特許第5750463号(P5750463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5750463ラベルプリンタおよびその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750463
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】ラベルプリンタおよびその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20150702BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20150702BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20150702BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   B41J5/30 B
   B41J29/42 F
   B41J29/46 Z
   G06F3/12 W
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-23145(P2013-23145)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-151556(P2014-151556A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2013年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】下村 宏
(72)【発明者】
【氏名】関 和昭
【審査官】 下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−132057(JP,A)
【文献】 特開平11−053644(JP,A)
【文献】 特開2003−080769(JP,A)
【文献】 特開2002−183836(JP,A)
【文献】 特開2007−098853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J29/00−29/70
B41J5/00−5/52
B41J21/00−21/18
G06F3/09−3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルへのプリント対象となる複数の項目のそれぞれを識別するための複数の項目名の1つと、当該項目に関する前記ラベルへのプリント内容を表す内容情報について定義する定義情報とをそれぞれが含んだ複数の項目ファイルを記憶する第1の記憶デバイスと、
前記項目への前記内容情報の関連付けを編集するための編集画像内のオブジェクトに関連付けて、当該オブジェクトの前記編集画像内での表示名と、前記複数の項目ファイルの個々を識別するための識別情報の1つとを含んだ定義ファイルを記憶する第2の記憶デバイスとにアクセス可能なラベルプリンタであり、
前記複数の項目名に関連付けて前記内容情報をそれぞれ記述可能な設定テーブルを記憶する第3の記憶デバイスと、
前記複数の項目のそれぞれに関して、当該項目を識別するための項目名とともに前記項目ファイルに含まれた前記定義情報に従い、使用者による前記編集画像に基づく操作に応じて判定した前記内容情報を前記設定テーブルに書き込む書込手段と、
前記設定テーブルにて前記内容情報が関連付けられていない項目名が存在する場合に、当該項目名を含んだ前記項目ファイルを前記第1の記憶デバイスにより記憶された複数の項目ファイルの中から選択する第1の選択手段と、
前記第1の選択手段により選択された前記項目ファイルの識別情報を含んだ定義ファイルを前記第2の記憶デバイスにより記憶された複数の定義ファイルの中から選択する第2の選択手段と、
前記第2の選択手段により選択された前記定義ファイルに記述された表示名を、前記内容情報が未設定である項目の名称として表した警告画像を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記警告画像を表示する表示デバイスとを具備することを特徴とするラベルプリンタ
【請求項2】
