(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子メールの送受信を行うクライアント端末とネットワークを介して接続された電子メールの中継を行う情報処理装置からなる情報処理システムで読取実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記クライアント端末から電子メールを受信する電子メール受信手段と、
送信制御ルールによって、前記電子メール取得手段によって取得した電子メールの送信の保留判定を行い、保留と判定した電子メールの送信状況を保留とし、一方、送信すると判定した電子メールをクライアント端末へ送信する送信手段と、
前記送信状況が保留の電子メールの承認を行う保留メール承認手段と、
して機能させ、
前記送信手段は、前記電子メール取得手段によって取得した電子メールが、前記承認した電子メールの返信メールの場合、前記承認された電子メールに対して適用される送信制御ルールと、前記返信メールに対して適用される送信制御ルールとが一致するときに、前記返信メールを保留とすることなく、前記返信メールをクライアント端末へ送信するとして機能させることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおけるシステム構成の一例を示す図である。尚、
図1に示す各種端末の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100には、ユーザが利用する内部クライアント端末101、システム管理者が利用する管理者用クライアント端末102、内部メールサーバ104、及び監視サーバ105が設置されており、それら端末は、ローカルエリアネットワーク(LAN)103を介して相互に通信可能に接続されており、内部システムとして構築されている。
【0022】
また、内部クライアント端末101は、広域ネットワーク106を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ107と相互に通信可能に接続されている。また、LAN103と広域ネットワーク106との間には不図示のファイアウォール装置が設置されており、あらかじめ決められた規則に従った通信制御処理が行われている。
【0023】
内部メールサーバ104は、内部クライアント端末101による電子メール中継のためのサーバ装置であり、内部クライアント端末101のSMTP通信内容を特定し、その通信内容に応じて後述する各種の処理を行うことになる。
【0024】
管理者用クライアント端末102は、内部メールサーバ104の設定、管理を行うことになる。
【0025】
監視サーバ105は、プロキシサーバとしての機能を備えており、その機能を利用して、内部メールサーバ104や内部クライアント端末101から送信される電子メールに対する送信制御処理を、後述する送信制御ルールを用いて行う。
【0026】
また、監視サーバ105は、Webサーバとしての機能も備えており、その機能を用いて、管理者用クライアント端末102を操作するユーザからの要求に応じて、電子メールの送信制御処理に用いる送信制御ルールの入力の受け付け、あるいは送信制御処理の結果、送信が保留された電子メールに対する送信、送信中止の入力の受け付け、また、内部クライアント端末101、あるいは外部クライアント端末108を操作するユーザからの要求に応じて、保留された電子メールの送信状況の確認等を行うことが可能である。
【0027】
次に、
図1に示す内部メールサーバ104の各種端末のハードウェア構成について、
図2を用いて説明する。尚、内部クライアント端末101、管理者用クライアント端末102、監視サーバ105、外部メールサーバ107、及び外部クライアント端末108についても同様な構成を備えるため説明は省略する。
【0028】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各クライアント装置の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイスを示す入力部209からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。
【0031】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0032】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、表示部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための電子メールの送信制御処理を実行するためのプログラム等は、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行される。
【0035】
本発明に係わる電子メールの送信制御処理が用いる定義情報及び各種情報テーブルについても、外部メモリ211に記憶されている。これらについての詳細な説明は、後述する。
【0036】
図3は、情報処理システム100に係る機能構成を示す模式図であり、各々の機能に関して概要を説明する。尚、この模式図に限らず
図4から
図7に示すフローチャートと合わせて、各機能内容を説明する。
【0037】
図3に示すように、内部クライアント端末101は、内部クライアント送受信手段301を備えており、内部クライアント送受信手段301は、LAN103を介して、内部メールサーバ104と接続されている。
【0038】
内部クライアント送受信手段301は、内部システムに存在する内部クライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在する外部クライアント端末108から、内部メールサーバ104を介して、電子メールや保留された電子メールの送信状況の確認要求の送受信を行う。
【0039】
