(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体が充填された試験槽の液体中を略直線的な軌道で通過する棒状体であって前記試験槽に形成された試験体入り口を介して大気中から液体中に進入し、前記試験槽に形成された試験体出口を介して液体中から前記大気中へ出ていく棒状体である棒状試験体を超音波探傷する超音波探傷装置であって、
前記棒状試験体に対して超音波を送信し、送信した前記超音波のエコーを検出すると共に、前記棒状試験体が前記試験体入り口から前記試験体出口に向かう通過方向において順次一つずつ液体中に設置された複数の探触子と、
前記複数の探触子のうち、前記通過方向において前記試験体入り口の最も近くに設置される前記探触子である第1探触子の直前で前記試験体入り口の側に前記試験槽の液体中に設置され、前記試験体入り口を介して進入した前記棒状試験体の先端を受け入れると共に、前記棒状試験体を押さえながら前記通過方向へ送り出す第1の試験体押さえ機構部と、
前記複数の探触子のうち、前記通過方向において前記試験体出口の最も近くに設置される前記探触子である最後探触子の直後で前記試験体出口の側に前記試験槽の液体中に設置され、前記第1の試験体押さえ機構部によって送りだされた前記棒状試験体の先端を受け入れると共に、前記棒状試験体を押さえながら前記試験体出口を介して液体中から前記大気中に送り出す第2の試験体押さえ機構部と
を備え、
前記超音波探傷装置は、さらに、
前記第1の試験体押さえ機構部が前記棒状試験体の前記先端を受け入れる辺りに液体を噴射する第1液体噴射部を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
液体が充填された試験槽の液体中を略直線的な軌道で通過する棒状体であって前記試験槽に形成された試験体入り口を介して大気中から液体中に進入し、前記試験槽に形成された試験体出口を介して液体中から前記大気中へ出ていく棒状体である棒状試験体を超音波探傷する超音波探傷装置であって、
前記棒状試験体に対して超音波を送信し、送信した前記超音波のエコーを検出すると共に、前記棒状試験体が前記試験体入り口から前記試験体出口に向かう通過方向において順次一つずつ液体中に設置された複数の探触子と、
前記複数の探触子のうち、前記通過方向において前記試験体入り口の最も近くに設置される前記探触子である第1探触子の直前で前記試験体入り口の側に前記試験槽の液体中に設置され、前記試験体入り口を介して進入した前記棒状試験体の先端を受け入れると共に、前記棒状試験体を押さえながら前記通過方向へ送り出す第1の試験体押さえ機構部と、
前記複数の探触子のうち、前記通過方向において前記試験体出口の最も近くに設置される前記探触子である最後探触子の直後で前記試験体出口の側に前記試験槽の液体中に設置され、前記第1の試験体押さえ機構部によって送りだされた前記棒状試験体の先端を受け入れると共に、前記棒状試験体を押さえながら前記試験体出口を介して液体中から前記大気中に送り出す第2の試験体押さえ機構部と
を備え、
前記超音波探傷装置は、さらに、
前記第2の試験体押さえ機構部が前記棒状試験体の前記先端を受け入れる辺りに液体を噴射する液体噴射部を備えたことを特徴とする超音波探傷装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1、
図2を参照して実施の形態1の超音波探傷装置1000を説明する。
(1)
図1は、実施の形態1の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
図1は背景技術で説明した
図16と類似であるが、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240とを水槽200(試験槽)内の水中に配置した点が特徴である。
(2)また、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240のそれぞれに、押さえ機構用局所ノズル251、252、押さえ機構用局所ノズル261、262を配置した点が特徴である。なお、背景技術の
図16、
図17と同等の構成要素には同一の符号を付した。
【0016】
まず超音波探傷装置1000の特徴を説明する。実施の形態1の超音波探傷装置1000では、
図1に示すように、水槽200内部に、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240とを備えた。つまり、入り口側パッキン210側の配列探触子T1の直前に第1の押さえ機構部230を配置した。また、出口側パッキン220側である、配列探触子のうちの最後の探触子T4の直後に、第2の押さえ機構部240を配置した。試験体400の搬送方向102において、第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との距離L23(
図1)を、
図17の距離L22に比べて短くした。つまり、
L23<L22
とした。
試験体400の長さ方向において短い距離で、下側ロール機構232,242のVロール部(後述する)に搬送させることを可能とした。このため、試験体400の曲がり(
