特許第5750206号(P5750206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57502062つの爪部と位置検出手段とを有するロックユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750206
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】2つの爪部と位置検出手段とを有するロックユニット
(51)【国際特許分類】
   E05B 81/68 20140101AFI20150625BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20150625BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20150625BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20150625BHJP
【FI】
   E05B81/68
   E05B85/26
   B60J5/10 H
   B60J5/00 H
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-520322(P2011-520322)
(86)(22)【出願日】2009年7月29日
(65)【公表番号】特表2011-529535(P2011-529535A)
(43)【公表日】2011年12月8日
(86)【国際出願番号】DE2009001054
(87)【国際公開番号】WO2010012272
(87)【国際公開日】20100204
【審査請求日】2012年7月28日
(31)【優先権主張番号】102008035607.7
(32)【優先日】2008年7月31日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】バース、カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ベンデル、トースティン
(72)【発明者】
【氏名】グルカン、セルカン
(72)【発明者】
【氏名】バイクセル、ウルリッヒ
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01512815(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0080569(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102007003948(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要位置(3)と第1の位置(4)とを有する少なくとも1つの把持部(2)と、
前記主要位置(3)において前記把持部(2)と相互作用する第1の爪部(5)と、
前記第1の爪部(5)と独立して単独で移動可能に設けられ、前記第1の位置(4)において前記把持部(2)と相互作用する第2の爪部(6)と、
前記第1の爪部(5)および前記第2の爪部(6)の双方に対して共通に作用し、前記第1の爪部(5)および前記第2の爪部(6)の動きを検出する単一の位置検出手段(7)と
を有する
ロックユニット(1)。
【請求項2】
請求項1記載のロックユニット(1)において、前記位置検出手段(7)は作
動スイッチを有するものであるロックユニット(1)。
【請求項3】
請求項1〜のうちのいずれか1つに記載のロックユニット(1)において、前記第1
の爪部(5)は第1の平面(9)に配置され、且つ前記第2の爪部(6)は第2の平面(
10)に配置されており、当該爪部双方は共通の回転軸(11)上に配置されるものであ
るロックユニット(1)。
【請求項4】
請求項1〜のうちのいずれか1つに記載のロックユニット(1)において、前記位置
検出手段(7)は、前記第1の爪部(5)が前記主要位置(3)において前記把持部(2
)と相互作用するとき非作動状態になるように配置されているものであるロックユニット
(1)。
【請求項5】
請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の少なくとも1つのロックユニット(1)を
有する自動車(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主要位置と第1の位置とを有する少なくとも1つの把持部を有するロックユニットに関し、当該ロックユニットでは、施錠位置において前記把持部の移動が少なくとも1つの爪部によって阻止される。本発明は、特に自動車のドア、ハッチバックのドアなどをロックする用途に適用される。
