(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、従来ではトラクタ車体に作業機を着脱自在に自動連結する最後の工程で、わざわざ下部連結部を固定するのと同時に連結枠側のハーネスと作業機に搭載電気機器に接続された作業機側のハーネスとを、雄雌コネクタを介して手動で連結していた。
本発明は上記問題点に鑑み、下部連結部が自動連結固定される作業機連結装置や下部連結具の固定と分離してハーネス同士を別途自動接続するように作業機の連結位置に操作されたとき又は連結位置からはなれたときに連動して電源ハーネスも同時に自動的に着脱できることや連結枠側のハーネス端子同士の接触を防ぐ作業機連結装置の電源ハーネス連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
トラクタ車体2にリンク機構3を介して連結された連結枠31にトラクタ車体2の電源に接続される連結枠側ハーネス67
に設けられた雌コネクタ73,74を配置し、連結枠に連結される作業機1に、搭載された電気機器43に接続される作業機側ハーネス68
に設けられると共に前記雌コネクタ73,74に対向する雄コネクタ71,72を配置し、
前記連結枠31と作業機1とが連結位置に至たるときに連動して雄コネクタ71,72と雌コネクタ73,74とを嵌合する作業機連結装置の電源ハーネス連結構造であって、
前記雄コネクタ71,72及び雌コネクタ73,74は、それぞれ一対づつ設けられると共に、各雄コネクタ71,72と
各雌コネクタ73,74には夫々接続用の端子を設けており、
前記雌コネクタ73,74の雌側端子87,88
は、弾性変形により拡張可能な挟持片102から成り、
雄コネクタ71,72の雄側端子85,86は、前
記挟持片102間に挿脱自在に内嵌する棒状に形成され
、
前記各雄コネクタ71,72の外面には、後方広がり錐状の雄案内面78が形成され、
前記各雌コネクタ73の内面には、後方広がり錐状に形成されていて前記雄案内面78が挿入して嵌合する雌案内面83が設けられ、各雌案内面83の奥側に位置する雌底壁80に形成された挿通孔101内に前記雌側端子87,88が設けられ、
一方の雌コネクタ73に設けられた雌側端子87は雌側プラス端子87とされ、他方の雌コネクタ74に設けられた雌側端子88は雌側マイナス端子88とされ、雌側プラス端子87側の雌案内面83と雌側マイナス端子88側の雌案内面83とが、互いに独立して配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トラクタ車体に作業機を連結しながら、作業機の連結動作に連動して2組の雄コネクタと雌コネクタとが連結され、雄側端子と雌側端子とが自動的に接続され、トラクタ側の電源から作業機側の電気機器に電力を供給可能になる。また、トラクタ車体から作業機を取り外そうとすると、作業機の取り外し動作に連動して2組の雄コネクタと雌コネクタとの連結が外れ、雄側端子と雌側端子との接続が自動的に外れる。従って、端子同士の着脱に当たって、連結操作時に用いるリンク機構の油圧の昇降操作力だけで、
また下部連結体のロック操作に接続のための負荷をかけることなく、作業機の着脱に連動して電源ハーネスも同時に自動的に着脱でき、電気を利用する作業機において操縦者のトラクタへの乗り降りなしに電源の着脱が可能になるし、作業機着脱時の電源ハーネスの外し忘れによる電源ハーネスの切損事故もなくなる。
【0008】
しかも、2組の雄コネクタと雌コネクタを設けているので、作業機の着脱に際に誤って連結枠側の端子同士が接触するのを防ぐことができる。
また、雄コネクタと雌コネクタとの連結動作に連動して、一方の端子の挟持片で他方の端子を弾性的に挟持でき、雄側端子と雌側端子との接続を確実になし得る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2及び
図3において、1は、ロータリ耕耘作業と薬剤散布作業と施肥作業と畝立て作業とを同時作業(一工程)で一挙に行えるようにした作業機(畝成形装置)であり、この作業機1は、トラクタ車体2の後部に三点リンク機構3を介して昇降自在に装着されている。
【0011】
三点リンク機構3は、上部の1本のトップリンク28と、下部の左右一対のロワーリンク29とを備えており、トップリンク28の前端側は、トラクタ車体2の後部に取付固定された取付台30に球継手等を介して枢着され、左右ロワーリンク29の前端側はトラクタ車体2の後部に球継手等を介して枢着されている。
トップリンク28及び左右ロワーリンク29の後端側は、作業機1に連結される連結枠31に球継手等を介して枢着されている。
【0012】
トラクタ車体2の後部には、作業機昇降用の油圧装置32が設けられ、この油圧装置32は、左右一対のリフトアーム33を備え、左右のリフトアーム33は、リフトロッド34を介して左右のロワーリンク29に連結されており、左右のリフトアーム33が上下揺動することにより、三点リンク機構3が上下に揺動し、これにより、作業機1を昇降することができるようになっている。
【0013】
