(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一端部と反端側の第二端部とを有する槽本体であって、第一端部と第二端部との間に処理液を滞留させる処理液滞留領域を有する槽本体と、該槽本体の第一端部に連設された入口部と、前記槽本体の第二端部に連設された出口部であって、処理液を吐出させるノズルが内装された出口部とを有する滞留槽と、該滞留槽の前記入口部と前記出口部とを繋ぐ移送管と、前記処理液滞留領域内の処理液を前記ノズルに供給する給液系統であって、前記槽本体と前記ノズルとを繋ぐ給液系統とを備え、前記ノズルから吐出された処理液によって前記槽本体及び前記移送管に挿通された布帛を循環移送させるように構成された液流式布帛処理装置において、前記給液系統は、処理液を貯める貯液部であって、前記槽本体から前記ノズルに至る流体の流通経路上に設けられた貯液部を備えていることを特徴とする液流式布帛処理装置。
前記給液系統は、前記槽本体の前記処理液滞留領域と対応する位置と前記出口部の前記ノズルと対応する位置とを繋ぐ主配管と、該主配管における前記出口部側の一箇所と前記槽本体側の一箇所とを繋ぐバイパス配管とを備え、前記バイパス配管の少なくとも一箇所に前記貯液部が設けられ、前記バイパス配管での処理液の流通を遮断した状態と、前記主配管の前記二箇所の間を遮断する一方で、前記バイパス配管での処理液の流通を許容した状態とに切り替え可能に構成される請求項1に記載の液流式布帛処理装置。
前記バイパス配管が一系統で構成されるとともに、該バイパス配管の二箇所以上に前記貯液部が設けられ、前記給液系統は、前記貯液部の数に応じた数で設けられる分岐配管であって、前記バイパス配管における前記貯液部間と、前記バイパス配管における前記貯液部よりも前記主配管の前記出口部側に繋がる側の部位とを繋ぐ分岐配管を備え、前記処理液の流通経路を、前記バイパス配管及び前記分岐配管を通る経路と、前記バイパス配管のみを通る経路とに切り替え可能に構成される請求項2に記載の液流式布帛処理装置。
前記貯液部よりも上流側にある前記バイパス配管に接続された排液管路であって、途中位置に開閉弁が設けられた排液管路を備え、前記給液系統は、前記排液管路との接続位置よりも上流側にある前記バイパス配管上に開閉弁が設けられるとともに、前記主配管の前記バイパス配管の接続位置よりも下流側に別の開閉弁が設けられる請求項2又は請求項3に記載の液流式布帛処理装置。
前記貯液部は、横長に形成され、長手方向に前記バイパス配管の上流側に繋がる第一端部と、前記バイパス配管の下流側に繋がる第二端部とを有し、第二端部を第一端部よりも高い位置にして配置されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の液流式布帛処理装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、布帛に対して染色や洗浄等の各種処理を行うための布帛処理装置として、液流式布帛処理装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる液流式布帛処理装置は、
図10に示す如く、入口部500と出口部501とを有する滞留槽50と、滞留槽50の入口部500と出口部501とを繋ぐ移送管51であって、滞留槽50とともに循環経路を構成する移送管51とを備える。
【0004】
滞留槽50は、横長に形成された槽本体502であって、長手方向に第一端部と反対側の第二端部とを有する槽本体502と、槽本体502の第一端部に連設される入口部500と、槽本体502の第二端部に連設される出口部501とを有する。
【0005】
槽本体502の第一端部と第二端部との間には、染色液や洗浄液等の処理液Wを滞留させる処理液滞留領域Aが形成される。処理液Wは、処理の内容に応じた必要な成分が水等の液体で希釈されることで作製される。かかる成分の総量(総成分量)は、処理の対象となる布帛Cの量に対応して決定される。
【0006】
入口部500及び出口部501は、槽本体502の下部側に設けられ、下方に向けて開放している。出口部501には、処理液W(染色液や洗浄液)を吐出させるノズル503が内装されている。
【0007】
これに伴い、液流式布帛処理装置5は、ノズル503に処理液Wを供給する給液系統52を備える。給液系統52は、槽本体502の処理液滞留領域Aと対応する位置と出口部501のノズル503と対応する位置とを繋いでいる。給液系統52は、滞留槽50内の処理液Wをノズル503に向けて送り出すポンプPや、流通する処理液Wを加熱又は冷却するための熱交換器HEを備える。これにより、給液系統52は、処理液Wを熱交換(加熱又は冷却)した上でノズル503に供給する。
【0008】
そして、布帛Cを処理するに当り、長尺な布帛Cが滞留槽50及び移送管51に挿通された上で、該布帛Cの両端が連結される。これにより、長尺な布帛Cが循環経路を辿ってループ状にされる。なお、槽本体502の第二端部には、布帛Cを移送及び誘導するためのリール504が内装されており、槽本体502に挿通される長尺な布帛Cは、槽本体502の第二端部内においてリール504に掛けられている。
【0009】
そして、液流式布帛処理装置5は、処理液滞留領域A(処理液W中)の布帛Cをリール504によって引き上げつつ、リール504から出口部501に向けて垂れ下がる布帛Cに向けてノズル503から処理液Wを吐出させることで、処理液滞留領域A内の布帛Cを順々に移送管51に送り込むようになっている。また、液流式布帛処理装置5は、移送管51を流通する処理液W(ノズル503からの処理液W)の流れによって、移送管51内の布帛Cを順々に滞留槽50へ送り込むようになっている。そして、液流式布帛処理装置5は、処理液滞留領域Aの処理液Wが所定の液位WLを保つことで、布帛Cが滞留槽50内の処理液Wに浮遊しつつ(滞留しつつ)下流側(リール504側)に移送されるようになっている。
【0010】
これにより、上記構成の液流式布帛処理装置5は、滞留槽50及び移送管51(循環経路)でループ状の布帛Cを循環させる。このように、布帛Cが滞留槽50内の処理液W中で滞留するため、この種の液流式布帛処理装置5は、布帛Cに対して滞留槽50内の処理液Wを付着させる機会が十分に得られ、染色や洗浄等の布帛処理を効率的に行うことができる。
【0011】
そして、この種の液流式布帛処理装置5は、布帛Cに対して染色や洗浄以外の加工を施す際にも用いられる。すなわち、この種の液流式布帛処理装置5は、布帛Cに対する処理に応じた処理液Wを用いることで、ユーザーニーズに応じた処理が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、処理液Wには、成分濃度が高濃度にされると、処理中に布帛Cを汚してしまうものがある。特に、防炎加工を目的とする処理液Wは、含有成分(薬品)の特性上、布帛Cの汚れの発生を顕著にしてしまう。
【0014】
そのため、この種の処理液Wを用いる場合、成分濃度を低濃度にする必要がある。しかしながら、必要な成分の総量を変えることなく成分濃度を低濃度にすると、成分を希釈する水等の液体量が多くなる。そのため、処理液Wの総量が多くなってしまい、槽本体502内(処理液滞留領域A)内での布帛Cの移送が阻害されてしまう。
【0015】
すなわち、上記構成の液流式布帛処理装置5は、処理液滞留領域Aの液位WLが所定の液位であるときに、布帛Cが処理液Wに浮遊しつつ順々に下流側に移送される。しかしながら、処理液Wの総量が多くなって処理液滞留領域Aの液位WLが高くなると、移送管51から順々に送り込まれる布帛Cが先行する布帛Cに対して乗り越えたり、処理液W中で絡み付いたりする傾向にある。そのため、上述の如く、処理液Wを低濃度にすることで処理液Wの総量が多くなると、滞留槽50内での布帛Cの移動が阻害され、適正な処理を行うことができなくなってしまう。
【0016】
このような観点から、処理液Wの総量を少なくし、処理液滞留領域Aの液位WLを適正な液位にすることで、布帛Cの移動を円滑にすることも考えられる。しかしながら、上述の如く、処理液Wの含有する成分の総量は、処理の対象となる布帛Cの総量に対応して決定される。そのため、処理液Wの総量を少なくすると、処理液Wに含まれる成分の総量が少なくなる結果、布帛Cの処理量が減ってしまい、生産性が悪くなってしまう。