図17)や、剛性の低さによる自重垂れを抑制できるので、試験体の搬送方向に複数配列された探触子それぞれにおいて探触子と試験体との芯を合わせる事が可能となる。従って、試験体の先端部と後端部で発生する超音波信号の不安定区間を大幅に短縮できる効果がある。
【0017】
(超音波探傷装置1000の構成)
超音波探傷装置1000は、水槽200の水中に配置される複数の探触子T1〜T4等、水槽200の水中に配置される第1の押さえ機構部230、水槽200の水中に配置される第2の押さえ機構部240、水槽200の水中に配置される押さえ機構用局所ノズル251、252(入り口側)、押さえ機構用局所ノズル261,262(出口側)等を備えている。
【0018】
(試験体400)
図1において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200の水中を略直線的な軌道106(探触子T2の下に示した)で通過する棒状体を想定する。試験体400は、入り口側パッキン210側の搬送機構410に搬送されることにより、水槽200に形成された試験体400の入り口である入り口側パッキン210(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200の水中に進入する。そして、第1の押さえ機構部230により送出され、探触子に超音波を照射され、第2の押さえ機構部240に送出されることで、試験体出口である出口側パッキン220を介して水中から出口側パッキン220側の搬送機構420へと大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。
図1の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
【0019】
(探触子)
図1の複数の探触子T1〜T4等は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400が入り口側パッキン210から出口側パッキン220に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
【0020】
(第1の押さえ機構部230)
図2は、第1の押さえ機構部230のW方向(
図1)の矢視である。
図2も参照して第1の押さえ機構部230を説明する。第1の押さえ機構部230は、上側ロール機構231と、下側ロール機構232とを備えている。上側ロール機構231は、ロール231−1、231−2を備えている。下側ロール機構232は、ロール232−1、232−2を備えている。第1の押さえ機構部230は、複数の探触子のうち、搬送方向102において入り口側パッキン210の最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)の直前で入り口側パッキン210の側に水槽200の水中に設置される。第1の押さえ機構部230は、入り口側パッキン210を介して進入した試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構231と下側ロール機構232とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構232の駆動力(回転力)によって、搬送方向102へ試験体400を送り出す。
【0021】
(第2の押さえ機構部240)
第2の押さえ機構部240の構成は、第1の押さえ機構部230と同じである。第2の押さえ機構部240は、上側ロール機構241と、下側ロール機構242とを備えている。上側ロール機構241は、ロール241−1、241−2を備えている。下側ロール機構242は、ロール242−1、242−2を備えている。第2の押さえ機構部240は、複数の探触子のうち、搬送方向102において出口側パッキン220の最も近くに設置される探触子である探触子T4(最後探触子)の直後で、出口側パッキン220の側に水槽200の水中に設置される。第2の押さえ機構部240は、第1の押さえ機構部230によって送りだされた試験体400の先端を受け入れると共に、上側ロール機構241と下側ロール機構242とで試験体400を押さえながら、下側ロール機構242の駆動力(回転力)によって、出口側パッキン220を介して水中から大気中の搬送機構420に試験体400を送り出す。
【0022】
(制御部120)
図1に示すように、試験体400は、搬送制御装置430によって駆動制御される搬送機構410(搬送機構)で搬送されて入り口側パッキン210を介して大気中から水中に進入する。この場合、制御部120は、搬送機構410,420を駆動制御する搬送制御装置430の有する所定の情報を搬送制御装置430から入力する。そして、制御部120は、入力したこの情報に基づいて、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240を制御する。制御部120は、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231の下降、上昇の制御と、下側のロール232−1、232−2の駆動の制御を行う。
具体的には次の様である。
【0023】
(下側の制御)