内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302は、内部クライアント送受信手段301に接続されており、電子メールを送信指示するためのソフトウェアによって実現される機能を備えており、電子メールを生成するための画面(不図示)を、表示部210に表示し、ユーザは、入力部209を用いて、電子メールの送信先となる宛先やCC(Carbon Copy)にメールアドレスを設定し、電子メールのタイトルを示す件名、電子メール本文、及び添付ファイル等を入力あるいは添付等を行った後、内部クライアント送受信手段301によって、内部メールサーバ104を介して、宛先やCCに設定されたメールアドレスへ電子メールを送信する。
【0040】
また、内部クライアント送受信手段301によって受信されたメールは、内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302に対して出力され、内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302は、例えば、
図5に示すメール画面500を、表示部210に表示し、ユーザは、入力部209を用いて、電子メールの送信者のメールアドレスを示す差出人501、電子メールの送信先アドレスを示す宛先502、及びCC(Carbon Copy)503、電子メールのタイトルを示す件名504、電子メール本文505、電子メールに添付されているファイルを示す添付ファイル506を備えている。
【0041】
電子メール本文505には、保留されたメールの送信状況を確認するためのURLを示す保留送信状況確認先507が備えられており、ユーザが入力部209を介して、保留送信状況確認先507を押下すると、ユーザが表示している電子メールの他ユーザへの送信状況を、当該ユーザが画面(
図10参照、詳細後述)を用いて確認することが可能である。
【0042】
このような保留されたメールの送信状況を確認するためのURLを出力する理由を以下に述べる。
【0043】
電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先502に複数のメールアドレスが設定された電子メールを送信する場合、内部クライアント端末101あるいは内部メールサーバ104において、送信対象となる電子メールと同じ本文内容のメールを、宛先に設定されたメールアドレスの数の分だけ生成し、生成した各電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先は、そのままとして、各電子メールのエンベロープに対して、宛先に設定された1つのメールアドレスをそれぞれ設定する。
【0044】
例えば、ヘッダ情報に含まれる宛先に、A、B、Cが設定されている場合、電子メール本文505や添付ファイル506等の送信内容が同じ電子メールを宛先に設定されたメールアドレスの数の分(3つ)生成し、ヘッダ情報に含まれる宛先は、そのままとして、生成した各電子メールのエンベロープには、Aを1つ設定したもの、Bを1つ設定したもの、Cを1つ設定したもの、計3つの電子メールを生成する(分割する)。つまり、各電子メールは、エンベロープに設定するメールアドレスが、其々異なるものであると言える。
【0045】
尚、分割された電子メールが関連することを示す情報として、ヘッダ情報に含まれるMessege−idがあげられ、生成した各電子メールのMessege−idには、同一の情報が設定される。更に、エンベロープには、ヘッダ情報に含まれる宛先に1つのメールアドレスが設定されている場合は、この1つのメールアドレスが設定され、分割した場合のみ、エンベロープへのメールアドレスの設定が行われるわけではない。
【0046】
このように、エンベロープによって設定されたメールアドレスを用いることによって、分割された電子メールは、重複して電子メールが送信されることを抑止する効果を奏する。
【0047】
しかしながら、このように分割して電子メールを送信するにあたり、監視サーバ105に記憶された送信制御ルールに基づいて、1部の電子メールが保留となり、他の電子メールが送信された場合、電子メールを受信したユーザが、保留中の電子メールを受信する予定であるユーザを含めて、他ユーザへ返信メールを送信すると、保留中の電子メールを受信する予定であるユーザは、どのメールに対しての返信なのか、見当もつかず、対応に困る、という問題が生じる。
【0048】
このような問題へ対処するために、返信を行おうとするユーザは、保留送信状況確認先507を押下すると、ユーザが表示している電子メールの他ユーザへの送信状況を、当該ユーザが画面(
図10参照、詳細後述)を用いて確認することが可能となるので、保留中の電子メールを受信する予定であるユーザへの配慮を欠かすことなく、効率的に電子メールのやり取りを行うことが可能となる。
【0049】
内部メールサーバ104は、メールサーバ送受信手段303を備えており、メールサーバ送受信手段303は、内部クライアント端末101や監視サーバ105、あるいは広域ネットワーク106を介して、少なくとも1以上の外部メールサーバ107と接続されている。
【0050】
メールサーバ送受信手段303は、内部システムに存在する内部クライアント端末101や内部システム以外の外部システムに存在する外部クライアント端末108と電子メールや保留された電子メールの送信状況の確認要求の送受信を行う。
【0051】
また、内部メールサーバ104は、前述した通り、エンベロープを用いた電子メールを分割するためのメール分割手段304を備えており、メール分割手段304は、メールサーバ送受信手段303と接続されている。
【0052】
メール分割手段304は、メールサーバ送受信手段303によって受信した電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先を参照し、複数の宛先が設定されている場合、宛先に設定されたメールアドレスの数の分だけ、電子メールを生成し、エンベロープには、其々、宛先に設定された異なるメールアドレスを1つずつ設定する。
