特許第5750034号(P5750034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

特許5750034エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法
<>
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000002
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000003
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000004
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000005
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000006
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000007
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000008
  • 特許5750034-エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750034
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】エレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20150625BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   B66B1/46 Z
   B66B7/00 K
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-272513(P2011-272513)
(22)【出願日】2011年12月13日
(65)【公開番号】特開2013-124147(P2013-124147A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2014年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】当田 直人
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−081556(JP,A)
【文献】 特開2006−193309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00−1/52
B66B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の乗場のそれぞれに設けられた複数の旧乗場釦および前記旧乗場釦が操作されることによりかごを昇降させる旧エレベータ制御盤を各前記旧乗場釦に対応する複数の新乗場釦および前記新乗場釦が操作されることにより前記かごを昇降させる新エレベータ制御盤に取り替える際に用いられるエレベータ乗場釦取替用装置であって、
各前記新乗場釦を操作する操作部を備え、
前記操作部は、前記旧乗場釦が操作されることにより、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦を操作し、
前記乗場に設けられた前記旧乗場釦に接続され、前記旧乗場釦が操作された場合に、前記操作部が前記新乗場釦を操作することによって、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を前記新乗場釦から前記新エレベータ制御盤に入力させることを特徴とするエレベータ乗場釦取替用装置。
【請求項2】
前記旧乗場釦は、照明部を有しており、
操作された前記旧乗場釦を点灯させる点灯制御部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ乗場釦取替用装置。
【請求項3】
前記新乗場釦は、照明部を有し、
前記新エレベータ制御盤は、前記新乗場釦が操作されることにより、操作された前記新乗場釦を点灯させるようになっており、
前記操作部が操作した前記新乗場釦の点灯を検出する光検出部をさらに備え、
前記点灯制御部は、前記光検出部の検出結果に基づいて、前記旧乗場釦を点灯させることを特徴とする請求項に記載のエレベータ乗場釦取替用装置。
【請求項4】
複数の乗場のそれぞれに設けられた複数の旧乗場釦および前記旧乗場釦が操作されることによりかごを昇降させる旧エレベータ制御盤を各前記旧乗場釦に対応する複数の新乗場釦および前記新乗場釦が操作されることにより前記かごを昇降させる新エレベータ制御盤に取り替えるエレベータ乗場釦取替方法であって、
前記旧エレベータ制御盤を前記新エレベータ制御盤に取り替えるエレベータ制御盤取替工程と、
