(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750258
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月15日
(54)【発明の名称】ロック装置
(51)【国際特許分類】
E05B 15/00 20060101AFI20150625BHJP
【FI】
E05B15/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-255636(P2010-255636)
(22)【出願日】2010年11月16日
(65)【公開番号】特開2012-107405(P2012-107405A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2013年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】木曽 寿和
【審査官】
佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−228227(JP,A)
【文献】
実開平3−119170(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00− 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに挿入されたプラグに回転方向に連結されて操作対象にプラグの回転操作力を伝達するレバーを有し、
前記レバーとケースとの間には、所定の相対回転範囲が設定されるとともに、該相対回転範囲は、クリックストップ部により操作角度範囲とオーバーストローク回転範囲に区画され、
かつ、ケースとレバーには、操作角度範囲を含む所定の連結角度範囲内でレバーに係止して該レバーのプラグからの脱離を規制し、残余の角度において脱離が許容される脱離規制係止部が設けられるロック装置。
【請求項2】
ケースに挿入されたプラグに回転方向に連結されて操作対象にプラグの回転操作力を伝達するレバーを有し、
前記レバーにはケースに設けられた制御杆を該レバーの相対回転範囲内での回転を許容して受容する杆受容部が設けられるとともに、
前記相対回転範囲は、杆受容部の内壁面に突設されて経路幅を減少させ、制御杆の弾性的な縮径、あるいは経路幅の弾性的な拡幅を伴う制御杆の通過を可能にする狭幅突起により操作角度範囲と、オーバーストローク回転範囲とに区画され、
かつ、ケースとレバーには、操作角度範囲を含み、相対回転範囲内の所定の連結角度範囲内でレバーに係止して該レバーのプラグからの脱離を規制し、残余の角度において脱離が許容される脱離規制係止部が設けられるロック装置。
【請求項3】
前記狭幅突起は、操作角度範囲への制御杆の進行方向側壁面が進行方向に行くに従って漸次突出寸法が増加する傾斜面により形成され、反対壁面が進行方向に対して直交、あるいは前記傾斜面と反対の傾斜方向を有する急峻面により形成される請求項2記載のロック装置。
【請求項4】
前記操作角度範囲内に一対の動作ストローク確認用狭幅突起が設けられる請求項2または3記載のロック装置。
【請求項5】
前記杆受容部は、貫通孔状に形成されるとともに、杆受容部の一方の側壁に平行に貫通長孔が形成され、
かつ、杆受容部と貫通長孔との間を薄肉に形成し、
杆受容部の側壁面に前記制御杆が狭幅突起形成箇所を通過する際の弾性変形能を付与する請求項2、3または4記載のロック装置。
【請求項6】
前記プラグとケースとの間には、プラグのケースに対する回転範囲を連結角度範囲以内に制限する操作角規制部が設けられ、
プラグのケースへの装着によりレバーの脱離が不能になる請求項1から5のいずれかに記載のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケース内に挿入されたプラグへの回転操作によりレバーを回転させるロック装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、ロック装置は、固定本体内に挿入される回転体(プラグ)と、プラグに連結されるキーレバー(レバー)とを有し、レバーのプラグからの脱離は、プラグにキークリップを装着することにより防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-12558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来例において、レバーの抜け止めにキークリップの装着を要するために、装着工数がかかる上に、部品点数も増加するという欠点がある。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、レバーの装着効率も良好で、かつ、部品点数も減少させることのできるロック装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ロック装置は、ケース1に挿入されたプラグ2と、プラグ2に回転方向に連結されて操作対象3にプラグ2の回転操作力を伝達するレバー4とを有する。レバー4はケース1に対して360°を含む所定の相対回転範囲(Rr)内で相対回転自在であり、この相対回転範囲(Rr)は、レバー4とケース1との間に形成されるクリックストップ部5により操作角度範囲(Ra)とオーバーストローク回転範囲(Ro)に区画される。プラグ2は、所定のキープレートを挿入したときにのみ回転が許容されるようにタンブラが装着されたもの以外、回転操作にキープレートの挿入を条件としない単なる摘み部材であってもよい。