【0053】
そして、メールサーバ送受信手段303に分割した電子メールを出力し、メールサーバ送受信手段303は、内部クライアント端末101、あるいは監視サーバ105へ電子メールを送信する。
【0054】
尚、メール分割手段304と同等な機能を内部クライアント端末101に備えることも可能であり、この場合、内部クライアント送受信手段301によって送信する電子メールを対象として、前述のような機能を実行する。
【0055】
監視サーバ105は、監視サーバ送受信手段305、電子メール取得手段306、送信制御ルール判定手段307、メール情報記憶手段308、及び保留メール承認手段310を備えている。
【0056】
監視サーバ送受信手段305は、内部クライアント端末101あるいは外部クライアント端末108における電子メールの送受信を、内部メールサーバ104あるいは外部メールサーバ107を介して行う。
【0057】
また、監視サーバ送受信手段305は、内部クライアント端末101あるいは外部クライアント端末108から、送信された電子メールの中継、保留された電子メールの送信状況の確認要求を受信し、その結果を送信する機能を備え、更に、管理者用クライアント端末102から保留されたメールの監査要求や監査結果の登録指示を受信し、その結果を送信する機能を備える。
【0058】
電子メール取得手段306は、監視サーバ送受信手段305及び送信制御ルール判定手段307と接続されており、監視サーバ送受信手段305において受信した電子メールを取得した後、送信制御ルール判定手段307へ取得した電子メールを出力する。
【0059】
送信制御ルール判定手段307は、電子メール取得手段306及びメール情報記憶手段308と接続されており、電子メール取得手段306によって出力された電子メールに対して、送信制御ルールを満たすか否かを判定する。
【0060】
この送信制御ルールは、電子メールを送信するに当たり、電子メールに設定された宛先、電子メールの本文の内容、電子メールに添付されたファイルのキーワードやサイズ等に対して、所定のルールに該当する場合、送信を不可とする、あるいは、送信を一時保留して、監査者の監査を受けてから送信する等の対応を取るためのルールを示しており、これによって、外部システムへの情報漏洩等を抑止することが可能となる。
【0061】
送信制御ルール判定手段307は、電子メール取得手段306から出力された電子メールと送信制御ルールによる判定結果とメール情報記憶手段308に出力する。メール情報記憶手段308は、送信制御ルール判定手段307によって取得された電子メールと判定結果を対応づけて送信状況テーブル(
図11参照、詳細後述)へ記憶する。
【0062】
保留メール情報取得手段309は、監視サーバ送受信手段305及びメール情報記憶手段308と接続されている。
【0063】
保留メール情報取得手段309は、監視サーバ送受信手段305を介して、内部クライアント端末101あるいは外部クライアント端末108から、保留されたメールの送信状況の確認要求を受付け、確認対象となる電子メールをメール情報記憶手段308から取得する。
【0064】
そして、取得した電子メールに関する一覧画面(
図10参照、詳細後述)を、監視サーバ送受信手段305を介して、確認要求を行った内部クライアント端末101及び外部クライアント端末108へ送信する。
【0065】
保留メール承認手段310は、監視サーバ送受信手段305及びメール情報記憶手段308と接続されている。
【0066】
保留メール承認手段310は、監査者の指示によって、管理者用クライアント端末102から、監視サーバ送受信手段305を介して、保留されたメールに対しての監査要求を受付けた際に、メール情報記憶手段308から、監査者が監査を行う電子メールを取得する。そして、取得した電子メールを、監視サーバ送受信手段305を介して、要求を受付けた管理者用クライアント端末102へ送信する。
【0067】
また、監査者の指示によって、管理者用クライアント端末102から、監視サーバ送受信手段305を介して、監査を行った結果、例えば、保留されている電子メールの送信を許可する、送信を中止する、保留のままとする等の結果を受信し、メール情報記憶手段308に記憶された電子メールの送信状況にその旨を示す情報を記憶する。
【0068】
外部クライアント端末108は、外部クライアント送受信手段311及び外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312を備えており、外部クライアント送受信手段311は、外部メールサーバ107を介して、監視サーバ105と接続され、更に、外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312を接続されている。
【0069】
外部クライアント送受信手段311は、内部クライアント端末101と、電子メールの送受信、あるいは、分割された電子メールを受信した場合、外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312における当該電子メールに関連する他のユーザの電子メールの送信状況の確認要求を送信したり、その結果を受信して外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312へ出力する。
【0070】
外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312は、前述したように、
図5に示すメール画面500を表示部210へ出力し、ユーザが保留送信状況確認先507を押下したことを検知して、監視サーバ105へ、外部メールサーバ107を介して、電子メールに関連する他のユーザの電子メールの送信状況の確認要求を送信する。そして、その結果を、電子メールの一覧画面(
