマー及び鏡像異性体の本発明に従っての供給により達成される:下記一般式I:
【0013】
【化1】
【0014】
[式中、Aは、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-L、
h)O-L、又は
i)O-Z、を表し;
【0015】
Gは、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
e)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、を表し;
【0016】
R1及びR2は、
a)水素、
b)18F、
c)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの18F-ヒドロキシ-C1-C5アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、18Fアイソトープを含まず;
【0017】
Lは、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;そして
Zは、単価又はニ価であり得る金属カチオン同等物を表し、ここで二価金属は本発明の構造体の2つの基とイオン結合を導くことができ;
nは0、1、2又は3である]
で表される化合物に関し、そして、そのすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は本発明の対象の一部である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1においては、腫瘍増大及び摂取が、それぞれ、1時間(a)及び2時間(b)後、選択された適切な器官において示されている。
図2図2は、A549細胞における[18F]−4−グルタミン酸[20〜35μM](左側)及び[F-18]FDG[2μM](右側)の時間−依存性腫瘍細胞摂取の比較を表す。
図3図3は、1時間後の分布を示す。
図4図4においては、2時間後の分布が示されている。
図5図5は、1時間後の腫瘍/筋内組織を包含する、その得られる組織比率を示す。
図6図6は、2時間後の腫瘍/筋内組織を包含する、その得られる組織比率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
式(I)の本発明の好ましい化合物は、
Aが、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)プロポキシ、
e)NMe2
f)NEt2
g)NH2
h)N(H)-L
i)O−L、又は
j)O−Z、を表わす、ことを特徴とする。
【0020】
式(I)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
Aが、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)NMe2
e)NH2、又は
f)N(H)-L、を表わす、ことを特徴とする。
【0021】
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、
Aが、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、又は
e)NH2、を表わす、ことを特徴とする。
式(I)の本発明の好ましい化合物は、
Aが、NH2、を表わす、ことを特徴とする。
【0022】
式(I)の本発明の好ましい化合物は、
Gが、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
dプロポキシ、
e)イソプロポキシ、又は
f)O-C2-C4OMe、を表す、ことを特徴とする。
【0023】
式(I)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
Gが、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、又は
c)エトキシ、を表す、ことを特徴とする。
【0024】
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、
Gが、
a)ヒドロキシル、又は
b)メトキシ、を表す、ことを特徴とする。
【0025】
式(I)の本発明の好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、
c)18F-メトキシ、
d)18F-エトキシ、
e)18F-プロポキシ、
f)18F-メチル、
g)18F-エチル、又は
h)18F-プロピル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0026】
式(I)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、
c)18F-メトキシ、
d)18F-メチル、又は
e)18F-エチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0027】
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、又は
c)18F-メチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0028】
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、R1が、OH、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR218Fを表す、ことを特徴とする。
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、R2が、OH、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR118Fを表す、ことを特徴とする。
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、R1がHを表わし、そしてR218Fを表わす、ことを特徴とする。
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、R118Fを表し、そしてR2が水素を表す、ことを特徴とする。
【0029】
式(I)の本発明の好ましい化合物は、
Lが、
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)-C2H4-O-OMe、又は
f)-C2H4-O-C2H4-OMe、を表わす、ことを特徴とする。
【0030】
式(I)の本発明の特に好ましい化合物は、
Lが、
a)メチル、又は
b)エチル、を表わす、ことを特徴とする。
式(I)の本発明の同様の好ましい化合物は、
Zが、単価又は二価であり得る、アルカリ金属及びアルカリ土類金属イオン、及びまたニッケルを表わし、ここで二価金属が本発明の2つの基とのイオン結合を導くことができる、ことを特徴とする。
好ましいZは、Na+、K+、Ca2+及びMg2+から成る群から選択される。
【0031】
式(I)で表わされるような好ましい化合物のすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は、本発明の対象の一部である。
【0032】
さらに、次の群からの化合物のいずれかの個々の化合物が特に好ましく、ここですべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は本発明の対象の一部である:
【0033】
【化2】
【0034】
式(I)で示されるような化合物が、18Fアイソトープの導入の後、式(II)で示されるような化合物の前駆体化合物から開放される、本発明の一般式(I)の化合物の調製方法が特徴づけられる。
【0035】
第2の観点においては、従って、本発明は、下記一般式(II):
【化3】
【0036】
[式中、A’は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U、
h)N(H)-L’、又は
i)O-L’、を表し;
【0037】
G’は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z’、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
f)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、を表し;
【0038】
R1及びR2は、
a)水素、
b)18F、
c)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの18F-ヒドロキシ-C1-C5アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、18Fアイソトープを含まず;
【0039】
Qは、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-p−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【0040】
【化4】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
【0041】
L’は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
【0042】
Uは、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、
d)メトキシカルボニル、
e)プロポキシカルボニル、又は
f)エトキシカルボニル、を表し;
【0043】
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、
c)アラルキル、又は
d)ヘテロアリール、を表し;そして
【0044】
Z’は、金属カチオン同等物を表わし、これは単価又は二価であり得、ここで二価金属は本発明の構造体の2つの基とイオン結合を導くことができるか、又はアミノ酸誘導体のカルボキシル及びアミン官能基と配位結合を形成することができ、好ましいZ’は、Na+, K+, Ca2+及びMg2+から成る群から選択されるか、又はNi2+であり;そして
nは、0,1,2又は3である]
で表わされる化合物に関し、そしてすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体も本発明の対象の一部である。
【0045】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
A’が、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)tert-ブトキシ、
e)NMe2
f)NEt2
g)NH2
h)N(H)-U、
i)N(H)-L’、又は
j)O−L’、を表わす、ことを特徴とする。
【0046】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
A’が、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)NMe2
e)N(H)-U、
f)NH2、又は
f)N(H)-L’、を表わす、ことを特徴とする。
【0047】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、
A’が、
a)ヒドロキシル、
b)エトキシ、
c)メトキシ、
d)N(H)-U、又は
f)NH2、を表わす、ことを特徴とする。
【0048】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、
A’が、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)-NH-tert-ブトキシカルボニル、又は
d)NH2、を表わす、ことを特徴とする。
【0049】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、A’が、エトキシを表わす、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、A’が、NH2を表わす、ことを特徴とする。
【0050】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
G’が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ’、
c)メトキシ、
d)エトキシ、
e)tert-ブトキシ、
f)イソプロポキシ、又は
g)O-C2-C4OMe、を表す、ことを特徴とする。
【0051】
式(II)の本発明のさらに好ましい化合物は、
G’が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ’、
c)メトキシ、又は
d)エトキシ、を表す、ことを特徴とする。
【0052】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、
G’が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ’、又は
c)メトキシ、を表す、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、G’が、エトキシを表す、ことを特徴とする。
【0053】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、
c)18F-メトキシ、
d)18F-エトキシ、
e)18F-プロポキシ、
f)18F-メチル、
g)18F-エチル、又は
h)18F-プロピル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0054】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、
c)18F-メトキシ、
d)18F-メチル、又は
e)18F-エチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0055】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、
R1及びR2が、
a)水素、
b)18F、又は
c)18F-メチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0056】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、R1が、OH、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR218Fを表す、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、R2が、OH、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR118Fを表す、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、R1がHを表わし、そしてR218Fを表わす、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、R118Fを表し、そしてR2が水素を表す、ことを特徴とする。
【0057】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
Qが、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
c)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、又は
d)下記式:
【0058】
【化5】
を表わす、ことを特徴とする。
【0059】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
Qが、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、又は
c)下記式:
【0060】
【化6】
を表わす、ことを特徴とする。
【0061】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、
Qが、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、又は
b)下記式:
【0062】
【化7】
を表わす、ことを特徴とする。
【0063】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、Qが、N(H)-tert-ブトキシカルボニルを表わす、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、Qが、下記式:
【0064】
【化8】
を表わす、ことを特徴とする。
【0065】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
L’が、
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)-C2H4-OMe、又は
f)-C2H4-O-C2H4-OMe、を表わす、ことを特徴とする。
【0066】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
L’が、
a)メチル、又は
b)エチル、
を表わす、ことを特徴とする。
【0067】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
Uが、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、又は
c)エトキシカルボニル、を表わす、ことを特徴とする。
【0068】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
Uが、
a)tert-ブトキシカルボニル、又は
b)エトキシカルボニル、を表わす、ことを特徴とする。
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、Uが、tert-ブトキシカルボニルを表わす、ことを特徴とする。
【0069】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、
X’及びX"がお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、又は
c)アラルキル、を表わす、ことを特徴とする。
【0070】
式(II)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
X’及びX"がお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
b)置換された又は置換されていないアリール、を表わす、ことを特徴とする。
【0071】
式(II)の本発明の特に好ましい化合物は、X’及びX"がお互い独立して、フェニル又は2−位置で置換されるフェニル、を表わす、ことを特徴とする。
Z’が、金属カチオン同等物を表わし、これは単価又は二価であり得、ここで二価金属は本発明の構造体の2つの基とイオン結合を導くことができるか、又はアミノ酸誘導体のカルボキシル及びアミン官能基と配位結合を形成することができる。
【0072】
式(II)の本発明の好ましい化合物は、Z’が、Ni2+イオンを表わすか、又はZ’が、Na+、K+、Ca2+及びMg2+から成る群から選択される、ことを特徴とし、
ここで、式(II)で表わされるような好ましい化合物のすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は、本発明の対象の一部である。
【0073】
さらに次の群から化合物中のいずれかの個々の化合物が特に好ましく、ここですべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は本発明の対象の一部である:
【0074】
【化9】
【0075】
一般式(II)で表わされるような化合物の大部分は、18Fアイソトープの導入の後、式(III )の化合物の前駆体化合物から形成され得る、本発明の一般式(II)の化合物の調製方法が特徴づけられる。
【0076】
第3の観点においては、本発明は、下記一般式(III):
【化10】
【0077】
[式中、A"は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U’、
h)N(H)-L"、又は
i)O-L"、を表し;
【0078】
G"は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z"、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
g)トリフェニルメトキシ、を表し;
【0079】
R3及びR4は、
a)水素、
b)枝分かれ又は枝なしのE-C1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのE-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのE-ヒドロキシ-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのE-C2-C5アルケニル、
f)枝分かれ又は枝なしのE-C2-C5アルキニル、
g)ヒドロキシル、
h)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R3又はR4の1つが正確にEを含み、そして他の置換基が個々の場合、Eを含まず;
【0080】
Eは、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
【0081】
Q’は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-P−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【0082】
【化11】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
【0083】
L"は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
【0084】
U’は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
【0085】
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、
c)アラルキル、又は
d)ヘテロアリール、を表し;
Z"は、金属カチオン同等物を表わし、これは単価又は二価であり得、ここで二価金属は本発明の構造体の2つの基とイオン結合を導くことができるか、又はアミノ酸誘導体のカルボキシル及びアミン官能基と配位結合を形成することができ、好ましいZ"は、Na+, K+, Ca2+及びMg2+から成る群から選択されるか、又はNi2+であり;そして
nは、0,1又は2である]
で表わされる化合物に関し、そしてすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体も本発明の対象の一部である。
【0086】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
A"が、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)tert-ブトキシ、
e)NMe2
f)NEt2
g)NH2
h)N(H)-U’、
i)N(H)-L"、又は
j)O−L"、を表わす、ことを特徴とする。
【0087】
式(III)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
A"が、
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)NMe2
e)N(H)-U’、
f)NH2、又は
g)N(H)-L"、を表わす、ことを特徴とする。
【0088】
式(III)の本発明の特に好ましい化合物は、
A"が、
a)ヒドロキシル、
b)エトキシ、
c)メトキシ、
d)N(H)-U、又は
e)NH2、を表わす、ことを特徴とする。
【0089】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
G"が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ"、
c)メトキシ、
d)エトキシ、
e)tert-ブトキシ、
f)イソプロポキシ、又は
g)O-C2-C4OMe、を表す、ことを特徴とする。
【0090】
式(III)の本発明のさらに好ましい化合物は、
G"が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ"、
c)メトキシ、又は
d)エトキシ、を表す、ことを特徴とする。
【0091】
式(III)の本発明の特に好ましい化合物は、
G"が、
a)ヒドロキシル、
b)OZ"、又は
c)メトキシ、を表すことを特徴とする。
【0092】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
R3及びR4が、
a)水素、
b)E-メトキシ、
c)E-エトキシ、
d)E-プロポキシ、
e)E-メチル、
f)E-エチル、又は
g)E-プロピル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R3又はR4の1つが正確に1つのEを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0093】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
R3及びR4が、
a)水素、
b)E-メトキシ、
c)E-メチル、又は
d)E-エチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R3又はR4の1つが正確に1つのEを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0094】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
R3及びR4が、
a)水素、又は
b)E-メチル、を表す、ことを特徴とし、但し置換基R3又はR4の1つが正確に1つのEを含み、そして他の置換基が個々の場合、水素である。
【0095】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
Eが、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、又は
e)トシルオキシ、を表わすことを特徴とする。
【0096】
式(III)の本発明のさらに好ましい化合物は、
Eが、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、又は
e)トシルオキシ、を表わすことを特徴とする。
【0097】
式(III)の本発明の特に好ましい化合物は、
Eが、
a)ブロモ、又は
b)メシルオキシ、を表わすことを特徴とする。
【0098】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
Q’が、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
c)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、又は
d)下記式:
【0099】
【化12】
を表わす、ことを特徴とする。
【0100】
式(III)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
Q’が、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、又は
b)下記式:
【0101】
【化13】
を表わす、ことを特徴とする。
【0102】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
L"が、
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)-C2H4-OMe、又は
f)-C2H4-O-C2H4-OMe、を表わす、ことを特徴とする。
【0103】
式(III)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
L"が、
a)メチル、又は
b)エチル、
を表わす、ことを特徴とする。
【0104】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
U’が、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、又は
c)エトキシカルボニル、を表わす、ことを特徴とする。
【0105】
式(III)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
U’が、
a)tert-ブトキシカルボニル、又は
b)ベンジルカルボニル、を表わす、ことを特徴とする。
式(III)の本発明の特に好ましい化合物は、U’が、tert-ブトキシカルボニルを表わす、ことを特徴とする。
【0106】
式(III)の本発明の好ましい化合物は、
X’及びX"がお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、又は
c)アラルキル、を表わす、ことを特徴とする。
【0107】
式(III)の本発明のさらなる好ましい化合物は、
X’及びX"がお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
b)置換された又は置換されていないアリール、を表わす、ことを特徴とする。
【0108】
式(III)の本発明の特に好ましい化合物は、X’及びX"がお互い独立して、フェニル又は2−位置で置換されるフェニル、を表わす、ことを特徴とする。
式(III )の本発明の好ましい化合物は、Z"がNi2+を表わす、ことを特徴とする。
式(III )で示されるような好ましい化合物の可能性あるすべてのジアステレオマー及び鏡像異性体は、本発明の対象の一部である。
【0109】
単独で又はもう1つの基の一部として表わす、用語“アリール”とは、本明細書において適用される場合、環に6〜12個の炭素原子を含み、そして位置2で任意に置換され得る、単環又は二環式芳香族基、例えばフェニル又はナフチルを言及する。
アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、シアノ、CF3及びニトロから成る群からの1又は複数の基により、安定した化合物を導くいずれかの適切な位置で置換され得る。
【0110】
言及され得る置換基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ヒドロキシル、弗素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はトリフルオロメチル基である。
ハロゲンは、個々の場合、弗素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとして理解されるべきである。
【0111】
単独で又はもう1つの基の一部として表わす、用語“アルキル”とは、本明細書において適用される場合、C1-C6アルキル基を言及し、そして直鎖又は枝分かれ鎖であり得;そしてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、nブチル、tert−ブチル又はn−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチル又は3−メチルブチル基を表わす。メチル又はエチル基が好ましい。
【0112】
アルキルは、個々の場合、直鎖又は枝分かれのアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル又はヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルを意味するものとして理解されるべきである。
【0113】
アルケニル置換基は、個々の場合、直鎖又は枝分かれ鎖の次の基である:ビニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、2−メチルプロプ−2−エン−1−イル、2−メチルプロプ−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−3−イル、エチニル、プロプ−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−2−イン−1−イル、ブト−3−エン−1−イル、アリル。
【0114】
アルキニル基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そして例えばC≡C、-CH2- C≡CH、-C≡C-CH3、 -CH(CH3)-C=CH、-C≡C-CH2(CH3)、-C(CH3)2-C≡CH、-C≡C-CH(CH3)2-、- CH(CH3)-C≡C-CH3、 -CH2-C≡C-CH2(CH3)である。
【0115】
