特許第5750456号(P5750456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5750456メムキャパシタ・デバイス、電解効果トランジスタ・デバイス、不揮発性メモリ・アレイ、および、プログラミング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750456
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】メムキャパシタ・デバイス、電解効果トランジスタ・デバイス、不揮発性メモリ・アレイ、および、プログラミング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150702BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20150702BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20150702BHJP
   H01L 21/8247 20060101ALI20150702BHJP
   H01L 27/115 20060101ALI20150702BHJP
   H01L 27/105 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/10 434
   H01L27/10 448
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-552889(P2012-552889)
(86)(22)【出願日】2011年1月25日
(65)【公表番号】特表2013-520012(P2013-520012A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2011022390
(87)【国際公開番号】WO2011100108
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2012年10月10日
(31)【優先権主張番号】12/705,928
(32)【優先日】2010年2月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ミード,ロイ イー.
(72)【発明者】
【氏名】サンデュ,ガーテ エス.
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−104285(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/108822(WO,A1)
【文献】 特開2006−245280(JP,A)
【文献】 特開2003−152118(JP,A)
【文献】 特開2006−093736(JP,A)
【文献】 特開平03−044972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8247
H01L 27/105
H01L 27/115
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対する導電性電極の対と、
前記相対する導電性電極の対の間で支持される、誘電体中に移動性ドーパントを含む半導体材料および移動性ドーパント・バリア誘電材料と、
を備えるメムキャパシタ・デバイスであって、
前記半導体材料と前記バリア誘電材料とが、少なくとも1つの異なる原子元により少なくとも特徴付けられる互いに異なる組成であり、
前記半導体材料および前記バリア誘電材料のうちの一方が、前記半導体材料および前記バリア誘電材料のうちの他方よりも、前記電極の対の一方のより近くに位置し、
前記半導体材料および前記バリア誘電材料のうちの前記他方が、前記半導体材料および前記バリア誘電材料のうちの前記一方よりも、前記電極の対の他方のより近くに位置し、
前記移動性ドーパント・バリア誘電材料が、第1の金属酸化物を含み、
前記半導体材料の前記誘電体は、前記移動性ドーパントを含む第1の誘電体と、前記第1の誘電体から自体の中に前記移動性ドーパントを受け取る第2の誘電体とを有し、前記自体の中に前記移動性ドーパントを受け取る前記第2の誘電体が、第2の金属酸化物を含み、
