(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。
図1に示すように、本発明における遊技システムは、パチンコ機のような遊技媒体を用いた遊技を提供する遊技機10と、携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末80と、サーバコンピュータ90とから構成され、携帯端末80とサーバコンピュータ90とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能に構成される。
【0019】
サーバコンピュータ90は、外部サーバとも呼ばれるもので、CPU(マイクロプロセッサ)や、該CPUが実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)、CPUの作業領域を提供したり遊技機の経歴データやユーザ(遊技客)のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
【0020】
この遊技システムにおけるサーバコンピュータ90は、携帯端末80より受信したデータを解析し遊技情報を抽出して記憶する遊技情報保存手段91や、遊技機にアクセス可能にするためのパスワードを生成するパスワード生成手段92、遊技情報保存手段91に保存した遊技情報を公開する遊技情報公開手段93、携帯端末の待受け画像のようなコンテンツの提供など遊技者に特典を付与する特典付与手段94、パスワードを発行する際に、生成したパスワードと生成時刻とを対応づけて遊技者毎にパスワード生成情報管理領域に記憶したり識別コードによるアクセスがあった時に遊技者毎に識別コードと対応づけて遊技機のIDコードを遊技情報保存情報管理領域に記憶したりする遊技者情報管理手段95としての機能を有する。
【0021】
上記遊技情報保存手段91は、遊技者が所有する携帯端末(情報端末)によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付け手段と、該識別情報受付け手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報や遊技機のIDコード等を抽出する情報抽出手段と、抽出された遊技情報や遊技機IDを遊技者と対応付けて記憶する情報記憶手段とを備える。
遊技者に付与する「特典」は、例えば遊技によって「特殊な識別コード」を取得した遊技者が、ウェブサーバにアクセスして携帯端末の待ち受け画像のようなコンテンツデータを受け取ることができるという権利を付与することが考えられる。なお、「特殊な識別コード」は遊技の結果に関わらず、例えば客待ち中に取得可能としてもよい。
【0022】
本実施例の遊技システムにおいては、人(遊技客)が遊技機10の前面に設けられている操作ボタンのような入力操作手段を操作すると、遊技機10の制御装置が表示装置41(
図3参照)等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコード(以下、識別コードあるいは二次元コードと称する)を表示する。そして、表示されたこの識別コードを、携帯端末80が備える撮影機能(デジカメ)により読み込んで、当該識別コードに基づいて無線通信回線を介してサーバコンピュータ90にアクセスし、遊技履歴などの遊技情報を保存できるように構成され、さらにサーバコンピュータ90からパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機前面に設けられている入力操作手段により入力することで遊技機10により特別な遊技態様による遊技などのサービスを受けることができるように構成されている。従って、表示装置41(
図3参照)が遊技情報に対応する識別情報としての識別コード(二次元コード)を表示もしくは出力する識別情報表示手段もしくは識別情報出力手段として機能することとなる。
なお、二次元コードを表示する代わりに、赤外線などの無線通信信号により同様なコード(シリアルデータなど)を遊技機10から携帯端末80へ送信するように構成してもよい。この場合、遊技機の無線通信手段が、識別情報出力手段として機能することとなる。
【0023】
上記のような機能を実現するため、遊技機10は、パスワード受付手段114と、遊技情報を遊技の演出に反映する遊技情報反映手段115と、遊技中に発生した遊技情報等を履歴として記憶、保持する遊技情報保持手段117と、遊技情報を反映した二次元コードのような識別コードを表示装置41に表示させる識別コード表示手段118とを備える。
ここで、遊技情報保持手段117は、後述のように、遊技中に発生した遊技情報の履歴を記憶する遊技履歴情報格納領域と、遊技者が当該遊技機で遊技を開始する際に入力した情報を記憶する入力情報格納領域とを備える。入力情報は、パスワードそのものあるいはパスワードに直接あるいは暗号化して含まれる情報でも、入力操作手段により直接入力されたものでも良い。
【0024】
また、携帯端末80は、識別コード表示手段119によって表示された識別コードを取得するCCDカメラなどの識別コード取得手段81と、取得した識別コードを送信してサーバコンピュータ90にアクセスする無線通信手段などからなるサーバアクセス手段82と、サーバコンピュータ90が発行したパスワードを受信するパスワード受信手段83と、サーバコンピュータ90が送信した遊技情報を受信し閲覧可能にする遊技情報閲覧手段84と、サーバコンピュータ90が付与した特典を受信し保存する特典保存手段85を備える。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態のパチンコ遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0026】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25aおよびセレクトボタン25bを備えた入力操作部25が設けられている。また、上皿21の上面右側には、上皿内の遊技球を下皿23へ移動させるための球抜き操作部26が設けられている。
【0027】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作ダイヤル24を回動操作すると、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が入力操作部25を操作するによって、遊技開始時にログイン操作をしたり、遊技終了時にログアウト操作を取得するとともに、表示装置41(
図3参照)で実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができるようにされている。
【0028】
次に、
図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。
この実施例の遊技盤においては、遊技領域32のほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0029】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0030】
さらに、本実施形態では、遊技領域32のセンターケース40の右側に、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0031】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0032】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図4参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0033】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0034】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部および各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を有するLED表示部53とを備える。また、一括表示装置50のLED表示部53には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
【0035】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
このように、表示装置41とは別に、特図変動表示ゲームを実行する特
図1表示器51と特
図2表示器52が設けられているため、表示装置41では当該遊技機の変動表示ゲームに関する演出ではなく他の遊技機の演出と連動した演出を行うようにしても、当該遊技機の本来の変動表示ゲームはきちんと実行することができる。
【0036】
LED表示部53の普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特
図1保留表示器は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0037】
LED表示部53の特
図2保留表示器は、特
図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特
図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0038】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0039】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠の上皿又は下皿に排出される。
【0040】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
【0041】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図始動ゲート34を遊技領域32の右側に設けることで、普図始動ゲート34を狙って遊技領域32の右側へ遊技球を発射すると特別変動入賞装置38へ入賞しにくくし、特別変動入賞装置38を狙って遊技領域32の左側へ遊技球を発射すると普図始動ゲート34へ入賞しないような遊技盤を実現することができる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0042】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0043】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0044】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器または特
図2表示器(変動表示装置)で第1または第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器若しくは特
図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0045】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0046】
なお、特
図1表示器51、特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0047】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0048】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0049】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムの構成例を示す。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0050】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0051】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0052】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0053】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0054】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0055】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0056】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0057】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0058】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(
図9参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0059】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0060】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0061】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0062】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0063】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0064】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0065】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0066】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0067】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を保証するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0068】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0069】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0070】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0071】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0072】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0073】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0074】
