特許第5750554号(P5750554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5750554
(24)【登録日】2015年5月22日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】棚ユニット及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20150702BHJP
   A47B 45/00 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   H05K7/18 D
   A47B45/00
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-14225(P2015-14225)
(22)【出願日】2015年1月28日
【審査請求日】2015年1月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンクモバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 利明
(72)【発明者】
【氏名】小川 英邦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 直人
(72)【発明者】
【氏名】松永 恭太郎
(72)【発明者】
【氏名】日野原 嘉則
(72)【発明者】
【氏名】中村 稔
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 勇自
(72)【発明者】
【氏名】新倉 吉雄
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−230433(JP,A)
【文献】 実開昭54−085016(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
A47B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに着脱可能な棚ユニットであって、
棚部と、
前記棚部の一端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、
前記棚部の他端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの前記第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材と
を備え
前記棚部は、複数の支持部材を有し、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材のそれぞれは、前記複数の支持部材のそれぞれに対して回転可能に固定されている、棚ユニット。
【請求項2】
前記棚部は、第1支持部材及び第2支持部材を有し、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材を前記第1支持部材及び前記第2支持部材のそれぞれに対して回転させることによって、前記第1支持部材と前記第2支持部材とが接触する状態と、前記第1支持部材と前記第2支持部材とが離間する状態とが切り替わる、請求項に記載の棚ユニット。
【請求項3】
前記棚部は、前記一端と前記他端とを結ぶ方向に伸縮可能であり、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材は、前記棚部の伸縮方向と垂直な方向に伸縮可能である、請求項1又は2に記載の棚ユニット。
【請求項4】
前記第1固定部材は、前記ラックの前記第1の面側の第1の支柱に固定される第1固定部位と、前記ラックの前記第1の面側の第2の支柱に固定される第2固定部位とを有し、
前記第1固定部位及び前記第2固定部位は、前記第1固定部材に対して移動可能である、請求項1からのいずれか一項に記載の棚ユニット。
【請求項5】
前記棚部は、物体を支持する支持面に沿った前記物体の移動を補助する補助具を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の棚ユニット。
【請求項6】
ラックに着脱可能な棚ユニットであって、
棚部と、
前記棚部の一端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、
前記棚部の他端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの前記第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材と
を備え、
前記棚部は、前記一端と前記他端とを結ぶ方向に伸縮可能であり、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材は、前記棚部の伸縮方向と垂直な方向に伸縮可能である、棚ユニット。
【請求項7】
前記第1固定部材は、前記棚部が伸長する方向に突出し、前記ラックの前記第1の面側に設けられた孔に挿入される突起を有する、請求項6に記載の棚ユニット。
【請求項8】
ラックに着脱可能な棚ユニットであって、
棚部と、
前記棚部の一端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、
前記棚部の他端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの前記第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材と
を備え
