(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、
前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、
前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、
前記モジュレーション制御部は、
少なくとも前記補正アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度により前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める、フォークリフト。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、
前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、
前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、
前記モジュレーション制御部は、
前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める、フォークリフト。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、
前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、
前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
入力に対する出力が一時遅れに従い、前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、
前記モジュレーション制御部は、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じて予め設定されたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める、フォークリフト。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、
前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、
前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、
前記モジュレーション制御部は、
前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、
前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、を前記アクセル操作部に対する操作量に基づいて選択するモジュレーション制御部と、
前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める、フォークリフト。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、
前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、
前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
入力に対する出力が一時遅れに従い、前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、
前記モジュレーション制御部は、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めるモジュレーション制御部と、
前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める、フォークリフト。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、
少なくとも前記補正アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度により前記設定値を求め、
得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、
前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、
得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じて予め設定されたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、
得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、
前記補正アクセル開度と前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、
前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、を前記アクセル操作部に対する操作量に基づいて選択し、
前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、入力に対する出力が一時遅れに従い、かつ前記アクセル開度の一次遅れ要素の時定数又は前記時定数の逆数であるカットオフ周波数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、
前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HSTを備えたフォークリフトは、トルクコンバータを備えたフォークリフトとは異なり、一般にクリープ走行がないため、停止状態から発進する際にはオペレータがアクセルペダルを操作する。HSTを備えたフォークリフトを前後に数センチメートル程度移動させるような微少な移動を実現するにあたって、オペレータがアクセルペダルを踏んだ直後に放して位置を微調整するような操作をした場合、アクセルペダルを放したことによってフォークリフトの減速力が速やかに大きくなることが好ましい。特許文献1に記載された技術は、アクセル操作に対してタイムラグなしにスムーズに車両を発進させることはできるが、アクセルを放したときにフォークリフトの減速力を速やかに大きくすることについては記載も示唆もなく、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、HSTを備えたフォークリフトにおいて、低速走行時に微少な位置決め動作を容易に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、前記モジュレーション制御部は、少なくとも前記補正アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度により前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める。
【0007】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、前記モジュレーション制御部は、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める。
【0008】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、前記モジュレーション制御部は、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じて予め設定されたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める。
【0009】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなるように定められることが好ましい。
【0010】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなり、前記アクセル開度が小さくなるにしたがって前記応答性が低くなるように定められることが好ましい。
【0011】
前記モジュレーション制御部は、前記テーブルを参照する際に用いる前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を、前記アクセル開度センサが前記アクセル開度の減少を検出したタイミングの値に保持し、前記アクセル開度センサが前記アクセル開度の増加を検出した場合、前記保持を解除することが好ましい。