次に、
図5を用いて、演出制御手段としての演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314と、現在時刻を計時するリアルタイムクロック回路316と、を備えている。リアルタイムクロック回路316は、電池などの内蔵電源を備え、電源遮断中も計時動作を継続できるように構成されている。
【0075】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データ、コマンドリストが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には圧縮された音声データやフレーズ再生処理に必要なシーケンス、簡易アクセスのためのコマンド列等が記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAM311a,312aは、それぞれのチップ内部に設けられているが、チップの外部に設けるようにしてもよい。
【0076】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)305や、画像データを描画処理するための描画回路306、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する表示回路308などが設けられている。VDP313については後に詳しく説明する。
【0077】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0078】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0079】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる演出制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
なお、本実施形態においては、演出制御コマンドは16ビットで構成されており、これを8ビットのデータバスとストローブ信号SSBTで送信するため、16ビットの演出制御コマンドを8ビットの前半コマンド(MODE)と後半コマンド(ACTION)とに分けて、ストローブ信号SSBTを2度立ち上げることで送信し、受信側ではSSBの立ち上がりに同期してコマンドを取り込むようになっている。
【0080】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠に設けられているLEDやモータ等の枠演出装置(例えばムービングライト16や後述の投影装置のモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0081】
さらに、演出制御装置300には、遊技機の前面枠12に設けられ遊技者が操作可能な入力操作部25の演出ボタン25aやセレクトボタン25bに内蔵されているスイッチ、上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0082】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0083】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0084】
次に、遊技制御装置100および演出制御装置300において行われる大まかな遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、LED表示部53において、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、LED表示部53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
【0085】
なお、本実施形態においては、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111Cに記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。従って、RAM111Cは、始動入賞記憶手段として機能する。
【0086】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御情報(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1表示器や特
図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0087】
一方、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特
図1表示器や特
図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。この特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0088】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器や特
図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0089】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。以下、かかる制御モードを普電サポートと称する。
【0090】
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0091】
以下、上記のような遊技制御を実行する上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される処理について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図6及び
図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる
図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図6に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0092】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM111C)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0093】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックし(ステップS10)、正常であれば(ステップS11;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS12)。次に、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS13;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS15)、一致するかを判定する(ステップS16)。そして、一致する場合(ステップS16;Yes)は、
図7のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0094】
また、初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS11;NoもしくはステップS13;No)、チェックサムが正常でない(ステップS16;No)と判定された場合は、
図7のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。
図7のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0095】
また、ステップS20で高確率である(ステップS20;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0096】
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0097】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0098】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0099】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0100】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるかの判定を行う(ステップS35)。停電監視信号がONでない場合(ステップS35;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0101】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0102】
また、停電監視信号がONである場合(ステップS35;Yes)は、ステップS34で設定したチェック回数分停電監視信号のON状態が継続しているかを判定する(ステップS36)。そして、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続していない場合(ステップS36;No)は、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35;Yes)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のON状態が継続している場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0103】
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、チェックサムをセーブする処理(ステップS42)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0104】
次に、タイマ割込み処理について
図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0105】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0106】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0107】
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について、
図9を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0108】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
【0109】
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
【0110】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0111】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0112】
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0113】
そして、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態においては、遊技制御装置100が変動表示ゲーム実行手段および特別遊技状態制御手段として機能する。
【0114】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、
図10に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
図10に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
【0115】
このメインループ処理では、先ず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出操作ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。
この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。
【0116】
そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行う1stシーン制御処理(ステップB12)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB12)については、後に詳しく説明する。
【0117】
その後、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。そして、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
【0118】
図11には、
図10に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB12)の具体的な手順の一例を示す。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
【0119】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
【0120】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0121】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB72)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB73)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB74)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB75)を行う。
【0122】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB76)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB77)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB78)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB79)を行う。
