特許第5749854号(P5749854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749854
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】インダクタを有するインターポーザ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20140101AFI20150625BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20150625BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   H01L25/04 Z
   H01L23/12 B
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-502574(P2014-502574)
(86)(22)【出願日】2012年2月22日
(65)【公表番号】特表2014-509793(P2014-509793A)
(43)【公表日】2014年4月21日
(86)【国際出願番号】US2012026061
(87)【国際公開番号】WO2012134666
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2014年12月5日
(31)【優先権主張番号】13/075,059
(32)【優先日】2011年3月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス,マイケル・オー
(72)【発明者】
【氏名】カープ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】キレエフ,ワシリー
(72)【発明者】
【氏名】ウー,エフレム・シィ
【審査官】 金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/014985(WO,A1)
【文献】 特開2009−117453(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/001992(WO,A1)
【文献】 特開2006−165289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12−23/15
H01L 23/32
H01L 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチップモジュールであって、
半導体ダイと、
前記半導体ダイに結合されるインターポーザと、
第1のインダクタとを備え、前記インターポーザは前記第1のインダクタを含み、さらに
前記第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタを備え、前記半導体ダイは前記第2のインダクタを含み、さらに
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタに並列に結合されるコンデンサを備え
前記コンデンサは第1のプレートおよび第2のプレートを有し、
前記半導体ダイは前記第1のプレートを含み、
前記インターポーザは前記第2のプレートを含み、
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタはTコイルネットワークの一部である、マルチチップモジュール。
【請求項2】
静電放電回路は、前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとを相互接続するノードで結合される、請求項1に記載のマルチチップモジュール。
【請求項3】
前記インターポーザは前記静電放電回路を含む、請求項2に記載のマルチチップモジュール。
【請求項4】
前記半導体ダイは前記静電放電回路を含む、請求項2に記載のマルチチップモジュール。
【請求項5】
記第1のプレートおよび前記第2のプレートは、前記マルチチップモジュールの動作の間、容量結合のために互いに対して位置決めされる、請求項1に記載のマルチチップモジュール。
【請求項6】
前記第1のプレートの底面は前記第2のプレートの頂面と実質的に同一表面にあり、
前記底面は前記半導体ダイの外面であり、
前記頂面は前記インターポーザの外面であり、
前記底面と前記頂面との間に間隙が規定され、
前記間隙は、前記半導体ダイを前記インターポーザからオフセットする内部インターコネクト構造によって少なくとも部分的に設けられる空気間隙である、請求項に記載のマルチチップモジュール。
【請求項7】
前記半導体ダイは静電放電回路を含み、
前記静電放電回路は前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとを相互接続するノードで結合される、請求項に記載のマルチチップモジュール。
【請求項8】
マルチチップモジュールを形成する方法であって、
インターポーザを形成することと、
前記インターポーザ内に第1のインダクタを形成することと、
前記インターポーザに結合される半導体ダイを形成することと、
前記第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタを形成することとを備え、前記半導体ダイは前記第2のインダクタを含み、さらに
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタに並列に結合されるコンデンサを形成することを備え、前記コンデンサは第1のプレートおよび第2のプレートを有し、前記半導体ダイは前記第1のプレートを含み、前記インターポーザは前記第2のプレートを含み、
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタはTコイルネットワークの一部である、方法。
【請求項9】
前記半導体ダイ内に静電放電回路を形成することと、
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとを相互接続するノードで前記静電放電回路を結合することとをさらに備える、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとを相互接続するノードに静電放電回路を形成することをさらに備え、前記インターポーザは前記静電放電回路を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
マルチチップモジュールであって、
半導体ダイと、
前記半導体ダイに結合されるインターポーザと、
第1のインダクタとを備え、前記インターポーザは前記第1のインダクタを含み、さらに
前記第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタを備え、前記半導体ダイは前記第2のインダクタを含み、さらに
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタに並列に結合されるコンデンサを備え、前記インターポーザは前記コンデンサを含み、
前記第1のインダクタおよび前記第2のインダクタはTコイルネットワークの一部である、マルチチップモジュール。
【請求項12】
前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとを相互接続するノードに結合された静電放電回路をさらに備える、請求項11に記載のマルチチップモジュール。
【請求項13】
前記インターポーザは前記静電放電回路を含む、請求項12に記載のマルチチップモジュール。
【請求項14】
前記半導体ダイは前記静電放電回路を含む、請求項12に記載のマルチチップモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