前記移動性ドーパント・バリア誘電材料の前記第1の金属酸化物の金属が、前記誘電体中に移動性ドーパントを含む前記半導体材料の前記第2の金属酸化物の金属とは異なる、メムキャパシタ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する実施形態は、メムキャパシタ(memcapacitor)・デバイス、電界効果トランジスタ・デバイス、不揮発性メモリ・アレイ、および、プログラミング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタおよび電解効果トランジスタは、たとえば論理回路、メモリ回路等の集積回路中に使用される2種類の電子部品である。キャパシタの特性の1つは、サイズ、構造、作製材料等のいくつかの変量に影響される自体のキャパシタンスである。電解効果トランジスタの特性の1つは、自体の閾値電圧である。こうした閾値電圧は、電流がチャネル領域を通ってソース領域/ドレイン領域の対の間を流れるのに必要な最小のゲート電圧の測度である。閾値電圧に影響を与える要素には、サイズ、構造、作製材料も含まれる。
【0003】
作製の際のキャパシタおよびトランジスタは、可変、調整可能、またはプログラム可能なキャパシタンスおよび閾値電圧とは対照的に、それぞれ、固定されたキャパシタンスおよび固定された閾値電圧を通常は有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】1つのプログラム状態とした、本発明の一実施形態によるメムキャパシタ・デバイスの断面図である。
図2】本発明の一実施形態による図1のメムキャパシタ・デバイスを他のプログラム状態にした図である。
図3】1つのプログラム状態とした、本発明の一実施形態による電解効果トランジスタ・デバイスの断面図である。
図4】本発明の一実施形態による図3の電解効果トランジスタ・デバイスを他のプログラム状態にした図である。
図5】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ・アレイの上面概略図である。
図6図5のメモリ・アレイに関連付き、1つのプログラム状態とした、本発明の一実施形態による図3の電解効果トランジスタ・デバイスの断面図である。
図7】他のプログラム状態とした、本発明の一実施形態による図6の電解効果トランジスタ・デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の一実施形態によるメムキャパシタ・デバイス10の一例を図1および2に示す。これらの図は、異なる2つのプログラム状態のメムキャパシタ・デバイス10を示す。代替のプログラム状態および/または追加のプログラム状態を使用することもできる。
【0006】
図1を参照すると、メムキャパシタ・デバイス10は、1対の相対する導電性電極12および14を備える。こうした電極は、たとえば、元素金属、元素金属の合金、導電金属化合物、および/または導電可能にドープされた半導体材料等の任意の適当な導電材料からなることがある。電極12および14の厚さは、同一でも異なっていてもよい。厚さ範囲の一例は、3〜100ナノメートルである。さらに、導電性電極12および14の組成は、互いに同一でも異なっていてもよく、均質であってもなくてもよい。一例では、こうした電極が、実質的に元素白金からなることがある。
【0007】
相対する導電性電極12と14との間に、少なくとも2つの材料16および18が受け入れられる。材料16は、誘電体中で受け取られる移動性ドーパントを含む静的プログラムの可能な半導体材料である。材料16は、異なる容量値に特徴付けられる少なくとも2つの互いに異なる状態間で静的にプログラムすることができる。これら状態のうちの少なくとも1つには、材料16中に誘電性領域が形成されるように移動性ドーパントが局在化または集結することが含まれる。3つ以上のプログラマブル状態を使用することもできる。
【0008】
本文書のコンテキストでは、「移動性ドーパント」とは、対になった電極に電圧差を適用することにより少なくとも2つの異なる静的状態間でデバイスを繰返しプログラムする通常のデバイス動作中に、誘電体中で様々な位置に移動可能な(自由電子を除く)半導体材料の成分である。例には、異なる化学量論的材料内の原子空孔、格子間原子が含まれる。移動性ドーパントの具体的な例には、アモルファス酸化物もしくは結晶性酸化物または他の酸素含有材料内の酸素原子空孔、アモルファス窒化物もしくは結晶性窒化物または他の窒素含有材料内の窒素原子空孔、アモルファスフッ化物もしくは結晶性フッ化物または他のフッ素含有材料内のフッ素原子空孔、アモルファス酸化物または結晶性酸化物内の格子間金属原子が含まれる。図面内では、材料16の移動性ドーパントは、図式的にドット/斑点で示している。図面内の所与のエリア/体積内のドット/斑点の密度は、移動性ドーパントの濃度の程度を示し、ドット/斑点が多いほど、移動性ドーパントの濃度が高くなり、ドット/斑点が少ないほど、移動性ドーパントの濃度が低くなる。2種類以上の移動性ドーパントを、材料16の一部分として使用することもできる。