前記作業機1は、ロータリ耕耘装置4と、畝成形器5と、薬剤供給装置6と、施肥装置7とを備えている。
ロータリ耕耘装置4は、本実施形態では、サイドドライブ式ロータリが採用され、機枠8と、ロータリ耕耘部9と、耕耘カバー10と、左右一対のゲージ輪11を取付支持する支持フレーム12とを備えている。
【0014】
機枠8は、左右方向中央部のギヤケース14から左右にサポートアーム15を突設すると共に、左側サポートアーム15の外端に伝動ケース16を取り付け、右側サポートアーム15の外端にサイドフレームを取り付けて正面視門型に構成されている。
ギヤケース14上にはトップマスト35が固定され、このトップマスト35と左右のサポートアーム15とが、前記連結枠31に着脱自在に枢支連結されている。
【0015】
ロータリ耕耘部9は、伝動ケース16とサイドフレームとの下部間に回転自在に支持された左右方向の軸心を有する爪軸17と、この爪軸17上に軸心方向にわたって取付固定された多数の耕耘爪18とを備えて構成されており、爪軸17を軸心回りに回転駆動することにより、耕耘爪18が、爪軸17の軸心回りに回転して土中に突入し、土が耕起されると共に砕土されるように構成されている。
【0016】
また、トラクタ車体2のPTO軸19からユニバーサルジョイントを介して作業機1のPIC軸によりギヤケース14内の伝動機構に伝達されると共に、該ギヤケース14から左側サポートアーム15内の伝動軸、伝動ケース16内の伝動機構を経て伝達される動力によって爪軸17が矢示B方向に回転駆動されるようになっている。
支持フレーム12は、前端側がサポートアーム15に左右軸廻りに回動自在に枢着され、支持フレーム12の後端側には、左右方向に配置されたツールバー36を有し、このツールバー36の左右両側に取り付けられた支柱37の下端に、ゲージ輪11が左右軸廻りに回転自在に取り付けられている。
【0017】
また、支持フレーム12とトップマスト35との間に設けられた昇降操作機構26によって、支持フレーム12が前端側の枢着部廻りに上下揺動可能とされている。
畝成形器5は、ロータリ耕耘部9で耕耘された土で畝Rを立てるものである。薬剤供給装置6は薬剤を貯留する薬剤タンク38を備え、施肥装置7は肥料を貯留する肥料タンク39を備えており、これら薬剤タンク38及び肥料タンク39は、支持装置40に取り付けられている。
【0018】
薬剤タンク38及び肥料タンク39は、それらの下部に繰出し装置が設けられていて、薬剤タンク38の下端の繰出し口から薬剤を、また、肥料タンク39の下端の繰出し口から肥料を、それぞれ排出可能としている。
肥料タンク39の繰出し装置は駆動モータ43を有し、駆動モータ43の駆動により肥料を排出するようになっている。
【0019】
また、薬剤供給装置6には、薬剤タンク38から排出された薬剤をロータリ耕耘部9の前方側に導く薬剤導管45が左右一対備えられている。
施肥装置7には、肥料タンク39から排出された肥料を畝成形器5内の土中に導く肥料導管46が左右一対設けられている。
前記作業機1のトップマスト35前上端のピンは、後述する連結枠31の上連結部61と係合される上係合部51を形成し、サポートアーム15に左右各連結ブラケット等を介して設けたピンは、後述する連結枠31の左右下連結部63と係合される下係合部52を形成している。
【0020】
図4に示すように、連結装置として組み込まれる連結枠31は、角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)で形成された主枠55を有するとともに背面視略A字形状となるように、主枠55の左右中途部を主枠55と同一材料の上補強材59で繋いでおり、前記主枠55の中央上部に上部体56を固着し、左右下部に下部体57を固着している。
前記上部体56は、トップリンク28の後連結部と連結され、その後部には凹状の上連結部61が形成されている。この上連結部61は作業機1の上係合部51と係合するものである。
【0021】
前記下部体57の前下方に突出した部分には外側方へロワーリンクピン62を突出してロワーリンク29の後連結部と連結され、下部体57の後部には後方開放凹状の下連結部63を形成している。この下連結部63は作業機1の下係合部52を係合するものである。
【0022】
また、前記下部体57には、横軸66を介してロック部材65が回動可能に支持されており、このロック部材65は下連結部63に係合した下係合部52と係合可能であり、係合することにより下連結部63から下係合部52が離脱するのを阻止する。
而して、上連結部61で上係合部51を掬い上げることにより、作業機1を上係合部51廻りに揺動させて一対の下連結部63に一対の下係合部52を係合させ、トラクタ車体2に作業機1を着脱自在に自動連結するようになっている。また、図示省略するが、トラクタ車体2に後方突設したPTO軸19と作業機1のPIC軸とがユニバーサルジョイントを介して作業機1の着脱に連動して自動的に連動連結されるようになっている。
【0023】
図1〜
