【実施例】
【0194】
例1:
4−[F-18]フルオログルタミン酸の合成:
【化32】
【0195】
化合物3の合成:
ジイソプロピルアミン(0.031ml、0.22mモル)を、室温(RT)で、エタノール(0.4ml)中、複合体1(0.1g、0.2mモル)(J. Am. Chem. Soc., 1985, 107, 4252 oder Tetrahedron Asymmetry, 1998, 9, 4249)の懸濁液に添加した。反応混合物を30分間、撹拌し、そして続いて、新しく蒸留されたエステル2(0.04ml、0.33mモル)(Gazz. Chim. Ital., 1981, 111 , 249)により処理した。反応を、TLC(SiO
2, AcOEt/CHCl
3、1:1)によりモニターした。反応の完結後(約2.5時間)、反応混合物を、AcOH(1.5ml:2%)の添加により中和した。
【0196】
この後、CHCl
3(15ml)を添加し、その混合物を水(3×15ml)により洗浄し、そして有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮乾燥した。分離用TLC(SiO
2, AcOEt/CHCl
3, 1:1)は、複合体3(S, S, S)及び3(S, R, S/R)の混合物(11:1の比)及び28%の収率(Rf=0.52)を生成した。複合体3(S, S, R)は、0.49のRfを示した。複合体3(S, S, R)を、メタノール(3×40ml)を用いてシリカゲルから溶出し、そして続いて、エタノール/C
6H
6混合物(1:3)を用いて、Sephacdex上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製により、0.052g(52%)の生成物を得た。元素分析C
32H
32 BrN
3NiO
5:実施値(%)C、56.79; H
、4.85; Br
、12.14; N、6.10; Ni
、8.17。計算値(%):C
、56.75; H、4.76; Br、11.80; N、6.20; Ni、8.67。
【0197】
4−[F−19]フルオロ−L−グルタミン酸(4−[F-18]フルオロ−L−グルタミン酸のHPLCの同定のための非放射性標準):
エチル2−フルオロアクリレートによるNi-BPB-Glyの縮合:
1ml(7.2mモル)のi−Pr
2NHを、15mlのメタノール中、3g(6mモル)のNi-BPB-Glyの懸濁液に、RTで添加した。その反応混合物を30分間、撹拌し、そして続いて、3.7ml(30mモル)のエチル2−フルオロアクリレートにより処理した。反応の進行を、SiO
2(AcOEt/CHCl
3(2:3))上でのTLCによりモニターした。約250時間後、反応は完結した。この後、混合物を、25mlのメタノールと共に混合されたAcOHの2%強度の水溶液42mlの添加により中和した。Ni-BPB-4-F-GluOMeのジアステレオ異性体複合体のその得られる混合物を沈殿した。
【0198】
沈殿物を濾過し、そして水(3×30ml)により洗浄した。得られる固体複合体をCCl
4に懸濁し、そして真空下で濃縮乾燥した。前記抗体を3度、反復し、混合物を水から遊離した。複合体を、カラムクロマトグラフィー(SiO
2、3×20 cm、AcOEt/CHCl
3、3:2)により精製した。2.66g(4.4mモル、74%)の主要画分は、1.5:1の比でNi-BPB-(2S,4R)-4-F-GluOMe 及びNi- BPB-(2S,4S)-4-F-GluOMeの混合物を含んだ。融点:191−193℃。[α]D25 +2477 (c 0.5, CHCl
3). 元素分析C
31H
30FN
3NiO
5: 実施値(%): C、61.76; H、5.02; N、6.94; Ni、9.20。計算値(%) C、61.82; H、 5.02; N、6.98; Ni、9.74。
【0199】
複合体の分離を、
Toyopearl HW-55F (カラム2×50 cm、THF/ C
6H
6 (2 : 7))上でのカラムクロマトグラフィー分離により達成した。
複合体Ni-BPB-(2S,4R)-4-F-GluOMe
融点: 207 - 208℃、[α]
D25 +2617 (c 0.035、MeOH)。元素分析: 実施値(%): C, 61.79; H, 4.95; N, 6.88。計算値C
31H
30FN
3NiO
5 (%) C, 61.82; H, 5.02; N, 6.98.
複合体Ni-BPB-(2S,4S)-4-F-GluOMe
融点: 233 - 235℃、[α]
D25 +2641 (c 0.039、MeOH)。元素分析: 実施値(%): C, 61.63; H, 4.86; N, 6.84。計算値C
31H
30FN
3NiO
5 (%) C, 61.82; H, 5.02; N, 6.98。
【0200】
複合体の分解及びアミノ酸の単離:
2.75g(4.57mモル)のNi-BPB-4−F-GluOMe複合体を、丸底フラスコにおいて30mlのメタノールに溶解し、そして5.5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そしてBPBの塩酸塩を濾過し、そして3×30mlの水により注意して洗浄した。組合された濾液は、アミノ酸、BPB残留物及びNi
2+塩を含み、そしてNH
3水溶液によりpH5に調節した。BPB残留物を、CHCl
3(3×30ml)による抽出により除去した。組合された水性相を、乾燥濃縮し、3mlのHCl(6N)により処理し、そして1時間、加熱還流した。続いて、その溶液を濃縮乾燥し、5mlの水に溶解し、そして5%強度の(NH
3)(水性)溶液を用いて、pH4に調節した。アミノ酸を、Dowexカラム50w×8(H
+形での)(溶離剤:5%水性NH
3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0201】
(2S, 4R)−4−フルオログルタミン酸:融点:>300℃(融点を伴わないでの分離)。
(2S、4S)−4−フルオログルタミン酸:融点:>300℃(融点を伴わないでの分離)。
【0202】
F−18放射性ラベリング:
標的:
18O(p, n)
18F反応のために[0−18]水により満たされた少体積低圧力銀標的物(1ml);
サイクロ(登録商標)トロン:
Scanditronix MC17;17MeVでの陽子衝撃。F−18弗化物を、[F-18]/[O−18]標的物溶液の適用により、QMA樹脂カートリッジ(Waters, Sep Pak Light QMA Part.No.: WAT023525)において濃縮した。カートリッジを、K
2CO
3溶液(10ml;0.5M)、続いての脱イオン化水(15ml)により試験準備した。
【0203】
[F-18]放射性複合体:
[F−18]弗化物(15−300mCi)を、洗浄溶液(2ml、MeCN(2ml)/テトラブチルアンモニウムカーボネート(TBAC、0.015ml、20%水性、pH8))により、QMAカートリッジから溶出した。溶出物を5mlのバイアルに集め、そして溶媒を、130℃で窒素流下で、共沸蒸留により除去した。
【0204】
求核置換:
乾燥[F−18]TBA弗化物を含む反応容器を80℃に冷却し(先行段階)、そして前駆体3(S, S, R)(MeCN中、5mg(0.5ml))の溶液を添加した。反応混合物を80℃で5〜10分間、維持した。反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))により調べた。それらの放射−TLCデータに基づいて、4における40〜60%のF−18の組込みを決定した。
【0205】
18F−弗素化されたNi複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸(A)の開放:
HCl(6N, 0.3〜0.5ml)を、F−18グルタメート−ニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そしてその混合物を140℃で5分間、処理した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0206】
18F−弗素化されたNi複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸(B)の開放:
HCl(2N, 0.3〜0.5ml)を、F−18グルタメート−ニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そしてその混合物を140℃で5分間、処理した。続いて、それを水酸化ナトリウム溶液(2N, 0.8〜1.0ml)により中和した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0207】
予備精製:
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の80%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0208】
放射−HPLCによる同定:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、R
t:F-19参照((rac)-4-F-Glu塩酸塩(ジアステレオマー混合物:1/5;上記に記載される)):12.22分(UV);放射能検出(Backman):12.64分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0209】
放射−TLCによる同定:
シリカゲルプレート(メッシュ60)、溶離剤n-BuOH, AcOH, H
2O (12:3:5)。検出:Phosphorimager:SI Malecular Dynamics。
図1。
【0210】