制御部120は、搬送制御装置430から受信した試験体400の試験体サイズ信号121、搬送速度信号122により、下側ロール機構232,242のそれぞれの「下側Vロール」の回転速度を制御する。「下側Vロール」とは、下側ロール機構232のロール232−1、232−2、及び下側ロール機構242のロール242−1、242−2は、Vロールを想定しているからである。試験体サイズ信号121及び搬送速度信号122は前記の「所定の情報」の一例である。下側の制御は、
図1に示すように下側のロール232−1、232−2、ロール242−1、242−2は連結器291を介してモーター290と接続されている。連結器291とは、例えばチェーン、ベルト、ギアなどの動力伝達機構である。制御部120はモーター290の回転数制御を介して、下側のロール232−1等の駆動制御を行う。
【0024】
(上側の制御)
また制御部120は、搬送制御装置430から受信する試験体通過信号123に基づき、第1の押さえ機構部230の上側ロール機構231と、第2の押さえ機構部240の上側ロール機構241との下降と上昇のタイミングを制御部120で制御する。「試験体通過信号123」とは、例えば、試験体400が、第1の押さえ機構部230に到達することを知らせる信号である。制御部120は、この情報と、予め有する第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との間の距離L23などの寸法情報から、上側ロール機構231、上側ロール機構241の下降と上昇のタイミングを制御できる。
【0025】
第1の押さえ機構部230,第2の押さえ機構部240に対する制御部120の制御によって、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240を試験体400が通過する時の抵抗や振動を、大幅に軽減できる。よって、それぞれの探触子と試験体との相対的な位置関係を維持、確保できる。
【0026】
図2に示すように、上側に制御部120による上昇と下降との制御が可能な上側ロール機構231が配置され、下側には、下側ロール機構232が配置される。
図2(a)はVロールを用いた機構、
図2(b)は別の機構を示す。下側ロール機構232には制御部120によって回転速度の制御可能なVロールが下側ロール232−1、232−2として使用される。なお
図2には、後述する押さえ機構用局所ノズル251を示した。第2の押さえ機構部240も同様の構成である。
【0027】
(押さえ機構用局所ノズル251等)
図1に示すように、超音波探傷装置1000は、押さえ機構用局所ノズル251等を備えている。押さえ機構用局所ノズル251、252(第1液体噴射部)は、第1の押さえ機構部230に向けて水を噴射し、押さえ機構用局所ノズル261、262は、第2の押さえ機構部240に向けて水を噴射する。これにより、試験体400が水中に引き込んだ気泡、ゴミなどを、第1の押さえ機構部230あるいは第2の押さえ機構部240が巻き込んで停滞させるのを防ぐ効果がある。押さえ機構用局所ノズル251,252は、第1の押さえ機構部230が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲265に水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261,262(第2液体噴射部)も、第2の押さえ機構部240が試験体400の先端を受け入れる辺りである噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)に水を噴射する。なお、
図1では、第1の押さえ機構部230と、第2の押さえ機構部240とのそれぞれに押さえ機構用局所ノズルを配置したが、少なくとも、第1の押さえ機構部230に配置することで効果がある。これは、入り口側パッキン210の近くの方が、出口側パッキン220よりも試験体400によって気泡が引き込まれ、水中に浮遊する気泡が多いからである。第2の押さえ機構部240にも押さえ機構用局所ノズル261,262を配置すれば、さらに、気泡、ゴミなどの除去効果が高まるので、さらに好適である。
【0028】
制御部120は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292と、電磁バルブ270との制御を介して、押さえ機構用局所ノズル251、252、261、262の噴射する水の流速を制御する。
図1、
図2等に示すように、押さえ機構用局所ノズル251、252は、試験体400の噴射目標範囲265よりも下から、水を噴射する。押さえ機構用局所ノズル261、262も、試験体400の噴射目標範囲(噴射目標範囲265と同等の範囲)よりも下から、水を噴出する。
【0029】
また制御部120(噴射制御部)は、搬送制御装置430から受信した「所定の情報」である試験体サイズ信号121、搬送速度信号122、試験体通過信号123等に基づいて、押さえ機構用局所ノズル251等が噴射する水の流速を制御する。この制御により、試験体400のサイズ、試験体400の搬送速度などに応じて、効果的に気泡やゴミを除去することができる。つまり試験体400のサイズが大きい場合や、搬送速度が大きい場合は、流速を大きくして気泡を除去しやすくすることができる。
【0030】
実施の形態2.