各前記新乗場釦を操作する操作部を有し、前記操作部は、前記旧乗場釦が操作されることにより、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦を操作して、前記新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を前記新乗場釦から前記新エレベータ制御盤に入力させるエレベータ乗場釦取替用装置に対して前記乗場に設けられた前記旧乗場釦を接続し、前記旧乗場釦が操作された場合に、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦が操作されたことを示す前記乗場呼び信号を前記エレベータ乗場釦取替用装置により前記新エレベータ制御盤に入力させる旧乗場釦仮接続工程と、
前記エレベータ制御盤取替工程および前記旧乗場釦仮接続工程の後、前記乗場に設けられた前記旧乗場釦を前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦に取り替えて前記乗場に設置する乗場釦取替工程と
を備えたことを特徴とするエレベータ乗場釦取替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場釦をリニューアルする際に用いられるエレベータ乗場釦取替用装置および乗場釦をリニューアルするエレベータ乗場釦取替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の乗場のそれぞれに設けられた複数の乗場釦と、乗場釦が操作されることにより、操作された乗場釦に対応して、かごを昇降させるエレベータ制御盤とを備えたエレベータ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−19299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベータ制御盤をリニューアルする場合には、乗場釦もリニューアルする必要がある。しかしながら、全ての旧乗場釦を新乗場釦に取り替えた後でなければ、エレベータ装置の動作を開始することができない。これにより、乗場釦の数が多い場合には、取替作業の開始から完了までの時間が長くなり、エレベータ装置が休止する時間が長くなってしまうという問題点があった。
【0005】
この発明は、乗場釦をリニューアルする場合にエレベータ装置が休止する時間を短くすることができるエレベータ乗場釦取替用装置およびエレベータ乗場釦取替方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータ乗場釦取替用装置は、複数の乗場のそれぞれに設けられた複数の旧乗場釦および前記旧乗場釦が操作されることによりかごを昇降させる旧エレベータ制御盤を各前記旧乗場釦に対応する複数の新乗場釦および前記新乗場釦が操作されることにより前記かごを昇降させる新エレベータ制御盤に取り替える際に用いられるエレベータ乗場釦取替用装置であって、各前記新乗場釦を操作する操作部を備え、前記操作部は、前記旧乗場釦が操作されることにより、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦を操作し、前記乗場に設けられた前記旧乗場釦に接続され、前記旧乗場釦が操作された場合に、前記操作部が前記新乗場釦を操作することによって、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を前記新乗場釦から前記新エレベータ制御盤に入力させる。
【0007】
この発明に係るエレベータ乗場釦取替方法は、複数の乗場のそれぞれに設けられた複数の旧乗場釦および前記旧乗場釦が操作されることによりかごを昇降させる旧エレベータ制御盤を各前記旧乗場釦に対応する複数の新乗場釦および前記新乗場釦が操作されることにより前記かごを昇降させる新エレベータ制御盤に取り替えるエレベータ乗場釦取替方法であって、前記旧エレベータ制御盤を前記新エレベータ制御盤に取り替えるエレベータ制御盤取替工程と、各前記新乗場釦を操作する操作部を有し、前記操作部は、前記旧乗場釦が操作されることにより、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦を操作して、前記新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を前記新乗場釦から前記新エレベータ制御盤に入力させるエレベータ乗場釦取替用装置に対して前記乗場に設けられた前記旧乗場釦を接続し、前記旧乗場釦が操作された場合に、操作された前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦が操作されたことを示す前記乗場呼び信号を前記エレベータ乗場釦取替用装置により前記新エレベータ制御盤に入力させる旧乗場釦仮接続工程と、前記エレベータ制御盤取替工程および前記旧乗場釦仮接続工程の後、前記乗場に設けられた前記旧乗場釦を前記旧乗場釦に対応する前記新乗場釦に取り替えて前記乗場に設置する乗場釦取替工程とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータ乗場釦取替用装置によれば、乗場に設けられた旧乗場釦に接続され、旧乗場釦が操作された場合に、操作された旧乗場釦に対応する新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤に入力させるので、乗場に設けられた旧乗場釦が操作されると、操作された旧乗場釦に対応する新乗場釦が操作された場合と同様に新エレベータ制御盤がかごを昇降させる。