実施形態は集積回路デバイス(IC)に関する。より特定的には、実施形態は、インダクタを有するインターポーザを備えるマルチチップモジュールおよび/またはトランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ICは段々と高速になっている。すなわち、ICの動作の周波数が増大している。動作の周波数がより高くなると、リターンロスおよび/または周波数応答のような問題がより関連してくる。したがって、これらの問題の1つ以上に対処するICを提供することが望ましくかつ有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
要約
1つ以上の実施形態は、インダクタを有するインターポーザを備えるマルチチップモジュールおよび/またはトランシーバに一般的に関する。
【0004】
マルチチップモジュールの実施形態は、半導体ダイと、半導体ダイに結合されるインターポーザと、第1のインダクタとを備えることができ、インターポーザは、第1のインダクタと、第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタと、第1のインダクタおよび第2のインダクタに並列に結合されるコンデンサとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、静電放電回路は第1のインダクタと第2のインダクタとを相互接続するノードで結合可能である。
【0006】
いくつかの実施形態では、インターポーザは静電放電回路を含むことができる。
いくつかの実施形態では、半導体ダイは静電放電回路を含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、インターポーザは第2のインダクタとコンデンサとを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、半導体ダイは第2のインダクタを含むことができる。
いくつかの実施形態では、第1のインダクタおよび第2のインダクタはTコイルネットワークの一部であることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、コンデンサは第1のプレートと第2のプレートとを有することができ、半導体ダイは第1のプレートを含むことができ、インターポーザは第2のプレートを含むことができ、第1のプレートおよび第2のプレートは、マルチチップモジュールの動作の間、容量結合のために互いに対して位置決め可能である。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のプレートの底面は、第2のプレートの頂面と実質的に同一表面にあることができ、底面は半導体ダイの外面であることができ、頂面はインターポーザの外面であることができ、底面と頂面との間に間隙を規定することができ、間隙は、半導体ダイをインターポーザからオフセットする内部インターコネクト構造によって少なくとも部分的に設けられる空気間隙であることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、半導体ダイは静電放電回路を含むことができ、静電放電回路は第1のインダクタと第2のインダクタとを相互接続するノードで結合可能である。
【0012】
マルチチップモジュールを形成する方法の実施形態は、インターポーザを形成することと、インターポーザ内に第1のインダクタを形成することと、第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタを形成することと、第1のインダクタおよび第2のインダクタに並列に結合されるコンデンサを形成することとを備えることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法の実施形態は、さらに、インターポーザに結合される半導体ダイを形成することを備えることができ、半導体ダイは第2のインダクタを含み、コンデンサは第1のプレートと第2のプレートとを有し、半導体ダイは第1のプレートを含み、インターポーザは第2のプレートを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法の実施形態は、さらに、半導体ダイ内に静電放電回路を形成することと、第1のインダクタと第2のインダクタとを相互接続するノードで静電放電回路を結合することとを備えることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、インターポーザは第2のインダクタとコンデンサとを含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法の実施形態は、さらに、第1のインダクタと第2のインダクタとを相互接続するノードに静電放電回路を形成することを備えることができ、インターポーザは静電放電回路を含む。
【0017】
マルチチップモジュールの別の実施形態は、半導体ダイと、導電層、誘電層、および基板を有するインターポーザと、半導体ダイをインターポーザに結合する複数の内部インターコネクト構造と、インターポーザを外部デバイスに結合するためのものである複数の外部インターコネクト構造と、インターポーザの導電層のうち1つ以上の少なくとも一部を備える第1のインダクタと、複数の内部インターコネクト構造のうちのある内部インターコネクト構造に結合される第1のインダクタの第1の端と、複数の外部インターコネクト構造のうちのある外部インターコネクト構造に結合される第1のインダクタの第2の端とを備えることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチチップモジュールの実施形態は、さらに、第1のインダクタに直列に結合される第2のインダクタを備えることができ、第1のインダクタおよび第2のインダクタは、マルチチップモジュールの動作の間、誘導結合のために互いに対して位置決めされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、静電放電回路は第1のインダクタと第2のインダクタとを直列に相互接続するノードで結合可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、インターポーザは静電放電回路を含むことができる。
いくつかの実施形態では、半導体ダイは静電放電回路を含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、インターポーザは第1のインダクタと第2のインダクタとの両者を含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、インターポーザは第1のインダクタを含むことができ、半導体ダイは第2のインダクタを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のインダクタおよび第2のインダクタはTコイルネットワークの一部であることができ、Tコイルネットワークは、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって形成される直列に並列に結合されるコンデンサを含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、コンデンサは第1のプレートと第2のプレートとを有することができ、半導体ダイは第1のプレートを含むことができ、インターポーザは第2のプレートを含むことができ、第1のプレートおよび第2のプレートは、マルチチップモジュールの動作の間、容量結合のために互いに対して位置決め可能である。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のプレートの底面は、第2のプレートの頂面と実質的に同一表面にあることができ、底面は半導体ダイの外面であることができ、頂面はインターポーザの外面であることができ、底面と頂面との間に間隙を規定することができ、間隙は、半導体ダイをインターポーザからオフセットする内部インターコネクト構造によって少なくとも部分的に設けられる空気間隙であることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、半導体ダイは静電放電回路を含むことができ、静電放電回路は第1のインダクタと第2のインダクタとを直列に相互接続するノードで結合可能である。