図10参照、詳細後述)として、外部クライアント送受信手段311を介して受付けて、表示部210へ出力する。
【0071】
管理者用クライアント端末102は、管理者用クライアント送受信手段313及び監査者用保留メール情報出力手段314を備えており、管理者用クライアント送受信手段313は、ネットワーク103を介して、監視サーバ105と接続され、更に、監査者用保留メール情報出力手段314に接続されている。
【0072】
管理者用クライアント送受信手段313は、保留されたメールに対しての監査要求を監視サーバ105へ送信し、その結果として、
図8に示す監査画面400を受信する。あるいは、監査画面400を用いて行われた監査者の指示によって、監査を行った結果、例えば、前述したように、保留されている電子メールの送信を許可する、送信を中止する、保留のままとする等の情報を監視サーバ105へ送信する。
【0073】
次に
図4に示すフローチャートを用いて、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける電子メールの送信制御処理に関して説明する。
【0074】
ステップS101では、内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302において出力された電子メールを作成するための画面(不図示)に対して、ユーザの送信指示を受付けると、内部クライアント送受信手段301は、作成した電子メールを内部メールサーバ104へ送信する。
【0075】
ステップS102では、メールサーバ送受信手段303は、ステップS101で送信された電子メールを受信し、ステップS103では、メール分割手段304は、ステップS102において受信した電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先を参照し、複数のメールアドレスが設定されているか否かを判定することで、分割対象か否かを判定する。
【0076】
ヘッダ情報に含まれる宛先に複数のメールアドレスが設定されている場合、分割対象として判定し、ステップS104へ処理を進め、宛先に複数のメールアドレスが設定されていない場合、分割対象として判定せず、ステップS105へ処理を進める。
【0077】
ステップS104では、メール分割手段304は、ステップS102において受信した電子メールを分割する。この分割方法は、前述したように、ステップS102において受信した電子メールと同じ本文内容の電子メールを、ヘッダ情報に含まれる宛先に設定されたメールアドレスの数の分だけ生成し、生成した各電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先は、そのままとして、生成した各電子メールのエンベロープに対して、ヘッダ情報に含まれる宛先に設定された1つのメールアドレスをそれぞれ設定する。
【0078】
ステップS105では、メールサーバ送受信手段303は、分割対象とならなかった電子メール、あるいは分割対象となり分割して生成した電子メールを監視サーバ105へ送信する。
【0079】
ステップS106では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS105において内部メールサーバ104から送信された電子メールを受信し、ステップS107では、電子メール取得手段306は、ステップS106において受信した電子メールを取得する。
【0080】
ステップS108では、電子メール取得手段306は、ステップS107において取得した電子メールのヘッダ情報に含まれるメールMessege−idを取得して、メール情報記憶手段308は、取得した電子メールを記憶する。
【0081】
この取得した電子メールの送信状況を示す送信状況情報を記憶するためのテーブルを示す送信状況テーブルの構成を
図11に示す。
【0082】
送信状況テーブルは、電子メールのヘッダ情報に含まれるMessege−idを示すメールID、電子メールが送信された日時を示す送信日時、電子メールの差出人のメールアドレスを示す送信元アドレス、電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先に設定されたメールアドレスを示す(ヘッダ情報)宛先アドレス、エンベロープに設定されたメールアドレスを示す(エンベロープ)宛先アドレス、電子メールのタイトルを示すメール件名、電子メールの本文を示すメール本文、電子メールへ添付されたファイルを示す添付ファイル、電子メールの送信状況を示す送信状況等の項目を含む構成を備えている。
【0083】
尚、この送信状況テーブルに記憶された電子メールに関する情報のうち、メールIDが同一の電子メールについては、エンベロープを用いて分割された電子メールであることを示している。
【0084】
例えば、送信状況テーブルの最上行から3行目のレコードに関しては、メールIDが001の電子メールであって、送信日時、送信元アドレス、(ヘッダ情報)宛先アドレス、メール件名、メール本文、及び添付ファイルは同じデータを記憶しており、(エンベロープ)宛先アドレスについては、(ヘッダ情報)宛先アドレスに設定された各メールアドレスが記憶される。
【0085】
ステップS109では、送信制御ルール判定手段307は、ステップS107において取得した電子メールに対して、送信可あるいは送信不可とする送信制御を行うため、送信制御ルールを満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合、ステップS110へ処理を進め、満たすと判定しない場合、ステップS114へ処理を進める。
【0086】
本ステップにおいて用いる送信制御ルールの一例の説明として、
図12の上段に示す送信不可条件テーブルを用いて説明を行う。
【0087】