前記第1固定部材は、前記ラックの前記第1の面側の第1の支柱に固定される第1固定部位と、前記ラックの前記第1の面側の第2の支柱に固定される第2固定部位とを有し、
前記第1固定部位及び前記第2固定部位は、前記第1固定部材に対して移動可能である、棚ユニット。
【請求項9】
ラックに着脱可能な棚ユニットであって、
棚部と、
前記棚部の一端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、
前記棚部の他端に、前記棚部に対して回転可能に固定され、前記ラックの前記第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材と
を備え
前記棚部は、物体を支持する支持面に沿った前記物体の移動を補助する補助具を有する、棚ユニット。
【請求項10】
伸縮可能な棚部と、前記棚部の一端に前記棚部に対して回転可能に固定された第1固定部材と、前記棚部の他端に前記棚部に対して回転可能に固定された第2固定部材とを有し、前記第1固定部材及び前記第2固定部材を前記棚部に対して回転することによって収納状態と使用状態とが切り替わる棚ユニットを、前記収納状態で、ラックの内部空間に配置する段階と、
前記ラックの内部空間において、前記棚ユニットを使用状態に切り替える段階と、
前記棚部を伸長させて、前記第1固定部材を、前記ラックの第1の支柱及び第2の支柱に固定し、前記第2固定部材を前記ラックの第3の支柱及び第4の支柱に固定する段階と
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚ユニット及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器を取り付け可能なラックが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2014−197043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ラックの任意の段に棚を追加したり、例えばラックから通信機器を取り外す際に通信機器を支持できる棚を一時的に追加したりすることを容易に行えることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、ラックに着脱可能な棚ユニットであって、棚部と、棚部の一端に、棚部に対して回転可能に固定され、ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、棚部の他端に、棚部に対して回転可能に固定され、ラックの第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材とを備える、棚ユニットが提供される。
【0005】
上記棚ユニットにおいて、棚部は、複数の支持部材を有してよく、第1固定部材及び第2固定部材のそれぞれは、複数の支持部材のそれぞれに対して回転可能に固定されていてよい。上記棚ユニットにおいて、棚部は、第1支持部材及び第2支持部材を有してよく、第1固定部材及び第2固定部材を第1支持部材及び第2支持部材のそれぞれに対して回転させることによって、第1支持部材と第2支持部材とが接触する状態と、第1支持部材と第2支持部材とが離間する状態とが切り替わってよい。上記棚ユニットにおいて、棚部は、一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能であってよい。上記棚ユニットにおいて、第1固定部材及び第2固定部材は、棚部の伸縮方向と垂直な方向に伸縮可能であってよい。
【0006】
上記棚ユニットにおいて、第1固定部材は、棚部が伸長する方向に突出し、ラックの第1の面側に設けられた孔に挿入される突起を有してよい。上記棚ユニットにおいて、第1固定部材は、ラックの第1の面側の第1の支柱に固定される第1固定部位と、ラックの第1の面側の第2の支柱に固定される第2固定部位とを有してよく、第1固定部位及び第2固定部位は、第1固定部材に対して移動可能であってよい。上記棚ユニットにおいて、棚部は、物体を搭載する搭載面に沿った物体の移動を補助する補助具を有してよい。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、伸縮可能な棚部と、棚部の一端に棚部に対して回転可能に固定された第1固定部材と、棚部の他端に棚部に対して回転可能に固定された第2固定部材とを有し、第1固定部材及び第2固定部材を棚部に対して回転することによって収納状態と使用状態とが切り替わる棚ユニットを、収納状態で、ラックの内部空間に配置する段階と、ラックの内部空間において、棚ユニットを使用状態に切り替える段階と、棚部を伸長させて、第1固定部材を、ラックの第1の支柱及び第2の支柱に固定し、第2固定部材をラックの第3の支柱及び第4の支柱に固定する段階とを備える方法が提供される。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図2】棚ユニットの状態の一例を概略的に示す。
図3】棚ユニット及びラックの一例を概略的に示す。
図4】ラックに棚ユニットを取り付けられた一例を概略的に示す。
図5】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図6】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図7】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図8】固定部位の一例を概略的に示す。
図9】固定部位の一例を概略的に示す。