【0007】
また、ケース1とレバー4には、上記操作角度範囲(Ra)を含む所定の連結角度範囲内で相互に係止する脱離規制係止部6が設けられる。脱離規制係止部6は、係止状態においてレバー4のプラグ2の長手方向への移動を規制することによってレバー4のケース1からの離脱を規制し、プラグ2との連結状態を保持する。
【0008】
レバー4の装着は、ケース1との相対回転位置をオーバーストローク回転範囲(Ro)内、正確には連結角度範囲を超えた角度に保持した状態でレバー4をケース1に装着し、次いで、クリックストップ部5を越えてレバー4を操作角度範囲(Ra)まで回転させることにより行われる。上述したように、操作角度範囲(Ra)内においては、レバー4のケース1からの離脱が規制されるために、操作対象3、あるいはプラグ2等によりレバー4の回転動作角を操作角度範囲(Ra)内に制限し、あるいはクリックストップ部5を、操作角度範囲(Ra)側への移動は容易で、オーバーストローク回転範囲(Ro)側への移動が困難なように非対称に係止すると、レバー4がケース1から離脱することなく、プラグ2との連結状態が保持される。
【0009】
したがってこの発明において、レバークリップ等、格別の連結手段を要することなくレバー4の脱落を不正でプラグ2を連結状態に維持することが可能になり、部品点数の減少が可能になる上に、装着作業も容易になる。さらに、操作角度範囲(Ra)からオーバーストローク回転範囲(Ro)への復帰にはクリックストップ部5の乗り越えが必要であるために、操作対象3、あるいはプラグ2等によりレバー4の回転範囲を規制するまでの間におけるレバー4の脱離も有効に防止できる。
【0010】
クリックストップ部5は、例えば、レバー4を筒形状に形成してケース1の外周に嵌合させ、嵌合部のいずれか一方に形成された弾性変形部を他方に形成された突部の通過時に撓ませるように構成することも可能であるが、ケース1に突設した制御杆7をレバー4の杆受容部8に嵌合、あるいは挿通させることによって形成することも可能である。
【0011】
このようなロック装置は、
ケース1に挿入されたプラグ2に回転方向に連結されて操作対象3にプラグ2の回転操作力を伝達するレバー4を有し、
前記レバー4にはケース1に設けられた制御杆7を該レバー4の相対回転範囲(Rr)内での回転を許容して受容する杆受容部8が設けられるとともに、
前記相対回転範囲(Rr)は、杆受容部8の内壁面に突設されて経路幅を減少させ、制御杆7の弾性的な縮径、あるいは経路幅の弾性的な拡幅を伴う制御杆7の通過を可能にする狭幅突起9により操作角度範囲(Ra)と、オーバーストローク回転範囲(Ro)とに区画され、
かつ、ケース1とレバー4には、操作角度範囲(Ra)を含み、相対回転範囲(Rr)内の所定の連結角度範囲内でレバー4に係止して該レバー4のプラグ2からの脱離を規制し、残余の角度において脱離が許容される脱離規制係止部6が設けられるように構成され、このように構成することにより、レバー4の構造を簡単にすることができる。
【0012】
この場合、狭幅突起9は、操作角度範囲(Ra)への制御杆7の進行方向側壁面が
進行方向に行くに従って漸次突出寸法が増加する傾斜面により形成され、反対壁面が進行方向に対して直交、あるいは前記傾斜面と反対の傾斜方向を有する急峻面10により形成してクリップストップ部5に非対称性をもたせることができる。このように構成すると、制御杆7をオーバーストローク回転範囲(Ro)から操作角度範囲(Ra)に移動させる場合、すなわち、レバー4の組み付け作業時のレバー4の回転操作は、狭幅突起9の傾斜面がレバー4への回転操作力
から拡幅方向への分力を発生させるために、容易なのに対し、反対方向、すなわち、レバー4離脱方向への回転操作は、急峻面10の作用により上述した分力を期待できないために、組み付け時に比して困難となる。
【0013】
この結果、上述した操作対象3によるレバー4の角度規制なしに、あるいはこれと併用してレバー4を操作角度範囲(Ra)内に留めることが可能になる。
【0014】
上述したように、レバー4は連結角度範囲を超えない限り、ケース1から脱落することはなく、クリックストップ部5に頼ることなく上記連結角度範囲内にレバー4の移動角を制限することによってレバー4の脱落が完全に防止される。
【0015】
レバー4の移動角の制限は、操作対象3により間接的に行うことができるが、
プラグとケースとの間には、プラグのケースに対する回転範囲を連結角度範囲以内に制限する操作角規制部が設けられ、