【背景技術】
【0002】
上記のロックユニットでは異なる実施形態を採用することができる。例えば、前記主要位置において、前記爪部のみによって前記把持部をロックすることが可能であり、この場合当該把持部および爪部は、例えば、当該把持部と爪部との間の接触力が当該爪部の回転軸に伝達されるように配置されている。別の周知の実施形態としては、前記爪部がそれ自体によって前記把持部を前記主要位置においてロックする位置に配置されていないものが挙げられる。このような実施形態は、前記把持部がバネで付勢され、常に開錠位置に枢動する傾向にある場合に特に適用される。この場合、ロック機構のラッチと把持部との間の接触力が前記爪部の回転軸に伝達されないように当該ラッチ及び把持部は配置されており、さらにロック機構は、径方向外側に配置され、前記爪部を押動する部品を有する。前記爪部を前記把持部の主要位置において確実に固定するために追加的な回転防止レバーが提供されてもよく、当該レバーによって前記爪部の開錠位置への移動が阻止される。
【0003】
さらに、周知のロックユニットには、いわゆる自動施錠機構を備えるものがある。この自動施錠機構によって前記把持部が前記第1の位置に移動するとき、駆動手段、具体的には電気モーターを用いて前記把持部を前記第1の位置から前記主要位置に能動的に枢動させ、それと同時にドアシールに対してドアを閉めるために必要な力以上の力を前記把持部に確実に提供する。
【0004】
またさらに、前記ロックユニットの施錠位置を検出することが有利であると考えられる。すなわち、このような検出により、前記爪部が前記把持部の主要位置に当接したとき、自動車の様々な機能をオンまたはオフにすることができる。例えば、このような検出により、ダッシュボード上の開扉表示灯をオンまたはオフにすることができる。また、ロック構成部品、特に、前記把持部および/または前記爪部の特定の位置に応じて、自動車内部の自動照明装置を制御することもできる。適切な場合、全てのドアのドアロック部品が施錠位置になるまでエンジン始動装置を停止させることもできる。
上記の目的のために、マイクロスイッチを用いて前記把持部の位置を検出することが可能である。特に、前記把持部が施錠位置に到達したかどうかを検出することができる。しかしながら、そのようなシステムは時として公差が大きい場合があり、また、通常自動施錠機構によって達成される延長移動位置などの、前記ロック機構の極限位置に対応不可能なことが頻繁にある。このような場合、検知信号の誤認に繋がる可能性がある。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 国際公開第2008/145230号
【特許文献2】 欧州特許出願公開第1512815号明細書
【特許文献3】 独国特許出願公開第19736445号明細書
【特許文献4】 独国特許出願公開第102007003948号明細書
【特許文献5】 独国特許出願公開第19937405号明細書
【特許文献6】 米国特許出願公開第2003/080569号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の点を鑑み、本発明は従来技術の課題を少なくとも部分的に解決するものである。より具体的には、自動車関連の使用において信頼性のある動作が保障されるロックユニットを実現する一方、前記ロック機構の位置を容易且つ安全に検出すること可能とするロックユニットを実現する。前記ロックユニットの設計は簡略的であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、請求項1に記載の特徴を有するロックユニットによって達成される。本発明の好適な実施形態は引用形式請求項に記載されている。これらの請求項において個別に記載された特徴を技術的に実施可能な態様で組み合わせて本発明の更なる実施形態を提示することが可能であることに留意されたい。本発明および本発明の追加の実施形態を以下に特に図を参照しながら説明する。
【0008】
本発明のロックユニットは、主要位置と第1の位置とを有する少なくとも1つの把持部と、第1の爪部と、第2の爪部とを有し、当該第1の爪部は当該主要位置において当該把持部と相互作用し、当該第2の爪部は当該第1の位置において当該把持部と相互作用する。また、位置検出手段が双方の爪部に提供される。
【0009】
進歩性を有する本発明のロックユニットにおいては、相互に移動自在な一対の独立した爪部を介して前記把持部の双方の位置(すなわち、前記「第1の位置」および前記「主要位置」)において安全性が確保される。前記爪部は、特定位置において前記把持部を係止する機能に加えて他の機能を実行してもよく、例えば、好適な実施形態では、前記第2の爪部はアクチュエータによって作動される操作レバーとして実装される。