【0017】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、成分濃度が低濃度の処理液で処理を行っても、布帛の処理量を減らすことなく、布帛に対して適正な処理を行うことのできる液流式布帛処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る液流式布帛処理装置は、第一端部と反端側の第二端部とを有する槽本体であって、第一端部と第二端部との間に処理液を滞留させる処理液滞留領域を有する槽本体と、該槽本体の第一端部に連設された入口部と、前記槽本体の第二端部に連設された出口部であって、処理液を吐出させるノズルが内装された出口部とを有する滞留槽と、該滞留槽の前記入口部と前記出口部とを繋ぐ移送管と、前記処理液滞留領域内の処理液を前記ノズルに供給する給液系統であって、前記
槽本体と前記ノズルとを繋ぐ給液系統とを備え、前記ノズルから吐出された処理液によって前記槽本体及び前記移送管に挿通された布帛を循環移送させるように構成された液流式布帛処理装置において、前記給液系統は、処理液を貯める貯液部
であって、前記槽本体から前記ノズルに至る流体の流通経路上に設けられた貯液部を備えていることを特徴とする。
【0019】
上記構成の液流式布帛処理装置によれば、ノズルから処理液を吐出させることで、処理液滞留領域内の布帛が出口部から移送管に送り込まれ、移送管を流通する処理液(ノズルからの処理液)の流れによって、移送管内の布帛が入口部から槽本体に送り込まれる。そして、槽本体に送り込まれた布帛は、滞留槽内(処理液滞留領域)の処理液に浮遊しつつ下流側に移送される。すなわち、布帛は、滞留槽内の処理液で滞留しつつも順々に下流側に移送される。従って、上記構成の液流式布帛処理装置は、布帛が滞留槽内の処理液中で滞留することになるため、布帛に対して処理液を付着させる機会が十分に得られ、各種処理を効率的に行える。
【0020】
そして、上記構成の液流式布帛処理装置の給液系統は、貯液部を備えているため、貯液部に貯められる処理液が、処理に使用可能な処理液(布帛の処理時に装置内で循環する処理液)の総量を多くする。すなわち、貯液部に処理液が貯められる分、従来のものに比して、布帛の処理に使用可能な処理液が多くなる。従って、上記構成の液流式布帛処理装置は、貯液部に貯められる処理液の液量(増量分)に対応して含有成分が希釈された処理液を使用できる。すなわち、上記構成の液流式布帛処理装置は、布帛の処理量に応じて決定される処理液の含有成分の総量を減らすことなく、含有成分の濃度を低濃度にした処理液を使用することができる。これにより、上記構成の液流式布帛処理装置は、低濃度の処理液を使用しても、処理液の総量に含まれる含有成分の総量を減らす必要がないため、処理の対象となる布帛の総量を減らす必要もない。
【0021】
そして、多くなった分の処理液が滞留槽から離れた貯留部に貯められるため、滞留槽(処理液滞留領域)内の処理液の液位は、処理液の総量(増量)に影響を受けることなく布帛の移送に適した液位に保たれる。これにより、成分濃度を低濃度にすることで総量が多くなった処理液で布帛を処理する場合であっても、処理液滞留領域内の処理液に浮遊する布帛がスムーズに下流側に移送される。
【0022】
従って、上記構成の液流式布帛処理装置は、布帛に対する処理に応じた処理液(低濃度の処理液)を用いてユーザーニーズに応じた処理を行う場合であっても、布帛の処理量を減らすことなく適正に処理を行うことができる。
【0023】
本発明の一態様として、前記給液系統は、前記槽本体の前記処理液滞留領域と対応する位置と前記出口部の前記ノズルと対応する位置とを繋ぐ主配管と、該主配管における前記出口部側の一箇所と前記槽本体側の一箇所とを繋ぐバイパス配管とを備え、前記バイパス配管の少なくとも一箇所に前記貯液部が設けられ、前記バイパス配管での処理液の流通を遮断した状態と、前記主配管の前記二箇所の間を遮断する一方で、前記バイパス配管での処理液の流通を許容した状態とに切り替え可能に構成される、ようにし得る。
【0024】
このようにすれば、処理液の総量を異にする処理を行うことができる。より具体的には、バイパス配管での処理液の流通を遮断した状態になると、処理液滞留領域の処理液は給液系統のうちの主配管のみを流通してノズルに供給される。従って、この状態において、処理液の総量は、滞留槽(処理液滞留領域)、移送管、及び給液系統のうちの主配管で流通する量となる。これに対し、主配管の前記二箇所の間を遮断する一方で、バイパス配管での処理液の流通を許容した状態になると、処理液滞留領域の処理液は給液系統のうちの主配管、及び貯液部を備えたバイパス配管を流通してノズルに供給される。従って、この状態において、処理液の総量は、滞留槽(処理液滞留領域)、移送管、及び給液系統のうちの主配管で流通する液量に対して、貯液部に貯められる処理液を含めたバイパス配管で流通する液量を加えた量となる。従って、多量の処理液を必要とする処理と、それよりも少ない量の処理液で行う処理とを行うことができる。これにより、少ない量の処理液による処理を行うときに、必要以上の処理液を投入する必要がない。従って、処理液にかかるコストを抑えることができる。
【0025】
この場合、前記バイパス配管が一系統で構成されるとともに、該バイパス配管の二箇所以上に前記貯液部が設けられ、前記給液系統は、前記貯液部の数に応じた数で設けられる分岐配管であって、前記バイパス配管における前記貯液部間と、前記バイパス配管における前記貯液部よりも前記主配管の前記出口部側に繋がる側の部位とを繋ぐ分岐配管を備え、前記処理液の流通経路を、前記バイパス配管及び前記分岐配管を通る経路と、前記バイパス配管のみを通る経路とに切り替え可能に構成される、ようにしてもよい。
【0026】
このようにすれば、主配管の前記二箇所の間を遮断し、バイパス配管での処理液の流通を許容した状態で、処理液の流通経路を、バイパス配管及び分岐配管を通る経路と、バイパス配管のみを通る経路とに切り替えることで、バイパス配管に流れ込んだ処理液が流通する貯液部の数を変えることができる。これにより、処理液が通過する貯液部の数に応じて、布帛に対する処理を行うときの処理液の総量を変えることができる。すなわち、多量の処理液で処理する場合においても、そのうちの少ない量の処理液による処理と、多い量の処理液による処理とを行うことができる。
【0027】
本発明の他態様として、前記貯液部よりも上流側にある前記バイパス配管に接続された排液管路であって、途中位置に開閉弁が設けられた排液管路を備え、前記給液系統は、前記排液管路との接続位置よりも上流側にある前記バイパス配管上に開閉弁が設けられるとともに、前記主配管の前記バイパス配管の接続位置よりも下流側に別の開閉弁が設けられる、ようにしてもよい。
【0028】
このようにすれば、バイパス配管上の開閉弁及び主配管上の別の開閉弁を閉じた上で、排液配管の開閉弁を開いた状態にすると、処理液滞留領域からの処理液が布帛に対して処理を行うときとは逆向きにバイパス配管を流通して排液管路から排出される。従って、布帛に対する処理の完了後に、このようにすることで使用済みの処理液でバイパス配管(貯液部)を洗浄することができる。
【0029】
本発明の別の態様として、前記貯液部は、横長に形成され、長手方向に前記バイパス配管の上流側に繋がる第一端部と、前記バイパス配管の下流側に繋がる第二端部とを有し、第二端部を第一端部よりも高い位置にして配置されている、ようにし得る。
【0030】
