特許第5750491号(P5750491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山佐株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5750491-電源ボックス 図000002
  • 特許5750491-電源ボックス 図000003
  • 特許5750491-電源ボックス 図000004
  • 特許5750491-電源ボックス 図000005
  • 特許5750491-電源ボックス 図000006
  • 特許5750491-電源ボックス 図000007
  • 特許5750491-電源ボックス 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750491
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】電源ボックス
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   A63F5/04 512C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-236007(P2013-236007)
(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公開番号】特開2015-93153(P2015-93153A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2014年4月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼々 俊二
【審査官】 古屋野 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−247063(JP,A)
【文献】 特許第4233990(JP,B2)
【文献】 特開2002−315881(JP,A)
【文献】 特許第5324683(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の筐体内部に配設される電源ボックスにおいて、
電源回路が形成された回路基板と、
前記回路基板に実装された外部接続用のコネクタと、
前記コネクタが挿通する矩形状の挿通孔を有し、内部に前記回路基板収納されて固定される電源ボックス本体と、
前記電源ボックス本体の内部に配設され、前記コネクタが前記電源ボックス本体の前記挿通孔に挿通された状態で前記コネクタと前記挿通孔との隙間から前記電源ボックス本体の内部に異物が侵入するのを防止する閉塞部材とを備え、
前記電源ボックス本体には、前記閉塞部材を位置決めする位置決め部が設けられ
前記閉塞部材は、前記コネクタの外側面を囲む矩形リング状を成し、前記電源ボックス本体の内側面の前記挿通孔の周縁に当接して配設され、前記閉塞部材の一辺が前記回路基板の端面と前記電源ボックス本体の内側面との間に挟持されるとともに、前記閉塞部材の前記一辺に対向する対向辺が前記位置決め部に係止されることにより位置決めされていることを特徴とする電源ボックス。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記閉塞部材の前記対向辺に係止する係止部を有し、
前記係止部は、前記閉塞部材の前記一辺から前記対向辺に向かう一の方向、および、該一の方向に直交する方向であって前記電源ボックス本体の内側に向かう他の方向の2方向への前記閉塞部材の移動を規制するように、前記対向辺に係止することを特徴とする請求項1に記載の電源ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の筐体内部に配設される電源ボックスに関し、詳しくは、その内部に粉塵や不正具等の異物が侵入するのを防止できる電源ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、その遊技の進行に必要な各種装置に対して、駆動電圧を供給するための電源ボックスが筐体内部に配設されるのが一般的である。この種の電源ボックスとしては、電源回路が形成された回路基板と、該回路基板をその内部に収納するため電源ボックス本体とを備えるものが広く採用されている。
【0003】
これらの各種装置と電源ボックスとを電気的に接続するためのケーブルとしては、ケーブルの脱着が容易に行うことができるように、その端部に可動側接点としてのコネクタプラグが設けられたものが採用されている。また、回路基板には、コネクタプラグを受けるために固定側接点としてのコネクタソケットが実装され、このコネクタソケットを電源ボックス本体に設けられた挿通孔から挿通させることで、当該コネクタソケットが電源ボックス本体の表面から露出して設けられる。そして、コネクタソケットにコネクタプラグを嵌入させることにより、電源ボックスから各種装置に対して駆動電圧が供給される。