これにより、旧乗場釦が新乗場釦にまだ取り替えられずに乗場に設置されている場合であっても、エレベータ装置を動作させることができる。その結果、乗場釦をリニューアルする場合にエレベータ装置が休止する時間を短くすることができる。
【0009】
この発明に係るエレベータ乗場釦取替方法によれば、旧エレベータ制御盤を新エレベータ制御盤に取り替えるエレベータ制御盤取替工程と、新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤に入力させるエレベータ乗場釦取替用装置に対して乗場に設けられた旧乗場釦を接続し、旧乗場釦が操作された場合に、操作された旧乗場釦に対応する新乗場釦が操作されたことを示す乗場呼び信号をエレベータ乗場釦取替用装置により新エレベータ制御盤に入力させる旧乗場釦仮接続工程と、エレベータ制御盤取替工程および旧乗場釦仮接続工程の後、乗場に設けられた旧乗場釦をこの旧乗場釦に対応する新乗場釦に取り替えて乗場に設置する乗場釦取替工程とを備えているので、乗場に設けられた旧乗場釦が操作されると、操作された旧乗場釦に対応する新乗場釦が操作された場合と同様に新エレベータ制御盤がかごを昇降させる。これにより、旧乗場釦が新乗場釦にまだ取り替えられずに乗場に設置されている場合であっても、エレベータ装置を動作させることができる。その結果、乗場釦をリニューアルする場合にエレベータ装置が休止する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ乗場釦取替用装置が設置されるエレベータ装置を示す構成図である。
図2図1のエレベータ乗場釦取替用装置を用いて乗場釦およびエレベータ制御盤をリニューアルする際のエレベータ装置を示す構成図である。
図3図2の旧乗場釦および新乗場釦を示す正面図である。
図4図2の新乗場釦およびエレベータ乗場釦取替用装置を示す平面図である。
図5図2の旧乗場釦に接続されたエレベータ乗場釦取替用装置を示すブロック図である。
図6図2の旧乗場釦の1つを新乗場釦に取り替えて乗場に設置したエレベータ装置を示す構成図である。
図7図6の旧乗場釦の1つを新乗場釦に取り替えて乗場に設置したエレベータ装置を示す構成図である。
図8図7の旧乗場釦の残りの1つを新乗場釦に取り替えて乗場に設置したエレベータ装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ乗場釦取替用装置6が設置されるエレベータ装置を示す構成図である。図において、エレベータ装置は、複数の乗場1のそれぞれに設けられた複数の乗場釦2と、乗場釦2が操作されることにより、操作された乗場釦2に対応してかご(図示せず)を昇降させるエレベータ制御盤3と、乗場釦2とエレベータ制御盤3とを接続するケーブル4とを備えている。エレベータ制御盤3は、機械室5に設置されている。この発明の実施の形態1に係るエレベータ乗場釦取替用装置6は、機械室5に設置される。
【0012】
図2図1のエレベータ乗場釦取替用装置6を用いて乗場釦2およびエレベータ制御盤3をリニューアルする際のエレベータ装置を示す構成図である。この例では、既設の乗場釦2(図1)を旧乗場釦21とし、新設の乗場釦2を新乗場釦22としている。また、この例では、既設のエレベータ制御盤3(図1)を旧エレベータ制御盤31とし、新設のエレベータ制御盤3を新エレベータ制御盤32としている。また、この例では、既設のケーブル4(図1)を旧ケーブル41とし、新設のケーブル4を新ケーブル42としている。旧ケーブル41は、リニューアルの際に、旧エレベータ制御盤31から切り離されて、エレベータ乗場釦取替用装置6に接続される。これにより、旧乗場釦21とエレベータ乗場釦取替用装置6とが接続される。
【0013】
全ての新乗場釦22は、リニューアルが開始される前に、機械室5に仮置きされる。新エレベータ制御盤32は、リニューアルの際に、機械室5に設置される。新ケーブル42は、リニューアルの際に、新乗場釦22と新エレベータ制御盤32とを接続する。
【0014】
図3図2の旧乗場釦21および新乗場釦22を示す正面図である。旧乗場釦21は、操作される乗場釦本体211と、操作された乗場釦本体211に光を照らす照明部212とを有している。乗場釦本体211は、操作された場合に、乗場呼び信号を出力する。照明部212は、乗場釦本体211の裏面側に配置されている。照明部212は、乗場釦本体211が操作された場合に、旧エレベータ制御盤31の制御により点灯するようになっている。
【0015】