図10】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図11】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図12】棚ユニットの一例を概略的に示す。
図13】ラックへの棚ユニットの着脱の流れの一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。本実施形態に係る棚ユニット100は、任意の物体を収容可能なラックに取り付けられることによって棚を構成する。ラックに取り付けられた棚ユニット100は、任意の物体を支持してよい。例えば、棚ユニット100は、棚板を支持する。また、例えば、ラックは通信機器等を収容可能な19インチラックであり、19インチラックに取り付けられた棚ユニット100は、通信機器を支持する。
【0012】
従来、19インチラックに収容された通信機器を交換する場合、交換作業を行う作業者は、例えば一方の手で通信機器を支持し、他方の手で通信機器のネジ止めを解除することにより、通信機器を取り外していた。これに対して、本実施形態に係る棚ユニット100は、ラックにおける通信機器の直下に取り付けられることによって、取り外された通信機器を支持することができ、通信機器の交換作業の安全性を高めることができる。
【0013】
棚ユニット100は、棚部200、固定部材310及び固定部材350を備える。棚部200は、通信機器等の物体を支持する。棚部200は、1以上の支持部材を有する。図1では、棚部200が支持部材210及び支持部材220を有する場合を例示している。支持部材210は第1支持部材の一例であってよく、支持部材220は第2支持部材の一例であってよい。
【0014】
固定部材310は、棚部200の一端に、棚部200に対して回転可能に固定される。図1では、固定部材310が、支持部材210の一端の連結部212によって支持部材210に対して回転可能に固定され、支持部材220の一端の連結部222によって支持部材220に対して回転可能に固定されている場合を例示している。連結部212及び連結部222は、固定部材310を回転可能に固定できれば、どのような構造を有してもよい。
【0015】
固定部材310は、固定部位320及び固定部位330を有する。固定部材310は、固定部位320及び固定部位330を介してラックに固定されてよい。固定部位320は孔321を有する。固定部位330は孔331を有する。ラックに形成された複数の孔のそれぞれと、孔321及び孔331のそれぞれとが例えばネジ止めされることによって、固定部材310がラックに固定されてよい。固定部材310は、第1固定部材の一例であってよい。固定部位320は第1固定部位の一例であってよい。固定部位330は第2固定部位の一例であってよい。
【0016】
固定部材350は、棚部200の他端に、棚部200に対して回転可能に固定される。図1では、固定部材350が、支持部材210の他端の連結部214によって支持部材210に対して回転可能に固定され、支持部材220の他端の連結部224によって支持部材220に対して回転可能に固定されている場合を例示している。連結部214及び連結部224は、固定部材350を回転可能に固定できれば、どのような構造を有してもよい。
【0017】
固定部材350は、固定部位360及び固定部位370を有する。固定部材350は、固定部位360及び固定部位370を介してラックに固定されてよい。固定部位360は孔361を有する。固定部位370は孔371を有する。ラックに形成された複数の孔のそれぞれと、孔361及び孔371のそれぞれとが例えばネジ止めされることによって、固定部材350がラックに固定されてよい。固定部材350は、第2固定部材の一例であってよい。
【0018】
支持部材210は、スライド部216を有する。支持部材210は、スライド部216によって、支持部材210の一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能である。なお、支持部材210が支持部材210の一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能であれば、スライド部216はどのような構造を有してもよい。
【0019】
支持部材220は、スライド部226を有する。支持部材220は、スライド部226によって、支持部材220の一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能である。なお、支持部材220が支持部材220の一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能であれば、スライド部226はどのような構造を有してもよい。
【0020】
固定部材310及び固定部材350が支持部材210及び支持部材220のそれぞれに対して回転されることによって、棚ユニット100の状態が切り替わる。例えば、固定部材310及び固定部材350が支持部材210及び支持部材220のそれぞれに対して回転されることによって、支持部材210と支持部材220とが接触する状態と、支持部材210と支持部材220とが離間する状態とが切り替わる。
【0021】
固定部材310及び固定部材350と、支持部材210及び支持部材220とがそれぞれ垂直になった状態を使用状態と呼ぶ場合がある。また、支持部材210と支持部材220とが接触する状態を収納状態と呼ぶ場合がある。使用状態における支持部材210と支持部材220との距離よりも、支持部材210と支持部材220とが近接する状態を収納状態と呼んでもよい。
【0022】
図2は、棚ユニット100の状態の一例を概略的に示す。図2は、固定部材310及び固定部材350が支持部材210及び支持部材220のそれぞれに対して回転されることにより、支持部材210と支持部材220とが接触した状態を例示する。棚ユニット100を図2に示す状態にすることによって、棚ユニット100の持ち運びを容易にできるとともに、棚ユニット100のラックへの取り付けを容易にすることができる。