【0004】
このような遊技機では、コネクタソケットが電源ボックス本体の表面から露出しているため、コネクタプラグまたはコネクタソケットの電極に、金属片等を接触させて当該電極を短絡させたり接地させたりすることにより、各種装置を意図的に誤動作させるという不正行為が行われ易い。
【0005】
そこで、従来では、このような不正行為を防止することができる電源ボックスが提案されている(特許文献1参照)。この電源ボックスでは、コネクタソケットにコネクタプラグが嵌入された状態で、両者の接続部を覆う保護カバーが電源ボックス本体に固定されている。このようにすると、例えば、ピアノ線等の不正具をコネクタソケットまたはコネクタプラグの電極に接触させるのが困難になるため、不正行為を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−325873号公報(段落0023〜0031、図3等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この電源ボックスでは、保護カバーにケーブルを引き出すための開口が設けられているため、電源ボックス本体に保護カバーを固定した状態でケーブルと保護カバーとの間に隙間がある。また、電源ボックス本体の挿通孔に回路基板のコネクタソケットを挿通させる構造であるため、両者の寸法精度のばらつきから、両者間にも隙間がある。
【0008】
したがって、粉塵等が両隙間を通って電源ボックス本体の内部に混入する場合があり、このような場合は、電源ボックス本体の内部に収納された回路基板に粉塵等が付着して、回路基板が故障するおそれがある。また、両隙間を通ってピアノ線等の不正具が回路基板にアクセスすることが可能であり、このような巧妙な不正行為を防止することができない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、外部接続用のコネクタが実装された回路基板と、その内部に回路基板を収納する電源ボックス本体とを備える遊技機用の電源ボックスにおいて、電源ボックス本体の内部に粉塵や不正具等の異物が侵入するのを確実に防止できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明にかかる電源ボックスは遊技機の筐体内部に配設される電源ボックスにおいて、電源回路が形成された回路基板と、前記回路基板に実装された外部接続用のコネクタと、前記コネクタが挿通する矩形状の挿通孔を有し、内部に前記回路基板収納されて固定される電源ボックス本体と、前記電源ボックス本体の内部に配設され、前記コネクタが前記電源ボックス本体の前記挿通孔に挿通された状態で前記コネクタと前記挿通孔との隙間から前記電源ボックス本体の内部に異物が侵入するのを防止する閉塞部材とを備え、前記電源ボックス本体には、前記閉塞部材を位置決めする位置決め部が設けられ、前記閉塞部材は、前記コネクタの外側面を囲む矩形リング状を成し、前記電源ボックス本体の内側面の前記挿通孔の周縁に当接して配設され、前記閉塞部材の一辺が前記回路基板の端面と前記電源ボックス本体の内側面との間に挟持されるとともに、前記閉塞部材の前記一辺に対向する対向辺が前記位置決め部に係止されることにより位置決めされていることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
また、前記位置決め部は、前記閉塞部材の前記対向辺に係止する係止部を有し、前記係止部は、前記閉塞部材の前記一辺から前記対向辺に向かう一の方向、および、該一の方向に直交する方向であって前記電源ボックス本体の内側に向かう他の方向の2方向への前記閉塞部材の移動を規制するように、前記対向辺に係止するようにしてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、電源ボックスには、コネクタが電源ボックス本体の挿通孔に挿通された状態で、コネクタと挿通孔との隙間から前記電源ボックス本体の内部に異物が侵入するのを防止する閉塞部材が設けられているため、該閉塞部材により、粉塵や不正具等の異物が電源ボックス本体の内部に侵入するのを防止することができる。また、単に閉塞部材を設けただけでは、例えば、電源ボックスの輸送時の衝撃等により、閉塞部材の位置がずれて、異物侵入を防止する効果が得られない場合があるが、本発明では、電源ボックス本体に閉塞部材を位置決めする位置決め部が設けられているため、輸送時の衝撃等により閉塞部材が位置ずれするのを防止することができる。したがって、電源ボックス本体の内部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
【0013】