前記第1および第2の記憶デバイスの少なくとも一方をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記生成手段は、前記編集画像とは別の画像として前記警告画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記生成手段は、前記第2の選択手段により選択された前記定義ファイルに記述された表示名のオブジェクトの前記編集画像における表示形態を通常とは異ならせることによって前記編集画像を流用して前記警告画像を生成することを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記第1の選択手段は、前記複数の項目名のうちで前記内容情報を関連付けることを必須とすることが予め定められた一部の項目名に前記内容情報が関連付けられていない場合にのみ、当該項目名を含んだ前記項目ファイルを前記第1の記憶デバイスにより記憶された複数の項目ファイルの中から選択することを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
ラベルへのプリント対象となる複数の項目のそれぞれを識別するための複数の項目名の1つと、当該項目に関する前記ラベルへのプリント内容を表す内容情報について定義する定義情報とをそれぞれが含んだ複数の項目ファイルを記憶する第1の記憶デバイスと、
前記項目への前記内容情報の関連付けを編集するための編集画像内のオブジェクトに関連付けて、当該オブジェクトの前記編集画像内での表示名と、前記複数の項目ファイルの個々を識別するための識別情報の1つとを含んだ定義ファイルを記憶する第2の記憶デバイスとにアクセス可能であるとともに、
前記複数の項目名に関連付けて前記内容情報をそれぞれ記述可能な設定テーブルを記憶する第3の記憶デバイスと、
警告画像を表示する表示デバイスと、
コンピュータとを具備したラベルプリンタを制御する制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の項目のそれぞれに関して、当該項目を識別するための項目名とともに前記項目ファイルに含まれた前記定義情報に従い、使用者による前記編集画像に基づく操作に応じて判定した前記内容情報を前記設定テーブルに書き込む書込手段と、
前記設定テーブルにて前記内容情報が関連付けられていない項目名が存在する場合に、当該項目名を含んだ前記項目ファイルを前記第1の記憶デバイスにより記憶された複数の項目ファイルの中から選択する第1の選択手段と、
前記第1の選択手段により選択された前記項目ファイルの識別情報を含んだ定義ファイルを前記第2の記憶デバイスにより記憶された複数の定義ファイルの中から選択する第2の選択手段と、
前記第2の選択手段により選択された前記定義ファイルに記述された表示名を、前記内容情報が未設定である項目の名称として表した画像として前記警告画像を生成する生成手段としてそれぞれ機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ラベルプリンタおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、複数の項目に関してそれぞれ設定された内容を所定のフォーマットで配置してラベルデータ(画像データ)を生成し、このラベルデータをラベルにプリントする。
【0003】
このようなラベルプリンタのなかには、プリントすることが必須である項目についての内容が設定されていない場合におけるプリントを禁止する機能を有するものがある。ところが、上記の機能によってプリントが行われない場合に、どの項目の設定がなされていないためにプリントが行われないのかを使用者が判断するのが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−53644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、設定すべき項目を使用者に分かり易く提示するラベルプリンタおよびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のラベルプリンタは、ラベルへのプリント対象となる複数の項目のそれぞれを識別するための複数の項目名の1つと、当該項目に関するラベルへのプリント内容を表す内容情報について定義する定義情報とをそれぞれが含んだ複数の項目ファイルを記憶する第1の記憶デバイスと、項目への内容情報の関連付けを編集するための編集画像内のオブジェクトに関連付けて、当該オブジェクトの編集画像内での表示名と、複数の項目ファイルの個々を識別するための識別情報の1つとを含んだ定義ファイルを記憶する第2の記憶デバイスとにアクセス可能であり、第3の記憶デバイス、書込手段、第1の選択手段、第2の選択手段、生成手段および表示デバイスを備える。第3の記憶デバイスは、複数の項目名に関連付けて内容情報をそれぞれ記述可能な設定テーブルを記憶する。