HPLC精製:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される個々の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。
【0211】
90%以上の放射化学純度及び15〜200mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0212】
例2:
2-アミノ-4-[F-19]フルオログルタミン(HPLC標準)の合成:
液体アンモニア(18g)を、7mlのメタノール中、0.27g(0.448mモル)のNi-BPB-4-F-GluOMe (M=602.28、例1に類似して調製された)の溶液に添加した。反応溶液を、RTで2時間、放置した。その溶液を真空下で濃縮し、そして残留物を分離用TLC(SiO
2、CHCl
3/Me
2CO(3:1))により精製した。この後、生成物をさらに、Sephadex LH-20(C
6H
6/エタノール(3:1))上で精製した。0.15g(0.255mモル、57%)のNi-BPB-4-F-Gln(M.W.587.28)を得た。
【0213】
2−アミノ-4-[F-18]フルオログルタミンの合成:
[F-18]放射性Ni-BPB-4-F-GluOMe複合体:
[F−18]弗化物(15−300mCi)を、洗浄溶液(2ml、MeCN(2ml)/テトラブチルアンモニウムカーボネート(TBAC、0.015ml、20%水性、pH8))により、QMAカートリッジから溶出した。溶出物を5mlのバイアルに集め、そして溶媒を、130℃で窒素流下で、共沸蒸留により除去した。
【0214】
求核置換:
乾燥[F−18]TBA弗化物を含む反応容器を80℃に冷却し(先行段階)、そして前駆体Ni-BPB-4-Br-GluOMe(MeCN中、5mg(0.5ml))の溶液を添加した。反応混合物を80℃で5〜10分間、維持した。反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))により調べた。それらの放射−TLCデータに基づいて、Ni-BPB-4-F-GluOMeにおける40〜60%のF−18の組込みを決定した。
【0215】
[
F-18]放射性Ni-BPB-4-F-Gln複合体:
1mlのt-BuOH及び1gの乾燥NH
3 (NaOH上で乾燥された)の混合物を、0.5mlのt−BuOH中、Ni-BPB-4-F-GluOMe(5〜50mCi)の溶液に添加した。その反応混合物を、エステル複合体がもはや検出されなくなるまで(TLC, シリカゲルプレート(Merck)、溶離剤:酢酸エチル/クロロホルム/酢酸(4/1/1))、42℃で7分間、加熱した。反応は定量的に進行し、そして4〜40mCiのNi-BPB-4-F-Glnを生成した。
【0216】
18F−弗素化されたNi-BPB-4-F-Gln複合体の分解及び4−[18F]フルオログルタミン酸の開放:
HCl(2N, 0.3〜0.5ml)を、[F−18]Ni-BPB-4-F-Glnニッケル前駆体のMeCN溶液に添加し、そして140℃で5分間、処理した。続いて、その混合物を水酸化ナトリウム溶液(2N, 0.8〜1.0ml)により中和した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5))により分析した。
TLC分析を、MiniGita TLC-スキャナー(Raytest, Gemany)上で実施した。
【0217】
予備精製:
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の70%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0218】
放射−HPLCによる同定:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、R
t:F-19参照((rac)-4-F-Gln塩酸塩):8.04分(UV);放射能検出(Backman):8.45分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0219】
HPLC精製:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。
92%以上の放射化学純度及び3〜31mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0220】
例3:
2−アミノ-3-[F-18]フルオロペンタンジカルボン酸の合成:
[F-18]弗化物―含有溶液(33μl、789MBq)を、1.5mlのアセトニトリル(1.0ml)中、20%の強度のテトラブチルアンモニウムカーボネート水溶液60μlの混合物に添加した。溶媒を、120℃のオーブン温度で窒素流下での蒸発により除去した。1mlの無水アセトニトリルを添加し、そして蒸発により除去した。この最後の段階を再び反復した。0.3mlの無水アセトニトリル中、3mgのジエチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(トルエンスルホニルオキシ)ペンタンジオエート(Chem. Pharm. Bull., 17, 5, (1969), 879-885)の溶液を、前記残留物に添加し、そして十分に撹拌した。90℃での15分間の加熱の後、40%強度の臭化水素水溶液2mlを添加した。反応混合物を、130℃のオーブン温度で30分間、及び過剰圧力下で撹拌した。
【0221】
粗生成物をHPLCにより放射性分析した:Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、
19F参照(J. Org. Chem.; 50; 17; (1985); 3163-3167)、(UV);放射能検出(Backman)。参照化合物と同時溶出される単一の放射性ピークを得た。
【0222】
[F-18]ラベルされた化合物の精製を、HPLC精製により実施した:Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。
19F参照化合物(J. Org. Chem.; 50; 17; (1985); 3163-3167)と同時に溶出される単一の放射性ピークを得た。得られる化合物がHPLCにより精製される場合、アニオン交換カートリッジによる前記予備精製は回避され得る。約92%の放射化学純度及び103MBqの放射能を有する生成物を得ることが可能であった。
【0223】
例4:
ジ−t−ブチルN−トリチルグルタメート:
トリエチルアミン(40ml)及び塩化トリチル(19.0g、68.5mモル)を、MeCl
2(100ml)に溶解されたジ−t−ブチルグルタミン酸塩酸塩(20.0g、68mモル、SIGMA、カタログ番号G-7501)に添加した。その溶液を室温で24時間、撹拌し、そして続いて、飽和炭酸ナトリウム溶液(3×)及び水(3×)により洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を真空下で除去し、そして得れらるオレンジ色に着色される油状物を、ヘキサン/MeCl
2(30/70)中、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。得られる白色固形物は、トリチル−OHの残留物を有する生成物を含んだ。
【0224】
トリチルアルコールを、最少量のMeCl
2に生成物混合物を溶解し、そしてヘキサンを、添加することにより結晶化した。濾過及び溶媒混合物の除去の後、無色の油状物を得た。収量:6.0g(18%)。TLC:Rf=0.5(MeCl
2)。元素分析C
32H
39NO
4:実測値C:76.4;H:7.6;N:2.9;計算値:C:76.6;H:7.8; N:2.8。
【0225】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−ヒドロキシペンタノエート:
n−ブチルリチウム(5.0ml、11mモル)を、三つ首フラスコにおいて、ヘキサン(50ml)中、シクロヘキシルイソプロピルアミン溶液(3.0ml、15mモル)に0℃で添加した。その溶液を0℃で30分間、撹拌し、続いて-78℃に冷却し、そしてヘキサン(50ml)中、ジ−t−ブチルN−トリチルグルタメート(5.0g、10mモル)により処理した。フラスコを、ガス入口管により供給し、そしてパラホルムアルデヒド及びアルゴンのためのガス入口を含む貯蔵容器に結合した。カルバニオンの形成の後、パラホルムアルデヒドを180℃に加熱し、そして得られるホルムアルデヒドガスを、アルゴンの流れ下で30分間、反応容器中に導いた。この間、槽温度を-78℃で維持した。続いて、冷却槽を除き、そして反応混合物を室温にゆっくり温め、そしてパラホルムアルデヒド残留物を除去するために濾過した。
【0226】
濾液を飽和塩化アンモニウム水溶液に添加し、そしてジエチルエーテル(3×250ml)により抽出した。組合された有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、そして続いて、溶媒を真空下で除去した。得られる黄色の油成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/MeCl
2 (10/90)により精製した。溶媒混合物の除去の後、無色の油状物を得た。収量:1.2g(25%)。TLC:Rf=0.3(MeCl
2)。元素分析C
33H
41NO
5:実測値C:74.5;H:7.5;N:2.8;計算値C:74.6; H:7.8; N:2.6。
【0227】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トルオイルスルホン酸ペンタノエート:
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−ヒドロキシヘプタノエート(532mg、1.00mモル)を、MeCl