【0012】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、前記モジュレーション制御部は、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、を前記アクセル操作部に対する操作量に基づいて選択するモジュレーション制御部と、前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めるである。
【0013】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び前記油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求めるモジュレーション制御部及び前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求める目標最大吸収トルク設定部を有し、前記走行用油圧ポンプを制御する制御装置と、を含み、前記モジュレーション制御部は、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が
増加した場合、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めるモジュレーション制御部と、前記目標最大吸収トルク設定部は、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求める。
【0014】
本発明は、前記カットオフ周波数又は前記時定数の第1の設定値は、前記
目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなるように定められ、前記第2の設定値は、前記アクセル開度が増加する場合において、前記アクセル開度が大きくなるにしたがって、前記応答性が低下した後、再び高くなるように定められることが好ましい。
【0015】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の第1の設定値は、前記
目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなり、前記アクセル開度が小さくなるにしたがって前記応答性が低くなるように定められ、前記第2の設定値は、前記アクセル開度が増加する場合において、前記アクセル開度が大きくなるにしたがって、前記応答性が低下した後、再び高くなるように定められることが好ましい。
【0016】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、少なくとも前記補正アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度により前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法である。
【0017】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法である。
【0018】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じて予め設定されたカットオフ周波数又は時定数の設定値が記述されたテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は目標斜板傾転角とにより前記設定値を求め、得られた前記設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法である。
【0019】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなるように定められることが好ましい。
【0020】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなり、前記アクセル開度が小さくなるにしたがって前記応答性が低くなるように定められることが好ましい。
【0021】
前記モジュレーション制御部は、前記テーブルを参照する際に用いる前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を、前記アクセル開度センサが前記アクセル開度の減少を検出したタイミングの値に保持し、前記アクセル開度センサが前記アクセル開度の増加を検出した場合、前記保持を解除することが好ましい。
【0022】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、前記補正アクセル開度と前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求めることと、を前記アクセル操作部に対する操作量に基づいて選択し、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法である。
【0023】
本発明は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、前記走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される駆動輪と、前記エンジンへの燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部と、前記アクセル操作部の操作量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサと、を備えるフォークリフトを制御するにあたり、前記アクセル開度のカットオフ周波数又は時定数の設定値に応じて遅延した値を補正アクセル開度として求め、前記補正アクセル開度に応じて前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記走行用油圧ポンプが有する斜板の目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する際に、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が減少した場合、前記補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク、前記斜板の目標斜板傾転角又は前記フォークリフトの車速とに応じたカットオフ周波数又は時定数の第1の設定値が記述された第1のテーブルを参照して、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第1の設定値を求め、得られた前記第1の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記アクセル開度センサによって検出された前記アクセル開度が
増加した場合、前記アクセル開度に応じたカットオフ周波数又は時定数の第2の設定値が記述された第2のテーブルを参照して、前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度と、前記走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角とにより前記第2の設定値を求め、得られた前記第2の設定値を用いて前記アクセル開度センサが検出した前記アクセル開度を補正して今回の制御周期の補正アクセル開度を求め、前記今回の制御周期の補正アクセル開度に応じて前記目標最大吸収トルク又は前記目標斜板傾転角を求めて前記走行用油圧ポンプを制御する、フォークリフトの制御方法である。
【0024】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の第1の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなるように定められ、前記第2の設定値は、前記アクセル開度が増加する場合において、前記アクセル開度が大きくなるにしたがって、前記応答性が低下した後、再び高くなるように定められることが好ましい。
【0025】
前記カットオフ周波数又は前記時定数の第1の設定値は、前記目標最大吸収トルク、目標斜板傾転角又は前記車速が小さくなるにしたがって前記走行用油圧ポンプの応答性が高くなり、前記アクセル開度が小さくなるにしたがって前記応答性が低くなるように定められ、
前記第2の設定値は、前記アクセル開度が増加する場合において、前記アクセル開度が大きくなるにしたがって、前記応答性が低下した後、再び高くなるように定められることが好ましい。
【0026】
本発明は、HSTを備えたフォークリフトにおいて、低速走行時に微少な位置決め動作を容易に実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
<フォークリフトの概要>