【0023】
図3は、棚ユニット100及びラック400の一例を概略的に示す。ラック400は、前面側に支柱410及び支柱420を備え、背面側に支柱430及び支柱440を備える。支柱410は複数の孔412を有し、支柱420は複数の孔422を有し、支柱430は複数の孔432を有し、支柱440は複数の孔442を有する。
【0024】
ラック400の前面側は第1の面側の一例であってよく、支柱410は第1の支柱の一例であってよく、支柱420は第2の支柱の一例であってよい。また、ラック400の背面側は第2の面側の一例であってよく、支柱430は第3の支柱の一例であってよく、支柱440は第4の支柱の一例であってよい。
【0025】
棚ユニット100は、例えば、図3に示すように、収納状態でラック400の内部空間に移動される。ラック400の内部空間とは、支柱410、支柱420、支柱430及び支柱440によって囲まれた空間である。棚ユニット100は、ラック400の内部空間に配置された後、使用状態に切り替えられてよい。
【0026】
図4は、ラック400に棚ユニット100を取り付けられた一例を概略的に示す。例えば、収納状態でラック400の内部空間に配置された棚ユニット100は、まず、使用状態に切り替えられる。次に、固定部材350の固定部位360及び固定部位370のそれぞれが、孔432及び孔442のそれぞれに固定される。そして、支持部材210及び支持部材220が、スライド部216及びスライド部226によって伸長されて、固定部材310が支柱410及び支柱420に当接した後、固定部材310の固定部位320及び固定部位330のそれぞれが、孔412及び孔422のそれぞれに固定される。
【0027】
ここで、例えば、ラック400における棚ユニット100を取り付ける位置の上下に通信機器が取り付けられていた場合、棚ユニット100を使用状態のままラック400の内部空間に移動させることは困難である。しかし、本実施形態に係る棚ユニット100によれば、棚ユニット100の状態を切り換えることによってコンパクトにできるので、棚ユニット100の取り付け位置の上下に通信機器が取り付けられていた場合であっても、棚ユニット100をラック400の内部空間に容易に移動させることができる。
【0028】
なお、固定部材310及び固定部材350は、1U(1.75インチ=44.45mm)の高さを有してよい。これにより、19インチラックに対する整合性を高めることができる。また、固定部材310及び固定部材350が1Uの高さを有することにより、例えば、直上に取り付けられた通信機器と棚部200との距離を最小にすることができ、直上に取り付けられた通信機器を取り外したときの落下距離を短くすることができるので、より安全性を高めることができる。
【0029】
図5は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図5に示す固定部材310は、留め具322、紐状部材323、留め具332及び紐状部材333を有し、固定部材350は、留め具362、紐状部材363、留め具372及び紐状部材373を有する。
【0030】
留め具322及び留め具332は、固定部材310をラック400に固定するための部材である。留め具322が、孔321と、ラック400の孔412とに挿入され、留め具332が、孔331と、ラック400の孔422とに挿入されることによって、固定部材310がラック400に対して固定される。
【0031】
紐状部材323の一端は固定部位320に固定されており、他端が留め具322に固定されている。また、紐状部材333の一端は固定部位320に固定されており、他端が留め具332に固定されている。これにより、留め具322及び留め具332の管理を容易にできる。
【0032】
留め具362及び留め具372は、固定部材350をラック400に固定するための部材である。留め具362が、孔361と、ラック400の孔432とに挿入され、留め具372が、孔371と、ラック400の孔442とに挿入されることによって、固定部材350がラック400に対して固定される。
【0033】
紐状部材363の一端は固定部位360に固定されており、他端が留め具362に固定されている。また、紐状部材373の一端は固定部位370に固定されており、他端が留め具372に固定されている。これにより、留め具362及び留め具372の管理を容易にできる。
【0034】
なお、図5では、棚ユニット100が、留め具322及び紐状部材323と、留め具332及び紐状部材333と、留め具362及び紐状部材363と、留め具372及び紐状部材373とを有する場合を例示したが、これに限らない。棚ユニット100は、留め具322及び紐状部材323と、留め具332及び紐状部材333と、留め具362及び紐状部材363と、留め具372及び紐状部材373とのうち、いずれか一つのみを有してもよく、いずれか二つのみを有してもよく、いずれか三つのみを有してもよい。
【0035】
図6は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図6に示す固定部材310は、突起324及び突起334を有し、固定部材350は、突起364及び突起374を有する。
【0036】
