(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる二重床構造の構成について説明する図であり、(a)は二重床構造の平面図、(b)はその側面図を示している。
図2は、
図1の二重床構造の上床形成単位部材の構成を説明する図であり、(a)は上床形成単位部材の平面図、(b)は上床形成単位部材の側面図、(c)は上床形成単位部材の底面図である。
【0032】
図示のように、本実施の形態にかかる二重床構造10は、基礎床面100上に複数の上床形成単位部材12が、別体に構成された連結部材14に結合されることで相互に連結されて整列配置されている。上床形成単位部材12は、平面視略矩形状の面を有するパネル部16を有し、このパネル部16には、その四隅部16a、辺部の中央部16b、中心部16cからそれぞれ下方に突出する円筒形状の隅部支持脚18、辺中央支持脚20、及び板中心部支持脚22が形成されている。
【0033】
従って、この隅部支持脚18、辺中央支持脚20、及び板中心部支持脚22によりパネル部16が基礎床面100の上方で支持されることとなり、基礎床面100とパネル部16との間に電線やLANケーブル等の配線や配管等を設置する空間が形成される。なお、隅部支持脚18は、辺中央支持脚20及び板中心部支持脚22よりも若干長く突出しており、パネル部16にかかる荷重により辺中央支持脚20及び板中心部支持脚22が基礎床面100に当接する構成となっている。この構成により、基礎床面100に不陸があったとしても対応することが可能である。
【0034】
パネル部16には、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔16dが穿設されており、この複数の貫通孔16dは2列に並列して各辺部の中央部16b近傍から中心部16cに向かって形成されている。従って、パネル部16の下方の配線又は配管空間内の配線或いは配管は、貫通孔16dを通して上方から目視可能な構成となっている。
【0035】
また、パネル部16の上面において、貫通孔16dで区切られた4箇所の領域には、平面視略円形の四つの溝部24が形成されており、このそれぞれの円形の溝部24の略中心部には凹状の工具位置決め部26が設けられている。これにより、凹状の工具位置決め部26にホルソーやコアドリル等の工具の中心をあてがって、溝部24を加工しコンセント等を取り付け可能な開口部を形成することが可能である。
【0036】
更に、パネル部16の4辺のうちの隣り合う2辺には、それら2辺の中央部16bからずれた箇所に凹状の切欠き部28が形成されている。この切欠き部28により、パネル部16下方の配線等をパネル部16上方へ引き出すことが可能である。
【0037】
特に、本実施の形態では、上床形成単位部材12を同じ方向に並べて配置した場合は切欠き部28の1個分の半円弧状凹状部が形成され、隣り合う上床形成単位部材12の一方のみを90度回転させ、凹状切欠き部28相互を向き合うよう並べた場合は、対向した2個の凹状切欠き部28により円状の大きな開口が形成されることとなり、太い配線などを引き出すための開口として好適なものとなる。
【0038】
また、
図2(c)から理解されるように、パネル部16の底面には複数のリブ30が突出形成されている。このリブ30により、パネル部16の強度を確保しつつ、軽量化が実現されている。なお、リブ30は、支持脚18、20、22の円筒状内に十字状に形成された支持脚リブ30a、各支持脚18、20、22の相互間に形成され、略長方形状の格子状に形成された相互間リブ30b、相互間リブ30bに囲まれた空間に、格子状に形成され、且つ該格子状の角相互を斜めに結ぶ形状に形成された主リブ30cにより形成されている。また、支持脚18、20、22の近傍に形成されている相互間リブ30b、主リブ30cは、他の部分に形成されたリブよりも高く形成されている。
【0039】
また、パネル部16の貫通孔16dは、辺中央支持脚20と板中心部支持脚22を結ぶ相互間リブ30bの切れ目に穿設されており、貫通孔16dが形成されても強度を十分に確保可能な構成となっている。尚、上床形成単位部材12自体に強度があれば、上記リブは不要、或いは一部不要である。
【0040】
