(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
山の斜面の裾の下に位置する下避難路から斜面上の一定高さの近いところへ向けて避難階段を設けて該階段を手摺りの立設されたものとするとともに、山の斜面の前記避難階段を上がったところには、斜面開口とその下方に対応する凹所底面である前方スペースとを有して山内に向けて掘削された掘削洞が形成され、その掘削洞の内部には、内張材と支柱により補強されるとともに内部に溜まる水の排出手段と空調手段を設備しかつ前記前方スペースを有する凹所に面するように密閉式の避難扉を前面に備えた避難室が形成されている津波避難用装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図示する実施形態により本発明を詳細に説明する。
尚、以下の各実施形態で説明する個々の開示例は他の実施形態にも適用されるものとする。
図1は津波からの避難装置についての他の実施形態を示し、例えば、津波発生時に高いところまで登れない人を対象にして高いところに登る必要なくして裾下の下避難路から0mあるいは数m以内の極めて低い裾部分に緊急避難できるようにしたものである。また、津波襲来高さが数十メートルと想定されることがある特定地帯を対象にして、例えば、高い避難用タワーを構築する莫大な費用も必要なくして安価な装置でもって安全を確保できるようにするためのものである。
【0007】
309は裾部分で、その中に水平方向の掘削洞310を形成する。同掘削洞310は、四角や丸型の断面をしており、奥に向けて直線状に伸びたものとしたり、
図1および
図2(横断模式図)のようにA室・B室でなるT字形、さらには
図2の右下欄のように十字形などにすることができる。
【0008】
この掘削洞310の中には、横断面上の四辺に添って内張材311…が張りめぐらされるとともに落盤を防止するために洞中央位置に添って複数本の支柱312…が固定されている。内張材311は吹付けモルタルでもよく、また、
図1の右上欄に示すようにボックスカルバートやアーチカルバートなどでもよい。
【0009】
支柱312…を利用して避難椅子313…を渡して固定してもよい。この避難椅子313はベッドを兼ねるものにすれば数日避難生活を送ることができる。
315は前面口周りに埋め込まれた基枠で、浸水防止用の基パッキン316を介して扉受枠317が固定されるとともに、扉受枠317の前面にはヒンジ318を介して開閉自在な避難扉319が取り付けられている。扉319は浸水防止用の扉パッキン320を備えるとともに把手321を備える。
【0010】
掘削洞310の底部には水溜め323が設けられており、その水溜め323にはポンプ324が設置されて伸縮可能な排水チューブ325を介して扉319を通じて外部に排水可能とされている。その電力は、上方に設置したソーラーパネル326および制御盤327からの配線を通じて送られる。バッテリーは図示省略する。328は歩み底板である。
330はエアーコンディショナーで、伸縮可能な吸気チューブ331と排気チューブ332とを扉319を通じて外部に導くことで浸水できない逆U字形の吸気部333と排気部334とに連通するようにし、ソーラーパネル326からの電力を利用して給排可能に構成してある。
【0011】
335は水タンクで、例えば、避難椅子313の下側に設置してある。336は山斜面を流れ落ちる雨水から斜面を護り雨水を斜面の方向に導き流すためのガイド板である。337は避難階段、338は手摺り、339は避難時警報灯である。
尚、水溜め323からはポンプなしで内水を流し出すためのドレン340を設けてもよい。ソーラーによる電力が供給されない場合も想定して給排気を手動で行うための機器を設けておいてもよい。
【0012】
図1のように避難階段337を登って扉319を開閉することにより内部に避難しておくことで室内では安全が確保される。また、室内では空気も確保されるとともに溜まった水も排出できるので安全かつ快適である。扉319が土砂などで閉塞して外部に戻れない場合でも警報発して救助を待つことができ安全である。
【0013】