C1-C5アルコキシ基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ又はn−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、又は3−メチルブトキシ基を表わす。メトキシ又はエトキシ基が好ましい。
【0116】
ヘテロアリール基は、個々の場合、5〜16の環原子を含んで成り、そして炭素原子の代わりに、1又は複数の同一又は異なったヘテロ原子、例えば酸素、窒素又は硫黄を、その環に含むことができ、そして単環、二環又は三環であり得、そしてさらに個々の場合、ベンゾ融合され得る。
【0117】
言及され得る例は、チェニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾイル、等;及び
それらのベンゾ誘導体、例えばベソゾフラニル、ベンブチエニル、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、メソインドリル、等;又は
ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアジニル、等、及びそれらのベンゾ誘導体、例えばキノリル、イソキノリル、等;又は
アゾシニル、インドリジニル、プリニル、等、及びそれらのベンゾ誘導体;又はキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フララジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾイル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサテニル、オキセピニルである。
【0118】
本発明はまた、式(I)で示されるような化合物のシッフ塩基及び化合物(S)−2−[N−(N−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノンを含むNi2+複合体、及び式(I)で示されるような化合物の調製のためへのその使用も包含する。
本発明はさらにまた、式(I)で示されるような化合物の前駆体化合物のシッフ塩基及び化合物(S)−2−[N−(N−ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノンを含むNi2+複合体、及び式(I)で示されるような化合物の調製のためへのその使用も包含する。
【0119】
本発明の化合物、例えば4−フルオロ−1−グルタミン酸及び4−フルオロ−1−グルタミンは例えば、グリシン含有シッフ塩基及び(S)−2−[N−(N-ベンジルプロリル)アミノ]ベンゾフェノン(BPB)(1)のNi2+複合体及びエチルエチル−α−ブロモアクリレート又はα−ブロモアクリルアミド(2)の助けを伴って、金属触媒された不斉合成により、スキーム1におけるようにして調製され得る。
【0120】
【化14】
【0121】
ここで、C−C結合は、プロトン性及び非プロトン性溶媒において生じることができる。反応は、温和な条件、例えば室温又は高められた温度下で実施され得る。
【0122】
塩基の添加は、助けとなる。例えばジイソプロピルアミン、ジイソプロビルエチルアミン、トリエチルアミン又は同様のものが使用され得る。反応混合物は好ましくは、1〜3時間、撹拌され、そして続いて、エチルα−ブロモアクリレート又はα−ブロモアクリルアミドにより再び処理される。反応は、TLCによりモニターされる。中でも、シリカゲル/酢酸エチル/クロロホルムシステムがこのために適切である。エチルα−ブロモアクリレート又はα−ブロモアクリルアミドの添加及び少なくとも1時間の撹拌の後、反応はかなりの程度、完全である。
【0123】
次に、反応混合物は、有機酸又は無機酸(又は両者の組合せ)、例えば酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、等の添加により中和される。エチル4−ブロモグルタメート−Ni複合体は、抽出により反応混合物から分離され得る。このための適切な溶液は例えばハロゲン化された又はハロゲン化されていない溶媒、例えばクロロホルム、塩化メチレン、ジアルキルエーテル、酢酸エチル、アルカン、等である。乾燥剤(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム又は同様のもの)による有機相の乾燥の後、その反応混合物は真空下で濃縮乾燥される。
【0124】
分離用TLC(例えば、AcOEt/CHCl3(1:1)の溶離剤混合物を用いてのシリカゲル上での)により、立体異性体複合体、例えば3(S, S, S)及び3(S, R, S/R)の混合物が検出され得る。複合体3(S, S, R)が、0.49のRfを有する前記分離システムにより分離され得る。複合体3は、例えばMeOH、EtOH、等を用いて、シリカゲルから溶出され、そして続いて、例えば、EtOH/C6H6混合物を用いて、Sephadex上でのカラムクロマトグラフィー処理により精製された。
【0125】
次に、得られる複合体は、臭素により置換される炭素原子上でのさらなる置換反応のために使用され得る。
【0126】
本発明の前駆体化合物3は[18]F-による求核置換により、その対応する弗素化された前駆体化合物4に転換され得る。このためには、複合体3は、例えばNBu4OH, (NBu4)2CO3, K2CO3,等の存在下で、適切な弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高められた温度で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (K2.2.2)の添加は、特に触媒塩基としてK2CO3との組合せにおいて、反応に陽性の影響を及ぼす。
【0127】
弗素化された化合物4−フルオログルタミン酸又は4−フルオログルタミンは、酸、例えば塩酸、リン酸、過塩素酸、硫酸、等による処理により、その対応する複合体3から開放され得る。ここで、アミノ酸誘導体の分解及び5位置でのエステルの分解の両者は、5−メチル−フルオログルタメートを用いる場合、生じる。
【0128】
4−フルオログルタミン酸は、カートリッジ(例えば、QMA (Waters)、LiChrolut (VWR/ Merck)又はWHAT6803-2005 SPE COLSAX (VWR/ Merck))により過精製され得る。不純物(複合体化合物3,4,4−ブロモグルタミン酸、等)の分離は、HPLCにより実施され得る。適切なHPLCシステムは、例えば次のものであり得る:カラム:アミノ基担持シリカゲル(例えば、Zorbax-NH2);溶離剤:水中、20mMのNaH2PO4、流速:4ml/分。精製された化合物5は、HPLC溶媒の適切な除去により濃縮され、そして本発明への使用のために使用され得る。HPLC溶媒の除去は、異なった手段で実施され得る。減圧下での回転蒸発器上での濃縮、窒素等の流れ下での加熱ブロックにおけるサンプルの加熱、又は濃縮機カートリッジ(例えば、C-18 SepPack等)への適用、少々のEtOH/塩化ナトリウム水溶液又は同様のものによる続く溶出、及び上記方法による、さらなる続く濃縮が適切である。
【0129】
[F-18]アイソトープが同様に、グルタミン酸構造体(5)の4位置に位置決定される、本発明の化合物はまた、スキーム2に示されるようにして調製され得る。従って、化合物6の保護基の酸分解は、本発明の化合物4−フルオロメチルグルタミン酸(5)を得るために、例の手段により起こる。
【0130】
【化15】
【0131】
ここで、種々の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)、及び特に、無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、又はリン酸が使用され得る。式(I)で示されるような本発明の化合物5の精製は、HPLCにより可能であり、ここで種々の精製段階、例えばRP-C18カートリッジ又は他の分離材料による精製が原則として、上流及び加流に導入され得る。
【0132】
[F-18]−ラベルされたグルタミン酸誘導体6を得るために、文献に記載される方法(X. Zhang Tetrahedron Lett. 2001 , 42, 5335-5338)に類似して、その合成が8から生じる(N. Sharma et al. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 1403-1406)、トシレート7の放射化学弗素化が、当業者に知られている方法に従って実施できる(スキーム3を参照のこと)。
【0133】
【化16】
【0134】
ここで、化合物7は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F-18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。本発明の化合物、例えば6は、HPLC及び/又はカートリッジにより精製され、ここで種々の精製段階、例えばRP−C18カートリッジ又は他の分離材料による精製が原則として、上流及び下流で導入され得る。
【0135】
F−19参照化合物10及び11の調製は、下記スキーム4に示される通りにして生じる。
【化17】
【0136】
例えば、10は、フルオロプロリン誘導体9の酸化により調製され得る。開鎖参照物質11は、10の開環により得られる。
【0137】
さらに、本発明の化合物、例えば5はまた、記載される弗素化条件を用いて、環状化合物8(スキーム3)から直接的に調製され得る。保護基の分解又は開環は、酸性保護基の除去についての条件に類似して実施され得る(スキーム2)。このためには、種々の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)、但し特に無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸又はリン酸も使用され得る。さらに、塩基性開環はまた、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等を用いて可能である(S. Baker et al. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2815-2818)。
【0138】
例えば3−フルオログルタミン酸(12)の場合、[F-18]アイソトープがβ−位置に位置決定される本発明の化合物は、スキーム5に示される通りにして調製され得る。従って、化合物13の保護基の酸分解は、本発明の化合物3−フルオログルタミン酸(12)を得るために、例の手段により進行する。
【0139】
【化18】
【0140】
ここで、種々の有機酸、但し特に無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸又はリン酸が使用され得る。例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム溶液を用いての強塩基条件下での保護基の分解は、それほど好ましくはないが、しかしまた、原則的には、使用でき且つ実施できる。式(I)で示されるような本発明の化合物12の精製は、HPLCにより可能であり、ここで種々の精製段階、例えばPR−C18カートリッジ又は他の分解材料による精製が、原則的に上流及び下流で導入され得る。
【0141】
[F-18]ラベルされたグルタミン酸誘導体13を得るために、その合成が文献(Chem. Pharm. Bull., 17, 5, (1969), 879-885)に記載される、トシレート14の放射化学弗素化は、当業者に知られている方法に従って実施できる(スキーム6を参照のこと)。
【0142】
【化19】
【0143】
ここで、化合物14は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F-18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。化合物13は慣例上、精製にゆだねられるべきであるが、但し13から12への反応について記載される方法を用いて、処理され得る。しかしながら、化合物13の精製は、原則として、好ましくは非極性相、例えばRP C-18を用いての分離用HPLCにより可能である。さらに、カートリッジによる精製もまた可能である。
【0144】
4−[F-18]フルオロメチルグルタミン酸(15)の場合、[F−18]アイソトープが、メチレン基により、グルタミン酸構造体の4−位置に位置決定される本発明の化合物は、スキーム7に示されるようにして調製され得る。従って、例によれば、化合物16の保護基の酸分解は、本発明の化合物4−[F−18]フルオロメチルグルタミン酸(15)を得るために進行する。
【0145】
【化20】
【0146】
ここで、種々の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)、及び特に、無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、又はリン酸が使用され得る。式(I)で示されるような本発明の化合物16の精製は、HPLCにより可能であり、ここで種々の精製段階、例えばRP-C18カートリッジ又は他の分離材料による精製が原則として、上流及び加流に導入され得る。
【0147】
[F-18]−ラベルされたグルタミン酸誘導体16を得るために、この合成が18(Tetrahedron, 45, 5, (1989) 1453-1464)から文献に記載される方法(Chem. Pharm. Bull., 17, 5, (1969), 879-885)に類似して実施される、トシレート17の放射化学弗素化は、当業者に知られている方法に従って行われ得る(スキーム8を参照のこと)。
【0148】
【化21】
【0149】
ここで、化合物17は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F-18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。化合物16は慣例上、精製にゆだねられるべきであるが、但し16から15への反応について記載される方法を用いて、処理され得る。しかしながら、化合物16の精製は、原則として、好ましくは非極性相、例えばRP C-18を用いての分離用HPLCにより可能である。
【0150】
4−[F-18]フルオロメチルグルタミン酸(20)の場合、[F−18]アイソトープが、アルコキシ基により、グルタミン酸構造体の4−位置に位置決定される本発明の化合物は、スキーム7に示されるようにして調製され得る。従って、例によれば、化合物21又は22の保護基の酸分解は、本発明の化合物4−[F-18]フルオロメチルグルタミン酸(20)を得るために進行する。
【0151】
【化22】
【0152】
ここで、種々の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)、及び特に、無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、又はリン酸が使用され得る。さらに、21の塩基性開環はまた、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等を用いての可能である(S.Baker et al. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2815-2818)。
【0153】
式(I)で示されるような本発明の化合物20の精製は、HPLCにより可能であり、ここで種々の精製段階、例えばRP-C18カートリッジ又は他の分離材料による精製が原則として、上流及び加流に導入され得る。
【0154】
[F-18]−ラベルされたグルタミン酸誘導体21を得るために、この合成が24から文献に記載される方法(N. Sharma et al. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 1403-1406)に類似して実施される、トシレート23の放射化学弗素化は、当業者に知られている方法に従って行われ得る(スキーム10を参照のこと)。
【0155】
【化23】
【0156】
ここで、化合物21は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F-18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。化合物21は慣例上、精製にゆだねられるべきであるが、但し21から20への反応について記載される方法を用いて、処理され得る。しかしながら、化合物21の精製は、原則として、好ましくは非極性相、例えばRP C-18を用いての分離用HPLCにより可能である。さらに、カートリッジによる精製もまた可能である。
【0157】