2 (6ml)及びピリジン(1.2ml)に溶解した。p−トルエンスルホニル塩化物(118mg、0.62mモル)及びジメチルアミノピリジン(13.4mg、0.11mモル)を添加し、そして反応混合物を室温で一晩、窒素雰囲気下で撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(3×)により抽出し、組合された有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濾過し、そして溶媒を回転蒸発器状で除去した。粗生成物を少しのMeCl
2に溶解し、NH
2材料上に吸収し、そして酢酸エチル/ヘキサン(8:2)においてカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量:339mg(70%)。元素分析C
40H
47HO
7:実測値C:70.3;H:7.1;N;2.2;S:5.0;計算値C:70.1;H:6.9;N:2.0;S:4.7。
【0228】
t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−フルオロペンタノエート(HPLC参照):
無水弗化四ブチルアンモニウム(102mg、0.4mモル)を、無水THF(3ml)中、t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トリルスルホン酸(2S)−ヘプタノエート(54mg、0.08mモル)の溶液に添加した。その混合物を4時間、加熱還流した。反応混合物を室温に冷却した後、その混合物をMeCl
2により処理し、そして水性抽出(3×)にゆだねた。分離用薄層クロマトグラフィー(MeCl
2/メタノール(90/10))処理により、生成物を黄色の油状物として生成した。収量:22mg(51%)。元素分析C
33H
40NO
4:実測値C:74.4;H:7.7;N;2.8;計算値C:74.3;H:7.6;N:2.6。
【0229】
[
F-18]−t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−フルオロペンタノエート:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加し、そして空気の流れ下で乾燥した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(22mgのK2.2.2, 4.6mgのK
2CO
3, MeCN (1.77ml)、水(0.23ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アルゴンの流れ下で120℃で除去した。残留物を、1mlの無水MeCNと共に、アルゴンの流れ下で120℃で2度、共沸蒸留した。
【0230】
MeCN(0.2ml)中、t−ブチル2−トリチル−4−カルボ−t−ブチルオキシ−5−トリルスルホン酸(2S)−ヘプタノエート(4mg)のトシレート前駆体の溶液を、乾燥された[F-18]弗化物を含む容器に添加した。反応混合物を120℃で10分間、加熱した。続いて、溶媒をアルゴンの流れ下で除去した。溶媒(MeCN)を、窒素の流れ下で除去し、そして残留物を、140℃で5分間、HCl(6N、0.3〜0.5ml)により処理した。得られる反応混合物のサンプルを、放射−TLC(シリカゲル、溶離剤:n−ブタノール/酢酸/水(12/3/5)により分析した。
【0231】
TLC分析を、MiniGita TLCスキャナー(Raytest, Germany)上で実施した。
予備精製:
HCl処理(前段階)の後、粗生成物を、1mlの水に取り、そしてアニオン交換カートリッジ(Waters, SAX−OH形)に添加した。放射性生成物の80%を、カートリッジ上に保持した。放射性生成物を、塩化ナトリウム水溶液(0.4M, 2ml)により、カートリッジから溶出した。サンプルを、HPLCにより分析した。
【0232】
放射−HPLCによる同定:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm、R
t:F-19参照((rac)-4-F-Glu塩酸塩):14.53分(UV);放射能検出(Backman):14.68分。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。
【0233】
HPLC精製:
Pump:Gilson 305, 注入器:Rheodyne(20μlの注入ループ)、カラム:Zorbax-NH
2;4.6×150mm、移動相:NaH
2PO
4(10mM)/リン酸、pH3、流速:1ml/分、UV吸光検出器:Beckman 170放射検出器による一連のGilson116、UV検出器:210nm。参照化合物により同時溶出される単一の放射能ピークを得た。得られる生成物がHPLCにより精製される場合、前述のアニオン交換カートリッジによる予備精製は免除される。90%以上の放射化学純度及び20〜200mCiの放射能(崩壊のために校正された)を有する生成物を得ることが可能であった。
【0234】
例5:
1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)の合成(N. Sharma et al. Tetrahedron Lett. 2004, 45, 1403-1406に従っての):
水230ml中、15.29g(71.5mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び0.18g(0.87mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、230mlの酢酸エチル中、5.78g(17.9mモル)のBoc−γ−MsO−プロリンメチルエステルに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(80ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、50mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。
【0235】
その混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル=6.5:3.5〜5:5)により精製した。1.29g(20%)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)を、無色の固形物として得た。
元素分析C
12H
19NO
8S:実測値C: 42.90; H: 5.68; N: 4.14;計算値C: 42.73; H: 5.68; N: 4.15。
【0236】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)の合成(X. Zhang Tetrahedron Lett. 2001, 42, 5335-5338に従っての):
600mg(1.78mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、7.5mlのジクロロメタンに溶解した。1.5mlのメタノール及び12.3mg(0.089mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール=99.7:0.3〜99.6:0.4)により精製した。608mg(83%)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)を、無色の油状物として得た。
元素分析C
13H
23NO
9S:実測値C: 42.10; H: 6.29; N: 3.69;計算値C: 42.27; H: 6.28; N: 3.79。
【0237】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)のF−18ラベリング:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(2.47 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK
2CO
3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0238】
1mlのアセトニトリル中、5mg(13.6μモル)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−メタンスルホニルオキシペンタンジカルボキシレート(7a)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0239】
中間体6aを、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。533MBq(34% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を、64分の合成時間で得た。
【0240】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)の保護解除による4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)の合成:
1mlのアセトニトリル中、533MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、140℃(油槽温度)での撹拌下で開放バイアルにおいて5分間、加熱した。さらに、0.5mlの4NのHClを添加し、そしてその混合物を、140℃(油槽温度)での撹拌下で閉鎖バイアルにおいて5分間、加熱した。
【0241】
室温への冷却の後、その溶液を、約1.5mlの2NのNaOHの添加により中和した。