【0123】
本実施形態の遊技機においては、例えば客待ち画面の表示中に遊技者が
図18に示すようなメニュー画面を選択してパスワードを入力することにより、サーバの機能と連動した演出内容の変更等のサービスの提供が可能に構成されており、それを支援するために、遊技開始時のパスワードの受付けや遊技終了時の識別コード(二次元コード)の発行などの処理を、
図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の中で、演出制御装置300が行うようになっている。
なお、メニュー画面の選択やパスワードの入力は、遊技機前面の前記入力操作手段25(演出ボタン25a,セレクトボタン25b)によって行うことができる。この際、セレクトボタン25bはシフトキーとして機能し、演出ボタン25aは決定キーとして機能する。また、演出ボタン25aとセレクトボタン25bとからなる入力操作手段の代わりに、前後左右に傾動可能なシーソー式の操作ボタンを設けても良い。
【0124】
図12には、
図11に示す1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB70)の具体的な手順の一例が示されている。
この客待ち処理では、まず、遊技制御装置100からの変動開始コマンドを受信したか否か判定する(ステップB101)。ここで、変動開始コマンドを受信した(Yes)と判定した場合は変動中処理へ移行するための設定を行う変動中処理移行設定処理(ステップB102)を実行して、当該客待ち処理から抜ける。変動開始コマンドを受信したということは、既に遊技が開始されているということであり、変動表示ゲームを速やかに実行するためである。
一方、ステップB101で、変動開始コマンドを受信していない(No)と判定した場合は、後のステップB105で設定される遊技情報反映処理の実行中を示すフラグを参照して遊技情報反映処理中であるか否か判定する(ステップB103)。ここで、遊技情報反映処理実行中でない(No)と判定した場合は、次のステップB104へ移行して遊技情報反映処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB105で遊技情報反映処理中情報(フラグ)を設定してステップB106へ移行する。なお、このステップB104では、例えば、遊技者によってパスワードの入力操作を開始するための開始操作が行われたか否かを判定する。
【0125】
また、ステップB103で、遊技情報反映処理実行中である(Yes)と判定した場合は、ステップB104およびB105をスキップしてステップB106へ移行する。すなわち、既に遊技情報反映処理を開始してパスワードを入力している場合(入力している途中である場合)にステップB103からステップB106へ移行する。そして、ステップB106では、パスワードの入力により得られる遊技情報等に対応した演出を設定する遊技情報反映処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映処理については、後に詳しく説明する。
ステップB104で遊技情報反映処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB107へ移行して、遊技情報反映終了中を示すフラグを参照して二次元コード発行等を行う遊技情報反映終了中であるか否か判定する。ここで、遊技情報反映終了中でない(No)と判定した場合は、次のステップB108へ移行して遊技情報反映終了処理を開始するか否か判定して、遊技情報反映終了処理を開始する(Yes)と判定した場合は、ステップB109で遊技情報反映終了中情報(フラグ)を設定してステップB110へ移行する。
【0126】
また、ステップB107で、遊技情報反映終了処理中である(Yes)と判定した場合は、ステップB108およびB109をスキップしてステップB110へ移行する。そして、ステップB110では、遊技情報を共用データ格納領域に格納したり遊技中に記憶された遊技情報等に応じた二次元コードを発行したりする遊技情報反映終了処理を実行して、当該客待ち処理から抜ける。遊技情報反映終了処理については、後に詳しく説明する。
一方、ステップB108で遊技情報反映終了処理を開始しない(No)と判定した場合は、ステップB111へ移行して、ステップB113で設定される閲覧中フラグを参照して遊技機情報(遊技機の履歴情報)の閲覧中であるか否か判定する。ここで、遊技機情報の閲覧中である(Yes)と判定した場合は、遊技機情報閲覧処理(ステップB114)を行って、当該客待ち処理から抜ける。なお、遊技機情報閲覧処理については、後に詳しく説明する。
【0127】
また、上記ステップB111で、遊技機情報の閲覧中でない(No)と判定した場合は、ステップB112へ移行して、遊技機情報の閲覧要求があったか否か判定する。そして、閲覧要求があった(Yes)と判定した場合は、ステップB113へ進み、遊技機情報閲覧中情報(フラグ)を設定してから、遊技機情報閲覧処理(ステップB114)を行って、当該客待ち処理から抜ける。
一方、ステップB112で、遊技機情報の閲覧要求がない(No)と判定した場合は、ステップB115へ移行して、キャンセル操作があったか否か判定する。そして、ステップB115で、他の入力操作があった(Yes)と判定した場合は、それまでに設定した各種処理情報をクリア(ステップB116)してから、ステップB117へ移行する。また、ステップB115で、キャンセル操作がない(No)と判定した場合は、直ちにステップB117へ移行する。そして、ステップB117では、所定時間遊技が行われていない場合や所定時間始動入賞が発生していない場合に表示する客待ち画面を表示させる客待ち画面表示制御処理を実行して当該客待ち処理から抜ける。なお、キャンセル操作とは、実行途中の操作内容を無効にし、操作開始時の状態から変化させないように実行途中の操作を終了させることである。
【0128】
図13には、
図12に示す客待ち処理における遊技情報反映処理(ステップB106)の具体的な手順の一例が示されている。
この遊技情報反映処理では、先ず、パスワードの入力があったか否か判定する(ステップB211)。そして、パスワードの入力があった(ステップB211:Yes)と判定した場合は、ステップB212へ進み、入力されたパスワードを取り込んだ後、ステップB213へ移行する。また、ステップB211で、パスワードの入力がない(No)と判定した場合は、ステップB212をスキップしてステップB213へ移行する。
【0129】
ステップB213では、パスワードの入力が確定したか否か判定する。パスワードの入力が確定は、決定ボタン(演出ボタン25a)が押されるかパスワードを構成する所定数の数字や文字が入力されることで確定とすることができる。そして、パスワードの入力があった(ステップB213:Yes)と判定した場合は、ステップB214へ進み、入力されたパスワードが有効なパスワードであるか確認してステップB215へ移行する。また、ステップB213で、パスワードが確定していない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0130】
ステップB214の確認によって有効なパスワードである(ステップB215:Yes)と判定した場合は、ステップB216へ進み、入力されたパスワードに対応する遊技情報を演出に反映するための設定を行う。続いて、変動パターン情報設定パラメータに、ステップB216で設定した遊技情報を反映する設定を行う(ステップB217)。よって、演出制御手段としての演出制御装置300は、遊技開始時に認証情報としてのパスワードを受け付ける受付手段、および該受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御する演出制御手段としての機能を有することが分かる。
【0131】
なお、この実施形態では、上記パスワードには、遊技者が既に獲得した遊技情報(遊技履歴もしくはそれに応じて付与された遊技レベル等)を把握可能な情報が含まるようにされている。従って、ステップB217における遊技情報を反映する設定では、これから遊技をしようとする遊技者の遊技履歴が多いあるいは遊技レベルが高いほど、例えば遊技機で出現する演出の種類が多くなるような設定が可能である。また、パスワードには、遊技者を識別するためのIDコードが含まれている。その他、遊技者の年齢、性別などの個人情報が含むようにしても良い。なお、遊技レベルとは、やり込み具合を示すもので、遊技を重ねることによって高めることが可能で、例えば、当該遊技機又は当該遊技機と同じキャラクタなどが登場する遊技機における変動表示ゲームの実行回数の合計や大当り回数の合計などによって高めることが可能となる。
【0132】
その後、ステップB218へ移行して、遊技情報を反映したことを報知するための表示を設定した後、入力されたパスワードに対応する入力情報(遊技情報や遊技者ID、個人情報等)を、演出制御装置300のRAM内の入力情報格納領域に格納する(ステップB219)。それから、
図12のステップB105で設定した遊技情報反映処理中情報(フラグ)をクリアする(ステップB220)。続いて、ステップB217で変動パターン情報設定パラメータとして遊技情報を設定した場合には、遊技情報を利用していることを示す連動サービス利用中情報(フラグ)を設定する処理(ステップB221)を実行して当該遊技情報反映処理から抜ける。
【0133】
図14には、
図12に示す客待ち処理における遊技情報反映終了処理(ステップB110)の具体的な手順の一例が示されている。この遊技情報反映終了処理は、遊技者が遊技を終了する際に実行する処理である。
この遊技情報反映終了処理では、まず、後のステップB234で設定される識別コード表示中情報(フラグ)を参照して識別コード(二次元コード)を表示中であるか否か判定する(ステップB231)。ここで、識別コードを表示中である(Yes)と判定した場合は、ステップB260へ移行して識別コード表示終了処理を実行して当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB231で、識別コードを表示中でない(No)と判定した場合は、ステップB232へ進み、後のステップB242で設定される入力情報確認中フラグを参照して、パスワードを入力して遊技を開始した遊技者がいてその遊技者が入力情報確認中であるか否か判定する。
【0134】
そして、ステップB232で入力情報確認中である(Yes)と判定した場合は、ステップB235へ移行する。また、ステップB232で入力情報確認中でない(No)と判定した場合は、ステップB233へ進み、演出制御装置300のRAM内の入力情報格納領域に格納された入力情報を後続の遊技者が取得可能とするか遊技者に確認する処理を実行した後、入力情報確認フラグを設定(ステップB234)して、ステップB235へ移行する。
ステップB235では、確認操作があったか否か判定し、確認操作がない(No)と判定した場合は、一旦当該遊技情報反映終了処理から抜ける。また、ステップB235で、確認操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB236へ進み、ステップB234で設定した入力情報確認フラグをクリアする。
【0135】
その後、遊技者により入力情報の取得が許可されたか否か判定(ステップB237)し、入力情報の取得が許可された(Yes)と判定した場合は、ステップB238をスキップしてステップB239へ移行する。また、ステップB237で入力情報の取得が許可されてない(No)と判定した場合は、ステップB238へ進み、パスワードの入力によって入力情報格納領域に格納された自己の入力情報(遊技者の遊技情報、個人情報等)を破棄してステップB239へ移行する。「破棄」とは、情報をRAM(メモリ)から消去すること、および情報は残っていてもそれを読み出すためのアドレス等の指標を消去することを意味する。
なお、ステップB237では、特定の遊技者に対してのみ入力情報の取得を許可するようにしても良い。また、後続の遊技者が取得可能な情報(遊技者の年齢、性別、遊技レベル、遊技時刻、当日のゲーム数、大当り回数など)の中からいずれかを指定して許可するようにしても良い。
【0136】
ステップB239では、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴情報(大当りの発生回数や大当りの種類等)および入力情報格納領域に格納された入力情報(遊技者の遊技情報や個人情報等)に対応する識別コード(二次元コード)、すなわち遊技履歴や入力情報を特定することができる識別コードを生成する。なお、ステップB238で、当該遊技者の遊技情報や個人情報等が破棄されたとしてもそれ以前に遊技した先行遊技者がいてその遊技者の情報が破棄されていない場合には、その情報に基づいて識別コードが生成されるようにしてもよい。
その後、ステップB239で生成した識別コードを、遊技者が携帯端末で取得できるように表示装置41へ表示(ステップB240)させてから、
図12のステップB109で設定した遊技情報反映終了処理中情報(フラグ)をクリア(ステップB241)する。続いて、識別コード表示中情報(フラグ)を設定(ステップB242)し、さらに識別コード表示タイマを設定(ステップB243)して、当該遊技情報反映終了処理から抜ける。
本実施形態では、遊技者が取得した上記識別コードは、該コードを用いて外部サーバにアクセスした場合に、遊技情報をサーバコンピュータに保存可能にするための情報として使用される。従って、本実施形態では、演出制御装置300が遊技情報をサーバコンピュータに保存可能にするための識別情報としての識別コードを生成する識別情報生成手段として機能することとなる。
【0137】
図15には、
図14に示す遊技情報反映終了処理における識別コード表示終了処理(ステップB260)の具体的な手順の一例が示されている。この識別コード表示終了処理は、識別コードを表示した後に遊技情報反映終了処理を終了する際に実行する処理である。
この識別コード表示終了処理では、まず、
図14のステップB243で設定した識別コード表示タイマを更新する(ステップB261)。続いて、ステップB262で、識別コード表示タイマがタイムアップしたか否か判定し、タイムアップしていない(No)場合には、ステップB263へ進み、遊技者による遊技の終了操作(すなわち表示中の識別コードを遊技者が取り込んだという確認操作)があったか否か判定する。ここで、終了操作がない(ステップB263:No)と判定した場合は、一旦当該識別コード表示終了処理から抜ける。
【0138】
また、ステップB262で識別コード表示タイマがタイムアップした(Yes)と判定した場合またはステップB263で終了操作があった(Yes)と判定した場合は、ステップB264へ移行して本来の客待ち画面を設定する処理を実行し、
図14のステップB242で設定した識別コード表示中情報(フラグ)をクリアする(ステップB265)。続いて、演出制御装置300のRAM内の遊技履歴格納領域に格納されている