図1は、本実施形態に係るフォークリフトの全体構成を示す図である。
図2は、
図1に示したフォークリフトの制御系統を示すブロック図である。フォークリフト1は、駆動輪2a及び操向輪2bを有した車体3と、車体3の前方に設けられる作業機5とを有する。車体3には、内燃機関としてのエンジン4、エンジン4を駆動源として駆動する可変容量型の走行用油圧ポンプ10及び作業機油圧ポンプ16が設けられる。駆動輪2aは、可変容量型の走行用油圧ポンプ10と可変容量型の油圧モータ20とを閉じた油圧回路で連通させ、油圧モータ20の動力で駆動される。このように、フォークリフト1は、HSTによって走行する。
【0030】
作業機5は、フォーク6を昇降させるリフトシリンダ7及びフォーク6をチルトさせるチルトシリンダ8を有する。車体3の運転席には、前後進レバー42a、ブレーキペダル(インチングペダル)40a、アクセルペダル41a並びに作業機5を操作するためのリフトレバー及びチルトレバーを含む図示しない作業機操作レバーが設けられる。ブレーキペダル40a及びアクセルペダル41aは、フォークリフト1のオペレータが、運転席から足踏み操作できる位置に設けられている。
図1では、ブレーキペダル40aとアクセルペダル41aとが重なった状態で描かれている。アクセルペダル41aは、エンジン4への燃料供給量を増減するための操作をするアクセル操作部である。
【0031】
<油圧回路について>
図2に示すように、フォークリフト1は、閉回路となる主油圧回路100の油圧供給管路10a、10bによって接続された走行用油圧ポンプ10及び油圧モータ20を備えている。走行用油圧ポンプ10(以下、適宜HSTポンプ10という)は、エンジン4によって駆動されて作動油を吐出する装置である。本実施形態において、HSTポンプ10は、例えば、斜板10Sを有し、斜板10Sの傾転角(以下、斜板傾転角という)を変更することによって容量を変更することのできる可変容量型のポンプである。
【0032】
油圧モータ20(以下、適宜HSTモータ20という)は、HSTポンプ10から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ20は、例えば、斜板傾転角を変更することによって容量を変更することのできる可変容量型の油圧モータである。HSTモータ20は、固定容量型の油圧モータであってもよい。HSTモータ20は、その出力軸20aがトランスファ20bを介して駆動輪2aに接続してあり、駆動輪2aを回転駆動することでフォークリフト1を走行させることができる。
【0033】
HSTモータ20は、HSTポンプ10からの作動油の供給方向に応じて回転方向を切り替えることが可能である。HSTモータ20の回転方向が切り替えられることにより、フォークリフト1を前進又は後進させることができる。以下の説明においては、便宜上、油圧供給管路10aからHSTモータ20に作動油が供給された場合にフォークリフト1が前進し、油圧供給管路10bからHSTモータ20に作動油が供給された場合にフォークリフト1が後進するものとする。
【0034】
フォークリフト1は、ポンプ容量設定ユニット11、モータ容量設定ユニット21及びチャージポンプ15を有する。ポンプ容量設定ユニット11は、HSTポンプ10に設けられる。ポンプ容量設定ユニット11は、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13及びポンプ容量制御シリンダ14を備える。ポンプ容量設定ユニット11は、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12及び後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して、後述する制御装置30から指令信号が与えられる。ポンプ容量設定ユニット11は、制御装置30から与えられた指令信号に応じてポンプ容量制御シリンダ14が作動し、HSTポンプ10の斜板傾転角が変化することによってその容量が変更される。
【0035】
ポンプ容量制御シリンダ14は、斜板傾転角が0の状態において、ピストン14aが中立位置に保持されている。この状態においては、HSTポンプ10の斜板傾転角は0となっている。このため、エンジン4が回転しても、HSTポンプ10から主油圧回路100へ吐出される作動油の量はゼロである。
【0036】
HSTポンプ10の斜板傾転角が0の状態から、例えば、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を増大する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に対してポンプ制御圧力が与えられる。その結果、ピストン14aは、
図2において左側に移動する。ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aが
図2において左側に移動すると、これに連動してHSTポンプ10の斜板10Sが油圧供給管路10aに対して作動油を吐出する方向へ向けて傾く。
【0037】
前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からのポンプ制御圧力が増大するにしたがって、ピストン14aの移動量が大きくなる。このため、HSTポンプ10における斜板傾転角は、その変化量も大きなものとなる。つまり、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30から指令信号が与えられると、この指令信号に応じたポンプ制御圧力が前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に与えられる。前述したポンプ制御圧力によって、ポンプ容量制御シリンダ14が作動することにより、HSTポンプ10の斜板10Sが油圧供給管路10aに対して所定量の作動油を吐出できるように傾く。この結果、エンジン4が回転すれば、HSTポンプ10から油圧供給管路10aに作動油が吐出されて、HSTモータ20は前進方向に回転する。
【0038】
前述の状態において、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を減少する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12からポンプ容量制御シリンダ14に供給されるポンプ制御圧力が減少する。このため、ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aは、中立位置に向かって移動する。この結果、HSTポンプ10の斜板傾転角が減少し、HSTポンプ10から油圧供給管路10aへの作動油の吐出量が減少する。
【0039】
制御装置30が、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対してHSTポンプ10の容量を増大する旨の指令信号を与えると、この指令信号に応じて後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に対してポンプ制御圧力が与えられる。すると、ピストン14aは、
図2において右側に移動する。ポンプ容量制御シリンダ14のピストン14aが、
図2において右側に移動すると、これに連動してHSTポンプ10の斜板10Sが油圧供給管路10bに対して作動油を吐出する方向へ向かって傾転する。
【0040】
後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13から供給されるポンプ制御圧力が増大するにしたがってピストン14aの移動量が大きくなるため、HSTポンプ10の斜板傾転角の変化量は大きくなる。つまり、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して制御装置30から指令信号が与えられると、この指令信号に応じたポンプ制御圧力が後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に与えられる。そして、ポンプ容量制御シリンダ14の作動によりHSTポンプ10の斜板10Sが油圧供給管路10bに対して所望量の作動油を吐出できるように傾く。この結果、エンジン4が回転すると、HSTポンプ10から油圧供給管路10bに作動油が吐出されて、HSTモータ20は、後進方向に回転する。
【0041】
後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に対して制御装置30からHSTポンプ10の容量を減少する旨の指令信号が与えられると、この指令信号に応じて後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に供給するポンプ制御圧力が減少し、ピストン14aが中立位置に向けて移動する。この結果、HSTポンプ10の斜板傾転角が減少するので、HSTポンプ10から油圧供給管路10bへ吐出される作動油の量が減少する。