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[F-18]フルオロペンタンジカルボキシレート(6a)を定量的に(d.c.)、反応せしめ、4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)を得ることが可能であった。
【0242】
例6:
1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)のF-18ラベリング:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(3.27 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK
2CO
3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0243】
1mlのアセトニトリル中、5mg(14.9μモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−メタンスルホニルオキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8a)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。421MBq(23% d.c.)の1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、95分の合成時間で得た。
【0244】
1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの保護解除による4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)の合成:
0.5mlのアセトニトリル中、221MBqの1−tert−ブチル2−メチル4[F-18]フルオロ−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、0.5mlの6NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約600μlの4NのNaOHの添加により中和した。172MBq(91% d.c.)の4−[F-18]フルオログルタミン酸(5)を得た。
【0245】
例7:
1−tert−ブチル2−メチル4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成:
DMF(10ml)中、2.45g(10.0mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−[ヒドロキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(24)の溶液を、DMF(20ml)中、0.65g(15mモル)の水素化ナトリウムの懸濁液に添加した。15分後、DMF(10ml)中、5.56g(15.0mモル)の1,2−エタンジオールビストシレートの溶液を添加した。続いて、バッチを、電子レンジにおいて100℃で45分間、3つの部分で反応せしめた。
【0246】
バッチを濃縮し、そして水及び酢酸エチルにより処理した。相分離の後、水性相を酢酸エチルにより抽出した。組合された有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。1.2g(27%)の1−tert−ブチル2−メチル4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た。
元素分析C
20H
29NO
8S:実測値C: 54.20; H: 6.66; N: 3.23;計算値C: 54.16; H: 6.59; N: 3.16。
【0247】
1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(23)の合成:
水12.5ml中、1.07g(5.0mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び0.338g(0.15mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、20mlのジクロロメタン中、0.44g(1mモル)の1−tert−ブチル2−メチル−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(20ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、5mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。
【0248】
その混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。0.11g(24%)の1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(23)を、無色の油状物として得た。
元素分析C
20H
27NO
9S:実測値C: 52.37; H:6.02; N:3.11;計算値C: 52.51; H: 5.95; N: 3.06。
【0249】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)の合成:
100mg(0.22mモル)の1−tert−ブチル2−メチル5−オキソ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを、3mlのジクロロメタンに溶解した。1mlのメタノール及び6mg(0.04mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)により精製した。97mg(91%)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)を、無色の油状物として得た。
元素分析C
21H
31NO
10S:実測値C: 51.48; H: 6.36; N: 2.88;計算値C: 51.52; H: 6.38; N:2.86。
【0250】
ジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)のF−18ラベリング:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(1.57 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK
2CO
3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0251】
1mlのアセトニトリル中、5mg(10.2μモル)のジメチル2−tertブトキシカルボニルアミノ−4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)エトキシ]ペンタンジカルボキシレート(25)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0252】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。337MBq(35% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)を、78分の合成時間で得た。
【0253】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)の保護解除による2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(20)の合成:
1mlのアセトニトリル中、337MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(22)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。
室温への冷却の後、その溶液を、約700μlの2NのNaOHの添加により中和した。
288MBq(98% d.c.)の2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(20)を得た。
【0254】
1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの合成:
DMF(10ml)中、2.45g(10.0mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−[ヒドロキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(24)の溶液を、DMF(20ml)中、0.65g(15mモル)の水素化ナトリウムの懸濁液に添加した。15分後、DMF(10ml)中、1.90g(15.0mモル)の1−ブロモ−2−フルオロエタンの溶液を添加した。続いて、バッチを、電子レンジにおいて100℃で45分間、3つの部分で反応せしめた。
【0255】
バッチを濃縮し、そして水及び酢酸エチルにより処理した。相分離の後、水性相を酢酸エチルにより抽出した。組合された有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。2.10g(48%)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た。
元素分析C
13H
22FNO
5:実測値C: 54.48; H: 7.70; N: 4.85;計算値C: 53.60; H: 7.61; N: 4.81。
【0256】
1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)の合成:
水50ml中、4.3g(20.0mモル)の過ヨウ素酸ナトリウム及び1.7g(0.6mモル)の塩化ルテニウム(III )水和物の溶液を、80mlのジクロロメタン中、1.45g(5mモル)の1−tert−ブチル2−メチル−4−(2−フルオロエトキシ)−ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートに添加した。その混合物を室温で3日間、激しい撹拌下で放置した。続いて、相を分離し、水性相を酢酸エチル(25ml)により2度、抽出し、そして組合された有機相を、10mlのイソプロパノールと共に30分間、撹拌した。その混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)により精製した。0.26g(17%)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)を得た。
元素分析C
13H
20FNO
6:実測値C: 51.18; H:6.55; N:3.54;計算値C:51.14; H: 6.60; N:4.59。
【0257】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)の合成:
150mg(0.49mモル)の1−tert−ブチル2−メチル4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(26)を、5mlのジクロロメタンに溶解した。2mlのメタノール及び6mg(0.04mモル)の炭酸カリウムを添加した。得られる混合物を室温で3時間、撹拌した。続いて、溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール)により精製した。145mg(88%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)を得た。
元素分析C
14H
24FNO
7:実測値C: 40.06; H:7.11; N:4.12;計算値C: 49.85; H:7.17; N:4.15。
【0258】
2−アミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸(28):
100mgのジメチル3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタンジカルボキシレート(27)を、50mlのメタノールに溶解し、そして1mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×5mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸28を、H
+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH
3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0259】
例8:
ジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての):
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、1.10g(5.45mモル)の1,3−ジブロモプロパンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。
【0260】
組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.490g(34%)のジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)を、無色の油状物として得た。
元素分析C
15H
26BrNO
6:実測値C:45.21; H:6.53; N:3.60;計算値C:45.46; H:6.61; N:3.53。
【0261】
ジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)のF−18ラベリング:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(1.33 GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK
2CO
3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
【0262】
1mlのアセトニトリル中、5mg(12.6μモル)のジメチル2−(3−ブロモプロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタンジカルボキシレート(33)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0263】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。346MBq(46% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)を、90分の合成時間で得た。
【0264】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)の保護解除による2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(29)の合成:
1mlのアセトニトリル中、346MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(31)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約650μlの2NのNaOHの添加により中和した。
288MBq(96% d.c.)の2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(29)を得た。
【0265】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての):
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、0.77g(5.45mモル)の1−ブロモ−3−フルオロプロパンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.318g(29%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)を得た。
元素分析C
15H
26FNO
6:実測値C:53.88 ; H:7.87; N:4.13;計算値C:53.72; H:7.81; N:4.18。
【0266】
2−アミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸(38):
200mgのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタンジカルボキシレート(36)を、75mlのメタノールに溶解し、そして1.5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、50mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×10mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸38を、H
+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH
3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0267】
例9:
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての):
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(35)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、2.17g(5.45mモル)の1,4−ブタンジオールジトシレートの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。
【0268】
その混合物を60分間、撹拌した。それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜20:80)により精製した。0.418g(23%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)を得た。
元素分析C
23H
35NO
9S:実測値C:54.9; H:7.1; N:2.7;計算値C:55.07; H:7.03; N:2.79。
【0269】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)のF−18ラベリング:
[F-18]弗化物を、[0-18](p, n)[F-18]反応により、サイクロ(登録商標)トロンにおいて調製した。アイソトープ溶液(3.08GBq)を、Sep-Pack Light QMAカートリッジに添加した。[F-18]弗化物を、Kryptofix2.2.2/K
2CO
3溶液(5gのK2.2.2, 1mgのK
2CO
3, MeCN (1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶出した。溶媒を、アセトニトリル(3度、1ml)の添加を伴って、窒素流下で120℃で除去した。