【0027】
いくつかの実施形態では、マルチチップモジュールの実施形態は、さらに、ノードに接続される半導体ダイのドライバ回路をさらに備えることができ、ドライバ回路は、入力ドライバ、出力ドライバ、および入力/出力ドライバからなる群から選択され、さらに、第2のインダクタの第1の端に接続される半導体ダイの終端回路と、第2のインダクタの第1の端に接続される第1のプレートと、ノードに接続される第2のインダクタの第2の端とを備えることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第2のインダクタは半導体ダイのドライバ回路に結合可能であり、ドライバ回路は、入力ドライバ、出力ドライバ、および入力/出力ドライバからなる群から選択可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のインダクタは半導体ダイのドライバ回路に結合可能であり、ドライバ回路は、入力ドライバ、出力ドライバ、および入力/出力ドライバからなる群から選択可能である。
【0030】
マルチチップモジュールのまた別の実施形態は、第1のインダクタおよびコンデンサの第1のプレートを有するインターポーザと、第2のインダクタおよびコンデンサの第2のプレートを有する半導体ダイとを備えることができ、インターポーザと半導体ダイとは、第1のインダクタと第2のインダクタとを直列に結合するために互いに相互接続され、インターポーザおよび半導体ダイは、Tコイルネットワークの動作の間、第1のインダクタと第2のインダクタとの間の誘導結合のためおよび第1のプレートと第2のプレートとの間の容量結合のために互いに対して位置決めされる。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの各々の表面は、半導体ダイとインターポーザとの間のオフセットと関連付けられるそれらの間の空気間隙を規定することができ、第1のプレート、第2のプレート、および空気間隙は、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって形成される直列に並列に結合されるコンデンサを設けることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、半導体ダイは静電放電回路を含むことができ、静電放電回路は第1のインダクタと第2のインダクタとの間に位置するノードに結合可能である。
【0033】
トランシーバの実施形態は、直列に結合される第1のインダクタおよび第2のインダクタを含むTコイルネットワークと、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって形成される直列に並列に結合されるコンデンサと、第1のインダクタを含むインターポーザと、第2のインダクタを含む半導体ダイとを備えることができ、インターポーザおよび半導体ダイは互いに相互接続され、第1のインダクタおよび第2のインダクタは、トランシーバの動作の間、誘導結合のために互いに対して位置決めされる。
【0034】
いくつかの実施形態では、インターポーザはコンデンサの第1のプレートを有することができ、半導体ダイはコンデンサの第2のプレートを有することができ、インターポーザおよび半導体ダイは、第1のプレートおよび第2のプレートが互いから分離されかつ動作の間互いに容量結合されるように相互接続可能である。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のインダクタと第2のインダクタとの間に位置するノードは、トランシーバのドライバトランジスタのゲートに接続可能である。
【0036】
添付の図面は例示的な実施形態を示す。しかしながら、示す実施形態に発明を限定するように添付図面をとらえるべきではなく、それらは説明および理解のためのみのものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】列状のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)アーキテクチャの例示的な実施形態を示す簡略化ブロック図である。
図2】マルチチップモジュールの例示的な実施形態を示す側面図である。
図3】インターポーザの例示的な実施形態を示す、図2の側面図の一部の拡大図である。
図4】インターポーザの例示的な実施形態を示す、図2の側面図の一部の拡大図である。
図5】インダクタを備えるインターポーザを有するマルチチップモジュールの例示的な実施形態を示す断面図である。
図6】Tコイルネットワークを有するマルチチップモジュールの例示的な実施形態を示す断面図である。
図7】半導体ダイの上およびインターポーザの上に部分的に形成されるTコイルネットワークを各々が有するマルチチップモジュールの例示的な実施形態を示す断面図である。
図8】半導体ダイの上およびインターポーザの上に部分的に形成されるTコイルネットワークを各々が有するマルチチップモジュールの例示的な実施形態を示す断面図である。
図9】Tコイルネットワークを有するマルチチップモジュールの入力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図10】Tコイルネットワークを有するマルチチップモジュールの出力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図11】Tコイルネットワークを有するマルチチップモジュールの入力/出力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図12】誘導性ネットワークを有するマルチチップモジュールの入力、出力、または入力/出力経路のうちいずれかの例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図13】誘導性ネットワークを有するマルチチップモジュールの入力、出力、または入力/出力経路のうちいずれかの例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図14】Tコイルネットワークを有する差動トランシーバの例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
図15】Tコイルネットワークを形成するためのプロセスフローの例示的な実施形態を示すフロー図である。
図16】トランシーバの周波数応答を向上させるためのプロセスフローの例示的な実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
詳細な説明
以下の説明では、具体的な実施形態のより完全な説明を与えるために、数多くの具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、以下に与える具体的な詳細のすべてがなくても発明を実施し得ることが明らかであるべきである。他の事例では、発明を曖昧にしないために周知の特徴を詳細に説明していない。図示の容易のため、同じ項目を指すのに異なる図で同じ参照符号を用いているが、代替的な実施形態では項目が異なることがある。
【0039】
いくつかの図で図示する例示的な実施形態を説明する前に、たとえば単一のインダクタ、複数のインダクタ、またはTコイルを限定なく含む誘導性ネットワークを用いてICの回路構成のリターンロスおよび/または周波数応答を向上させてもよい。しかしながら、半導体ダイの中に誘導性ネットワークを置くと、そのような半導体ダイの回路構成の動作と関連の問題を生じることがある。そのため、1つの実施形態では、そのような誘導性ネットワークのすべてまたは一部をマルチチップモジュールのインターポーザまたは担体の上に位置させることがある。さらに、別の実施形態では、半導体基板などの基板の上方および下方の両方に導電層が形成されるインターポーザについては、誘導性ネットワークは、そのような誘導性ネットワークがそのような半導体ダイの回路構成の動作との干渉を生じる可能性を低減するために、半導体ダイからさらに遠くに離して位置されることがある。インダクタは、2010年2月3日に出願され、出願番号12/699,734を割当てられた、Nui Chong他による“EMBEDDED INDUCTOR”と題された同時係属中の特許出願にさらに詳細に記載のように形成されることがある。