図3において、連結枠31にトラクタ車体2の電源に接続された連結枠側ハーネス67が配置され、肥料タンク39の駆動モータ43(作業機1への搭載電気機器)に接続された作業機側ハーネス68が配置されている。連結枠側ハーネス67と作業機側ハーネス68とで電源ハーネス69が構成されている。
作業機側ハーネス68に第1雄コネクタ71と第2雄コネクタ72とが設けられ、各雄コネクタ71,72は絶縁性を有する合成樹脂等により構成され、作業機1のトップマスト35の前側の上下方向中途部等に左右に離間して設けられている。
【0024】
連結枠側ハーネス67に第1雄コネクタ71に嵌合可能な第1雌コネクタ73と第2雄コネクタ72に嵌合可能な第2雌コネクタ74とが設けられている。各雌コネクタ73,74は絶縁性を有する合成樹脂等により構成され、連結枠31の上補強材59上に左右に離間して設けられている。
第1雄コネクタ71又は第1雌コネクタ73のうち少なくとも一方を左右揺動自在に支持している。また、第2雄コネクタ72又は第2雌コネクタ74のうち少なくとも一方を左右揺動自在に支持している。なお、第1雄コネクタ71又は第1雌コネクタ73のうち少なくとも一方を上下揺動自在にも支持するようにしてもよいし、また、第2雄コネクタ72又は第2雌コネクタ74のうち少なくとも一方を上下揺動自在にも支持するようにしてもよい。
【0025】
図1において、第1雄コネクタ71及び第2雄コネクタ72は、前端側に雄底壁75を有すると共に、雄底壁75に向けて先細り状となる上下雄側壁76及び左右雄側壁77を有している。該各雄側壁76,77の外面が雄案内面78とされ、雄案内面78は雄底壁75に向けて前方向に先細りとなっている。
第1雌コネクタ73及び第2雌コネクタ74は、雄底壁75に対応した雌底壁80を有すると共に、雌底壁80に向けて先細り状となる上下雌側壁81及び左右雌側壁82を有し、該雌側壁81,82の内面が雌案内面83とされ、雌案内面83は雄案内面78に摺動案内可能となっており、連結枠31に対する作業機1の着脱に連動して第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とを着脱自在に嵌合すると共に、第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とを着脱自在に嵌合するようになっている。
【0026】
第1雄コネクタ71の雄底壁75に雄側プラス端子(雄側端子)85が設けられ、第1雌コネクタ73の雌底壁80に雌側プラス端子(雌側端子)87が設けられている。第2雄コネクタ72の雄底壁75に雄側マイナス端子(雄側端子)86が設けられ、第2雌コネクタ74の雌底壁80に雌側マイナス端子(雌側端子)88が設けられている。雌側マイナス端子88は連結枠側ハーネス67を介してトラクタ車体2にアースされている。
【0027】
雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88は大径部89と軸部90とを有し、大径部89が雌底壁80に埋設され軸部90の先端側が雌底壁80から前方突出されて、雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88は雌底壁80にそれぞれ埋設固定され、雌底壁80の大径部89後方には挿通凹部91が設けられている。
雄側プラス端子85及び雄側マイナス端子86は長い棒状に形成され、それぞれ雄底壁75に前後移動自在に挿通保持されている。雄側プラス端子85を雌側プラス端子87に向けて付勢するプラス端子付勢手段93と、雄側マイナス端子86を雌側マイナス端子88に向けて付勢するマイナス端子付勢手段94とが設けられている。プラス端子付勢手段93及びマイナス端子付勢手段94は、雄側壁76又は雄側壁77に突設した後バネ受け95と、雄側プラス端子85、雄側マイナス端子86に固設した前バネ受け96とを有し、後バネ受け95に雄側プラス端子85、雄側マイナス端子86が前後移動自在に挿通され、前バネ受け96と後バネ受け95との間に圧縮コイルバネ97が設けられている。
【0028】
従って、雄側プラス端子85及び雄側マイナス端子86は圧縮コイルバネ97により前方に付勢されて、雄側プラス端子85又は雄側マイナス端子86の先端側が挿通凹部91に挿通されて、雌側プラス端子87又は雌側マイナス端子88の大径部89にそれぞれ押圧接当され、これにより雄側プラス端子85と雌側プラス端子87とが接続され、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88とが接続されるようになっている。
【0029】
而して、第1雄コネクタ71の雄側プラス端子85と第1雌コネクタ73の雌側プラス端子87とは互いに対応され、第2雄コネクタ72の雄側マイナス端子86と第2雌コネクタ74の雌側マイナス端子88とは互いに対応されており、第1雄コネクタ71の雄側プラス端子85及び第2雄コネクタ72の雄側マイナス端子86はそれぞれ第1雌コネクタ73の雌側プラス端子87又は第2雌コネクタ74の雌側マイナス端子88に向けて前方向に移動自在に支持され、連結枠31に対する作業機1の着脱に連動して第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが着脱自在に嵌合すると共に第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが着脱自在に嵌合することにより、雄側プラス端子85と雌側プラス端子