図3〜
図9を参照して実施の形態2の超音波探傷装置1000を説明する。
図3は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。探触子は、搬送方向102へ向かって、順に探触子T1〜T4と呼んでいる。
図4は、実施の形態2の超音波探傷装置1000の4個の探触子T1〜T4の配置を斜視図として概念的に示す図である。
実施の形態2の特徴は、
図3に示すように、入り口側パッキン210(第1の押さえ機構部230)の側の探触子T1,T2を下側に配置し、出口側パッキン220(第2の押さえ機構部240)の側の探触子T3,T4を上側に配置した点である。なお、
図4の間隔L1〜L3等は、
図3における搬送方向102の互いの探触子の間隔である。
図3のA−A断面等は、斜視図として示した
図4の「A−A」等に対応する。
図5〜
図9は後に述べる。
【0031】
まず実施の形態2の超音波探傷装置1000の特徴を説明する。実施の形態2の超音波探傷装置1000では、試験体400(棒状試験体)の搬送方向102の上流側(入り口側パッキン210側)に配置される探触子T1、T2を、試験体400の下方に配置した。このため、試験体400が水槽200に突入した時に水槽200の入り口側パッキン210付近に多く浮遊する気泡103は常に上方に移動するので(後述の
図6)、探触子T1、T2は気泡103を検出しなくなる。また、試験体400の上方に配置する探触子T3,T4は、試験体400が水槽200に突入した時に引き込まれる気泡の少ない位置である出口側パッキン220側に配置されている。このため、探触子による浮遊する気泡103の検出は大幅に軽減され、気泡103の検出による誤判定が改善できる。以下、図面を参照して、超音波探傷装置1000を説明する。
【0032】
(超音波探傷装置1000の構成)
図3のように、実施の形態2の超音波探傷装置1000は、4個の探触子T1〜T4を備えている。4個は、一例であり、試験体400のサイズ等に応じて決定される。探触子T1〜T4は、試験体400に超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1〜T4は、いずれも、自身の送信したエコーを自身で受信する。なお、実施の形態2の超音波探傷装置1000は探触子の配置に特徴があるので、
図3では探触子T1〜T4に超音波を送信させたり、探触子T1〜T4の受信したエコーを処理したりする超音波探傷装置本体は省略した。
【0033】
(試験体400)
試験体400は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
【0034】
(探触子T1〜T4)
図3において、探触子T1〜T4は、水が充填された水槽200(試験槽)の水中に設置される。これは、超音波の伝達効率を高めるためである。
図4に示すように、探触子T1〜T4(複数の探触子)は、試験体400が入り口側パッキン210から出口側パッキン220に向かう搬送方向102(通過方向)において、順次一つずつ設置されている。つまり、
図4に示すように、A−A断面位置には探触子T1が設置され、B−B断面位置には探触子T2が設置され、C−C断面位置には探触子T3が設置され、D−D断面位置には探触子T4が設置されている。なお、搬送方向102は、当然であるが軌道106の方向でもある。4個の探触子のうち、試験体400の水槽200での搬送方向102(通過方向)において入り口側パッキン210(試験体入り口)に最も近くに設置される探触子T1(第1探触子)は、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。また、探触子T1(第1探触子)に搬送方向102(通過方向)において隣接する探触子T2も、試験体400の「軌道106よりも下側」に設置される。
【0035】
(下側の定義)
「軌道106よりも下側」における「下側」については、次のように定義することとする。すなわち、水槽200で気泡103が上昇する方向(
図6に記載した)を上側とし、気泡103が上昇する方向と反対の方向を下側とする。
【0036】
(「軌道106よりも下側」についての説明)
さらに説明を続ける。上記で述べた、探触子T1、T2が「軌道106よりも下側」とは以下のような意味である。
図5は、
図3の探触子T1〜T4を入り口側パッキン210側から搬送方向102を見た場合に、各探触子の位置を重ねて描いた図である。探触子T1、T3、T4、T2の順に時計まわりに配置されている。
図5では、軌道106を破線で示している。試験体400は、
図5のように、
図3における搬送方向102の矢視でみた場合に、破線で示した軌道106からはみ出ることなく水槽200内部を通過する。すなわち、軌道106とは、水槽200を通過する試験体400がはみ出ることの無い、水槽200における仮想的な試験体400の通路である。「下側」とは、より具体的に言えば、
図5に示す、破線で示す軌道106の最下部に接する仮想的な水平線107よりも下側であることを意味する。
