特許第5749859号(P5749859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5749859吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5749859
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/00 20060101AFI20150625BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   A61K8/00
   A61Q1/00
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-524915(P2014-524915)
(86)(22)【出願日】2012年7月30日
(65)【公表番号】特表2014-534162(P2014-534162A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】KR2012006047
(87)【国際公開番号】WO2013024982
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2014年3月24日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0080746
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,イン−チュル
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョン−ホ
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−539852(JP,A)
【文献】 特開2006−175207(JP,A)
【文献】 特開2006−305370(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0014254(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00
A61Q
A45D 33/00 − 40/00
B41K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品容器を移送する移送テーブルと、
前記化粧品容器の収容空間内の異物を吸引する吸引部と、
前記吸引部において異物が吸引された前記収容空間に内容物を注入する内容物注入部と、
前記内容物注入部において内容物が注入された前記収容空間に吸収材を投入する吸収材供給部と、
前記収容空間内の吸収材を繰り返し加圧して前記吸収材に内容物を吸収させる吸収材加圧部と、
前記吸収材を前記収容空間内に固定するための外殻部材を前記収容空間に投入する外殻部材供給部と、
前記外殻部材が前記吸収材の周縁部を押して固定する状態で前記収容空間の内部に固定させる吸収材固定部とを
含むことを特徴とする、吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項2】
前記吸引部、内容物注入部、吸収材供給部、吸収材加圧部、外殻部材供給部、及び吸収材固定部は、前記化粧品容器の移送方向に沿って前記移送テーブルに順次設置されることを特徴とする、請求項1に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項3】
前記吸収材供給部は、
前記化粧品容器の移送方向を第1方向であると仮定するとき、前記第1方向に対して垂直を成す第2方向に沿って設置される一対のガイドレールと、
前記一対のガイドレールにスライド可能にそれぞれ結合されるスライド結合部と、
前記スライド結合部にその両端がそれぞれ上下移動可能に結合される昇降部と、
前記昇降部の下部に設置され、それに連係されたアクチュエータの作動の際に吸引力を発揮する吸着部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項4】
前記吸収材加圧部は、
前記移送テーブルに固定されるプレス胴体と、
前記プレス胴体に設置され、上下移動型可動部を含むアクチュエータと、
前記可動部の下端に結合され、前記可動部の下向移動の際に前記化粧品容器の収容空間内に挿入されて前記吸収材を加圧する加圧部とを、
含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項5】
前記吸収材加圧部は、前記プレス胴体と加圧部との間に設置され、前記加圧部の下向移動の際に伸長する少なくとも一つの弾性軸をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項6】