送信不可条件テーブルは、電子メールを送信不可と見做すための条件を記憶することが可能であり、この条件を一意に識別するための送信不可条件、電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先に設定されるメールアドレスのうち、送信不可とする必要のあるメールアドレスを示す宛先、電子メールの本文に関して、電子メールで送信することを所望しない文書を示すメール本文、電子メールに添付されたファイルに含まれる文書等のうち、電子メールで送信することを所望しない文書等を示す添付ファイル(キーワード)、電子メールに添付されたファイルのサイズが、電子メールで送信することを所望しないサイズを示す添付ファイル(データサイズ)等の項目を含んで構成されている。
【0088】
例えば、送信不可条件の条件1のレコードは、宛先に@ppp.co.jpが記憶されているが、この場合、電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先に設定されたメールアドレスに、@ppp.co.jpが含まれる場合、送信不可と判定する。
【0089】
また、条件2のレコードは、電子メールの添付ファイルに、極秘、というキーワードが入力されている場合、送信不可と判定し、条件3のレコードは、電子メールの添付ファイルのデータサイズが、6MB以上であれば、送信不可と判定し、条件4のレコードは、電子メールの本文に、機密情報、という文書が入力されている場合、送信不可と判定する。
【0090】
ステップS110では、送信制御ルール判定手段307は、送信不可と見做された電子メールの送信状況テーブルの送信状況を中止として設定する。本ステップでは、送信不可と見做された電子メールのメールIDとエンベロープに設定されたメールアドレスと一致する送信状況テーブルのメールIDと(エンベロープ)宛先アドレスを備えた送信状況情報の送信状況を中止とする。
【0091】
ステップS111では、監視サーバ送受信手段305は、電子メールの送信が中止されたことを示す電子メール(不図示)を生成し、電子メールの差出人に送信する。電子メールを生成する際に、何れの理由で送信が中止されたかを電子メールの本文に出力して送信すると好適である。つまり、何れの送信制御ルールで送信不可と見做されたかを出力する。
【0092】
ステップS112では、メールサーバ送受信手段303は、ステップS111において送信された、送信が中止された旨を示す電子メールを受信して、電子メールの差出人に対して、当該送信が中止された旨を示す電子メールを送信する。
【0093】
ステップS113では、内部クライアント送受信手段301は、ステップS112において送信された、送信が中止された旨を示す電子メールを受信し、内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302は、表示部210へ、受信した電子メールを出力する。
【0094】
ステップS114では、送信制御ルール判定手段307は、ステップS107において取得した電子メールに対して、送信可あるいは送信を保留とする送信制御を行うため、送信制御ルールを満たすか否かを判定し、満たすと判定した場合、ステップS116へ処理を進め、満たすと判定しない場合、ステップS115へ処理を進める。
【0095】
本ステップにおいて用いる送信制御ルールの一例の説明として、
図12の下段に示す送信保留条件テーブルを用いて説明を行う。
【0096】
送信保留条件テーブルは、電子メールの送信を保留と見做すための条件を記憶することが可能であり、この条件を一意に識別するための送信保留条件、電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先に設定されるメールアドレスのうち、送信保留とする必要のあるメールアドレスを示す宛先、電子メールで送信する際に監査者の確認を得た上で送信を所望する文書を示すメール本文、電子メールに添付されたファイルに含まれる文書等のうち、電子メールで送信する際に監査者の確認を得た上で送信を所望する文書等を示す添付ファイル(キーワード)、電子メールに添付されたファイルのサイズが、電子メールで送信する際に監査者の確認を得た上で送信を所望するサイズを示す添付ファイル(データサイズ)等の項目を含んで構成されている。
【0097】
例えば、送信保留条件の条件1のレコードは、宛先に@qqq.co.jp、あるいは@rrr.co.jpが記憶されているが、この場合、電子メールのヘッダ情報に含まれる宛先に設定されたメールアドレスに、@qqq.co.jp、あるいは@rrr.co.jpが含まれる場合、送信保留と判定する。
【0098】
また、条件2のレコードは、電子メールの添付ファイルに、プロジェクト、というキーワードが入力されている場合、送信保留と判定し、条件3のレコードは、電子メールの添付ファイルのデータサイズが、4MB以上であれば、送信保留と判定し、条件4のレコードは、電子メールの本文に、AAA事務所、という文書が入力されている場合、送信保留と判定する。
【0099】
ステップS115では、送信不可条件、及び送信保留条件を満たさない電子メールであると判定されたため、監視サーバ送受信手段305は、電子メールのエンベロープに設定されたメールアドレスを宛に当該電子メールを送信する。
【0100】
更に、当該電子メールを送信する時に、電子メールのメールIDを備えた他の電子メールが送信状況テーブルに存在する場合、受信者に送信状況の確認を行わせるため、電子メールの本文に保留送信状況確認先507を出力して送信する。保留送信状況確認先507については、少なくもメールIDと監視サーバ105への接続先情報を含むものとする。
【0101】
この場合、同じメールIDの電子メールのうち、送信状況が保留、中止、あるいは、削除のものに限定して電子メールを送信しても良い。
【0102】