【0040】
誘導性ネットワークを有するインターポーザは、インターポーザに固有の容量性負荷を相殺するまたは低減する能力を有することがある。そのようなインターポーザに固有の容量性負荷は、基板貫通またはシリコン貫通ビア(TSV)、インターポーザの配線、またはたとえばマイクロバンプなどのダイ−インターポーザ相互接続のうち1つ以上に関することがある。インターポーザの容量性負荷のそのような低減または相殺は、並直列変換器−直並列変換器(SERDES)の使用のためなど、高速動作のために有用であることがある。
【0041】
以上の一般的な理解を念頭に置いて、マルチチップモジュールのためのいくつかの実施形態を以下に一般的に説明する。マルチチップモジュールの実施形態では、インダクタは、入力、出力、または入力/出力ピンとともに用いるためなどの、インターポーザの1つ以上の導電層を用いて形成される。別の実施形態では、Tコイルネットワークが形成され、そのようなネットワークの一部は半導体ダイの上に位置し、そのようなネットワークの別の一部はインターポーザの上に位置する。そのようなTコイルネットワークのコンデンサは、半導体ダイ上の1つのプレートとインターポーザ上の別のプレートとを、その間に間隙をおいて有する。これはピンまたはインターコネクトを用いる必要を回避する。すなわち、入力、出力、または入力/出力に既に割当てられている単一のインターコネクトを用いてもよい。このように、そのようなTコイルネットワークの使用によって消費し得るインターコネクトオーバーヘッドはない。また別の実施形態では、Tコイルネットワークをトランシーバの一部として実現する。
【0042】
上述の実施形態のうち1つ以上は特定の種類のICを用いて例示されるため、そのようなICの詳細な説明を以下に与える。しかしながら、他の種類のICが本明細書中に記載の実施形態のうち1つ以上から恩恵を受けることがあることを理解すべきである。
【0043】
プログラマブルロジックデバイス(PLD)は、特定された論理機能を実行するようにプログラム可能な周知の種類の集積回路である。PLDの一種であるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)は典型的に、プログラマブルタイルのアレイを含む。これらのプログラマブルタイルは、たとえば、入力/出力ブロック(IOB)、コンフィギュラブルロジックブロック(CLB)、専用ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)、乗算器、デジタル信号処理ブロック(DSP)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(DLL)などを含み得る。本明細書中で用いるように、「含む」および「含んでいる」は、限定されるのではなく、含むことを意味する。
【0044】
各々のプログラマブルタイルは典型的に、プログラマブルインターコネクトおよびプログラマブルロジックの両者を含む。プログラマブルインターコネクトは典型的に、プログラマブルインターコネクトポイント(PIP)によって相互接続された異なる長さの多数のインターコネクト配線を含む。プログラマブルロジックは、たとえば、関数生成器、レジスタ、算術論理などを含み得るプログラマブル素子を用いてユーザ設計のロジックを実現する。
【0045】
プログラマブルインターコネクトおよびプログラマブルロジックは典型的に、プログラマブル素子がどのように構成されるかを規定する内部構成メモリセルにコンフィギュレーションデータのストリームをロードすることによってプログラムされる。コンフィギュレーションデータは外部デバイスによりメモリから(たとえば外部PROMから)読み出されたりFPGAに書き込まれたりし得る。そうして、個別のメモリセルの集合的な状態がFPGAの機能を決める。
【0046】
別の種類のPLDはコンプレックスプログラマブルロジックデバイスまたはCPLDである。CPLDは、共に接続されるとともに、インターコネクトスイッチマトリックスによって入力/出力(I/O)リソースに接続された2つ以上の「機能ブロック」を含む。CPLDの各々の機能ブロックは、プログラマブルロジックアレイ(PLA)およびプログラマブルアレイロジック(PAL)デバイスで用いられるものと同様の2レベルAND/OR構造を含む。CPLDにおいて、コンフィギュレーションデータは典型的に不揮発性メモリ内のチップ上に記憶される。いくつかのCPLDでは、コンフィギュレーションデータは不揮発性メモリ内のチップ上に記憶され、次に初期コンフィギュレーション(プログラミング)シーケンスの一部として揮発性メモリにダウンロードされる。
【0047】
これらのプログラマブルロジックデバイス(PLD)のすべてについて、デバイスの機能性は、その目的のためにデバイスに与えられるデータビットによって制御される。データビットは、揮発性メモリ(たとえばFPGAおよびいくつかのCPLDのようなスタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえばいくつかのCPLDにおけるようなFLASHメモリ)、またはいずれの他の種類のメモリセルにも記憶可能である。
【0048】
他のPLDは、デバイス上のさまざまな素子をプログラマブルに相互接続する金属層などの処理層を適用することによってプログラムされる。これらのPLDはマスクプログラマブルデバイスとして公知である。PLDは、たとえば、ヒューズまたはアンチヒューズ技術を用いる他のやり方で実現することもできる。「PLD」および「プログラマブルロジックデバイス」という用語はこれらの例示的なデバイスを含むがこれらに限定されるものではなく、部分的にしかプログラマブルでないデバイスも包含する。たとえば、1つの種類のPLDは、ハードコードされたトランジスタロジックとハードコードされたトランジスタロジックをプログラマブルに相互接続するプログラマブルスイッチファブリックとの組合せを含む。
【0049】
以上注記したように、高度なFPGAは、アレイにいくつかの異なる種類のプログラマブルロジックブロックを含むことができる。たとえば、図1は、マルチギガビットトランシーバ(MGT)101、コンフィギュラブルロジックブロック(CLB)102、ランダムアクセスメモリブロック(BRAM)103、入力/出力ブロック(IOB)104、コンフィギュレーションおよびクロッキングロジック(CONFIG/CLOCKS)105、デジタル信号処理ブロック(DSP)106、専用入力/出力ブロック(I/O)107(たとえばコンフィギュレーションポートおよびクロックポート)、ならびにデジタルクロックマネージャ、アナログ−デジタル変換器、システムモニタロジックなどの他のプログラマブルロジック108を含む多数の異なるプログラマブルタイルを含むFPGAアーキテクチャ100を図示する。いくつかのFPGAは専用プロセッサブロック(PROC)110も含む。
【0050】
いくつかのFPGAにおいて、各々のプログラマブルタイルは、各々の隣接するタイル中の対応のインターコネクト素子へおよびそれからの標準化された接続部を有するプログラマブルインターコネクト素子(INT)111を含む。したがって、プログラマブルインターコネクト素子は、図示されるFPGAのためのプログラマブルインターコネクト構造を共に実現する。プログラマブルインターコネクト素子(INT)111は、図1の上部に含まれる例によって示されるように、同じタイル内にプログラマブルロジック素子へのおよびそれからの接続部も含む。
【0051】