突起364及び突起374は、棚部200が伸長する方向に突出している。ここでいう棚部200が伸長する方向とは、固定部材310及び固定部材350と、支持部材210及び支持部材220とがそれぞれ垂直になった状態で、棚部200が伸長したときに固定部材350が進行する方向であってよい。突起364及び突起374のそれぞれは、ラック400の背面側に設けられた孔432及び孔442のそれぞれに挿入されてよい。例えば、棚ユニット100がラック400の内部空間に配置された後、突起364及び突起374のそれぞれが、孔432及び孔442のそれぞれに挿入されることによって、固定部材350がラック400に固定される。
【0037】
突起324及び突起334は、棚部200が伸長する方向に突出している。ここでいう棚部200が伸長する方向とは、固定部材310及び固定部材350と、支持部材210及び支持部材220とがそれぞれ垂直になった状態で、棚部200が伸長したときに固定部材310が進行する方向であってよい。突起324及び突起334のそれぞれは、ラック400の前面側に設けられた孔412及び孔422のそれぞれに挿入されてよい。
【0038】
例えば、ラック400に固定部材350を固定した後、棚部200を伸長させながら突起324及び突起334のそれぞれを、ラック400の孔412及び孔422のそれぞれに挿入することによって、棚ユニット100をラック400に固定することができる。このように、突起324及び突起334によって、棚部200を伸長する作業と固定部材310をラック400に固定する作業とを並行して行わせることでき、棚ユニット100をラック400に取り付ける作業を効率化できる。
【0039】
なお、固定部材350のラック400への固定は、突起364及び突起374によって行われてよいが、これに限らず、固定部材350をラック400に固定できれば、他の形態であってもよい。例えば、固定部材350が突起364及び突起374を有さずに、孔361及び孔371を介して、ラック400に固定されてもよい。また、このとき、留め具362及び留め具372によって固定されてもよい。
【0040】
突起324及び突起334は、固定部材310の表面に形成されてよい。突起324及び突起334は、固定部材310と一体的に形成されてよい。また、突起324及び突起334のそれぞれは、孔321及び孔331のそれぞれに挿入された状態で固定されてもよい。例えば、突起324及び突起334は、孔321及び孔331に溶接される。
【0041】
また、突起364及び突起374は、固定部材350の表面に形成されてよい。突起364及び突起374は、固定部材350と一体的に形成されてよい。また、突起364及び突起374のそれぞれは、孔361及び孔371のそれぞれに挿入された状態で固定されてもよい。例えば、突起364及び突起374は、孔361及び孔371に溶接される。
【0042】
なお、図6では、棚ユニット100が、突起324、突起334、突起364及び突起374を有する場合を例示したが、これに限らない。棚ユニット100は、突起324、突起334、突起364及び突起374のうち、いずれか一つのみを有してもよく、いずれか二つのみを有してもよく、いずれか三つのみを有してもよい。
【0043】
図7は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図7に示す固定部材310及び固定部材350のそれぞれは、スライド部340及びスライド部380のそれぞれを有する。
【0044】
固定部材310は、スライド部340によって長手方向に伸縮可能である。また、固定部材350は、スライド部380によって長手方向に伸縮可能である。棚ユニット100が使用状態である場合、固定部材310及び固定部材350は、支持部材210及び支持部材220の伸縮方向と垂直な方向に伸縮可能となる。
【0045】
固定部材310及び固定部材350がスライド部340及びスライド部380を有することによって、棚ユニット100の形状の自由度を高めることができる。例えば、固定部材310及び固定部材350を収縮させた状態で棚ユニット100をラック400の内部空間に移動させ、ラック400の内部空間で固定部材310及び固定部材350を伸長させることによってラック400への固定を可能にできる。
【0046】
図8は、固定部材310の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す固定部材310とは異なる点を主に説明する。図8に示す固定部材310は、固定部材310に対して移動可能な固定部位326及び固定部位336を有する。
【0047】
固定部位326及び固定部位336は、固定部材310の長手方向にスライドする。これにより、例えば、固定部位326及び固定部位336を固定部材310の内側方向にスライドさせた状態で、棚ユニット100をラック400の内部空間に移動させ、ラック400の内部空間で固定部位326及び固定部位336を固定部材310の外側方向にスライドさせることによってラック400への固定を可能にできる。固定部位326及び固定部位336を固定部材310の内側方向にスライドさせることによって、棚ユニット100の全体の幅を狭めることができ、ラック400の支柱410及び支柱420の間を通過させやすくできる。
【0048】
また、固定部材310が、固定部材310に対して移動可能な固定部位326及び固定部位336を有することによって、ラック400が有する様々な大きさの孔に対応することができる。ラック400が有する孔の大きさは、ラック400の種類によって様々である。例えば、19インチラックの場合、ラックにはM5ネジ穴、M6ネジ穴及び四角穴等が形成されている。図8に示す固定部材310によれば、ラック400が有する孔の大きさに合わせて固定部位326及び固定部位336を固定部材310に対して移動させることによって、ラック400が有する様々な孔の大きさに合わせて固定位置を調整することができる。例えば、19インチラックの場合、M4以下のネジ、ワッシャー及びナットを用いて、固定部材310をラック400に固定してよい。