前記外殻部材供給部は、
前記化粧品容器の移送方向を第1方向であると仮定するとき、前記第1方向に対して垂直を成す第2方向に沿って設置される一対のガイドレールと、
前記一対のガイドレールにスライド可能にそれぞれ結合されるスライド結合部と、
前記スライド結合部にその両端がそれぞれ上下移動可能に結合される昇降部と、
前記昇降部の下部に設置され、それに連係されたアクチュエータの作動によって狭まりまたは広がることで前記外殻部材を把持または把持状態を解除するニッパー部とを、
含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項7】
前記吸収材固定部によって前記収容空間の内側に前記吸収材が固定された化粧品容器を他の工程に連結する移送ラインに供給する化粧品容器出荷部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【請求項8】
前記化粧品容器出荷部は、
前記移送テーブルのコンベヤーベルトの進行方向と同一方向に沿って長く形成されるガイドレールと、
前記ガイドレールにスライド可能に結合されるスライド部材と、
前記スライド部材に結合され、それに連係されたアクチュエータの作動によって狭まりまたは広がることで前記化粧品容器を把持または把持状態を解除するニッパー部とを、
含むことを特徴とする、請求項7に記載の吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内容物と吸収材の練り機能を有する化粧品製造装置に係り、特に比較的高粘度の内容物を吸収材に吸収させる工程がすべての製品に毎度同じ強度で作用するとともに、この過程が完全自動化することにより、製造される化粧品の吸収材に対する内容物の吸収程度が所定の誤差範囲内でいつも一定に維持されるようにする吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、メーキャップに使われる化粧品の種類にはメーキャップベース、パウダー、ツーウェイケーキ、パウダーパクト、スキンカバーなどがあり、使用者は自分の趣向や皮膚特性及びメーキャップタイプによって適切な種類を選択して使用する。
【0003】
ここで、前記メーキャップ用化粧品は、ほとんどが油分を含む粉末原料を容器内に注入した後、これをプレスで加圧成形することで作られ、大部分が固形に圧縮されて生産される。このようなメーキャップ用化粧品の製造過程についてパウダーを例として説明すれば、化粧品容器を搭載した状態の運搬治具がコンベヤーベルトを含む移送手段によって順次移送される。そして、前記運搬治具の移送過程中に、油分を含む原料が化粧品容器に投入される工程、化粧品容器に投入された原料がプレスによって加圧成形される工程、そして化粧品容器の原料からオイルが排出される工程が順次進む。そして、このように原料から油分が除去された化粧品容器を取り出す。
【0004】
一方、近年には通常“サンブロック”という紫外線遮断を主機能とする製品が提供されている。このようなサンブロック化粧品にはメーキャップベースやその他のメーキャップ機能を含む製品もある。このようなサンブロック製品は紫外線遮断と基礎メーキャップをいっぺんに解決することができ、化粧時間を減らすのはもちろんのこと、軽い夏季メーキャップを演出することができる利点などのためその選好度が非常に高い。
【0005】
しかし、前記のような従来の紫外線遮断機能を含む化粧品は、容器内に内容物を投入した後、これを固定する工程が純粋に手作業で行われるため、その製造過程に多大な人力がかかるにもかかわらず生産性が高くない。このような理由のため、化粧品の大量生産の際に非常に多大な人力が必要とされ、これは人件費による生産原価の上昇及び製品価格の上昇につながる。
【0006】
また、このような従来の紫外線遮断機能を含む化粧品の中で粘性の内容物がスポンジなどの吸収材に吸収されて製作される種類がある。ここで、吸収材による内容物の吸収程度は作業者の作業熟練度や集中度によって変わることがあり、これは最終に生産される化粧品が均一な品質を有することができない理由となる。言い換えれば、すべての製品の製造の際、最終に製作された製品の品質均一化が非常に重要な要素であることに鑑みると、前記のように吸収材に対する内容物の吸収過程が純粋手作業によってなされば、最終に生産される化粧品の品質の散布度が高くなり、これは良質の化粧品を製造しているにもかかわらず消費者の製品に対する不満及びそれによる製品信頼度の下落につながる。
【0007】
