特許5750411IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

芯材である被巻線部材に線材を巻回して、例えば、時計コイルのような有芯コイルを得る有芯コイルの製造方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかし、従来の巻線方法では、被巻線部材の両端を2つの巻治具により挟んだ状態で、それら2つの巻治具を被巻線部材と共に同方向に回転させ、それにより被巻線部材の二つの巻治具に挟まれている部分に線材を巻回するので、その回転速度を高めるには限界があった。 即ち、回転する巻治具にあっては、通常その回転速度が上昇すると芯ぶれを生じさせる。このため、被巻線部材の両端を2つの巻治具により挟んだ状態でそれらを同一の方向の同一の速度で回転させたとしても、その回転速度が高まると2つの巻治具の間に生じる異なる芯ぶれにより、それらの巻治具に両端が支持された被巻線部材にストレスが与えられ、その被巻線部材が、比較的割れやすい例えばフェライトのようなものであればその被巻線部材は破損してしまうような不具合があった。 一方、被巻線部材を高速で回転させるために、その被巻線部材の一方の端部を巻治具に支持して回転させることも考えられる。しかし、被巻線部材の一方の端部を巻治具に支持して回転させると、被巻線部材が棒状であってその被巻線部材に巻幅を制限する鍔のようなものが無い様なものであれば、その被巻線部材の他方の巻幅を制限するべきものが存在しないので、その被巻線部材の所望の位置に所望の巻幅で線材を巻回することができない不具合を生じさせる。 本発明の目的は、被巻線部材の所望の位置に所望の巻幅で線材を確実に巻回するとともに、その巻線速度を十分に高めることができる有芯コイルの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明の有芯コイルの製造方法は、被巻線部材の一端を支持した第一巻治具を被巻線部材と共に回転させて被巻線部材の一端側に線材を巻回して被巻線部材の一端側に土手巻線を形成する第一巻線工程と、被巻線部材の他端を第二巻治具に支持させるとともに第一巻治具による被巻線部材の一端の支持を解消する支持軸変更工程と、被巻線部材の他端を支持した第二巻治具を被巻線部材と共に回転させて第二巻治具と土手巻線の間の被巻線・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明における有芯コイルの製造方法では、被巻線部材の一端を支持した第一巻治具を回転させて、その被巻線部材の一端側に土手巻線を形成するので、この土手巻線の形成時にその被巻線部材の両端を支持するようなことはない。このため、第一巻治具の回転速度を高めて、その土手巻線を比較的素早く形成することができる。そして、この土手巻線は、被巻線部材の一端側に形成されるけれども、被巻線部材の第一巻治具が把持する部分には巻線されない。このため、その第一巻治具により、被巻線部材の一端側における巻幅を制限することができる。 また、その土手巻線が形成された後には、被巻線部材の他端を第二巻治具に支持させるとともに第一巻治具による被巻線部材の一端の支持を解消し、被巻線部材の他端を支持した第二巻治具を回転させて、第二巻治具と土手巻線の間の被巻線部材に線材を巻回するので、この第二巻治具の回転による巻線時にその被巻線部材の両端を支持するようなことはない。このため、この第二巻治具の回転速度を高めて、その巻線を比較的高速に行うことができる。そして、この巻線は、第二巻治具と土手巻線の間で行われ、被巻線部材の土手巻線を越えた一端側と、他端側における第二巻治具が把持する部分には巻線されない。このため、実質的に、第一巻治具と第二巻治具が把持した被巻線部材の間に巻線が成されることになり、この被巻線部材に巻幅を制限する鍔のようなものが無い様なものであっても、この被巻線部材の所望の位置の所望の巻幅を越える端部を第一及び第二巻治具に支持させることにより、その被巻線部材の所望の位置に所望の巻幅で線材を巻回することができる。 ここで、被巻線部材への巻線は、土手巻線と第二巻治具との間の巻線において、その大部分が行われることになる。このため、土手巻線を形成する第一巻線工程における被巻線部材の回転速度に対して、第二巻線工程における被巻線部材の回転速度を速くすることにより、被巻線部材への巻線速度を更に高めることができる。特に、被巻線部材への巻線の大部分を行う第二巻治具を基台に直接設ければ、その被巻線部材とともに回転する第二巻治具の固有振動数は高まる。このため、被巻線部材とともに第二巻治具を回転させ得る回転速度は更に高まり、この第二巻治具を回転させて巻線する巻線速度をより一層高めることができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明実施形態の巻線装置を示す側面図である。

【図2】その巻線装置の上面図である。

【図3】その第一巻治具の詳細を示す図1のA−A線断面図である。

【図4】その第二巻治具に把持された被巻線部材に巻初めの線材が溶着される状態を示す図である。

【図5】その被巻線部材が第一巻治具に把持されて土手巻線がなされた状態を示す図4に対応する図である。

【図6】その被巻線部材が第二巻治具に把持されて第一巻治具による把持が解消された状態を示す図4に対応する図である。

【図7】その被巻線部材の第二巻治具と土手巻線の間に巻線が成された状態を示す図4に対応する図である。

【図8】その第二巻治具に把持された被巻線部材に巻終わりの線材が溶着される状態を示す図4に対応する図である。

【図9】得られた有芯コイルを第二巻治具から取外す状態を示す図4に対応する図である。

【図10】本発明により巻線される別の被巻線部材を示す斜視図である。

【図11】その別の被巻線部材を一対の把持片により支持した状態を示す図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

10 巻線装置   12 被巻線部材   13 第一巻治具   31 巻治具移動機構   41 第二巻治具   46 線材   62a 土手巻線

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