このようにすれば、貯液部の第一端部側から処理液が供給され、貯液部内の液位が高くなるにつれて貯液部内の気体が高い位置にある第二端部に向けて移動する。従って、供給される処理液によって貯液部内の気体を追い出すことができ、貯液部内を処理液で充満させることができる。これにより、貯液部が汚れにくくなる。また、上述のように、処理液を逆流させて貯液部内を洗浄するようにした場合には、貯液槽の第二端部側に流れ込んだ処理液が第一端部と第二端部の高低差によって第一端部側に流れる。従って、貯液部内に付着した不純物等を液体とともに効率的に流し出すことができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明によれば、成分濃度が低濃度の処理液で処理を行っても、布帛の処理量を減らすことなく、布帛に対して適正な処理を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態に係る液流式布帛処理装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0034】
本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、
図1に示す如く、滞留槽1と、移送管2と、給液系統3とを備える。
【0035】
滞留槽1は、第一端部と該第一端部の反端側の第二端部とを有する槽本体10であって、第一端部と第二端部との間に処理液Wを滞留させる処理液滞留領域Aを有する槽本体10と、槽本体10の第一端部に連設された入口部11と、槽本体10の第二端部に連設された出口部12とを備える。
【0036】
槽本体10は、一方向に長手をなす胴部100であって、長手方向に第一端部と該第一端部の反対側の第二端部とを有する筒状の胴部100と、胴部100の第一端部を閉塞する閉塞部101と、胴部100の第二端部を閉塞可能な開閉扉102とを備える。
【0037】
本実施形態において、胴部100は、第一端と該第一端部の反端側の第二端とを有する筒状の本体部100aと、第一端と該第一端部の反端側の第二端とを有し、第一端から第二端に向けて縮径した接続部100bであって、本体部100aに対して傾斜した状態で、第一端が本体部100aの第一端に連結された接続部100bと、第一端と該第一端部の反端側の第二端とを有する筒状のヘッド部100cであって、接続部100bと同心又は略同心になるように、第一端が接続部100bの第二端に連結されたヘッド部100cとを備える。
【0038】
本体部100a、接続部100b及びヘッド部100cは、連続した内部空間を形成する。槽本体10は、ヘッド部100cが斜め上方に延出するように、本体部100aを横臥させた状態で配置される。これにより、本体部100a内の下部の領域に処理液Wを貯留(滞留)可能な処理液滞留領域Aが形成されている。
【0039】
閉塞部101は、プレート状に形成され、胴部100の第一端(本体部100aの第二端)を液密に閉塞している。開閉扉102は、胴部100の第二端(ヘッド部100cの第二端)を開放させた状態と、胴部100の第二端(ヘッド部100cの第二端)を封止した状態とに切り替え可能に設けられる。
【0040】
そして、槽本体10の第二端部(ヘッド部100c)内には、布帛Cを移送及び誘導するためのリール103が内装されている。リール103は、ヘッド部100cの軸線と直交して横方向に延びる軸回りで回転可能に構成される。リール103は、図示しない電動モータによって回転駆動するようになっている。
【0041】
槽本体10は、布帛Cを案内するためのガイド部材104,105,106を備える。より具体的に説明すると、槽本体10は、本体部100aの第二端側に配置される第一ガイド部材104であって、入口部11近傍から出口部12側に向けて先下りに傾斜した状態で配置される第一ガイド部材104と、本体部100aと接続部100bとに跨って配置された第二ガイド部材105であって、本体部100a側から接続部100b側に向けて先上がりに傾斜した状態で配置される第二ガイド部材105と、第一ガイド部材104の上方側に配置された第三ガイド部材106とを備える。
【0042】
第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105は、槽本体10内の下部に配置される。第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105は、板状に形成される。第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105は、処理液Wの流通を許容するために多数の貫通穴を有する。すなわち、第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105は、処理液Wが通過可能となるように、パンチングメタルや網材で構成される。なお、第三ガイド部材106は、入口部11から進入してくる布帛Cの移動方向を矯正し、布帛Cを処理液滞留領域Aに誘導するようになっている。
【0043】
槽本体10における本体部100aの下部には、給液系統3が流体的に接続されている。本実施形態においては、槽本体10における本体部100aの下部の二箇所に対し、給液系統3の後述する集液配管320が流体的に接続されている。すなわち、本体部100aの下部の二箇所であって、第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105の配置に対応する二箇所に対し、集液配管320が接続される。このように、第一ガイド部材104及び第二ガイド部材105の配置に対応させて集液配管320が接続されることで、処理液滞留領域Aの処理液Wが集液配管320に流れ込むときに、布帛Cが処理液Wと一緒に集液配管320に流れ込むことが防止される。
【0044】
入口部11及び出口部12のそれぞれは、筒状に形成される。入口部11は、槽本体10の第一端部(本体部100aの第二端部)の下部から外方に延出している。より具体的には、入口部11は、第一端部及び第二端部を有し、本体部100aを内外に貫通している。これにより、入口部11は、第一端部を本体部100a内に位置させるとともに、第二端部を本体部100aの外部に位置させている。
【0045】
出口部12は、槽本体10の第二端部(ヘッド部100c)の下部から外方に延出している。より具体的には、出口部12は、第一端及び第二端を有し、第一端がヘッド部100cの下面に接続されている。これにより、出口部12はヘッド部100cから下方側に延出している。
【0046】
出口部12には、ノズル107が内装されている。これに伴い、出口部12の外周上に、給液系統3が接続されている。ノズル107は、給液系統3から出口部12内に供給された処理液Wを出口部12内の中央斜め下方に向けて高速で吐出させるように構成される。すなわち、ノズル107は、出口部12の中心回りの略全周から、出口部12の第二端側の中央に向けて高速で吐出させるように構成されている。
【0047】
移送管2は、槽本体10の下方に配置される。より具体的には、移送管2は、槽本体10(本体部100a)の下方で横方向に延びる主管部20であって、長手方向に第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する主管部20と、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する第一起立管部21であって、第一端が主管部20の第一端に接続されるとともに、第二端が入口部11に接続された第一起立管部21と、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する第二起立管部22であって、第一端が主管部20の第二端に接続されるとともに、第二端が出口部12に接続された第二起立管部22とを含む。主管部20と第一起立管部21との接続部分、及び主管部20と第二起立管部22との接続部分は、丸みをもって形成される。すなわち、移送管2は、布帛Cを移送する管路であるため、途中位置に角部を形成することなく入口部11と出口部12とを繋いでいる。
【0048】
本実施形態に係る給液系統3は、処理液滞留領域Aからの処理液Wであって、ノズル107に向けて供給される処理液Wを貯める貯液部30,31を備えている。より具体的に説明すると、給液系統3は、槽本体10の処理液滞留領域Aと対応する位置と出口部12のノズル107と対応する位置とを繋ぐ主配管32と、主配管32における出口部12側の一箇所と槽本体10側の一箇所とを繋ぐバイパス配管33とを備える。
【0049】