[F-18]−ラベルされたグルタミン酸誘導体22を得るために、この合成が23から文献に記載される方法(X. Zhang Tetrahedron Lett. 2001 , 42, 5335-5338)に類似して実施される、トシレート25の放射化学弗素化は、当業者に知られている方法に従って行われ得る(スキーム11を参照のこと)。
【0158】
【化24】
【0159】
ここで、化合物25は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F-18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。化合物22は慣例上、精製にゆだねられるべきであるが、但し22から20への反応について記載される方法を用いて、処理され得る。しかしながら、化合物22の精製は、原則として、好ましくは非極性相、例えばRP C-18を用いての分離用HPLCにより可能である。さらに、カートリッジによる精製もまた可能である。
【0160】
F−19参照化合物26、 27及び28の合成は、スキーム12に示されるようにして実施され得る。
【0161】
【化25】
【0162】
26は、ヒドロキシプロリン誘導体24のアルキル化及び酸化により得られる。ピログルタミン誘導体26の開環により、開鎖参照化合物27が得られる。保護基の酸分解は、グルタミン酸誘導体28を導く。
【0163】
[F-18]アイソトープが、4−[F−18]フルオロプロピルグルタミン酸(29)又は4−[F−18]フルオロブチルグルタミン酸(30)の場合、[F−18]アイソトープがアルキル基により、グルタミン構造体の4−位置に位置決定されている本発明の化合物は、スキーム13に示されるようにして調製され得る。従って、本発明の化合物4−[F−18]フルオロプロピルグルタミン酸(29)又は4−[F-18]フルオロブチルグルタミン酸(30)を得るために、化合物31及び32の保護基の酸分解は、例の手段により進行する。
【0164】
【化26】
【0165】
ここで、種々の有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)、及び特に、無機酸、例えば臭酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、又はリン酸が使用され得る。式(I)で示されるような本発明の化合物29及び30の精製は、HPLCにより可能であり、ここで種々の精製段階、例えばRP-C18カートリッジ又は他の分離材料による精製が原則として、上流及び加流に導入され得る。
[F-18]−ラベルされたグルタミン酸誘導体31及び32を得るために、その合成が文献に記載される方法(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085)に類似し、35から実施される、ブロミド33又はトシレート34の放射化学弗素化は、当業者に知られている方法に従って実施できる(スキーム14を参照のこと)。
【0166】
【化27】
【0167】
ここで、化合物33及び34は、塩基、例えばテトラアルキルアンモニウム及びテトラアルキルホスホニウム炭酸塩及び炭酸カリウム、等の存在下で、適切な[F-18]弗化物溶液と反応せしめられ得る。反応は好ましくは、高温で進行する。クラウンエーテル、例えばKryptofix (k2. 2. 2)の添加は、触媒塩基としてK2CO3と組合して、反応に陽性の影響を与える。可能な溶媒は好ましくは、非プロトン性であるが、しかしプロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒添加物、例えば水もまた使用され得る。慣例上、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドが、[F−18]弗化物アニオンによる放射化学弗素化のための最適な溶媒として使用される。化合物31及び32は慣例上、精製にゆだねられるべきであるが、但し31から29又は32から30への反応について記載される方法を用いて、処理され得る。しかしながら、化合物31及び32の精製は、原則として、好ましくは非極性相、例えばRP C-18を用いての分離用HPLCにより可能である。
【0168】
F−19参照化合物36及び37の合成は、グルタミン酸誘導体35のアルキル化により実施され得る(スキーム15)。
【0169】
【化28】
【0170】
保護基の分解は、フルオロアルキル化されたグルタミン酸誘導体38及び39を導く。
本発明の第4の観点においては、下記式(IV):
【0171】
【化29】
【0172】
[式中、A'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U"、
h)N(H)-L'''、又は
i)O-L'''、を表し;
【0173】
G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
【0174】
R5及びR6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R5又はR6の1つが正確にE’を含み、そして他の置換基が個々の場合、E’を含まない;
【0175】
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
【0176】
Q"は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-p−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【0177】
【化30】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
【0178】
L'''は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
【0179】
U"は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
X"及びX'''はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、
c)アラルキル、又は
d)ヘテロアリール、を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は、本発明の対象の一部であり、式(I)又は(II)の化合物の調製のために使用される。
【0180】
本発明の一般式(I)又は(II)の化合物の調製方法は、式(I)又は(II)で示されるような化合物の大部分が、18Fアイソトープの導入の後、式(IV)の化合物の前駆体化合物から形成され得ることにおいて特徴づけられる。
本発明は、一般式(IV)の化合物にも関する。
【0181】
本発明の第5の観点においては、下記式(V):
【化31】
【0182】
[式中、G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
【0183】
R5及びR6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R5又はR6の1つが正確にE’を含み、そして他の置換基が個々の場合、水素を含み;
【0184】
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
【0185】
Q'''は、
a)N-tert-ブトキシカルボニル、
b)N-アリルオキシカルボニル、
c)N-ベンジルオキシカルボニル、
d)N-エトキシカルボニル、
e)N-メトキシカルボニル、
f)N-プロポキシカルボニル、
g)N-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N-シクロブチルカルボニル、
l)N-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N-ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N-アダマンチルカルボニル、
p)N-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N-シンナミルカルボニル、
r)N-ホルミル、又は
s)N-ベンゾイル、を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]で表される化合物、及びそのすべての可能性あるジアステレオマー及び鏡像異性体は、本発明の対象の一部であり、式(I)又は(II)の化合物の調製のために使用される。
【0186】
本発明の一般式(I)又は(II)の化合物の調製方法は、式(I)又は(II)で示されるような化合物の大部分が、18Fアイソトープの導入の後、式(IV)の化合物の前駆体化合物から形成され得ることにおいて特徴づけられる。
本発明は、一般式(V)の化合物にも関する。
【0187】
18Fアイソトープの導入のための好ましい化合物は、4, 7, 13, 16, 21, 24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8, 8, 8]−ヘキサコサンK18F(クラウンエーテル塩Kryptofix K18F)
K18F、
H18F、
KH18F2
Cs18F、
Na18F又は
18Fテトラアルキルアンモニウム塩(例えば、[F-18]テトラブチルアンモニウム弗化物、である。
【0188】
本発明は、一般式(I)又は(II)の化合物、及び弗素同位体18F及び19Fが使用される方法に関する。
【0189】
1又は複数のキラル中心が式(I)、(II)、(III )、(IV)又は(V)の本発明の対象の化合物の存在する場合、この異性体のすべての形、例えば鏡像異性体及びすべての可能なジアステレオマーがここに含まれるべきである。少なくとも1つのキラル中心を含む化合物が、ラセミ混合物として、任意には、ジアステレオマー又はジアステレオマー富化された混合物として、又は鏡像異性体富化された混合物として使用され得る。ラセミ、鏡像異性体富化された混合物又はジアステレオマー混合物は任意には、当業者に知られている方法に従って分離され得、その結果、鏡像異性体又はジアステレオマーがそれぞれ使用され得る。炭素−炭素二重結合が存在するそれらの場合、“シス”及び“トランス”異性体は、本発明の一部である。互異性体形、例えばケト−エノール互変異性が存在する場合、互変異形は本発明に含まれ、ここでそれらの形は平衡して又は好ましくは1つの形で存在することができる。
【0190】
本発明の一般式I又はIIの化合物類及びそれらの好ましい態様は、薬物として使用される。
本発明の一般式I又はIIの化合物類及びそれらの好ましい態様は、生理学的又は病理学的状態の診断に使用される。
好ましくは、それらの化合物は、ヒト又は動物身体上の非侵態性PETに基づく診断に使用される。
【0191】
特に好ましくは、本発明の一般式I又はIIの化合物類及びそれらの好ましい態様は、腫瘍の診断に使用される。このタイプの腫瘍の例は、次のものである:胃腸又は結腸直腸の悪性腫瘍、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、甲状腺、前立腺、子宮内膜、卵巣、精巣の癌、メラノーマ、小細胞及び非小細胞気管支癌、経口粘膜の形成異常癌、侵襲性経口癌;乳癌、例えばホルモン依存性及びホルモン無関係乳癌、鱗状上皮癌、神経癌、例えば神経芽腫、グリオーム、星状細胞腫、骨肉腫、髄膜腫;柔組織肉腫;血管腫及び内分泌腫瘍、例えば下垂体腺癌、有色細胞腫、パラガングリオーマ、血液学的腫瘍、例えばリンパ腫及び白血病;上記腫瘍の1つの転位。
【0192】
本発明の一般式I又はIIの化合物類及びそれらの好ましい態様は、腫瘍の診断のための薬物生成のために使用される。このタイプの腫瘍の例は、次のものを包含する:胃腸又は結腸直腸の悪性腫瘍、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、甲状腺、前立腺、子宮内膜、卵巣、精巣の癌、メラノーマ、小細胞及び非小細胞気管支癌、経口粘膜の形成異常癌、侵襲性経口癌;乳癌、例えばホルモン依存性及びホルモン無関係乳癌、鱗状上皮癌、神経癌、例えば神経芽腫、グリオーム、星状細胞腫、骨肉腫、髄膜腫;柔組織肉腫;血管腫及び内分泌腫瘍、例えば下垂体腺癌、有色細胞腫、パラガングリオーマ、血液学的腫瘍、例えばリンパ腫及び白血病;上記腫瘍の1つの転位。
【0193】
本発明は、少なくとも1つの式I又はIIの化合物及び医薬的に許容できるビークルを含む医薬製剤に関する。
薬物としての式I又はIIの化合物の使用のためには、それらは、活性物質の他に、腸内又は非経口投与のために適切な医薬的な有機又は無機不活性キャリヤー材料、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコール、等を含む医薬製剤の形にされる。
本発明は、少なくとも1つの式I、II、III 、IV又はVの化合物を含んで成る集成装置(ネット)に関する。
【実施例】
【0194】
例1
4−[F-18]フルオログルタミン酸の合成
【化32】
【0195】
化合物3の合成
ジイソプロピルアミン(0.031ml、0.22mモル)を、室温(RT)で、エタノール(0.4ml)中、複合体1(0.1g、0.2mモル)(J. Am. Chem. Soc., 1985, 107, 4252 oder Tetrahedron Asymmetry, 1998, 9, 4249)の懸濁液に添加した。反応混合物を30分間、撹拌し、そして続いて、新しく蒸留されたエステル2(0.04ml、0.33mモル)(Gazz. Chim. Ital., 1981, 111 , 249)により処理した。反応を、TLC(SiO2, AcOEt/CHCl3、1:1)によりモニターした。反応の完結後(約2.5時間)、反応混合物を、AcOH(1.5ml:2%)の添加により中和した。
【0196】
この後、CHCl3(15ml)を添加し、その混合物を水(3×15ml)により洗浄し、そして有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮乾燥した。分離用TLC(SiO2, AcOEt/CHCl3, 1:1)は、複合体3(S, S, S)及び3(S, R, S/R)の混合物(11:1の比)及び28%の収率(Rf=0.52)を生成した。複合体3(S, S, R)は、0.49のRfを示した。複合体3(S, S, R)を、メタノール(3×40ml)を用いてシリカゲルから溶出し、そして続いて、エタノール/C6H6混合物(1:3)を用いて、Sephacdex上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製により、0.052g(52%)の生成物を得た。元素分析C32H32 BrN3NiO5:実施値(%)C、56.79; H4.85; Br12.14; N、6.10; Ni8.17。計算値(%):C56.75; H、4.76; Br、11.80; N、6.20; Ni、8.67。
【0197】
4−[F−19]フルオロ−L−グルタミン酸(4−[F-18]フルオロ−L−グルタミン酸のHPLCの同定のための非放射性標準)
エチル2−フルオロアクリレートによるNi-BPB-Glyの縮合
1ml(7.2mモル)のi−Pr2NHを、15mlのメタノール中、3g(6mモル)のNi-BPB-Glyの懸濁液に、RTで添加した。その反応混合物を30分間、撹拌し、そして続いて、3.7ml(30mモル)のエチル2−フルオロアクリレートにより処理した。反応の進行を、SiO2(AcOEt/CHCl3(2:3))上でのTLCによりモニターした。約250時間後、反応は完結した。この後、混合物を、25mlのメタノールと共に混合されたAcOHの2%強度の水溶液42mlの添加により中和した。Ni-BPB-4-F-GluOMeのジアステレオ異性体複合体のその得られる混合物を沈殿した。
【0198】
沈殿物を濾過し、そして水(3×30ml)により洗浄した。得られる固体複合体をCCl4に懸濁し、そして真空下で濃縮乾燥した。前記抗体を3度、反復し、混合物を水から遊離した。複合体を、カラムクロマトグラフィー(SiO2、3×20 cm、AcOEt/CHCl3、3:2)により精製した。2.66g(4.4mモル、74%)の主要画分は、1.5:1の比でNi-BPB-(2S,4R)-4-F-GluOMe 及びNi- BPB-(2S,4S)-4-F-GluOMeの混合物を含んだ。融点:191−193℃。[α]D25 +2477 (c 0.5, CHCl3). 元素分析C31H30FN3NiO5: 実施値(%): C、61.76; H、5.02; N、6.94; Ni、9.20。計算値(%) C、61.82; H、 5.02; N、6.98; Ni、9.74。
【0199】
複合体の分離を、
Toyopearl HW-55F (カラム2×50 cm、THF/ C6H6 (2 : 7))上でのカラムクロマトグラフィー分離により達成した。
複合体Ni-BPB-(2S,4R)-4-F-GluOMe