新乗場釦22は、操作される乗場釦本体221と、操作された乗場釦本体221に光を照らす照明部222とを有している。乗場釦本体221は、操作された場合に、乗場呼び信号を出力する。照明部222は、乗場釦本体221の裏面側に配置されている。照明部222は、乗場釦本体221が操作された場合に、新エレベータ制御盤32の制御により点灯するようになっている。
【0016】
図4図2の新乗場釦22およびエレベータ乗場釦取替用装置6を示す平面図、図5図2の旧乗場釦21に接続されたエレベータ乗場釦取替用装置6を示すブロック図である。図において、エレベータ乗場釦取替用装置6は、各新乗場釦22を操作する操作部61と、操作部61の動作を制御する操作制御部62と、新乗場釦22の点灯を検出する光検出部63と、光検出部63の検出結果に基づいて、旧エレベータ制御盤31と同様に旧乗場釦21を点灯させる点灯制御部64とを備えている。
【0017】
操作部61は、新乗場釦22に対向して配置されている。操作部61は、新乗場釦22を押し下げることができるようになっている。新乗場釦22は、操作部61が新乗場釦22を押し下げることにより、操作される。
【0018】
操作制御部62は、旧乗場釦21が操作されることにより、操作された旧乗場釦21から乗場呼び信号が入力される。操作制御部62は、乗場呼び信号が入力された場合に、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作されるように操作部61を制御する。
【0019】
光検出部63は、操作部61の内部に配置されている。光検出部63は、新乗場釦22が点灯することを検出する。点灯制御部64は、旧乗場釦21の点灯を制御するようになっている。点灯制御部64は、光検出部63の検出結果に基づいて、旧乗場釦21の点灯を制御する。具体的には、点灯制御部64は、光検出部63が新乗場釦22の点灯を検出した場合には、旧乗場釦21を点灯させ、光検出部63が新乗場釦22の点灯を検出していない場合いは、旧乗場釦21を消灯させる。
【0020】
次に、エレベータ装置の取替方法について説明する。図6図2の旧乗場釦21の1つを新乗場釦22に取り替えて乗場1に設置したエレベータ装置を示す構成図、図7図6の旧乗場釦21の1つを新乗場釦22に取り替えて乗場1に設置したエレベータ装置を示す構成図、図8図7の旧乗場釦21の残りの1つを新乗場釦22に取り替えて乗場1に設置したエレベータ装置を示す構成図である。まず、新エレベータ制御盤32、新乗場釦22およびエレベータ乗場釦取替用装置6を機械室5に持ち込む。その後、旧エレベータ制御盤31を新エレベータ制御盤32に取り替える(エレベータ制御盤取替工程)。このとき、新ケーブル42を介して新乗場釦22を新エレベータ制御盤32に接続する。また、エレベータ乗場釦取替用装置6の操作部61が新乗場釦22を操作できるように、新乗場釦22およびエレベータ乗場釦取替用装置6を設置する。
【0021】
その後、旧ケーブル41を旧エレベータ制御盤31からエレベータ乗場釦取替用装置6に切り換えて接続する(旧乗場釦仮接続工程)。これにより、旧乗場釦21がエレベータ乗場釦取替用装置6に接続される。その結果、旧乗場釦21が操作される場合に、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22をエレベータ乗場釦取替用装置6が操作する。
【0022】
その後、旧乗場釦21をこの旧乗場釦21に対応する新乗場釦22に1つずつ取り替えて乗場1に設置する(乗場釦取替工程)。このとき、他の旧乗場釦21が新乗場釦22にまだ取り替えられずに乗場1に設置されている場合であっても、利用者が旧乗場釦21を操作して、新エレベータ制御盤32に乗場呼び信号を入力させて、乗場呼び登録を行わせることができる。したがって、この状態で、エレベータ装置を動作させることができる。全ての旧乗場釦21を新乗場釦22に取り替えられて乗場1に設置し、旧乗場釦21および旧エレベータ制御盤31を撤去することにより、エレベータ取替作業が終了する。
【0023】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータ乗場釦取替用装置6によれば、乗場1に設けられた旧乗場釦21に接続され、旧乗場釦21が操作された場合に、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤32に入力させるので、乗場1に設けられた旧乗場釦21が操作されると、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作された場合と同様に新エレベータ制御盤32がかごを昇降させる。これにより、旧乗場釦21が新乗場釦22にまだ取り替えられずに乗場1に設置されている場合であっても、エレベータ装置を動作させることができる。その結果、乗場釦2をリニューアルする場合にエレベータ装置が休止する時間を短くすることができる。
【0024】