図16に示すような遊技履歴情報のうち自己(遊技者A)の情報を破棄(ステップB266)して、ステップB267へ進み、
図13のステップB221で設定したサービス利用中情報(フラグ)をクリアして、当該識別コード表示終了処理から抜ける。
従って、本実施形態では、演出制御装置300が、操作手段25への遊技者の操作に応じて遊技情報保持手段に保持されている遊技情報を破棄可能な遊技情報破棄手段として機能することとなる。なお、ステップB266で破棄される情報は、あくまでも遊技者個人の履歴情報であり、遊技機における履歴である遊技機関連履歴情報は破棄されることはない。また、遊技履歴情報に対応して遊技者に関する情報が記憶されている場合には、遊技履歴情報は破棄せずに遊技者の情報のみを破棄すればよい。
【0139】
また、演出制御装置300の1stCPU301(
図5参照)が、遊技情報保持手段としての内蔵RAM内に、遊技中に発生した遊技情報の履歴を記憶する遊技履歴情報格納領域と、遊技者が当該遊技機で遊技を開始するに際に入力した情報を記憶する入力情報格納領域とを備え、遊技履歴情報格納領域には、「遊技履歴情報」として、ある遊技者が遊技を開始してから終了するまでに発生した遊技者関連情報と、当該遊技において所定期間(例えば営業開始から営業終了まで)に発生した遊技機関連情報の履歴とに分けて記憶するようにしても良い。そして、この場合、両方の履歴に同一の情報(例えば大当りの発生)を重複して記憶するようにする。このように整理して記憶した場合には、ステップB266で、特定の遊技者の履歴情報である遊技者関連情報のみを容易に破棄することができる。
なお、入力情報は、パスワードに直接(暗号化を含む)あるいは間接的に含まれる情報でも、入力操作手段により入力されたものでも良い。また、入力されたパスワードもしくはその一部をインデックスとして、予め演出制御装置300のROM内の記憶されているテーブルを参照して読み出すことにより取得した情報であっても良い。
【0140】
図17は、
図11に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)の具体的な手順の一例を示す。
この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB121)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB121;Yes)は、前面枠等に設けられている遊技者が操作可能な演出ボタン25a等の入力に関連する情報をクリアし(ステップB122)、役物装置の演出に関する可動体リクエストセット処理(ステップB123)を行う。次に、
図13のステップB217で設定された変動パターン情報設定パラメータを準備(ステップB124)し、該パラメータに基づいて飾り特図変動表示ゲームの演出態様である変動パターンを設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB125)を行う。これにより、遊技者の遊技レベルに応じた演出を伴う特図変動表示ゲームを実行することが可能となる。その後、乱数シード初期化処理(ステップB126)を行ってから、ステップB125で設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB127)。
【0141】
シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、特定遊技状態とする回数等(普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等)を管理する変動回数管理処理(ステップB128)、変動表示ゲーの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB129)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB130)、当該変動中処理から抜ける。
【0142】
一方、ステップB121で、演出リクエストフラグがない(No)と判定した場合は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB131)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
ステップB131で、更新タイマの値が0でない(No)と判定した場合は、当該変動中処理から抜ける。また、ステップB131で、更新タイマの値が0である(Yes)と判定した場合は、次シーンデータの設定(ステップB132)を行い、ステップB133へ移行する。そして、ステップB133では、変動終了か否か判定し、変動終了でない(No)と判定した場合は当該変動中処理から抜ける。また、ステップB133で、変動終了である(Yes)と判定した場合は、遊技結果に基づいて遊技履歴格納領域の遊技履歴情報を更新する処理(ステップB134)を行い、当該変動中処理から抜ける。
【0143】
次に、遊技者が連動サービスの供与を受ける遊技機を開始する際に行う行為(ログイン)および遊技機を終了する際に行う行為(ログアウト)の手順について説明する。
遊技機にログインする場合には、
図18(A)に示すように、表示装置41に客待ち画像が表示されている状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、
図18(B)に示すように、連動サービス設定メニューが表示される。ここで、セレクタボタン25bを操作して「パスワード入力」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、
図18(C)のように、パスワード入力画面が表示される。
ここで、携帯端末80を使用してウェブサーバにアクセスして取得したパスワードを入力する。すると、
図18(D)のように、パスワード受付け完了を知らせるメッセージと共に前回の遊技で自分に与えられたパスワードから特定された遊技情報(例えば遊技レベル)が表示されるとともに、パスワードから解読可能な遊技者の遊技情報(例えば遊技レベル)が演出制御装置300のRAM内の入力情報格納領域に格納される。そして、該遊技情報を使用した遊技が開始される。
【0144】
遊技機からログアウトする場合には、
図19に示すように、変動表示ゲームが実行されていない状態で例えば演出ボタン25aを操作すると、連動サービス設定メニューが表示される。この際に、普図の保留に当りがある場合には警告メッセージを行うようにしても良い。連動サービス設定メニューで、セレクタボタン25bを操作して「遊技終了」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、ログイン時に入力された情報を後続の遊技者に対して取得可能にするか確認するための画面が表示される。
ここで、セレクタボタン25bを操作して「YES」にカーソル(▼印)を合わせて演出ボタン25aを操作すると、識別コードと終了確認メッセージとが表示される。遊技者が表示された識別コードを携帯端末80のカメラ機能を使用して取り込んでから、演出ボタン25aを操作すると、遊技情報の削除を許容するか確認するための画面が表示され、「YES」を選択すると遊技終了のメッセージとが表示されて、客待ち画面が表示される。なお、識別コードの表示の際には終了確認メッセージを省略して所定時間後に表示を終了するようにしても良い。これにより、遊技者が終了確認のための操作をせずに遊技機を離れることにより、識別コードが表示されたままとなって他の遊技者が識別コードを取得できる状況が生じるのを回避することができる。
【0145】
次に、
図20〜
図22を用いて、前記実施形態の遊技機においてパスワードを入力して遊技を行った遊技者がログアウトの際に取得した識別コード(二次元コード)の利用の仕方について説明する。具体的には、遊技終了後に、携帯端末やパソコンを使用して、遊技をした遊技機においてどのような遊技情報が発生したかを知ることができるようにしたり、他の遊技者との交流を可能にしたりするものである。まず、全体的な流れについて、
図20を用いて説明する。
図20に示すように、これから遊技をしようとする遊技者Aは、外部サーバから取得したパスワードを遊技機10に入力する(#1)。すると、遊技機10は、受け付けたパスワードが有効なものであるか否か判定し、有効と判断するとパスワードに含まれている遊技情報を以後の遊技制御に反映させるとともに、パスワードに含まれている遊技者の個人情報をRAM内の入力情報格納領域に格納し保持する。
【0146】
次に、遊技者Aは、遊技終了時に自己の遊技情報を他の遊技者が取得することを許可する設定を行う(#2)。これにより、遊技機10において、他の遊技者による遊技情報の取得が許可される。なお、遊技者Aは、遊技終了後に遊技をした遊技機10においてその後どのような遊技情報が発生したか知りたいことを予め遊技情報開示要求として設定できるようにしても良い。
その後、遊技者Aが遊技を行い、終了する際に前述したようなログアウトの操作(遊技終了操作)を行うと、遊技機10は蓄積した遊技履歴情報に基づいて、遊技者Aが遊技を行うことで取得した遊技情報に対応する識別コードを発行する(#3)。
【0147】
一方、遊技者Aの遊技終了後、次に遊技を開始しようとする遊技者Bが、外部サーバから取得したパスワードを遊技機10に入力すると、それまでの遊技情報が反映される(#4)。そして、遊技者Bが遊技を終了する際に所定の遊技終了操作を行うと、遊技機10は、遊技者Bの遊技情報、および先行の遊技者Aが自己の遊技情報を他の遊技者が取得可能にしていた場合には、遊技者Aのパスワード情報(個人情報)に対応する識別コード(二次元コード)を生成し表示する(#6)。
その識別コードを遊技者Bが、携帯端末等で取得して外部サーバ90にアクセスすると、外部サーバ90は識別コードに含まれる遊技情報を遊技者BのIDと対応付けて保存するとともに、遊技者Aと遊技者Bとの対応付けを行う(#6)。
【0148】
その後、外部サーバ90は、遊技者Bの遊技情報を開示するとともに、遊技者Bが遊技をした遊技機で遊技した他の遊技者Aがいることを開示する(#7)。また、遊技者Aが、自己が取得した識別コードにより外部サーバ90にアクセスした場合(#8)にも、同様な情報の閲覧が可能となる。なお、遊技情報の閲覧はパソコン等からも可能とされる。
また、遊技者Bが次回遊技のためのパスワードの発行を要求すると、外部サーバ90は、直前にアクセスした識別コードに含まれる遊技者Bの遊技情報を反映した新たなパスワードを発行する(#9)。
なお、遊技機が識別コードを発行する際に、遊技情報の他に遊技機固有のIDコードを含んだ識別コードを発行するようにしても良い。これにより、以下に説明するような先行遊技者と後続遊技者の対応を取り易くなる。
【0149】
上記のように遊技情報の利用が許可された遊技者による他の遊技者に関する情報の閲覧を可能にするため、サーバコンピュータ90には、
図1に示すように、遊技者情報管理手段95を設けて、データを提供した遊技者とデータを取得した遊技者とを関連させるようにしている。また、遊技機においては、
図21(A)のように、ログインがあったときに入力されたパスワードを入力の時刻とともに記憶しておき、ログアウトの際にはパスワードと入力時刻を反映した識別コードを生成する。
また、サーバコンピュータ90の遊技者情報管理手段95は、パスワードを発行する際に、
図21(B1)のように、生成したパスワードと生成時刻とを対応づけて遊技者毎にパスワード生成情報管理領域に記憶しておくとともに、識別コードによるアクセスがあった時に遊技機のIDコードを抽出して遊技者毎に識別コードと対応づけて遊技機IDコード遊技情報保存情報管理領域に記憶しておくようになっている。
【0150】
さらに、遊技者情報管理手段95は、識別コードによるアクセスがあった時に識別コードに含まれている他の遊技者の情報(パスワード)に基づいて上記パスワード生成情報管理領域を参照して、対応する遊技者IDを読み出すとともにパスワード生成時間を読み出して先行関係を判断し、同一の遊技機で遊技をした遊技者同士を、先行遊技者と後続遊技者として対応させた遊技者対応付け管理領域を生成する。これにより、先に遊技をし遊技情報を提供した遊技者(AA002)または後からその遊技機において遊技をし遊技情報を利用した遊技者(AA00B)が、サーバコンピュータ90にアクセスすると遊技者情報管理手段95が上記管理領域を参照して、同一の遊技機で遊技をした遊技者の個人情報を抽出して送信することで遊技者同士が交流することが可能となる。また、同一の遊技機で遊技をした他の遊技者の遊技履歴を閲覧することも可能とすることができる。
【0151】
なお、遊技開始のログインの際にパスワードと共に遊技者IDコードを入力させるようにした場合には、遊技終了の際に生成する識別コードに先行遊技者のIDコードを含ませて発行することを可能であり、そのようにした場合には、サーバコンピュータ90は遊技者のIDコードに基づいて遊技者対応付け管理領域を生成することも可能である。
また、
図21(B2)のように、サーバコンピュータ90は生成したパスワードと生成時刻とを対応づけて遊技者毎にパスワード生成情報管理領域に記憶しておくとともに、識別コードによるアクセスがあった時に遊技者毎に共有データを利用した遊技者のパスワードと入力時刻を抽出して遊技情報保存情報管理領域に記憶しておく。
そして、遊技者情報管理手段95は、これらの管理領域を対比して同一のパスワードと時刻情報が一致する遊技者を、データ提供者とデータ利用者として対応させた遊技者対応付け管理領域を生成するようにしても良い。これにより、遊技機が発行する識別コードが遊技機固有のIDコードを含んでいなくとも遊技者同士の対応が可能である。
【0152】
なお、この場合、パスワード生成時刻とパスワード入力時刻とは必ず一致するとは限らず、タイムラグが発生するので、パスワードには有効時間を設けて、例えば10分間だけ有効にする等の管理を行うことで、数に限りがあるため同一のパスワードがたまたま同日に発行された場合であっても遊技情報の正確な把握が可能となる。また、この場合、データを提供した先行遊技者が上記のようなサービスを受けられるためには、後の遊技者が遊技終了後に識別コードをサーバコンピュータ90へ送信する必要があるので、例えば遊技終了後に直ちに識別コードをサーバコンピュータ90へ送信した遊技者に対しては別の特典(待受け画像やポイントなど)を付与するなどして、遊技情報ができるだけ早くサーバコンピュータ90の管理領域に反映されるようにするとよい。
【0153】
図22には、サーバコンピュータ90による上記のような管理によって、遊技者が携帯端末を使用して閲覧可能な情報の例が示されている。
このうち
図22(A)は、遊技終了時に取得した識別コードを用いて携帯端末80によりサーバコンピュータ90にアクセスして遊技者が当日の遊技履歴を閲覧する操作をした場合の表示例を、
図22(B)は、同一遊技機で遊技をした他の遊技者の情報を閲覧する操作をした場合の表示例を示す。
図22(C)、(D)は、パソコンによりサーバコンピュータ90にアクセスして情報を閲覧した際の画像の例を示す。内容的には、(A)、(B)のものと同じである。
【0154】
次に、遊技機における遊技機の履歴情報の閲覧機能について説明する。