【0049】
固定部位326及び固定部位336は、作業者が固定部材310から引き出したり、固定部材310に押し込んだりすることによってスライドされてよい。また、固定部位326及び固定部位336は、半自動的にスライドしてもよい。例えば、固定部材310が、固定部位326及び固定部位336を固定部材310の外側方向に押し出す弾性部材と、当該弾性部材による固定部位326及び固定部位336の押し出しを抑止する爪部材と、当該爪部材による抑止を解除するボタン部材とを備え、ボタン部材の押下に応じて、固定部位326及び固定部位336を、固定部材310の外側方向にスライドさせる。これにより、ラック400に対する棚ユニット100の取り付け作業を効率化させることができる。
【0050】
図9は、固定部材310の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す固定部材310とは異なる点を主に説明する。図9に示す固定部材310は、固定部材310に対して移動可能な固定部位328及び固定部位338を有する。
【0051】
固定部位328及び固定部位338は、固定部材310に対して回転移動する。固定部位328及び固定部位338は、固定部材310に接する辺を中心軸として回転移動してよい。これにより、例えば、固定部位328及び固定部位338を固定部材310の内側方向に回転移動させた状態で、棚ユニット100をラック400の内部空間に移動させ、ラック400の内部空間で固定部位328及び固定部位338を固定部材310の外側方向に回転移動させることによって、ラック400への固定を可能にできる。固定部位328及び固定部位338を固定部材310の内側方向に回転移動させることによって、棚ユニット100の全体の幅を狭めることができ、ラック400の支柱410及び支柱420の間を通過させやすくできる。
【0052】
図10は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図10に示す棚ユニット100は、一の支持部材201を備える。
【0053】
支持部材201の一端の連結部202によって、固定部材310が支持部材201に対して回転可能に固定される。また、支持部材201の他端の連結部204によって、固定部材350が支持部材201に対して回転可能に固定される。支持部材201は、スライド部206を有する。支持部材201は、スライド部206によって、支持部材201の一端と他端とを結ぶ方向に伸縮可能である。
【0054】
固定部材310及び固定部材350を支持部材201に対して回転させることによって、固定部材310と固定部材350とが接触する状態と、固定部材310と固定部材350とが離間する状態とが切り替わる。固定部材310及び固定部材350と、支持部材201とが垂直になる状態を使用状態と呼ぶ場合がある。また、固定部材310と固定部材350とが接触する状態を収納状態と呼ぶ場合がある。
【0055】
図11は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図11に示す棚ユニット100は、カバー218及びカバー228を有する。
【0056】
カバー218は、スライド部216を覆ってよく、支持部材210に対して摺動可能であってよい。カバー228は、スライド部226を覆ってよく、支持部材220に対して摺動可能であってよい。
【0057】
カバー218及びカバー228がスライド部216及びスライド部226を覆うことによって、通信機器に接続されたケーブル等がスライド部216及びスライド部226に巻き込まれることを防止できる。また、カバー218及びカバー228が、通信機器等の物体を支持した状態で、支持部材210及び支持部材220に対して摺動することによって、支持面に沿った通信機器等の物体の移動を補助することができる。カバー218及びカバー228は、補助具の一例であってよい。
【0058】
なお、ここでは、補助具の一例としてカバー218及びカバー228を挙げたが、これに限らない。補助具は、棚部200における物体を支持する支持面に沿った物体の移動を補助することができれば、どのようなものであってもよい。例えば、支持部材210及び支持部材220は、補助具として、物体を支持する支持面にベアリングを有する。また、支持部材210及び支持部材220は、補助具として、物体を支持する支持面上に形成された、長手方向に延びる突起を有してもよい。
【0059】
図12は、棚ユニット100の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示す棚ユニット100とは異なる点を主に説明する。図12に示す棚ユニット100において、支持部材210の上面211と、支持部材220の上面221と、固定部材310の上面311と、固定部材350の上面351とが同一平面上に配置されている。これにより、棚ユニット100がラック400に固定された場合に、通信機器等の物体を、上面211、上面221、上面311及び上面351によって支持することができる。交差する支持部材210及び支持部材220と固定部材310及び固定部材350とによって通信機器等の物体を支持することにより、安定した支持を実現することができる。
【0060】
ここで、支持部材210は、支持部材210に対する固定部材310の回転を妨害しないように、段差213を有する。また、支持部材210は、支持部材210に対する固定部材350の回転を妨害しないように、段差215を有する。また、支持部材220は、支持部材220に対する固定部材310の回転を妨害しないように、段差223を有する。また、支持部材220は、支持部材220に対する固定部材350の回転を妨害しないように、段差225を有する。これにより、通信機器等の物体を上面211、上面221、上面311及び上面351によって支持可能であり、かつ、固定部材310及び固定部材350のそれぞれを支持部材210及び支持部材220のそれぞれに対して回転可能である構造を提供できる。