図3は、一般家庭用の津波対策例を示す。同実施形態は、
図1および
図2の実施形態と同様の目的をもち、例えば、家屋341の庭342内に津波避難用装置を埋め込み式に設備して安全を確保することができるようにしたものである。
【0014】
庭地盤343に仮想線で示す埋設穴344を掘削してその底面に砕石345と基礎コンクリート346を施工して沈下しないようにしたあと、その上に大型の函型マンホール348の基礎ブロック下349をクレーンで吊り下ろして底面水平に設置する。この基礎ブロック下349の上に管芯が合致するようにして基礎ブロック上350を載せたあと頂版351を載せて図示しない連結ボルトで上下ブロック間を結合する。
設置深さによれば基礎ブロック上350と頂版351との間に中間ブロックや中床版を適宜に介装固定することがある。
頂版351上には円形マンホール部352を設置連結してその上端開口に開閉蓋353を取り付ける。この円形マンホール部352は省略して頂版351が地表に突き出すようにしてその開口に開閉蓋を装備することもある。
【0015】
マンホールの設置後、基礎ブロックの開口を介して、蓋355付きボックスカルバート(あるいはアーチカルバート)356を設置してカルバート受357で支承する。これにより、浸水防止型で軽量剛強な開閉蓋353を開ければマンホール内の足掛金具358…を介して内部に避難することができるとともに、カルバート356により2室が形成されているのでそこに長い時間避難することができる。カルバート356は奥行きの長い単体物で構成してあるが
図1の右上欄に示すような胴長の短い連結合体式のもので構成してもよい。
359は睡眠も可能な避難椅子であり、
図4のような上下複数段のベッド式のものを採用することもできる。
【0016】
マンホール内には水タンク360を含む保管庫361が設置されているので、飲料水とか食料、さらには寝具(枕や寝袋・毛布など)などの非常用品類を利用することができ、さらに、避難時の出入や避難生活時には、室内灯362…を利用することができる。室内に水が溜まるおそれもあるため排水ポンプ363を装備し、また、空調機器364も設置する。これらの吸気・排気は、逆J形で内部が仕切り板365により2つの通路に分けられているパイプ366により分離独立してなされるようになっている。パイプ366内は、排水ポンプ363・空調機器364・室内灯362などの電力を供給するための配線を通す通路ともなっている。電力は、非常時の停電を考慮してソーラー発電やエンジン発電器などで供給可能にするとよい。
【0017】
尚、パイプ366の津波が襲来する前側には、防護パイプ(対抗防護手段)367を立設すればパイプ366の折れなどを防止・保護することができる。また、パイプ366の外周には緩衝材を巻くようにしてもよい。
【0018】
図4は公園や避難指定地域用の津波対策例を示す。同実施形態は、
図1、
図2並びに
図3の実施形態と同様の目的をもち、例えば、公園内の地盤370内に津波避難用装置を埋め込み式に設備して安全を確保することができるようにしたものである。
【0019】
地盤370に仮想線で示す埋設穴371を掘削してその底面に砕石372と基礎コンクリート373を施工して沈下しないようにしたあと、その上に大型の函型マンホール374の基礎ブロック下375をクレーンで吊り下ろして底面水平に設置する。この基礎ブロック下375の上に管芯が合致するようにして基礎ブロック上376を載せたあと中間ブロック377…を介して頂版378を載せて図示しない連結ボルトで上下ブロック間を結合する。
設置深さによれば基礎ブロック上376と中間ブロック377との間に中床版を介装固定することがある。この中床版は避難床面や途中休憩床を提供することができる。
頂版378上には円形マンホール部379を設置連結してその上端開口に開閉蓋380を取り付ける。この円形マンホール部379は省略して頂版378が地表に突き出すようにしてその開口に開閉蓋を装備することもある。
【0020】