図3は連結部材の構成を説明する図であり、(a)は連結部材の平面図、(b)は側面図、(c)は(a)におけるA−A線断面図、(d)は(a)におけるB−B線断面図である。図示のように、連結部材14は、上床形成単位部材12の隅部支持脚18を挿通可能な受け入れ穴部32を有する背低な壁部で囲まれた略円筒形の筒状部36を4つ有しており、平面視において4つの円が結合した形状に形成されている。そして、結合された状態の筒状部36の外周面36aの下端には、平面視において筒状部36から外方に張り出している張出片38が形成されている。
【0041】
また、隣り合う筒状部36は、共通の壁部39により形成されており、この共通の壁部39は、平面視直線状である。また、4つの筒状部36が集合した中心箇所40は、筒状部36の壁部から内方に突出する結合片42にて結合されており、この結合片42の略中央部には、基礎床面100へのアンカー止め用のアンカー止め用孔(固定部)44が穿設されている。また、各筒状部36の壁部の内周面において突起部46が形成されている。
【0042】
本実施の形態では、この突起部46は、受け入れ穴部32内で1組ずつ対向するように合計4個平面視放射状に配置されており、上床形成単位部材12の位置決め機能を奏しつつ、後述する上床形成単位部材12の熱変形を許容する程度の剛性を有する材質で形成されている。
【0043】
更に、突起部46は、隅部支持脚18の挿入方向における長さが相対的に長い、上下方向に相対的に長い細長板状に形成されている。この形状により、隅部支持脚18の挿通作業時に受ける押圧力に対する突起部46の強度が向上される。すなわち隅部支持脚18が、その挿通時に突起部46に衝突した場合であっても、衝突による突起部46の変形を防止することができる。また、一方で突起部46は、上方床形成部材12の床面方向における長さは短く形成されているので、上床形成単位部材12の熱による床面方向の変形を吸収する変形機能は十分に発揮される。
【0044】
この突起部46の上端部46aは、隅部支持脚18の挿入方向に向かって傾斜するテーパ部、すなわち、上方から下方に向かって傾斜するテーパ部として形成されている。これにより、隅部支持脚18が受け入れ穴部32内への挿通の際には、隅部支持脚18は、突起部46に衝突したとしてもテーパ部上を滑り、受け入れ穴部32における突起部46間の空間に正確且つスムーズに挿通されることとなる。
【0045】
一方で突起部46の下端部46bも下方から上方に向かって傾斜するテーパ部に形成されている。これにより、仮に連結部材14を上下逆にして基礎床面100に配設した場合であっても、隅部支持脚18をスムーズに挿通することができる。
【0046】
なお、突起部46の上端部46a及び下端部46bにおけるテーパ部を形成すること無く、隅部支持脚18の外表面を、その下方に向かうに従って断面積が小さくなるテーパ状に形成しても良い。また、上端部46a又は下端部46bの何れか一方のみをテーパ状に形成しても良い。
【0047】
以上の構成からなる上床形成単位部材12と連結部材14を基礎床面100に配置する場合、先ず、連結部材14を所定間隔で基礎床面100に固設する。この際、連結部材14の筒状部36の下端、張出部38の下面、結合片42の下面に接着剤を塗布して基礎床面100に固定する。なお、アンカー用孔44にアンカーを打ち込んで基礎床面100に固定しても良い。
【0048】
その後、連結部材14の受け入れ穴部32にそれぞれ上床形成単位部材12の隅部支持脚18を挿通して位置決めし、上床形成単位部材12を基礎床面100に並設することで、上床形成単位部材12のパネル部16により床面が形成されることとなる。この際、上床形成単位部材12のパネル部16上面と基礎床面100との間に配線又は配管空間が形成され、且つ上床形成単位部材12相互間に若干の隙間Cが形成される。この隙間Cは後述する上床形成単位部材12の熱膨張による伸びを吸収する。隙間Cは、配置される各上床形成単位部材12の間毎に形成されることが好ましいが、各上床形成単位部材12の間毎ではなく複数個の上床形成単位部材12の間置きに形成するようにしても良い。
【0049】
なお、本実施の形態の上床形成単位部材12の寸法は、施工者が特別な作業を行うこと無く連結部材14の受け入れ穴部32内に隅部支持脚18を挿通するだけで隙間が形成されるように調整されている。そして、上床形成単位部材12のパネル部16で形成される床面にカーペット等の仕上げ材を敷設することにより、施工が完了する。