1mlのアセトニトリル中、5mg(10.0μモル)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(トルエン−4−スルホニルオキシ)ブチル]ペンタンジカルボキシレート(34)を添加し、そしてその得られる混合物を100℃で10分間、撹拌した。約60℃への冷却の後、その混合物を、Silica-Plusカートリッジにより添加した。
【0270】
中間体を、HPLC(C18、アセトニトリル/水)により精製した。HPLC画分を、水(約50ml)により希釈し、そしてC18カートリッジにより添加した。中間体を、1mlのアセトニトリルにより溶出した。812MBq(48% d.c.)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)を、92分の合成時間で得た。
【0271】
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)の保護解除による2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸ジメチル(30)の合成:
1mlのアセトニトリル中、812MBqのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F-18]フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(32)を、0.5mlの4NのHClにより処理した。その混合物を、130℃(油槽温度)での撹拌下で10分間、加熱した。室温への冷却の後、その溶液を、約700μlの2NのNaOHの添加により中和した。
691MBq(97% d.c.)の2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸(30)を得た。
【0272】
ジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)の合成(S. Hanessian, et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085に従っての):
LiHMDS(7.8ml、THF中、1Mの溶液)を、乾燥THF(20ml)中、1.00g(3.63mモル)のジメチルN−Boc−グルタメート(26)の溶液に-78℃で添加した。得られる混合物を、-78℃で45分間、撹拌した。続いて、THF(10ml)中、0.84g(5.45mモル)の1−ブロモ−
4−フルオロ
ブタンの溶液を、-78℃でゆっくり滴下した。その混合物を60分間、撹拌した。
【0273】
それを、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、RTに暖め、そしてジクロロメタンにより抽出した。組合された有機相を飽和塩化ナトリウム溶液により洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、そして粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン10:90〜40:60)により精製した。0.596g(47%)のジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(
4−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)を得た。
元素分析C
16H
28FNO
6:実測値C:54.94 ; H:8.01; N:4.04;計算値C:55.00; H:8.08; N:4.01。
【0274】
2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタンジカルボン酸(39):
300mgのジメチル2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(
4−フルオロブチル)ペンタンジカルボキシレート(37)を、100mlのメタノールに溶解し、そして5mlのHCl(6N)により、撹拌下で処理した。その反応混合物を、15〜20分間、加熱還流し、濃縮乾燥し、100mlの水により希釈し、そして塩酸塩を濾過し、そして3×25mlの水により注意して洗浄した。アミノ酸
39を、H
+形における50w×8Dowexカラム(溶離剤:5%水性NH
3)上でのイオン交換クロマトグラフィーにより単離した。
【0275】
例10:
生物学的特徴づけ:
[
18F]グルタミン酸の腫瘍細胞摂取の評価のために、細胞摂取実験を、ヒトA549(非小細胞気管支癌)及びHT29(結腸癌)細胞において実施した。グルタミン酸誘導体の腫瘍細胞摂取を、[
18F]FDG(腫瘍学的PET調査のためのゴールド標準)と比較した。結果は、
図1に示される。
【0276】
図2:A549細胞における[
18F]−4−グルタミン酸[20〜35μM](左側)及び[F-18]FDG[2μM](右側)の時間−依存性腫瘍細胞摂取の比較。細胞を、250kBq/ウェルでインキュベートした。置換実験のためには、L−グルタミン酸(1mM)又はグルコース(5mM)を使用した(平均値±標準偏差、n=3)。
【0277】
A549及びHT29腫瘍細胞における[
18F]−4−グルタミン酸の驚くべき高い摂取は、それらの弗素化されたグルタミン酸誘導体が本発明の目的のための腫瘍表示のための可能性を有することを示す。
類似する摂取結果が、[
18F]−4−グルタミン、2−アミノ−4−(2−[F-18]フルオロエトキシ)ペンタンジカルボン酸及び2−アミノ−4−(3−[F-18]フルオロプロピル)ペンタンジカルボン酸について達成された。
【0278】
実験動物における腫瘍増大及び組織分布の評価のために、[
18F]−4−グルタミン酸を、NMRIヌードマウスにおけるネズミF9奇形癌モデル及びC57B16マウスにおけるネズミB16F1メラノーマモデルにおいて試験した。
【0279】
このためには、それぞれ1×10
6個の細胞(F9)又は5×10
5個の細胞(B16F1)を、100μlのリン酸緩衝化された生理食塩溶液に懸濁し、そしてその対応する実験動物種(F9についてはNMRI及びB16F1についてはC57B16)の右、後部側腹部に皮下接種した(Berndorff et al. Clin. Cancer Res. 2005, 11 , 2005)。14日(F9)及び10日(B16)後、腫瘍は約80〜100mm
2のサイズに達した。[
18F]−4−グルタミン酸(370kBq, 100μlの生理食塩水における)を、尾静脈により静脈内投与した。個々の場合、15、60及び120分後、動物を殺し、器官及び腫瘍を除き、計量し、そして放射能含有量を測定した。その対応するデータは、表1〜4に要約される。
【0280】
[
18F]−4−グルタミン酸の組織分布を、C-14ラベルされたグルタミン酸の腫瘍モデルと同じ腫瘍モデルにおいて比較し、ここで111kBqの[
14C]−5−グルタミン酸が静脈内投与され、そして動物は、30、60及び240分後(F9)及び15, 60及び120分後(B16F1),殺され、そして分析された(表5〜8)。
それらの結果を比較すると、C−14−ラベルされたグルタミン酸が両腫瘍モデルにおいて調べられた。その対応する器官分布の結果は、表5〜9に再生されている。
【0281】
驚くべきことには、静脈内注入の後(15分)、[
18F]−4−グルタミン酸は、2.90% ID/g(F9奇形癌)又は3.55% ID/g (B16メラノーマ)の最大腫瘍増大を示し、ところが天然の基質[
14C]−5−グルタミン酸の場合、類似する初期時間(30分)での最大腫瘍増大は、F9奇形癌において、わずか0.81% ID/gであり、そして同じ時間で、B16F1メラノーマにおいては、1.23%である。
【0282】
静脈投与の1時間後でさえ、その値は、F9奇形癌において1.75% ID/g及びB16F1メラノーマにおいて2.14% ID/gであり、[
14C]−5−グルタミン酸の場合、わずか0.98% ID/g (F9奇形癌)及び1.03% ID/g (B16F1メラノーマ)であり、明らかに前記の方が高い。
【0283】
生理学的活性組織/器官からの急速な排泄により連結される、弗素化された化合物のより高い腫瘍増大は、[
14C]−5−グルタミン酸に対して[
18F]−4−グルタミン酸の明らかに改良された腫瘍/バックグラウンド比を導く。弗素化された化合物についてのB16F1メラノーマモデルにおける腫瘍/血液比率は、5.3(1時間のp.i.)及び7.9(2時間のp.i.)であり、従って、[
14C]−5−グルタミン酸についてよりも、それぞれ2及び3.5倍高い。
【0284】
B16F1メラノーマモデルにおける弗素化された化合物についての腫瘍/肝臓比率(PETトレーサーの安定性評価のための重要なパラメーター)は、3.6(1時間のp.i.)及び4.4(2時間のp.i.)であり、そして従って、[
14C]−5−グルタミン酸の場合よりもそれぞれ4.6及び5.5倍、高い。
[
18F]−4−グルタミン酸は、C−14−置換された天然の基質[
14C]−5−グルタミン酸に比較して、明確に改良された薬物動力学的性質を有する。
【0285】
【表1】
【0286】
【表2】
【0287】
【表3】
【0288】
【表4】
【0289】
【表5】
【0290】
【表6】
【0291】
【表7】
【0292】
【表8】
本件明細書の開示の概要
〔項1〕
下記一般式I:
【化1】
[式中、Aは、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)N(C
1-C
5アルキル)
2、
f)NH
2、
g)N(H)-L、
h)O-L、又は
i)O-Z、を表し;
Gは、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
f)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルキニル、を表し;