【0009】
材料16について言うと、移動性ドーパントが自体の中で受け取られる誘電体の例には、十分に多量で十分に濃度の高い移動性ドーパントに基づいて、局在化された導電率をもたらすことの可能な適当な酸化物、窒化物、および/またはフッ化物が含まれる。移動性ドーパントを考慮することに関係なく、自体の中で移動性ドーパントが受け取られる誘電体は、均質であってもなくてもよい。誘電体の具体的な例には、TiO、AlN、および/またはMgFが含まれる。
【0010】
一実施形態では、移動性ドーパントとして酸素空孔を含む材料16が、酸素空孔の位置と、酸素空孔が受け取られる位置での酸素空孔の量とに依存する少なくとも1つのプログラム状態とされたTiOとTiO2-Xとの組合せを含むことがある。一実施形態では、移動性ドーパントとして窒素空孔を含む材料16が、窒素空孔の位置と、窒素空孔が受け取られる位置での窒素空孔の量とに依存する少なくとも1つのプログラム状態とされたAlNとAlN1-Xとの組合せを含むことがある。一実施形態では、移動性ドーパントとしてフッ素空孔を含む材料16が、フッ素空孔の位置と、フッ素空孔が受け取られる位置でのフッ素空孔の量とに依存する少なくとも1つのプログラム状態とされたMgFとMgF2-Xとの組合せを含むことがある。一実施形態では、移動性ドーパントが、窒素含有材料中の格子間アルミニウム原子を含む。
【0011】
材料16は、誘電体の組成、移動性ドーパントの組成、および/または、材料16内での移動性ドーパントの量に依存することのある任意の適当な厚さにすることができる。厚さの例には、4〜50ナノメートルが含まれ、一実施形態では、120ナノメートル以下の厚さである。
【0012】
材料18は、移動性ドーパント・バリア誘電材料である。こうした材料は、均質であっても、非均質であってもよい。移動性ドーパント・バリア誘電材料18は、材料18内への移動性ドーパントの動きに影響されず、かつ、材料18中に初めから固有に含まれる任意のドーパントの位置を変える動きに影響されないということで、材料16中の誘電体とは異なって特徴付けられ、区別される。半導体材料16およびバリア誘電材料18は、互いに異なる組成とすることができるが、こうした組成は、少なくとも1つの異なる原子元により少なくとも特徴付けられる。一実施形態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料18は金属酸化物を含み、材料16中に含まれるとともに、自体の中で移動性ドーパントが受け取られる誘電体は、異なる金属酸化物を含むが、材料18の金属元素は、材料16の誘電体の金属元素とは異なる。これに関わらず、移動性ドーパント・バリア誘電材料の例には、ZrO、SiO、Si、GeN、SrTiOのうちの少なくとも1つが含まれる。一実施形態では、バリア誘電材料は、たとえば、ZrO、SrTiOのいずれか、またはこれらの組合せ等の化学量論的金属酸化物から実質的に構成される。
【0013】
材料16および移動性ドーパント・バリア誘電材料18は、同一のまたは互いに異なる厚さにすることができる。一実施形態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料18の厚さは、材料16の厚さ以下であり、図示の実施形態では、材料16よりも薄い。一実施形態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料18が、1〜7ナノメートルの酸化物等価厚(equivalent oxide thickness)を有し、一実施形態では、10ナノメートル以下の酸化物等価厚を有する。本文書のコンテキストでは、「酸化物等価厚」とは、使用されている移動性ドーパント・バリア誘電材料と同一の誘電効果をもたらすのに非ドープの二酸化シリコンの厚さがどのくらいである必要があるかについての長さ寸法である。使用されている移動性ドーパント・バリア誘電材料が、非ドープの二酸化シリコンである場合、または、誘電率が非ドープの二酸化シリコンの誘電率と等しい材料である場合、「酸化物等価厚」と使用されている移動性ドーパント・バリア誘電材料の厚さとは、同一になるはずである。
【0014】
半導体材料16およびバリア誘電材料18のうちの一方は、これらの材料のうちの他方よりも、電極12、14の対の一方により近く位置する。それに応じて、半導体材料16およびバリア誘電材料18のうちの他方は、電極12、14の対の他方により近く位置する。図示の実施形態では、材料16と移動性ドーパント・バリア誘電材料18とは、互いに物理的に接触する。さらに、図示の実施形態では、相対する導電性電極12、14の対の間で、材料16および移動性ドーパント・バリア誘電材料18以外の材料は受け入れられない。