マンホールの設置後、基礎ブロックの開口を介して、蓋381付きボックスカルバート(あるいはアーチカルバート)382を設置してカルバート受383で支承する。これにより、浸水防止型で軽量剛強な開閉蓋380を開ければマンホール内の足掛金具384…を介して内部に避難することができるとともに、カルバート382により2室が形成されているのでそこに長い時間避難することができる。カルバート382は奥行きの長い単体物で構成してあるが
図1の右上欄に示すような胴長の短い連結合体式のもので構成してもよい。
385は睡眠も可能な避難椅子であり、
図4のような上下複数段のベッド386のものを採用することもできる。
【0021】
マンホール内には水タンク387を含む保管庫388が設置されているので、飲料水とか食料、さらには寝具(枕や寝袋・毛布など)などの非常用品類を利用することができ、さらに、避難時の出入や避難生活時には、室内灯389…を利用することができる。室内に水が溜まるおそれもあるため排水ポンプ390を装備し、また、空調機器391も設置する。これらの吸気・排気は、逆J形で内部が仕切り板392により2つの通路に分けられているパイプ393により分離独立してなされるようになっている。パイプ393内は、排水ポンプ390・空調機器391・室内灯389などの電力を供給するための配線を通す通路ともなっている。電力は、非常時の停電を考慮してソーラー発電やエンジン発電器などで供給可能にするとよい。
【0022】
尚、パイプ393の津波が襲来する前側には、防護パイプ(対抗防護手段)394を立設すればパイプ393の折れなどを防止・保護することができる。また、パイプ393の外周には緩衝材を巻くようにしてもよい。地盤370は
図4に仮想線で示すように頂版378の高さあるいは円形マンホール部379の上面高さにくるように設定することができる。
図4の仮想線aは地面から円錐状に盛り上がる防護錐で、マンホール部379の立ち上がる部分を津波から防護する。この防護錐aは、土砂、モルタル、コンクリートなどで作られる。間防護錐aはその傾斜角度をゆるくして避難スロープ(あるいは階段)とすることができる。
【0023】
図5は一般家庭の庭や公園・避難指定地域などの地盤397に基礎コンクリート398を敷設し緩衝材399を介して複数列(あるいは単体型)のカルバート400を連結設置するとともにその両端に蓋401を備えて開閉自在な扉をその一方の扉402に備え付けたものであり、カルバート400はアンカー403…によって地盤側に固定して津波で流されないようにする。カルバート400の内部には保管庫404を備え付けて水や食料などの非常用品や用具などを収納するようにしたものである。405は照明器具、406はソーラーパネル、407は昇降調節自在な給排気パイプである。尚、扉402内を利用して水タンクにしてもよい。また、上下複段ベッド408のステップ409は、保管庫404の扉の一部で形成してもよい。
【0024】
図6は、
図5に示す津波避難施設に津波防護手段を付加した実施形態である。地盤397上には
図5に示すようにカルバート400の連設により扉402付きの避難施設がアンカー固定されている。この施設には矢印方向に津波が襲来することが想定されており、その前面および後面側には防護部材412がアンカー413にて固定されカルバート400に対しても止着具414により連結固定されている。防護部材412は、斜面部b・底面部a・頂面部cで形成されている。その材質は金属や木材、樹脂のいずれでもよい。
尚、底面部は仮想線a´で示す如くカルバート400の底側に入れて固定してもよい。また、底面部はa´´の如く前向きに曲げてもよい。aは下向きに伸ばし土中に埋設してもよい。
【0025】
図7の実施形態は、カルバート400を地盤397内に埋め込んだものである。
【0026】
図8・
図9の実施形態は、基礎ブロック415にカルバート416を連設するとともに上部に上部ブロック417およびマンホール部418を付加したものを避難施設とし、同施設を地盤上に設置してその上側に盛土(コンクリート)419を施工したものである。
盛土419により施設は津波から護られる。マンホール部418の上端蓋を通じて避難できるものである。
【0027】