また、閉塞部材が、電源ボックス本体の内側に設けられるため、電源ボックス本体の外部から閉塞部材を取り除いて、ピアノ線等の不正具を電源ボックス本体の内部に侵入させるのが困難となる。
【0014】
また、閉塞部材が、電源ボックス本体の位置決め部に加えて、電源ボックスの内部に固定された回路基板でも位置決めされるため、電源ボックス本体の内部に異物が侵入するのをより確実に防止することができる。また、請求項2に係る発明によれば、位置決め部が有する係止部により、複数の方向にわたって閉塞部材の移動を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る電源ボックスが適用されるスロットマシンの前扉を開放した状態の斜視図である。
図2図1の電源ボックスの斜視図である。
図3図1の電源ボックスの分解斜視図である。
図4図1の電源ボックス本体のベース体の斜視図である。
図5図1の電源ボックス本体の右側面図である。
図6】パッキンの位置決め方法を説明するための図である。
図7図1の電源ボックス本体の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態にかかる電源ボックス9が適用される遊技機の一例であるスロットマシン1について、図1図7を参照して説明する。なお、図1はスロットマシン1の前扉を開放した状態の斜視図、図2図1の電源ボックス9の斜視図、図3図1の電源ボックス9の分解斜視図、図4は、図1の電源ボックス本体10のベース体12の開口側から見たときの斜視図、図5図1の電源ボックス本体10の右側面図、図6はパッキン11cの位置決め方法を説明するための図、図7図1の電源ボックス本体10の左側面図である。なお、図6は、図2のA−A矢視部分断面図を示す。
【0017】
(全体構成)
スロットマシン1は、図1に示すように、上方に配置された天板2aと、下方に配置された底板2bと、左側に配置された左側板2c、右側に配置された右側板2dと、背面側に配置された背板2eとで構成され、前方側が開口部を有する四角箱型の筐体2を備え、この筐体2の開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が、筐体2に回動自在に取り付けられている。
【0018】
また、筐体2の内部には、3つのリールである右リール4R、中リール4M、左リール4Lが並設されてなるリール装置4、遊技者により外部から投入されたメダルをスロットマシン1の内部に貯留するとともに、貯留したメダルをメダル受け皿6に払い出すためのホッパー装置5が配設されている。
【0019】
また、筐体2の左側板2cの内側面の上部には、その内部に制御基板7が収納された制御基板ケース8が固定される。この制御基板7は、スロットマシン1の制御を司るものであり、具体的には、リール装置4に対する各リール4R,4M,4Lの回転・停止の指示や、ホッパー装置5に対するメダルの払い出しの開始・停止の指示を行うのに加え、音声出力装置(図示せず)や映像表示装置(図示せず)等、スロットマシン1の遊技の進行に必要な各種装置の制御を司る。
【0020】
また、筐体2の左側板2cの内側面の下部には、その内部に電源回路を収納した電源ボックス9が固定されている。この電源ボックス9は、リール装置4、ホッパー装置5などの各種装置や制御基板7に駆動電圧を供給する。なお、電源ボックス9については後で詳述する。
【0021】
前扉3の略中央には、図柄表示窓3aが設けられており、各リール4R,4M,4Lの周面に付されている図柄の一部を表示可能に形成されている。
【0022】
(電源ボックス)
電源ボックス9は、図2に示すように、内部に電源回路を収納するための収納空間(図4に示す電源ボックス本体10のベース体12参照)が形成された電源ボックス本体10と、電源ボックス本体10の内部に収納される回路基板11(図3参照)とを備える。このとき、回路基板11には、各種電子部品等が実装されて電源回路が形成される。
【0023】
電源ボックス本体10は、図3および図4に示すように、左側が開放された箱状のベース体12と、ベース体12の開放された左側を閉塞する略板状のカバー体13とで構成され、ベース体12にカバー体13を装着することで、その内部に回路基板11を収納する収納空間が形成される。そして、その内部に回路基板11を収納した状態で筐体2の左側板2(図1参照)の内面に固定される。
【0024】
この電源ボックス本体10について具体的に説明すると、図3に示すように、ベース体12の上側の外側面12aの略中央には、前壁面14a1、後壁面14a2、左壁面14a3および底壁14a4で構成された凹部14aが形成される。ここで、ベース体12における凹部14aの左壁面14a3の形成部分は板状をなし、該左壁面14a3が右側面視で台形状に形成されている(図5参照)。このとき、それぞれ左壁面14a3と垂直な方向に配置された前壁面14a1、後壁面14a2、底壁14a4が、左壁面14a3の上側の底辺を除く各辺に連接するように凹部14aが形成されている。また、左壁面14a3には、電源ボックス本体10を筐体2に固定するねじの挿通用の挿通孔15aが透設される。