【0010】
前記「第1の位置」という用語は、前記把持部が開錠位置と施錠位置との間で係止されるときの(周方向における)前記把持部の形状または前記把持部の開口状態として定義される。また、前記第1の位置ではラッチピンの差込開口部からの抜けが阻止される。
【0011】
利用者および/または駆動ユニットによって前記把持部を、前記第1の位置から前記施錠位置(「主要位置」)までさらに回転させることが可能である。前記把持部はさらに、いわゆる延長移動位置に僅かに移動するまで回転され、これにより前記第1の爪部は前記主要位置で確実に係止される。このように、前記第1の爪部は、特に前記把持部の(周方向または当該爪部に対して垂直の方向おける)形状または開口状態から前記主要位置に到達するまで静かに且つ低力で移動し、前記延長移動位置から逆回転して前記主要位置で前記把持部と接触する。
【0012】
前記位置検出手段は前記爪部双方に対して使用され、各爪部の特定位置を検出する。しかしながら、本発明では、各爪部の(開錠位置、第1の位置、主要位置における)2つ以上の状態を決定する工程については包含されていない。それとは対照的に把持部ごとのラッチ係合位置の数は削減されるため、前記位置検出手段によって正確な結果を得ることが容易になる。
【0013】
前記ロックユニットの好適な実施形態には単一位置検出手段が含まれ、当該手段は両方の爪部に対して提供される。特に、前記把持部から離れる方向に面する前記爪部の領域と前記位置検出手段とが相互作用する。本文脈において、「相互作用する」という用語は、前記位置検出手段が、前記爪部双方の位置を検出し且つ当該位置を相関させることができるように構成されていることを意味する。独立した複数のセンサーを使用して前記爪部の位置を検出する場合、適切な接続回路(論理回路および電気回路、または実回線)が電流または当該センサーによって生成される信号の検出に用いられる。また、前記位置検出手段は、非常に制限された空間に設けられることが好ましく、独立したハウジングを有してもよい。より具体的には、前記位置検出手段は、前記第1の爪部および/または前記第2の爪部と特定時に物理的に接触する独立した測定装置である。前記爪部双方の位置は前記ロックユニットのこの制限された空間領域で決定されるため、前記第1の爪部および/または前記第2の爪部の現在位置に関する非常に正確な信号および冗長信号を得ることができ、より具体的には、前記ロックユニットの全ての状態(「開錠」位置、「第1の」位置、「主要」位置、「延長移動」位置)に関してクエリーを行うことができる。当該クエリーの結果を利用して、特に、自動車の前記自動施錠機構および/または機能(例えば、ライト、クラクションなど)を容易且つ安全に作動または操作することが可能となる。
【0014】
前記(共通の)位置検出手段は作動スイッチを有することが特に好ましい。前記作動スイッチを用いて前記爪部の位置を検出する場合、信号は作動状態および非作動状態の2つの状態のみに対応するので、明確に識別可能な信号を有するロバスト設計が実現できる。当該信号を(例えば、適切な導電体を介して)論理処理することにより、共通の位置検出手段の簡略的な設計が可能となる。
【0015】
前記(共通の)位置検出手段は、より具体的には、いわゆるダブルマイクロスイッチの態様で実装される。前記作動スイッチは、例えば、2つの平行に配置された接触突起部であってよく、当該接触突起部は、対応する前記第1または第2の爪部の作用側面と相互作用する。マイクロスイッチとしては、前記電気信号を、例えば、前記自動車および/または前記ロックユニットに転送される単一の冗長信号に変換するために使用される論理が予め実装されたマイクロスイッチが特に好ましい。
【0016】
前記装置の1実施形態によると、前記第1の爪部は第1の平面、また、前記第2の爪部は第2の平面に取り付けられており、当該第1の爪部は当該第2の爪部と共通の回転軸を有する。このため、前記ロック機構を超小型に設計することが可能となる。前記爪部は重複して枢動するため、前記共通の位置検出手段を非常に狭い場所に設けること、および当該位置検出手段の超小型設計が可能となる。前記把持部および前記第1の爪部は第1の平面に配置されることが好ましく、また、第1の位置にある前記把持部(の突出部のみ)および前記第2の爪部は隣接し且つ当該第1の平面と平行な平面に配置することが好ましい。この好適な実施形態においては、前記2つの爪部は共通の回転軸上に配置され、互いに関連して回転する。
【0017】