87とが接続され、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88とが接続されるようになっている。
【0030】
上記実施形態によれば、トラクタ車体2に作業機1を連結する場合、作業機昇降用の油圧装置32を操作して、上連結部61で上係合部51を掬い上げることにより、作業機1を上係合部51廻りに揺動させて一対の下連結部63に一対の下係合部52を係合させ、トラクタ車体2に作業機1を自動連結させることができる。
このとき、第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが互いに接近すると共に第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが互いに接近し、雌案内面83と雄案内面78とが摺動案内して、連結枠31に対する作業機1の着脱に連動して第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが着脱自在に嵌合し、第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが着脱自在に嵌合する。この嵌合によって第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが互いに上下及び左右に位置決め規制され、第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが互いに上下及び左右に位置決め規制される。しかも、プラス端子付勢手段93が雄側プラス端子85を雌側プラス端子87に向けて付勢し、マイナス端子付勢手段94が雄側マイナス端子86を雌側マイナス端子88に向けて付勢しているため、第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが嵌合することにより、雄側プラス端子85と雌側プラス端子87とが自動的に確実かつスムーズに接続されると共に、第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが嵌合することにより、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88とが自動的に確実かつスムーズに接続され、トラクタ車体2側の電源から作業機1側の駆動モータ43(電気機器)に電力を供給可能になる。従って、トラクタ車体2に作業機1を自動連結すると同時に、トラクタ車体2側の電源で駆動モータ43を駆動して肥料を排出できるようになる。
【0031】
トラクタ車体2から作業機1を取り外す場合、作業機昇降用の油圧装置32を操作して作業機1を接地させた後、下部体57のロック部材65によるロックを解除し、作業機昇降用の油圧装置32を操作して連結枠31を下降させて、上係合部51の上連結部61への係合を外すと共に、一対の下係合部52の一対の下連結部63への係合を外して、ややトラクタ車体2を前方移動させればよく、トラクタ車体2から作業機1を外すことができる。
【0032】
このとき、第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが互いに離間し、また第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが互いに離間し、連結枠31に対する作業機1の取り外し動作に連動して第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73との嵌合が外れると共に第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74との嵌合が外れ、雄側プラス端子85と雌側プラス端子87との接続が自動的に外れ、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88との接続が自動的に外れる。
【0033】
従って、作業機1の着脱に連動して電源ハーネス69も同時に自動的に着脱でき、電気を利用する作業機1において操縦者のトラクタへの乗り降りなしに電源の着脱が可能になるし、作業機1着脱時の電源ハーネス69の外し忘れによる電源ハーネス69の切損事故もなくなる。
しかも、第1雄コネクタ71と第2雄コネクタ72とを互いに離間して設け、第1雌コネクタ73と第2雌コネクタ74とを前記第1雄コネクタ71及び第2雄コネクタ72に対応して互いに離間して設けているので、作業機1の着脱に際に誤って雄側プラス端子85と雌側マイナス端子88とが接触したり、雄側マイナス端子86と雌側プラス端子87とが接触したりするのを確実に防ぐことができる。
【0034】