また、化粧品内部皿は移送過程にその内部にほこり及び多くの異物が流入するが、従来の紫外線遮断機能化粧品の製造過程ではこれをいちいち手作業で拭くことができなくて、ほこりや異物が流入した状態の化粧品内部皿に内容物をそのまま投入するようになる。これは最終に製作される化粧品の品質低下と異物に含まれた汚染成分によって化粧品の変質を促進するなどの要因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、比較的高粘度の内容物を吸収材に吸収させる練り工程が、すべての製品に毎度同じ強度で作用するとともにこの過程が完全自動化することにより、製造される化粧品の吸収材においての内容物の吸収程度が所定の誤差範囲内でいつも一定に維持されるようにする吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置を提供することに目的がある。
【0009】
また、本発明は、内容物及び吸収材の投入のために移動する化粧品内部皿の異物を吸引する工程を、前記内容物及び吸収材の投入の前に行うとともに、当該工程が自動化される。したがって、本発明は、最終生産製品に異物が含まれることや、含まれた異物によって変質されることから、根本的に保護されて、いつも良好な品質を維持することに目的がある。また、本発明は、人力が必要とされない無人化工程の吸収材の内容物の吸収工程を含む化粧品製造装置を提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明による内容物と吸収材の練り機能を有する化粧品製造装置は、化粧品容器を移送する移送テーブルと、前記化粧品容器の収容空間内の異物を吸引する吸引部と、前記吸引部において異物が吸引された前記収容空間に内容物を注入する内容物注入部と、前記内容物注入部において内容物が注入された前記収容空間に吸収材を投入する吸収材供給部と、前記収容空間内の吸収材を繰り返し加圧して前記吸収材に内容物を吸収させる吸収材加圧部と、前記吸収材を前記収容空間内に固定するための外殻部材を前記収容空間に投入する外殻部材供給部と、前記外殻部材が前記吸収材の周縁部を押して固定する状態で前記収容空間の内部に固定させる吸収材固定部とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記吸引部、内容物注入部、吸収材供給部、吸収材加圧部、外殻部材供給部、及び吸収材固定部は、前記化粧品容器の移送方向に沿って前記移送テーブルに順次設置されることを特徴とする。
【0012】
また、前記吸収材供給部は、前記化粧品容器の移送方向を第1方向であると仮定するとき、前記第1方向に対して垂直を成す第2方向に沿って設置される一対のガイドレールと、前記一対のガイドレールにスライド可能にそれぞれ結合されるスライド結合部と、前記スライド結合部にその両端がそれぞれ上下移動可能に結合される昇降部と、前記昇降部の下部に設置され、それに連係されたアクチュエータの作動の際に吸引力を発揮する吸着部とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記吸収材加圧部は、前記移送テーブルに固定されるプレス胴体と、前記プレス胴体に設置され、上下移動型可動部を含むアクチュエータと、前記可動部の下端に結合され、前記可動部の下向移動の際に前記化粧品容器の収容空間内に挿入されて前記吸収材を加圧する加圧部とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記吸収材加圧部は、前記プレス胴体と加圧部との間に設置され、前記加圧部の下向移動の際に伸長する少なくとも一つの弾性軸をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記外殻部材供給部は、前記化粧品容器の移送方向を第1方向であると仮定するとき、前記第1方向に対して垂直を成す第2方向に沿って設置される一対のガイドレールと、前記一対のガイドレールにスライド可能にそれぞれ結合されるスライド結合部と、前記スライド結合部にその両端がそれぞれ上下移動可能に結合される昇降部と、前記昇降部の下部に設置され、それに連係されたアクチュエータの作動によって狭まりまたは広がることで前記外殻部材を把持するとか把持状態を解除するニッパー部とを含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記吸収材固定部によって前記収容空間の内側に前記吸収材が固定された化粧品容器を他の工程に連結される移送ラインに供給する化粧品容器出荷部をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、前記化粧品容器出荷部は、前記移送テーブルのコンベヤーベルトの進行方向と同一方向に沿って長く形成されるガイドレールと、前記ガイドレールにスライド可能に結合されるスライド部材と、前記スライド部材に結合され、それに連係されたアクチュエータの作動によって狭まりまたは広がることで前記化粧品容器を把持又は把持状態を解除するニッパー部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、比較的高粘度の内容物を吸収材に吸収させる練り工程がすべての製品に毎度同じ強度で作用するとともにこの過程が完全自動化することにより、製造される化粧品の吸収材においての内容物の吸収程度が所定の誤差範囲内でいつも一定に維持されることができる。