図5のように、探触子T1、T2は、仮想的な水平線107よりも下側に配置される。同様に、「上側」とは、破線で示す軌道106の最上部に接する仮想的な水平線108よりも上側であることを意味する。なお探触子T1〜T4は、
図5に示すように、中央の基準線109に対して略45度斜め下方(探触子T1,T2)及び略45度斜め上方(探触子T3,T4)に配置される。
【0037】
(探触子T1等のエコー検出範囲)
図5を参照して、探触子T1等のエコーの検出範囲を説明する。探触子T1は範囲ニのエコーを検出し、探触子T2は範囲ハのエコーを検出し、探触子T3は範囲イのエコーを検出し、探触子T4は範囲ロのエコーを検出する。
【0038】
図6は、探触子T1〜T4の配置の効果を説明する図である。
図6は気泡103の説明であるので、水槽200内に配置される第1の押さえ機構部230は図示を省略した。
図6に示すように、試験体400が水槽200に突入した時に水槽200の入り口側パッキン210(試験体入り口部)に多く浮遊する気泡103は常に上方に移動する。よって、探触子T1、T2は軌道106の下側に設置されているので、気泡103を検出しなくなる。また、試験体400の上方に配置して範囲イ、範囲ロのエコーを検出する探触子T3,T4は、探触子T1、T2よりも搬送方向102の下流側に配置されている。つまり、試験体400が水槽200に突入した時に引き込まれる気泡103の少ない位置(下流側)に配置されている。このため、浮遊する気泡103の検出は大幅に軽減され、気泡103の検出による誤判定が改善できる。
【0039】
(探触子ホルダ110)
図3、
図4及び
図7を参照して、探触子を取り付ける探触子ホルダ110を説明する。
図3に示すように探触子ホルダ110は、ベース111、柱112−1〜112−4、探触子取付用ロッド113−1〜113−4を備えている。また、
図4に探触子ホルダ110の構造を簡略して示した。ベース111には、4本の柱112−1〜112−4が立っており、柱112−1と柱112−3とを、探触子取付用ロッド113−1と探触子取付用ロッド113−3が連結している。また、柱112−2と柱112−4とを、探触子取付用ロッド113−2と探触子取付用ロッド113−4とが連結している。探触子取付用ロッド113−1〜113−4にはそれぞれ、探触子T1、T2、T3、T4が取り付けられている。以上の構成は一例である。
【0040】
図7は、探触子の別の取り付け構成を示す図である。
図7(a1)は、軌道106の下側に配置される探触子T1、T2を取り付ける探触子取付用ロッド113−5を示す正面図(入り口側パッキン210側から搬送方向102を見た図)である。
図7(a2)は、上面図である。
図7(b1)は、軌道106の上側に配置される探触子T3、T4を取り付ける探触子取付用ロッド113−6を示す正面図である。
図7(b2)は、その上面図である。
図7のような構成でもよい。つまり、探触子ホルダ110は、A−A断面位置、B−B断面位置、C−C断面位置、D−D断面位置の各位置において、探触子T1〜T4の各探触子Tの位置が得られる構成であればよい。
【0041】
(上側探触子グループと下側探触子グループ)
以上の説明では、
図3に示すように、4個の探触子T1〜T4は、試験体400の軌道106よりも下側に設置される2個(複数)の探触子T1,T2から構成される下側探触子グループTG10と、下側探触子グループTG10に引き続いて搬送方向102(通過方向)において試験体400の軌道106よりも上側に設置される2個の探触子T3,T4から構成される上側探触子グループTG20とからなる。よって、探触子による気泡の検出結果を試験体の傷と誤判定することを効果的に抑制することができる。
図4のように、搬送方向102の方向に並ぶ探触子を順にT1〜T4とし、また、同一円周上の位置をP1〜P4とした場合に、
図4では、位置P1、P4に下側探触子グループTG10の探触子T1,T2を配置した。しかし探触子T1を位置P4に配置し、探触子T2を位置P1に配置してもよい。同様に、位置P2、P3に上側探触子グループTG20の探触子T3,T4を配置したが、探触子T3を位置P3に配置し、探触子T4を位置P2に配置してもよい。つまり、下側探触子グループTG10の探触子の位置は入れ替えてよいし、上側探触子グループTG20の探触子の位置も入れ替えてもよい。これは後述の
図9の場合も同様である。
【0042】
なお、以上の説明では、探触子T1(第1探触子)と、探触子T2(第2探触子)とを試験体400の軌道106の下側に配置する場合を説明した。しかし、気泡103の影響が少ないような場合は、
図8のように、探触子T1(第1探触子)を試験体400の軌道106の下側に配置し、探触子T2は上側に配置する構成でも構わない。なお、探触子T3、あるいは探触子T4の一方は、下側となる。
【0043】
なお、以上の説明では、探触子T1〜T4の4個の場合を説明したが、
図9のように、例えば8個の探触子を用いる場合に、下側探触子グループTG10として探触子T1〜T4を配置し、上側探触子グループTG20として探触子T5〜T8を配置してもよい。このような探触子を多く使用する構成により、断面サイズの大きい材料を試験することが可能となる。
【0044】
実施の形態3.