書込手段は、複数の項目のそれぞれに関して、当該項目を識別するための項目名とともに項目ファイルに含まれた定義情報に従い、使用者による編集画像に基づく操作に応じて判定した内容情報を設定テーブルに書き込む。第1の選択手段は、設定テーブルにて内容情報が関連付けられていない項目名が存在する場合に、当該項目名を含んだ項目ファイルを第2の記憶手段により記憶された複数の項目ファイルの中から選択する。第2の選択手段は、第1の選択手段により選択された項目ファイルの識別情報を含んだ定義ファイルを第3の記憶デバイスにより記憶された複数の定義ファイルの中から選択する。生成手段は、第2の選択手段により選択された定義ファイルに記述された表示名を、内容情報が未設定である項目の名称として表した警告画像を生成する。表示デバイスは、生成手段により生成された警告画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るラベルプリンタの構成を示すブロック図。
図2図1中の設定テーブルの一例の模式図。
図3図1中の項目ファイルの一例の模式図。
図4図1中の定義ファイルの一例の模式図。
図5図1中のCPUのプリント制御処理におけるフローチャート。
図6】商品情報に含まれた情報を書き込んだのちの設定テーブルの状態を示す模式図。
図7】一例としての編集画像を示す図。
図8】一例としての選択画像を示す図。
図9】更新されたのちの設定テーブルの模式図。
図10】一例としての編集画像を示す図。
図11】一例としての警告画像を示す図。
図12】対比例としての警告画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係るラベルプリンタ1の構成を示すブロック図である。ラベルプリンタ1は、CPU(central processing unit)10、ROM(read only memory)11、RAM(random access memory)12、補助記憶デバイス13、時計部14、通信インタフェース(通信I/F)15、キーボード16、タッチパネル17、プリントデバイス18、計量器19およびシステムバス20を含む。システムバス20は、CPU10と、ROM11、RAM12、補助記憶デバイス13、時計部14および通信インタフェース15とを接続する。またシステムバス20は、図示しない入出力回路を介して、CPU10と、キーボード16、タッチパネル17、プリントデバイス18および計量器19とを接続する。
【0010】
コンピュータの中枢部分に相当するCPU10は、プログラムに従い種々の情報演算処理を実行する。
【0011】
上記コンピュータの主記憶部分に相当するROM11は、上記プログラム等の固定的なデータを記憶する。ROM11が記憶するプログラムの1つは、後述するプリント制御処理について記述したプリント制御プログラムである。プリント制御処理は、ラベルプリンタ1でのラベルのプリントのための動作を制御するための処理である。
【0012】
同じく上記コンピュータの主記憶部分に相当するRAM12は、プリントデータ等の可変的なデータを記憶する。RAM12の記憶領域の一部は、設定テーブル12aとして使用される。つまりRAM12は、第3の記憶デバイスとして機能する。
【0013】
図2は設定テーブル12aの一例の模式図である。
【0014】
設定テーブル12aは、ラベルへのプリント対象となる複数の項目のそれぞれを識別するための項目名31に関連付けて、当該項目に関する前記ラベルへのプリント内容を表す内容情報を記述する領域33を設けている。また設定テーブル12aは、項目名31に関連付けてフラグFを設定する領域32を含む。フラグFは、内容情報を設定することを必須とするか否かを表す。ここでは、フラグFが「1」である場合に内容情報を設定することを必須とする。フラグFは、設計者または使用者により任意に設定される。なお図2は、領域33のいずれにも、内容情報が書き込まれていない初期状態を表している。
【0015】
上記コンピュータの補助記憶部分に相当する補助記憶デバイス13は、固定的なデータや可変的なデータを書き換え可能に記憶する。補助記憶デバイス13としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などが適用できる。補助記憶デバイス13は、上記のプログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス13が記憶するデータのなかには、複数の項目ファイル13aと、少なくとも1つの定義ファイル13bとが含まれる。つまり補助記憶デバイス13は、第1および第2の記憶デバイスとして機能する。
【0016】
図3は項目ファイル13aの一例の模式図である。
【0017】