【0042】
モータ容量設定ユニット21は、HSTモータ20に設けられる。モータ容量設定ユニット21は、モータ電磁比例制御バルブ22、モータ用シリンダ制御バルブ23及びモータ容量制御シリンダ24を備えている。モータ容量設定ユニット21では、モータ電磁比例制御バルブ22に対して制御装置30から指令信号が与えられると、モータ電磁比例制御バルブ22からモータ用シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧力が供給されて、モータ容量制御シリンダ24が作動する。モータ容量制御シリンダ24が作動すると、これに連動してHSTモータ20の斜板傾転角が変化することになる。このため、制御装置30からの指令信号に応じてHSTモータ20の容量が変更されることになる。具体的には、モータ容量設定ユニット21は、モータ電磁比例制御バルブ22から供給されるモータ制御圧力が増加するにしたがって、HSTモータ20の斜板傾転角が減少するようになっている。
【0043】
チャージポンプ15は、エンジン4によって駆動される。チャージポンプ15は、前述した前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12及び後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13を介してポンプ容量制御シリンダ14にポンプ制御圧力を供給する。また、チャージポンプ15は、モータ電磁比例制御バルブ22を介してモータ用シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧力を供給する機能を有している。
【0044】
本実施形態において、エンジン4は、HSTポンプ10の他に、作業機油圧ポンプ16を駆動する。この作業機油圧ポンプ16は、作業機5を駆動するための作業用アクチュエータであるリフトシリンダ7及びチルトシリンダ8に作動油を供給する。本実施形態において、作業機油圧ポンプ16は、斜板16Sを有し、斜板16Sの斜板傾転角を変更することによって容量を変更することのできる可変容量型のポンプである。
【0045】
フォークリフト1は、ブレーキポテンショメータ40、アクセルポテンショメータ41、前後進レバースイッチ42、エンジン回転センサ43及び車速センサ46を備えている。
【0046】
ブレーキポテンショメータ40は、ブレーキペダル(インチングペダル)40aが操作された場合に、その操作量を検出して出力する。ブレーキペダル40aの操作量は、ブレーキ開度Bsである。ブレーキポテンショメータ40が出力するブレーキ開度Bsは、制御装置30に入力される。
【0047】
アクセルポテンショメータ41は、アクセルペダル41aが操作された場合にその操作量Asを出力するものである。アクセルペダル41aの操作量Asは、アクセル開度Asともいう。アクセルポテンショメータ41が出力するアクセル開度Asは、制御装置30に入力される。アクセルポテンショメータ41は、アクセル開度Asを検出するので、アクセル開度センサとしても機能する。アクセルを開くとは、アクセルペダル41aを踏み込んで、エンジン4に対する燃料供給量を増加させることである。アクセルを閉じるとは、踏み込まれたアクセルペダル41aを元に戻すことにより、エンジン4に対する燃料供給量を低減させることである。
【0048】
前後進レバースイッチ42は、フォークリフト1の進行方向を入力するための選択スイッチである。本実施形態では、運転席から選択操作できる位置に設けた前後進レバー42aの操作により、前進と、ニュートラルと、後進との3つの進行方向を選択することのできる前後進レバースイッチ42を適用している。この前後進レバースイッチ42によって選択された進行方向を示す情報は、選択情報として制御装置30に与えられることになる。
【0049】
エンジン回転センサ43は、エンジン4の実際の回転数を検出するものである。エンジン回転センサ43によって検出されたエンジン4の回転数は、実エンジン回転数Nrである。実エンジン回転数Nrを示す情報は、制御装置30に入力される。単位時間あたりにおけるエンジン4の回転数は、エンジン4の回転速度になる。本実施形態において、実エンジン回転数Nrには、エンジン4の実際の回転速度を含むものとする。
【0050】
制御装置30は、処理部30Cと記憶部30Mとを含む。制御装置30は、例えば、コンピュータである。処理部30Cは、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを組み合わせて構成される。処理部30Cは、記憶部30Mに記憶されている、主油圧回路100を制御するためのコンピュータプログラムを読み込んでこれに記述されている命令を実行することにより、主油圧回路100の動作を制御する。記憶部30Mは、前述したコンピュータプログラム及び主油圧回路100の制御に必要なデータ等を記憶している。記憶部30Mは、例えば、ROM(Read Only Memory)、ストレージデバイス又はこれらの組合せによって構成される。
【0051】
制御装置30には、ブレーキポテンショメータ40、アクセルポテンショメータ41、前後進レバースイッチ42、エンジン回転センサ43及び車速センサ46といった各種センサ類が電気的に接続されている。制御装置30は、これらの各種センサ類からの入力信号に基づいて、前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13の指令信号を生成し、かつ生成した指令信号をそれぞれの電磁比例制御バルブ12、13、22に与える。制御装置30は、アクセルポテンショメータ41によって検出されたアクセル開度Asに基づいて、HSTポンプ10の目標最大吸収トルクを求める。そして、制御装置30は、HSTポンプ10の吸収トルクが、求めた目標最大吸収トルクとなるように、HSTポンプ10を制御する。HSTポンプ10の制御において、制御装置30は、例えば、ポンプ容量制御シリンダ14によってHSTポンプ10の斜板傾転角を変更する。
【0052】
<走行用油圧ポンプ10の制御>
図3は、制御装置30が実行する本実施形態の走行用油圧ポンプ10の制御例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置30は、アクセル開度変換部31と、モジュレーション制御部32と、目標最大吸収トルク設定部33と、HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34とを含む。
【0053】
アクセル開度変換部31には、アクセルポテンショメータ41の出力部が電気的に接続される。アクセルポテンショメータ41は、アクセルペダル41aの開度を検出し、電圧値として出力する。アクセル開度変換部31は、アクセルポテンショメータ41から出力される電圧値を、アクセル開度Asに変換する。アクセル開度Asは、例えば、アクセルペダル41aが踏み込まれていない状態を0%、アクセルペダル41aが完全に踏み込まれた状態を100%とする。
【0054】
<モジュレーション制御部32について>
モジュレーション制御部32は、モジュレーション演算部32Aと、保持部32Bとを有する。モジュレーション演算部32Aは、アクセルペダル41aの操作量に対するHSTポンプ10の応答性を変化させる。このために、モジュレーション演算部32Aは、アクセル開度As及びHSTポンプ10の最大吸収トルクに応じて予め求められた設定値(以下、適宜モジュレーション設定値という)が記述されたテーブルに、例えば、アクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度As及びHSTポンプ10の最大吸収トルクの少なくとも一方を与えてモジュレーション設定値を求める。そして、モジュレーション演算部32Aは、得られた設定値を用いてアクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度Asを補正して補正アクセル開度Ascを求める。モジュレーション設定値が記述されたテーブルは、テーブル記憶部32MPに記憶されている。テーブル記憶部32MPは、
図2に示す記憶部30M内に存在する。モジュレーション設定値が記述されたテーブルには、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度Ascが与えられてもよい。この場合、前回の制御周期で得られた補正アクセル開度Ascが、前述したテーブルから得られた設定値によって補正される。