図10〜
図15を参照して実施の形態3の超音波探傷装置1000を説明する。
図10は、実施の形態3の超音波探傷装置1000の構成を模式的に示す図である。
実施の形態3の超音波探傷装置1000は、次のように気泡除去カセット160によって水室1が形成され、水漏れ防止カセット170によって水室3が形成される点が特徴である。
図10は実施の形態1の
図1に対して、水室1〜水室3が形成されている。なお、
図10では、第1の押さえ機構部230と第2の押さえ機構部240との図示を省略したが、実際には、第1の押さえ機構部230は搬送方向102において、n番目の気泡除去カセット160と探触子ホルダ110との間に配置され(破線で示した位置)、第2の押さえ機構部240は搬送方向102において、探触子ホルダ110と第1番目(最も左側)の水漏れ防止カセット170との間に配置される破線で示した位置)。つまり、第1の押さえ機構部230、第2の押さえ機構部240は、水室2の水中に配置される。
実施の形態3の超音波探傷装置1000では、
図10に示すように、n個(nは2以上の整数)の気泡除去カセット160によって水室1が形成され、m個(mは2以上の整数)の水漏れ防止カセット170によって水室3が形成される点が特徴である。
(2)また、超音波探傷装置1000は、探触子用水噴射ノズル131、132(
図14)を備えた点が特徴である。探触子用水噴射ノズル131,132によって、水中に浮遊する気泡を強制的に「超音波の通過エリア」の外に押し出す。
【0045】
<カセット>
実施の形態3の超音波探傷装置1000では、後述するカセットによって水室1、水室3を形成し、水室1と水室3の間の水室2も形成されることになる。水室1は、複数の気泡除去カセット160(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。試験体400がそれぞれの気泡除去カセット160を通過する際に、気泡除去カセット160は試験体400の表面に付着した気泡103をはぎ取る。
つまり、入り口側パッキン210しかない場合は、試験体400の表面や、試験体400の後端部で大気中から水槽200の水中に引き込まれる空気が気泡103として水中を浮遊している。そして実施の形態2で示した
図6のように、気泡103の浮遊状態で試験体400が入り口側パッキン210から突入すると、気泡103は上方に移動する。そうすると、
図6の探触子T101のように上側に配置された場合は、気泡を超音波で検出してしまい、超音波探傷装置が誤判定する場合があった。そこで気泡除去カセット160によって気泡103を除去する。水室2は、探触子T、探触子ホルダ110等が配置され、試験体400の超音波探傷を行う水室である。水室3は、複数の水漏れ防止カセット170(後述する)によって、複数の部屋に区分けされている。よって、水が外部に漏れることを防止できる。
【0046】
<ノズル>
また、水室2の下方に水噴射ノズルを設けた。この水噴射ノズルによって、後述の超音波通過エリア266の気泡をエリア外に押し出す。したがって、誤検出の少ない超音波探傷装置を提供できる。
【0047】
(超音波探傷装置1000の構成)
図10に示すように、超音波探傷装置1000は、水槽200(試験槽)の水中に配置される探触子T、水室1を生成する複数(n個)の気泡除去カセット160、水室3を形成する複数(m個)の水漏れ防止カセット170、探触子用水噴射ノズル131、132(液体噴射部)、及び探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する制御部120(噴射制御部)を備えている。制御部120は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292と、電磁バルブ270との制御を介して、探触子用水噴射ノズル131、132の噴射する水の流速を制御する。また水槽200の水104にも脱気水を用いてもよい。
【0048】
(試験体400)
図10において、試験体400(棒状試験体)は、水槽200(水室1、水室2及び水室3)の水中を略直線的な軌道106で通過する棒状体を想定する。試験体400は、
図10には図示していない押さえ機構部に搬送されることにより、水室1への入り口となる第1番目の気泡除去カセット160(試験体入り口)を介して、大気中から水槽200(水室1)の水中に進入する。そして、試験体400は、水室1を形成するn個の気泡除去カセット160を貫通しながら水室2において探触子T1〜T4によって超音波を照射され、先端から水室2をでる。そして試験体400はm個の水漏れ防止カセット170を貫通しながら、試験体出口であるm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口))を介して水中(水室2)から大気中へ出ていく。なお、試験体400は、例えば、長さが3m〜6m程度であり、直径φdは18mm〜120mm程度である。ただし、この寸法は一例である。試験体400は、断面が円形、矩形、多角形等であるが、特に限定されない。
図10の超音波探傷装置1000では、上記のような長さ3m〜6m程度の試験体400が、0.5秒程度の間隔で、水槽200の中に搬入される。
【0049】
(探触子)
図10の複数の探触子T1〜T4は、試験体400に対して超音波を送信し、送信した超音波のエコーを検出する。探触子T1等は、試験体400が試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)からm個めの水漏れ防止カセット170(試験体出口)に向かう搬送方向102(通過方向)において順次一つずつ水中に設置されている。