たとえば、CLB102は、単一のプログラマブルインターコネクト素子(INT)111と共にユーザロジックを実現するようにプログラム可能なコンフィギュラブルロジック素子(CLE)112を含むことができる。BRAM103は、1つ以上のプログラマブルインターコネクト素子に加えてBRAMロジック素子(BRL)113を含むことができる。典型的に、タイルに含まれるインターコネクト素子の数はタイルの高さに依存する。図示される実施形態では、BRAMタイルは5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数(たとえば4つ)を用いることも可能である。DSPタイル106は適切な数のプログラマブルインターコネクト素子に加えてDSPロジック素子(DSPL)114を含むことができる。IOB104は、たとえば、プログラマブルインターコネクト素子111の1つのインスタンスに加えて入力/出力ロジック素子(IOL)115の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかなように、たとえばI/Oロジック素子115に接続される実際のI/Oパッドは典型的に、入力/出力ロジック素子115の領域に閉じ込められていない。
【0052】
図示される実施形態では、(図1に示される)ダイの中央近くの水平方向領域がコンフィギュレーションロジック、クロックロジックおよび他の制御ロジックのために用いられる。この水平方向領域または列から延在する鉛直方向列109はFPGAの幅に亘ってクロックおよびコンフィギュレーション信号を分配するのに用いられる。
【0053】
図1に図示されるアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大きな部分を構成する規則的な列状構造を分断する付加的なロジックブロックを含む。付加的なロジックブロックはプログラマブルブロックおよび/または専用ロジックであり得る。たとえば、プロセッサブロック110は、CLBおよびBRAMのいくつかの列に跨っている。
【0054】
図1は唯一の例示的なFPGAアーキテクチャを図示することを意図していることに注目されたい。たとえば、1行の中のロジックブロックの数、行の相対的な幅、行の数および順番、行に含まれるロジックブロックの種類、ロジックブロックの相対的なサイズ、ならびに図1の上部に含まれるインターコネクト/ロジック実現例は純粋に例示的なものである。たとえば、実際のFPGAでは、CLBの1つよりも多くの隣接する行は典型的にCLBが現れる場所であればどこでも含まれて、ユーザロジックの効率的な実現を容易にするが、隣接するCLB行の数はFPGAの全体的なサイズと共に変化する。
【0055】
図2は、マルチチップモジュール200の例示的な実施形態を示す側面図である。マルチチップモジュール200は、複数の半導体ダイ201と、インターコネクト構造205と、インターポーザまたは担体210と、インターコネクト構造206とを含む。インターコネクト構造205は一般的にマルチチップモジュール200の内部であり、インターコネクト構造206は一般的にマルチチップモジュール200の外部である。したがって、限定のためではなく明瞭性の目的のために、インターコネクト構造205を一般的に内部インターコネクト構造205と称し、インターコネクト構造206を一般的に外部インターコネクト構造206と称する。外部インターコネクト構造206は、たとえば、マルチチップモジュール200をプリント回路基板244に装着するためなど、インターポーザ210を外部デバイスに結合するためにインターポーザ210に装着されることがある。
【0056】
マルチチップモジュール200は、囲まれる、封入される、被覆されるなどされ得ることを理解すべきであるが、そのような囲まれること、封入されること、被覆されることなどは、マルチチップモジュール200の内部構成を曖昧にしないように、図示をしない。さらに、一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、ダイ201は、底面および頂面を用いる基準の目的のためにインターポーザ210の上方に位置するものとする。しかしながら、マルチチップモジュール200は、図2の図示から任意の角度に回転した向きで用いてもよいことを理解すべきである。
【0057】
半導体ダイ201はさまざまな種類のダイのうち任意のものであってもよい。たとえば、半導体ダイ201の1つはFPGA100であり得、半導体ダイ201の別のものはメモリチップであり得、半導体ダイ201の他のものは半導体ダイのこれらおよび他の種類であり得る。
【0058】
半導体ダイ201は内部インターコネクト構造205によってインターポーザ210に相互接続され得る。一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、内部インターコネクト構造205は、「マイクロバンプ」または「マイクロボール」であるとする。加えて、一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、外部インターコネクト構造206は「C4」バンプまたはボールであるとする。しかしながら、本明細書中の説明に従ってこれらまたは他の種類のインターコネクト構造を用いてもよいことを理解すべきである。
【0059】
内部インターコネクト構造205は半導体ダイ201をインターポーザ210からオフセットさせ、こうしてダイ201の底面およびインターポーザ210の頂面が間隙209を規定する。一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、間隙209は空気間隙であると仮定する。しかしながら、マルチチップモジュール200は囲まれてもよいので、別の種類の気体を用いてもよいことを理解すべきである。
【0060】
図3および図4は、インターポーザ210のそれぞれの例示的な実施形態を示す、図2の側面図の部分207のそれぞれの拡大図である。図3のインターポーザ210は基板301を含み、その上方に1つ以上の誘電層311および1つ以上の導電層401を形成してもよい。一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、基板301はたとえばシリコン基板などの半導体基板であるものとする。しかしながら、インターポーザ210がたとえばいずれのトランジスタまたはダイオードも含むことがない場合は、半導体基板の使用を回避してもよいことを理解すべきである。たとえば、半導体基板ではない誘電基板を「受動的」インターポーザに用いてもよい。
【0061】
1つ以上のトレースおよび/またはビアを形成するのに導電層401を用いてもよい。換言すると、導体は、インターポーザ210の誘電層中に、インターポーザ210の誘電層同士の間に、またはインターポーザ210の基板301の頂面306と誘電層との間に、インターポーザ210の頂面上に形成されるトレースを含んでもよい。導体は、基板301の中に形成されるトレースまたはインターポーザ210の基板301の中もしくはそれを通って形成されるビアを含んでもよいことをさらに理解すべきである。TSV303は、底面406から基板301の頂面306に延在し得る。しかしながら、TSV303は基板301の頂面306の上方または下方に延在してもよいことを理解すべきである。
【0062】
図3のインターポーザ210は、基板301の上方に形成される1つ以上の導電層401および1つ以上の誘電層311を有する。これに対し、図4のインターポーザ210は、両者ともが基板301の上方および下方に形成される、1つ以上の導電層401および1つ以上の誘電層311を有する。基板301は層を形成するために繰返して逆さにされてもよいことを理解すべきであり、そのため、基板301の上方および下方という参照は完全に作製されたインターポーザ210に対してのみであることを理解すべきである。
【0063】
このように、内部インターコネクト構造205から外部インターコネクト構造206へまたは外部インターコネクト構造206から内部インターコネクト構造205への信号経路に、図3または図4のインターポーザ210中の1つ以上の導電層401が設ける導電経路を用いてもよいことを理解すべきである。