【0019】
また、内容物及び吸収材の投入のために移動される化粧品内部皿の異物を吸引する工程を、前記内容物及び吸収材の投入以前に行うとともに該当の工程が自動化工程によって進むので、最終生産製品に異物が含まれることや、含まれた異物によって変質されることから根本的に保護され、いつも良好な品質を維持することができるとともに該当の機能を人力消耗なしに無人化工程によって果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例による吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例による化粧品製造装置の吸引部の構造及び作動状態を示した図である。
図3】本発明の一実施例による化粧品製造装置の吸収材供給部の構造及び作動状態を示した図である。
図4】本発明の一実施例による化粧品製造装置の吸収材加圧部の構造及び作動状態を示した図である。
図5】本発明の一実施例による化粧品製造装置の外殻部材供給部の構造及び作動状態を示した図である。
図6】本発明の一実施例による化粧品製造装置の吸収材固定部の構造及び作動状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施例による吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例による吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置を示した斜視図である。
【0023】
同図に示したように、本発明の一実施例による吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置100(以下“化粧品製造装置”という)は移送テーブル110、吸引部120、内容物注入部130、吸収材供給部140、吸収材加圧部150、外殻部材供給部160、及び吸収材固定部170を含んでなる。また、本発明の一実施例による化粧品製造装置は、化粧品容器出荷部180をさらに含んでなることができる。
【0024】
移送テーブル110は内容物の包装のための化粧品容器190をその上部で移送させるもので、このために移送テーブル110の上面にはコンベヤーベルト111が設置される。この実施例を基準にさらに説明すれば、移送テーブル110は作業場の床面から所定距離で離隔させる脚部113を含んでなる。
【0025】
そして、移送テーブル110の上面にコンベヤーベルト111が設置され、この実施例においては、移送テーブル110に長手方向に沿って中央分離バー114が設置され、この中央分離バー114を中心に第1コンベヤーベルト111a及び第2コンベイトベルト111bがそれぞれ設置され、互いに反対方向に動作する。図面を参照すれば、第1コンベヤーベルト111aは、化粧品容器190を後述する吸引部120から吸収材固定部170方向に順次移動させる機能をする。また、第2コンベヤーベルト111bは、第1コンベヤーベルト111aと反対方向に作動して第1コンベヤーベルト111aに化粧品容器190を供給する機能をする。そして、化粧品容器190は移動ブロック191に搭載された状態で移送される。
【0026】
吸引部120は化粧品容器190の収容空間に存在するほこりやその他の異物を吸引する機能をするもので、つまり吸引部120は化粧品容器190の収容空間に内容物を注入する前に収容空間の内部をきれいにする。この実施例はこの吸引部120が移送テーブル110に固定設置されるものを例としたが、本発明がこれに限定されるものではなく、吸引部120は化粧品容器190の収容空間に吸引力を提供する条件を満たす範囲内で多様な形態で多様な位置に設置できる。
【0027】
図2は吸引部120の構造及び作動状態を示した図である。このような図2を参照して吸引部120について説明すれば、吸引部120は、支持ポスト121、アクチュエータ122、昇降部124、吸引フード125、油圧ポンプ(図示せず)、及び油圧ホース126を含んでなる。
【0028】
支持ポスト121は移送テーブル110の上部に立設され、この支持ポスト121の上部にアクチュエータ122が設置される。ここで、アクチュエータ122は油圧シリンダーまたは空圧シリンダーである。このアクチュエータ122のシリンダーロッド123に昇降部124が結合される。昇降部124は移送テーブル110の上面に並んで設置されるもので、この昇降部124の下部に吸引フード125が結合され、よって吸引フード125は昇降部124の昇降に連動して移動する。すなわち、吸引フード125は化粧品容器190の上部に位置し、化粧品容器190の収容空間内の異物を吸引する位置と化粧品容器190から離隔される状態にさらに上向移動した位置との間で往復移動する。