【0050】
(気泡除去カセット160)
図11〜
図13を参照して、水室1を形成する気泡除去カセット160(入り口側パッキン部)を説明する。気泡除去カセット160は、探触子Tが試験体400に向けて送信した超音波と、送信した超音波のエコーとが通過する領域である超音波通過エリア266と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)との間に、この第1番目の気泡除去カセット160も含めてn個が配置される。気泡除去カセット160と、水漏れ防止カセット170との数は、それぞれn個、m個であるが、n=m、n>m、n<mのいずれでもよい。
図11は、気泡除去カセット160の外観を示す図である。
図11(a)は側面図であり、
図11(b)は正面図((a)のZ方向矢視)である。
図11に示すように、気泡除去カセット160は、取付ベース161(仕切部)、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150を備えている。
【0051】
(開口形成パッキン140)
図12は、開口形成パッキン140を示す図である。開口形成パッキン140は、パッキン取付部141、開口形成パッキン本体142を備えている。パッキン取付部141には開口形成パッキン本体142が取り付けられる。開口形成パッキン本体142には、開口143が形成されている。この開口143は、適用対象の試験体400が通過する開口であって試験体400の断面よりもやや小さい開口として形成されている。このように開口143は試験体400の寸法(断面形状)よりもわずかに小さいので、この開口143の縁によって試験体400の表面が擦られるので気泡除去の効果は大きい。つまり、水室1おいて各気泡除去カセット160で仕切られる部屋には水が満たされている。開口143によってはぎ取られた気泡は、水中に浮遊する。また、各気泡除去カセット160によって各部屋に仕切られているので、その部屋ではぎとられた試験体400表面の気泡は隣の部屋に漏れ難いので、この点からも試験体400表面からの気泡除去の効果がある。
【0052】
(スリット形成パッキン150)
図13は、スリット形成パッキン150を示す図である。スリット形成パッキン150は、パッキン取付部151、スリット形成パッキン本体152を備えている。スリット形成パッキン本体152には、試験体400を通過させるための放射状のスリット153が形成されている。このスリット153は、水漏れを押さえつつ、試験体400を通過させる機能を有する。このように放射状にスリット153を設けたスリット形成パッキン本体152は、水室2内に充満された水が、水漏れすることを軽減する効果を有する。
【0053】
(取付ベース161)
図11に示すように、取付ベース161には、開口形成パッキン140、スリット形成パッキン150が取り付けられる。取付ベース161は、その外縁161−1(
図11(b))が水槽200の内側と密着することで水槽200(水室1)の水を超音波通過エリア266の側と、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)の側とに仕切る仕切部である。なお気泡除去カセット160の場合は、取付ベースの外縁161−1が水槽200の内側と密着しない場合であっても開口143で試験体400表面の気泡103を除去することができるから、かならずしも密着することは必須ではない。
【0054】
気泡除去カセット160は、
図11では、開口形成パッキン140とスリット形成パッキン150とを備えたが、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)以外は、開口形成パッキン140のみを備える構成でも構わない。つまり、気泡除去カセット160は、少なくとも開口形成パッキン140を備えたカセットをいう。また、試験体入り口は、第1番目の気泡除去カセット160とせずに、後述の水漏れ防止カセット170でも構わない。例えば最も簡単な構成として、試験体入り口には後述の水漏れ防止カセット170を使用し、搬送方向102で、この試験体入り口と超音波通過エリア266との間に配置されるカセットとして、最低1つの気泡除去カセット160(開口形成パッキン140があればスリット形成パッキン150がなくてもよい)を用いる構成でもよい。
【0055】
(水漏れ防止カセット170)
水室3を形成する水漏れ防止カセット170(出口側パッキン部)を説明する。水漏れ防止カセット170は、超音波通過エリア266と、試験体出口(第m番目の水漏れ防止カセット170)との間に、試験体出口の水漏れ防止カセット170自身も含めて、m個(mは2以上の整数)が配置される。水漏れ防止カセット170とは、
図11の気泡除去カセット160において、少なくともスリット形成パッキン150を備えたカセットをいう。水漏れ防止カセット170は開口形成パッキン140を備えても構わないが、水漏れ防止カセット170が配置されるのは試験体400が超音波通過エリア266のある水室2を出た後の箇であり、気泡除去のメリットはない。なお、気泡除去カセット160にスリット形成パッキン150を取り付ける場合は、水漏れ低減の効果がある。
【0056】
気泡除去カセット160、水漏れ防止カセット170は水槽200に対して抜き差しが可能である。よって、水槽200への取付個数を調整することができる。