図5は他の実施形態を示し、第1雄コネクタ71及び第2雄コネクタ72は雄底壁75に向けて先細り状となる円錐状の雄周壁99を有し、該雄周壁99の外周面が雄案内面78とされ、第1雌コネクタ73及び第2雌コネクタ74は雌底壁80に向けて先細り状となる円錐状の雌周壁100を有し、該雌周壁100の内面が雌案内面83とされている。
また、第1雌コネクタ73及び第2雌コネクタ74の雌底壁80に雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88に対応して挿通孔101が設けられ、雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88は、弾性変形により拡張可能な一対の挟持片102を有している。
一対の挟持片102の基端部は挿通孔101から雌底壁80内に埋設固定され、一対の挟持片102の先端側は波形に屈曲されて挿通孔101から前方突出されている。第1雄コネクタ71の雄側プラス端子85及び第2雄コネクタ72の雄側マイナス端子86は、前記雌側プラス端子87又は雌側マイナス端子88の挟持片102間にそれぞれ挿脱自在に内嵌する棒状に形成されている。
【0035】
而して、連結枠31に対する作業機1の着脱に連動して、第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73とが着脱自在に嵌合することにより、雄側プラス端子85と雌側プラス端子87とが接続されると共に、第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74とが着脱自在に嵌合することにより、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88とが接続されるようになっている。その他の点は前記実施の形態と同様の構成である。
【0036】
この実施形態の場合、第1雄コネクタ71と第1雌コネクタ73との連結動作及び第2雄コネクタ72と第2雌コネクタ74との連結動作に連動して、雌側プラス端子87の挟持片102で雄側プラス端子85を弾性的に挟持でき、雌側マイナス端子88の挟持片102で雄側マイナス端子86を弾性的に挟持でき、雄側プラス端子85と雌側プラス端子87との接続を確実になし得るし、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88との接続を確実になし得る。また、雄コネクタ71と雌コネクタ72との離間動作に連動して、雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88の一対の挟持片102による雄側プラス端子85又は雄側マイナス端子86の挟持をスムーズに解除でき、雄側プラス端子85と雌側プラス端子87との切り離しを確実になし得るし、雄側マイナス端子86と雌側マイナス端子88との切り離しを確実になし得る。
【0037】
なお、前記実施形態では、作業機側ハーネス68を作業機1に搭載した電気機器として肥料タンク39の駆動モータ43に接続しているが、これに代え、薬剤タンク38に薬剤繰出し用の駆動モータを備える場合には、作業機側ハーネス68を薬剤繰出し用の駆動モータに接続するようにしてもよいし、作業機側ハーネス68を肥料タンク39の駆動モータ43と薬剤繰出し用の駆動モータとの両方に接続するようにしてもよい。また、作業機1側に洗車ポンプを駆動するモータその他の電気機器を搭載して、作業機側ハーネス68をこれに接続するようにしてもよい。
【0038】
また、連結枠側ハーネス67に雄コネクタ71を設け、作業機側ハーネス68前記雄コネクタ71と嵌合可能な雌コネクタ72を設けるようにしてもよい。
また、
図5の実施形態では、雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88は、弾性変形により拡張可能な一対の挟持片102を有しているが、これに代え、雄側プラス端子85及び雄側マイナス端子86に、弾性変形により拡張可能な一対の挟持片102を具備させ、雌側プラス端子87及び雌側マイナス端子88を挟持片102間にそれぞれ挿脱自在に内嵌する棒状に形成するようにしてもよい。
【0039】
また、
図1の実施形態では、雄側プラス端子85を雌側プラス端子87に向けて付勢するプラス端子付勢手段93と、雄側マイナス端子86を雌側マイナス端子88に向けて付勢するマイナス端子付勢手段94とが設けられているが、これに代え、雌側プラス端子87を雄側プラス端子85に向けて付勢するプラス端子付勢手段を設け、雌側マイナス端子88を雄側マイナス端子86に向けて付勢するマイナス端子付勢手段を設けるようにすることも可能である。
【0040】
また、第1雄コネクタ71及び第2雄コネクタ72は雄側壁として雄底壁75に向けて先細り状となる上下雄側壁76又は左右雄側壁77の一方のみを有し、これに対応して第1雌コネクタ73及び第2雌コネクタ74は雌側壁として雌底壁80に向けて先細り状となる上下雌側壁81又は左右雌側壁82の一方のみを有するようにしてもよい。