【0050】
図4〜
図6は、上床形成単位部材12と連結部材14の係合状態を示しており、特に、
図4は通常状態、
図5は上床形成単位部材12が熱膨張した状態、
図6は上床形成単位部材12が熱収縮した状態を示している。
【0051】
連結部材14の受け入れ穴部32に隅部支持脚18を挿通した場合に、
図4に示すように、通常時は筒状部36内の突起部46に囲まれた空間に隅部支持脚18が挿入され、且つ
図1に示すように上床形成単位部材12相互間に隙間Cが形成された状態となる。
【0052】
そして、例えば、冬に施工して夏を向かえた場合など、施工時よりも気温が上昇した場合、その気温の上昇に伴い上床形成単位部材12が温度上昇しパネル部16が熱膨張する。このパネル部16の熱膨張の際には
図5に示すように、パネル部16に取り付けられている隅部支持脚18を連結部材14の中心(アンカー用孔44)側に移動させる力が作用する。このような力が作用すると、連結部材14の中心のもっとも近くに位置する突起部46が潰れ変形(或いは破損)する。このように、突起部46は潰れ変形した状態では、連結部材14で連結されている各パネル部16は膨張により連結部材14の中心から遠ざかる状態となるので、この連結部材14の中心における上床形成単位部材12間の隙間Cは狭くなるか、或いは完全に塞がれることとなる。このように、突起部46及び上床形成単位部材12間の隙間Cによって、上床形成単位部材12の熱膨張、すなわちパネル部16の熱膨張を吸収することができる。
【0053】
また、逆に夏に施工して冬を向かえた場合など、施工時よりも気温が下降した場合、その気温の下降に伴い上床形成単位部材12が温度下降しパネル部16が熱収縮する。このパネル部16の熱収縮の際には
図6に示すように、連結部材14の外側に隅部支持脚18を移動させる力が作用する。このような力が作用すると、連結部材14の中心から最も離れた外側に位置する突起部46は潰れ変形(或いは破損)する。このように、突起部46が潰れ変形した状態では、連結部材14で連結されている各パネル部16は収縮により連結部材14の中心に集まる状態となる。このように突起部46によって、上床形成単位部材12の熱収縮、すなわちパネル部16の熱収縮を吸収することができる。
【0054】
以上の構成により、本実施の形態にかかる二重床構造10によれば、上述の変形性の突起部46が、隅部支持脚18と筒状部36の間で突っ張ることで上床形成単位部材12が位置決めされるとともに、上床形成単位部材12の床面方向への熱膨張や熱収縮による変形を突起部46の弾性変形や塑性変形で確実に吸収することができる。
【0055】
そして、特に、突起部46は、上床形成単位部材12と連結部材14による連結箇所との間の一部にのみ設けられているので、突起部46の形状や配置位置の調整について自由度が高い。すなわち、形状や配置位置を適宜調整することで、上床形成単位部材12の熱膨張変形や熱収縮変形による突起部46の変形特性を調節することができるので、従来のように弾性率が高いなどの変形しやすい特殊な材質を用いること無く、所望の変形特性を維持した上で突起部46の材質の選択幅を広げることができる。すなわち、汎用的な材料を用いて突起部46を形成し所望の変形特性を得ることができる。
【0056】
一方で、上床形成単位部材12は基礎床面100の状態、設置状態などにより上床形成単位部材12のどの場所を中心にして熱膨張或いは熱収縮するかが異なり、必ずしも隣接する上床形成単位部材12がパネル部16の中心部を中心にして熱膨張或いは熱収縮するとは限らないが、連結部材14の筒状部36の内壁に突起部46が放射状に設けられていることから、各上床形成単位部材12の熱膨張及び熱収縮による床面上における任意方向への変形を確実に吸収し、パネル部16の平坦性が失われることを防止することができる。
【0057】
特に、本実施の形態のように突起部46が連結部材14により各上床形成単位部材12のパネル部16の四隅部分のみに結合されている場合、すなわち、突起部46を有する連結部材14が上床形成単位部材12の周部分の一部にしか存在しない場合であっても、床面上の任意方向の変形を吸収する機能を十分に発揮することができる。
【0058】