図23には、遊技者が遊技機において履歴情報の閲覧を可能にするため、遊技機の演出制御装置300によって実行される遊技機情報閲覧処理の具体的な手順の一例が示されている。なお、この遊技機情報閲覧処理は、
図12の客待ち処理の中(例えばステップB117の客待ち画面制御処理前)に実行するようにすることができる。
図23に示すように、遊技機情報閲覧処理においては、先ず、遊技機情報閲覧中であるか否か示す遊技機情報閲覧中情報(フラグ)を参照して、既に遊技機情報閲覧中か否か判定する(ステップB471)。ここで、遊技機情報閲覧中である(Yes)と判定した場合はステップB476へ移行し、遊技履歴閲覧中でない(ステップB471;No)と判定した場合はステップB472へ進んで、パスワードを入力することで遊技情報を反映した遊技制御が実行される連動サービスを利用中であるか否か判定する。そして、連動サービスを利用中でない(ステップB472;No)と判定した場合はデフォルトの表示スタイル1に対応する遊技機情報表示画面を設定する(ステップB473)。
【0155】
一方、連動サービスを利用中である(ステップB472;Yes)と判定した場合はステップB474へ移行して、遊技情報に対応する遊技者により選択されている表示スタイル(例えば表示スタイル2)により遊技機情報表示画面を設定する。ここで、表示スタイル1や2としては、例えば
図24に示すように、一方は大当り回数に応じて表示する形態で、他方は変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態とすることが考えられる。
ステップB474で遊技機情報表示画面を設定した後は、ステップB475へ移行して、遊技機情報閲覧中であるか否か示す遊技機情報閲覧中情報(フラグ)を設定して、ステップB476へ進み、表示終了操作があったか否か判定し、表示終了操作がない(ステップB476;No)と判定した場合は当該遊技機情報閲覧処理から抜ける。一方、表示終了操作があった(ステップB476;Yes)と判定した場合は、ステップB477へ進んで、ステップB475で設定した遊技機情報閲覧中情報(フラグ)をクリアし、次のステップB478で客待ち画面の表示設定をして、当該遊技機情報閲覧処理から抜ける。
【0156】
図25には表示スタイル1の大当り回数に応じて表示する形態を選択した場合の表示例が、
図26には表示スタイル2の変動内容の詳細に重点をおいて表示する形態を選択した場合の表示例が示されている。
このうち、
図25の表示スタイル1は、大当り回数が1〜10回の時は(A)のような1つの1リスト形態で表示し、大当り回数が1〜20回の時は(B)のような2つのリスト並べた形態で表示し、大当り回数が21回以上の時は(C)のようなグラフ形式で表示するようにしたものである。
また、
図26の表示スタイル2は、各大当りの内容をリーチの種類まで詳細に記述した履歴を表示するようにしたものである。このような遊技履歴の表示形態を、遊技開始時に遊技者が入力したパスワードに含まれる情報に従って切り替えることで、遊技者は自分の好みの表示スタイルで遊技履歴を閲覧することができるようになる。
【0157】
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。第1の変形例は、同一の遊技機で遊技をした遊技者同士のコミュニケーションをし易くするための機能を遊技機に設けるようにしたものである。具体的には、先行遊技者が許可した入力情報を後続遊技者が取得した場合に、後続遊技者が先行遊技者へメッセージを送ることができるようにしたものである。
図27には、上記のようなサービスを可能にするため、演出制御装置300によって実行される遊技情報反映終了処理のフローチャートが示されている。この遊技情報反映終了処理は、
図14の遊技情報反映終了処理に代わるもので、
図12の客待ち処理のフローチャートのステップB110で実行される。
図27の遊技情報反映終了処理は、
図14の遊技情報反映終了処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、ステップB239ステップB240との間に、先行遊技者の入力情報を取得したか否か判定するステップB250を設けている点と、該ステップB250で入力情報を取得した(Yes)と判定した場合に実行するステップB251〜B254を設けている点である。
【0158】
以下、この追加されているステップB250〜B254について説明し、他の処理について説明を省略する。
先ず、前記ステップB250で先行遊技者の入力情報を取得した(Yes)と判定した場合に移行したステップB251では、入力情報の取得を許可した先行遊技者に対して送信可能な複数のメッセージ(例えばお礼の言葉など)を表示して送信の準備を行う。続いて、後続遊技者が選択もしくは入力したメッセージの送信設定をするか確認する(ステップB252)を実行する。ここでは、後続遊技者はメッセージを送信しないことを選択することも可能である。
次のステップB253で、送信メッセージが設定されたか否か判定し、メッセージが設定され(ステップB253;Yes)と判定した場合は、ステップB254へ進んで、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴情報や入力情報格納領域に格納された入力情報およびステップB252で設定されたメッセージに対応する識別コード(二次元コード)を生成し、次のステップB240へ移行して生成した識別コードを表示する。また、ステップB253で、メッセージが設定されていない(ステップB253;No)と判定した場合は、ステップB239へ移行して遊技履歴情報と入力情報を反映した識別コードを生成、次のステップB240へ移行して生成した識別コードを表示する。
【0159】
ステップB240で表示された識別コードを後続遊技者が取得して外部サーバへアクセスすると、外部サーバは受信した識別コードから後続遊技者が送信したいメッセージを解読し、前述した遊技者対応付けテーブルを利用して先行遊技者を検索し、先行遊技者が外部サーバへアクセスした際に後続遊技者からの上記メッセージを表示して伝達することができる。なお、メッセージを伝えるのみでなく、メッセージと共に遊技ポイントなど分け与えることができるようにしても良い。また、この場合、先行遊技者が不運(大当りがない)で後続遊技者が幸運(大当りが発生)であったような場合にのみメッセージを送信できるようにしてもよい。
また、識別コードを使用したメッセージの伝達の代わりに、遊技機の演出制御装置300に他の遊技機の演出制御装置との間で通信を行う通信機能を設け、先行遊技者が同一店舗若しくは同一島内で遊技していることを報知したり、演出制御装置間の通信でメッセージをリアルタイムで送信できるように構成しても良い。
【0160】
(変形例2)
第2の変形例は、先行遊技者が遊技を終了する際に、当該遊技機がその後にどのような結果が発生したか知りたい場合に、開示要求情報を残すことで、後に携帯端末やパソコンを使用して遊技機の履歴情報を入手できるようにしたものである。
図28には、第2変形例のシステム構成を示す。この変形例のシステム構成は、
図1に示すシステム構成と同じであり、異なるのは、遊技情報保持手段117に、結果情報開示要求格納領域と結果情報格納領域とが設けられ、遊技機10は遊技者が遊技を終了する際に開示要求情報を残すことができるようになっている点である。
【0161】
図29には、上記のような開示要求情報を残した先行遊技者による遊技情報の閲覧を可能にするため、演出制御装置300によって実行される客待ち処理(
図11のB70)のフローチャートが示されている。この客待ち処理は、
図12の客待ち処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、変動開始コマンドを受信したか判定するステップB101とステップB103との間に、結果情報開示処理B270を設けている点のみである。
図30には、上記結果情報開示処理B270の具体的な手順の一例が示されている。この結果情報開示処理B2700においては、先ず結果情報開示用の識別コードを表示済みか確認する(ステップB271)。この確認によって、表示済みである(ステップB272;Yes)と判定した場合は、当該結果情報開示処理から抜ける。
【0162】
また、ステップB272で、結果情報開示用の識別コードを表示済みでない(No)と判定した場合は、ステップB273へ進んで、結果情報開示要求情報を確認する。そして、結果情報開示要求情報がない(ステップB274;No)と判定した場合は、当該結果情報開示処理から抜ける。一方、結果情報開示要求情報がある(ステップB274;Yes)と判定した場合は、開示要求をしている遊技者に対応付けされているパスワード情報と現在の結果情報とを反映した識別コードを生成して表示(ステップB275)し、当該結果情報開示処理から抜ける。
【0163】
上記のような処理により、客待ち画面が表示されている際に、パスワード情報と現在の遊技情報とを反映した識別コードが表示されるので、当該遊技機で遊技している者あるいは遊技店の店員がその識別コードを携帯端末のカメラ機能で読み込んでサーバへ送信することで、先行遊技者が遊技機の結果情報をサーバを介して把握することができる。
なお、識別コードにあまり多くの情報を含ませることが困難であって、複数の遊技客が結果情報開示の要求をしている場合には、最初に結果情報開示要求を行った遊技者のパスワードのみを反映して識別コードを生成するようにしても良い。識別コードを表示する際には識別コードが表示されていることが分かるようにランプを点滅させるなどして報知するようにしても良い。
【0164】
図31には、第2変形例における客待ち処理中の遊技情報反映終了処理のフローチャートが示されている。この遊技情報反映終了処理は、第1変形例における
図27の遊技情報反映終了処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、ステップB251の前に、自分の結果情報開示要求を設定して結果情報開示要求格納領域に格納する処理B250aと、先行遊技者の結果情報開示要求があるか確認してある場合には当該遊技機の遊技履歴情報に対応する結果情報を結果情報格納領域に格納する処理B250bを設けている点である。
これらの処理により、
図30の結果情報開示処理が実行される際に識別コードに結果情報が反映される異なり、その識別コードにより外部サーバへアクセスされると、外部サーバでは前述したように、遊技者同士の対応付けがされているので、結果情報開示要求を残した遊技者が自分が獲得した識別コードにより外部サーバへアクセスすると、結果情報を閲覧することが可能となる。
【0165】
以上の説明より、上記実施形態には、
始動条件の成立に基づいて遊技を開始し、該遊技の結果として予め定めた特別結果が導出された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技に関連する情報を遊技情報として保持する遊技情報保持手段と、
前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報に対応する識別情報を表示可能な表示手段と、
前記表示手段による表示を制御する制御手段と、
前記識別情報に対応する遊技情報を遊技機に保持させるための認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
遊技者が操作して前記制御手段に対して入力可能な操作手段と、
前記操作手段への遊技者の操作に応じて、前記遊技情報保持手段に保持されている遊技情報を破棄可能な遊技情報破棄手段と、
を備え、
前記遊技情報保持手段は、
前記遊技情報として、遊技者の遊技における遊技結果情報を含む遊技履歴情報を保持する遊技履歴情報保持手段と、
前記遊技情報として、遊技者によって入力された前記認証情報に応じた入力情報を保持する入力情報保持手段と、
を備え、
前記識別情報表示手段は、前記識別情報として、第1遊技者によって前記認証情報が入力されたことに基づいて前記入力情報保持手段に保持されている入力情報と、当該遊技機において前記第1遊技者よりも後に遊技を行った第2遊技者の遊技に基づいて前記遊技履歴情報保持手段に保持されている遊技履歴情報と、に対応する識別情報を表示可能であるようにした発明が含まれることが分かる。
【0166】
ここで、「識別情報」とは、QRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコードのような遊技者が所有する携帯端末で取得可能な情報を意味し、カメラ機能で取得可能なものでも、赤外線等の通信機能で取得可能なものでも良い。「認証情報」はパスワードあるいはログインコードのようなものを意味する。また、「情報を破棄」とは、情報保持手段(メモリ)から情報を消去すること、および情報は残っていてもそれを読み出すためのアドレス等の指標を消去することを意味する。
上記のような発明によれば、識別情報表示手段は、識別情報として、第1遊技者によって前記認証情報が入力されたことに基づいて前記入力情報保持手段に保持されている入力情報と、当該遊技機において前記第1遊技者よりも後に遊技を行った第2遊技者の遊技に基づいて前記遊技履歴情報保持手段に保持されている遊技履歴情報と、に対応する識別情報を表示可能であるので、先行して遊技した遊技者がいたことが識別情報に反映され、その識別情報を遊技者が取得することで、同じ遊技機で遊技した遊技者同士が交流することが可能となる。
【0167】
また、前記実施形態には、前記遊技情報破棄手段は、所定タイミングにおいて、遊技者による前記操作手段の操作が特定の操作であった場合に、前記遊技履歴情報保持手段に保持されている遊技者に関わる遊技履歴情報及び前記入力情報保持手段に保持されている入力情報を破棄する一方、前記入力情報保持手段に保持される入力情報を破棄しないようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、先行遊技者が所定の操作を行うか否かで、当該先行遊技者の入力情報に基づいて、先行して遊技した遊技者がいたことを後続遊技者が認識可能か否かを選択できるため、プライバシーが害されるのを望まない遊技者に配慮した情報管理を行うことができる。
【0168】
また、前記実施形態には、前記識別情報表示手段は、前記識別情報として、前記入力情報と前記遊技履歴情報と遊技者によって選択もしくは設定されたメッセージ情報とに対応する識別情報を表示可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、同一の遊技機で遊技をした先行遊技者に対して後続遊技者からメッセージを伝えることが可能となり、同じ遊技機で遊技した遊技者同士の交流を親密にすることが可能となる。
【0169】