項目ファイル13aは、ファイル番号41、ファイル名42および定義情報43を含む。ファイル番号は、複数の項目ファイル13aの個々を識別するための識別情報である。ファイル名42は、ラベルへのプリント対象となる複数の項目の項目名の1つが割り当てられる。定義情報43は、ファイル名42として割り当てられた項目名の項目に関連付ける内容情報について定義する情報である。図3の例で定義情報43は、内容情報となり得る情報の選択肢を表している。つまり図3に示す項目ファイル13aは、「補助品名1」という項目に関して、定義情報43が表す選択肢のうちの1つの情報が内容情報として設定され得ることを表す。
【0018】
図4は定義ファイル13bの一例の模式図である。
【0019】
定義ファイル13bは、GUI(graphical user interface)画像内のオブジェクトについての定義を表したデータファイルである。図4では、オブジェクトの一例である複数のキーのそれぞれに関連した複数の情報群51を含む。情報群51は、表示名51a、ファイル番号51b、キーサイズ51c、キー色51d、文字サイズ51eおよび文字色51fを含む。表示名51aは、GUI画像中において該当キーに表示する名称を表す。ファイル番号51bは、複数の項目ファイル13aの1つのファイル番号41を表す。キーサイズ51cは、該当キーの大きさを表す。キー色51eは、GUI画像内での該当キーの表示色を表す。文字サイズ51eは、該当キー内に表示する文字の大きさを表す。文字色51fは、該当キー内における文字の表示色を表す。
【0020】
時計部14は、現在の日付および時刻を計時する。
【0021】
通信インタフェース15は、LAN(local area network)やインターネット等の通信ネットワーク2を介しての通信のための処理を行う。通信インタフェース15の通信対象の1つは、サーバ3である。サーバ3は、品番、品名、単価などの商品に関する各種の情報を含んだ商品情報を管理するPOSサーバなどである。
【0022】
キーボード16は、テンキー、クリアキー、実行キー等のラベル発行に必要な種々のキーを配列したもので、使用者による指示を入力する。
【0023】
タッチパネル17は、表示デバイス17aおよびタッチセンサ17bを含む。表示デバイス17aは、GUI画像などの任意の画像を表示する。タッチセンサ17bは、表示デバイス17aの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサ17bは、GUI画像に基づく使用者の指示を入力する。
【0024】
プリントデバイス18は、ラベルにラベルデータをプリントする。具体的には、プリントデバイス18は、帯状の台紙上に粘着層を介して等間隔でラベルが配置されたラベル用紙を搬送する。ラベル用紙の搬送経路途中には、プリントヘッドとプラテンとがラベル用紙を挟んで対向して配置されている。プリントヘッドは、ラベルにラベルデータをプリントする。ラベルデータがプリントされたラベルは、プリントヘッドよりも下流側で台紙から剥がれ、ラベル発行口から排出される。
【0025】
計量器19は、商品を計量する。商品には、内容量に係らず価格が一定の定額商品と、内容量に応じて価格が変動する不定額商品とがある。このうちの不定額商品についての価格を算出するための情報を得るために計量器19が使用される。
【0026】
以上のように構成されたラベルプリンタ1の譲渡は一般に、プリント制御プログラムがROM11または補助記憶デバイス13に記憶された状態にて行われる。しかし、プリント制御プログラムがROM11または補助記憶デバイス13に記憶されない状態のラベルプリンタ1とプリント制御プログラムとが個別に譲渡されても良い。そして、補助記憶デバイス13に、ユーザなどの操作に応じてプリント制御プログラムが書き込まれても良い。プリント制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して行うことができる。
【0027】
次に以上のように構成されたラベルプリンタ1の動作について説明する。
【0028】
図5はプリント制御処理におけるCPU11のフローチャートである。
【0029】
まずラベルプリンタ1が待機状態にあるときにCPU11は、使用者による動作モードの選択がなされるのを待ち受けている。そして、ラベルの印刷を行うための発行モードが使用者により選択されると、CPU11はROM11または補助記憶デバイス13に記憶されたプリント制御プログラムに従ってプリント制御処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0030】
Act1においてCPU11は、表示デバイス17aを制御し、商品を使用者に選択させるための選択画像を表示する。