また、例えば、上床形成単位部材12の素材として再生材を使用しロット毎に材質が若干異なるなどの理由により上床形成単位部材12相互で材質が異なる場合、それに伴う熱膨張率又は熱収縮率の相違にも柔軟に対応することができる。
【0059】
更に、放射状に設けられた突起部46により、例えば、隣接配置されている上床形成単位部材12上に壁などで間仕切りされ、それぞれの上床形成単位部材12が温度条件の異なる別の部屋に配置されており、一方の上床形成単位部材12が熱収縮し、隣接配置されている他方の上床形成単位部材12が熱膨張したような場合であっても、それぞれの上床形成単位部材12の熱変形を確実に吸収することが可能となる。
【0060】
更に、上述のように、二重床構造10の連結部材14は、突起部46の上端部46a、及び下端部46bがテーパ状に形成されている(
図3(c)参照)ので、隅部支持脚18の受け入れ穴部32へ挿入は、連結部材14の上面(張出片38が設けられていない側の面)及び下面(張出片38が設けられている側の面)のどちら側からでも容易に行うことができる。
【0061】
従って、連結部材14を張出片38側の面で基礎床面100に固定しなくても良い場合、すなわち連結部材14と基礎床面100の設置面積を特に大きく取ることにこだわらない場合には、連結部材14をその上下を考える事無く基礎床面100への配置することができるので、施工性がより向上する。
【0062】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態にかかる二重床構造10について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図7は、第2の実施の形態にかかる二重床構造10の構成について説明する図であり、(a)は二重床構造10の平面図、(b)はその側面図である。また、
図8は、
図7の二重床構造10の上床形成単位部材12の構成を説明する図であり、(a)は上床形成単位部材12の平面図、(b)は上床形成単位部材12の側面図、(c)は上床形成単位部材12の底面図である。
【0064】
図示のように、本実施の形態にかかる二重床構造10では、樹脂製の支持脚18が設けられた上床形成単位部材12が基礎床面部100に複数敷設されており、この上床形成単位部材12に連結部材49が結合されることでそれらが相互連結されている。
【0065】
上床形成単位部材12のパネル部16には、支持脚として、四隅部の隅部支持脚18のみが形成されている。また、パネル部16の貫通孔16dはその4辺に略全域に沿って形成されている。
【0066】
また、パネル部16の四隅には、他の部分よりも低い低段部50が形成され、この低段部50には連結部材49を取り付けるための取付け凹部52が形成されている。更に、パネル部16の底面には、第1の実施形態よりも少数のリブ30が突出形成されている。リブ30は、隅部支持脚18の相互間及び辺中央から中心に向かって長く形成された相互間30bリブと、相互間リブ30bで区画された4箇所に十字状の主リブ30cを有している。
【0067】
図9は、本実施の形態の連結部材49の構成を説明する図であり、(a)は連結部材49の平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(c)におけるA−A線断面図を示す。図示のように、連結部材49は、平面視略矩形の板状部49aと、板状部49aの一方側の面に突出形成された平面視略円形の円柱状挿通部49bと、円柱状挿通部49bの基端部分の外周面に4箇所放射状に突出形成された突起部46を有している。そして、この連結部材49は、各円柱状挿通部49bが隣接配置されているそれぞれの上床形成単位部材12に跨って各凹部52に挿入されることで、各上床形成単位部材12を連結しつつ取り付けられる。なお、突起部46は、その基端部分から先端側に向かって絞られるテーパ状部46aを有しているので、挿入部49bの凹部52への挿通作業を容易に行うことができる。
【0068】
本実施の形態にかかる二重床構造10は、上記構成の上床形成単位部材12を基礎床面100に碁盤目状に設置し、連結部材49で連結することで構成される。なお、この連結部材49による連結は、突起部46を有する円柱状挿通部49bを上床形成単位部材12の凹部52内に上方から挿通することで行われる。