【0029】
そして、吸引フード125の上部に油圧ホース126が連結される。この油圧ホース126は、その一端が油圧ポンプ(図示せず)に連結され、その他端を通じて吸引力を発生する。すなわち、油圧ホース126の他端が吸引フード125に吸引フード125の内部空間と連通する状態で連結される。これにより、油圧ホース16の他端は油圧ポンプの作動によって吸引フード125の内部空間に吸引力を提供する。
【0030】
また、図1に戻り、内容物注入部130について説明する。内容物注入部130は、化粧品容器190の異物が除去された収容空間に化粧品の内容物を注入する機能をする。この実施例においては、化粧品内容物が美白、紫外線遮断、クーリング効果、メーキャップベース機能などの二つ以上の複合機能を提供し、通常“サンブロック”という比較的高粘度の内容物を例としたが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
この実施例においては、内容物注入部130が、支持ポスト131、ノズル設置部132、噴射ノズル133、アクチュエータ(図示せず)、及び連結ホース134を含んでなる。
【0032】
支持ポスト131は移送テーブル110の上部に立設され、この支持ポスト131の上部にノズル設置部132が結合される。そして、ノズル設置部132の下部に噴射ノズル133の一端が連結され、この噴射ノズル133の他端は化粧品容器190の収納空間に近接するように移送テーブル110の方向に下向きに伸びて、移送テーブル110の上部に搭載された化粧品容器190の収納空間の上部に隣接して位置する。そして、連結ホース134は、その一端が化粧品内容物の貯蔵タンク(図示せず)に連結され、その他端がノズル設置部132を介して噴射ノズル133に連結される。すなわち、アクチュエータ(図示せず)の作動によって貯蔵タンク内の化粧品内容物が連結ホース134を通じて噴射ノズル133に供給される。
【0033】
次に、吸収材供給部140について説明する。吸収材供給部140は化粧品容器190の収容空間に吸収材192を投入する機能をする。この際、化粧品容器190の収容空間は化粧品内容物を収容した状態である。
【0034】
図3は吸収材供給部140の構造及び作動状態を示した図である。図3を参照して吸収材供給部140について説明すれば、吸収材供給部140は一対のガイドレール141、スライド結合部142、アクチュエータ143、昇降部144、吸着部145、油圧ポンプ(図示せず)、及び油圧ホース146を含んでなる。
【0035】
一対のガイドレール141は、化粧品容器190の移送方向を第1方向であると仮定するとき、この第1方向に対して垂直を成す第2方向に沿って並んで設置される。そして、スライド結合部142は一対からなり、一対のガイドレール141にそれぞれスライド可能に結合される。また、アクチュエータ143は一対からなって一対のスライド結合部142にそれぞれ結合されるもので、この実施例においては、このアクチュエータ143が油圧シリンダーであり、アクチュエータ143のシリンダーロッド143aに昇降部144の長手方向両側がそれぞれ結合される。
【0036】
すなわち、昇降部144は移送テーブル110の上面に対して平行な方向に配置され、この昇降部144はアクチュエータ143の作動及びそれによるシリンダーロッド143aの上下移動によって移送テーブル110に近接する位置及び離隔する位置の間で往復移動する。そして、この昇降部144の下部に吸着部145が設置され、吸着部145は移送テーブル110の外側に保管された吸収材192(通常、スポンジを使う)を吸着した後、スライド結合部142及び昇降部144の移動によって化粧品容器190の収納空間の上部に移動し、この状態でその吸着力解消によって吸収材192を収容空間内に落とす。このために、吸着部145の上部に油圧ホース146が連結され、この油圧ホース146はその一端が油圧ポンプ(図示せず)に連結され、その他端を通じて吸引力を発生し、吸着部145はこの油圧ホース146の他端に連結される。
【0037】
また、図1に戻り、吸収材加圧部150について説明する。吸収材加圧部150は化粧品容器190の収容空間内の吸収部材192を数回繰り返し加圧し、これにより吸収材192は収縮及び原形復帰を繰り返しながら収容空間内の化粧品内容物を吸収する。言い換えれば、吸収材加圧部150は吸収材192に化粧品内容物を吸収させる練り機能をする。
【0038】