【0015】
図1図2とは、異なる2つの静的プログラム状態のメムキャパシタ・デバイス10を示す。図2は、最も高いキャパシタンス状態の例を図式的に示し、図1は、最も低いキャパシタンス状態の例を示す。たとえば、例としてのみのことだが、図1は、移動性ドーパントの異なる平均濃度でそれぞれ特徴付けられる領域20および22を含む材料16を示している。領域22は、自体の中の移動性ドーパントの量が大幅に少なくなっている様を図式的に示しているが、これにより、領域22は、実質的に誘電体になる。領域22が誘電体キャパシティ内で機能することができる限り、0よりも多いいくらかの量の移動性ドーパントが、領域22中に存在することができる。これに関わらず、領域20は、領域22内よりも高い、適当な移動性ドーパントの平均濃度を有する。領域20または領域22中で受け取られる移動性ドーパントは、領域20または領域22中で均質に分散しても、均質に分散しなくてもよい。これに関わらず、領域20は導電性であり、これにより、材料12と領域20との組合せで、より厚い導電性キャパシタ電極が実質的に提供される。一方、領域22は誘電体であり、これにより、移動性ドーパント・バリア誘電材料18の実質的誘電体厚が増大される。
【0016】
図2を参照すると、移動性ドーパントが、材料16全体を通して十分に受け取られるように図示されており、これにより、材料16の厚さ全体が実質的に導電性になっている。したがって、導電性キャパシタ電極のうちの1つが、実質的に材料12と材料16との組合せを構成する。さらに、こうした状態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料18のみが、導電性キャパシタ電極12、14間の誘電体厚全体を構成する。したがって、図2のプログラム状態は、図1に示すものよりも高いキャパシタンスを有する。更に検討すると、すなわち、所与の時点でメムキャパシタ・デバイス10に実際に保持される電荷の量に関わらず、図1のプログラム状態でのキャパシタンスは、図2のプログラム状態でのキャパシタンスよりも低くなる。メムキャパシタ・デバイス10が完全に荷電されているか、部分的に荷電されているか、または荷電されていないかにより、メムキャパシタ・デバイス10の荷電状態が決まるが、メムキャパシタ・デバイス10のキャパシタンスはこれに影響されない。したがって、本明細書で言う荷電状態は、所与の時点でキャパシタに実際に保持される電荷の量を指す。本明細書で言うキャパシタンスは、キャパシタの荷電状態に関係なくキャパシタが保持することの可能な1ボルト当たりのクーロンの数を指す。
【0017】
図2の高キャパシタンス状態で、移動性ドーパントは、材料16中で均等に分散しても、均等に分散しなくてもよい。さらに、これに関係なく、最も高いキャパシタンス状態および最も低いキャパシタンス状態以外に、またはこれらの状態に加えて、選択可能な様々なプログラム・キャパシタンス状態を実現することもできる。これに関わらず、メムキャパシタ・デバイス10は、少なくとも1つには、プログラム・キャパシタンス状態をもたらした挙動が解かれた後にそのプログラム状態を保つことで特徴付けられる。
【0018】
具体的なキャパシタ・デバイス10の例としては、導電性キャパシタ電極12および14がそれぞれ、厚さ5ナノメートルの元素白金から実質的に構成される。移動性ドーパント・バリア誘電材料18は、厚さ3ナノメートルのZrOである。半導体材料16は、TiOとTiO2-Xとの組合せであり、全厚が4ナノメートルである。図1では、領域22は、厚さ2ナノメートルを有し、1cm当たり5×1018個を十分に下回る酸素空孔を有するTiOであり、これにより、領域22は非導電性になる。領域20は、厚さ2ナノメートルを有し、1cm当たり5×1018個の空孔を十分に上回る全体的な平均酸素空孔濃度を有し、これにより、領域20は導電性になる。図2では、領域16は、1cm当たり5×1018個の空孔を十分に上回る全体的な平均酸素空孔濃度を有するTiO2-Xとみなすことができ、これは、領域16全体を導電性にするのに十分である。図1の領域20中の全体的な平均酸素空孔濃度は、図2の領域16中のものよりも高い。
【0019】
図1および2のモデルに関連するそれぞれのキャパシタンスは、以下の式で特徴付けられる。
【0020】
【数1】
ただし、Cは、デバイスのキャパシタンスであり、Aは、電極14のうちで材料18に触れる部分の面積であり、εは、領域22より特徴付けられる材料16の誘電率であり、εは、材料18の誘電率であり、tは、領域22の厚さであり、tは、材料18の厚さである。
【0021】