【0055】
(補正アクセル開度Asc)
補正アクセル開度Ascを求めるにあたり、モジュレーション演算部32Aは、アクセル開度Asのカットオフ周波数fを設定し、このカットオフ周波数fに応じて遅延した値を補正アクセル開度Ascとして出力する。本実施形態において、設定されたカットオフ周波数fに応じて、アクセル開度Asを遅延させることを、アクセル開度Asの補正という。カットオフ周波数fは、式(1)によって求めることができる。τは、一次遅れ要素の時定数である。式(1)から分かるように、カットオフ周波数fは、時定数τの逆数である。
f=1/(2×π×τ)・・・(1)
【0056】
モジュレーション演算部32Aの入力をアクセル開度As、出力を補正アクセル開度Ascとする。モジュレーション演算部32Aへの入力に対する出力が一時遅れに従う場合、入力であるアクセル開度Asと出力である補正アクセル開度Ascとの関係は、式(2)のようになる。式(2)から、式(3)が得られる。式(3)のAscbは、現時点におけるモジュレーション演算部32Aの出力である補正アクセル開度Ascよりも時間Δt前にモジュレーション演算部32Aから出力された補正アクセル開度Ascを示す。
Asc+τ×dAsc/dt=As・・・(2)
Asc+(Asc−Ascb)×τ/Δt=As・・・(3)
【0057】
式(3)を補正アクセル開度Ascについて解くと、式(4)に示すようになる。式(4)から、補正アクセル開度Ascは、現時点においてモジュレーション演算部32Aに入力されたアクセル開度Asと、現時点よりも時間Δt前にモジュレーション演算部32Aから出力された補正アクセル開度Ascbと、時定数τと、時間Δtとの関係で表される。時間Δtは、例えば、制御の1周期に要する時間とすることができる。補正アクセル開度Ascbは、前回の制御周期においてモジュレーション演算部32Aから出力された補正アクセル開度Ascとすることができる。時定数τは予め設定される。アクセル開度Asは、現時点においてアクセル開度変換部31から出力されたアクセル開度Asである。式(1)から、時定数τは、カットオフ周波数fを用いると、τ=1/(2×π×f)なので、カットオフ周波数fを用いると、式(4)は式(5)のようになる。
Asc=As×Δt/(Δt+τ)+Ascb×τ/(Δt+τ)・・・(4)
Asc=As×2×π×f×Δt/(2×π×f×Δt+1)+Ascb/(2×π×f×Δt+1)・・・(5)
【0058】
モジュレーション演算部32Aは、入力されたアクセル開度Asを遅延して、補正アクセル開度Ascとして出力する。遅延の程度は、カットオフ周波数f又は時定数τによって設定される。本実施形態において、前述したモジュレーション設定値は、カットオフ周波数f又は時定数τである。カットオフ周波数fを大きく(時定数τを小さく)することにより遅延の程度は小さくなり、カットオフ周波数fを小さく(時定数τを大きく)することにより遅延の程度は大きくなる。モジュレーション演算部32Aは、入力されたアクセル開度Asの遅延の程度を変更することにより、アクセルペダル41aの操作に対するHSTポンプ10の応答性(以下、適宜アクセル応答性という)を変更することができる。
【0059】
(モジュレーション設定値が記述されたテーブル)
図4は、モジュレーション設定値が記述されたテーブルTBd及びテーブルTBiの一例を示す図である。本実施形態において、テーブル記憶部32MPには、2種類のテーブルTBd及びテーブルTBiが記憶されている。テーブルTBd及びテーブルTBiは、いずれも、モジュレーション設定値として、カットオフ周波数fが記述されている。テーブルTBdは、アクセルを閉じるとき、すなわちアクセル開度Asが減少するときに用いられる。テーブルTBiは、アクセルを開くとき、すなわちアクセル開度Asが増加するときに用いられる。以下において、テーブルTBdを適宜第1のテーブルTBdと称し、テーブルTBiを適宜第2のテーブルTBiと称する。
【0060】
モジュレーション演算部32Aは、アクセルポテンショメータ41によって検出されたアクセル開度Asが減少した場合、第1のテーブルTBdを用いてモジュレーション設定値、すなわちカットオフ周波数fを求める。モジュレーション演算部32Aは、第1のテーブルTBdを用いて求めたカットオフ周波数fを用いて補正アクセル開度Ascを求める。
【0061】
アクセルポテンショメータ41によって検出されたアクセル開度Asが増加した場合、モジュレーション演算部32Aは、第2のテーブルTBiを用いてカットオフ周波数fを求める。モジュレーション演算部32Aは、第2のテーブルTBiを用いて求めたカットオフ周波数fを用いて補正アクセル開度Ascを求める。
【0062】
図4に示すように、第1のテーブルTBdは、補正アクセル開度Ascと、最大吸収トルクTmとに基づいてカットオフ周波数fが定められている。第1のテーブルTBd中、補正アクセル開度Ascと最大吸収トルクTmとに囲まれた部分の数字がカットオフ周波数fである。補正アクセル開度Ascに付された数字が大きくなるほど、補正アクセル開度Ascは大きくなる。この例においては、補正アクセル開度Asc0が0%、補正アクセル開度Asc9が100%である。最大吸収トルクTmに付された数字が大きくなるほど、最大吸収トルクTmは大きくなる。
【0063】
本実施形態において、第1のテーブルTBdに記述されているカットオフ周波数fは、最大吸収トルクTmが小さくなるにしたがって大きくなり、補正アクセル開度Ascが小さくなるにしたがって小さくなる。なお、最大吸収トルクTmの大きさによっては、補正アクセル開度Ascによらずカットオフ周波数fが一定になっている場合もある。このように、カットオフ周波数fは、最大吸収トルクTmが小さくなるにしたがって補正アクセル開度Ascの減少速度が高くなり、補正アクセル開度Ascが小さくなるにしたがって補正アクセル開度Ascの減少速度が低くなるように定められる。
【0064】
図4に示すように、第2のテーブルTBiは、アクセル開度Asに基づいてカットオフ周波数fが定められている。アクセル開度Asに付された数字が大きくなるほど、アクセル開度Asは大きくなる。この例においては、アクセル開度As0が0%、アクセル開度As7が100%である。本実施形態において、第2のテーブルTBiに記述されているカットオフ周波数fは、アクセル開度Asが大きくなるにしたがって小さくなる部分を有している。すなわち、アクセル開度As0からアクセル開度As6までにおいて、カットオフ周波数fはアクセル開度Asが大きくなるにしたがって小さくなるが、アクセル開度As7のカットオフ周波数fは、アクセル開度As6よりも多少大きくなっている。このように、第2のテーブルTBiのカットオフ周波数fは、アクセル開度Asが100%未満において、アクセル開度Asが大きくなるにしたがってアクセル応答性が低くなるように定められる。
【0065】
(アクセル開度Asが減少するときの処理例)
アクセル開度Asが減少した場合、モジュレーション演算部32Aは、
図4に示す第1のテーブルTBdに、前回の制御周期においてモジュレーション演算部32Aから出力された補正アクセル開度Asc及び後述する目標最大吸収トルク設定部33から出力される最大吸収トルクTm、すなわち目標最大吸収トルクTmpを与えて、対応するカットオフ周波数fを得る。このため、モジュレーション演算部32Aは、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascを、今回の制御周期まで保持することができるようになっている。本実施形態において、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascと、目標最大吸収トルクTmpとから求められたカットオフ周波数fによって、今回の制御周期においてアクセルポテンショメータ41によって検出されたアクセル開度Asが補正される。この場合、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascが用いられていればよく、目標最大吸収トルクTmpは、前回の制御周期の値であってもよいし、今回の制御周期の値であってもよい。本実施形態では今回の制御周期の目標最大吸収トルクTmpが用いられる。モジュレーション演算部32Aは、補正されたアクセル開度Asを、今回の制御周期の補正アクセル開度Ascとして出力する。
【0066】
図4に示す第1のテーブルTBdにおいては、例えば、補正アクセル開度Asc8で最大吸収トルクTm5の場合、カットオフ周波数fは0.50、補正アクセル開度Asc6で最大吸収トルクTm5の場合、カットオフ周波数fは0.30となる。モジュレーション演算部32Aは、求めたカットオフ周波数f及びアクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度Asを前述した式(5)に与えて、補正アクセル開度Ascを求める。カットオフ周波数fは、目標最大吸収トルクTmpの代わりに目標斜板傾転角又は車速を用いて求められてもよい。