ステップS116では、送信制御ルール判定手段307は、同一スレッドのメールアドレスが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、ステップS117へ処理を進め、存在すると判定しない場合、ステップS120へ処理を進める。
【0103】
本ステップにおける判定方法としては、電子メールのメールIDと一致する送信状況テーブルのメールIDが存在するか否かによって判定を行う。
【0104】
ステップS117では、送信制御ルール判定手段307は、ステップS116において存在すると見做された送信状況情報の送信状況が、保留後送信であるか否かを判定し、保留後送信であると判定した場合、ステップS118へ処理を進め、保留後送信であると判定しない場合、ステップS120へ処理を進める。
【0105】
ステップS118では、送信制御ルール判定手段307は、ステップS117において、送信状況が、保留後送信であると見做された電子メールのヘッダ情報に含まれる差出人、宛先、及びCC等に設定されたメールアドレスが、送信状況情報の送信元アドレス、(ヘッダ情報)宛先アドレスと一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合、ステップS119へ処理を進め、一致すると判定しない場合、ステップS120へ処理を進める。
【0106】
ステップS119では、監視サーバ送受信手段305は、電子メールのエンベロープに設定されたメールアドレスを宛に当該電子メールを送信する。
【0107】
更に、当該電子メールを送信する時に、電子メールのメールIDを備えた他の電子メールが送信状況テーブルに存在する場合、受信者に送信状況の確認を行わせるため、電子メールの本文に保留送信状況確認先507を出力して送信する。保留送信状況確認先507については、少なくもメールIDと監視サーバ105への接続先情報を含むものとする。
【0108】
この場合、同じメールIDの電子メールのうち、送信状況が保留、中止、あるいは、削除のものに限定して電子メールを送信しても良い。
【0109】
ステップS116からステップS119における一連の処理は、過去、保留された電子メールに於いて、監査者によって、送信許可が得られた電子メールに対しては、電子メールを保留して監査者に監査を行わせることなく、送信を行う。これによって、監査者の監査負担の軽減、保留時間の削減等、効率的な電子メールの送信制御を行うことが可能である。
【0110】
ステップS116では、過去、送信を行った同じ電子メール、つまり判定対象となる電子メールに対する返信の電子メールであるかを確認し、ステップS117では、過去送信した電子メールの送信状況情報の送信状況が、保留後送信であるか否かを判定することで、監査者が監査を行った結果、送信を行ったことが識別可能である。
【0111】
電子メールの送信状況情報の送信状況が保留以外の場合、例えば、保留後自動送信である場合、一度、保留はされたものの、所定時間経過後、自動送信された電子メールであると見做され、当該電子メールは監査者の監査を受けていないため、若干のリスクが生じ、また、電子メールの送信状況情報の送信状況が、保留、あるいは送信の場合も、当該電子メールは監査者の監査を受けていないため、若干のリスクが生じる。従って、これらのリスクを軽減するために、このような送信状況を有する電子メールに関して監査者への監査を行うことを要する。
【0112】
ステップS118では、返信したメールと、過去送信した電子メールをやり取りしていたユーザとは、異なるユーザと、電子メールをやり取りする、つまり電子メールの返信を行う際に、宛先に設定されたメールアドレスに変更が生じることによって、開示を所望しない情報等が漏洩するリスクが生じるため、このようなケースが生じた場合、監査者へ送信する電子メールを監査させる。
【0113】
尚、本ステップでは、送信状況テーブルに対して、電子メールが保留された際に、どの送信保留条件を満たしたかを示す情報を記憶するための項目を追加して、ステップS114において、送信制御ルール判定手段307によって、満たした送信保留条件を当該項目に設定し、ステップS118では、過去送信した電子メールの送信保留条件と、今回送信対象としている電子メールの送信保留条件と、を比較し、一致する場合、ステップS119へ処理を進め、一致しない場合、ステップS120へ処理を進める。
【0114】
ステップS120では、メール情報記憶手段308は、送信対象となる電子メールに関して、送信状況テーブルの送信状況の更新を行うが、ステップS115及びステップS1119を経由して、本ステップの処理を実行する場合、送信状況を送信とし、ステップS116で存在すると判定しない場合、本ステップの処理を実行する場合、送信状況を保留とする。
【0115】
次に
図5に示すフローチャートを用いて電子メールの監査処理に関して説明する。
【0116】
ステップS201では、監査者が監査を行うためシステムへログインする時に、監査者用保留メール情報出力手段314は、管理者用クライアント端末102の表示部210にログイン画面(不図示)を表示し、監査者を識別するための情報やパスワード等のユーザ情報の入力を受付け、監視サーバ105に存在するユーザ情報を記憶する認証テーブル(不図示)に、入力を受付けたユーザ情報の存在有無によって、監査者のログインを行う。
【0117】
ステップS201においてログインが許可されると、ステップS202では、管理者用クライアント送受信手段313は、監査者のユーザ情報を含む監査実施要求を監視サーバ105へ送信し、ステップS203では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS202において送信された監査実施要求を受信する。
【0118】