Strukov等の「The missing memristor found」、Nature Publishing Group、2008年5月1日、Vol. 453、pp.80〜83に記載されるように、導電性キャパシタ電極12および14に対して適当な差動電圧を印加することにより、様々なプログラム状態を達成することができる。たとえば、移動性ドーパントの電荷に応じて、適当な正電圧および/または負電圧を、導電性電極12および14に印加して、移動性ドーパントが導電性電極12および14のうちの1つに引き付けられるようにすること、またはそこからはね返されるようにすることができるが、図1および図2のプログラミング状態の例は、プログラミング電圧差を解消した後にも維持される。
【0022】
図1のメムキャパシタ・デバイス10は、キャパシタC1と抵抗R1とが並列に接続されたものとして概略的にモデル化することができる。バリア誘電材料18は、電極12、14間に電流が流れるのを実質的に阻止するが、非常に小さく、微量の漏れ電流を導通させることがある。抵抗R1は、この漏れ電流を表す。キャパシタC1は、図1のプログラム状態のメムキャパシタ・デバイス10のキャパシタンスを表し、かつ、材料16のキャパシタンスとバリア誘電材料18のキャパシタンスとの組合せを表す。図2のメムキャパシタ・デバイス10も、キャパシタC2と抵抗R2とが並列に接続されたものとして概略的にモデル化することができる。抵抗R2は、図2のプログラム状態のメムキャパシタ・デバイス10のわずかな漏れ電流を表し、この漏れ電流は、図1のR1よりも高いこと、または低いことがある。キャパシタC2は、図2のプログラム状態のメムキャパシタ・デバイス10のキャパシタンスを表し、このキャパシタンスは、図1のC1よりも大きい。C2は、材料16のキャパシタンスとバリア誘電材料18のキャパシタンスとの組合せを表す。
【0023】
これに関わらず、一実施形態では、メムキャパシタ・デバイスは、相対する一対の導電性電極、たとえば、導電性電極12および14を備える。これら相対する導電性電極間で、少なくとも2つの材料が受け入れられる。これら材料のうちの1つは、空間格子内に移動性陽イオン空孔を形成するように、化学量論的に陽イオンを全体的に欠いた結晶性半導体金属含有マス(mass)を含む。一実施形態では、この結晶性半導体金属含有マスは、結晶性半導体金属酸化物マスである。他方の材料は、結晶性半導体金属含有マスに物理的に接触し、上記のマスから自体の中への移動性陽イオン空孔の動きに影響されないバリア誘電材料である。この半導体マスとバリア誘電材料とは、互いに異なる組成であり、こうした組成は、少なくとも1つの異なる原子元により少なくとも特徴付けられる。半導体マスおよびバリア誘電材料のうちの一方は他方よりも、電極の対の一方のより近くに位置する。半導体マスおよびバリア誘電材料のうちの他方は一方よりも、電極の対の他方のより近くに位置する。本実施形態の結晶性半導体金属含有マスの材料例には、先に材料16について説明した材料が含まれる。本実施形態のバリア誘電材料の材料例には、先にバリア誘電材料18について説明した材料が含まれる。本実施形態における他の属性には、図1および2を参照して説明した実施形態の例に関連して先に説明した属性のうちの1つまたはこれらの属性の組合せが含まれることがある。
【0024】
本発明の一実施形態は、異なるキャパシタンスにより特徴付けられるプログラム可能な複数の異なる静的状態間でキャパシタをプログラムする方法を含む。こうした実施形態は、先に説明したキャパシタを使用すること、または、他のキャパシタを使用することを含むことがある。これに関わらず、こうした方法の一実施形態は、移動性ドーパントが2つの導電性キャパシタ電極間に受け入れられた半導体マスから、2つの導電性キャパシタ電極間に受け入れられた移動性ドーパント・バリア誘電材料に向けて移動して、キャパシタのキャパシタンスを低キャパシタンス状態から高キャパシタンス状態に増大させるように、2つの導電性キャパシタ電極間に電圧差を適用することを含む。半導体マスおよび移動性ドーパント・バリア誘電材料は、互いに異なる組成であるが、こうした組成は、少なくとも1つの異なる原子元により少なくとも特徴付けられる。移動性ドーパント・バリア誘電材料は、その性質として、電圧の印加により移動性ドーパントが移動性ドーパント・バリア誘電材料内に移動することを阻止する。移動性ドーパント、半導体マス/材料および移動性ドーパント誘電材料の例は、先に説明した通りにすることができる。図1および2は、図1の状態から図2の状態に移る際のこうしたプログラミングの例を示す。こうしたプログラミングは、キャパシタ電極12および14に適当な正電圧および/または負電圧を印加することにより実現されるが、こうした正電圧、負電圧により、移動性ドーパントが、電極14に向けてまたは電極12から離れるように移動し、これにより、図1のプログラム状態が、図2のプログラム状態に変換される。
