(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750467
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】切り離し可能なカウンタウェイトアセンブリを備えた車載型クレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 23/76 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
B66C23/76 A
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-41854(P2013-41854)
(22)【出願日】2013年3月4日
(65)【公開番号】特開2013-212929(P2013-212929A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年4月12日
(31)【優先権主張番号】10 2012 006 494.2
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507186322
【氏名又は名称】マニトワック・クレーン・グループ・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】Manitowoc Crane Group France SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】ディーター・シュトゥールヴォルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・メイヴァルド
【審査官】
筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−120681(JP,U)
【文献】
実開昭57−056689(JP,U)
【文献】
実開平03−065766(JP,U)
【文献】
特開2008−063880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 − 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載型クレーンであって、
台車と、
前記台車上に旋回可能に搭載されたターンテーブル(1)と、
前記ターンテーブル(1)上に搭載され、水平軸周りに傾斜可能であるジブ(2)と、 前記ターンテーブル(1)上に搭載され、前記ターンテーブル(1)に対して移動可能であるカウンタウェイトアセンブリ(3)と、
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)の位置を前記ジブ(2)の傾斜角と機械的に連動させる連結手段(4)と、
を備え、
前記連結手段(4)は、切り離すことができ、かつ前記ジブ(2)からの圧力を受けて前記カウンタウェイトアセンブリ(3)に伝達し、前記カウンタウェイトアセンブリ(3)からの圧力を受けて前記ジブ(2)に伝達するように構成された
ことを特徴とする車載型クレーン。
【請求項2】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)の移動は、水平方向または鉛直方向の移動である
ことを特徴とする請求項1に記載の車載型クレーン。
【請求項3】
前記連結手段(4)は、少なくとも一つの連結棒(5、6)を有するリンクを備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項4】
第1の連結棒(5)は、該第1の連結棒(5)の少なくとも一つの第1の力接触部(7)が第2の力接触部(8)から離間するように構成された
ことを特徴とする請求項3に記載の車載型クレーン。
【請求項5】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)は、カウンタウェイトブロックと、該カウンタウェイトブロックを搭載する台板(13)と、該台板(13)の下方に配置され、前記第1の連結棒(5)が回転可能に取り付けられた支持板(14)と、前記台板(13)と前記支持板(14)の間に配設された昇降シリンダと、を有し、該昇降シリンダを下降させることにより、前記支持板(14)を下げることで、前記第2の力接触部(8)から前記第1の力接触部(7)を離間させるように構成された
ことを特徴とする請求項4に記載の車載型クレーン。
【請求項6】
前記第2の力接触部(8)が係合できるようにするため、分離可能な前記第1の力接触部(7)はフォーク状形状に構成された
ことを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項7】