【0057】
(適用サイズ識別スリット)
図11のように、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(開口形成パッキン140を有するカセット)の取付ベース161の一端にスリット溝162を設ける。つまり、水室1を形成する複数の気泡除去カセット160(その取付ベース161)及び水漏れ防止カセット170(その取付ベース161)には、ほぼ同じ箇所にスリット溝162が形成されている。スリット溝162は、気泡除去カセット160の適用可能な試験体400のサイズを識別するための識別部である。例えば、
図11のスリット溝162は、試験体400が丸棒材の場合に、気泡除去カセット160が直径φ20〜φ30の丸棒材に適用可能であることを示すような場合である。気泡除去カセット160が、異なる材料径、例えばφ50〜φ70に適用可能な場合は、スリット溝162を
図11の位置よりも下に形成する。例えば、
図11(b)の破線で示したスリット溝162−1の様である。複数の気泡除去カセット160が設置された場合には、スリット溝162は搬送方向102に整列する。よって複数の気泡除去カセット160が水室1(水槽200)に取り付けられた状態で図示していない光電センサにより、スリット溝162(スリット溝162の位置)を検出できる。これによって、適用可能な材料径を判別することができる。つまり、搬送方向102において、試験体入り口(第1番目の気泡除去カセット160)よりも手前側(搬送方向102を示す矢印と反対の方向側)にレーザ等の投光部を置き、試験体出口(m番目の水漏れ防止カセット170)よりも搬送方向102側に受光センサを配置する。
【0058】
(探触子用水噴射ノズル131,132)
図14は、
図10のA−A断面を示す図である。
図14を参照して説明する。
図14には、実施の形態2において下側に配置される探触子T1、T2に対応する超音波通過エリア266−2と、実施の形態2において上側に配置される探触子T3、T4に対応する超音波通過エリア266−1とを示した。なお
図10に示した超音波通過エリア266は、超音波通過エリア266−1である。
図10に示すように、超音波探傷装置1000は、水室2の下方であり、かつ、超音波通過エリア266よりも下側に、探触子用水噴射ノズル131,132(液体噴射部)を備えている。探触子用水噴射ノズル131、132は、超音波通過エリア266−1(
図14)の辺りに水を噴射する(超音波通過エリア266−2の場合も同様)。
図10、
図14に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132は、超音波通過エリア266−1よりも下側から斜め上方に向けて、超音波通過エリア266−1の辺りに水を噴射する(超音波通過エリア266−2の場合も同様)。
図15は、探触子用水噴射ノズル131,132の形状を説明するための図である。(a)には、探触子用水噴射ノズル131と水流132−1を示した。(b)には、探触子用水噴射ノズル131,132を示した。
図15は
図14のX矢視であるが、わかりやすくするために斜視図的に描いている。探触子用水噴射ノズル131,132の先端は、
図15に示すように扁平管の形状をなしており、搬送方向102が扁平形状における長手方向である。
なお、実施の形態2のように下側に配置される探触子T(
図3の探触子T1,T2)における音波通過エリア266−2(
図15)の辺りに水を噴射する構成の場合は、音波通過エリア266−2用の探触子用水噴射ノズルを設ける。この場合は、
図10に示す探触子用水噴射ノズル131,132を、搬送方向102において、下側の探触子T1,T2のための探触子用水噴射ノズルと、上側の探触子T3,T4のための探触子用水噴射ノズルとに分割してもよい。
【0059】
(水噴出機構)
超音波通過エリア266の辺りに水を噴射する
図10の水噴出機構を説明する。
水噴出機構は、探触子用水噴射ノズル131,132と、制御部120と、給水タンク280と、ポンプ292と、電磁バルブ270とを備えている。
図10に示すように、制御部120(噴射制御部)は、給水タンク280に貯えられた水(例えば脱気水)を、ポンプ292の回転数の制御と、電磁バルブ270の開閉の制御とを介して、探触子用水噴射ノズル131の噴射する水の流速を制御する。つまり、
図10に示すように、探触子用水噴射ノズル131,132と、給水タンク280に配置されたポンプ292とは、配管281でつながれている。配管281の途中には電磁バルブ270が配置されている。制御部120は、この水噴出機構において、ポンプ292と電磁バルブ270とを制御することにより、探触子用水噴射ノズル131、132から噴射される流速を制御する。制御部120は、探触子用水噴射ノズル131の流速を、例えば、「試験体400のサイズに応じて」適正に制御する。あるいは「試験体400の搬送速度に応じて」制御してもよい。試験体400のサイズや搬送速度の情報は、制御部120が外部の制御装置から入力すればよい。
【0060】
制御部120による流速制御によって、水室2内の探触子T1〜T4試験体400との間に存在して水中を浮遊する気泡を強制的に超音波通過エリア266の外に押し出す事ができるので、誤検出の少ない超音波探傷装置を提供できる。
【0061】
以上に説明した実施の形態は、互いに組合せてよいことはもちろんである。つまり、いずれか二つの実施の形態を組み合わせてもよいし、実施の形態1〜3の3つを組み合わせてもよい。