【0061】
図13は、棚ユニット100のラック400への着脱の流れを概略的に示す。ここでは、収納状態の棚ユニット100をラック400に取り付けて使用し、使用終了後に棚ユニット100をラック400から取り外すまでの処理の流れを概略的に説明する。各処理は、例えば、ラック400に収容された通信機器を取り外す作業を行う作業者によって実行される。
【0062】
ステップ1302(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、棚ユニット100がラック400の内部空間に配置される。S1304では、棚ユニット100の状態が収納状態から使用状態に切り替えられる。
【0063】
S1306では、固定部位360及び固定部位370のそれぞれが、ラック400の孔432及び孔442のそれぞれに固定される。S1308では、棚部200が伸長される。S1310では、固定部位320及び固定部位330のそれぞれが、ラック400の孔412及び孔422のそれぞれに固定される。
【0064】
なお、固定部位320及び固定部位330が、固定部材310の長手方向にスライド可能である場合、固定部位320及び固定部位330が固定部材310の内側方向にスライドされた状態で、棚ユニット100がラック400の内部空間に配置され、固定部位320及び固定部位330が固定部材310の外側方向にスライドされた後で、ラック400に固定されてよい。
【0065】
また、固定部位320及び固定部位330が、固定部材310に対して回転移動可能である場合、固定部位320及び固定部位330が固定部材310の内側方向に回転移動された状態で、棚ユニット100がラック400の内部空間に配置され、固定部位320及び固定部位330が固定部材310の外側方向に回転移動された後で、ラック400に固定されてよい。
【0066】
また、固定部位320及び固定部位330のそれぞれが、突起324及び突起334のそれぞれを有する場合、S1308における棚部200の伸長に伴って、突起324及び突起334が、ラック400の孔412及び孔422に挿入されてよい。
【0067】
S1312で、棚ユニット100の使用が終了したと判断された場合、S1314に進む。例えば、通信機器の取り外しが完了した場合に、棚ユニット100の使用が終了したと判断される。
【0068】
S1314では、固定部位320及び固定部位330の固定が解除される。S1316では、棚部200が収縮される。S1318では、固定部位360及び固定部位370の固定が解除される。S1320では、棚ユニット100の状態が使用状態から収納状態に切り替えられる。そして、S1322で、棚ユニット100が搬出されて、処理が終了する。
【0069】
図1から図12では、支持部材201、支持部材210及び支持部材220が板形状を有する場合を例示したが、支持部材201、支持部材210及び支持部材220の形状はこれに限らない。支持部材201、支持部材210及び支持部材220は、棒形状及び円柱形状等の形状を有してもよい。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0071】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0072】
100 棚ユニット、200 棚部、201 支持部材、202 連結部、204 連結部、206 スライド部、210 支持部材、211 上面、212 連結部、213 段差、214 連結部、215 段差、216 スライド部、218 カバー、220 支持部材、221 上面、222 連結部、223 段差、224 連結部、225 段差、226 スライド部、228 カバー、310 固定部材、311 上面、320 固定部位、321 孔、322 留め具、323 紐状部材、324 突起、326 固定部位、328 固定部位、330 固定部位、331 孔、332 留め具、333 紐状部材、334 突起、336 固定部位、338 固定部位、340 スライド部、350 固定部材、351 上面、360 固定部位、361 孔、362 留め具、363 紐状部材、364 突起、370 固定部位、371 孔、372 留め具、373 紐状部材、374 突起、380 スライド部、400 ラック、410 支柱、412 孔、420 支柱、422 孔、430 支柱、432 孔、440 支柱、442 孔
【要約】
【課題】ラックの任意の段に棚を追加したり、例えばラックから通信機器を取り外す際に通信機器を支持できる棚を一時的に追加したりすることを容易に行えることが望ましい。
【解決手段】ラックに着脱可能な棚ユニットであって、棚部と、棚部の一端に、棚部に対して回転可能に固定され、ラックの第1の面側に固定される第1固定部材と、棚部の他端に、棚部に対して回転可能に固定され、ラックの第1の面に対向する第2の面側に固定される第2固定部材とを備える、棚ユニットを提供する。
【選択図】図1
図1
図2
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図5
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図7
図8
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図10
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図13