前記ジブ(2)を外側へ傾斜させることで、前記カウンタウェイトアセンブリ(3)と前記ジブの前記水平軸との間の水平距離が長くなり、及び/または、前記カウンタウェイトアセンブリ(3)の垂直位置が高くなるように、前記連結手段(4)が構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項8】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)の動作は、旋回動作である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項9】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)は、前記ターンテーブル(1)上に吊した状態で搭載される
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項10】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)は、少なくとも二つの振子式支柱(10)によって取り付けられ、前記振子式支柱(10)は、少なくとも部分的に水平方向に突出する少なくとも一つの支持アーム(11)に作用する
ことを特徴とする請求項9に記載の車載型クレーン。
【請求項11】
前記第2の力接触部(8)がその上に形成された、少なくともひとつの第2の連結棒(6)を備える
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項12】
前記ジブ(2)が前記ターンテーブル(1)に対して傾斜するとき、前記ターンテーブル(1)に対して固定された支持点上に搭載された、少なくとも一つの案内支持体(12)によって、少なくとも一つの前記第2の連結棒(6)の動きが案内され、前記案内支持体(12)は、前記第2の力接触部(8)の近くで前記第2の連結棒(6)に作用する
ことを特徴とする請求項11に記載の車載型クレーン。
【請求項13】
離間可能な前記第1の力接触部(7)を含む前記第1の連結棒(5)は、前記カウンタウェイトアセンブリ(3)上に搭載され、及び/または、前記第2の連結棒(6)は前記ジブ(2)上に搭載される
ことを特徴とする請求項4から請求項12のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【請求項14】
前記カウンタウェイトアセンブリ(3)は、前記ターンテーブル(1)に対して異なる位置に固定されるように構成された
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の車載型クレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジブの傾斜位置に応じてカウンタウェイトアセンブリの位置が決まるように、カウンタウェイトアセンブリが連結手段によってジブに連結された車載型クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
ジブにかかる負荷によってターンテーブルに作用するモーメントを相殺するか少なくとも低減するため、車載型クレーンのターンテーブル上にカウンタウェイトを配置することは、従来技術から知られている。また、ジブへの様々な負荷条件に対応するため、ターンテーブルに対して位置を変更可能なカウンタウェイトを備えた車載型クレーンは、従来技術から知られている。
【0003】
文献1は、油圧シリンダによってカウンタウェイトをターンテーブルに対して移動可能であり、コンピュータ制御によってカウンタウェイトの位置が決定される車載型クレーンを開示している。しかし、このような油圧システムは、比較的維持費がかさみ、比較的重く、例えば漏れやコンピュータ制御エラーに起因する誤動作を完全に排除できない。
【0004】
文献2は、ジブとカウンタウェイトアセンブリを含む可動作業台を開示している。この場合、ターンテーブルに対するカウンタウェイトアセンブリの位置は、レバー機構、油圧シリンダまたはモータによって、ジブの傾斜角に対して固定されている。しかし、ジブの傾斜軸に近接する提案されたカウンタウェイトアセンブリは、車載型クレーンにはあまり適していない。その理由は、カウンタウェイトが大きくならざるを得ないが、道路交通のための車載型クレーンの最大許容重量は限られていおり、そのためにはどこかで重量を減らす必要があり、結果的に車載型クレーンの作業負荷が減少することになるからである。
しかし、カウンタウェイトをジブの傾斜軸からさらに離して配置すると、ジブを外側に最大限傾斜させた際にカウンタウェイトは後方の非常に遠い所へ動かされるため、クレーンの可動範囲が制限されるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0099421号明細書