さらに、前記第1の爪部が前記把持部と前記主要位置で相互作用している状態に前記ロックユニットがある場合、前記共通の位置検出手段が非作動状態になるように配置することが好ましい。より具体的にこれは、前記ロックユニットが施錠状態にある場合、例えば、作動スイッチの態様の前記位置検出手段は、前記爪部との間に接触がない状態で配置されていることを意味する。このような配置により、前記共通の位置検出手段に加わる機械的応力は低減されて当該共通の位置検出手段の寿命が長くなる。
【0018】
本発明は、ドアおよび/またはハッチバックのドア用の少なくとも1つのロックユニットを有する自動車に適用されることが最も好ましい。
【0019】
以下に図面を参照しながら本発明および本発明の背景技術をより詳細に説明する。当該図面は本発明の好適な実施形態を示すが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の第1の実施形態におけるロックユニット内の位置検出手段を有するロック機構の斜視図を示す。
図2図2は、本発明の更なる実施形態において「主要位置」にあるロック機構の平面図を示す。
図3図3は、図2の第2の爪部を省略したロック機構を示す。
図4図4は、第1の位置にある図2のロック機構を示す。
図5図5は、図4の第2の爪部を省略したロック機構を示す。
図6図6は、開錠位置にある図2のロック機構を示す。
図7図7は、図6の第2の爪部を省略したロック機構を示す。
図8図8は、進歩性を有するロック装置の更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、把持部2と、第1の爪部5と、第2の爪部6とを有するロック機構の概略斜視図を示す。前記ロック機構は、例えば、ロックユニット1のハウジング内に配置される。当該図1の右側は、前記把持部2が施錠位置、すなわち、前記第1の爪部5と確実に係合する「主要位置」にあることを示す。前記第1の爪部5は回転軸11上に回転自在に配置され、前記第2の爪部6もまた当該回転軸11上に配置される。前記第1の爪部5および前記把持部2は実質的に第1の平面9上にあるため、主にその周面を介して相互作用する。一方、前記第2の爪部6は前記第1の平面の上部に載置された第2の平面10に配置される。このように、前記第2の爪部6は前記把持部2の一部分に亘って回動できる構成になっている。前記第2の爪部6および前記把持部2は、第1の位置において、当該第2の爪部6が前記第2の平面10上に延出する当該把持部2の突出部と係合する形で相互作用する。図1の右側に示すように、前記突出部はピンコネクタ24として実装されている。
【0022】
上記施錠位置において、前記第1の爪部5は回転防止レバー15より固定されており、前記把持部2と常に接触している状態にある。そのため、前記把持部2の前記開錠位置に向かう枢動を可能にするためには前記第1の爪部5が前記回転防止レバー15から解除される必要がある。この前記回転防止レバー15の解除は前記第2の爪部6により行われる。
【0023】
好適な実施形態では、共通の回転軸11に取り付けられた単一位置検出手段7が両方の爪部に提供される。当該実施形態において、前記単一位置検出手段7は、第1の接触突起部22と第2の接触突起部23とを有するいわゆるダブルマイクロスイッチ21として実装される。前記2つの接触突起部22、23は平行に配置され、作動スイッチとして、対応する作用側面20と特定時に相互作用する。前記ダブルマイクロスイッチ21は、前記爪部の回転軸11に対して前記把持部2と対向する側に配置されており、前記爪部の作用側面20を介して前記第1の爪部5および/または前記第2の爪部6の実際の位置または場所を走査する。
【0024】
このように、前記ロックユニット1の現在位置は、特に以下に説明する動作について確実且つ冗長的に決定される。
【0025】
図2および3は「主要位置」における前記ロックユニットのロック機構の1実施形態を示す。図2は相互に重なり合う爪部5、6双方を示す。図3では前記第1の爪部5をより明確に図示するために前記第2の爪部6は省略されている。
【0026】
本実施形態において示す前記把持部2は施錠位置にあり、この場合前記把持部2は主要位置3にあって前記第1の爪部5に対して隣接して配置されている。接触力は前記爪部の回転軸11を介しては伝達されないので、前記第1の爪部5との接触が解除されると共にバネを備えた前記把持部2が接触面に作用するように設計されている。前記回転防止レバー15は、対応する係止部と共に前記第1の爪部5の動きを阻止することにより、当該第1の爪部5を前記主要位置3に固定する。前記第2の爪部6は前記回転防止レバー15に当接する駆動部18を有する。前記第2の爪部6が作動して、次に時計回りの方向に回動することにより、前記駆動部18は前記回転防止レバー15を反時計回りの方向に枢動する。この結果、前記回転防止レバー15の前記第1の爪部5に対する接触が解除され、前記把持部2は独立して前記第1の爪部5を主要位置3から離れる方向に押動する。