さらに、前記実施形態には、前記制御手段は、遊技開始時に前記受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報によって反映される遊技情報に基づいて演出の内容を制御可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、「遊技情報」として例えば一人の遊技者が持つ遊技履歴を引き継いで遊技機に反映させる以外に、先行して遊技した他の遊技者の遊技履歴を反映させることもできるため、遊技回数が少なく遊技履歴が不十分な遊技者であっても遊技回数が多く遊技履歴が十分な遊技者と同様の演出を体感することができ、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0170】
また、前記実施形態には、前記遊技情報保持手段は、
前記遊技情報として、当該遊技機における所定期間の遊技による遊技結果情報を含む遊技機履歴情報を保持する遊技機履歴情報保持手段を備え、
前記制御手段は、
遊技者により前記操作手段に対して所定の操作がなされた場合に、前記遊技機履歴情報保持手段に保持されている遊技機履歴情報を前記表示手段に表示可能に構成されているようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、制御手段は遊技機履歴情報を表示装置に表示可能に構成されているので、遊技者は遊技機の履歴情報を閲覧することができ、閲覧した履歴情報に基づいて遊技をするか否かの判断を自由に行うことができるとともに、他の遊技者の入力情報や遊技履歴情報は破棄されることで遊技者のプライバシーが保護され、遊技者個人の遊技情報を適切に扱うことができる。
【0171】
また、前記実施形態には、上述したような構成を有する遊技機と、遊技機によって出力され、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付ける識別情報受付手段と、該識別情報受付手段が前記識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の遊技情報を抽出する遊技情報抽出手段と、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶する遊技情報記憶手段とを備えるサーバコンピュータと、を有することを特徴とする遊技システムの発明が含まれる。
かかる発明の遊技システムによれば、サーバコンピュータは、遊技者が所有する情報端末によって読み込まれた識別情報に基づくアクセスを受け付け、識別情報受付手段が識別情報に基づくアクセスを受け付けることに対応して遊技者の識別情報に対応する遊技情報を抽出し、抽出された遊技情報を遊技者と対応付けて記憶するので、遊技者同士の交流を支援することが可能となる。
【0172】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、遊技者が望む遊技環境(表示装置や装飾ランプの明るさやスピーカの音量等)を、遊技開始の際に遊技機で設定したり、予め携帯端末等で選択して遊技開始の際のパスワード入力で自動的に設定できるようにしたものである。
図32には、第2の実施形態のシステム構成を示す。
図32に示す第2の実施形態のシステム構成は、
図1に示す第1の実施形態のシステムとほぼ同様であり、異なるのは、以下の2点である。それ以外は、同様であるので、重複した説明は省略する。
【0173】
第1の相異点は、携帯端末80が、遊技機から識別コードを取得する識別コード取得手段81と、取得した識別コードを送信してサーバコンピュータ90にアクセスするサーバアクセス手段82と、サーバコンピュータ90が発行したパスワードを受信するパスワード受信手段83と、サーバコンピュータ90が送信した遊技情報を閲覧可能にする遊技情報閲覧手段84と、サーバコンピュータ90が付与した特典を受信し保存する特典保存手段85の他に、遊技者が遊技機における遊技環境を前もって設定したり個人情報を入力したりするための設定情報登録手段86を備える点である。
第2の相異点は、遊技機10が、パスワード受付手段114、遊技情報反映手段115、遊技情報保持手段117、識別コード表示手段118の他に、遊技者が遊技開始の際に遊技環境を設定することができるようにするための情報登録手段119を備える点である。そして、遊技情報保持手段117内に、設定情報登録手段119または外部装置で設定された情報を格納する設定情報格納領域が設けられている。
【0174】
携帯端末80の上記設定情報登録手段86は、遊技機のメーカがウェブサイトで提供もしくは遊技店が店内の情報端末で提供する専用のアプリケーションソフトを、携帯端末80の通信機能で取り込むことによって実現することができる。
また、第2の実施形態では、遊技機10の遊技情報保持手段117が、遊技中に発生した遊技情報の履歴を記憶する遊技履歴情報格納領域と、遊技者が当該遊技機で遊技を開始する際に直接またはパスワード等を介して入力した情報を記憶する入力情報格納領域の他に、設定情報登録手段119により設定された情報もしくはパスワード等を介して入力された設定情報を格納する設定情報格納領域を備える。
【0175】
図33には、遊技者が望む遊技環境(表示装置や装飾ランプの明るさやスピーカの音量等)の設定を支援するために表示装置に表示する画面の例を示す。このうち、
図33(A)は、遊技機の表示装置41の入力メニュー画面の例を、(B)は設定終了時の表示画面、(C)は携帯端末80を使用した設定終了時の表示画面、(D)はパソコンを使用した設定終了時の表示画面である。
図33(B)に示されているように、身長を設定登録可能にしているのは、遊技機によっては照明装置(例えば、ムービングライト16など)を遊技者の身体の一部に向けて照射したりする機能を備えている場合があり、その場合、身長が異なると照射位置がずれてしまうので、遊技機の制御装置が遊技者の身長に応じて照射角度を調整できるようにするためである。
【0176】
なお、携帯端末やパソコンで一度設定したデータは記憶されるとともに、遊技機において設定登録されたデータは、遊技終了時に表示(出力)する識別コードに含ませるとともに、識別コードを受信した外部サーバがパスワードを発行する際に設定情報を含ませることで、再度同一遊技店もしくは同一機種で遊技をする際には再設定操作を不能とすることができる。また、設定情報は遊技者IDによって遊技者毎に記憶し、その情報をサーバや遊技店の管理装置で共有することで、遊技者が遊技開始の際にIDを入力すると遊技機が管理装置から必要な情報を受け取って自動的に所望の遊技環境に設定するように構成しても良い。また、椅子の高さや店内の明るさなどは遊技店によって異なる場合があるので、外部サーバに複数の遊技店に対応して設定情報を記憶可能にしておき、選択された遊技店に対応するパスワードを発行することで、遊技環境の設定は遊技店に対応して設定できるようにしても良い。
【0177】
図34には、遊技機の記憶手段に設けられる設定情報格納領域のより詳細な構成の例が示されている。
図34の設定情報格納領域は、スピーカの音量設定情報を記憶保持する設定情報領域1と、遊技機前面のランプの輝度設定情報を記憶保持する設定情報領域2と、表示装置41の輝度設定情報を記憶保持する設定情報領域3と、予告が表示される場合にその予告を表示させたい箇所(表示画面中の部位)を指定する設定情報を記憶保持する設定情報領域4と、遊技者の身体(特に身長)に関する情報を記憶保持する設定情報領域5と、遊技者の性別情報を記憶保持する設定情報領域6と、遊技者の年齢情報を記憶保持する設定情報領域7と、遊技者の出身地情報を記憶保持する設定情報領域8と、を備えている。
【0178】
なお、上記設定情報領域のうち1〜4は遊技機または外部装置(携帯端末、パソコン等)のいずれにおいても設定可能な共通設定情報とし、設定情報領域5〜8は外部装置(携帯端末、パソコン等)においてのみ設定可能な限定設定情報としている。これにより、設定時に個人情報が他人に見られるのを防止してプライバシーを保護することができる。
また、設定情報として「出身地情報」を設けることで、遊技者間のコミュニケーションを促進できる。また、遊技機は「出身地情報」に基づいて、表示装置に表示する解説や演出を盛り上げる言葉を方言にて表現するようにしてもよい。
【0179】
図35には、パソコンを使用して遊技機の設定情報を設定する場合の表示画面の例が示されている。このうち、
図35(A),(B)は、遊技者が遊技機で取得した識別コード(二次元コード)を使用して外部サーバの遊技機関連サイトにアクセスした場合にパソコンのモニタに表示する画面の例を示すもので、その日に遊技を行った遊技機の機種名を表示して設定もしくは修正を確認するようにしている。さらに、
図35(C)は遊技者が設定を行うことを選択した場合に表示する設定支援画面の例であり、遊技機の全体像を表示するとともに設定を行うランプの位置や明るさ、発光の仕方等を具体的に表示して演出をシミュレーション出来るようにしている。
【0180】
図36には、第2の実施形態を適用して設定情報を遊技機にて設定可能にする場合に演出制御装置300によって実行する遊技情報反映処理の具体的な手順の例が示されている。
図36のフローチャートは、第1の実施形態における
図13のフローチャートに代わるもので、
図13のフローチャートとの違いは、ステップB211の前に、設定情報登録中であるか否かを判定するステップB210を設けている点と、ステップB219の次に設定情報登録処理(ステップB300)を設けている点にある。ステップB210で、設定情報登録中である(Yes)と判定した場合には、符号「2」に従って
図37のステップB306へジャンプし、設定情報登録中でない(No)と判定した場合にステップB211へ進む。ステップB211〜B219およびB220,B221の処理は
図13のフローチャートと同じであるので、重複した説明は省略する。
【0181】
図37に、ステップB300の設定情報登録処理の具体的な手順の一例が示されている。
図37に示すように、設定情報登録処理においては、先ず入力されたパスワードに対応する(含まれる)設定情報があるか確認する(ステップB301)。
そして、設定情報がある(ステップB302;Yes)と判定した場合はステップB303へ移行し、パスワードに対応する(含まれる)設定情報に基づいて変動パターン情報設定パラメータを設定する。また、パスワードに対応する(含まれる)設定情報がない(ステップB302;No)と判定した場合はステップB304へ進んで、設定情報登録処理を開始するか否か判定する。
なお、登録処理を開始するか否かは遊技者のボタン操作等により決定される。そして、設定情報登録処理を開始する(ステップB304;Yes)と判定した場合はステップB305へ移行して、設定情報登録処理中であることを示すフラグを設定する。それから、設定情報登録が完了したか否か判定し、設定情報登録処理が完了していない(ステップB306;No)と判定した場合は、符号「1」に従って
図36の遊技情報反映処理の末尾にジャンプして一旦設定情報登録処理から抜ける。
【0182】
また、ステップB306で設定情報登録処理が完了した(Yes)と判定した場合は、ステップB307へ進んで、登録された設定情報を設定情報格納領域に格納してから、登録された設定情報に基づいて変動パターン情報設定パラメータを設定(ステップB308)してから、次のステップB309で設定情報登録中フラグをクリアして、設定情報登録処理から抜ける。
一方、ステップB304で、設定情報登録処理を開始しない(No)と判定した場合はステップB310へ移行して、既に共有可能設定情報が有るか否か判定する。そして、共有可能設定情報が有る(ステップB310;Yes)と判定した場合はステップB311へ進んで、設定情報格納領域に格納されている共有可能設定情報(共通設定情報)に基づいて変動パターン情報設定パラメータを設定する。つまり、先行遊技者が設定した情報のうち利用可能なものを共有可能設定情報として設定が行われることとなる。従って、本実施形態では、演出制御装置300が、設定情報保持手段に保持されている設定情報を、後続遊技者が利用可能にする設定情報共有手段として機能することとなる。なお、遊技者の身長や性別などは共有可能設定情報に含まれず、後続遊技者の遊技に設定情報が引き継がれることはない。
【0183】
また、ステップB310で、共有可能設定情報がない(No)と判定した場合はステップB311をスキップして、当該設定情報登録処理から抜ける。これにより、デフォルトの設定となる。
なお、
図37の設定情報登録処理の中では、当日の遊技者が着ている服の色などを別途設定可能にするとともに、服の色などが設定された場合には、それに応じて発光色を変更するなどの処理を行うようにしても良い。これにより、光を遊技者に向けて照射したりプロジェクタのように映像を遊技者の身体に投影する演出を行う場合に、コントラストが高くなり照射されていることが分かり易くなって演出効果を高めることができる。
【0184】
図38には、第2の実施形態を適用して設定情報を遊技機にて設定可能にする場合に演出制御装置300によって実行する遊技情報反映終了処理の具体的な手順の例が示されている。
図38のフローチャートは、第1の実施形態の変形例における
図27のフローチャートに代わるもので、
図27のフローチャートとの違いは、ステップB239とステップB254で実行する処理の内容が異なっている点のみである。
具体的には、ステップB239では、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴情報や入力情報格納領域に格納された入力情報および上記設定情報登録処理により設定情報格納領域に格納された設定情報に対応する識別コード(二次元コード)を生成する。また、ステップB254では、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴情報や入力情報格納領域に格納された入力情報、上記設定情報登録処理により設定情報格納領域に格納された設定情報およびステップB252で設定されたメッセージに対応する識別コード(二次元コード)を生成する。これらの処理により、生成された識別コード(二次元コード)に、遊技開始時に設定した情報が含まれ、次回遊技する際に設定情報の登録を省略し、前回の遊技環境を引き継いだ遊技が可能となる。
【0185】
図39には、第2の実施形態を適用して設定情報を遊技機にて設定可能にする場合に演出制御装置300によって実行する変動中処理の具体的な手順の例が示されている。
図39のフローチャートは、第1の実施形態における
図17のフローチャートに代わるもので、
図17のフローチャートとの違いは、変動パターン情報を設定するステップB125と、乱数シードを初期化するステップB126との間に、投影演出を実行する変動表示ゲームであるか否か判定するステップB135と、投影演出を実行すると判定した場合に上記設定情報登録処理により設定情報格納領域に格納された設定情報に基づいて照射または投影の態様を設定する処理(ステップB136)とを設けている点にある。
投影演出を実行する際には、照射装置としてのライトや投影装置の制御の他、表示装置41に表示する画像の内容も、投影態様に関連する演出内容に制御したり、投影中であることや投影箇所を報知するようにしても良い。また、ライトや投影装置以外のランプ類の輝度を下げることで、投影された光を見え易くする制御を行うようにしても良い。
さらに、設定情報に、遊技者の身体の一部へ光を照射したり所定の画像を投影することを規制する規制情報を含ませ、該規制情報を遊技者が予め設定可能に構成しても良い。