融点: 207 - 208℃、[α]D25 +2617 (c 0.035、MeOH)。元素分析: 実施値(%): C, 61.79; H, 4.95; N, 6.88。計算値C31H30FN3NiO5 (%) C, 61.82; H, 5.02; N, 6.98.
複合体Ni-BPB-(2S,4S)-4-F-GluOMe
融点: 233 - 235℃、[α]D25 +2641 (c 0.039、MeOH)。元素分析: 実施値(%): C, 61.63; H, 4.86; N, 6.84。計算値C31H30FN3NiO5 (%) C, 61.82; H, 5.02; N, 6.98。
【0200】
複合体の分解及びアミノ酸の単離
2.75g(4.57mモル)のNi-BPB-4−F-GluOMe複合体を、丸底フラスコにおいて30mlのメタノールに溶解し、そして5.5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そしてBPBの塩酸塩を濾過し、そして3×30mlの水により注意して洗浄した。組合された濾液は、アミノ酸、BPB残留物及びNi2+塩を含み、そしてNH3水溶液によりpH5に調節した。BPB残留物を、CHCl3(3×30ml)による抽出により除去した。組合された水性相を、乾燥濃縮し、3mlのHCl(6N)により処理し、そして1時間、加熱還流した。続いて、その溶液を濃縮乾燥し、5mlの水に溶解し、そして5%強度の(NH3)(水性)溶液を用いて、pH4に調節した。アミノ酸を、Dowexカラム50w×8(H+形での)(溶離剤:5%水性NH3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0201】
(2S, 4R)−4−フルオログルタミン酸:融点:>300℃(融点を伴わないでの分離)。
(2S、4S)−4−フルオログルタミン酸:融点:>300℃(融点を伴わないでの分離)。
【0202】
F−18放射性ラベリング
標的:
18O(p, n)18F反応のために[0−18]水により満たされた少体積低圧力銀標的物(1ml);サイクロ(登録商標)トロン
Scanditronix MC17;17MeVでの陽子衝撃。F−18弗化物を、[F-18]/[O−18]標的物溶液の適用により、QMA樹脂カートリッジ(Waters, Sep Pak Light QMA Part.No.: WAT023525)において濃縮した。カートリッジを、K2CO3溶液(10ml;0.5M)、続いての脱イオン化水(15ml)により試験準備した。
【0203】
[F-18]放射性複合体
[F−18]弗化物(15−300mCi)を、洗浄溶液(2ml、MeCN(2ml)/テトラブチルアンモニウムカーボネート(TBAC、0.015ml、20%水性、pH8))により、QMAカートリッジから溶出した。溶出物を5mlのバイアルに集め、そして溶媒を、130℃で窒素流下で、共沸蒸留により除去した。
【0204】
求核置換
乾燥[F−18]TBA弗化物を含む反応容器を80℃に冷却し(先行段階)、そして前駆体3(S, S, R)(MeCN中、5mg(0.5ml))の溶液を添加した。反応混合物を80℃で5〜10分間、維持した。反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))により調べた。それらの放射−TLCデータに基づいて、4における40〜60%のF−18の組込みを決定した。
【0205】
18F−弗素化されたNi複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸(A)の開放
HCl(6N, 0.3〜0.5ml)を、F−18グルタメート−ニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そしてその混合物を140℃で5分間、処理した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0206】
18F−弗素化されたNi複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸(B)の開放
HCl(2N, 0.3〜0.5ml)を、F−18グルタメート−ニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そしてその混合物を140℃で5分間、処理した。続いて、それを水酸化ナトリウム溶液(2N, 0.8〜1.0ml)により中和した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0207】
予備精製
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の80%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0208】
放射−HPLCによる同定
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、Rt:F-19参照((rac)-4-F-Glu塩酸塩(ジアステレオマー混合物:1/5;上記に記載される)):12.22分(UV);放射能検出(Backman):12.64分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0209】
放射−TLCによる同定
シリカゲルプレート(メッシュ60)、溶離剤n-BuOH, AcOH, H2O (12:3:5)。検出:Phosphorimager:SI Malecular Dynamics。 図1
【0210】
HPLC精製
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される個々の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。
【0211】
90%以上の放射化学純度及び15〜200mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0212】
例2
2-アミノ-4-[F-19]フルオログルタミン(HPLC標準)の合成
液体アンモニア(18g)を、7mlのメタノール中、0.27g(0.448mモル)のNi-BPB-4-F-GluOMe (M=602.28、例1に類似して調製された)の溶液に添加した。反応溶液を、RTで2時間、放置した。その溶液を真空下で濃縮し、そして残留物を分離用TLC(SiO2、CHCl3/Me2CO(3:1))により精製した。この後、生成物をさらに、Sephadex LH-20(C6H6/エタノール(3:1))上で精製した。0.15g(0.255mモル、57%)のNi-BPB-4-F-Gln(M.W.587.28)を得た。
【0213】
2−アミノ-4-[F-18]フルオログルタミンの合成
[F-18]放射性Ni-BPB-4-F-GluOMe複合体
[F−18]弗化物(15−300mCi)を、洗浄溶液(2ml、MeCN(2ml)/テトラブチルアンモニウムカーボネート(TBAC、0.015ml、20%水性、pH8))により、QMAカートリッジから溶出した。溶出物を5mlのバイアルに集め、そして溶媒を、130℃で窒素流下で、共沸蒸留により除去した。
【0214】
求核置換
乾燥[F−18]TBA弗化物を含む反応容器を80℃に冷却し(先行段階)、そして前駆体Ni-BPB-4-Br-GluOMe(MeCN中、5mg(0.5ml))の溶液を添加した。反応混合物を80℃で5〜10分間、維持した。反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))により調べた。それらの放射−TLCデータに基づいて、Ni-BPB-4-F-GluOMeにおける40〜60%のF−18の組込みを決定した。
【0215】
F-18]放射性Ni-BPB-4-F-Gln複合体
1mlのt-BuOH及び1gの乾燥NH3 (NaOH上で乾燥された)の混合物を、0.5mlのt−BuOH中、Ni-BPB-4-F-GluOMe(5〜50mCi)の溶液に添加した。その反応混合物を、エステル複合体がもはや検出されなくなるまで(TLC, シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))、42℃で7分間、加熱した。反応は定量的に進行し、そして4〜40mCiのNi-BPB-4-F-Glnを生成した。
【0216】
18F−弗素化されたNi-BPB-4-F-Gln複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸の開放
HCl(2N, 0.3〜0.5ml)を、[F−18]Ni-BPB-4-F-Glnニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そして140℃で5分間、処理した。続いて、その混合物を水酸化ナトリウム溶液(2N, 0.8〜1.0ml)により中和した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0217】
予備精製
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の70%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0218】
放射−HPLCによる同定
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、Rt:F-19参照((rac)-4-F-Gln塩酸塩):8.04分(UV);放射能検出(Backman):8.45分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0219】
HPLC精製
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。
92%以上の放射化学純度及び3〜31mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0220】
例3
2−アミノ-3-[F-18]フルオロペンタンジカルボン酸の合成
[F-18]弗化物―含有溶液(33μl、789MBq)を、1.5mlのアセトニトリル(1.0ml)中、20%の強度のテトラブチルアンモニウムカーボネート水溶液60μlの混合物に添加した。溶媒を、120℃のオーブン温度で窒素流下での蒸発により除去した。1mlの無水アセトニトリルを添加し、そして蒸発により除去した。この最後の段階を再び反復した。0.3mlの無水アセトニトリル中、3mgのジエチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(トルエンスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(Chem. Pharm. Bull., 17, 5, (1969), 879-885)の溶液を、前記残留物に添加し、そして十分に撹拌した。90℃での15分間の加熱の後、40%強度の臭化水素水溶液2mlを添加した。反応混合物を、130℃のオーブン温度で30分間、及び過剰圧力下で撹拌した。
【0221】
粗生成物をHPLCにより放射性分析した:Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、19F参照(J. Org. Chem.; 50; 17; (1985); 3163-3167)、(UV);放射能検出(Backman)。参照化合物と同時溶出される単一の放射性ピークを得た。
【0222】
[F-18]ラベルされた化合物の精製を、HPLC精製により実施した:Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。19F参照化合物(J. Org. Chem.; 50; 17; (1985); 3163-3167)と同時に溶出される単一の放射性ピークを得た。得られる化合物がHPLCにより精製される場合、アニオン交換カートリッジによる前記予備精製は回避され得る。約92%の放射化学純度及び103MBqの放射能を有する生成物を得ることが可能であった。
【0223】
例4
ジ−t−ブチルN−トリチルグルタメート
トリエチルアミン(40ml)及び塩化トリチル(19.0g、68.5mモル)を、MeCl2(100ml)に溶解されたジ−t−ブチルグルタミン酸塩酸塩(20.0g、68mモル、SIGMA、カタログ番号G-7501)に添加した。その溶液を室温で24時間、撹拌し、そして続いて、飽和炭酸ナトリウム溶液(3×)及び水(3×)により洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして得れらるオレンジ色に着色される油状物を、ヘキサン/MeCl2(30/70)中、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られる白色固形物は、トリチル−OHの残留物を有する生成物を含んだ。
【0224】
トリチルアルコールを、最少量のMeCl2に生成物混合物を溶解し、そしてヘキサンを、添加することにより結晶化した。濾過及び溶媒混合物の除去の後、無色の油状物を得た。収量:6.0g(18%)。TLC:Rf=0.5(MeCl2)。元素分析C32H39NO4:実測値C:76.4;H:7.6;N:2.9;計算値:C:76.6;H:7.8; N:2.8。
【0225】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−ヒドロキシペンタノエート
n−ブチルリチウム(5.0ml、11mモル)を、三つ首フラスコにおいて、ヘキサン(50ml)中、シクロヘキシルイソプロピルアミン溶液(3.0ml、15mモル)に0℃で添加した。その溶液を0℃で30分間、撹拌し、続いて-78℃に冷却し、そしてヘキサン(50ml)中、ジ−t−ブチルN−トリチルグルタメート(5.0g、10mモル)により処理した。フラスコを、ガス入口管により供給し、そしてパラホルムアルデヒド及びアルゴンのためのガス入口を含む貯蔵容器に結合した。カルバニオンの形成の後、パラホルムアルデヒドを180℃に加熱し、そして得られるホルムアルデヒドガスを、アルゴンの流れ下で30分間、反応容器中に導いた。この間、槽温度を-78℃で維持した。続いて、冷却槽を除き、そして反応混合物を室温にゆっくり温め、そしてパラホルムアルデヒド残留物を除去するために濾過した。
【0226】
濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液に添加し、そしてジエチルエーテル(3×250ml)により抽出した。組合された有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、そして続いて、溶媒を真空下で除去した。得られる黄色の油成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/MeCl2 (10/90)により精製した。溶媒混合物の除去の後、無色の油状物を得た。収量:1.2g(25%)。TLC:Rf=0.3(MeCl2)。元素分析C33H41NO5:実測値C:74.5;H:7.5;N:2.8;計算値C:74.6; H:7.8; N:2.6。
【0227】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トルオイルスルホン酸ペンタノエート
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−ヒドロキシヘプタノエート(532mg、1.00mモル)を、MeCl2 (6ml)及びピリジン(1.2ml)に溶解した。p−トルエンスルホニル塩化物(118mg、0.62mモル)及びジメチルアミノピリジン(13.4mg、0.11mモル)を添加し、そして反応混合物を室温で一晩、窒素雰囲気下で撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×)により抽出し、組合された有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濾過し、そして溶媒を回転蒸発器状で除去した。粗生成物を少しのMeCl2に溶解し、NH2材料上に吸収し、そして酢酸エチル/ヘキサン(8:2)においてカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量:339mg(70%)。元素分析C40H47HO7:実測値C:70.3;H:7.1;N;2.2;S:5.0;計算値C:70.1;H:6.9;N:2.0;S:4.7。
【0228】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−フルオロペンタノエート(HPLC参照)
