(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5750173
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】自転車輸送ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
B65D85/68 U
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-28938(P2014-28938)
(22)【出願日】2014年1月31日
【審査請求日】2014年10月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594208307
【氏名又は名称】株式会社エコロジー開発
(74)【代理人】
【識別番号】100127018
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 哲志
(72)【発明者】
【氏名】早川 宏
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3087801(JP,U)
【文献】
米国特許第05669497(US,A)
【文献】
米国特許第06508484(US,B1)
【文献】
実開平06−012366(JP,U)
【文献】
特開2003−160165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/68
B65D 85/00
B65D 57/00−59/08
B65D 81/00−81/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のフレームや車輪をゴムバンドで括り付けて吊り下げる2枚の概四角形のダンボールシートが複数本の紙管を介して対向接続され、箱状に形成された自転車輸送用ケースであって、
前記概四角形のダンボールシートの四辺は額縁状に2〜3層に厚く貼り合わせてあり、かつ各辺の所要箇所には、自転車のフレームや車輪を前記ゴムバンドで結んでその一端を引っかけて吊り下げるための切溝が前記各辺に対して垂直な方向に当該各辺に沿って複数設けられており、さらに、
前記概四角形のダンボールシートの四隅には、その中央に前記紙管を挿入して固定する穴が設けられた台座が固着してあり、
組み立て状態において、前記2枚の概四角形のダンボールシートの四隅のそれぞれには、一方のダンボールシートの隅部を介して直交する方向に隣接する2か所の切溝と、当該2か所の切溝に対応して紙管方向に対向する他方のダンボールシートの2か所の切溝との間に渡って、前記ゴムバンドが掛け渡されていることを特徴とする自転車輸送用ケース。
【請求項2】
前記紙管は、その直径が50mm〜60mmであり、その長さが250mm〜400mmの円筒状紙管であることを特徴とする請求項1に記載の自転車輸送用ケース。
【請求項3】
自転車の付属品や車軸やハンドル等突起している部分に対応する前記ダンボールシートには、ウレタンゴムの緩衝材が貼りつけられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車輸送用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は自転車等機械類の梱包ケースの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来自転車の輸送は、販売に使われたダンボールケースや布製のバッグ等が便宜的に使われ、専用の輸送用ケースは一部高額なFRP製バッグを除いては存在していない状況である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら簡易バッグやケースは梱包が難しく、また強度も不足していることから、輸送中にケースの中で自転車が動いてしまい、破損や傷つけてしまうことが多く問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらトラブルの原因である輸送中にケースの中で自転車が動いてしまう現象を防止するために、フレームや車輪をゴムバンドでケースの側面にしっかりと固定することで解決し、かつケース自体も強化ダンボールやプラスチックダンボール等、強度の強い材質で作り、何回も使用できるように工夫した。
【発明の効果】
【0005】
本自転車輸送ケースは、自転車を傷つけることなく、安定的に目的地まで運ぶことができるため、今後自転車愛好家はマイカーに自転車を積んで移動する必要がなくなり、運送業者に自転車の輸送を託し、自身は鉄道や飛行機等の公共交通機関で目的地まで移動することが可能になり、参加可能なレクリエーションやイベント地域の拡大が見込め、観光産業にも寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本輸送ケースは強度の強い2枚の段ボールシートや、プラスチックダンボールシート等で固定版を作り、そして自転車のフレームや車輪をゴムバンドで数か所固定し、固定版に吊り下げる状態で引っかけ固定する。2枚の固定シートは四隅を紙管によって強固に結合され、箱状に形成して、外箱やキャリーバッグに納めて使用される。
【実施例1】
【0007】
固定版(1)は通常強化ダンボールまたはプラスチックダンボールや発泡樹脂シート等の強度の強いシートで概四角形に作り、シートの周辺部は額縁状にシートをさらに重ねて厚く強化する。
【実施例2】
【0008】
額縁(2)状のシート外周には自転車のフレームや車輪を紐やゴムバンド(8)で結んでその一端を引っかけて固定板に括りつけるための切溝が(3)が所要箇所に設けてある。
【実施例3】
【0009】
固定版(1)の四隅には2枚のシートを紙管(6)で結合するための台座(4)が固着してあり、台座には紙管(6)を挿入して固定する穴(5)が付けられている。
【実施例4】
【0010】
結合用の紙管(6)は通常直径が50mm〜60mmくらいで、長さは250mm〜400mmくらいの円筒紙管を使用する。
【実施例5】
【0011】
2枚の固定版(1)と四隅の紙管(6)を結合して箱状に組み立てたあと、その結合が緩まないように四隅をさらに強力なゴム輪(8)等で固定、保持する。
【実施例6】
【0012】
自転車の付属品や車軸ハンドル等突起している部分の保護は、固定板(1)の主要個所にウレタンゴムの緩衝材(7)を両面テープ等で貼り、自転車を傷つけないようにする。
【実施例7】
【0013】
箱状に組み立てられたケースは持ち運びやすいよう、つりさげベルトのついたプラスチックダンボールの外箱(9)や布製のバッグに収納して輸送する。
【符号の説明】
【0015】
1 固定版
2 額縁
3 切り溝
4 台座
5 紙管穴
6 紙管
7 緩衝パッド
8 ゴムバンド
9 保護ケース
【要約】
【課題】従来の自転車輸送ケースは樹脂製の高価なケースや布製のバッグやダンボール製で強度の弱い箱が多く使用されているが、布製やダンボール製のケースは輸送中に自転車を破損しやすく、また繰り返し使用することが難しい等の問題がある。
【解決手段】これらの問題点を解決するための手段として、本案の輸送ケースは、強度の強いダンボールや、プラスチックダンボールと紙管を組み合わせて箱を形成し、かつ輸送途中にケースの中で自転車が動かないように、ケースの側面に自転車のフレームや車輪をゴムバンドで吊るすように固定した。また、ケースの外側をさらに丈夫なバッグやプラスチックダンボール等でカバーすることによって、何回も繰り返し使用できる強固な自転車輸送ケースを完成した。
【選択図】
図1