図4は吸収材加圧部150の構造及び作動状態を示した図である。この図4を参照して吸収材加圧部150について説明すれば、吸収材加圧部150は、プレス胴体151、アクチュエータ152、油圧ホース153、弾性軸支持部154、弾性軸155、及び加圧部156を含んでなる。すなわち、この実施例においては、吸収材加圧部150がプレス構成であるものを例としたが、本発明がこれに限定されるものではなく、吸収材192を化粧品容器190の収容空間内で多数回加圧して吸収材192に化粧品内容物を吸収させることができる条件を満たす範囲内で、吸収材加圧部150は多様な形態に実施可能である。
【0039】
図4を参照して吸収材加圧部150について説明すれば、移送テーブル110の上部にプレス胴体151が設置される。このプレス胴体151にアクチュエータ152が設置され、この実施例においてはアクチュエータ152が油圧シリンダーの構成である。すなわち、アクチュエータ152は、プレス胴体151に固定される本体152a、及びこの本体152aに結合され、上下に移動する可動部152bを含んでなる。そして、本体152aの上部に油圧ホース153の一端が連結され、この油圧ホース153の他端は油圧ポンプ(図示せず)に連結され、油圧ポンプ作動による圧力をアクチュエータ152に伝達する機能をする。
【0040】
また、弾性軸支持部154はアクチュエータ152の可動部152bの下端に結合され、これにより弾性軸支持部154は可動部152bの上下移動に連動して上下に移動する。そして、弾性軸155はプレス胴体151と弾性軸支持部154との間に設置され、この弾性軸155は可動部152bの下向移動時に伸長した後、可動部152bの上向移動の際に復元する。この際、弾性軸155はその復元過程で可動部152bに上向力を提供し、これにより、可動部152bはその上向移動時に弾性軸155の弾性機能を全然受けないことに比べて相対的に低い油圧で上向に移動することができる。そして、この実施例においては、弾性軸155は軸155a及びスプリング155bからなる。すなわち、軸155aはその長手方向の両端がプレス本体151及び弾性軸支持部154にそれぞれ結合され、コイル型スプリング155bは軸155aを内側に収容した状態で設置される。
【0041】
また、加圧部156は弾性軸支持部154の下部に結合され、この加圧部156は化粧品容器190の収容空間内に挿入されて吸収材192を圧縮及び圧縮解除する。すなわち、加圧部156が吸収材192を数回繰り返し加圧し、これにより吸収材192が収縮及び原形復帰を繰り返しながら収容空間内の化粧品内容物を吸収する。
【0042】
また、図1に戻り、外殻部材供給部160について説明する。外殻部材供給部160は外殻部材193を化粧品容器190の収容空間に投入する。この際、化粧品容器190の収容空間内の吸収材192は化粧品内容物を完全に吸収した後の状態である。そして、外殻部材193は吸収材192の周囲を加圧した状態で収容空間内に固定されることにより、吸収材192を化粧品容器190の収容空間内に固定する。
【0043】
図5a及び図5bを参照して外殻部材供給部160について説明すれば、外殻部材供給部160は、一対のガイドレール161、スライド結合部162、第1アクチュエータ163、昇降部164、連結部165、油圧ホース166、第2アクチュエータ167、及びニッパー部168を含んでなる。すなわち、外殻部材供給部160は、その全体的な構成において、図3を参照する吸収材供給部140と類似しているが、連結部165、第2アクチュエータ167、第2アクチュエータ167に連結される油圧ホース166、及びニッパー部168をさらに含む点で違う。
【0044】
したがって、外殻部材供給部160を説明するにおいて、吸収材供給部140と同一した部分は、図3を参照した吸収材供給部140の説明を参照すれば良い。以下、連結部165、第2アクチュエータ167、第2アクチュエータ167に連結される油圧ホース166、及びニッパー部168を中心に説明する。
【0045】
連結部165は昇降部164の下部に結合され、この連結部165に第2アクチュエータ167が設置される。そして、油圧ホース166は、その一端が油圧ポンプ(図示せず)に連結されるとともにその他端が昇降部164に連結されて、第2アクチュエータ167に油圧を提供する。また、第2アクチュエータ167は前記のように連結部165に連結され、その作動によってニッパー部168を縮める方向又は広げる方向との間で往復移動させる。この実施例においては、この第2アクチュエータ167が油圧シリンダーであるものを例としたが、本発明がこれに限定されるのではない。最後に、ニッパー部168は第2アクチュエータ167の作動によって外殻部材193を把持又は外殻部材193の把持状態を解除する。図5aを参照してさらに説明すれば、図5aの右側ニッパー部168は外殻部材193を把持して化粧品容器190の収納空間の上部に移送させた状態を示したもので、図5aの左側ニッパー部168は、右側ニッパー部168においての外殻部材193の把持状態から、外殻部材193の把持を解除し、それにより外殻部材193が化粧品容器190の収納空間に投入された状態を示したものである。