【0067】
(アクセル開度Asが増加するときの処理例)
アクセル開度Asが増加した場合、モジュレーション演算部32Aは、
図4に示す第2のテーブルTBiに、アクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度Asを与えて、対応するカットオフ周波数fを得る。例えば、アクセル開度As4のときのカットオフ周波数fは0.20、アクセル開度As2のときのカットオフ周波数fは0.30となる。モジュレーション演算部32Aは、求めたカットオフ周波数f及びアクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度Asを前述した式(5)に与えて、補正アクセル開度Ascを求める。
【0068】
<保持部32B>
保持部32Bは、判定部35と、大選択部36と、切替部37とを含む。判定部35には、アクセル開度変換部31からアクセル開度Asが入力され、後述する目標最大吸収トルク設定部33から出力された目標最大吸収トルクTmpが入力される。大選択部36には、後述する目標最大吸収トルク設定部33から出力される目標最大吸収トルクTmpと、切替部37の出力とが入力される。切替部37は、大選択部36に入力する値として、大選択部36の出力と、最小吸収トルクTminとを切り替える。最小吸収トルクTminは、本実施形態においては0であるが、これに限定されるものではない。このような構造により、判定部35は、アクセル開度Asに基づいて切替部37を大選択部36の出力側又は最小出力側に切り替える。
【0069】
保持部32Bは、モジュレーション演算部32Aに、修正後の目標最大吸収トルクTmpを与える。また、保持部32Bは、モジュレーション演算部32Aに与えられる、修正後の目標最大吸収トルクTmpを、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングの値に保持する。このため、判定部35は、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したとき、大選択部36に大選択部36の出力が入力されるように、切替部37を制御する。判定部35は、目標最大吸収トルク設定部33から出力された目標最大吸収トルクTmpの減少を検出したとき、大選択部36に大選択部36の出力が入力されるように、切替部37を制御してもよい。
【0070】
大選択部36は、自身の出力が入力されると、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングにおける最大吸収トルク(後述する目標最大吸収トルク設定部33が求めた目標最大吸収トルクTmp)と、そのタイミング以降の最大吸収トルクとを比較する。アクセル開度Asが減少している場合、後述する目標最大吸収トルク設定部33によって求められる目標最大吸収トルクTmpは前回値よりも減少する。アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングで大選択部36に大選択部36の出力が入力されるようにすると、大選択部36の出力は、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングの値に保持される。
【0071】
アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの増加を検出した場合、判定部35は、大選択部36に最小吸収トルクTminが入力されるように、切替部37を制御する。大選択部36は、最小吸収トルクTminが入力されると、後述する目標最大吸収トルク設定部33が求めた目標最大吸収トルクTmpと最小吸収トルクTminとを比較する。最小吸収トルクTminは0なので、大選択部36は、大選択部36の入力値、すなわち、後述する目標最大吸収トルク設定部33が求めた目標最大吸収トルクTmpを出力する。このように、保持部32Bは、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの増加を検出した場合、アクセル開度Asの減少を検出したタイミングにおける最大吸収トルクの値の保持を解除する。
【0072】
<目標最大吸収トルク設定部33>
目標最大吸収トルク設定部33は、モジュレーション演算部32Aによって求められた補正アクセル開度Ascに応じて、目標最大吸収トルクTmpを求める。モジュレーション演算部32Aが補正アクセル開度Ascを求める制御周期と、その補正アクセル開度Ascを用いて、目標最大吸収トルク設定部33が最大目標吸収トルクTmpを求める制御周期とは同一である。目標最大吸収トルク設定部33は、例えば、特性線L1で示されるような、アクセル開度Asと目標最大吸収トルクTmpとの関係が記述されたデータテーブル33TBを有している。このアクセル開度Asと目標最大吸収トルクTmpとの関係は、例えば、
図2に示すエンジン4の燃料消費率が最小になるように定められる。目標最大吸収トルク設定部33は、モジュレーション演算部32Aによって求められた補正アクセル開度Ascをデータテーブル33TBに与えることにより、補正アクセル開度Ascに対応した目標最大吸収トルクTmpを求めることができる。目標最大吸収トルク設定部33は、求めた目標最大吸収トルクTmpを、HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34に出力する。
【0073】
出力制御部としてのHSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34は、目標最大吸収トルクTmpに基づいて目標吸収トルク指令Icを生成して、HSTポンプ10のポンプ容量設定ユニット11に出力する。この目標吸収トルク指令Icを受けて、ポンプ容量設定ユニット11は、HSTポンプ10の吸収するトルクが目標最大吸収トルクTmpとなるように、HSTポンプ10の斜板傾転角を制御する。
【0074】
目標吸収トルク指令Icは、HSTポンプ10によって吸収されるトルクが目標最大吸収トルクTmpとなるようにするための信号(本実施形態では電流値)である。目標吸収トルク指令Icは、HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34から、ポンプ容量設定ユニット11の前進用ポンプ電磁比例制御バルブ12又は後進用ポンプ電磁比例制御バルブ13に出力される。次に、本実施形態に係るHSTポンプ10の制御例を説明する。
【0075】
<HSTポンプ10の制御例>
図5は、フォークリフト1が備える制御装置30が実行するHSTポンプ10の制御例を示すフローチャートである。
図3に示す制御装置30は、HSTポンプ10を制御するにあたって、
図5に示すフローチャートのステップS11からステップS17までの一連の処理を、所定の周期(例えば時間Δt)で繰り返す。前述した一連の処理を、適宜、制御の1周期という。
【0076】
HSTポンプ10を制御するにあたり、制御装置30のモジュレーション制御部32、本制御例ではモジュレーション演算部32Aは、アクセルポテンショメータ41及びアクセル開度変換部31からアクセル開度Asを取得する。そして、ステップS11において、モジュレーション演算部32Aは、今回の制御において取得したアクセル開度Asと、前回の制御、すなわち1周期前の制御における補正アクセル開度Ascとを比較する。
【0077】
ステップS12において、アクセル開度Asが補正アクセル開度Ascよりも等しいか小さい場合(As≦Asc)、モジュレーション演算部32Aは、アクセル開度が増加しない、すなわちアクセルペダル41aが閉じられている又は保持されていると判定する(ステップS12、Yes)。この場合、ステップS13において、モジュレーション演算部32Aは、補正アクセル開度Ascを求めるために、
図4に示す第1のテーブルTBdを選択する。
【0078】
ステップS12において、アクセル開度Asが補正アクセル開度Ascよりも大きい場合(As>Asc)、モジュレーション演算部32Aは、アクセル開度が増加した、すなわちアクセルペダル41aが踏み込まれたと判定する(ステップS12、No)。この場合、ステップS14において、モジュレーション演算部32Aは、補正アクセル開度Ascを求めるために、
図4に示す第2のテーブルTBiを選択する。
【0079】