主配管32は、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する集液配管320であって、第一端が本体部100aの第一端側の下部に流体的に接続されるとともに、第二端が本体部100aの第二端側の下部に流体的に接続された集液配管320と、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する給液配管321であって、第一端が集液配管320の第一端と第二端との間に流体的に接続されるとともに、第二端が出口部12に対して流体的に接続された給液配管321とを備える。
【0050】
集液配管320は、槽本体10内の処理液滞留領域A内の処理液Wを両端から流入可能に設けられる。すなわち、集液配管320は、第一端から処理液滞留領域Aのうちの第二ガイド部材105の存在する上流領域から処理液Wが流入し、第二端から処理液滞留領域Aのうちの第一ガイド部材104の存在する下流領域から処理液Wが流入するように設けられる。
【0051】
給液配管321の途中位置には、ポンプPと、熱交換器HEとが設けられる。より具体的には、給液配管321は、ポンプP又は熱交換器HEの何れか一方(本実施形態においてはポンプP)と集液配管320とを接続した一次配管321aと、ポンプPと熱交換器HEとを接続する接続配管321bと、ポンプP又は熱交換器HEの何れか他方(本実施形態においては熱交換器HE)と出口部12とを接続した二次配管321cとを備える。
これにより、給液系統3において、集液配管320を介して一次配管321aに流入する処理液WがポンプPによって二次配管321c(出口部12)側に向けて圧送されるとともに、二次配管321cに向けて圧送される処理液Wが熱交換器HEによって加熱又は冷却されるようになっている。
【0052】
バイパス配管33は、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する。バイパス配管33の第一端は、給液配管321のポンプP及び熱交換器HEの下流側に流体的に接続されている。また、本実施形態に係るバイパス配管33の第二端は、給液配管321のポンプP及び熱交換器HEの下流側であって、給液配管321におけるバイパス配管33の第一端の接続位置(以下、第一接続位置という)JP1よりも下流側の位置(以下、第二接続位置という)JP2に接続されている。すなわち、バイパス配管33の第一端は、二次配管321cの途中位置に設定された第一接続位置JP1に接続され、バイパス配管33の第二端は、二次配管321cの途中位置に設定された第二接続位置JP2であって、第一接続位置JP1よりも下流側の第二接続位置JP2に接続されている。
【0053】
これに伴い、給液系統3は、バイパス配管33での処理液Wの流通を遮断した状態と、主配管32の二箇所(第一接続位置JP1及び第二接続位置JP2)の間を遮断する一方で、バイパス配管33での処理液Wの流通を許容した状態とに切り替え可能に構成される。
【0054】
より具体的には、二次配管321cの第一接続位置JP1と第二接続位置JP2との間に開閉弁(以下、第一開閉弁という)V1が設けられている。また、バイパス配管33の最上流位置及び最下流位置にも開閉弁V2,V3が設けられている。なお、以下の説明において、バイパス配管33の最上流位置に設けられる開閉弁を第二開閉弁V2といい、バイパス配管33の最下流位置に設けられる開閉弁を第三開閉弁V3ということとする。
【0055】
これにより、第一開閉弁V1を開状態にした上で、第二開閉弁V2及び第三開閉弁V3を閉状態にすることで、処理液滞留領域Aからの処理液Wが二次配管321cを通って出口部12(ノズル107)に向けて流通する。これに対し、第一開閉弁V1を閉状態にした上で、第二開閉弁V2及び第三開閉弁V3を開状態にすることで、処理液滞留領域Aからの処理液Wは、二次配管321cの第一接続位置JP1からバイパス配管33に流入し、第二接続位置JP2から二次配管321cに流れ込んで出口部12(ノズル107)に向けて流通する。
【0056】
バイパス配管33の少なくとも一箇所には、処理液Wを貯留可能な貯液部30,31が設けられる。本実施形態に係るバイパス配管33は、一系統で構成される。そして、バイパス配管33の二箇所以上に貯液部30,31が設けられる。これに伴い、給液系統3は、貯液部30,31の数に応じた数で設けられる分岐配管34を備える。分岐配管34は、バイパス配管33における貯液部30,31間と、バイパス配管33における貯液部30,31よりも下流側とを繋いでいる。そして、給液系統3は、処理液Wの流通経路を、分岐配管34を通る経路と、分岐配管34を通ることのない経路とに切り替え可能に構成される。
【0057】
より具体的に説明する。本実施形態において、バイパス配管33上には、二つの貯液部30,31が設けられている。これに伴い、バイパス配管33は、第一接続位置JP1と一方の貯液部(以下、第一貯液部という)30とを接続する第一配管部330と、第一貯液部30と他方の貯液部(以下、第二貯液部という)31とを繋ぐ第二配管部331と、第二貯液部31と第二接続位置JP2とを接続する第三配管部332とを含む。
【0058】
そして、第一貯液部30及び第二貯液部31が設けられるに伴い、給液系統3は、一本の分岐配管34を備える。分岐配管34は、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する。本実施形態において、分岐配管34の第一端は、第二配管部331に対して流体的に接続される。これに対し、分岐配管34の第二端は、第三配管部332に対して流体的に接続される。
【0059】
そして、第二配管部331に分岐配管34が接続されるに伴い、第二配管部331には、開閉弁(以下、第四開閉弁という)V4が設けられる。また、第三配管部332の分岐配管34との接続位置よりも上流側に開閉弁(以下、第五開閉弁という)V5が設けられ、分岐配管34にも、開閉弁(以下、第六開閉弁という)V6が設けられる。
【0060】
これにより、第四開閉弁V4及び第五開閉弁V5を閉状態にするとともに、第六開閉弁V6を開状態にすることで、第一貯液部30の処理液Wが、第二貯液部31に流れることなく分岐配管34に向けて流れる。これに対し、第四開閉弁V4及び第五開閉弁V5を開状態にするとともに、第六開閉弁V6を閉状態にすることで、第一貯液部30の処理液Wが、分岐配管34に流れることなく第二貯液部31を通過して第二接続位置JP2に向けて流れる。
【0061】
本実施形態において、第一貯液部30及び第二貯液部31は、同一の構成にされている。本実施形態において、第一貯液部30及び第二貯液部31は、何れも横長に形成されている。第一貯液部30及び第二貯液部31のそれぞれは、長手方向にバイパス配管33の上流側に繋がる第一端部と、バイパス配管33の下流側に繋がる第二端部とを有する。すなわち、第一貯液部30は、バイパス配管33における自己の上流側である第一配管部330が接続される第一端部と、バイパス配管33における自己の下流側である第二配管部331が接続される第二端部とを長手方向に有する。また、第二貯液部31は、バイパス配管33における自己の上流側である第二配管部331が接続される第一端部と、バイパス配管33における自己の下流側である第三配管部332が接続される第二端部とを長手方向に有する。
【0062】
第一貯液部30及び第二貯液部31のそれぞれは、下流側にある第二端部を上流側にある第一端部よりも高い位置にして配置される。これに伴い、第一貯液部30の第一端部の下部に第一配管部330が流体的に接続され、第一貯液部30の第二端部の上部に第二配管部331が流体的に接続されている。また、第二貯液部31の第一端部の下部に第二配管部331が流体的に接続され、第二貯液部31の第二端部の上部に第三配管部332が流体的に接続されている。
【0063】