【0046】
そして、図5bは図5aの左側ニッパー部168が外殻部材193の把持状態を解除することにより、外殻部材193が化粧品容器190の収容空間に投入された状態を化粧品容器190の上部から見たものを平面図として示した図である。
【0047】
また、図1に戻り、吸収材固定部170について説明する。吸収材固定部170は外殻部材193を加圧して化粧品容器190の収容空間の内部に固定する機能をする。この際、外殻部材193は吸収材192の周縁部を押して加圧した状態で化粧品容器190の収容空間の内部に固定される。言い換えれば、吸収材固定部170は、外殻部材193と吸収材192を一体化させながら化粧品容器190の収納空間に固定する機能をする。
【0048】
図6を参照して吸収材固定部170について説明すれば、吸収材固定部170は、プレス胴体171、アクチュエータ172、油圧ホース173、及び加圧部材174を含んでなる。すなわち、この実施例においては、吸収材固定部170がプレスの構成であるものを例としたが、本発明がこれに限定されるのではなく、外殻部材193を化粧品容器190の収容空間内で加圧して吸収部材192とともに収容空間に固定させることができる条件を満たす範囲内で吸収材固定部170は多様な形態に実施可能である。
【0049】
図6を参照して吸収材固定部170について説明すれば、移送テーブル110の上部にプレス胴体171が設置される。このプレス胴体171にアクチュエータ172が設置され、この実施例においてはアクチュエータ172が油圧シリンダーの構成である。すなわち、アクチュエータ172はプレス胴体に固定される本体172a及びこの本体172aに結合されて上下に移動する可動部172bを含んでなる。そして、本体172aの上部に油圧ホース173の一端が連結され、この油圧ホース173の他端は油圧ポンプ(図示せず)に連結され、油圧ポンプ作動による圧力をアクチュエータ172に伝達する機能をする。
【0050】
また、加圧部材174は可動部172bの下部に結合され、可動部172bの上下移動に連動して上下に移動する。この加圧部材174は外殻部材193を実際に加圧する部分であり、よって加圧部材174は外殻部材193と同一ないし類似の形態に形成される。すなわち、加圧部材174は化粧品容器190の収納空間の内部に挿入されて収納空間に投入された外殻部材193を加圧して収容空間内に固定する。ここで、外殻部材は凹凸結合方式またはアンダーカット結合方式などの公知の多様な技術を使って収容空間内に固定されることができ、よってこの実施例においてこれについての具体的な図示や説明は省略する。
【0051】
また、図1に戻り、化粧品容器出荷部180について説明する。化粧品容器出荷部180は吸引部130から吸収材固定部170まで一連の工程を終えた化粧品容器190を他の工程につながる移送ライン194に供給する機能をする。すなわち、化粧品容器190は吸収材固定部170によって吸収材192を収容空間に固定した後、化粧品容器出荷部180によって他の工程に供給されるための移送ライン194に運搬され、これにより化粧品容器190は該当の移送ライン194に沿って移送され、他の工程のための自動式または半自動式または手動式工程の作業空間に移動する。
【0052】
化粧品容器出荷部180の構成についてより具体的に説明すれば、化粧品容器出荷部180は、支持ポスト181、ガイドレール182、スライド部材183、及び容器運搬部184を含んでなり、また容器運搬部184は、アクチュエータ184a及びニッパー部184bを含んでなる。
【0053】
支持ポスト181は移送テーブル110の上面に立設され、ガイドレール182はその一端が支持ポスト181に結合されるとともにその他端が移送テーブル110の長手方向と同一方向に所定の長さで伸びる。そして、スライド部材183はガイドレール182にガイドレール182の長手方向に沿ってスライドするように結合され、このようなスライド部材183に容器運搬部184が結合される。また、容器運搬部184のアクチュエータ184aはその作動によってニッパー部184bを狭める方向と広げる方向との間で往復移動させる。この実施例においては、このアクチュエータ184aが油圧シリンダーであるものを例としたが、本発明がこれに限定されるものではない。最後に、ニッパー部184bはアクチュエータ184aの作動によって化粧品容器190を把持し又は化粧品容器190の把持状態を解除する。
【0054】
すなわち、化粧品容器出荷部180は、スライド部材183がガイドレール182に沿って移送テーブル110の上部及び他の工程に連結される移送ライン194の間で往復移動し、この過程で容器運搬部184が、そのニッパー部184bによって化粧品容器190を把持しまたは把持を解除する過程を繰り返して、化粧品容器190を移送テーブル110から他の工程につながる移送ライン194に運ぶ。