【0025】
また、上側の外側面12aの前方部には、回路基板11に実装されたコネクタソケット11aの先端部を挿通させるための、上面視で矩形状の挿通孔16が形成される。
【0026】
ベース体12の前側の外側面12bの上部には、上壁面14b1、下壁面14b2、左壁面14b3および後壁面14b4で構成された凹部14bが形成される。ここで、ベース体12における凹部14bの左壁面14b3の形成部分は板状をなし、該左壁面14b3が右側面視で台形状に形成されている(図5参照)。このとき、それぞれ左壁面14b3と垂直な方向に配置された上壁面14b1、下壁面14b2、後壁面14b4が、左壁面14b3の前側の底辺を除く各辺に連接するように凹部14bが形成されている。また、左壁面14b3には、電源ボックス本体1を筐体2に固定するねじの挿通用の挿通孔15bが透設されている。
【0027】
ベース体12の前側の外側面12bの下部には、上部に形成された凹部14bと同様に、上壁面14c1、下壁面14c2、左壁面14c3および後壁面14c4で構成された凹部14cが形成されるとともに、凹部14cの左壁面14c3に挿通孔15cが透設されている。また、ベース体12の前側の外側面12bに形成された両凹部14b,14cの間であって、下部側の凹部14c寄りの位置に、開閉可能な蓋体25が取り付けられている。この蓋体16の内側には、電源をON/OFFするためのスイッチ(図示せず)が配設されている。
【0028】
ここで、ベース体12の上側の外側面12aの凹部14aの左壁面14a3に形成された挿通孔15aは、図5に示すように、当該左壁面14a3の中心から後方側にずれて配置される。したがって、挿通孔15aにねじを挿通して電源ボックス9を筐体2に固定する際、凹部14a内における挿通孔15aの前方側に、ねじ固定に用いられるドライバなどの工具を配設するスペースが生まれて、電源ボックス9の筐体2への固定作業を円滑に行うことが可能になる。
【0029】
回路基板11には、電源回路を形成するための各種電子部品(図示せず)が実装されるとともに、外部接続用のコネクタソケット11a(本発明の「コネクタ」に相当)が実装される。また、回路基板11には固定用の複数の孔11bが設けられ、ねじ等によりベース体12に固定される。このとき、回路基板11のコネクタソケット11aの先端部がベース体12の挿通孔16に挿通した状態で、回路基板11がベース体12に固定される。
【0030】
ここで、スロットマシン1が備える制御基板7、リール装置7、ホッパー装置5などの各種装置は、図示省略のハーネスを介してコネクタソケット11aに接続される。このとき、ハーネスの一端は、スロットマシン1が備える制御基板7、リール装置4、ホッパー装置5などの各種装置の電源部に接続される。また、ハーネスの他端には、コネクタプラグ(図示省略)が設けられており、このコネクタプラグが、回路基板11に実装されたコネクタソケット11aに嵌入されることで、電源ボックス9の回路基板11により生成された所定値の電圧が駆動電圧として各種装置に供給される。
【0031】
また、コネクタソケット11aには、その外側面を囲むように、矩形リング状のパッキン11c(本発明における「閉塞部材」に相当)が装着される。このパッキン11cは、コネクタソケット11aの先端部がベース体12の挿通孔16に挿通される前にコネクタソケット11aに装着される。したがって、回路基板11が電源ボックス本体10の内部に収納された状態で、電源ボックス本体10の内側から、コネクタソケット11aとベース体12の挿通孔16との隙間を塞ぐことができるようになっている。
【0032】
カバー体13は、図3に示すように、略板状に形成され、その周縁のベース体12の各凹部14a,14b,14cそれぞれの左壁面14a3,14b3,14c3の形成部分に対応する位置に、切欠部17a,17b,17cが形成されている。これらの切欠部17a,17b,17cは、対応する凹部14a,14b,14cの左壁面14a3,14b3,14c3の形状に合わせた形状に形成されている。また、カバー体13をベース体12に固定するための複数のねじ孔19が設けられている。
【0033】
さらに、カバー体13の内側面の上部の前方側には、コネクタソケット11aに装着されたパッキン11cを位置決めするための位置決め部21が形成される。この位置決め部21は、図3に示すように、カバー体13の内側面に突出形成されたベース板21aと、それぞれベース板21aの上面に立設された3つの立板21bとを備える。このとき、各立板21bは、それぞれ平行で、かつ、略等間隔でベース板21aに立設される。また、各立板21bの右上端部には、パッキン11cを係止するための係止部21cがそれぞれ形成されている。