図10は地盤上あるいは埋め込み式に設置できる津波避難施設で、複数個の基礎ブロック421をカルバート422で連結し、その基礎ブロック421のあるものに扉423を付けて避難可能にしたものである。同施設を盛土で埋め込む場合は、基礎ブロック421上のマンホール部を通じて避難するようにする。
前記カルバートは、可とうボックス(アーチ)カルバートを含み、この可とうカルバートは、連設するカルバートの一部として構成する場合もある。
【0028】
図11(平面図)、
図12(正面図)および
図13(
図12のS−S線断面図)は通り抜け遊具についての提案例を示す。大仏様を納める東大寺の柱の1つにはその根元に四角な通り抜け穴が設けられ、その通り抜け穴は大仏様の鼻の穴と同じ大きさとされ、その穴をくぐることができた人は幸せになり子供にあっては背が伸びるという微笑ましい民間信仰となっている。
【0029】
図11ないし
図13の一例は柱の根元ではなくどこへでも運搬・移設可能で楽しめる通り抜け遊具であって、本体は木製や樹脂製などで作製される。同本体は、平面形状が長円形で20cm前後の厚みをした座盤500を備える。同座盤500は、その一側(
図11・
図12においては右側)中央に平面コの字形をした横溝501を備えている。
【0030】
座盤500の他側上部には横断面が一部円弧形とされた固定支柱502が1ないし15m程度の高さをもって脱着可能に立設固定されている。この固定支柱502の上側にはL形をなしてブラケット503が突設され、同ブラケット503には縦ねじ軸504が遊転自在に支持されている。この縦ねじ軸504の上端には往復回転自在な上ハンドル505が取り付けられる一方、同ねじ軸504の下端部は座盤500に対し上下に移動しない状態で回転自在に支持されている。
【0031】
固定支柱502の一側には、平面コの字形をした縦溝506が上下貫通状に形成され、その溝506内に前記縦ねじ軸504が通されている。507は載り台で、その上に載って前記上ハンドル505を回転操作しやすくするためのものである。上ハンドル505が操作しやすい高さであるときはこの載り台507は構成しない。
【0032】
510は上ブロックで、
図11のように円の中央部分を切ったような形をして固定支柱502の一側に設けられており、同ブロック510は、その一側に凸スライダ511を備えて前記縦溝506内を
図12の矢印のように昇降するようになっている。その昇降は、凸スライダ511の(メス)ねじ孔512に前記縦ねじ軸504が螺合した状態で上ハンドル505を正逆に回転させることでなされる。
【0033】
513は横ブロックで、同ブロック513は、固定支柱502のような一部円支柱の形をして下端の凸ガイド514が前記横溝501内を矢印のように進退することで固定支柱502との対向間隔を大小に変えることができるようになっている。同ブロック513の進退は下ブラケット515に通された横ねじ軸516と下ハンドル517によりなされる。
尚、518はロック付き車輪、519は緩衝材であり、緩衝材519は、通り抜ける際の当たりを和らげるために機能する。
また、上ブロック510は、
図12の右上欄に示すように、中空型にして軽量化してもよい。中空型にすると、昇降操作が軽くなりしかも通り抜ける人に上ブロック510が落ちるようなことがあっても怪我をすることがない。他の部材500,502,513なども中空型にしてもよい。本体は、アクリルなどにより透明材で作製することができ、この場合、遊具が軽量化して持ち運びが非常に簡単になるとともに、通り抜ける人の状況が回りの人から良く見えて面白さが倍増する。
さらに、上ブロック510の側部は、
図12に仮想線で示すように、数枚の脱着調整板520…で構成し、子供など用に小さい通り抜け空間を作ることができるようにしてもよい。また、同図右欄に示すように、ボルト・ナット521で隙間調整して幅Wを調整できるようにしてもよい。
【0034】