そして、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、貯液部30,31よりも上流側にあるバイパス配管33に接続された排液管路35を備える。本実施形態において、上述の如く、バイパス配管33には、二つの貯液部30,31(第一貯液部30及び第二貯液部31)が設けられるため、排液管路35は、パイパス配管33における二つの貯液部30,31(第一貯液部30及び第二貯液部31)のそれぞれに対して上流側になる第一配管部330に接続されている。具体的には、排液管路35は、第一端と該第一端の反対側の第二端とを有する。そして、排液管路35の第一端は、第一配管部330に流体的に接続され、排液管路35の第二端は、当該液流式布帛処理装置の設置される施設内に設けられる排液路に向けて処理液Wを排出可能に配置される。そして、排液管路35の途中位置に開閉弁(以下、第七開閉弁という)V7が設けられている。すなわち、排液管路35の第一端と第二端との間には、第七開閉弁V7が設けられている。
【0064】
本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、バイパス配管33での処理液Wの流通を促進すべく空気を流通させる通気系統4を備える。これに伴い、槽本体10には、バルブヘッダ13が取り付けられている。より具体的に説明すると、通気系統4は、第三配管部332に接続された第一通気管40と、第二配管部331に接続された第二通気管41と、第一通気管40及び第二通気管41とを合流させてバルブヘッダ13に接続する合流通気管42とを備える。第一通気管40には、開閉弁(以下、第八開閉弁という)V8が設けられ、また、第二通気管41にも、開閉弁(以下、第九開閉弁という)V9が設けられている。なお、バルブヘッダ13には、開閉弁(以下、第十開閉弁という)V10が設けられている。そして、バルブヘッダ13は、第十開閉弁V10を開放することにより、外気を取り込めるようになっている。なお、バルブヘッダ13は、槽本体10内にも連通している。本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、処理液Wを用いてバイパス配管33内を洗浄するために、二次配管321cの第二接続位置JP2よりも下流側に開閉弁(以下、第十一開閉弁という)V11が設けられている。
【0065】
そして、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、布帛Cの処理を行うために、必要量の処理液Wを槽本体10に対して供給する処理液供給系統(図示しない)を備える。また、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、電気的な制御を行う制御部(図示しない)を備える。これに伴い、本実施形態において、第一乃至第十一開閉弁V1〜V11は、自動弁が採用されている。また、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、制御部に対して電気的な信号を与えるセンサとして、滞留槽1(処理液滞留領域A)の処理液Wの液位を計測する液位センサや、処理液Wの温度を計測する温度センサ、布帛Cの処理時間を計測するタイマ、布帛Cの循環回数を測定するためのセンサ等を備える。そして、制御部は、液位センサ等からの信号(情報)に基づいて各開閉弁V1〜V11の開閉や、ポンプPのON・OFFの切り替え等を行う。
【0066】
本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、上述の如く、第一乃至第十一開閉弁V1〜V11の開閉を制御することで、処理液滞留領域A内の処理液Wの液位WLを布帛Cの移送に適した液位に維持させつつ、異なる液量の処理液Wでの処理が可能である。すなわち、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、槽本体10(処理液滞留領域A)、給液系統3、及び移送管2による処理液Wの収容許容量と同量又は略同量の処理液Wによる処理(以下、標準処理という)と、標準処理時の処理液Wの総量に対し、バイパス配管33上にある第一貯液部30及び第二貯液部31のうちの第一貯液部30のみを通る経路の内部容積に対応した液量を加えた量の処理液Wによる処理(以下、第一増液処理という)と、標準処理時の処理液Wの総量に対し、バイパス配管33の内部容積(第一貯液部30及び第二貯液部31を通る経路の内部容積)に対応する液量を加えた量の処理液Wによる処理(以下、第二増液処理という)とを行うことが可能である。
【0067】
ここで、
図2〜
図9を参照しつつ、標準処理、第一増液処理、及び第二増液処理について具体的に説明する。なお、
図2〜
図9において、閉状態の開閉弁V1〜V10を黒塗りにして図示している。
【0068】
標準処理、第一増液処理、及び第二増液処理の何れかの処理を行うにあたり、まず、
図2に示す如く、開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられる。具体的には、予め第二開閉弁V2及び第三開閉弁V3が閉状態にされ、第一開閉弁V1及び第十一開閉弁V11が開状態にされる。なお、第四乃至第十開閉弁V4〜V10は、処理液Wの流れに影響のない経路上にあるため、開状態又は閉状態の何れの状態であってもよい。
【0069】
そして、上述のように開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられた状態で、処理液供給系統から滞留槽1(処理液滞留領域A)内に処理に必要な処理液Wが必要量供給される。すなわち、滞留槽1(処理液滞留領域A)、給液系統3、及び移送管2による処理液Wの収容許容量と同量又は略同量(以下、この量を標準液量という)の処理液Wが槽本体10(処置液滞留領域A)に供給される。このとき、槽本体10に対して所定量の処理液Wが供給されると、給液系統3のポンプPが駆動される。これにより、槽本体10内の処理液Wが、主配管32及び移送管2を流れて装置内を循環する。そして、槽本体10(処理液滞留領域A)に標準液量の処理液Wが供給されると、滞留槽1(処理液滞留領域A)内の処理液Wの液位WLが布帛Cの移送に適した液位になる。
【0070】
この状態で、
図3に示す如く、布帛Cが液流式布帛処理装置内に投入される。より具体的には、上述の如く、ポンプPが駆動されることで、槽本体10内の処理液Wが給液系統3の主配管32を介してノズル107に供給されている。従って、この状態で長尺な布帛Cがヘッド部100cから投入されることで、ノズル107から吐出される処理液Wの液圧及び流れによって、布帛Cが滞留槽1及び移送管2に挿通される。そして、布帛Cが滞留槽1及び移送管2に挿通されると、一時的にポンプPが停止され、布帛Cの両端が連結される。これにより、布帛Cは、装置内でループ状にされ、移送管2内で真っ直ぐ又は略真っ直ぐに延びる一方で、槽本体10の処理液滞留領域A内で余裕をもった状態(折り返された状態)で配置される。
【0071】
この状態から、標準処理、第一増液処理、又は第二増液処理が行われる。具体的に説明する。標準処理を行う場合、上述の如く、布帛Cがループ状にされると、給液系統3のポンプPが再度駆動され、処理液滞留領域A内の処理液Wが給液系統3を介して出口部12(ノズル107)に供給される。そうすると、布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れ(液圧)によって、順々に移送管2内に送り込まれる。移送管2を経て入口部11に到達した布帛Cは、滞留槽1(処理液滞留領域A)の処理液Wに入り込み、その処理液Wに浮遊しつつヘッド部100c側に移送される。そして、布帛Cは、リール103によって処理液滞留領域Aの処理液Wから引き上げられ、再度出口部12に供給される。従って、出口部12に戻った布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れによって、移送管2に送られた後に、再度処理液滞留領域A内の処理液Wに浮遊しつつ移動する。すなわち、布帛Cは、滞留槽1及び移送管2によって構成される循環経路内で循環する。
【0072】