【0031】
Act2においてCPU11は、使用者により商品が選択されるのを待ち受ける。そして商品が選択されたならばCPU11は、Act3へ進む。
【0032】
Act3においてCPU11は、通信インタフェース15を制御し、使用者により選択された商品に関する商品情報をサーバ3から取得する。CPU11は、取得した商品情報をRAM12に保存する。またCPU11は、取得した商品情報のうちで設定テーブル12aに含まれた項目名に関連する情報を、該当する項目名についての内容情報として設定テーブル12aに書き込む。
【0033】
図6は商品情報に含まれた情報を領域33に書き込んだのちの設定テーブル12aの状態を示す模式図である。
【0034】
図6では、「品番」および「品名」なる項目名に関連付けられた領域33a,33bには、それぞれ「123456」および「牛肩ロースしゃぶしゃぶ用」という内容情報が書き込まれている。しかし、「補助品名1」および「補助品名2」なる項目名の項目に関連する情報が商品情報に含まれなかったために、これらの項目名に関連付けられた領域33c,33dには内容情報が書き込まれていない。
【0035】
Act4においてCPU11は、編集画像としてのGUI画像を生成し、表示デバイス17aを制御してこの編集画像を表示する。例えばCPU11は、予め定められた編集画像の基本フォーム中に定義ファイル13bで定義された複数のオブジェクトを配置するとともに、設定テーブル12aに含まれた情報に基づく画像を展開して編集画像を生成する。
【0036】
図7は一例としての編集画像60を示す図である。
【0037】
編集画像60は、定義ファイル13bが図4に示す状態にあり、かつ設定テーブル12aが図6に示す状態にある場合の例である。
【0038】
編集画像60内のキー61が「キーNo.6」のキーである。図4に示す通り、定義ファイル13bでは「キーNo.6」についての情報群51には表示名が「産地」として定義されているので、キー61には「産地」と表示されている。一方、図4に示す通り、定義ファイル13bでは「キーNo.6」についての情報群51にはファイル番号が「5」と定義されているが、ファイル番号が「5」である項目ファイル13aのファイル名42は図3に示す通り「補助品名1」である。「補助品名1」なる項目名に関して、設定テーブル12aでは内容情報が未設定である。このため、キー61内の内容情報を表す領域61aは空欄となっている。
【0039】
Act5においてCPU11は、編集画像60内のレイアウト領域62がタッチされたか否かを確認する。そして、レイアウト領域62がタッチされていないためにNOと判定したならばCPU11は、Act6へ進む。
【0040】
Act6においてCPU11は、レイアウト領域62以外の領域がタッチされたか否かを確認する。そして、該当する領域がタッチされていないためにNOと判定したならばCPU11は、Act7へ進む。
【0041】
Act7においてCPU11は、印刷の開始条件が成立したか否かを確認する。そして開始条件が成立していないためにNOと判定したならばCPU11は、Act5に戻る。
【0042】
かくしてAct5〜Act7においてCPU11は、レイアウト領域62またはその他の領域がタッチされるか、あるいは開始条件が成立するのを待ち受ける。そして、レイアウト領域62がタッチされたためにAct5にてYESと判定したならばCPU11は、Act8へ進む。
【0043】
Act8においてCPU11は、レイアウト領域62内に配置された複数のキーのいずれがタッチされたのかを判定する。
【0044】
Act9においてCPU11は、Act8で判定したキーに関する定義情報に応じた処理を実行する。具体的にCPU11は、Act8で判定したキーについての情報群51に含まれたファイル番号で識別される項目ファイル13aを選択し、当該項目ファイル13aによる定義に応じた処理を実行する。例えば、タッチされたのが「キーNo.6」のキーであるならば、CPU11は図4に示す定義ファイル13bに基づいてファイル番号が「5」である項目ファイル13aを選択する。当該項目ファイル13aは、定義情報43に表された選択肢のうちの1つを「補助品名1」なる項目名の項目についての内容情報とするべきことを定義する。そこでCPU11は、図3に示す項目ファイル13aの定義情報43が表す選択肢のうちの1つを使用者に選択させるための選択画像としてのGUI画像を生成し、表示デバイス17aを制御してこの選択画像を表示する。例えばCPU11は、予め定められた選択画像の基本フォーム中に項目ファイル13aに表された選択肢を表す画像を展開して選択画像を生成する。
【0045】
図8は一例としての選択画像70を示す図である。