【0069】
また、突起部46はテーパ部46aを有していることから、上床形成単位部材12の凹部52に連結部材49の円柱状挿通部49bを挿通する際に、凹部52の内壁面と円柱状挿通部49bの接触抵抗を軽減することができるとともに、円柱状挿通部49bの凹部52内の空間における挿入が補助される。
【0070】
上述のように、連結部材49で連結された二重床構造10は、上床形成単位部材12のパネル部16相互間に上床形成単位部材12の熱膨張による伸びを吸収する隙間Cが形成される。従って、上床形成単位部材12相互を連結部材49で連結する作業、すなわち円柱状挿通部49bを凹部52内に挿通する作業を行うことにより自動的に隙間Cが形成されることとなる。
【0071】
その後、上床形成単位部材12のパネル部16にカーペット等の仕上げ材を敷設することにより、施工が完了する。尚、連結部材49の板状部49aは、上床形成単位部材12のパネル部16の低段部50に入り込むため、連結部材49の設置によって床面に段差が生じることがない。
【0072】
図10〜
図12は、上床形成単位部材12と連結部材49の係合状態を示している。特に、
図10は通常状態、すなわち施工時の状態を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図を示している。
図11は上床形成単位部材12が熱膨張した状態を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図を示している。更に、
図12は上床形成単位部材12が熱収縮した状態を示しており、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図を示している。
【0073】
連結部材49の円柱状挿通部49bを上床形成単位部材12の凹部52内に挿通した場合に、
図10に示すように、通常時は凹部52内の空間に突起部46を有する円柱状挿通部49bが挿入されて、上床形成単位部材12相互間に隙間Cが形成された状態となる。
【0074】
そして、例えば、冬に施工して夏を向かえた場合など、施工時よりも気温が上昇した場合、その気温の上昇に伴い上床形成単位部材12が温度上昇しパネル部16が熱膨張する。各パネル部16の熱膨張の際には
図11に示すように、パネル部16が連結部材49の中心M側に集中する力が作用する。このような力が作用すると、円柱状挿通部49bにおける連結部材49の中心Mからもっとも離れた部分に設けられている突起部46は潰れ変形(或いは破損)する。このように、突起部46が潰れ変形した状態では、連結部材49で連結されている各パネル部16は、膨張により連結部材49の中心Mに集中する状態となるので、上床形成単位部材12間の隙間Cは狭くなるか、或いは完全に塞がれることとなる。
【0075】
このように、連結部材49の円柱状挿通部49bに設けられている突起部46及び上床形成単位部材12間の隙間Cによって、上床形成単位部材12のパネル部16の熱膨張変形を吸収することができる。
【0076】
また、逆に夏に施工して冬を向かえた場合など、施工時よりも気温が下降した場合、その気温の下降に伴い上床形成単位部材12が温度下降しパネル部16が熱収縮する。このパネル部16の熱収縮の際には
図12に示すように、各上床形成単位部材12に対して、連結部材49の中心Mから遠ざかる側に力が作用する。このような力が作用すると、連結部材49の中心Mに近い側に位置する突起部46は潰れ変形(或いは破損)する。このように、突起部46が潰れ変形した状態では、連結部材49で連結されている各パネル部16は収縮により連結部材49の中心Mに遠ざかる状態となるので、この連結部材49の中心における上床形成単位部材12間の隙間Cは広くなる。
【0077】
このように連結部材49の円柱状挿通部49bに設けられた突起部46によって、上床形成単位部材12の熱収縮変形を吸収することができる。
【0078】
なお、本実施の形態におけるパネル部16の低段部50は、その熱膨張変形時に変形を許容するように、板状部49aよりも広い範囲で形成されることが好ましい。
【0079】