標準処理においては、上述の如く、標準液量(滞留槽1(処理液滞留領域A)、移送管2、及び給液系統3による処理液Wの収容許容量と同量又は略同量)の処理液Wが使用される。そのため、布帛Cを処理する間、処理液滞留領域A内の処理液Wの液位WLが布帛Cの移送に適した液位で維持される。これにより、布帛Cは、処理液滞留領域A内で絡まり等を発生させることなく移動し、滞留槽1及び移送管2で構成される循環経路内で円滑に循環する。従って、布帛Cは、処理液W(含有する成分)に必要十分触れることになり、適正な処理が施される。なお、滞留槽1(槽本体10)の下部には、図示しない排液弁が設けられており、標準処理が完了した後に、排液弁が開放されて使用済み処理液Wが外部に排出される。
【0073】
第一増液処理を行う場合、布帛Cが投入された後(布帛Cがループ状にされた後)に、所定の開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられる。具体的には、第一増液処理を行う場合、布帛Cの投入後に、
図4に示す如く、第一開閉弁V1、第三開閉弁V3、第四開閉弁V4、第五開閉弁V5、第六開閉弁V6、第七開閉弁V7、第八開閉弁V8、及び第十一開閉弁V11が閉状態にされ、第二開閉弁V2、第九開閉弁V9、及び第十開閉弁V10が開状態にされる。なお、第三開放弁V3、第十開閉弁V10、及び第十一開閉弁V11は、処理液Wの流れに影響のない経路上にあるため、開状態又は閉状態の何れであってもよい。
【0074】
このように開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられた状態で、処理液供給系統から滞留槽1(処理液滞留領域A)内に処理に必要な処理液Wが必要量供給される。より具体的に説明する。第一増液処理において、標準処理時の処理液Wの総量(標準液量)に対し、バイパス配管33上にある第一貯液部30及び第二貯液部31のうちの第一貯液部30のみを通る経路の内部容積に対応した液量を加えた量(以下、この量を第一液量という)の処理液Wが使用される。上述の如く、布帛Cが投入された状態において、標準液量の処理液Wが既に供給されている。そのため、第一増液処理を行う場合、装置内の処理液Wの総量が第一液量になるように、不足する量(第一液量から標準液量を差し引いた液量)の処理液Wが供給される。
【0075】
そして、処理液供給系統からの処理液Wの供給に併せて給液系統3のポンプPが駆動される。これにより、槽本体10の処理液滞留領域A内の処理液Wは、集液配管320及び給液配管321を通って第一接続位置JP1からバイパス配管33(第一配管部330)に送り込まれる。
【0076】
バイパス配管33(第一配管部330)に送り込まれた処理液Wは、第一貯液部30に対して連続的に送り込まれる。これにより、第一貯液部30内における処理液Wの液位が上昇する。これに伴い、第一貯液部30内の気体(空気)は、第一貯液部30の高位置にある第二端側に集まり、第二通気管41に押し出される。その結果、第一貯液部30内にあった気体(空気)は、バルブヘッダ13から滞留槽1(槽本体10)内に排出される。
【0077】
そして、第一貯液部30内が処理液Wで充満すると、
図5に示す如く、第九開閉弁V9、及び第十開閉弁V10が閉状態にされ、第三開閉弁V3、第六開閉弁V6、及び第十一開閉弁V11が開状態にされる。このとき、第一開閉弁V1は、閉状態で維持してよいが、半開状態であってもよい。すなわち、第二開閉弁V2及び第三開閉弁V3の開度(口径)が小さくてもノズル107に多くの処理液Wが供給されるように、半開状態にされてもよい。また、第十開閉弁V10は、処理液Wの流れに影響のない経路上にあるため、開状態で維持してもよい。これにより、第一貯液部30内の処理液Wは、分岐配管34及び第三配管部332を介して給液配管321(二次配管321c)に送り出され、出口部12(ノズル107)に供給される。そして、出口部12(ノズル107)に供給された処理液Wは、移送管2を流れて槽本体10に戻ることになる。すなわち、第一増液処理においては、槽本体10内の処理液Wが、給液系統3においてバイパス配管33を経由するように流れて装置内を循環する。
【0078】
これに伴い、布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れ(液圧)によって、順々に移送管2内に送り込まれる。移送管2を経て入口部11に到達した布帛Cは、滞留槽1(処理液滞留領域A)の処理液Wに入り込み、その処理液Wに浮遊しつつヘッド部100c側に移送される。そして、布帛Cは、リール103によって処理液滞留領域Aの処理液Wから引き上げられ、再度出口部12に供給される。従って、出口部12に戻った布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れによって、移送管2に送られた後に、再度処理液滞留領域A内の処理液Wに浮遊しつつ移動する。すなわち、布帛Cは、滞留槽1及び移送管2によって構成される循環経路内で循環する。
【0079】
第一増液処理においては、上述の如く、第一液量(標準液量よりも多い液量)の処理液Wが使用されるが、滞留槽1に繋がる給液系統3(処理液Wを流通させる経路)上に、所定量の処理液W(標準処理時の処理液Wの液量に対する増量分の処理液W)を貯液可能な第一貯液部30が設けられているため、増量分の処理液Wが処理液滞留領域A内の処理液Wの液位WLに影響を与えることがなく、処理液滞留領域Aの液位が布帛Cの移送に適した液位で維持される。これにより、布帛Cは、処理液滞留領域A内で絡まり等を発生させることなく移動し、滞留槽1及び移送管2で構成される循環経路内で円滑に循環する。従って、布帛Cは、処理液W(含有する成分)に必要十分触れることになり、適正な処理が施される。
【0080】
そして、布帛Cに対する処理が完了すると、ポンプPの駆動が停止され、布帛Cが作業者によってヘッド部100cから取り出される。その後に、使用済みの処理液Wが排出される。本実施形態においては、第一増液処理後において、使用済みの処理液Wによって給液系統3内の洗浄を行いつつ、該使用済みの処理液Wを排出する。より具体的に説明する。布帛Cが取り出された後に、
図6に示す如く、第二開閉弁V2、第四開閉弁V4、第五開閉弁V5、第八開閉弁V8、第九開閉弁V9、及び第十一開閉弁V11が閉状態にされ、第一開閉弁V1、第三開閉弁V3、第六開閉弁V6、第七開閉弁V7、及び第十開閉弁V10が開状態にされる。なお、第八開閉弁V8は、処理液Wの流れに影響のない経路上にあるため、開状態にされてもよい。
【0081】
このように開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられた状態で、給液系統3のポンプPが駆動される。そうすると、滞留槽1(処理液滞留領域A)内の処理液Wが集液配管320及び給液配管321(二次配管321c)を通って第二接続位置JP2からバイパス配管33に流れ込む。このように、滞留槽1内の処理液Wがバイパス配管33内に流入することで、バイパス配管33に残留していた処理液Wがバイパス配管33の第一端側(処理時の上流端側)に押される。このとき、第十開閉弁V10が開状態にされているため、第十開閉弁V10から通気系統4内に外気が入り込み、バイパス配管33内の処理液Wの流通が円滑に行われる。そして、第二開閉弁V2が閉状態にされているため、処理液Wが給液系統3に戻ることなく、排液管路35に流れ込んで、排液路に排出される。このように、布帛Cに対する処理を行う場合とは逆方向に処理液Wが流れることで、バイパス配管33内に存在する残渣等の不純物等が洗い流される。
【0082】
このとき、処理液Wがバイパス配管33上の第一貯液部30の第二端部から流入するが、第一貯液部30は、上述の如く、第二端部を第一端部よりも高い位置にして配置されるため、処理液Wが円滑に第一端部側に流れる。すなわち、第一貯液部30は、第一端部側に先下りに傾斜して配置されるため、第一貯液部30の第二端部側から流入した処理液Wは、第一貯液部30の傾斜によって第一端部に向けて流れる。従って、第一貯液部30内に残存する不純物が処理液Wとともに洗い流され、最終的に排液管路35を通って排液路に排出される。
【0083】
第二増液処理を行う場合、布帛Cが投入された後(布帛Cがループ状にされた後)に、所定の開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられる。具体的には、第二増液処理を行う場合、布帛Cの投入後に、