【特許文献2】米国特許第6341665号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の課題の少なくとも一部を解決する車載型クレーンを提供することである。この目的は、独立請求項1の発明の主題によって解決される。従属請求項2から15は、本発明に従って発明の主題を有利に発展させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車載型クレーンは、
台車と、
前記台車上に旋回可能に搭載されたターンテーブルと、
前記ターンテーブル上に搭載され、水平軸周りに傾動可能であるジブと、
前記ターンテーブル上に搭載され、前記ターンテーブルに対して移動可能であるカウンタウェイトアセンブリと、
前記カウンタウェイトアセンブリの位置をジブの傾斜角と機械的に連動させる連結手段と、
を備え、
前記連結手段は、切り離し可能に具体化されている。
【発明の効果】
【0008】
換言すれば、連結手段が連結されているときは、カウンタウェイトアセンブリの位置はジブの傾斜角に対して固定され、連結手段が切り離されているときは、傾斜角を変えてもカウンタウェイトアセンブリの位置は変わらないままである。このように、ジブを外側へ傾動するにつれてカウンタウェイトによって次第に逆モーメントが大きくなる連結状態と、ターンテーブルに対するカウンタウェイトアセンブリの位置が固定されたままで、クレーンを制限された領域内で使用できるようにする切り離し状態と選択できる。また、好ましい実施形態に従って、クレーンの作動中、すなわち、組み立てられているときに限らず、切り離しを可能にすべきである。
【0009】
ここで使われる「機械的に連動させる」という用語は、本発明に従って、カウンタウェイトアセンブリの位置は、直接的に、すなわちジブとカウンタウェイトアセンブリの物理的相互作用だけに基づいて、ジブの傾斜角に応じて決められるという事実を表現することを目的としている。そのため、例えばジブの傾斜角のセンサシステムと共にコンピュータによって、カウンタウェイトアセンブリの独立した位置制御は不要であり、それにより、連結手段の欠陥の可能性を大幅に減少させる。
【0010】
機械的連結のように、ジブからカウンタウェイトアセンブリへ及びその逆に、カウンタウェイトアセンブリの動作に必要な力を伝達可能な任意の手段が原理上考えられる、すなわち換言すると、本発明に従った連結手段は、ジブからカウンタウェイトアセンブリへの力と、カウンタウェイトアセンブリからジブへの力を伝達する、ジブとカウンタウェイトアセンブリとの間の力伝達手段である。
【0011】
好ましい実施態様によれば、連結手段は、ジブとカウンタウェイトアセンブリからの力、特に圧力、具体的には圧力のみを受けて、それをカウンタウェイトアセンブリまたはジブへそれぞれ伝えるように具体化されている。
【0012】
この課題を達成するため、レバー機構及びギア、または、例えばケーブルウィンチ、チェーンブロック及び当業者に公知であってこの課題に適した類似装置等の引張力を伝達する構成要素も考えられる。一方で、ジブとカウンタウェイトアセンブリとの間で力を伝達する油圧結合も考えられる。このように、従来技術とは違って、必要な力及び/または圧力は、油圧ポンプによってではなく、カウンタウェイトアセンブリ及びジブによって直接的に、例えばピストンに作用するこれらの重量の力によって発生する。
【0013】
他の好ましい実施形態によれば、カウンタウェイトアセンブリの動作は水平または鉛直方向の動作、特に、水平及び垂直方向の動作である。カウンタウェイトアセンブリの動きが水平方向のみの場合、ジブのモーメントに対向してカウンタウェイトアセンブリがターンテーブルに作用するモーメントのみが変化する。しかし、垂直移動により、カウンタウェイトアセンブリの運動エネルギ及び/または位置エネルギが増加又は減少する。すなわち、後者の場合、カウンタウェイトアセンブリを上昇するために消費したエネルギを回収し、例えば、それをジブをたたみ込むために利用でき、その結果、ジブをたたみ込むのに要する力(この力は、そのために設けられた油圧モータにより消費される。)の一部を省くことができる。
【0014】
このような実施形態は省エネルギにも有利になり、ジブの傾動に必要な手段を必要に応じてより小さくして軽くすることができる。これによって、同様に、クレーンの固有重量が減少して固有重量に対する積載量の比率が増加する。