プラグのケースへの装着によりレバーの脱離が不能にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、レバーの装着効率を向上させ、かつ、部品点数も減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明を示す図で、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
【
図2】ロック装置を示す図で、(a)は
図1(b)の2A-2A線断面図、(b)は
図1(b)の2B方向矢視図、(c)は
図2(b)の2C-2C線断面図である。
【
図3】クリックストップ部の動作を示す図で、(a)は施錠状態を示す図、(b)はレバーの装着操作開始を示す図である。
【
図4】レバーの装着状態を示す図で、(a)は分解図、(b)は(a)の4B方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1以下に示すように、ロック装置は、ケース1と、ケース1内に挿入されるプラグ2と、プラグ2の後端に連結されるレバー4とを有する。
【0019】
図2(a)に示すように、プラグ2には適数のタンブラ2aが装着されており、真正な解錠キーが挿入された場合にのみ回転操作が可能になる。また、プラグ2の後端には回り止め突部2bが突設される。
【0020】
ケース1は、上記プラグ2が挿入される筒形状のプラグ保持部1aと、プラグ保持部1aの側壁部から張り出される固定部1bとを有し、固定部1bに形成された取付孔1cに挿入されるボルト等の止着子(図示せず)により施錠対象(操作対象3)が固定される図外の基部に固定される。
【0021】
上記プラグ2はプラグ保持部1aの前方開放端から挿入されてケース1に装着され、プラグ2の後端部に装着されるストッパタンブラ2cをケース1のストッパ突条1dに係止させることにより抜け止めされる。
図4に示すように、ケース1には、上記ストッパタンブラ2cの回転角度を規制するためのガイド凹部1eが設けられ、これらストッパタンブラ2cとガイド凹部1eにより操作角規制部13が構成される。
【0022】
一方、レバー4は、
図1、2に示すように、一端が開放され、他端が底壁4aにより閉塞された有底筒部4bの側壁から作動片4cを突出させて形成され、有底筒部4bを上記ケース1のプラグ保持部1aに外嵌合して装着される。また、レバー4の有底筒部4bの底壁4aには上記プラグ2の回り止め突部2bが挿入する突部受容孔4dが開設されており、レバー4をケース1に装着した状態で、レバー4はプラグ2に対して回転方向に連結されてプラグ2とともに回転する。
【0023】
さらに、ケース1のプラグ保持部1aの後端面には制御杆7が突設され、レバー4の底壁4aには制御杆7が貫通する杆受容部8が設けられる。レバー4のケース1に対する回転、すなわち、プラグ2の回転を保証するために、杆受容部8はプラグ2の回転中心と同心の円弧状の長孔により形成され、杆受容部8の長さによりレバー4のケース1に対する相対回転範囲(Rr)が決定される。
【0024】
図1、2に示すように、レバー4には杆受容部8の一方の内周壁に平行な貫通長孔12が開設されるとともに、杆受容部8と貫通長孔12に挟まれた領域は他に比して薄肉とされ、さらに、該薄肉部4eの内壁に三角形状の狭幅突起9が突設される。
【0025】
杆受容部8の一般部は上記制御杆7の通過が可能なように、制御杆7の太さ寸法よりやや幅広の経路幅寸法を有しており、狭幅突起9が配置されることにより、経路幅は制御杆7の通過が困難な寸法にまで狭められる。狭幅突起9の突出寸法、および上記薄肉部の幅寸法、すなわち杆受容部8と貫通長孔12との間隔、あるいは薄肉部の板厚は、制御杆7が狭幅突起9を越えるときに適度のクリック感が発生するように、実験的に決定される。
【0026】
上記狭幅突起9は杆受容部8の両端近傍に一対配置され、これら狭幅突起9により、上記相対回転範囲(Rr)は、経路終端を含むオーバーストローク回転範囲(Ro)と、これらオーバーストローク回転範囲(Ro)間に位置する操作角度範囲(Ra)に区画される。上述したように、狭幅突起9はケース1の制御杆7と協働してクリックストップ部5を構成し、レバー4移動時のクリック感をもたらし、レバー4がオーバーストローク回転範囲(Ro)と操作角度範囲(Ra)との間で移動する際のクリック感、あるいは適度の抵抗力が発生する。
【0027】
上記狭幅突起9は壁面の立ち上がり角度がオーバーストローク回転範囲(Ro)側でなだらかで、操作角度範囲(Ra)側で急峻な非対称形状に形成される。この結果、オーバーストローク回転範囲(Ro)から操作角度範囲(Ra)に制御杆7を移動させる際には、傾斜面には制御杆7の乗り上がり方向の操作力によって内方に向かう分力、すなわち、薄肉部4eへの弾性変形操作力が発生するために、比較的小さな操作力により狭幅突起9をかわすことができる。
【0028】
これに対し、制御杆7が操作角度範囲(Ra)からオーバーストローク回転範囲(Ro)に移動する際には、急峻面10の存在により、上記傾斜面による分力が発生しないために、狭幅突起9の乗り越えにはより大きな操作力を要する。
【0029】