上記構成を有する二重床構造10により、第1の実施の形態にかかる二重床構造10と同様に上床形成単位部材12の熱膨張或いは熱収縮を吸収可能な効果を発揮することができると共に、連結部材49を、その円柱状挿通部49bを上床形成単位部材12の上方から凹部52に挿通するだけで取り付けることが可能であることから、施工性がより向上する。
【0080】
なお、本発明は上記第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、上床形成単位部材12の材質は樹脂製に限られず、金属等の熱膨張又は熱収縮する種々のものを適用することができる。また、上記実施の形態では、支持脚一体型の上床形成単位部材12が採用されているが、支持脚が一体型となっていない上床形成単位部材に本発明にかかる構成を適用しても良い。
【0082】
更に、連結部材14、49による上床形成単位部材12の連結をパネル部16の四隅集合部分で行っているが、これに限られず、例えば、隣り合う2つの上床形成単位部材12相互のパネル部16の辺中央部分を連結箇所としても良い。このようなパネル部16の辺中央部分における連結は、第1の実施の形態の連結部材14に対しては、筒状部36の受け入れ孔部32を2個のみに形成することで実行可能であり、第2実施の形態の連結部材49に対しては、その円柱状挿通部49bを2個のみに形成するなどして実行可能である。特に、この場合でも、突起部46が放射状に設けられているので、上床形成部材12の床面における任意方向の変形を吸収する機能は確実に維持される。
【0083】
また、上床形成単位部材12の四隅集合部分で連結を行った後に、連結部材14、49をその中央から切断して、4個の上床形成単位部材12の連結を断ち切り、隣り合う2つの上床形成単位部材12のみを相互連結することができるように、連結部材14、49の中央部分を脆弱部として形成しても良い。この脆弱部は、薄肉に形成したり、或いはV或いはU字の溝を設けたりして構成することが好適である。上記隣り合う2個の上床形成単位部材12相互のみの連結は、壁際に上床形成単位部材12を設置する場合など上記四隅における連結が難しい場合に、有効である。
【0084】
更に、上記実施の形態では上床形成単位部材12を基礎床面100に直接配置する構成について説明したが、基礎床面100にシート状部材を敷設し、このシート状部材を上床形成単位部材12を設ける面としても良い。
【0085】
また、第1の実施の形態の連結部材14の構成及び支持脚18、20、22(特に隅部支持脚18)の形態も種々の変更が可能である。例えば、
図13に示すように、連結部材14の受け入れ穴部32を四角形とし、張出片38、結合片42などを有さない単純な構成であってもよく、また、受け入れ穴部32と支持脚18の平面視形状は必ずしも同一でなくても良い。
【0086】
例えば平面視形状が四角形の受け入れ穴部32に対して平面視四角形の支持脚18、平面視形状が四角形の受け入れ穴部32に対して平面視円形の支持脚18、平面視形状が四角形の受け入れ穴部32に対して平面視略菱形の支持脚18、平面視形状が四角形の受け入れ穴部32に対して平面視略十字形等を適宜採用できる。
【0087】
更に、
図14に示すように、連結部材14の4個の筒状部36の内壁に設ける突起部46の数や配置位置をそれぞれ変更するようにしても良い。
図14では、突起部46を筒状部36の内周壁に3つ突出させる構成、筒状部36の内周壁全体に亘って形成し帯状突起部46′とする構成(この場合は、上下方向に短く形成すると変形しやすくなる為好適である)、筒状部36の内周壁に8つ等4つ以上突出させる構成、上下に長く、幅の狭い突起部46−1と、上下に短く幅の広い突起部46−2など2種類有する構成等適宜である。
【0088】
また、
図15に示すように、連結部材14は必ずしも予め一体化されている必要は無く、4つの別体の筒体36を結合部60にて結合して1つの連結部材14を形成する構成であっても良い。更に、図示しないが、2つの別体の筒体36を結合部にて結合して1つの連結部材14を形成するようにしても良い。この場合、2つの上床形成単位部材12を連結する場合など、別途2つ用の連結部材を用意する必要がないため、好適である。なお、結合部60の例として結合凸部60aと結合凹部60bを隣り合う2辺にそれぞれ形成し、スライドして連係する構成があるが、結合部60の構成はこれに限定されない。
【0089】