ステップS204では、保留メール承認手段310は、ステップS203において受信したユーザ情報を用いて、保留された電子メールを送信状況テーブルから取得する。本ステップでは、監査者を識別するための情報と対応づけて監査対象とするメールアドレスとをテーブル(不図示)へ記憶しておき、受信したユーザ情報に一致する当該テーブル(不図示)の監査者を識別するための情報に対応するメールアドレスを取得する。そして、取得したメールアドレスに一致する送信状況テーブルの宛先を有する送信状況情報のうち送信状況が保留のもの、つまり保留中の電子メールを取得する。
【0119】
ステップS205では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS204において取得した保留中の電子メールに関する情報と
図8に示す監査画面400とを管理者用クライアント端末102へ送信する。
【0120】
監査画面400は、監査者に割り当てられた保留中の電子メールに関する情報を一覧表示し、監査者は、電子メールの内容に問題なければ、送信を許可し、問題が有るようであれば、送信を中止する。
【0121】
監査画面400は、監査対象とする電子メールの送信を保留したままの状態とする際に押下するための送信保留ボタン401、送信を中止する際に押下するための送信中止ボタン402、送信を許可する際に押下するための送信許可ボタン403、監査対象とする電子メール際にチェック印を付与するためのチェックボックス404を備えている。
【0122】
監査者は、監査を行うに当たり、入力部209を介して、監査対象とする電子メールのチェックボックス404にチェック印を付与し、送信保留ボタン401、送信中止ボタン402、あるいは、送信許可ボタン403を押下する。
【0123】
ステップS206では、管理者用クライアント送受信手段313は、ステップS205において送信された保留中の電子メールに関する情報と監査画面400とを受信し、ステップS207では、監査者用保留メール情報出力手段314は、ステップS206で受信した監査画面400に保留中の電子メールに関する情報を表示させて表示部210へ表示する。
【0124】
ステップS208では、監査者用保留メール情報出力手段314は、監査画面400に対して、監査指示が行われたか否かを判定する。つまり、チェックボックス404にチェック印が付与された状態で、送信保留ボタン401、送信中止ボタン402、あるいは、送信許可ボタン403が押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合、ステップS209へ処理を進める。
【0125】
ステップS209では、監査者用保留メール情報出力手段314は、監査画面400に対して選択された電子メール(チェックボックス404にチェック印が付与されたもの)に関する情報と、送信保留ボタン401、送信中止ボタン402、あるいは、送信許可ボタン403の何れのボタンが押下されたか、つまり送信を保留する、送信を中止する、あるいは、送信を許可する、といった監査結果を識別するための情報と、を含む監査指示情報を受付ける。
【0126】
ステップS210では、管理者用クライアント送受信手段313は、ステップS209において受付けた監査指示情報を監視サーバ105へ送信し、ステップS211では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS210において送信された監査指示情報を受信する。
【0127】
ステップS212では、保留メール承認手段310は、ステップS211において受信した監査指示情報が、送信を許可する、を示す場合、ステップS213へ処理を進め、送信を許可する、を示さない場合、ステップS215へ処理を進める。
【0128】
ステップS213では、保留メール承認手段310は、監査指示情報の含まれる電子メールと同じ電子メールを送信状況テーブルから取得し(メールID、及びエンベロープの宛先アドレスが一致するもの等、同一の電子メールを特定可能な方法で取得)、監視サーバ送受信手段305は、取得した電子メールを監視サーバ105へ送信する。
【0129】
更に、当該電子メールを送信する時に、電子メールのメールIDを備えた他の電子メールが送信状況テーブルに存在する場合、受信者に送信状況の確認を行わせるため、電子メールの本文に保留送信状況確認先507を出力して送信する。保留送信状況確認先507については、少なくもメールIDと監視サーバ105への接続先情報を含むものとする。
【0130】
この場合、同じメールIDの電子メールのうち、送信状況が保留、中止、あるいは、削除のものに限定して電子メールを送信しても良い。
【0131】
ステップS214では、保留メール承認手段310は、ステップS213において送信した電子メールの送信状況テーブルの送信状況を保留後送信とする。
【0132】
ステップS215では、保留メール承認手段310は、ステップS211において受信した監査指示情報が、送信を中止する、を示す場合、ステップS216へ処理を進め、送信を中止する、を示さない場合、処理を終了する。
【0133】
ステップS216では、保留メール承認手段310は、監査指示情報の含まれる電子メールと同じ電子メールを送信状況テーブルから取得する(メールID、及びエンベロープの宛先アドレスが一致するもの等、同一の電子メールを特定可能な方法で取得)。
【0134】
ステップS217では、保留メール承認手段310は、ステップS215において送信を中止とした電子メールの送信状況テーブルの送信状況を保留後削除とする。
【0135】
次に
図6に示すフローチャートを用いて保留された電子メールを所定時間経過後、自動送信する処理について説明する。
【0136】
ステップS301では、保留メール承認手段310は、送信状況テーブルから送信状況が保留の電子メールに関する情報、つまり送信状況情報を取得し、ステップS302では、保留メール承認手段310は、ステップS301において取得した送信状況情報の送信日時から現在処理を行っている時間が、予め定められた所定時間を経過したか否かを判定し、所定時間経過したと判定した場合、ステップS303へ処理を進め、所定時間経過したと判定しない場合、処理を終了する。