補正アクセル開度Ascを求めるためのテーブルが選択されたら、ステップS15に進む。アクセルペダル41aが閉じられるか又は保持される場合、第1のテーブルTBdが選択される。モジュレーション演算部32Aは、第1のテーブルTBdに、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascと、
図3に示す大選択部36から入力される最大吸収トルクとを与える。大選択部36に、
図3に示す切替部37から大選択部36の出力が入力されている限り、すなわち、アクセルペダル41aが閉じられるか又は閉じられつつある状態にある限り、大選択部36からは、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングにおいて目標最大吸収トルク設定部33から出力された目標最大吸収トルクTmpが出力される。このため、アクセルペダル41aが閉じられるか又は保持される場合、第1のテーブルTBdに与えられる最大吸収トルクは、アクセルポテンショメータ41がアクセル開度Asの減少を検出したタイミングにおいて目標最大吸収トルク設定部33から出力された目標最大吸収トルクTmpとなる。
【0080】
モジュレーション演算部32Aは、第1のテーブルTBdから、これに与えた補正アクセル開度Asc及び最大吸収トルクに対応するカットオフ周波数fを取得する。そして、モジュレーション演算部32Aは、取得したカットオフ周波数fを用いて、アクセルペダル41aが閉じられるか又は閉じられつつある状態に対応した補正アクセル開度Ascを求める。
【0081】
アクセルペダル41aが踏み込まれた場合、第2のテーブルTBiが選択される。モジュレーション演算部32Aは、第2のテーブルTBiに、今回の制御のアクセル開度Asを与える。アクセルペダル41aが踏み込まれたため、
図3に示す保持部32Bの判定部35は、大選択部36に最小吸収トルクTminが入力されるように、切替部37を切り替える。
【0082】
モジュレーション演算部32Aは、第2のテーブルTBiから、これに与えたアクセル開度Asに対応するカットオフ周波数fを取得する。そして、モジュレーション演算部32Aは、取得したカットオフ周波数fを用いて、アクセルペダル41aが踏み込まれている状態に対応した補正アクセル開度Ascを求める。
【0083】
補正アクセル開度Ascが求められたら、ステップS16に進む。ステップS16において、
図3に示す制御装置30の目標最大吸収トルク設定部33は、モジュレーション演算部32Aによって求められた補正アクセル開度Ascをデータテーブル33TBに与え、対応する目標最大吸収トルクTmpを求めてから
図3に示すHSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34に出力する。
【0084】
次に、ステップS17に進み、HSTポンプ電磁比例制御出力電流変換部34は、目標最大吸収トルク設定部33から入力された目標最大吸収トルクTmpに基づいて、目標吸収トルク指令Icを生成して、HSTポンプ10のポンプ容量設定ユニット11に出力する。ポンプ容量設定ユニット11は、入力された目標吸収トルク指令Icに基づいて、HSTポンプ10の吸収するトルクが目標最大吸収トルクTmpとなるように、HSTポンプ10の斜板傾転角を制御する。
【0085】
制御装置30がステップS11からステップS17を実行することにより、制御の1周期が終了する。制御の1周期が終了したら、制御装置30は、ステップS11に戻り、次の周期の制御を実行する。
【0086】
アクセルペダル41aを放した瞬間において、第1のテーブルTBdに与えられる最大吸収トルクTmが相対的に小さい場合、すなわち車速が相対的に低い場合、前述した制御により、制御装置30は、目標最大吸収トルクTmpの変化速度、この場合は減少速度を大きくできる。このため、フォークリフト1は、アクセルペダル41aが放されてから停止するまでにおいて減速の程度が強まる。すなわち、アクセルペダル41aが放されてから、減速力が速やかに大きくなる。その結果、オペレータはアクセルペダル41aの操作のみでフォークリフト1の位置決めを容易に実現することができる。特に、HSTを備えたフォークリフト1はクリープ走行ができないため、微少な移動が難しいが、本実施形態によれば、低速走行時において、数センチメートルといった微少な移動による位置決めが必要である場合においても、オペレータは容易に位置決めを実現することができる。
【0087】
本実施形態において、前述したように、オペレータがアクセルペダル41aを放した瞬間において、第1のテーブルTBdに与えられる最大吸収トルクTmは、前述したタイミングの目標最大吸収トルクTmpに保持される。オペレータがアクセルペダル41aを放した瞬間は、アクセル開度Asが減少したタイミング又はHSTポンプ10の吸収トルクが減少に転じたタイミングである。
【0088】
モジュレーション演算部32Aは、保持された目標最大吸収トルクTmpのもとで、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascに基づいてカットオフ周波数fを決定する。第1のテーブルTBdは、最大吸収トルクTmが一定であれば、補正アクセル開度Ascが減少するとカットオフ周波数fは小さくなる。また、最大吸収トルクが大きくなるにしたがってカットオフ周波数fは小さくなる。また、カットオフ周波数fが小さいと、目標最大吸収トルクTmpの変化速度は小さくなる。
【0089】
アクセルペダル41aを放した瞬間において、第1のテーブルTBdに与えられる最大吸収トルクTmが相対的に大きい場合、すなわち車速が相対的に高い場合、前述した制御により、制御装置30は、目標最大吸収トルクTmpの変化速度、この場合は減少速度を小さくできる。その結果、フォークリフト1は、停止するまでにおいて減速の程度が弱まるので、荷崩れの可能性を低減できる。また、フォークリフト1は、停止する寸前において、急に減速度が大きくなることが抑制されるので、オペレータが受ける違和感を低減できる。また、フォークリフト1はHSTを備えるが、本実施形態によるHSTポンプ10の制御が行われるので、トルクコンバータを備えたフォークリフトの操作に慣れたオペレータであっても違和感を受けにくいという利点がある。
【0090】
以上の説明において、目標最大吸収トルク設定部33が目標最大吸収トルクTmpを求めることとした。しかし、目標最大吸収トルクという用語は1つの概念に過ぎず、これを、例えば、目標斜板傾転角と表現することもできる。目標斜板傾転角は、
図2に示すHSTポンプ10が有する斜板10Sの目標とする傾転角である。
【0091】
<アクセルペダル41aを踏み込んだときにおける制御の変形例>
図6は、本変形例に係る制御を説明するためのブロック図である。
図7は、本変形例に係る制御のフローチャートである。本変形例は、
図1に示すフォークリフト1のオペレータが、
図2に示すアクセルペダル41aを踏み込んだときにおいて、アクセルペダル41aの開度が中程度における加速のもたつきを抑制するものである。
【0092】
このため、
図6に示すモジュレーション演算部32Aは、アクセルポテンショメータ41によって検出されたアクセル開度Asが増加した場合、アクセル開度Asを
図6及び
図4に示す第2のテーブルTBiに与えて求められた第1のカットオフ周波数fnを求める。また、モジュレーション演算部32Aは、第1のカットオフ周波数fnが求められる前のタイミングにおいて求められた補正アクセル開度Ascを第2のテーブルTBiに与えて求められた第2のカットオフ周波数fbを求める。本変形例において、第1のカットオフ周波数fnが求められる前のタイミングは、第1のカットオフ周波数fnが求められる周期の1周期前の制御である。モジュレーション演算部32Aは、第1のカットオフ周波数fnと、第2のカットオフ周波数fbとの大きい方を用いて、アクセルポテンショメータ41が検出したアクセル開度Asを補正して補正アクセル開度Ascを求める。
【0093】
モジュレーション演算部32Aは、第1設定値生成部32ACnと、第2設定値生成部32ACbと、大選択部32Asと、補正アクセル開度生成部32ATとを含む。第1設定値生成部32ACnには、アクセルポテンショメータ41の検出値がアクセル開度変換部31を介して入力される。すなわち、第1設定値生成部32ACnには、アクセル開度Asが入力される。
図7に示すステップS141において、第1設定値生成部32ACnは、入力されたアクセル開度Asを第2のテーブルTBiに与えて、対応する第1のカットオフ周波数fnを取得して、大選択部32Asに出力する。
【0094】
第2設定値生成部32ACbには、モジュレーション演算部32Aの出力が入力される。すなわち、第2設定値生成部32ACbには、前回の制御周期における補正アクセル開度Ascが入力される。ステップS141において、第2設定値生成部32ACbは、入力された補正アクセル開度Ascを第2のテーブルTBiに与えて、対応する第2のカットオフ周波数fbを取得して、大選択部32Asに出力する。