【0034】
ここで、パッキン11cの位置決め方法について説明すると、図6に示すように、電源ボックス本体10の内部に回路基板11を収納した状態で、パッキン11cのコネクタソケット11aの左壁11a1に当接する部分が、位置決め部21の各係止部21cに係止されることにより、パッキン11cの下側方向、および、左側方向への移動が規制される。また、パッキン11cの上側方向への移動は、ベース体12の内面により規制されるとともに、右側方向への移動は、コネクタソケット11aの左壁11a1により規制される。なお、位置決め部21の各立板21bおよび各係止部21cは、パッキン11cの下側方向、および、左側方向への移動を規制することができるように、それぞれ寸法設定されている。
【0035】
また、パッキン11cのコネクタソケット11aの右壁11a2に当接する部分は、ベース体12の内面と回路基板11とにより上下から挟持されており、カバー体13の位置決め部21と回路基板11とにより、パッキン11cの位置決めが確実になされるように構成されている。なお、必ずしも、回路基板11をパッキン11cの位置決めに利用しなくてもよい。
【0036】
このように構成されたベース体12およびカバー体13では、図7に示すように、カバー体13をベース体12に装着したときに、対応するベース体12の前記左壁面14a3,14b3,14c3の形成部分とカバー体13の切欠部17a,17b,17c同士が嵌合し、この状態でねじ20により、カバー体13がベース体12に固定される。なお、ベース体12の上側の外側面12aに形成された凹部14aの左壁面14a3(図3参照)の裏側面、および、ベース体12の前側の外側面12bの上部に形成された凹部14bの左壁面14b3(図3参照)の裏側面それぞれには、リブ18a,18bが形成されて補強されている。
【0037】
次に、電源ボックス9の筐体2への取付(固定)について説明すると、この電源ボックス9は、図1に示すように、筐体2の左側板2cの内側面に近接して固定される。具体的には、図7に示す電源ボックス本体10の左側面が、筐体2の左側板2cの内側面に当接するように配置され、ベース体12の各凹部14a,14b,14c(図3参照)に形成された挿通孔15a,15b,15cにねじを挿通させることにより、電源ボックス9が筐体2に固定される。
【0038】
したがって、上記した実施形態によれば、電源ボックス9には、コネクタソケット11aの先端部がベース体12の挿通孔16に挿通された状態で、コネクタソケット11aと挿通孔16との隙間を塞ぐパッキン11cが設けられているため、該パッキン11cにより、粉塵や不正具等の異物が電源ボックス本体10の内部に侵入するのを防止することができる。また、単にパッキン11cを設けただけでは、例えば、電源ボックス9の輸送時の衝撃等により、パッキン11cの位置がずれて、異物侵入を防止する効果が得られない場合がある。しかしながら、本発明では、電源ボックス本体10のカバー体13にパッキン11cを位置決めする位置決め部21が設けられているため、輸送時の衝撃等によりパッキン11cが位置ずれするのを防止することができる。したがって、電源ボックス本体10の内部に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
【0039】
また、パッキン11cが、電源ボックス本体10の内側に設けられるため、電源ボックス本体10の外部からパッキン11cを取り除いて、ピアノ線等の不正具を電源ボックス本体10の内部に侵入させるのが困難となる。
【0040】
また、パッキン11cが、カバー体13の位置決め部21に加えて、ベース体12の内部に固定された回路基板11でも位置決めされるため、電源ボックス本体10の内部に異物が侵入するのをより確実に防止することができる。
【0041】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、位置決め部21の立板21bに切欠(係止部21c)を形成することにより、パッキン11cを位置決めする場合について説明したが、パッキン11cの下側方向および左側方向への移動を規制することができるものであれば、位置決め部21の構成、形状は、適宜、変更可能である。
【0042】
また、本発明は、スロットマシン1に限らず、筐体内部に電源ボックスが配設される種々の遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…スロットマシン(遊技機)、2…筐体、9…電源ボックス、10…電源ボックス本体、11…回路基板、11a…コネクタソケット(コネクタ)、11c…パッキン(閉塞部材)、16…挿通孔、21…位置決め部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7