無水弗化四ブチルアンモニウム(102mg、0.4mモル)を、無水THF(3ml)中、t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トリルスルホン酸(2S)−ヘプタノエート(54mg、0.08mモル)の溶液に添加した。その混合物を4時間、加熱還流した。反応混合物を室温に冷却した後、その混合物をMeCl2により処理し、そして水性抽出(3×)にゆだねた。分離用薄層クロマトグラフィー(MeCl2/メタノール(90/10))処理により、生成物を黄色の油状物として生成した。収量:22mg(51%)。元素分析C33H40NO4:実測値C:74.4;H:7.7;N;2.8;計算値C:74.3;H:7.6;N:2.6。
【0229】
F-18]−t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−フルオロペンタノエート
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加し、そして空気の流れ下で乾燥した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(22mgのK2.2.2, 4.6mgのK2CO3, MeCN (1.77ml)、水(0.23ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アルゴンの流れ下で120℃で除去した。残留物を、1mlの無水MeCNと共に、アルゴンの流れ下で120℃で2度、共沸蒸留した。
【0230】
MeCN(0.2ml)中、t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トリルスルホン酸(2S)−ヘプタノエート(4mg)のトシレート前駆体の溶液を、乾燥された[F-18]弗化物を含む容器に添加した。反応混合物を120℃で10分間、加熱した。続いて、溶媒をアルゴンの流れ下で除去した。溶媒(MeCN)を、窒素の流れ下で除去し、そして残留物を、140℃で5分間、HCl(6N、0.3〜0.5ml)により処理した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5)により分析した。
【0231】
TLC分析を、MiniGita TLCスキャナー(Raytest, Germany)上で実施した。
予備精製
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の80%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0232】
放射−HPLCによる同定
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、Rt:F-19参照((rac)-4-F-Glu塩酸塩):14.53分(UV);放射能検出(Backman):14.68分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0233】
HPLC精製
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH2;4.6×150mm、移動相:NaH2PO4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。90%以上の放射化学純度及び20〜200mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0234】
例5
1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)の合成(N. Sharma et al. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 1403-1406に従っての)
水230ml中、15.29g(71.5mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び0.18g(0.87mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、230mlの酢酸エチル中、5.78g(17.9mモル)のBoc−γ−MsO−プロリンメチルエステルに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(80ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、50mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。
【0235】
その混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=6.5:3.5〜5:5)により精製した。1.29g(20%)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)を、無色の固形物として得た。
元素分析C12H19NO8S:実測値C: 42.90; H: 5.68; N: 4.14;計算値C: 42.73; H: 5.68; N: 4.15。
【0236】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)の合成(X. Zhang Tetrahedron Lett. 2001, 42, 5335-5338に従っての)
600mg(1.78mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、7.5mlのジクロロメタンに溶解した。1.5mlのメタノール及び12.3mg(0.089mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=99.7:0.3〜99.6:0.4)により精製した。608mg(83%)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)を、無色の油状物として得た。
元素分析C13H23NO9S:実測値C: 42.10; H: 6.29; N: 3.69;計算値C: 42.27; H: 6.28; N: 3.79。
【0237】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)のF−18ラベリング
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(2.47 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK2CO3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0238】
1mlのアセトニトリル中、5mg(13.6μモル)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0239】
中間体6aを、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。533MBq(34% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を、64分の合成時間で得た。
【0240】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)の保護解除による4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)の合成
1mlのアセトニトリル中、533MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、140℃(油槽温度)での撹拌下で開放バイアルにおいて5分間、加熱した。さらに、0.5mlの4NのHClを添加し、そしてその混合物を、140℃(油槽温度)での撹拌下で閉鎖バイアルにおいて5分間、加熱した。
【0241】
室温への冷却の後、その溶液を、約1.5mlの2NのNaOHの添加により中和した。
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を定量的に(d.c.)、反応せしめ、4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)を得ることが可能であった。
【0242】
例6
1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)のF-18ラベリング
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(3.27 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK2CO3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0243】
1mlのアセトニトリル中、5mg(14.9μモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。421MBq(23% d.c.)の1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、95分の合成時間で得た。
【0244】
1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの保護解除による4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)の合成
0.5mlのアセトニトリル中、221MBqの1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、0.5mlの6NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約600μlの4NのNaOHの添加により中和した。172MBq(91% d.c.)の4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)を得た。
【0245】
例7
1−tert−ブチル2−メチル4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
DMF(10ml)中、2.45g(10.0mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−[ヒドロキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(24)の溶液を、DMF(20ml)中、0.65g(15mモル)の水素化ナトリウムの懸濁液に添加した。15分後、DMF(10ml)中、5.56g(15.0mモル)の1,2−エタンジオールビストシレートの溶液を添加した。続いて、バッチを、電子レンジにおいて100℃で45分間、3つの部分で反応せしめた。
【0246】
バッチを濃縮し、そして水及び酢酸エチルにより処理した。相分離の後、水性相を酢酸エチルにより抽出した。組合された有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。1.2g(27%)の1−tert−ブチル2−メチル4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た。
元素分析C20H29NO8S:実測値C: 54.20; H: 6.66; N: 3.23;計算値C: 54.16; H: 6.59; N: 3.16。
【0247】
1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(23)の合成
水12.5ml中、1.07g(5.0mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び0.338g(0.15mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、20mlのジクロロメタン中、0.44g(1mモル)の1−tert−ブチル2−メチル−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(20ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、5mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。
【0248】
その混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。0.11g(24%)の1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(23)を、無色の油状物として得た。
元素分析C20H27NO9S:実測値C: 52.37; H:6.02; N:3.11;計算値C: 52.51; H: 5.95; N: 3.06。
【0249】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)の合成
100mg(0.22mモル)の1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、3mlのジクロロメタンに溶解した。1mlのメタノール及び6mg(0.04mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)により精製した。97mg(91%)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)を、無色の油状物として得た。
元素分析C21H31NO10S:実測値C: 51.48; H: 6.36; N: 2.88;計算値C: 51.52; H: 6.38; N:2.86。
【0250】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)のF−18ラベリング
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(1.57 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK2CO3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0251】
1mlのアセトニトリル中、5mg(10.2μモル)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0252】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。337MBq(35% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)を、78分の合成時間で得た。
【0253】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)の保護解除による2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(20)の合成
1mlのアセトニトリル中、337MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。
室温への冷却の後、その溶液を、約700μlの2NのNaOHの添加により中和した。
288MBq(98% d.c.)の2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(20)を得た。
【0254】
1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成
DMF(10ml)中、2.45g(10.0mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−[ヒドロキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(24)の溶液を、DMF(20ml)中、0.65g(15mモル)の水素化ナトリウムの懸濁液に添加した。15分後、DMF(10ml)中、1.90g(15.0mモル)の1−ブロモ−2−フルオロエタンの溶液を添加した。続いて、バッチを、電子レンジにおいて100℃で45分間、3つの部分で反応せしめた。
【0255】
バッチを濃縮し、そして水及び酢酸エチルにより処理した。相分離の後、水性相を酢酸エチルにより抽出した。組合された有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。2.10g(48%)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た。
元素分析C13H22FNO5:実測値C: 54.48; H: 7.70; N: 4.85;計算値C: 53.60; H: 7.61; N: 4.81。
【0256】
1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)の合成