図に示す通り抜け遊具は他の場所に自由に運搬することができる。その際、同遊具は、車輪518で転動させて楽に移動させることができ移動後はロック機能によりその場所に定置することができる。設置後は、この遊具を利用して遊ぶ人の年齢や性別などの条件に応じて上ハンドル505・下ハンドル517を操作しながら上ブロック510および横ブロック513を昇降・進退させ、ゲージ522により上ブロック510および横ブロック513の端の位置を調整することにより通り抜け空間の高さHおよび幅Wを遊ぶ人の条件合った好ましい寸法に調整することができ、あとはその空間を利用して通り抜けをして遊ぶことができる。
尚、
図12に示すように、上ブロック510は縦ねじ軸504に螺合しているが落下するおそれもあり、そのため固定支柱502あるいは横ブロック513にはストッパ523を装備して安全にすることがある。
図11の座盤500に、図の上下方向に伸びたり収納できたりする倒れ防止板524を設けることができる。尚、底盤500の下側には体重測定手段を設けることができる。
【0035】
図14および
図15は他の提案例を示す。同例は、先にビデオ試写店で放火による火災が発生し何ら警報がなされないまま多くの利用者が逃げ遅れにより被害に遭ったことを受けて創作されたものである。
図14はその店内の1列のみを示す平面配置図を、
図15はその一部を取り出して示す縦断面図を示している。
【0036】
528は各個室で、扉529・側壁530・天井壁531を備える。この例では個室528は側壁530が天井壁531よりも低い上部開放型とされている。各個室528内には扉側に観賞椅子532が、また前方には台座533上に必要なモニター534などが設置されている。
【0037】
535は通しスリーブで、各側壁530の同じ高さに貫通して取り付けられ、これらのスリーブ535…を通じて進退線条材536が通されている。店内の個室528外のあるところにはブラケット537およびスリーブ535が設けられ、そのスリーブ535にも通るように前記進退線条材536の端部が通されているとともに、同線条材536の端には外部から引っ張り操作できるように警報操作部537が設けられている。そして、線条材536の両端にはバネ538が設けられて線条材536を往復運動させるようになっている。
【0038】
540は鳴子で、線条材536の適所にぶら下げられて警報操作部537を操作することで鳴るようになっており、この鳴子540は竹管や金属管などによる形成される。線条材536には重り541をぶら下げて側壁530に衝当して警報を発するようにしてもよい。
また、鳴子は、
図15の右欄に示すように、鈴542や、鈴542と金属管543の組み合わせにより構成してもよい。
【0039】
図16は、側壁530が天井壁531まで伸びて完全個室型のの部屋を構成したものにおいてスリーブ535・線条材536を設けて警報操作部537で操作可能としたもので、この例では、
図15のように鳴子540を線条材536の方向に揺すって鳴らすようにしてもよいが、
図16に示すように、一方を側壁530に他方を線条材536に吊り掛けたY字形の吊り材546に鳴子547をぶら下げて警報操作部537の操作により同鳴子547が台座533に当たって警報となるようにしてもよい。
【0040】
尚、ビルの各階層に通るように線条材548を通してそれに鳴子549…を付けて警報を全ての階層に伝えるようにしてもよい。操作部やバネなどの駆動方式は
図15と同様とする。
【0041】
図18は褌についての提案例を示す。図は極く一般的に使用されている越中褌553でこの褌553は前垂れ554と左右のひも555からなっており、図示のようにひも555を腰周りに回して前で結ぶとともに前垂れ554を後側から前側に回して矢印のようにひも555内を通じて前垂れ状態として使用する。
【0042】
この褌553にユーモアのある趣向的な面白さをもたせるたものが
図18で、例えば、「努力」の「努」は「女」へんに「又」と書きその下に「力」を組合せてなっているが、褌553ではその前垂れ554の先部が丁度着装する人(女性の人)の又(股)の部分にマッチすることに鑑み、その部分に「力」の字を割り当てれば丁度全体として「努」の字を組み模した形となることに由り前垂れ554に「力」の字を付してユーモアのある褌553としたものである。尚、同図右欄のように、「努」の「力」の一字と、「努力」の下の
同じ理由から、