【0095】
ステップS142において、大選択部32Asは、入力された第1のカットオフ周波数fnと第2のカットオフ周波数fbとを比較して、大きい方を出力する。ステップS143において、補正アクセル開度生成部32ATは、大選択部32Asから入力された値及びアクセルポテンショメータ41からのアクセル開度Asを前述した式(5)に与えて、今回の制御周期における補正アクセル開度Ascを生成して出力する。
【0096】
第2のテーブルTBiは、
図4に示すように、アクセル開度Asが大きくなるにしたがってカットオフ周波数fsが高い状態から減少し、アクセル開度Asが中程度でカットオフ周波数fは最小値となる。その後、アクセル開度Asの増加とともにカットオフ周波数は増加する。本実施形態において、第2のテーブルTBiは、アクセル開度Asが最小のとき(As0)と最大のとき(As7)とで、カットオフ周波数fは最も高くなる。このため、第2のテーブルTBiは、アクセル開度Asが増加する場合において、アクセル開度Asが大きくなるにしたがってアクセル応答性が低下した後、アクセル応答性が再び高くなるように定められる。
【0097】
本実施形態において、第2のテーブルTBiは、アクセル開度Asの増加とともにカットオフ周波数fは小さくなる。このため、オペレータがアクセルペダル41aを中程度踏み込んで発進しようとした場合、カットオフ周波数fがアクセル開度Asに応じて小さくなるので、目標最大吸収トルクTmpの変化速度も小さくなる。その結果、オペレータはフォークリフト1が発進する際のもたつきを感じることがある。
【0098】
本変形例は、第2のテーブルTBiを用いてカットオフ周波数fを決定するが、前回の制御周期の補正アクセル開度Ascによって決定された第2のカットオフ周波数fbと、今回の制御周期のアクセル開度Asによって決定された第1のカットオフ周波数fnとのうち大きい方を用いる。補正アクセル開度Ascはアクセル開度Asが一時遅れにしたがって変化するものである。このため、アクセルペダル41aが踏み込まれた場合、今回の制御周期におけるアクセル開度Asよりも前回の制御周期における補正アクセル開度Ascの方が小さくなる。アクセルペダル41aが踏み込まれてフォークリフト1が加速する場合、アクセル開度Asは時間の経過とともに大きくなるので、第1のカットオフ周波数fnよりも第2のカットオフ周波数fbの方が大きくなる。
【0099】
例えば、今回の制御周期におけるアクセル開度がAs4であった場合、
図4に示す第2のテーブルTBiから、カットオフ周波数fは0.20である。前回の制御周期における補正アクセル開度がAs1の値であるとすると、補正アクセル開度Ascから求められるカットオフ周波数fは3.00である。本変形例では、今回の制御周期において、2つのカットオフ周波数fのうち大きい方が用いられて補正アクセル開度Ascが生成されるので、カットオフ周波数fは3.00が選択される。このカットオフ周波数fを用いることにより、目標最大吸収トルクTmpの変化速度が大きい状態で維持されるので、フォークリフト1は、速やかに発進する。
【0100】
フォークリフト1が発進した後、補正アクセル開度AscがAs2の値まで上昇すると、補正アクセル開度Ascから求められるカットオフ周波数fは0.30になる。このカットオフ周波数fは、今回の制御周期におけるアクセル開度Asから求められるカットオフ周波数fの0.20と比較した上で大きい方を選択しても、0.30と小さい。このカットオフ周波数fを用いることにより、目標最大吸収トルクTmpの変化速度が小さくなるので、フォークリフト1の発進後の無用な飛び出しが抑制される。また、アクセル開度Asが最大となるまで
図2に示すアクセルペダル41aを踏んだ場合は、カットオフ周波数fが20と大きい値が選択されるので、フォークリフト1は、オペレータの意図通りに速やかに発進し、加速することができる。
【0101】
このように、補正アクセル開度生成部32ATは、大選択部32Asにより選択された、より大きいカットオフ周波数fを用いて補正アクセル開度Ascを生成するので、目標最大吸収トルクTmpの変化速度の低下は抑制される。その結果、オペレータが受けるフォークリフト1の発進のもたつきが低減される。また、フォークリフト1が発進した後にカットオフ周波数fは小さい値になるので、発進後の無用なフォークリフト1の飛び出しが抑制される。アクセル開度Asが小さい場合、第2のテーブルTBiのカットオフ周波数fは相対的に大きい値なので、フォークリフト1が微速で移動する際におけるアクセルペダル41aの操作に対する応答性も確保できる。さらに、アクセル開度Asが最大になるまでアクセルペダル41aを踏んだ場合は、フォークリフト1はオペレータの意図通りに速やかに発進し、加速することができる。
【0102】
<制御装置30によるHSTポンプ10の制御の変形例>
図8は、制御装置30によるHSTポンプ10の制御の変形例を説明するための図である。前述した実施形態では、最大吸収トルクTmとアクセル開度Asとに応じてカットオフ周波数fが定められていたが、最大吸収トルクTmの代わりにフォークリフト1の車速Vcを用いてもよい。通常、最大吸収トルクTmと車速Vcとは比例関係にあるからである。この場合、
図4に示す第1のテーブルTBdは、最大吸収トルクTmの代わりに、フォークリフト1の車速Vcに応じてカットオフ周波数fが定められる。本変形例では、車速Vcが小さくなるにしたがって、カットオフ周波数fは大きくなる。すなわち、車速Vcが小さくなるにしたがってアクセル応答性が高くなるようにカットオフ周波数fが設定される。
【0103】
車速Vcを用いる場合、車速センサ46が検出したフォークリフト1の車速Vcは、
図8に示すように、モジュレーション演算部32A及び大選択部36に入力される。また、判定部35aには、アクセル開度変換部31aを介してアクセルポテンショメータ41からのアクセル開度Asが入力される。他の構成は、最大吸収トルクTmが用いられる場合と同様である。
【0104】
最大吸収トルクTmによる第1のテーブルTBdと、車速Vcによる第1のテーブルTBdとを用意しておき、制御装置30は、いずれか一方の第1のテーブルTBdを用いて補正アクセル開度Ascを求める。例えば、フォークリフト1の車内信号線が断線した等の何らかの原因によって、最大吸収トルクTm又は車速Vcが得られなくなった場合、制御装置30は、正常に得られる情報を用いて補正アクセル開度Ascを求めるようにしてもよい。このようにすれば、信頼性が向上する。
【0105】
以上説明したように、フォークリフト1及びその制御装置30は、アクセル開度Asの変化及びHSTポンプ10の最大吸収トルクTm又はフォークリフト1の車速Vcに応じて予め定められたカットオフ周波数fを用いて、HSTポンプ10の目標最大吸収トルクTmpを求める。このようにすることで、フォークリフト1及びその制御装置30は、フォークリフト1が低速域で走行している場合のみ、オペレータがアクセルペダル41aを放した際の減速力を強め、アクセルペダル41aの操作のみで位置決めを可能とすることができる。また、フォークリフト1及びその制御装置30は、フォークリフト1の走行速度が相対的に高い場合に、カットオフ周波数fを相対的に小さくすることができるので、目標最大吸収トルクTmpの変化速度を小さくすることができる。その結果、フォークリフト1が停止するまでの減速の程度を弱めることができるので、荷崩れの可能性を低減できる。さらに、フォークリフト1は、停止する寸前において、急に減速度が大きくなることが抑制されるので、オペレータが受ける違和感を低減できる。
【0106】
以上、本実施形態を説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプ、走行用油圧ポンプとの間で閉回路を形成し、走行用油圧ポンプから吐出された作動油によって駆動される油圧モータ及び油圧モータによって駆動される駆動輪を備えるフォークリフトであり、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度が減少した場合、アクセル操作部の操作量に対する走行用油圧ポンプの応答性を変化させるために、アクセル開度及び走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルク又はフォークリフトの車速に応じて予め求められた設定値が記述されたテーブルに、アクセル開度センサが検出したアクセル開度及び走行用油圧ポンプの目標最大吸収トルクを与えて設定値を求め、得られた設定値を用いてアクセル開度センサが検出したアクセル開度を補正して補正アクセル開度を求める。