【0046】
選択画像70は、図3に示す項目ファイル13aに基づくものである。
【0047】
そしてCPU11は、選択画像における使用者の操作によっていずれか1つの選択肢が選択されると、この選択された選択肢を、選択している項目ファイル13aのファイル名42と同一の項目名に関する内容情報として設定テーブル12aに書き込む。かくして、例えば図8における「青森県産」と示された領域を使用者がタッチしたとすると、CPU11は設定テーブル12aにおける「補助品名1」なる項目名に関連付けられた領域33cに「2:青森県産」と書き込む。
【0048】
図9は上記のように更新されたのちの設定テーブル12aの模式図である。
【0049】
Act9の処理を終えたならばCPU11は、Act5〜Act7の待ち受け状態に戻る。
【0050】
なお、表示デバイス17aは、設定テーブル12aが更新されたならば、この設定テーブル12aの更新に従って編集画像を更新する。
【0051】
図10は一例としての編集画像80を示す図である。
【0052】
編集画像80は、設定テーブル12aが図9に示すように更新されたことに従って、キー61内の内容情報を表す領域61aに「2」と表示するように編集画像60から更新されている。
【0053】
一方で、CPU11がAct5〜Act7の待ち受け状態にあるときにレイアウト領域62以外の領域がタッチされたならば、CPU11はAct6にてYESと判定し、タッチされた領域に応じた処理へと移行する。
【0054】
CPU11がAct5〜Act7の待ち受け状態にあるときに、開始条件が成立したならば、CPU11はAct7にてYESと判定し、Act10へと進む。なお、開始条件は任意であって良い。一例としては、使用者によってセットされた商品の計量器19による計量が完了した場合に開始条件が成立する。
【0055】
Act10においてCPU11は、設定することが必須でありながら内容情報が設定されていない項目(以下、未設定項目と称する)があるか否かを確認する。具体的にはCPU11は、設定テーブル12aにおいてフラグFが「1」にセットされていながら内容情報が関連付けられていない項目名が1つでも存在するか否かを確認する。そして、ここでNOと判定したならばCPU11は、Act11に進む。
【0056】
Act11においてCPU11は、プリントデバイス18を制御してラベルを印刷する。具体的には、設定テーブル12aに記述された内容情報を表した画像を予め定められたラベルフォーム中に展開してラベルデータを生成する。そしてCPU11は、このように生成したラベルデータをラベルに印刷するようにプリントデバイス18を制御する。そしてこののちにCPU11は、Act5〜Act7の待ち受け状態に戻る。
【0057】
さて、未設定項目が有るためにAct10においてYESと判定したならばCPU11は、Act12へ進む。例えば、設定テーブル12aが図6に示す状態にあるならば、「補助品名1」なる項目名に関して、フラグFが「1」にセットされていながら、内容情報は関連付けられていない。従ってこのようなケースでは、CPU11はAct10にてYESと判定する。
【0058】
Act12においてCPU11は、複数の項目ファイル13aのうちから、未設定項目の項目名を含むものを全て選択する。例えば、設定テーブル12aが図6に示す状態にある場合、CPU11は図3に示す項目ファイル13aを選択する。
【0059】
Act13においてCPU11は、少なくとも1つの定義ファイル13bのうちから、上記の選択した項目ファイル13aのファイル番号を含むものを全て選択する。例えば、上述したように図3に示す項目ファイル13aを選択しているならば、CPU11は図4に示す定義ファイル13bを選択する。
【0060】
Act14においてCPU11は、未設定項目が有るために印刷を行うことができないことを使用者に報知するための警告画像を表したGUI画像を生成し、表示デバイス17aを制御してこの警告画像を表示する。例えばCPU11は、上記の選択した定義ファイル13bを参照し、Act12で選択した項目ファイル13aのファイル番号が関連付けられたキーの表示名を判定する。そしてCPU11は、この判定した表示名についての内容情報の設定がなされていないことを警告画像にて表す。例えばCPU11は、図3に示す項目ファイル13aと図4に示す定義ファイル13bとを選択しているのならば、定義ファイル13bにて項目ファイル13aのファイル番号である「5」とともに同一の情報群51に含まれた表示名である「産地」を判定する。そしてCPU11は、この「産地」についての内容情報の設定がなされていないこと警告画像にて表す。
【0061】
図11は一例としての警告画像90を示す図である。