図19のように、「怒る」の字もその1字である「心」を前垂れ554に付してその語意を連想させることによって面白さを表現するようにしたものである。
【0043】
図20も同様の趣旨から女性が主に使用するエプロン556に「心」の字を表現したものであり、「力」を付してもよい。尚、「心」の字に更に関連付けるためその背景にハートマークを付してもよい。また、同図右欄に示すようにそのハートマークの部分をポケット557としてもよい。
前記例では褌およびエプロンを対象にしたが、パンツ・ズボン・スカート・ストッキング・腰巻などを対象としてもよく、また、標示される文字は貼り付けシールでもよい。
【0044】
図21および
図22は付加的な提案例を示すもので、周壁600で囲まれた回分式などの処理池601内の水面602上にはスカムが溜まり、それを除去するためのスカム除去装置が設けられてはいるが、構造が複雑でコストダウンが図れなかった。
【0045】
そこで、これらの図に示すように、水位に追従しながら水面上のスカムを池外に効率的に排除する簡単な構造のスカム除去装置を開発した。
この装置は、池底603上に平行に敷設した複数本のサポート604上に架台605を固定し、同架台605上に角パイプでなる固定側排出管606を立設固定するとともに、同排出管606の上端にスカム通口607を開設してある。排出管606の上側には、同管606の四隅位置からそれぞれ立ち上がりそれらの間を通じてスカムが流れ込むようにしたガイド支柱608が立設固定されている。
【0046】
610は昇降側排出管で角パイプでなり、同管610は、前記固定側排出管606よりも少し大径で固定側排出管606との間にパッキン611と上下ガイドシュー612を介装してある。ローラー613により昇降側排出管610を上下させるようにしてもよい。
【0047】
615は落とし込みトラフで、底壁616と4面の側壁617とを備えるもので、同トラフ615の中央に開けた流入口618まわりに前記昇降側排出管610の上端が連通状に結合されている。底壁616の底面にはフロート619が取り付けられて側壁617の全周が水面602よりもhcm下がった状態に常に保たれるようにされており、側壁617の各上端には水面602よりも上に数cm突出するように堰板620が上下調節可能に取り付けられ、堰板620以外の周部が呑込口621となっている。
【0048】
ガイド支柱608の上端には第2シーブ623が設けられる一方、周壁600上に立設したステー624上には第1シーブ625が設けられ、これら両シーブ625,623を介して掛けられた伝達線条材626の周壁600側の一端は電動シリンダなどの駆動手段627に連結されている一方、他端にはゴム球などによるバルブ本体628が取り付けられている。バルブ本体628は、駆動手段627による上下駆動によりスカム通口607を開閉自在とする。駆動手段は手動でもよい。
【0049】
尚、630はスカム抜出管で、同抜出管630は固定側排出管606に連通状に接続され池外にスカム水を排出するようになっている。矢印のように自然排出するかあるいはポンプPにより引き抜くようにする。
また、631はウエイトで、一端がトラフ615に接続されてフロート619の浮力とともにトラフ615を持上げるように機能する。
【0050】
水面602の水位は
図22にSで示すストロークで上下変動する。その変動に応じて落とし込みトラフ615は常にhの落差を保ちながら追従する。その際、昇降側排出管610は固定側排出管606に密閉状態を保ちながら昇降する。側壁617の上端と水面602との間の落差hにより水面に浮遊するスカムはトラフ615内に
図21の矢印のように落とし込まれ、昇降側排出管610内におけるバルブ本体628より上の部分に流入水とともに溜められる。そして、駆動手段627が引き動作すると、伝達線条材626に引かれてバルブ本体628が開かれ、溜まっていたスカム水が固定側排出管606からスカム抜出管630を経て外部に引き抜かれる。
一定の引き抜きを終えると、駆動手段627が逆動作することにより伝達線条材626は緩み、それによりバルブ本体628は下がってバルブ本体628が閉止する。