【0064】
図5は、インダクタ512を備えるインターポーザ210を有するマルチチップモジュール200の例示的な実施形態を示す断面図である。左側のインダクタ512は、基板301下方に位置する1つ以上の導電層401を用いて形成され得る。右側のインダクタ512は、基板301上方に位置する1つ以上の導電層401を用いて形成され得る。このように、左側のインダクタ512は、右側のインダクタ512よりも半導体ダイ201からさらに離れた距離に位置し得る。この場合、右側のインダクタ512は基板301の上方に位置する1つ以上の導電層401を用いて形成される。
【0065】
インターポーザ210が図3に図示するものであるまたはそのようなものである場合、右側のインダクタ512を、基板301の上方に位置する1つ以上の導電層401の中にのみ形成してもよく、そうすると、半導体ダイ201の設計は、左側のインダクタ512よりも右側のインダクタ512からのインダクタンスをより厳密に考慮しなければならないかもしれない。さらに、左側のインダクタ512は半導体ダイ201からより遠くにあるため、右側のインダクタ512よりも大きなインダクタを用いてもよい。換言すると、そのようなインダクタンスが半導体ダイ201からさらに除去されるならば、マルチチップモジュール200はより大きなインダクタンスを許容し得る。加えて、インダクタ512は、近隣の信号経路同士の間のインダクタンスのクロスカップリングを低減するために、基板301の交互に上下にされ得る。
【0066】
しかしながら、いずれの実施形態でも、すなわちインターポーザ210が、1つ以上の導電層が基板301の上方に位置するまたは基板301の上方および下方に位置する構成であっても、インターコネクト構造205と206との間の信号経路501はそれぞれのインダクタ512によって形成され得る。
【0067】
信号経路501を設けるためにTSV303を形成してもよい。このように、左側のインダクタ512は1つの端が外部インターコネクト構造206に結合され、別の端がTSV303に結合されてもよく、TSV303は内部インターコネクト構造205に結合されてもよい。右側のインダクタ512については、別の内部インターコネクト構造205が右側のインダクタ512の端に結合されてもよく、右側のインダクタ512の別の端が別のTSV303に結合されてもよく、TSV303は外部インターコネクト構造206に結合されてもよい。
【0068】
図6は、Tコイルネットワーク620を有するマルチチップモジュール200の例示的な実施形態を示す断面図である。この例示的な実施形態では、Tコイルネットワーク620は基板301の下方に形成される。しかしながら、別の実施形態では、Tコイルネットワーク620は、図3または図4のような構成のインターポーザ210が用いられても、インターポーザ210中で基板301の上方に形成されてもよい。
【0069】
Tコイルネットワーク620は、インダクタ611と、インダクタ512と、コンデンサ601とを含む。この例示的な実施形態では、インダクタ512および611は、それらの間にノード610を備える直列のインダクタとして、基板301の下方に形成される。インダクタ611およびインダクタ512は、マルチチップモジュール200の動作の間、誘導結合のために互いに対して位置決めされる。直列のインダクタ512および611に並列にコンデンサ601が形成されてもよい。この構成のために、単一の外部インターコネクト構造206を支持するための2つの内部インターコネクト構造205を用いる。
【0070】
より特定的には、外部インターコネクト構造206は、インダクタ512の端およびコンデンサ601の底部プレートに結合される。インダクタ512の別の端はノード610を通ってインダクタ611の端に結合される。インダクタ611の別の端は、コンデンサ601の頂部プレートおよび左側のTSV303に結合される。左側のTSV303は、左側の内部インターコネクト構造205に結合される。そのような左側の内部インターコネクト構造205は、半導体ダイ201中の終端回路に結合されて、論理ロー、論理ハイ、または何らかの他の電圧レベルなどの参照電圧レベルを与え得る。ノード610は、右側の内部インターコネクト構造205との結合のため、右側のTSV303に結合される。右側の内部インターコネクト構造205は、さらに詳細に以下に説明するように、半導体ダイ201中の入力、出力、または入力/出力ドライバに結合されてもよい。
【0071】
Tコイルネットワーク620は、マルチチップモジュール200の内部インターコネクト構造と外部インターコネクト構造との間に設けられるシグナリングのために、リターンロスを低減するおよび/または周波数応答を増大させるために用いられてもよい。しかしながら、この構成では、各Tコイルネットワーク620毎に、2つの内部インターコネクト構造205が各外部インターコネクト構造206毎に用いられる。
【0072】
図7および図8は、半導体ダイ201上およびインターポーザ210上に部分的に形成されるTコイルネットワーク720を各々が有するマルチチップモジュール200のそれぞれの例示的な実施形態を示す断面図である。Tコイルネットワーク720は図6のTコイルネットワーク620とは大幅に異なるため、Tコイルネットワーク720については異なる参照番号を用いる。その理由は以下の説明からより明らかになるであろう。
【0073】
図7および図8のマルチチップモジュール200は、図7のマルチチップモジュール200が図4の構成のインターポーザ210を用い、図8のマルチチップモジュール200が図3の構成のインターポーザ210を用いることを除いて同じである。したがって、一例として、限定のためではなく明瞭性の目的のため、図7図8とを同時に参照して図7および図8のマルチチップモジュール200を説明する。
【0074】
インターポーザ210について、外部インターコネクト構造206はそのようなインターポーザ210のTSV303に結合される。そのようなTSV303は、インダクタ512の端およびコンデンサ601の底部プレート702に結合される。インダクタ512および底部プレート702の各々はインターポーザ210の一部として形成される。インダクタ512および底部プレート702はTコイルネットワーク720の一部である。インダクタ512の別の端は内部インターコネクト構造205に結合される。内部インターコネクト構造205は、インダクタ512および611から形成される直列の間に位置する、図6のノード610に類似のノードとして用いられてもよい。
【0075】
半導体ダイ201について、内部インターコネクト構造205の端はそのような半導体ダイ201のインダクタ611の端に結合される。そのようなインダクタ611の別の端はコンデンサ601の頂部プレート701に結合される。インダクタ611および頂部プレート701はTコイルネットワーク720の一部である。頂部プレート701およびインダクタ611の各々は半導体ダイ201の一部として形成される。
【0076】
本明細書中で用いるような用語「プレート」は、任意の特定の形状を指すのではなく、そのようなコンデンサの別の導電部材からコンデンサ誘電体によって離間されるコンデンサにおいて用い得る導電部材を単に指すことを理解すべきである。この例では、コンデンサ誘電体は空気間隙209である、またはより特定的にはプレート701と702との間に位置する空気間隙209の一部である。したがって、半導体ダイ201をインターポーザ210からオフセットする内部インターコネクト構造205は、少なくとも部分的に空気間隙209を設けるかまたは作り出し、これは、この例示的な実施形態では、誘電率kを与えるのに用いられることがある。一般的に、1気圧での空気の比誘電率は真空に対してほぼ1であり、したがって静電容量が一般的に約10〜200フェムトファラドの範囲で測定され得る適用例では、空気間隙コンデンサ誘電体を用いてもよい。
【0077】