R
1及びR
2は、
a)水素、
b)
18F、
c)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
1-C
5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの
18F-ヒドロキシ-C
1-C
5アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
2-C
5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
2-C
5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、を表し、但し置換基R
1又はR
2の1つが正確に1つの
18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、
18Fアイソトープを含まず;
Lは、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルキニル、を表し;そして
Zは、金属カチオン同等物を表し;
nは0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項2〕
Aが、OH、メトキシ又はNH
2を表すことを特徴とする項1記載の化合物。
〔項3〕
Aが、OHを表すことを特徴とする項1又は2記載の化合物。
〔項4〕
Aが、NH
2を表すことを特徴とする項1又は2記載の化合物。
〔項5〕
R
1及びR
2が、水素、
18F、
18F−メトキシ、
18F−エトキシ、
18F−プロポキシ、
18F−メチル、
18F−エチル及び
18F−プロピルから成る群から選択され、但し置換基R
1又はR
2の1つは正確に1つの
18Fアイソトープを含み、そして他の置換基は、個々の場合、水素であることを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項6〕
R
1が、ヒドロキシル、CH
3、C
2H
5及びC
3H
7から成る群から選択され、そしてR
2が
18Fを表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項7〕
R
2が、ヒドロキシル、CH
3、C
2H
5及びC
3H
7から成る群から選択され、そしてR
1が
18Fを表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項8〕
R
1が
18Fを表し、そしてR
2が水素を表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項9〕
R
2が
18Fを表し、そしてR
1が水素を表すことを特徴とする項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
〔項10〕
Gが、OH、メトキシ又はエトキシから成る群から選択されることを特徴とする項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
〔項11〕
Zが、Mg
2+, Ca
2+, Na
+及びK
+から成る群から選択されることを特徴とする項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
〔項12〕
ZがNi
2+であることを特徴とする項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
〔項13〕
下記式:
【化2】
【化3】
で表される化合物から成る群から選択される項1記載の化合物。
〔項14〕
下記一般式(II):
【化4】
[式中、A’は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)N(C
1-C
5アルキル)
2、
f)NH
2、
g)N(H)-U、
h)N(H)-L'、又は
i)O-L'、を表し;
G’は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z’、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
f)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルキニル、を表し;
R
1及びR
2は、
a)水素、
b)
18F、
c)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
1-C
5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
1-C
5ヒドロキシアルキル、
f)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
2-C
5アルケニル、
g)枝分かれ又は枝なしの
18F-C
2-C
5アルキニル、
h)ヒドロキシル、
i)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、又は
j)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、を表し、但し置換基R
1又はR
2の1つが正確に1つの
18Fアイソトープを含み、そして他の置換基が個々の場合、
18Fアイソトープを含まず;
Qは、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-p−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化5】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)
2、を表し;
L’は、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルキニル、を表し;
Uは、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、
d)エトキシカルボニル、
e)メトキシカルボニル、又は
f)プロポキシカルボニル、を表し;
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、又は
c)アラルキル、を表し;そして
Z’は、金属カチオン同等物を表し;
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項15〕
A’が、OH、枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、-NH-tert-ブトキシカルボニル又はNH
2を表わすことを特徴とする項14記載の化合物。
〔項16〕
A’が、エトキシを表わすことを特徴とする項14又は15記載の化合物。
〔項17〕
A’が、NH
2を表わすことを特徴とする項14〜16のいずれか1項記載の化合物。
〔項18〕
R
1及びR
2が、水素、
18F、
18F−メトキシ、
18F−エトキシ、
18F−プロポキシ、
18F−メチル、
18F−エチル及び
18F−プロピルから成る群から選択され、但し置換基R
1又はR
2の1つは正確に1つの
18Fアイソトープを含み、そして他の置換基は、個々の場合、水素であることを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項19〕
R
1が、ヒドロキシル、CH
3、C
2H
5及びC
3H
7から成る群から選択され、そしてR
2が
18Fを表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項20〕
R
2が、ヒドロキシル、CH
3、C
2H
5及びC
3H
7から成る群から選択され、そしてR
1が
18Fを表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項21〕
R
1が
18Fを表し、そしてR
2が水素を表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項22〕
R
2が
18Fを表し、そしてR
1が水素を表すことを特徴とする項14〜17のいずれか1項記載の化合物。
〔項23〕
G’が、OH、エトキシ、メトキシ及びOZ’から成る群から選択されることを特徴とする項14〜22のいずれか1項記載の化合物。
〔項24〕
G’がエトキシを表わすことを特徴とする項14〜23のいずれか1項記載の化合物。
〔項25〕
Z’が、Na
+、K
+、Ca
2+及びMg
2+から成る群から選択されることを特徴とする項14〜24のいずれか1項記載の化合物。
〔項26〕
Z’がNi
2+であることを特徴とする項14〜24のいずれか1項記載の化合物。
〔項27〕
Qが、N(H)-tert-ブトキシカルボニル、N(H)-ベンジルオキシカルボニル、及び下記式:
【化6】
[式中、X及びX’はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール又は
c)アラルキル、を表わす]
から成る群から選択されることを特徴とする項14〜26のいずれか1項記載の化合物。
〔項28〕
QがN(H)-tert-ブトキシカルボニルを表わすことを特徴とする項14〜27のいずれか1項記載の化合物。
〔項29〕
Qが下記式:
【化7】
を表わすことを特徴とする項14〜27のいずれか1項記載の化合物。
〔項30〕
下記式:
【化8】
で表わされる化合物から成る群から選択される項14記載の化合物。
〔項31〕
項14〜30のいずれか1項記載の一般式(II)で示されるような化合物の前駆体化合物及びF-18弗素化合物を反応することによる、項1〜13のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物の調製方法。