図7に示す如く、第一開閉弁V1、第三開閉弁V3、第五開閉弁V5、第六開閉弁V6、第七開閉弁V7、第九開閉弁V9、及び第十一開閉弁V11が閉状態にされ、第二開閉弁V2、第四開閉弁V4、及び第八開閉弁V8、第十開閉弁V10が開状態にされる。なお、第三開閉弁V3、第十開閉弁10、及び第十一開閉弁V11は、処理液Wの流れの影響のない位置にあるため、開状態又は閉状態の何れであってもよい。
【0084】
このように開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられた状態で、処理液供給系統から滞留槽1(処理液滞留領域A)内に処理に必要な処理液Wが必要量供給される。より具体的に説明する。第二増液処理において、標準処理時の処理液Wの総量に対し、バイパス配管33の内部容積(第一貯液部30及び第二貯液部31を通る経路の内部容積)に対応する液量を加えた量(以下、この量を第二液量という)の処理液Wが使用される。上述の如く、布帛Cが投入された状態において、標準液量の処理液Wが既に供給されている。そのため、第二増液処理を行う場合、装置内の処理液Wの総量が第二液量になるように、不足する量(第二液量から標準液量を差し引いた液量)の処理液Wが供給される。
【0085】
そして、処理液供給系統からの処理液Wの供給に併せて給液系統3のポンプPが駆動される。これにより、槽本体10の処理液滞留領域A内の処理液Wは、集液配管320及び給液配管321を通って第一接続位置JP1からバイパス配管33(第一配管部330)に送り込まれる。
【0086】
バイパス配管33(第一配管部330)に送り込まれた処理液Wは、第一貯液部30に対して連続的に送り込まれる。これにより、第一貯液部30内における処理液Wの液位が上昇する。これに伴い、第一貯液部30内の気体(空気)は、第一貯液部30の高位置にある第二端側に集まり、第二配管部331に押し出される。
【0087】
第一貯液部30内が処理液Wで充満すると、第一貯液部30内の処理液Wが第二配管部331を介して第二貯液部31に送り込まれる。これにより、第二貯液部31内における処理液Wの液位WLが上昇する。これに伴い、第二貯液部31内の気体(空気)は、第二貯液部31の高位置にある第二端側に集まり、第一通気管40に押し出される。その結果、第二貯液部31内にあった気体(空気)は、バルブヘッダ13から滞留槽1(槽本体10)内に排出される。
【0088】
第二貯液部31内が処理液Wで充満すると、
図8に示す如く、第八開閉弁V8及び第十開閉弁V10が閉状態にされ、第三開閉弁V3、第五開閉弁V5、及び第十一開閉弁V11が開状態にされる。このとき、第一開閉弁V1は、閉状態で維持してもよいが、半開状態であってもよい。すなわち、第二開閉弁V2及び第三開閉弁V3の開度(口径)が小さくてもノズル107に多くの処理液Wが供給されるように、半開状態にされてもよい。なお、第十開閉弁V10は、処理液Wの流れの影響のない位置にあるため、開状態で維持させてもよい。これにより、第二貯液部31内の処理液Wは、第三配管部332を介して給液配管321(二次配管321c)に送り出され、出口部12(ノズル107)に供給される。そして、出口部12(ノズル107)に供給された処理液Wは、移送管2を流れて槽本体10に戻ることになる。すなわち、第二増液処理においても、槽本体10内の処理液Wが、給液系統3においてバイパス配管33を経由するように流れて装置内を循環する。
【0089】
これに伴い、布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れ(液圧)によって、順々に移送管2内に送り込まれる。移送管2を経て入口部11に到達した布帛Cは、滞留槽1(処理液滞留領域A)の処理液Wに入り込み、その処理液Wに浮遊しつつヘッド部100c側に移送される。そして、布帛Cは、リール103によって処理液滞留領域Aの処理液Wから引き上げられ、再度出口部12に供給される。従って、出口部12に戻った布帛Cは、ノズル107から吐出された処理液Wの流れによって、移送管2に送られた後に、再度処理液滞留領域A内の処理液Wに浮遊しつつ移動する。すなわち、布帛Cは、滞留槽1及び移送管2によって構成される循環経路内で循環する。
【0090】
第二増液処理においては、上述の如く、第二液量(第一増液処理時の液量よりも多い液量)の処理液Wが使用されるが、滞留槽1に繋がる給液系統3(処理液Wを流通させる経路)上に、所定量の処理液W(標準処理時の処理液Wの液量に対する増量分の処理液W)を貯液可能な第一貯液部30及び第二貯液部31が設けられているため、増量分の処理液Wが処理液滞留領域A内の処理液Wの液位WLに影響を与えることがなく、処理液滞留領域Aの液位が布帛Cの移送に適した液位で維持される。これにより、布帛Cは、処理液滞留領域A内で絡まり等を発生させることなく移動し、滞留槽1及び移送管2で構成される循環経路内で円滑に循環する。従って、布帛Cは、処理液W(含有する成分)に必要十分触れることになり、適正な処理が施される。
【0091】
そして、布帛Cに対する処理が完了すると、ポンプPの駆動が停止され、布帛Cが作業者によってヘッド部100cから取り出される。その後に、使用済みの処理液Wが排出される。本実施形態においては、第二増液処理後においても、使用済みの処理液Wによって給液系統3内の洗浄を行いつつ、該使用済みの処理液Wを排出する。より具体的に説明する。布帛Cが取り出された後に、
図9に示す如く、第二開閉弁V2、第六開閉弁V6、第八開閉弁V8、第九開閉弁V9、及び第十一開閉弁V11が閉状態にされ、第一開閉弁V1、第三開閉弁V3、第四開閉弁V4、第五開閉弁V5、第七開閉弁V7、及び第十開閉弁V10が開状態にされる。
【0092】
このように開閉弁V1〜V11の開閉が切り替えられた状態で、給液系統3のポンプPが駆動される。そうすると、滞留槽1(処理液滞留領域A)内の処理液Wが集液配管320及び給液配管321(二次配管321c)を通って第二接続位置JP2からバイパス配管33に流れ込む。このように、槽本体10内の処理液Wがバイパス配管33内に流入することで、バイパス配管33内に残留していた処理液Wがバイパス配管33の第一端側(処理時の上流端側)に押される。このとき、第十開閉弁V10が開状態にされているため、第十開閉弁V10から通気系統4内に外気が入り込み、バイパス配管33内の処理液Wの流通が円滑に行われる。そして、第二開閉弁V2が閉状態にされているため、処理液Wが給液系統3に戻ることなく、排液管路35に流れ込んで、排液路に放出される。このように、布帛Cに対する処理を行う場合とは逆方向に処理液Wが流れることで、バイパス配管33内に存在する残渣等の不純物等が洗い流される。
【0093】
このとき、バイパス配管33上の第一貯液部30及び第二貯液部31のそれぞれに処理液Wが流入するが、第一貯液部30及び第二貯液部31のそれぞれは、上述の如く、第二端部を第一端部よりも高い位置にして配置されるため、流入した処理液Wが円滑に第一端部側に流れる。すなわち、第一貯液部30及び第二貯液部31のそれぞれは、第一端部側に先下りに傾斜して配置されるため、第一貯液部30の第二端部から流入した処理液Wは、第一貯液部30の傾斜によって第一端部に向けて流れ、第二貯液部31の第二端部から流入した処理液Wは、第二貯液部31の傾斜によって第一端部に向けて流れる。従って、第一貯液部30及び第二貯液部31内に残存する不純物が処理液Wとともに洗い流され、最終的に排液管路35を通って排液路に排出される。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、滞留槽1内の処理液滞留領域Aにある処理液Wをノズル107に供給する給液系統3が処理液Wを貯める貯液部30,31を備えているため、含有成分の総量を減らすことなく処理液Wを低濃度にすることで処理液Wの総量が多くなっても、滞留槽1(処理液滞留領域A)内の処理液Wの液位WLが布帛Cの移送に適した液位に保たれる。従って、低濃度にされた処理液W(総量の多い処理液W)を使用する場合であっても、処理液滞留領域A内の処理液Wに浮遊する布帛Cをスムーズに下流側に移送することができる。これにより、上記構成の液流式布帛処理装置は、低濃度の処理液Wを使用しても、布帛Cの処理量を減らすことなく、布帛Cに対して適正な処理を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0095】