さらに、上記操作角度範囲(Ra)内には、一対の動作ストローク確認用狭幅突起11が設けられる。これら動作ストローク確認用狭幅突起11は、後述するように、利用者にロック操作の動作終端位置を知らせるために配置され、この実施の形態においては、一方は施錠位置を知らせるために狭幅突起9からやや離れた位置に、他方は、解錠位置を知らせるために、上記狭幅突起9と対をなす他の狭幅突起9との間に制御杆7の太さとほぼ等しい間隔をおいて配置される。
【0030】
さらに、上記ケース1とレバー4には脱離規制係止部6が設けられる。
図4に示すように、ケース1側の脱離規制係止部6Aは、プラグ保持部1aの外周壁面から突出されるフランジ形状を有し、プラグ2の回転中心に対して線対称位置に一対設けられる。これに対し、レバー4側の脱離規制係止部6Bは、
図2(c)、
図4(a)に示すように、有底筒部4bの開放端側端面から内方に向けて突設される突片形状を有し、プラグ2の回転中心に対して線対称位置に一対設けられる。このレバー4側の脱離規制係止部6Bの幅寸法は、ケース1側の脱離規制係止部6A間の間隔に比して幅狭に形成されており、ケース1側の脱離規制係止部6A間を通過させた後、レバー4全体を回転させて
図2(c)に示すように、ケース1側の脱離規制係止部6Aに重合、係止させることにより、レバー4の脱離を規制することができる。
【0031】
上記レバー4側の脱離規制係止部6Bは、制御杆7が杆受容部8の操作角範囲を含む連結角度範囲内にあるときにはケース1側の脱離規制係止部6Aに係止し、残余の角度範囲においては係止解除する位置に配置される。
【0032】
したがってこの実施の形態において、レバー4の装着に際し、まず、レバー4を
図3(b)に示すように、制御杆7がオーバーストローク回転範囲(Ro)の終端部に挿入する姿勢に保持する。この姿勢でレバー4の脱離規制係止部6Bは、
図2(c)におけるa位置、すなわち、ケース1側の脱離規制係止部6A間の間隙に位置しており、この状態からレバー4を押し込み、次いで、
図3(a)に示す位置まで回転させると、レバー4側の脱離規制係止部6Bは
図2(c)におけるb位置に移動してケース1側の脱離規制係止部6Bと係止してケース1からの離脱が防止される。
【0033】
双方の係止状態は、
図2(c)におけるc位置まで保持され、レバー4は、b-c位置間での回転操作が行われる限りプラグ2との連結が保証される。
【0034】
図1は以上のように構成されるロック装置の使用状態の一例を示すもので、ロック装置は、レバー4によって施錠対象3を90°の動作ストロークで作動させて施解錠状態間を遷移させるために使用される。
図1(a)において、解錠位置におけるレバー4を実線で、施錠位置におけるレバー4を鎖線で示す。
【0035】
上述したように、施解錠位置での操作中、レバー4側の脱離規制係止部6は、
図2(c)のb-c間を移動し、ケース1側の脱離規制係止部6との係止状態が保持されるために、レバー4のプラグ2から脱離は規制されており、さらに、施解錠位置において、制御杆7は動作ストローク確認用狭幅突起11を通過し、このとき発生するクリック感により利用者に施解錠位置を知らせることができる。
【0036】
ロック装置の基部への取り付けは、まず、レバー4をケース1に装着した後、レバー4を施解錠いずれかの位置に保持してクリック停止させ、この状態で基部に固定し、次いで、プラグ2をケース1に装着して行われる。プラグ2のケース1への挿入は、レバー4の停止位置に対応する角度、すなわち、レバー4を施錠位置にクリック停止させた場合、施錠回転角度でプラグ2をケース1に挿入して行われ、プラグ2の挿入によってプラグ2の回り止め突部2bはレバー4の突部受容孔4dに嵌合し、プラグ2とレバー4は回転方向に連結される。
【0037】
また、プラグ2がストッパタンブラ2cによりケース1からの抜け止めされると、以後、プラグ2の回転角は、ストッパタンブラ2cの移動範囲がガイド凹部1eにより規制されることによって、施解錠回転位置間に制限され、結果、制御杆7が連結角度範囲を超えて移動することはなく、レバー4の脱離は確実に防止される。
【0038】
さらに、プラグ2を挿入する前、すなわち、レバー4のみを組み付けたケース1の搬送時、あるいは保管時において、制御杆7は狭幅突起9と動作ストローク確認用狭幅突起11との間に挟まれることにより不用意な移動が防止されるために、連結角度範囲を超えて移動することによるレバー4の脱離、および、レバー4の移動によるプラグ2挿入時の回り止め突部2bとレバー4の突部受容孔4dとの位置ずれが防止される。
【0039】
なお、以上においては、レバー4の回転範囲を規制するための操作角規制部13をプラグ2に装着されるストッパタンブラ2cとケース1のガイド凹部1eにより構成する場合を示したが、これ以外に、例えば、プラグ2の頭部近傍に径方向に膨隆するストッパと、ケース1に形成されてストッパの回転範囲を規制する凹部とから構成することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ケース
2 プラグ
3 操作対象
4 レバー
5 クリックストップ部
6 脱離規制係止部
7 制御杆
8 杆受容部
9 狭幅突起
10 急峻面
11 動作ストローク確認用狭幅突起
12 貫通長孔
Rr 相対回転範囲
Ra 操作角度範囲
Ro オーバーストローク回転範囲