【0186】
以上の説明より、上記実施形態には、
始動条件の成立に基づいて遊技を開始し、該遊技の結果として予め定めた特別結果が導出された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記遊技の進行に関連して遊技者に音声、画像、又は光による演出を行う演出装置と、
前記照射手段の照射態様を制御するための設定情報を保持する設定情報保持手段と、
前記設定情報に基づいて前記照射手段の照射態様を制御可能な演出制御手段と、
前記設定情報保持手段に保持されている設定情報を反映した識別情報を表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段により表示された識別情報に直接または間接的に含まれる設定情報が反映された認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報に直接または間接的に含まれる設定情報に基づいて前記演出装置の演出態様を制御するようにした発明が含まれることが分かる。
【0187】
ここで、「特別遊技状態」とは、パチンコ機にあっては大当りや確変状態などであり、スロットマシンにあってはボーナス状態などがある。「識別情報」とは、QRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコードのような遊技者が所有する携帯端末で取得可能な情報を意味し、カメラ機能で取得可能なものでも、赤外線等の通信機能で取得可能なものでも良い。「設定情報」とは、ランプの明るさやスピーカの音量などの遊技環境を遊技者に応じて設定するための情報や遊技者が予め設定した情報のことである。「識別情報に間接的に含まれる」とは、例えば演出制御手段に複数の設定情報が記憶された設定テーブルを設けておいて、そのテーブルの中から所望の設定情報を番号で指定するようにした場合に、その番号が識別情報に含まれているようなことを意味する。「認証情報」はパスワードあるいはログインコードのようなものを意味する。
【0188】
上記のような発明によれば、設定情報を反映した識別情報を表示して遊技者が取得可能にし、設定情報が反映された認証情報の入力を受け付けた場合に、演出装置の演出態様を制御するようにしたので、例えば携帯端末等を用いて識別情報と認証情報を利用するという簡易な方法で演出装置に関連する設定条件を引き継いで遊技可能となる。そのため、遊技開始の度に設定を行う必要がなくなり、再設定の手間を省くことができる。特に、遊技の進行に関連する演出として音声、画像、又は光による演出を実行する場合などには、遊技者に応じて適切な設定状態で演出を実行することができる。
【0189】
また、前記実施形態には、前記設定情報には、外部装置によって遊技者が予め設定した外部設定情報が含まれ、前記演出制御手段は、前記認証情報に対応する設定情報に含まれる外部設定情報に基づいて前記演出装置の演出態様を制御するようにした発明が含まれる。
ここで、「外部装置」とは、携帯電話機やタブレット型コンパレータ、PDA(パーソナルデジタルアシスタンツ)などの携帯端末やパソコンなどを意味する。「演出装置」には、表示装置の他、発光用のランプやスピーカ、可動役物装置などが含まれる。
かかる発明によれば、予め外部の装置で演出の際の音や輝度のレベル等を設定をしておくことで、遊技開始時にスムーズに好みの演出態様を設定できる。
【0190】
また、前記実施形態には、前記設定情報には、遊技機又は前記外部装置のいずれにおいても設定可能な共通設定情報と、遊技機又は前記外部装置のいずれか一方において設定可能な限定設定情報と、が含まれ、
前記演出制御手段は、前記共通設定情報又は前記限定設定情報のうち、少なくともいずれか一方に基づいて前記演出装置の演出態様を制御するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技機及び外部装置で共通して設定可能な情報と一方でしか設定できない情報とが含まれているため、例えば、周囲の遊技客に視認されてしまうことが好ましくない個人情報の設定などを外部装置で行うようにすることで遊技者のプライバシーを保護することができる。
【0191】
さらに、前記実施形態には、先行遊技者による前記認証情報の入力に基づいて前記設定情報保持手段に保持されている設定情報を、後続遊技者が利用可能にする設定情報共有手段を備え、前記設定情報共有手段は、前記設定情報保持手段に保持されている設定情報のうち、前記共通設定情報の利用を許容し、前記限定設定情報の利用を規制するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技機又は前記外部装置のいずれか一方において設定可能な限定設定情報の利用を規制するので、設定情報を他の遊技者が共有可能な場合でも、身長など遊技者の個人情報に関しては利用を規制することができるため、先行遊技者のプライバシーを保護することができる。
【0192】
また、前記実施形態には、所定期間における遊技者の遊技履歴情報を保持する遊技履歴情報保持手段を備え、前記識別情報表示手段は、前記設定情報保持手段に保持されている設定情報と、前記遊技履歴情報保持手段に保持されている遊技履歴情報と、に対応する識別情報を表示可能であるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、後続遊技者が先行遊技者の遊技履歴と設定データを引き継いで遊技を行うことが可能になる。そのため、遊技開始の度に設定を行う必要がなくなり、再設定の手間を省くことができるとともに、遊技回数が少なく遊技履歴が不十分な遊技者であっても遊技回数が多く遊技履歴が十分な遊技者と同様の演出を体感することができ、遊技を重ねることに対して遊技者が興味を抱き易くなる。
【0193】
また、前記実施形態には、前記演出装置には、遊技者の身体に光または画像を照射可能な投射装置が含まれ、前記限定設定情報には、遊技者が予め設定した遊技者の身体情報が含まれ、
前記演出制御手段は、前記身体情報に基づいて前記投射装置によって前記遊技者の身体の一部へ光または画像を照射するようにした発明が含まれる。
ここで、「投射装置」には、スポットライトのような光を照射する照射手段や光投射装置のほか、画像を投影するプロジェクタのような投影装置が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者の身体の一部に光または画像を照射する場合に、遊技者の設定した身長データなどに応じて適切な照射を実行することができる。特に、遊技者によって身長が異なることで顔の高さなどまちまちであったとしても、照射光や投影された画像の光が直接目に入らないようにするなどの制御が可能となる。
【0194】
さらに、前記実施形態には、前記設定情報保持手段に保持されている設定情報を反映した識別情報を、情報端末に読み込ませることが可能な形態で出力するようにした発明が含まれる。
ここで、「情報端末に読み込ませることが可能な形態」とは、例えば表示装置に表示可能な二次元パターンコードや通信機能で送信可能なシリアルデータのような形態を意味する。
かかる発明によれば、複数の遊技機で遊技をする場合に識別情報を介することで設定情報を反映した遊技環境の引き継ぎが容易であり、長期間継続して遊技を行う遊技者の負担が少なくて済む。
【0195】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、投影装置を設けた遊技機に関するものである。
図40には、第3の実施形態における遊技機の構成を示す。
図40の遊技機10は、ガラス枠15の上部中央に、演出装置として、前方〜下方に向かって光を照射可能な光投射装置20A(
図41参照)や画像を投影可能なプロジェクタのような投影装置20B(
図48参照)を収納する収納ボックス29が設けられている。それ以外は、
図2に示す第1の実施形態の遊技機と同様であるので、重複した説明は省略する。
なお、光投射装置20Aや投影装置20Bは収納ボックス29に収納されたユニットとして構成しても良い。これらを設ける位置も前面枠12の上部に限定されず、ムービングライト16の位置やガラス枠側部あるいは遊技盤に開口部を形成してその内部に配設しても良い。また、収納ボックス29を設ける代わりに、ガラス枠15の上部に膨出部を形成してその内部に配設しても良い。
【0196】
図41〜
図44には、下方に向かって光を照射する光投射装置20Aを設けた遊技機における具体的な照射例を、
図45〜
図51には、投影装置20Bを設けた遊技機における具体的な投影例およびそれを実現するための処理の例を示す。
先ず、
図41〜
図44に示す光投射装置20Aを設けた場合の演出態様について説明する。
図41(A)に示すように、ガラス枠15の上部に設けられた収納ボックス29は、下方の上皿21と同程度の突出量を有し、その内部に光投射装置20Aが光を下方向けて照射するように配設され、光投射装置20Aから発せられた光は、上皿21の上面に特に演出ボタン25の周辺や操作部に照射可能にされている。光投射装置20Aは光源とレンズとから構成し、図形や文字はレンズに形成した模様によって出現するように構成されている。なお、演出ボタン25は表面カバーを半透過部材で構成して、光投射装置20Aからの光を反射しないようにしても良い。
【0197】
図41(B)は、光投射装置20Aからの光に手を翳した状態を示す。この実施形態の遊技機においては、
図41(B)に示すように演出ボタン25の上方に遊技者が手を翳すと、
図41(C)のように手の甲に○印や×印の図形や文字が投影され、その図形や文字によって変動表示ゲームの予告演出を行えるようになっている。図形や文字の投影の代わりに発光色を変えるようにしても良い。
なお、上皿21の周辺に物体(例えば、遊技者の手)の有無を検出するセンサを設けておき、光投射装置20Aにより光を照射するとき、当該センサにより物体を検出した場合は、当該光の照射を行わないようにし、物体を検出しない状態で照射を開始するようにしても良い。これにより、光投射装置20Aによって光を照射するとき、偶然に上皿21の周辺に物体が存在し、当該物体に所定の図柄が投影されてしまうことを防止することができる。そして投影内容を確認したい遊技者だけが照射光に光を翳すようにする。その結果、光投射装置20Aによる図柄の投影を望む遊技者に対してだけ適切に当該投影による演出を提供することができる。
【0198】
次に、光投射装置20Aからの光照射タイミングおよび演出態様の一例について
図42(A),(B)および
図43を用いて説明する。
図42(A)は、例えば表示装置41にて演出ボタン25の押下を促す表示がなされ、それを見た遊技者が演出ボタン25を押下しようとする状態を示す図である。
図42(A)に示すように、このときはまだ光投射装置20Aからの光照射はなされていない。なお、表示装置41による押下を促す表示の代わりに、図柄を投影する際の光の波長とは異なる波長の光を演出ボタン25に照射することによって、演出ボタン25の押下を促すようにしても良い。
図42(B)は、遊技者が演出ボタン25を押下した状態を示す図である。
図42(b)に示すように、演出ボタン25の押下が検出されると、光投射装置20A1によって図柄を投影するための発光がなされ、演出ボタン25を押下した手の甲に図柄(例えば○印)が投影されるようになっている。なお、表示装置41では通常の押下を促す表示の代わりに、手のひら全体による押下を促す表示(投影が成功しやすい態様による押下を促す表示)を行うようにしてもよい。
【0199】
図43(A)は、上皿21の手前側の縁部分に光を照射した状態を示す図であり、同図(B)は、当該縁部分から上皿上面の中央までの範囲に光を照射した状態を示す図である。
図43(A),(B)に示すように、上皿21上面の照射範囲を変更することによって、特図変動表示ゲームにて大当り結果やリーチ演出が導出される前兆としての予告演出を行うことができるようになっている。
また、
図43(C)に示すように、上皿21に配設された所定のボタン(例えば、球抜き操作部26)を照射することによって、当該ボタンの操作を促すようにしても良い。その他にも、確率変動状態中、特に当該確率変動状態にある期間が限られたいわゆる回数切り確変中や、大当り遊技状態中に打ち出される遊技球に光を照射するようにしても良い。これにより、確率変動状態中であれば、これから打ち出す遊技球への期待感を増幅することができ、大当り遊技状態中であれば、遊技球を打ち出す高揚感を高めることができるようになる。
【0200】
次に、投影装置20Bを用いた演出態様について
図44を用いて説明する。
図44(A)は、投影装置20Bにより遊技者の胸の部分に画像を投影した状態を示し、同図(B)は遊技者の腕の部分に画像を投影した状態を示す。本実施形態においては、前記第2実施形態で説明したような遊技者による設定で、画像を投影する部位を指定することができるようになっている。そして、投影する画像を、「激熱」や「大当り」など予告内容によって変更することで報知するようになっている。
図35に示す第2実施形態におけるパソコンによる設定表示画面や
図36の遊技情報反映処理のフローチャート、
図37の設定情報登録処理のフローチャート、
図38の遊技情報反映終了処理のフローチャート、
図39の変動中処理のフローチャートは、本実施形態に援用することができる。
【0201】
(変形例1)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。第1の変形例は、投影装置20Bにより画像を投影する部位を任意に設定できるようにする代わりに、投影して欲しくない部位を設定できるようにするための機能を遊技機に設けるようにしたものである。具体的には、例えば遊技者が女性である場合に胸の部分には投影を禁止する設定を行えるようにすることが考えられる。
図45には、上記のような機能を実現するため、演出制御装置300によって実行される変動中処理のフローチャートが示されている。この変動中処理は、
図39の変動中処理に代わるもので、
図11の1stシーン制御処理のフローチャートのステップB71で実行される。
図45の変動中処理は、
図39の変動中処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、ステップB136とステップB126との間に、ステップB137〜B139を設けている点である。
【0202】
具体的には、ステップB137で投影部位を禁止する規制情報があるか否か判定し、規制情報がある(Yes)と判定した場合はステップB138へ進んで、対応する規制情報を投影態様設定パラメータに反映する設定を行う。その後、ステップB139で設定情報格納領域に格納されている設定情報と前記ステップB138で設定された投影態様設定パラメータに基づいて投影態様を設定してステップB126へ移行する。
また、ステップB137で投影部位を禁止する規制情報がない(No)と判定した場合はステップB138をスキップしてステップB139へ移行し、設定情報格納領域に格納されている設定情報に基づいて投影態様を設定してステップB126へ移行する。他の処理は、前述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、投影部位を禁止する設定の他、複数の節電モードを設けてモード選択可能にするとともに、いずれの節電モードに設定されたとしても投影演出や大当り告知演出は通常モードの明るさや音量で実行するように構成しても良い。