【0025】
一実施形態では、2つの導電性キャパシタ電極間に異なる電圧差を引き続いて適用して、移動性ドーパントを移動性ドーパント・バリア誘電材料から離れるように移動させて、キャパシタのキャパシタンスを低減させ、これにより、キャパシタを上記のプログラム可能な複数の異なる静的状態のうちの1つにプログラムする。これは、たとえば、図1から図2をもたらした極性からの極性逆転により図2の状態を図1に戻すようにプログラムすることにより、または、他の適当な差動電圧を印加して、上述の低減されたキャパシタンス効果を実現することにより引き起こされることがある。さらに、こうした引き続いて適用される電圧差で、キャパシタを直前のキャパシタンス状態に戻すようにプログラムすることも、そのようにプログラムしないようにすることもできる。したがって、3つ以上のキャパシタンス状態へのプログラミングも、選択的に行うことができる。
【0026】
本発明の一実施形態は、少なくとも2つの異なる静的閾値電圧状態に繰返しプログラムすることの可能な電解効果トランジスタ・デバイスを含む。こうしたデバイスを、例としてのみ、電解効果トランジスタ・デバイス30に関連して図3および4に示す。図3は、最も高い静的閾値電圧状態の例を図式的に示し、図4は、最も低い静的閾値電圧状態の例を図式的に示す。
【0027】
トランジスタ・デバイス30は、一対のソース/ドレイン領域32、34と、ソース/ドレイン領域32、34の対の間に受け入れられるチャネル領域36と、チャネル領域36の近傍に動作可能に位置するゲート構造物38とを備える。ソース/ドレイン領域32、34およびチャネル領域36は、たとえば単結晶シリコンである適当な半導体材料38内に形成されるように図示している。材料38は、少なくともチャネル36の領域において、少なくとも第1または第2の導電型のドーパントを用いて適宜バックグラウンド・ドープ(background dope)され、これにより、ゲートに印加される電圧で、ソース/ドレイン領域32、34間に電流路を選択的に発生させることができる。ソース/ドレイン領域32、34は、チャネル領域36の導電型とは反対の導電型の導電性増進ドーパントを少なくとも用いて適宜ドープした導電性拡散領域として図示している。Halo、LDD、または、既存のものであっても、未開発のものであっても他の領域を、領域32、36、34とともに、かつ/または、領域32、36、34の一部分として使用することができる。トランジスタ・デバイス30は、プレーナ・トランジスタ、すなわち水平トランジスタとして図式的に図示している。既存のまたは未開発の他の任意の構成が企図され、たとえば、これには、バルク型に製造された、半導体-オン-インシュレータ内に製造された、または、既存のもしくは未開発の他の基板内に製造された縦型トランジスタ、リセス型(recessed)トランジスタ、FinFetがある。
【0028】
ゲート構造物38は、導電性ゲート電極40を備える。また、ゲート構造物38は、誘電体内で受け取られる移動性ドーパントを含む半導体材料42と、移動性ドーパント・バリア誘電材料44との両方を備え、半導体材料42および移動性ドーパント・バリア誘電材料44はそれぞれ、導電性ゲート電極40とチャネル領域36との間に受け入れられる。移動性ドーパント・バリア誘電材料44には、導電性ゲート電極40よりも、チャネル領域36の方が近くに位置する。半導体材料42には、チャネル領域36よりも、導電性ゲート電極40の方が近くに位置する。半導体材料42およびバリア誘電材料44は、少なくとも1つの異なる原子元により少なくとも特徴付けられること、または特徴付けられないことがある互いに異なる組成である。
【0029】
導電性ゲート電極40の材料の例は、電極12および14について説明したものと同一である。半導体材料42の例は、特性および属性を含めて、メムキャパシタ・デバイス10の半導体材料16について説明したものと同一とすることができる。移動性ドーパント・バリア誘電材料44の例は、特性および属性を含めて、メムキャパシタ・デバイス10の移動性ドーパント・バリア誘電材料18について説明したものと同一とすることができる。
【0030】
厚さについては、半導体材料42と移動性ドーパント・バリア誘電材料44とは、同一の厚さであっても、異なる厚さであってもよい。一実施形態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料44は、材料42と同一の厚さである。一実施形態では図示のように、材料42は、移動性ドーパント・バリア誘電材料44よりも厚い。一例では、材料42の厚さは、4〜100ナノメートルであり、一実施形態では、20ナノメートル以下である。一実施形態では、移動性ドーパント・バリア誘電材料44は、1〜12ナノメートルの酸化物等価厚を有し、一実施形態では、7ナノメートル以下の酸化物等価厚を有する。