また、新乗場釦22は、操作されることにより新エレベータ制御盤32に乗場呼び信号を入力するようになっており、エレベータ乗場釦取替用装置6は、各新乗場釦22を操作する操作部61を備え、操作部61は、旧乗場釦21が操作されることにより、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22を操作するので、新エレベータ制御盤32に対して、エレベータ乗場釦取替用装置6から乗場呼び信号を入力するための端子を設けることなく、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤32に入力させることができる。これにより、新エレベータ制御盤32の構成を簡単にすることができる。また、操作部61が新乗場釦22を操作することにより、新乗場釦22が新エレベータ制御盤32に乗場呼び信号を入力するので、作業者は、旧乗場釦21を操作することにより、新乗場釦22を操作することなく、新乗場釦22の動作を確認することができる。
【0025】
また、旧乗場釦21は、照明部212を有しており、エレベータ乗場釦取替用装置6は、操作された旧乗場釦21を点灯させる点灯制御部64をさらに備えているので、旧乗場釦21が操作された場合に、旧乗場釦21を操作した利用者に対して、乗場呼びが行われたことを報知することができる。
【0026】
また、新乗場釦22は、照明部222を有し、新エレベータ制御盤32は、新乗場釦22が操作されることにより、操作された新乗場釦22を点灯させるようになっており、エレベータ乗場釦取替用装置6は、操作部61が操作した新乗場釦22の点灯を検出する光検出部63をさらに備え、点灯制御部64は、光検出部63の検出結果に基づいて、旧乗場釦21を点灯させるので、旧乗場釦21を操作した後に、旧乗場釦21が点灯することを確認することにより、新乗場釦22を目視することなく、新乗場釦22が点灯することを確認することができる。
【0027】
また、この発明の実施の形態1に係るエレベータ乗場釦取替方法によれば、旧エレベータ制御盤31を新エレベータ制御盤32に取り替えるエレベータ制御盤取替工程と、新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤32に入力させるエレベータ乗場釦取替用装置6に対して乗場1に設けられた旧乗場釦21を接続し、旧乗場釦21が操作された場合に、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号をエレベータ乗場釦取替用装置6により新エレベータ制御盤32に入力させる旧乗場釦仮接続工程と、エレベータ制御盤取替工程および旧乗場釦仮接続工程の後、乗場1に設けられた旧乗場釦21をこの旧乗場釦21に対応する新乗場釦22に取り替えて乗場1に設置する乗場釦取替工程とを備えているので、乗場1に設けられた旧乗場釦21が操作されると、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作された場合と同様に新エレベータ制御盤32がかごを昇降させる。これにより、旧乗場釦21が新乗場釦22にまだ取り替えられずに乗場1に設置されている場合であっても、エレベータ装置を動作させることができる。その結果、乗場釦2をリニューアルする場合にエレベータ装置が休止する時間を短くすることができる。
【0028】
なお、上記実施の形態1では、新乗場釦22を操作する操作部61をエレベータ乗場釦取替用装置6が備え、旧乗場釦21が操作されることにより、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22を操作部61が操作して、新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号を新エレベータ制御盤32に入力させる構成について説明したが、旧乗場釦21が操作されることにより、操作された旧乗場釦21に対応する新乗場釦22が操作されたことを示す乗場呼び信号がエレベータ乗場釦取替用装置6から新エレベータ制御盤32に入力される構成であってもよい。この場合、エレベータ乗場釦取替用装置6は、新エレベータ制御盤32に接続され、新乗場釦22を操作することなく、乗場呼び信号を新エレベータ制御盤32に入力させる。
【0029】
また、上記実施の形態1では、エレベータ乗場釦取替用装置6が機械室5に設置される構成について説明したが、機械室5に限らず、例えば、ピットなどに設置されてもよい。この場合、新乗場釦22は、エレベータ乗場釦取替用装置6が設置される領域に仮置きされる。
【符号の説明】
【0030】
1 乗場、2 乗場釦、3 エレベータ制御盤、4 ケーブル、5 機械室、6 エレベータ乗場釦取替用装置、21 旧乗場釦、22 新乗場釦、31 旧エレベータ制御盤、32 新エレベータ制御盤、41 旧ケーブル、42 新ケーブル、61 操作部、62 操作制御部、63 光検出部、64 点灯制御部、211 乗場釦本体、212 照明部、221 乗場釦本体、222 照明部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8