【0203】
図46には、第1の変形例において遊技機の記憶手段に設けられる設定情報格納領域の構成例を示す。
図34に示す第2実施形態における設定情報格納領域の構成とは、規制情報を格納する設定情報領域9が新たに設けられている点で異なる。
図47には、遊技者が設定を行う際に表示装置に表示する画面の例を示す。このうち、
図47(A)は、遊技機の表示装置41の入力メニュー画面の例を、(B)は設定終了時の表示画面、(C)は携帯端末80を使用した設定終了時の表示画面、(D)はパソコンを使用した設定時の表示画面である。
本実施形態では、プライバシーを考慮して投影部位を禁止する設定は外部装置でのみ可能にしているので、
図47(B)に示されているように、その旨の表示を行うようにしている。また、
図47(D)に示すように、パソコンを使用した設定時には投影部位を禁止する設定が可能であることを表示するようにしている。
【0204】
(変形例2)
次に、第3実施形態の第2変形例について説明する。第2の変形例は、投影装置20Bにより遊技者の身体に投影された画像を遊技者が見易くするための機能を遊技機に設けるようにしたものである。具体的には、例えば遊技盤に鏡を設けたり、カメラ(撮像装置)を設けて表示装置41の画面に遊技者自身の映像を表示したりすることが考えられる。
図48には、遊技盤に鏡を設けるようにした場合の構成例を示す。
図48では、(A)のように、遊技盤中央の表示装置41の下方の通常はセンターケースによって見えない位置に鏡441を有する可動役物装置440を配設する。そして、投影装置20Bにより画像の投影を行う際に、
図47(B)に示されているように、可動役物装置440を作動させて鏡を上方へ移動させて遊技者の胸などに投影された画像を鏡441で反射させて遊技者から見えるようにしている。可動役物装置440を移動させる駆動源(モータ)の作動は演出制御装置300によって制御することができる。
【0205】
図49には、上記のような機能を実現するため、演出制御装置300によって実行される変動中処理のフローチャートが示されている。この変動中処理は、
図45の変動中処理に代わるもので、
図11の1stシーン制御処理のフローチャートのステップB71で実行される。
図49の変動中処理は、
図45の変動中処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、更新タイマの値が0でない(No)と判定した場合に、投影演出を開始するか否か判定するステップB141と、鏡441を有する可動役物装置440を作動させるための設定を行うステップB142を設けている点のみである。他の処理は、前述した実施形態の場合と同様であるので、説明は省力する。
【0206】
(変形例3)
次に、第3実施形態の第3変形例について説明する。第3の変形例は、遊技者が遊技状態ごとに遊技環境を設定できるようにするものである。
図50には、遊技状態ごとに遊技環境を設定可能にするため遊技機の記憶手段に設けられる設定情報格納領域の構成例を示す。このうち、
図50(A)は、通常遊技状態用の設定情報格納領域の構成例を、(B)は確変制御状態用の設定情報格納領域の構成例、(C)は時短(電サポを含む)制御状態用の設定情報格納領域の構成例である。
遊技者個人の情報は遊技状態によって変わるものではないので、(B)や(C)の設定情報格納領域にはない。なお、遊技状態によって変更可能な設定と変更不能な設定を設け、変更不能な設定は遊技状態を問わず共有するようにしても良い。また、日中は明るくなるので、時間帯によって設定を変えられるようにしたり、時間帯によって設定値を修正する機能を演出制御装置300に持たせるようにしても良い。
【0207】
図51には、上記のような機能を実現するため、演出制御装置300によって実行される変動中処理のフローチャートが示されている。この変動中処理は、
図49の変動中処理に代わるもので、
図11の1stシーン制御処理のフローチャートのステップB71で実行される。
図51の変動中処理は、
図49の変動中処理のフローチャートとほぼ同じである。異なる点は、遊技履歴を更新する処理(ステップB133)の次に、遊技状態が変化したか否か判定するステップB143と、遊技状態が変化した場合に新たに開始される遊技状態に対応する設定情報を演出に反映させるための設定を行うステップB144を設けている点のみである。他の処理は、前述した実施形態の場合と同様であるので、説明は省力する。
【0208】
上記説明より、上記実施形態には、
始動条件の成立に基づいて遊技を開始し、該遊技の結果として予め定めた特別結果が導出された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記遊技の進行に関連して遊技者に向けて所定の照射態様で光を照射する照射手段と、
前記照射手段の照射態様を制御するための設定情報を保持する設定情報保持手段と、
前記設定情報に基づいて前記照射手段の照射態様を制御可能な演出制御手段と、
前記設定情報保持手段に保持されている設定情報を反映した識別情報を表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報表示手段により表示された識別情報に直接または間接的に含まれる設定情報が反映された認証情報の入力を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記受付手段によって認証情報を受け付けた場合に、当該認証情報に直接または間接的に含まれる設定情報に基づいて前記照射手段の照射態様を制御するようにした発明が含まれることが分かる。
【0209】
上記のような発明によれば、設定情報を反映した識別情報を表示して遊技者が取得可能にし、設定情報が反映された認証情報の入力を受け付けた場合に、照射手段の照射態様を制御するようにしたので、例えば携帯端末等を用いて識別情報と認証情報を利用するという簡易な方法で光照射手段に関連する設定条件を引き継いで遊技可能となる。そのため、遊技開始の度に設定を行う必要がなくなり、再設定の手間を省くことができる。特に、遊技の進行に関連する演出として遊技者に向けて所定の照射態様で光を照射して、遊技者の身体の一部に所定の画像を投影する投影演出を実行する場合などには、遊技者に応じて適切な投影を実行することができる。
【0210】
また、上記実施形態には、前記照射手段は、遊技者の身体に所定の画像を投影可能な投影装置を有し、前記演出制御手段は、前記認証情報に直接または間接的に含まれる設定情報に基づいて前記投影装置によって前記遊技者の身体へ前記所定の画像を投影する態様を制御するようにした発明が含まれる。
ここで、「投影する態様」には投影する位置や方向、色などが含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者の身体の一部に所定の画像を投影する投影装置を備えている場合に、設定情報に身長など遊技者の身体情報が含まれていれば遊技者の身体的特徴や着用している衣服の色彩などに適した投影を実行することができる。
【0211】
また、上記実施形態には、前記設定情報には、遊技者が予め設定した遊技者の身体情報が含まれ、前記演出制御手段は、前記身体情報に基づいて前記投影装置によって前記遊技者の身体の一部へ前記所定の画像を投影するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、遊技者の身体の一部に所定の画像を投影する場合に、遊技者の設定した身長などの身体情報に応じて適切な投影を実行することができる。特に、身体情報として身長が含まれている場合には、遊技者によって身長が異なることで顔の高さなどまちまちであったとしても画像を投影するための照射が直接目に入らないようにするなどの制御が可能となる。また、身体情報を遊技者が設定するため、遊技者の身体的特徴を読み取る計測装置のようなものを遊技機に設ける必要がなく、演出の実行条件を遊技者に応じて変える制御を行う場合に遊技機のコストアップを回避することができる。
【0212】
さらに、上記実施形態には、前記設定情報には、遊技者が予め設定可能な情報として、前記投影装置によって前記遊技者の身体の所定の部位へ前記所定の画像を投影することを規制する規制情報が含まれ、前記演出制御手段は、前記規制情報に基づいて前記投影装置によって前記遊技者の身体の一部へ前記所定の画像を投影するようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、
設定可能な情報として、遊技者の身体の一部へ画像を投影することを規制する規制情報が含まれているので、遊技者によって投影されたくない部位がある場合にそれを避けて投影することができるので遊技者に不快感を与えることがない。
【0213】
また、上記実施形態には、前記投影装置によって前記遊技者の身体へ前記所定の画像を投影する場合に、当該投影された遊技者の身体を、当該遊技者に視認可能にさせる視認手段を備えるようにした発明が含まれる。
ここで、「視認手段」は、例えば鏡や、遊技者を撮影するカメラおよび撮影した画像を表示する表示装置のようなものである。
かかる発明によれば、遊技者が遊技者自身の身体に所定の画像が投影される演出が実行されていることを容易に認識でき、当該演出の興趣が高まる。
【0214】
また、上記実施形態には、前記演出制御手段の制御に基づいて前記視認手段を移動させる駆動手段を備え、前記演出制御手段は、前記投影装置によって前記遊技者の身体へ前記所定の画像を投影する場合に、前記視認手段を、当該視認手段の視認部が遊技者によって視認困難な位置から、当該視認手段の視認部が遊技者によって視認容易な位置へ移動させるようにした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、視認容易な位置へ移動した視認部によって遊技者が遊技者自身の身体に所定の画像が投影される演出が実行されていることを認識でき、当該演出の興趣が高まる。また、遊技者が遊技者自身の身体に所定の画像が投影される演出が実行されていない場合には視認手段が視認困難な位置に制御されるため、他の演出の妨げにならない。
【0215】
さらに、上記実施形態には、本体枠に対して着脱可能に取り付けられる遊技盤と、該遊技盤に設けられている遊技領域の前方を覆う透明部材及び前記投影装置を収納可能な収納部を保持し、前記本体枠に対して開閉可能に取り付けられる透明部材保持枠と、前記収納部の下方に前記遊技盤の前方に突出して設けられた遊技者が操作可能な操作部を有する遊技機能構成部と、をさらに備え、
前記収納部に収納された前記投影装置は、当該装置の下方に配設された前記操作部を操作する遊技者の身体に前記所定の画像を投影可能にした発明が含まれる。
そして、かかる発明によれば、透明部材保持枠の上部に、遊技機能構成部に設けられた操作部を操作する遊技者の身体に前記所定の画像を投影可能な投影装置の収納部を設けたので、当該透明部材保持枠の上部から遊技者の手元に対して所定の画像を投影するような演出が可能となり、遊技者に近い所にあるという利点を活かした透明部材保持枠による効果的な演出を実現することができる。
【0216】
また、上記実施形態には、前記設定情報保持手段に保持されている設定情報を反映した識別情報を、情報端末に読み込ませることが可能な形態で出力するようにした発明が含まれる。
ここで、「情報端末に読み込ませることが可能な形態」とは、例えば表示装置にて表示可能な二次元パターンコードや、通信機能で送信可能なシリアルデータのような形態を意味する。
かかる発明によれば、複数の遊技機で遊技をする場合に識別情報を介することで設定情報を反映した遊技環境の引き継ぎが容易であり、遊技開始の際にいちいちランプの明るさなどの遊技環境の設定を行う必要がなく、継続して遊技を行う遊技者の負担を減らすことができるとともに、遊技者が望む遊技環境に設定することで遊技者に与える身体的な負担が少なくなる。
【0217】
(他の変形例)
図52には、第1〜第3の実施形態に共通の変形例が示されている。第1〜第3の実施形態は、遊技者が遊技機で遊技を開始する際(ログインする際)に、パスワードを入力するようにしているのに対し、この変形例の遊技システムは、パスワードの代わりに、遊技終了時に遊技機から発行される二次元コードと同様な識別コードを、外部サーバ90が遊技者に付与し、遊技者が保有する携帯電話のような携帯端末80によって該識別コードを遊技機に送信もしくは読み取らせて遊技を開始するようにしたものである。
【0218】
上記のような機能を実現するため、
図52に示すように、外部サーバ(サーバコンピュータ)90には、遊技再開用の識別コードを生成する識別コード生成手段92が設けられ、携帯端末80には生成された識別コードを受信する識別コード受信手段83が設けられている。また、遊技機10には、携帯端末80の表示部に表示された識別コードを読み取るための識別コード読取手段114が設けられている。識別コードが二次元コード(QRコード(登録商標))の場合、識別コード読取手段114はCCDカメラで構成される。識別コードは携帯端末80と外部サーバ90がそれぞれ備える通信機能によって、外部サーバ90から携帯端末80へ送信するようにしても良い。
また、外部サーバ90から取得した上記識別コードを携帯端末80が備える赤外線通信機能により送信することも可能であり、その場合、遊技機10には識別コード読取手段114として、赤外線通信手段を設ければよい。そして、遊技機10に赤外線通信手段を設けた場合には、遊技終了の際に遊技者に付与する識別コードも該赤外線通信手段によって出力するように構成することができる。
【0219】
なお、
図52に示す遊技システムでは、遊技機10に設定情報登録手段119が設けられ遊技機において遊技環境を遊技者が設定可能に構成されているが、遊技機10が遊技環境の設定機能(設定情報登録手段119)を備えていない場合にも、外部サーバ90に遊技再開用識別コード生成手段92を設けるとともに、携帯端末80に識別コード受信手段83を設け、遊技機10に識別コード読取手段114を設けるという上記変形例を適用することができる。また、第1〜第3の実施形態では、外部サーバ90が遊技者の遊技履歴情報を保存するようにしているが、遊技者が保有する携帯端末80に保存するようにしても良い。
【0220】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、遊技機で発生した遊技情報を識別コード(二次元コード)に反映させて遊技者の携帯端末を介してサーバコンピュータに送信して管理するように構成したものについて説明したが、遊技機の情報を収集管理するホールコンピュータとサーバコンピュータとをデータ送信可能に構成して、遊技情報を遊技者のIDコードと関連付けてホールコンピュータからサーバコンピュータへ送信するように構成しても良い。
また、前記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明はスロットマシンなど他の遊技機およびそれを使用した遊技システムに適用することができる。