【0031】
トランジスタ・デバイス30の具体的な例としては、半導体ゲート電極40が、厚さ5ナノメートルの元素白金から実質的に構成される。移動性ドーパント・バリア誘電材料44は、厚さ3ナノメートルのZrOである。半導体材料42は、TiOとTiO2-Xとの組合せであり、全厚4ナノメートルを有する。図3では、領域48は、厚さ2ナノメートルを有し、1cm当たり5×1018個の酸素空孔を十分に下回るTiOであり、これにより、領域48は非導電性になる。領域46は、厚さ2ナノメートルを有し、1cm当たり5×1018個を十分に上回る全体的な平均酸素空孔濃度を有し、これにより、領域46は導電性になる。図4では、領域42を、1cm当たり5×1018個を十分に上回る全体的な平均酸素空孔濃度を有するTiO2-xとみなすことができ、この濃度は、領域42全体を導電性にするのに十分なものである。図3の領域46中の全体的な平均酸素空孔濃度は、図2の領域42のものよりも高い。
【0032】
図3および4のモデルに関連するそれぞれの閾値電圧のモデルを以下のように特徴付けることができる。
【0033】
【数2】
(Cは、F/mとしてのゲート面積)
ただし、Vはデバイス閾値電圧、VFBはフラットバンド電圧、φはチャネル・フェルミ・レベルと本来備わった固有のフェルミ・レベルとの電位差を電気素量で割ったもの、qは電気素量、εはシリコンの誘電率、Nはチャネル受容体濃度、Cは単位面積当たりのゲート・キャパシタンスをF/mで表したもの、Fはファラド、mは平方メートルである。
【0034】
電解効果トランジスタ・デバイス30は、図1および2のキャパシタ・デバイス10のキャパシタンス状態についてのプログラミングと同様にそれぞれ図3および4に示すように、異なる2つの静的閾値電圧状態のうちの少なくとも1つにプログラムすることができる。たとえば図3では、半導体材料42の領域46が、図1の領域20に類似し、半導体材料42の領域48が、図1の領域22に類似する。同様に、図4の電解効果トランジスタ・デバイス30について図示したプログラミング状態は、図2のキャパシタ・デバイス10のプログラミング状態に類似し、この状態は、たとえば後で説明するようにして実現することができる。
【0035】
本発明の一実施形態は、電解効果トランジスタ・デバイス、たとえばデバイス30または他の何らかの電解効果トランジスタ・デバイスをプログラムする方法を含む。これに関わらず、こうした方法は、チャネル領域とゲート電極との間に電圧差を適用して、これらゲート電極とチャネル領域との間に受け入れられる材料内の移動性ドーパントをゲート電極またはチャネル領域の一方に向けて移動させて、上記の適用された電圧差の除去の後に維持される電解効果トランジスタ・デバイスの静的閾値電圧を変更することを含む。一実施形態では、電圧差を適用することにより、移動性ドーパントがゲート電極に向けて移動し、トランジスタ・デバイスの閾値電圧が上昇する。こうした状況は、たとえば、図3の状態を実現するように図4の電解効果トランジスタ・デバイスをプログラムする際に見られるか、または考えることができる。一実施形態では、電圧差を適用することにより、移動性ドーパントがチャネル領域に向けて移動し、電解効果トランジスタの閾値電圧が低下する。たとえば、デバイス30については、こうした状況は、図3のデバイス状態から図4の状態にプログラムすることにより例示される。
【0036】
電解効果トランジスタ・デバイス30の図3または図4の状態へのプログラムは、キャパシタ・デバイス10についての図1および図2に関して実現されるものと同じように行うことができる。たとえば、トランジスタ・デバイス30をプログラムする際には、導電性ゲート電極40を、図1および2のキャパシタ・デバイス10中の導電性電極12と同様に使用することができる。さらに、図1および2のキャパシタ・デバイス10中の導電性電極12の使用と同様に機能するように、チャネル領域36を動作させることもできる。たとえば、ソース/ドレイン領域32、34間に適切に選択した電流を流すことにより、または、領域36の外側の材料38に適切な電圧を印加することでソース/ドレイン領域36に電圧を直接印加することにより、チャネル領域36に適切な電位を提供することができる。さらに、2つよりも多くのプログラムされた閾値電圧状態を用いることもできる。
【0037】