【0015】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、連結手段は少なくとも一つの連結棒を含むリンクを備えている。このような連結棒は、圧力を受けるのに適しており、ジブとカウンタウェイトアセンブリとの間の力伝達器として機能する。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、連結手段リンクの少なくとも一つの連結棒は、連結棒の少なくとも一つの力接触部を対応する力接触部から離間できるように具体化されている。力接触部は、力が連結棒に伝達され、及び/または、連結棒から伝達される連結棒上の点を意味するものとわかる。連結棒の力接触部を対応する力接触部、すなわち、連結棒の力接触部に連結される他の力接触部から離間すると、そのとき対応する力接触部間では力が伝達できないため、連結手段が切り離される。
【0017】
例えば、連結棒の長手軸に沿って互いにねじ込まれた2つの連結棒部分の間の螺合によって連結棒の軸方向の伸びを縮めることで対応する力接触部を離間することが原理的には考えられる。しかし、他の実施形態に従って、連結棒は、連結棒の他の力接触部の周りで回転及び/または旋回されるのが特に好ましい。換言すると、連結棒はこのように旋回して「引き離される」。択一的にまたは追加的に、例えばカウンタウェイトアセンブリの支持板上に配置可能な力接触部を下降または上昇させて連結棒を上昇または下降させることができる。
【0018】
対応する力接触部をできるだけ容易かつ簡単に離間するため、他の好ましい実施例ではフォーク状に具体化されている。この場合、例えばボルト状の対応する力接触部がフォーク状の力接触部に係合できる。一方で同様に、連結棒の力接触部をボルト状にして対応する力接触部をフォーク状に実施することが考えられる。
【0019】
上述の本発明の長所を生かすため、特に好ましい実施形態では、連結手段は、ジブを外側に傾動することでカウンタウェイトアセンブリとジブの傾斜軸との間の水平距離が長くなり、及び/または、カウンタウェイトアセンブリの鉛直位置が上昇するように具体化されている。つまり、ジブが外側へ傾斜するとカウンタウェイトによって生じる逆モーメントが増加し、及び/または、ジブが外側へ傾斜する際に放出されるジブのポテンシャルエネルギが、カウンタウェイトの位置の上昇によって「保存」され、その後ジブを内側へ傾斜させるのに再び利用できる。ジブの傾斜軸からの水平距離を長くすることと、カウンタウェイトアセンブリの上下位置を上昇させることを組み合わせるのが特に好ましい。
【0020】
また、カウンタウェイトアセンブリの旋回動作、すなわち、カウンタウェイトアセンブリの回転動作/並進動作の組み合わせは特に好ましい。これは、例えばカウンタウェイトアセンブリをターンテーブル上に吊して取り付けることで実現できる。このために、例えば、少なくとも部分的に水平方向に突出する少なくとも一つの支持アームに作用する、例えば、少なくとも2つの振子式支柱を設けることができる。
【0021】
連結棒の力接触部がジブまたはカウンタウェイトアセンブリに直接的に作用すること、すなわち、対応する力接触部がジブまたはカウンタウェイトアセンブリ上に直接的に形成されることが原理的には考えられるが、対応する力接触部が追加連結棒に形成されること、すなわち、少なくとも2本の連結棒がカウンタウェイトアセンブリとジブとの間に直列に接続されることが好ましい。
【0022】
それから、ジブをターンテーブルに対して傾動する際に、特に、ターンテーブルに対して固定された支持点上に搭載された、少なくとも一つの案内支持体によって、少なくとも一つの追加連結棒の動作が案内されるならば特に都合が良い。案内支持体は、特に対応する力接触部の近くで追加連結棒に作用する、すなわち言い換えれば、連結手段リンクが切り離し状態であるときも追加連結棒は案内され、ターンテーブル上に搭載された案内支持体によって、ターンテーブルに対する連結棒は規定動作を行う。そのため、連結手段リンクの規定動作は切り離しによって影響を受けない。
【0023】
車載型クレーン上のカウンタウェイトは、通常、ターンテーブルの最後端に搭載される。それに対して、本発明の他の好ましい実施形態は、カウンタウェイトアセンブリ上に搭載された離間できる力接触部を含む連結棒、及び/または、対応する力接触部を含む連結棒、及び/または、ジブ上に搭載された案内される連結棒を提供する。これによって、ターンテーブルの後端部での切り離しを容易にでき、原理的には反対の実施形態も考えられる。
【0024】
また、連結手段が切り離されているときにターンテーブルに対してその位置を固定するため、所定位置で固定できるようにカウンタウェイトアセンブリを具体化することが有益である。これによってカウンタウェイトアセンブリが望ましくない位置に移動するのを防止できる。ターンテーブルに対して適切な位置にカウンタウェイトアセンブリを固定できる様々な位置を設けるのが有益である。これにより、連結手段が切り離されているとき、例えばクレーンを使用中に、必要に応じて異なる位置に固定して、連結手段が切り離されているときでも、カウンタウェイトアセンブリの位置及びカウンタモーメントを変えることができる。