また、第1の実施の形態における連結部材14の中央を貫通する孔部44(
図3参照)は必須の構成ではなく、形成しないか又は貫通しない凹部として形成しても良い。また、受け入れ穴部32も貫通しない凹部として形成しても良い。これにより、連結部材14の基礎床面100への接着面積を孔部44の面積の分、又は受け入れ穴部32の面積分多く確保することができる。
【0090】
また、第1の実施の形態の突起部46は連結部材14の受け入れ孔部32ではなく、例えば、
図16に示すように隅部支持脚18の外周に突出形成するようにしても良い。この場合、
図16(b)に示すように、突起部46の下端部46bにテーパ状に形成し、隅部支持脚18の受け入れ孔部32への挿入を容易にすることが好適である。
【0091】
なお、図面上では筒状体36を単体で記載してあるが、実際にはこの筒状体36を複数個連結して連結部材14を構成することは言うまでもない。以上の構成により連結部材14には突起部46を形成する必要がないことから、連結部材14の製造コストを低減することが可能となる。
【0092】
また、第2の実施の形態における連結部材49も上記第1の実施の形態の場合と同様に、上床形成単位部材12の凹部52の形状と連結部材49の円柱状挿通部49bの平面視形状を同一に形成する必要はなく、突起部46の個数や形状も同様に変更可能である。更には、連結部材49の円柱状挿通部49bは板状部49aと別体に形成しても良い。また、凹部52は必ずしも凹状である必要なく、貫通する孔部であってもよい。
【0093】
更に、第2の実施の形態の突起部46は連結部材49の円柱状挿通部49bにではなく、例えば上床形成単位部材12の凹部52の内周壁に設けてもよい。この場合、連結部材49には突起部46を形成する必要が無いので、連結部材49の製造コストを低減することが可能となる。
【0094】
また、
図17に示すように、突起部46に、上床形成部材12の熱膨張変形及び熱収縮変形を吸収する変形を容易化する変形誘発部62を設けると好適であり、上記突起部46の変形をより容易且つ確実に行なうことが可能となる。なお、
図17においては、説明の明確化のため、突起部46で位置決めされる際の隅部支持脚18又は円柱状挿通部49bを破線で示している。
【0095】
変形誘発部62は、例えば、
図17(a)及び(b)に示すように突起部46の基端部分を他の部分よりも細くする(V溝或いはU溝などを設ける)ことにより、構成される。また、変形誘発部62を、
図17(c)に示すように、図上の下から力が加わった場合に図左方向に変形するように突起部46の先端を斜めに成形することで構成したり、
図17(d)に示すように図上の下から力が加わった場合に図右方向に変形するように突起部46の先端をR加工すると共に、基端部分を一方のみ(変形方向側のみ)を細くしたりして構成しても良い。
【0096】
また、変形誘発部62を形成した場合、例えば
図10に示すように、突起部46の突出方向と上床形成部材12の熱変形による力が加わる方向が若干オフセットするように突出部46を設けると好適であり、これにより、突起部46はパネル部16の熱変形による力をまともに受けること無くずれた位置で受けることとなるので、突起部46にはその変形を補助する力が作用する。従って、突起部46の変形をより確実に行うことが可能となる。
【0097】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、全ての上床形成単位部材12の相互を連結部材14又は49により連結しているが、これに限られず、例えば、
図18に示すように、上床形成単位部材12が複数設けられて成る上床形成単位部材群64の外周部分にあたる上床形成単位部材12の外部境界部分66のみを連結部材14又は49で連結するようにしてもよい。
【0098】
これにより、施工性が向上すると共に、連結部材14又は49の必要個数を大幅に減らすことができ、施工コストをより一層低減することができる。なお、図では上床形成単位部材12を7個×7個で構成される上床形成単位部材群64としているが、上床形成単位部材群64を構成する上床形成単位部材12の数はこれに限定されない。
【0099】
また、連結部材14、49と突起部46を異なる材質で形成しても良く、例えば突起部46を変形容易な樹脂で形成すると好適である。