また、本実施形態の液流式布帛処理装置においては、給液系統3が槽本体10の処理液滞留領域Aと対応する位置と出口部12のノズル107と対応する位置とを繋ぐ主配管32と、主配管32における出口部12側の一箇所と槽本体10側の一箇所とを繋ぐバイパス配管33とを備え、バイパス配管33に貯液部30,31が設けられ、バイパス配管33での処理液Wの流通を遮断した状態と、主配管32の二箇所の間を遮断する一方で、バイパス配管33での処理液Wの流通を許容した状態とに切り替え可能に構成されるため、処理液Wの総量を異にする処理を行うことができる。すなわち、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、標準処理と、標準の処理を行うときの処理液Wの液量よりも多い液量の処理液Wによる処理(第一増液処理、第二増液処理)とを行うことができる。これにより、少ない量の処理液Wによる処理(標準処理)を行うときに、必要以上の処理液Wを供給する必要がなく、処理液Wにかかるコストを抑えることができる。
【0096】
特に、本実施形態においては、バイパス配管33が一系統で構成されるとともに、バイパス配管33の二箇所に貯液部30,31が設けられ、給液系統3は、貯液部30,31の数に応じた数で設けられる分岐配管34であって、バイパス配管33における貯液部30,31間と、バイパス配管33における貯液部30,31よりも主配管32の出口部12側に繋がる側の部位とを繋ぐ分岐配管34を備え、処理液Wの流通経路を、バイパス配管33及び分岐配管34を通る経路と、バイパス配管33のみを通る経路とに切り替え可能に構成されるため、標準処理を行うときの処理液Wの液量よりも多い液量の処理液Wを必要とする処理においても、処理液滞留領域Aの液位WLを適正な液位で保ちつつ、そのうちの少ない量の処理液Wによる処理と、多い量の処理液Wによる処理とを行うことができる。また、多量の処理液Wによる処理を行うときに、必要以上の処理液Wを投入する必要がなく、処理液Wにかかるコストを抑えることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る液流式布帛処理装置は、貯液部30,31よりも上流側にあるバイパス配管33に接続された排液管路35であって、途中位置に開閉弁(第七開閉弁)V7が設けられた排液管路35を備え、給液系統3は、排液管路35との接続位置よりも上流側にあるバイパス配管33上に開閉弁(第二開閉弁)V2が設けられるとともに、主配管32のバイパス配管33の接続位置よりも下流側に別の開閉弁(第十一開閉弁)V11が設けられるため、開閉弁V2,V10,V11の開閉を切り替えることで、布帛Cに対する処理の完了後に、使用済みの処理液Wでバイパス配管33(貯液部30,31)を洗浄することができる。
【0098】
そして、本実施形態に係る液流式布帛処理装置の貯液部30,31は、横長に形成され、長手方向にバイパス配管33の上流側に繋がる第一端部と、バイパス配管33の下流側に繋がる第二端部とを有し、第二端部を第一端部よりも高い位置にして配置されているため、槽本体10、給液系統3、バイパス配管33に処理液Wを供給するに当り、貯液部30,31内に気体(空気)溜まりを形成することなく、貯液部30,31内に処理液Wを円滑に充満させることができる。これにより、貯液部30,31を汚れにくくすることができる。また、バイパス配管33で処理液Wを逆流させる(貯液部30,31を洗浄する)に当り、処理液Wが貯液部30,31の第一端部と第二端部の高低差によって第一端部側に流れるため、貯液部30,31内の不純物等を処理液Wとともに効率的に流し出すことができる。
【0099】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更加え得ることは勿論のことである。
【0100】
上記実施形態において、給液系統3に貯液部30,31が介設されたバイパス配管33を設けたが、これに限定されない。例えば、給液系統3にバイパス配管33が設けられることなく、給液系統3が主配管32のみで構成され、その主配管32に貯液部30,31が設けられるようにしてもよい。このようにすることで、貯液部30,31に貯留される処理液Wの液量分、標準処理に必要な処理液Wの液量よりも多くなる。従って、処理液Wの含有成分の総量を減らすことなく低濃度にされた処理液(標準処理時よりも増量した処理液)Wを用いて布帛Cの処理を行うことができる。また、処理液Wの総量が多くなっても、処理液Wの増量分は槽本体10から離れた給液系統3上の貯液部30,31に貯められるため、槽本体10(処理液滞留領域A)の液位WLを布帛Cの移送に適して液位WLで維持させることができる。従って、この場合においても、処理液滞留領域A内で布帛Cが浮遊しつつ円滑に移送されるため、布帛Cに対して適正な処理を行うことができる。
【0101】
上記実施形態において、貯留部として、第一貯液部30と第二貯液部31とを設けたが、これに限定されない。例えば、貯留部は、少なくとも一つ設けられればよい。なお、貯留部が三つ以上設けられる場合には、それに応じて分岐配管34を増やすとともに、処理液Wの流通経路を切り替えるために、適宜箇所に開閉弁を設ければよい。
【0102】
上記実施形態において、貯液部30,31が横長に形成されたが、これに限定されない。貯液部30,31は、必要量の処理液W(標準処理する増加量の処理液W)を貯留(滞留)可能に構成されれば、形態を種々変更し得る。また、上記実施形態において、第二端が第一端よりも高い位置になるように貯液部30,31が配置されたが、これに限定されない。例えば、第一端と第二端とが同じ高さになるように貯液部30,31が配置されてもよい。但し、処理液Wの供給に伴って内部に空気溜まりが形成されることを防止したり、洗浄時に処理液Wが排出側に流れることを促進したりするには、上記実施形態と同様にすることが好ましい。
【0103】
上記実施形態において、第一貯液部30及び第二貯液部31を同一構成にしたが、これに限定されない。例えば、貯液部30,31を複数設ける場合には、それぞれ異なるサイズ及び形態にしてもよいし、所定数の貯液部30,31(一群の貯液部30,31)が、他の貯液部30,31に対してサイズ及び形態を異にしたものであってもよい。
【0104】
上記実施形態において、排液管路35がバイパス配管33(第一配管部330)に接続されたが、これに限定されない。例えば、主配管32に排液管路35が接続されたり、槽本体10に排液管路35が接続されたりしてもよい。すなわち、排液管路35は、布帛Cに対する処理が完了した後に、滞留槽1、移送管2、給液系統3の何れかから処理液Wを排出可能に設けられればよい。
【0105】
上記実施形態において、第一乃至第十一開閉弁V1〜V11の開閉やポンプPのON・OFFの切り替えが自動的に行われたが、これに限定されない。例えば、第一乃至第十一開閉弁V1〜V11の開閉やポンプPのON・OFFの切り替え等は、作業者によって手動で行われてもよい。また、第一乃至第十一開閉弁V1〜V11の開閉やポンプPのON・OFFの切り替え等において、一部が作業者によって手動で行われ、残りの一部が電気的な制御で自動的に行われてもよい。
【0106】
上記実施形態において、横長に形成された槽本体10を有する滞留槽1を備えたものについて説明したが、これに限定されない。例えば、槽本体10(本体部100a)が途中位置で屈曲又は湾曲したタイプのものであってもよい。すなわち、滞留槽1(槽本体10)内に処理液滞留領域Aが形成されるタイプのものであればよい。
【0107】
上記実施形態において、必要量の処理液Wを槽本体10に対して供給する処理液供給系統を備えたが、これに限定されない。例えば、液流式布帛処理装置は、必要量の処理液Wを給液系統3に供給する処理液供給系統を備えてもよい。