〔項32〕
項36記載の一般式(III)で示される化合物の前駆体化合物とF-18弗素化合物とを反応させることによる、項14〜30のいずれか1項記載の一般式(II)の化合物の調製方法。
〔項33〕
薬剤としての使用のための項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項34〕
腫瘍の診断への使用のための項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項35〕
腫瘍の診断のための薬剤の製造のためへの項1〜30のいずれか1項記載の化合物の使用。
〔項36〕
下記一般式(III):
【化9】
[式中、A"は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)N(C
1-C
5アルキル)
2、
f)NH
2、
g)N(H)-U’、
h)N(H)-L"、又は
i)O-L"、を表し;
G"は、
a)ヒドロキシル、
b)O-Z"、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルケニル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
f)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルキニル、又は
g)トリフェニルメトキシ、を表し;
R
3及びR
4は、
a)水素、
b)枝分かれ又は枝なしのE-C
1-C
5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのE-C
1-C
5アルキル、
d)枝分かれ又は枝なしのE-ヒドロキシ-C
1-C
5アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのE-C
2-C
5アルケニル、
f)枝分かれ又は枝なしのE-C
2-C
5アルキニル、
g)ヒドロキシル、
h)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、又は
i)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、を表し、但し置換基R
3又はR
4の1つが正確にEを含み、そして他の置換基が個々の場合、Eを含まず;
Eは、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q’は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-P−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化10】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)
2、を表し;
L"は、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルキニル、を表し;
U’は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
X’及びX"はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)置換された又は置換されていないアリール、
c)アルキルアリール、又は
d)ヘテロアリール、を表し;
Z"は、金属カチオン同等物を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体。
〔項37〕
式(I)又は(II)の化合物の調製のための、下記式(IV):
【化11】
[式中、A'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルコキシ、
c)枝分かれ又は枝なしのヒドロキシC
1-C
5アルコキシ、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)N(C
1-C
5アルキル)
2、
f)NH
2、
g)N(H)-U"、
h)N(H)-L'''、又は
i)O-L'''、を表し;
G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
R
5及びR
6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R
5又はR
6の1つが正確にE’を含み、そして他の置換基が個々の場合、水素を含み;
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q"は、
a)N(H)-tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)-アリルオキシカルボニル、
c)N(H)-ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)-エトキシカルボニル、
e)N(H)-メトキシカルボニル、
f)N(H)-プロポキシカルボニル、
g)N(H)-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)-1,1-ジメチルプロピニル、
i)N(H)-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)-シクロブチルカルボニル、
l)N(H)-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)-ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)-アダマンチルカルボニル、
p)N(H)-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)-シンナミルカルボニル、
r)N(H)-ホルミル、
s)N(H)-ベンゾイル、
t)N(H)-トリチル、
u)N(H)-P−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)-ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)下記式:
【化12】
x)N-(tert-ブトキシカルボニル)
2、を表し;
L'''は、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルケニル、
c)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、又は
d)枝分かれ又は枝なしのC
2-C
5アルキニル、を表し;
U"は、
a)tert-ブトキシカルボニル、
b)アリルオキシカルボニル、
c)ベンジルオキシカルボニル、又は
d)エトキシカルボニル、を表し;
X"及びX'''はお互い独立して、
a)枝分かれ又は枝なしのC
1-C
5アルキル、
b)置換されているか又は置換されていないアリール、
c)アルキルアリール、又は
d)ヘテロアリール、を表し;そして
nは、0、1又は2である]
で表される化合物、及びそのジアステレオマー及び鏡像異性体の使用。
〔項38〕
式(I)又は(II)の化合物の調製のためへの下記式(V):
【化13】
[式中、G'''は、
a)ヒドロキシル、
b)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル、
c)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルケニル、
d)枝分かれ又は枝なしのO-C
1-C
5アルキル-(O-C
1-C
4アルキル)
n-O-C
1-C
4アルキル、
e)枝分かれ又は枝なしのO-C
2-C
5アルキニル、又は
f)トリフェニルメトキシ、を表し;
R
5及びR
6は、
a)水素、又は
b)E’、を表し、但し置換基R
5又はR
6の1つが正確にEを含み、そして他の置換基が個々の場合、Eを含まず;
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメシルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、又は
f)トシルオキシ、を表わし;
Q'''は、
a)N-tert-ブトキシカルボニル、
b)N-アリルオキシカルボニル、
c)N-ベンジルオキシカルボニル、
d)N-エトキシカルボニル、
e)N-メトキシカルボニル、
f)N-プロポキシカルボニル、
g)N-2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N-1-メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N-1-メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N-シクロブチルカルボニル、
l)N-1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N-ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N-アダマンチルカルボニル、
p)N-ジフェニルメチルカルボニル、
q)N-シンナミルカルボニル、
r)N-ホルミル、又は
s)N-ベンゾイル、を表し;そして
nは、0、1、2又は3である]
で表される化合物、及びその可能性あるすべてのジアステレオマー及び鏡像異性体の使用。
〔項39〕
前記化合物が、37−600MBqの用量範囲でPET診断のために適切であることを特徴とする項1〜30のいずれか1項記載の化合物。
〔項40〕
前記化合物が、150−370MBqの用量範囲で特に適切であることを特徴とする項39記載の化合物。