本発明の実施形態は、不揮発性メモリ・アレイも含む。図5を参照すると、不揮発性メモリ・アレイの例を、参照番号50で全体的に示している。こうしたアレイは、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLを備える。こうした線を、互いに直交する直線として図示している。既存のまたは未開発の他の形状および交差角度を使用してもよい。図5では、ビット線BLとワード線WLとは互いに接するように概略的かつ図式的に示しているが、こうした線は、図示の交点に対してオーム性を有するようには接続されない。
【0038】
図5では具体的に指定していないが、複数のメモリ・セルが、図50の不揮発性メモリ・アレイに含まれるはずである。個々のメモリ・セルを、ビット線BLとワード線WLとの各交点に関連付けることができる。あるいは、例として示すと、それぞれが関連するワード線を有する複数のメモリ・セルに単一のビット線を関連させることができ、これは、たとえば、設計の点でNANDフラッシュに対応する。これに関わらず、不揮発性メモリ・アレイからなる個々のメモリ・セルが、少なくとも2つの異なる静的閾値電圧状態に可逆的にプログラムすることの可能な電解効果トランジスタ・デバイスを備えることとなる。こうした電解効果トランジスタ・デバイスは、図3および4に関連して説明したデバイスを含むこともある。
【0039】
具体的には、一例として、図6および7は、図5に示すような不揮発性メモリ・アレイ内に電解効果トランジスタ・デバイス30を取り込んだ様を示し、それぞれ図3および4のプログラミング状態に相当する。デバイス30からなる個々のメモリ・セルでは、導電性ゲート電極40が、図5のワード線WLのうちの1つに接続される。ソース/ドレイン領域32、34の対のうちの1つが、ビット線BLのうちの1つに接続されるが、図6および7のソース/ドレイン領域34は、そのように接続されたように図示している。その1つのビット線に接続されていない反対のソース/ドレイン領域(すなわち領域32)に電位を印加して、そのメモリ・セルを、たとえば、図6および7に示す少なくとも2つのプログラミング状態のいずれかにプログラムすることができる。各メモリ・セルの電解効果トランジスタ・デバイスのプログラムされた静的閾値電圧状態を検知することにより、各メモリ・セルのプログラム状態を読み取るための適当な回路が提供される。
【0040】
一実施形態では、図6および7に示すように、ワード線WLのうちの1つに電圧が印加されると、ソース/ドレイン領域32、34の対と、チャネル領域36と、ソース/ドレイン領域34が接続されたビット線BLのうちの1つとに電流が流れることを可能にするように構成された回路を提供することができる。一実施形態では、その他の1つまたは複数のメモリ・セルを介して、上記の例のビット線に間接的にソース/ドレイン領域34を接続することもできる。こうした状況を、図6および7に示す1つのメモリ・セルに加えて1つまたは複数のメモリ・セルに関連する細線ブロック75について、図式的に図6および7中に示す。たとえば、ビット線への間接的接続は、たとえば米国特許第7,476,588号に示される、メモリ・セルからなるNANDアレイ内の不揮発性電荷蓄積トランジスタの列に単一のビット線が接続されることと同様に行うことができる。
【0041】
これに関わらず、一例では、本明細書に記載の電解効果トランジスタ・デバイスを使用することにより、フラッシュ・トランジスタを含むメモリ・セルのフラッシュ・トランジスタと幾分同じようにゲートを実質的にプログラム可能な不揮発性メモリ・アレイを構築することができる。たとえば、フローティング・ボディ・フラッシュ・セルは、電荷蓄積を介して閾値電圧をシフトすることにより可逆的かつ静的にデータを保持するが、本明細書に記載するようにトランジスタを組み入れたメモリ・セルは、ゲートのキャパシタンスを変動させることにより可逆的な静的データを格納することが可能であり、ゲートが、キャパシタの一方の電極を構築し、チャネル領域が、キャパシタの他方の電極を構築する。従来のフラッシュ・トランジスタは、電荷が1つのプログラム状態で蓄積されるフローティング・ゲートから簡単に放出される可能性のある自由電子の形態で電荷が蓄積されることによりディスターブ問題を被る。本明細書に記載する電解効果トランジスタ・デバイスおよびこうしたデバイスを組み入れた不揮発性メモリ・アレイは、移動性ドーパントが仮に放出されるとしても、フラッシュ中の自由電子ほどには簡単にトランジスタから放出されないので、ディスターブ問題の影響を非常に受けにくくすることができる。さらにこれにより、応力により誘発される漏れ電流が、本明細書に記載のメモリ・セル中のデータ保持に対して重要な懸念事項にならないので、例としての誘電材料44は、対応するトンネル誘電体をフラッシュ内で作製するのよりも、ずっと薄く作製することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7