【0062】
警告画像90は、上述した具体例に対応したものであり、「産地が未設定」なる文字メッセージ91によって、印刷できない原因が「産地」についての内容情報が設定されていないためであることを表している。
【0063】
なお図11においては、図7に示した編集画像60に重ねて警告画像90を表示している様子を示している。
【0064】
図11に示すように、警告画像90はボタン92を含む。使用者は、警告画像90に示された情報を確認したならば、ボタン92をタッチする。ボタン92は、内容が異なる別の警告画像にも含まれる。
【0065】
Act15においてCPU11は、警告画像を表示した状態で、当該警告画像を閉じることが要求されるのを待ち受ける。そして、ボタン92がタッチされたことに応じてCPU11は、Act15にてYESと判定する。そしてこの場合にCPU11は、Act16へ進む。
【0066】
Act16においてCPU11は、表示デバイス17aを制御し、警告画像の表示を終了する。そしてこののちにCPU11は、Act5〜Act7の待ち受け状態に戻る。
【0067】
以上のようにラベルプリンタ1では、設定画像におけるキー61は、関連付ける定義ファイル13bを変更することで、キー61をタッチすることにより内容情報の設定を行うことが可能な項目や、その項目に関連付ける内容情報を適宜に変更することが可能である。そしてこのような変更を行っても、キー61の機能を使用者が分かり易いように、キー61の表示名を任意に変更することが可能である。しかしながらこの結果として、キー61の表示名と、キー61をタッチしたのちに設定された内容情報が関連付けられる項目の項目名とが異なる場合がある。このようなケースで、項目名により内容情報が未設定である項目を警告画像にて表すと、使用者はどのキーをタッチして内容情報の設定を行えば良いのかを判断することが困難となる。
【0068】
図12は対比例としての警告画像100を示す図である。
【0069】
警告画像100は、文字メッセージ91の代わりに文字メッセージ101を表している点において警告画像90と異なる。文字メッセージ101は、設定テーブル12aのみに基づいて「補助品名1が未設定」としたものである。
【0070】
警告画像100の場合、「補助品名1」が編集画像には表示されないために、「補助品名1」についての内容情報を設定するためにキー61を押すべきであることを使用者が判断することが難しい。しかしながら、警告画像90では「産地が未設定」と表され、編集画像には「産地」と表示されたキー61が存在するので、使用者はキー61を押して内容情報の設定を行えば良いことを容易に認識できる。
【0071】
かくしてラベルプリンタ1によれば、設定すべき項目を使用者に分かり易く提示することが可能である。
【0072】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0073】
警告画像を表示するのに変えて、あるいは警告画像の表示を終了した後において、前記実施形態のように判定した表示名のキーの表示形態を予め定めた警告用の表示形態としても良い。警告用の表示形態は、通常の表示形態とは使用者が区別できるものであれば如何なるものであっても良い。例えば、キーおよび文字の少なくともいずれか一方の表示色を警告用に定められた色としたり、キーおよび文字の少なくともいずれか一方を点滅表示とすることが考えられる。
【0074】
補助記憶デバイスを複数備えて、項目ファイル13aと定義ファイル13bとをそれぞれ別々の補助記憶デバイスに記憶しても良い。設定テーブル12aは、補助記憶デバイス13に記憶しても良い。つまり、第1〜第3の記憶デバイスは、それぞれ個別のデバイスを利用して実現しても良いし、任意の2つまたは3つを同一の記憶デバイスを共用して実現しても良い。
【0075】
項目ファイル13aおよび定義ファイル13bの少なくともいずれか一方は、ラベルプリンタ1に外付けされた記憶デバイスや、通信ネットワーク2を介してアクセス可能な記憶デバイスに記憶しておいても良い。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…ラベルプリンタ、2…通信ネットワーク、3…サーバ、10…CPU、11…ROM、12…RAM、12a…設定テーブル、13…補助記憶デバイス、13a…項目ファイル、13b…定義ファイル、14…時計部、15…通信インタフェース、16…キーボード、17…タッチパネル、17a…表示デバイス、17b…タッチセンサ、18…プリントデバイス、19…計量器。
図1
図2
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図12