【0027】
前記2つの爪部は、作動スイッチ8の態様の共通の位置検出手段を有することが好ましい。前記上面図では、前記作動スイッチ8がダブルマイクロスイッチ21として実装されていることを示す。また、前記第1の爪部5および前記第2の爪部6が施錠位置にある場合、前記作動スイッチ8は非作動状態(すなわち、作動スイッチ8に接触する当該爪部のうちの1つから伝達される力がない状態)にある。
【0028】
図5および6は前記「第1の位置」を示す。特に閉扉動作が行われている間、例えば、不十分な力で自動車のドアがドアシールに対して押動される場合に前記ロック機構は当該位置となる。この第1の位置では、前記第1の爪部5は前記把持部2の主要位置3に到達しておらず、前記把持部2の周面上の異なる位置および/または前記回転防止レバー15の座部19の位置にある。しかしながら、図5から明らかなように、前記第1の爪部5はこの途中位置において前記把持部に設置された作動スイッチ8の一部に作用し、これにより、前記作動スイッチ8が作動する。上部に配置された前記第2の爪部6はこの状態、すなわち前記第1の位置において前記把持部2と係合する。この場合、前記第2の爪部6は前記作動スイッチ8と接触していないという明確な位置検出が達成される。
【0029】
例えば、施錠補助装置を用いて、モーターにより前記把持部2を施錠位置に作動させることが可能であり、これにより、前記第1の爪部5と前記作動スイッチ8との間の接触が中断される。このように、前記「第1の位置」は前記「主要位置」と明確に区別することができる。
【0030】
図6および7に示すように、前記ロックユニット1の開錠位置においては、前記第1の爪部5および前記第2の爪部6の双方は前記作動スイッチ8の対応する部分と直接接触している。前記ロック機構のこの位置においては、双方の爪部は前記把持部2の外部、すなわち、前記把持部2の円周領域にある。このように、前記把持部2により把持部のボルトが解除され、自動車の対応するドアまたはハッチバックのドアが開扉される。
【0031】
ドアの開閉中に検出される様々な個々の検知信号および当該信号の経時的変化によりデータが正確、迅速、且つ冗長的に取得され、これにより前記自動車および/または前記ロックユニットを作動させる追加機能(例えば、キーレスエントリシステム、および/または始動装置、および/または点火工程の解除などに関連する機能)を起動させることもできる。
【0032】
図8は上記のようなロックユニット1の別の実施形態を示す。当該図では前記ロック機構の前記「第1の位置」を示す。より具体的には、自動車12に実装された前記ロックユニット1は当該自動車本体に取り付けられた締め付けボルト14と相互作用する。前記自動車ドアが閉扉中に前記締め付けボルト14はラッチケース13の差込開口部17に挿入され、少なくともその一部が前記把持部2により受け入れられて保持される。前記締め付けボルト14が挿入されることにより、前記バネを備える把持部2は反時計回りの方向に回転する。それと同時に前記第1の爪部5は、例えば、バネによって付勢された回転防止レバー15により反時計回りの方向に回転するよう誘導されて前記把持部2の周面に対して確実に押し付けられ、次に前記閉扉の操作中に前記主要位置となって前記把持部2と直接係合する。また、前記第2の爪部6はバネを備えるため、反時計回りの方向に枢動することが好ましいが、この回転運動には制限がある。図8では第1の位置が示されており、この位置においては前記第2の爪部6は前記第1の位置4で前記把持部2と相互作用する。自動施錠機構を採用して、電気モーターにより前記把持部2をさらに枢動させ、前記第1の爪部が前記主要位置に配置されるようにすることも可能である。また、アクチュエータ16を前記第2の爪部6と係合させることが可能であり、これにより、特にロック機構の開錠運動が始動される。前記ラッチケース13にはまた、前記第1の爪部5および前記第2の爪部6の位置を確実に検出する共通の位置検出手段7が取り付けられており、これにより、前記ロックユニット1に関する情報が取得される。
【符号の説明】
【0033】
1 ロックユニット
2 把持部
3 主要位置
4 第1の位置
5 第1の爪部
6 第2の爪部
7 共通の位置検出手段
8 作動スイッチ
9 第1の平面
10 第2の平面
11 爪部の回転軸
12 自動車
13 ラッチケース
14 ラッチピン
15 回転防止レバー
16 アクチュエータ
17 差込開口部
18 駆動部
19 座部
20 作用側面
21 ダブルマイクロスイッチ
22 第1の接触突起部
23 第1の接触突起部
24 ピンコネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8