水50ml中、4.3g(20.0mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び1.7g(0.6mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、80mlのジクロロメタン中、1.45g(5mモル)の1−tert−ブチル2−メチル−4−(2−フルオロエトキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(25ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、10mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。その混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。0.26g(17%)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)を得た。
元素分析C13H20FNO6:実測値C: 51.18; H:6.55; N:3.54;計算値C:51.14; H: 6.60; N:4.59。
【0257】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)の合成
150mg(0.49mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)を、5mlのジクロロメタンに溶解した。2mlのメタノール及び6mg(0.04mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)により精製した。145mg(88%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)を得た。
元素分析C14H24FNO7:実測値C: 40.06; H:7.11; N:4.12;計算値C: 49.85; H:7.17; N:4.15。
【0258】
2−アミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(28)
100mgのジメチル3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)を、50mlのメタノールに溶解し、そして1mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×5mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸28を、H+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0259】
例8
ジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての)
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、1.10g(5.45mモル)の1,3−ジブロモプロパンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。
【0260】
組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.490g(34%)のジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)を、無色の油状物として得た。
元素分析C15H26BrNO6:実測値C:45.21; H:6.53; N:3.60;計算値C:45.46; H:6.61; N:3.53。
【0261】
ジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)のF−18ラベリング
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(1.33 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK2CO3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0262】
1mlのアセトニトリル中、5mg(12.6μモル)のジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0263】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。346MBq(46% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)を、90分の合成時間で得た。
【0264】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)の保護解除による2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(29)の合成
1mlのアセトニトリル中、346MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約650μlの2NのNaOHの添加により中和した。
288MBq(96% d.c.)の2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(29)を得た。
【0265】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての)
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、0.77g(5.45mモル)の1−ブロモ−3−フルオロプロパンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.318g(29%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)を得た。
元素分析C15H26FNO6:実測値C:53.88 ; H:7.87; N:4.13;計算値C:53.72; H:7.81; N:4.18。
【0266】
2−アミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(38)
200mgのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)を、75mlのメタノールに溶解し、そして1.5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×10mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸38を、H+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0267】
例9
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての)
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(35)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、2.17g(5.45mモル)の1,4−ブタンジオールジトシレートの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。
【0268】
その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜20:80)により精製した。0.418g(23%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)を得た。
元素分析C23H35NO9S:実測値C:54.9; H:7.1; N:2.7;計算値C:55.07; H:7.03; N:2.79。
【0269】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)のF−18ラベリング
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(3.08GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K2CO3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK2CO3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
1mlのアセトニトリル中、5mg(10.0μモル)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0270】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。812MBq(48% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)を、92分の合成時間で得た。
【0271】
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)の保護解除による2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸ジメチル(30)の合成
1mlのアセトニトリル中、812MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約700μlの2NのNaOHの添加により中和した。
691MBq(97% d.c.)の2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸(30)を得た。
【0272】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての)
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、0.84g(5.45mモル)の1−ブロモ−−フルオロブタンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。
【0273】
それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.596g(47%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)を得た。
元素分析C16H28FNO6:実測値C:54.94 ; H:8.01; N:4.04;計算値C:55.00; H:8.08; N:4.01。
【0274】
2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸(39)
300mgのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)を、100mlのメタノールに溶解し、そして5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、100mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×25mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸39を、H+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0275】
例10
生物学的特徴づけ
18F]グルタミン酸の腫瘍細胞摂取の評価のために、細胞摂取実験を、ヒトA549(非小細胞気管支癌)及びHT29(結腸癌)細胞において実施した。グルタミン酸誘導体の腫瘍細胞摂取を、[18F]FDG(腫瘍学的PET調査のためのゴールド標準)と比較した。結果は、図1に示される。
【0276】
図2:A549細胞における[18F]−4−グルタミン酸[20〜35μM](左側)及び[F-18]FDG[2μM](右側)の時間−依存性腫瘍細胞摂取の比較。細胞を、250kBq/ウェルでインキュベートした。置換実験のためには、L−グルタミン酸(1mM)又はグルコース(5mM)を使用した(平均値±標準偏差、n=3)。
【0277】
A549及びHT29腫瘍細胞における[18F]−4−グルタミン酸の驚くべき高い摂取は、それらの弗素化されたグルタミン酸誘導体が本発明の目的のための腫瘍表示のための可能性を有することを示す。
類似する摂取結果が、[18F]−4−グルタミン、2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸及び2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸について達成された。
【0278】
実験動物における腫瘍増大及び組織分布の評価のために、[18F]−4−グルタミン酸を、NMRIヌードマウスにおけるネズミF9奇形癌モデル及びC57B16マウスにおけるネズミB16F1メラノーマモデルにおいて試験した。
【0279】
このためには、それぞれ1×106個の細胞(F9)又は5×105個の細胞(B16F1)を、100μlのリン酸緩衝化された生理食塩溶液に懸濁し、そしてその対応する実験動物種(F9についてはNMRI及びB16F1についてはC57B16)の右、後部側腹部に皮下接種した(Berndorff et al. Clin. Cancer Res. 2005, 11 , 2005)。14日(F9)及び10日(B16)後、腫瘍は約80〜100mm2のサイズに達した。[18F]−4−グルタミン酸(370kBq, 100μlの生理食塩水における)を、尾静脈により静脈内投与した。個々の場合、15、60及び120分後、動物を殺し、器官及び腫瘍を除き、計量し、そして放射能含有量を測定した。その対応するデータは、表1〜4に要約される。
【0280】
18F]−4−グルタミン酸の組織分布を、C-14ラベルされたグルタミン酸の腫瘍モデルと同じ腫瘍モデルにおいて比較し、ここで111kBqの[14C]−5−グルタミン酸が静脈内投与され、そして動物は、30、60及び240分後(F9)及び15, 60及び120分後(B16F1),殺され、そして分析された(表5〜8)。
それらの結果を比較すると、C−14−ラベルされたグルタミン酸が両腫瘍モデルにおいて調べられた。その対応する器官分布の結果は、表5〜9に再生されている。
【0281】
驚くべきことには、静脈内注入の後(15分)、[18F]−4−グルタミン酸は、2.90% ID/g(F9奇形癌)又は3.55% ID/g (B16メラノーマ)の最大腫瘍増大を示し、ところが天然の基質[14C]−5−グルタミン酸の場合、類似する初期時間(30分)での最大腫瘍増大は、F9奇形癌において、わずか0.81% ID/gであり、そして同じ時間で、B16F1メラノーマにおいては、1.23%である。
【0282】
静脈投与の1時間後でさえ、その値は、F9奇形癌において1.75% ID/g及びB16F1メラノーマにおいて2.14% ID/gであり、[14C]−5−グルタミン酸の場合、わずか0.98% ID/g (F9奇形癌)及び1.03% ID/g (B16F1メラノーマ)であり、明らかに前記の方が高い。
【0283】
生理学的活性組織/器官からの急速な排泄により連結される、弗素化された化合物のより高い腫瘍増大は、[14C]−5−グルタミン酸に対して[18F]−4−グルタミン酸の明らかに改良された腫瘍/バックグラウンド比を導く。弗素化された化合物についてのB16F1メラノーマモデルにおける腫瘍/血液比率は、5.3(1時間のp.i.)及び7.9(2時間のp.i.)であり、従って、[14C]−5−グルタミン酸についてよりも、それぞれ2及び3.5倍高い。
【0284】
B16F1メラノーマモデルにおける弗素化された化合物についての腫瘍/肝臓比率(PETトレーサーの安定性評価のための重要なパラメーター)は、3.6(1時間のp.i.)及び4.4(2時間のp.i.)であり、そして従って、[14C]−5−グルタミン酸の場合よりもそれぞれ4.6及び5.5倍、高い。
18F]−4−グルタミン酸は、C−14−置換された天然の基質[14C]−5−グルタミン酸に比較して、明確に改良された薬物動力学的性質を有する。
【0285】
【表1】
【0286】
【表2】
【0287】
【表3】
【0288】
【表4】
【0289】
【表5】
【0290】
【表6】
【0291】
【表7】
【0292】
【表8】
本件明細書の開示の概要
〔項1〕
下記一般式I:
【化1】
[式中、Aは、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-L、
h)O-L、又は
i)O-Z、を表し;