頂部プレート701は半導体ダイ201の底面721上に形成されてもよいことを理解すべきである。底部プレート702はインターポーザ210の頂面722上に形成されてもよいことをさらに理解すべきである。プレート701および702のいずれかまたは両方を、それらがそれぞれ表面721および722と同一表面にあるまたは実質的に同一表面にある(実質的に同一表面にある)ように、凹ませてもよいことをさらに理解すべきである。プレート701および702のいずれかまたは両者ともが、それらがそれぞれ表面721および722の上方または下方に延在するように形成されてもよいことをさらに理解すべきである。一般的に、頂部プレート701の露出表面、すなわち頂部プレート701の底面、および底部プレート702の露出表面、すなわち底部プレート702の頂面は、互いに対して実質的に同一表面にあってもよい。マルチチップモジュールが前述のように囲まれ得るとしても、明瞭性の目的のため、頂部プレート701の露出表面が半導体ダイ201の外部表面と考えられてもよく、底部プレート702の露出表面がインターポーザ210の外部表面と考えられてもよいことを理解すべきである。
【0078】
インダクタ611および512は、動作の間、誘導結合のために位置決めされる。換言すると、半導体ダイ201およびインターポーザ210は、インダクタ512および611がマルチチップモジュール200の動作の間は誘導結合されるようにマルチチップモジュール200を形成するために互いに対して装着されると、整列する。同様に、頂部プレート701および底部プレート702は、Tコイルネットワーク720の動作の間、容量結合のために位置決めされる。換言すると、半導体ダイ201およびインターポーザ210は、頂部プレート701および底部プレート702がそれらの間に空気間隙209を有して、マルチチップモジュール200の動作の間は容量結合のために位置決めされるようにマルチチップモジュール200を形成するために互いに対して装着されると、整列する。したがって、半導体ダイ201とインターポーザ210とが相互接続される場合、コンデンサ601が形成されて、直列のインダクタに並列に結合される。すなわち、インダクタ611および512が直列に結合される。インダクタ611と512との間のノードは、以下にさらに詳細に説明するように、シグナリングのために用いられてもよい。Tコイルネットワーク720に関する他の詳細をさらに詳細に以下に説明する。
【0079】
図7および図8では、単一の内部インターコネクト構造205および対応の単一の外部インターコネクト構造206を用いて信号経路501を設けることを理解すべきである。したがって、そのような構成は、図6の構成と比べて、内部インターコネクト構造205を節約し得る。
【0080】
図9は、図7のTコイルネットワーク720を有するマルチチップモジュール200の入力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。この例示的な実施形態では、インダクタ512、インダクタ611、およびコンデンサ601は、図7および図8を参照して前述したように形成される。図9では、出力ドライバ回路(ドライバ)901の出力がノード902に結合される。ノード902はインダクタ611および512を直列に結合する。内部インターコネクト構造205は、限定のためではなく明瞭性の目的のために、図9には図示しない。
【0081】
この例示的な実施形態では出力ピンである外部インターコネクト構造206はノード922に結合される。ノード922はインダクタ512の端および底部プレート702にさらに結合される。
【0082】
一般的に、入力、出力、または入力/出力ピンは、不適切な取扱いによって生じるような静電放電(ESD)から保護される。したがって、ESD回路904がノード902に結合されてもよい。この例示的な実施形態のESD回路904は半導体ダイ201の中にある。ドーピングされた半導体ウェルに係る1つ以上のダイオードを含み得るESD回路904はインターポーザ210の中に位置しないため、インターポーザ210は「受動的」インターポーザ、すなわちドーピングされた半導体ウェルを用いる回路を有しないものと称され得るものである。
【0083】
ノード902に接続されていないインダクタ611の端は、終端回路903および頂部プレート701に結合されてもよい。終端回路903は、用いるシグナリングプロトコルに依存して異なることがある、電源電圧、接地、または他の終端回路に結合される抵抗であってもよい。
【0084】
図10は、図7のTコイルネットワーク720を有するマルチチップモジュール200の出力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。図10は、図9のような出力ドライバ901ではなく入力ドライバ1001を図10に図示し、そのため外部インターコネクト構造206が入力ピンであることを除いて図9と同じである。図10では、入力ドライバ1001の入力がノード902に結合される。図10の残余は図9を参照して前述されたとおりであり、したがってそのような説明を繰返さない。
【0085】
図11は、図7のTコイルネットワーク720を有するマルチチップモジュール200の入力/出力ドライバ経路の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。図11は、図9のような出力ドライバ901ではなく入力ドライバ1001および出力ドライバ901を図11に図示し、そのため外部インターコネクト構造206が入力/出力ピンであることを除いて図9と同じである。図11では、入力ドライバ1001の入力がノード902に結合され、出力ドライバ901の出力がノード902に結合される。図11の残余は図9を参照して前述したとおりであり、したがってそのような説明を繰返さない。
【0086】
図12および図13は、誘導性ネットワークを有するマルチチップモジュール200の入力、出力、または入力/出力経路のうち任意のもののそれぞれの例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。
【0087】
図12を参照すると、インターポーザ210はインダクタ512を含む。インダクタ512の端は外部インターコネクト構造206に結合される。この例示的な実施形態では、ESD回路904は半導体ダイ210の中に位置する。インダクタ512は「受動的」誘導性ネットワークを形成するので、インターポーザ210は受動的インターポーザと考えられ得る。
【0088】
インダクタ512の別の端はノード905に結合される。半導体ダイ201のESD回路904はノード905に結合され得る。半導体ダイ201は、ブロック1201で一般的に示すように、入力ドライバ、出力ドライバ、または入力/出力ドライバをさらに含んでもよく、そのため外部インターコネクト構造206を一般的にパッドとして図示する。
【0089】
このように、図9から図11を参照して前述したように、ノード902は入力ノード、出力ノード、または入力/出力ノードであり得る。この実施形態では、ノード902と905とは同じノードである。しかしながら、オプションのインダクタ611をノード902と905との間に位置決めして半導体ダイ201に含む場合は、ノード902と905とは同じノードではない。
【0090】
オプションのインダクタ611を半導体ダイ201の一部として含むとすると、インダクタ611および512は、マルチチップモジュール200の動作の間、互いとの誘導結合のために位置決めされ得る。しかしながら、この例示的な実施形態はTコイルネットワークを用いないので、この例示的な実施形態ではコンデンサを用いないことを理解すべきである。
【0091】
図13の例示的な実施形態を参照すると、インダクタ611および512の両者ともがインターポーザ210の一部として形成される。インダクタ611および512はノード905で直列に結合される。この実施形態では、インダクタ611の端はノード902に結合され、ノード902は、図12を参照して前述したように、ブロック1201のポートに結合される。さらに、インダクタ512の端は、図12を参照して前述したように、外部インターコネクト構造206に結合される。
【0092】