【0025】
以降、好ましい実施態様に基づいて本発明をより詳細に説明する。本発明は、ここに記載された特徴のいずれかを単独で及び適切に組み合わせて備えている。図面には以下のものが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に従ったカウンタウェイトアセンブリを備えた車載型クレーンのターンテーブルを示す図である。
【
図3】ジブを内側/外側へ傾けたとき、連結手段が連結された状態での
図2のターンテーブルを示す図である。
【
図4】ジブを内側/外側へ傾斜けたとき、連結手段が連結された状態での
図2のターンテーブルを示す図である。
【
図5】ジブを内側/外側へ傾斜けたとき、連結手段が切り離された状態での
図2のターンテーブルを示す図である。
【
図6】ジブを内側/外側へ傾斜けたとき、連結手段が切り離された状態での
図2のターンテーブルを示す図である。
【
図7】ターンテーブルを除いた連結手段の連結を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明に従った車載型クレーンのターンテーブル(1)を示しており、ジブ(2)はターンテーブル(1)上で水平な傾斜軸(符号を付けない)周りに取り付けられ、ターンテーブル(1)に対して前記軸周りに傾動可能である。ターンテーブル(1)の後端に示されたカウンタウェイトアセンブリ(3)は、カウンタウェイトブロック、台板及び支持板(
図1に符号を付けない)を含んでいる。
【0028】
図2のターンテーブルの上下方向の縦断面図には、支持板(14)に向かう昇降シリンダと共に台板(13)が示されており、カウンタウェイトブロック(符号を付与しない)は台板(13)上に搭載されている。また、連結棒(5)、(6)を含む連結手段(4)が示されており、連結棒(5)は支持板(14)に回転可能に取り付けられており、カウンタウェイトアセンブリ(3)の支持板(14)に作用し、ジブの下端に回転可能に取り付けられて作用する他の連結棒(6)に係合している。また、
図2だけからも明らかなように、ジブ(2)が傾斜軸周りで外側に傾動しているとき、連結棒(6)をカウンタウェイトアセンブリ(3)に向けて略水平に動かし、それに接続されている連結棒(5)を同様にカウンタウェイトアセンブリ(3)に向けて動かす。同様に、カウンタウェイトアセンブリ(3)を右に動かし、カウンタウェイトアセンブリ(3)は、後方に水平方向に突出する支持アーム(11)に固定して取り付けられ、支持アーム(11)は4つの振子式支柱(10)(そのうちの2つのみが中心縦断面によって示されている)に枢支される。この取付方法によれば、ジブ(2)が外側へ傾動すると、カウンタウェイトアセンブリ(3)が後方へジブの傾斜軸から離れるように旋回動作し、同時にカウンタウェイトアセンブリ(3)が上方に移動することは明らかである。
【0029】
これは特に
図3、
図4から明らかであり、
図3は内側に傾斜したジブ(2)を示し、
図4は外側に傾斜したジブ(2)を示している。また、これらの図は、力接触部(7)、(8)の近くで連結棒(6)に作用することによって、ジブ(2)の傾動中に2つの連結棒(5)、(6)を案内する案内支持体(12)を示している。また、ターンテーブル内の開口部(符号が付与されていない)を介した連結棒(6)の動きが示されている。
【0030】
また、
図5、
図6は、前述の
図3、
図4のように、内側及び外側に傾斜したジブをそれぞれ示しているが、この場合、連結手段(4)は切り離されている。台板(13)と支柱板(14)の間にある昇降シリンダによって下げられている支柱板(14)によって連結棒(5)を移動させることで、連結棒(6)のボルト状の対応する力接触部(8)からフォーク状の力接触部(7)を「引き離す」(unhinge)ことができ、そうなったときには、再び連結棒(6)は案内支持体(12)によって案内される。連結手段が切り離されているときにクレーンの移動によって不適切な位置の変化が生じないようにするため、支柱板(14)の降下によって同時にカウンタウェイトアセンブリが固定位置に移動される。切り離されているためジブの傾動によってカウンタウェイトアセンブリ(3)の位置は変らなくなり、その代わりに、連結棒(6)は連結手段(4)を介して自由に移動させることができる。
【0031】
図7は、ターンテーブル(1)とジブ(2)を除いた連結手段(4)の全てのレバー運動を示している。フォーク状の力接触部(7)を含む2つの連結棒(5)は、ジブの端部にある連結棒(6)のボルト状の力接点子(8)に係合し、力接触部(7)、(8)の両側に配置された2つの支持部(12)は、ジブ(2)の傾動時に、連結棒(5)、(6)が確実に案内されるようにする。