【0055】
前記のように構成される本発明の一実施例による化粧品製造装置の作用を簡略に説明する。
【0056】
移送テーブル110のベルトコンベヤー111に沿って移送される化粧品容器190がまず吸引部120の下部に停止する。ついで、吸引部120が作動して化粧品容器190の収容空間内の異物を吸引する。そして、化粧品容器190はベルトコンベヤー111に沿ってさらに移動して内容物注入部130の下部に停止する。続いて、内容物注入部130は、化粧品容器190の収容空間に化粧品内容物を注入する。そして、化粧品容器190はベルトコンベヤー111に沿ってさらに移動して吸収材投入部140の下部に停止する。続いて、吸収材投入部140が作動して化粧品容器190の収容空間に吸収材192を投入する。この際、化粧品容器190の収容空間には化粧品内容物が満たされた状態である。
【0057】
そして、化粧品容器190はベルトコンベヤー111に沿ってさらに移動して吸収材加圧部150の下部に停止する。続いて、吸収材加圧部150は化粧品容器190の収容空間内の吸収材192を多数回繰り返し加圧することで、吸収材192に化粧品内容物が完全に吸収されるようにする。そして、化粧品容器190はベルトコンベヤー111に沿ってさらに移動して外殻部材投入部160の下部に停止する。次いで、外殻部材投入部160は化粧品容器190の収容空間に外殻部材193を投入する。この際、化粧品容器190の収容空間内の吸収材193は化粧品内容物を完全に吸収した状態である。そして、化粧品容器190はベルトコンベヤー111に沿ってさらに移動して吸収材固定部170の下部に停止する。次いで、吸収材固定部170は化粧品容器190の収容空間内の外殻部材193を加圧して収容空間に固定させるとともにこの外殻部材193によって吸収材192が収容空間内に固定されるようにする。
【0058】
また、このように吸収材192を収容空間内に固定した化粧品容器190は化粧品容器出荷部180の作動によって他の工程のための移送ライン194に運搬される。
【0059】
前述した図1図6の実施例から分かるように、本発明の化粧品製造装置100は、比較的高粘度の化粧品内容物を吸収材192に吸収させる練り工程がすべての製品に毎度同じ強度で作用するとともにこの過程が完全自動化することにより、製造される化粧品の吸収材192に対する内容物の吸収程度が所定の誤差範囲内でいつも一定に維持できる。そして、吸収材加圧部150の反復加圧回数を内容物の粘度及び吸収材193の空隙などを考慮して適正な回数に調整することで、多様な粘度の化粧品内容物及び多様な孔隙率の吸収材193に互換して適用して化粧品内容物を吸収材193に完全に吸収させることができる。
【0060】
以上説明したものは本発明による吸収材の内容物吸収工程を含む化粧品製造装置を実施するための一実施例に過ぎないもので、本発明は前述した実施例に限定されなく、以下の特許請求範囲で請求するような本発明の範疇を逸脱することなしに、本発明が属する分野で通常の知識を持った者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0061】
100 化粧品製造装置
110 移送テーブル
111 コンベヤーベルト
111a 第1コンベヤーベルト
111b 第2コンベヤーベルト
113 脚部
114 中央分離バー
120 吸引部
121 支持ポスト
122 アクチュエータ
123 シリンダーロッド
124 昇降部
125 吸引フード
126 油圧ホース
130 内容物注入部
131 支持ポスト
132 ノズル設置部
133 噴射ノズル
134 連結ホース
140 吸収材供給部
141 ガイドレール
142 スライド結合部
143 アクチュエータ
144 昇降部
145 吸着部
146 油圧ホース
150 吸収材加圧部
151 プレス胴体
152 アクチュエータ
152a 本体
152b 可動部
153 油圧ホース
154 弾性軸支持部
155 弾性軸
155a 支持軸
155b 弾性部材
156 加圧部
160 外殻部材供給部
161 ガイドレール
162 スライド結合部
163 第1アクチュエータ
163a シリンダーロッド
164 昇降部
165 連結部
166 油圧ホース
167 第2アクチュエータ
168 ニッパー部
170 吸収材固定部
171 プレス胴体
172 アクチュエータ
172a 本体
172b 可動部
173 油圧ホース
174 加圧部材
180 化粧品容器出荷部
181 支持ポスト
182 ガイドレール
183 スライド部材
184 容器運搬部
184a アクチュエータ
184b ニッパー部
190 化粧品容器
191 移動ブロック
192 吸収材
193 外殻部材
194 移送ライン
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6