【0137】
ステップS303では、監視サーバ送受信手段305は、所定時間経過したと判定した電子メールを監視サーバ105へ送信し、ステップS304では、保留メール承認手段310は、ステップS303において送信した電子メールの送信状況テーブルの送信状況を保留後自動送信とする。
【0138】
更に、当該電子メールを送信する時に、電子メールのメールIDを備えた他の電子メールが送信状況テーブルに存在する場合、受信者に送信状況の確認を行わせるため、電子メールの本文に保留送信状況確認先507を出力して送信する。保留送信状況確認先507については、少なくもメールIDと監視サーバ105への接続先情報を含むものとする。
【0139】
この場合、同じメールIDの電子メールのうち、送信状況が保留、中止、あるいは、削除のものに限定して電子メールを送信しても良い。
【0140】
次に
図7に示すフローチャートを用いて、電子メールを受信したユーザが、他のユーザの電子メールの受信状況を確認する処理について説明する。
【0141】
ステップS401では、外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312は、外部クライアント端末108における受信した電子メールを一覧表示するための画面(不図示)を表示部210に表示し、ユーザによって、入力部209を介して、電子メールが選択されると、
図9に示すメール画面500が表示される。
【0142】
外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312は、保留送信状況確認先507が、入力部209を介して、押下されたか否かを判定し、押下されたと判定した場合、ステップS402へ処理を進める。
【0143】
ステップS402では、外部クライアント送受信手段311は、メール画面500で開いている電子メールと同一、つまりエンベロープを用いて分割された他の電子メールが他のユーザによって受信されたか否かの確認を行うための保留電子メール要求情報を送信する。保留電子メール要求情報には、メール画面500で開いている電子メールのメールIDを含んでいる。
【0144】
ステップS403では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS402において送信された保留電子メール要求情報を受信し、ステップS404では、保留メール情報取得手段309は、ステップS402において受信した保留電子メール要求情報に該当する(メールIDが一致する)送信状況テーブルの送信状況情報を取得する。
【0145】
ステップS405では、監視サーバ送受信手段305は、ステップS404において取得した送信状況情報と
図10に示す保留メール一覧画面600とを要求元の外部クライアント端末108へ送信する。
【0146】
保留メール一覧画面600は、電子メールの差出人のメールアドレスを示す送信元アドレス601、電子メールの宛先のメールアドレスを示す宛先アドレス602、電子メールのタイトルを示すメール件名603、電子メールの送信状況を示す送信状況604、電子メールの送信日時605、保留メール一覧画面600を閉じるための閉じるボタン606を備えている。
【0147】
保留メール一覧画面600の各項目には、要求元の外部クライアント端末108において、メール画面500で開いている電子メールと同一、つまりエンベロープを用いて分割された他の電子メールに関する情報(送信状況情報)が表示されている。
【0148】
ステップS406では、外部クライアント送受信手段311は、ステップS405において送信された送信状況情報と保留メール一覧画面600と、を受信し、ステップS407では、外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312は、ステップS406において受信した保留メール一覧画面600に送信状況情報を設定して、表示部210へ表示する。
【0149】
尚、本フローチャートでは、外部クライアント端末108から他ユーザの受信状況の確認を行う態様を記載しているが、この態様に留まらず内部クライアント端末101から他ユーザの受信状況の確認を行う態様を取ることも可能である。
【0150】
この場合、内部クライアント送受信手段301を外部クライアント送受信手段311として、内部クライアント通知用保留メール情報出力手段302を外部クライアント通知用保留メール情報出力手段312として、実行することが可能である。
【0151】
また、電子メールを一意に特定する方法として、メールIDとエンベロープに設定されたメールアドレスを用いたが、この態様に関わらず、送信状況テーブルにおいて、電子メールを一意に識別するための番号等の情報を記憶する項目を追加して、特定する方法でも態様可能である。
【0152】
以上、本発明に依れば、複数の宛先が設定された電子メールを分割して送信するにあたり、電子メールを保留した状況を考慮しつつ、効率よく電子メールのやり取りを行うことができる。
【0153】
また、本発明は、例えば、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。
【0154】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0155】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0156】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0157】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0158】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。