この例示的な実施形態では、ESD回路904はインターポーザ210の一部として形成される。ここでも、ESD回路904はノード905で結合されてもよい。ESD回路904は、図3または図4の基板301などの半導体基板中に形成されるウェルを用いて形成される1つ以上のダイオードを含んでもよい。このように、この例示的な実施形態では、インターポーザ210は「能動的」インターポーザと考えられてもよい。
【0093】
図14は、Tコイルネットワーク1430および1440を有する差動トランシーバ1400の例示的な実施形態を示すブロック/回路図である。Tコイルネットワーク1430および1440は、左側外部インターコネクト構造206に結合される左側回路片方1410および右側外部インターコネクト構造206に結合される右側回路片方1420とそれぞれ関連付けられる。換言すると、差動トランシーバ1400は、2つの回路の片方ずつ、すなわち回路片方1410および回路片方1420と考えられ得、その場合、回路の片方ずつ1410および1420は、接地1408に結合される共通の電流源回路1409を共有するための共通のノード1411で相互接続される。したがって、限定のためではなく明瞭性の目的のために、繰返しを避けるために、回路の片方1410のみを説明する。
【0094】
この例示的な実施形態では、インダクタ512はノード922に結合され、ノード922は、底部プレート702およびパッドとして図示される左側外部インターコネクト構造206にさらに結合される。コンデンサ601は、前述のように頂部プレート701および底部プレート702を用いて形成されてもよいことを理解すべきである。このように、インターポーザ210は、前述のようにかつ図7および図8に図示するようにインダクタ512および底部プレート702を含んでもよい。オプションで、インターポーザ210または半導体ダイ201のいずれかにコンデンサ601全体が形成されてもよい。当然ながら、コンデンサ601は直列の2つの別個のコンデンサとして形成されてもよく、この場合、いずれかまたは両方がインターポーザ210または半導体ダイ201の中に位置する。しかしながら、前述のように、インターポーザ210または半導体ダイ201のいずれかの中にコンデンサ601を形成することは、各々の外部インターコネクト構造206毎の付加的な内部インターコネクト構造205の消費に係る。このため、限定のためではなく明瞭性の目的のために、前述のように空気間隙209を用いてコンデンサ601を形成すると仮定する。
【0095】
半導体ダイ201の頂部プレート701は、前述のように、コンデンサ601を設けるように、インターポーザ210の底部プレート702との容量結合のために位置決めされる。インダクタ512および611のそれぞれの端は、直列回路を設けるように、内部インターコネクト構造またはノード205で互いに結合される。そのような直列回路は、Tコイルネットワーク1430を設けるようにコンデンサ601に並列に結合される。この例示的な実施形態では、半導体ダイ201のインダクタ611の別の端は半導体ダイ201の抵抗1402に接続され、抵抗1402はシグナリングプロトコルのための終端抵抗のためのものであってもよい。
【0096】
この例示的な実施形態については、差動トランシーバ1400の残余は半導体ダイ201中に形成されるものとして説明される。抵抗1402の別の端は電源電圧バス1403に結合されてもよい。ノード205は、ダイオード1407が形成するESD回路に結合されてもよい。ダイオード1407の入力はノード205に接続され、その出力は電源電圧バス1403に接続される。別のダイオード1407の入力は接地1408に接続され、その出力はノード205に接続される。ノード205はドライバトランジスタ1404のゲートにさらに接続される。この例示的な実施形態では、ドライバトランジスタ1404をNMOSトランジスタとして図示するが、他の実施形態では、PMOSトランジスタを用いてもよい。ドライバトランジスタ1404のソースノードは共通のノード1411に接続される。ドライバトランジスタ1404のドレインノードは抵抗1405の端および電源出力ポート1406に接続される。抵抗1405の別の端は電源電圧バス1403に結合されてもよい。
【0097】
高速差動直列シグナリングなどの高速シグナリングのため、リターンロスおよび/または周波数応答が問題となり得ることを理解すべきである。したがって、本明細書中に記載のようなTコイルネットワーク1430および1440の使用は、リターンロスを軽減することおよび/または周波数応答を改善することにおいて有用であり得る。
【0098】
図15は、たとえば前述のものなどのTコイルネットワークを形成するためのプロセスフロー1500の例示的な実施形態を示すフロー図である。1501で、インターポーザを得る。そのような得られたインターポーザは第1のインダクタとコンデンサの第1のプレートとを有する。1502で、半導体ダイを得る。そのような得られた半導体ダイは第2のインダクタとコンデンサの第2のプレートとを有する。1503で、インターポーザとダイとを互いに相互接続して、そのような第1および第2のインダクタを直列に結合する。
【0099】
そのような相互接続は、そのようなTコイルネットワークの動作の間、またはより一般的にはたとえば本明細書中で前述したようなTコイルネットワークを有するマルチチップモジュール200の動作の間、誘導結合のために第1のインダクタおよび第2のインダクタを位置決めしてもよい。さらに、そのような相互接続は、そのような動作の間の容量結合のために第1のプレートおよび第2のプレートを位置決めしてもよい。ここでも、そのような第1のプレートおよび当該第2のプレートの各々の表面はそれらの間に空気間隙を規定してもよい。そのような空気間隙は、そのような半導体ダイとそのようなインターポーザとの間のオフセットと関連付けられてもよい。そのような半導体ダイはESD回路をさらに含んでもよい。そのようなESD回路は、直列の第1のインダクタと第2のインダクタとの間に位置するノードに結合されてもよい。
【0100】
図16は、トランシーバの周波数応答を向上させるためのプロセスフロー1600の例示的な実施形態を示すフロー図である。1601で、たとえば図14を参照して前述したようなトランシーバの一部としてTコイルネットワークを設ける。そのようなTコイルネットワークは、直列に結合された第1のインダクタおよび第2のインダクタを含んでもよい。そのようなTコイルネットワークは、第1のインダクタおよび第2のインダクタによって形成される直列に並列に結合されるコンデンサをさらに含んでもよい。
【0101】
1601で設けることは、1602でインターポーザと半導体ダイとを相互接続することを含む。1602で、第1のインダクタを含むそのようなインターポーザと第2のインダクタを含むそのような半導体ダイとを相互接続して、そのようなTコイルネットワークの動作の間、すなわちそのようなトランシーバの動作の間、誘導結合のために互いに対して第1および第2のインダクタを位置決めしてもよい。さらに、そのようなインターポーザはそのようなコンデンサの第1のプレートをさらに含んでもよく、そのような半導体ダイはそのようなコンデンサの第2のプレートを含んでもよい。1601で設けることは、このように、たとえば本明細書中で前述したようにトランシーバの動作などの動作の間、第1のプレートと第2のプレートとが空気間隙によって互いから分離され、互いに容量結合されるようにインターポーザおよび半導体ダイを位置決めすることをさらに含んでもよい。加えて、第1のインダクタと第2のインダクタとの間に位置するノードはそのようなトランシーバのドライバトランジスタのゲートに接続されてもよい。
【0102】
以上、例示的な実施形態を説明したが、後続の請求項およびその均等物が定めるその範囲から逸脱することなく、他のおよびさらなる実施形態を工夫してもよい。工程を列挙する請求項は工程の任意の順序を暗示するものではない。登録商標はそれらのそれぞれの所有者の財産である。
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