Gは、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
f)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、を表し;
R1及びR2は、
a)水素、
b)18F、
c)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの18F-ヒドロキシ-C1-C5アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、18Fアイソトープを含まず;
Lは、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;そして
Zは、金属カチオン同等物を表し;
nは0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項2〕
Aが、OH、メトキシ又はNH2を表すことを特徴とする項1記載の化合物。
〔項3〕
Aが、OHを表すことを特徴とする項1又は2記載の化合物。
〔項4〕
Aが、NH2を表すことを特徴とする項1又は2記載の化合物。
〔項5〕
R1及びR2が、水素、18F、18F−メトキシ、18F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−メチル、18F−エチル及び18F−プロピルから成る群から選択され、但し置換基R1又はR2の1つは正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基は、個々の場合、水素であることを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項6〕
R1が、ヒドロキシル、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR218Fを表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項7〕
R2が、ヒドロキシル、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR118Fを表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項8〕
R118Fを表し、そしてR2が水素を表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項9〕
R218Fを表し、そしてR1が水素を表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項10〕
Gが、OH、メトキシ又はエトキシから成る群から選択されることを特徴とする項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
〔項11〕
Zが、Mg2+, Ca2+, Na+及びK+から成る群から選択されることを特徴とする項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
〔項12〕
ZがNi2+であることを特徴とする項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
〔項13〕
下記式:
【化2】
【化3】
で表される化合物から成る群から選択される項1記載の化合物。
〔項14〕
下記一般式(II):
【化4】
[式中、A’は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U、
h)N(H)-L'、又は
i)O-L'、を表し;
G’は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z’、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
f)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、を表し;
R1及びR2は、
a)水素、
b)18F、
c)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの18F-C1-C5ヒドロキシアルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの18F-C2-C5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R1又はR2の1つが正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、18Fアイソトープを含まず;
Qは、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-p−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化5】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
L’は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
Uは、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、
d)エトキシカルボニル、
e)メトキシカルボニル、又は
f)プロポキシカルボニル、を表し;
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、又は
c)アラルキル、を表し;そして
Z’は、金属カチオン同等物を表し;
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項15〕
A’が、OH、枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、-NH-tert-ブトキシカルボニル又はNH2を表わすことを特徴とする項14記載の化合物。
〔項16〕
A’が、エトキシを表わすことを特徴とする項14又は15記載の化合物。
〔項17〕
A’が、NH2を表わすことを特徴とする項14〜16のいずれか1項記載の化合物。
〔項18〕
R1及びR2が、水素、18F、18F−メトキシ、18F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−メチル、18F−エチル及び18F−プロピルから成る群から選択され、但し置換基R1又はR2の1つは正確に1つの18Fアイソトープを含み、そして他の置換基は、個々の場合、水素であることを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項19〕
R1が、ヒドロキシル、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR218Fを表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項20〕
R2が、ヒドロキシル、CH3、C2H5及びC3H7から成る群から選択され、そしてR118Fを表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項21〕
R118Fを表し、そしてR2が水素を表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項22〕
R218Fを表し、そしてR1が水素を表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項23〕
G’が、OH、エトキシ、メトキシ及びOZ’から成る群から選択されることを特徴とする項14〜22のいずれか1項記載の化合物。
〔項24〕
G’がエトキシを表わすことを特徴とする項14〜23のいずれか1項記載の化合物。
〔項25〕
Z’が、Na+、K+、Ca2+及びMg2+から成る群から選択されることを特徴とする項14〜24のいずれか1項記載の化合物。
〔項26〕
Z’がNi2+であることを特徴とする項14〜24のいずれか1項記載の化合物。
〔項27〕
Qが、N(H)-tert-ブトキシカルボニル、N(H)-ベンジルオキシカルボニル、及び下記式:
【化6】
[式中、X及びX’はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール又は
c)アラルキル、を表わす]
から成る群から選択されることを特徴とする項14〜26のいずれか1項記載の化合物。
〔項28〕
QがN(H)-tert-ブトキシカルボニルを表わすことを特徴とする項14〜27のいずれか1項記載の化合物。
〔項29〕
Qが下記式:
【化7】
を表わすことを特徴とする項14〜27のいずれか1項記載の化合物。
〔項30〕
下記式:
【化8】
で表わされる化合物から成る群から選択される項14記載の化合物。
〔項31〕
項14〜30のいずれか1項記載の一般式(II)で示されるような化合物の前駆体化合物及びF-18弗素化合物を反応することによる、項1〜13のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物の調製方法。
〔項32〕
項36記載の一般式(III)で示される化合物の前駆体化合物とF-18弗素化合物とを反応させることによる、項14〜30のいずれか1項記載の一般式(II)の化合物の調製方法。
〔項33〕
薬剤としての使用のための項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項34〕
腫瘍の診断への使用のための項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項35〕
腫瘍の診断のための薬剤の製造のためへの項1〜30のいずれか1項記載の化合物の使用。
〔項36〕
下記一般式(III):
【化9】
[式中、A"は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U’、
h)N(H)-L"、又は
i)O-L"、を表し;
G"は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z"、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
g)トリフェニルメトキシ、を表し;
R3及びR4は、
a)水素、
b)枝分かれ又は枝なしのE-C1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのE-C1-C5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのE-ヒドロキシ-C1-C5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのE-C2-C5アルケニル、
f)枝分かれ又は枝なしのE-C2-C5アルキニル、
g)ヒドロキシル、
h)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、又は
i)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、を表し、但し置換基R3又はR4の1つが正確にEを含み、そして他の置換基が個々の場合、Eを含まず;
Eは、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q’は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-P−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化10】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
L"は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
U’は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、
c)アルキルアリール、又は
d)ヘテロアリール、を表し;
Z"は、金属カチオン同等物を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項37〕
式(I)又は(II)の化合物の調製のための、下記式(IV):
【化11】
[式中、A'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC1-C5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)N(C1-C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)-U"、
h)N(H)-L'''、又は
i)O-L'''、を表し;
G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
R5及びR6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R5又はR6の1つが正確にE’を含み、そして他の置換基が個々の場合、水素を含み;
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q"は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-P−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化12】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)2、を表し;
L'''は、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC2-C5アルキニル、を表し;
U"は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
X"及びX'''はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC1-C5アルキル、
b)置換されているか又は置換されていないアリール、
c)アルキルアリール、又は
d)ヘテロアリール、を表し;そして
nは、0、1又は2である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体の使用。
〔項38〕
式(I)又は(II)の化合物の調製のためへの下記式(V):
【化13】
[式中、G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C1-C5アルキル-(O-C1-C4アルキル)n-O-C1-C4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C2-C5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
R5及びR6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R5又はR6の1つが正確にEを含み、そして他の置換基が個々の場合、Eを含まず;
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q'''は、
a)N-tert-ブトキシカルボニル、
b)N-アリルオキシカルボニル、
c)N-ベンジルオキシカルボニル、
d)N-エトキシカルボニル、
e)N-メトキシカルボニル、
f)N-プロポキシカルボニル、
g)N-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N-シクロブチルカルボニル、
l)N-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N-ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N-アダマンチルカルボニル、
p)N-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N-シンナミルカルボニル、
r)N-ホルミル、又は
s)N-ベンゾイル、を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びその可能性あるすべてのジアステレオマー及び鏡像異性体の使用。
〔項39〕
前記化合物が、37−600MBqの用量範囲でPET診断のために適切であることを特徴とする項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項40〕
前記化合物が、150−370MBqの用量範囲で特に適切であることを特徴とする項39記載の化合物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6