特許第5750684号(P5750684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750684
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】PET−MRI装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20150702BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   A61B5/05 390
   A61B5/05 350
   G01T1/161 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-245605(P2010-245605)
(22)【出願日】2010年11月1日
(65)【公開番号】特開2012-95819(P2012-95819A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2013年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】301032942
【氏名又は名称】国立研究開発法人放射線医学総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】菅野 巌
(72)【発明者】
【氏名】小畠 隆行
(72)【発明者】
【氏名】山谷 泰賀
(72)【発明者】
【氏名】岡本 和也
(72)【発明者】
【氏名】高山 卓三
(72)【発明者】
【氏名】山形 仁
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−206977(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/103644(WO,A1)
【文献】 特開2006−296826(JP,A)
【文献】 特表2010−523191(JP,A)
【文献】 特表2010−508079(JP,A)
【文献】 特表2005−505361(JP,A)
【文献】 特表2012−517848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Wiley Online Library
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円筒状のボア内に静磁場を発生させる静磁場磁石と、
前記静磁場内に置かれた被検体に高周波磁場を印加する送信用高周波コイルと、
前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、
前記高周波磁場及び前記傾斜磁場の印加により前記被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出する受信用高周波コイルと、
前記受信用高周波コイルにより検出された磁気共鳴信号に基づいてMR画像を再構成するMR画像再構成部と、
前記送信用高周波コイルの外周側に配置され、前記被検体に投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を検出するリング状の検出部と、
前記検出部により検出されたガンマ線に基づいて生成された投影データからPET画像を再構成するPET画像再構成部と、
前記送信用高周波コイルと前記検出部との間に配置され、前記送信用高周波コイルにより発生する高周波磁場を遮蔽する略円筒状の高周波シールドと
を備え
前記静磁場の磁場中心を挟むように前記ボアの軸方向に間隔を開けて配置された少なくとも2つのPET検出部を有することを特徴とするPET−MRI装置。
【請求項2】
前記高周波シールドは、前記検出部の内周側に配置されることを特徴とする請求項に記載のPET−MRI装置。
【請求項3】
前記検出部に接続される信号線は、前記高周波シールドの外周側に配線されることを特徴とする請求項に記載のPET−MRI装置。
【請求項4】
略円筒状のボア内に静磁場を発生させる静磁場磁石と、
前記静磁場内に置かれた被検体に高周波磁場を印加する送信用高周波コイルと、
前記被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、
前記高周波磁場及び前記傾斜磁場の印加により前記被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出する受信用高周波コイルと、
前記受信用高周波コイルにより検出された磁気共鳴信号に基づいてMR画像を再構成するMR画像再構成部と、
前記送信用高周波コイルの外周側に配置され、前記被検体に投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を検出するリング状の検出部と、
前記検出部により検出されたガンマ線に基づいて生成された投影データからPET画像を再構成するPET画像再構成部と、
前記検出部の外周側に配置された略円筒状の第1の高周波シールドと、
前記検出部の露出面を覆うように形成された第2の高周波シールドと
備え、
前記静磁場の磁場中心を挟むように前記ボアの軸方向に間隔を開けて配置された少なくとも2つのPET検出部を有することを特徴とするPET−MRI装置。
【請求項5】
前記検出部に接続される信号線は、前記第1の高周波シールドの外周側に配線されることを特徴とする請求項に記載のPET−MRI装置。
【請求項6】
前記検出部に接続される信号線は、前記第1の高周波シールドの内周側に配線され、
該信号線は、同軸ケーブルであり、外側の導体が前記第1の高周波シールドに電気的に接続されることを特徴とする請求項に記載のPET−MRI装置。
【請求項7】
前記検出部に接続される信号線は、前記第1の高周波シールドの内周側に配線され、
該信号線は、第3の高周波シールドで覆われることを特徴とする請求項に記載のPET−MRI装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、PET(Positron Emission Tomography)−MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頭部などの検査では、MRI装置が利用される場合が多い。また、頭部の検査、例えばアルツハイマー病の診断にPET装置を利用することが期待されている。このことから、近年では、PET装置とMRI装置とを組み合わせたPET−MRI装置の実現が期待されている。
【0003】
しかし、MRI装置では強い高周波磁場が用いられるため、PET−MRI装置を実現する場合に、従来のPET装置で光検出器として用いられていた光電子増倍管(Photomultiplier Tube:PMT)を使用できないなどの制約があった。そこで、例えば、PMTの替わりにAPD(Avalanche Photodiode)やSiPM(Silicon Photomultiplier)などを用いたPET−MRI装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−525161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のPET−MRI装置では、PET装置の構成要素である検出器及び信号線とMRI装置の構成要素である送信用高周波コイルとの干渉によって、MR画像のSNR(Signal-to-Noise Ratio)が低下する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のPET−MRI装置は、静磁場磁石と、送信用高周波コイルと、傾斜磁場コイルと、受信用高周波コイルと、MR画像再構成部と、検出部と、PET画像再構成部と、高周波シールドとを備える。静磁場磁石は、略円筒状のボア内に静磁場を発生させる。送信用高周波コイルは、前記静磁場内に置かれた被検体に高周波磁場を印加する。傾斜磁場コイルは、前記被検体に傾斜磁場を印加する。受信用高周波コイルは、前記高周波磁場及び前記傾斜磁場の印加により前記被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出する。MR画像再構成部は、前記受信用高周波コイルにより検出された磁気共鳴信号に基づいてMR画像を再構成する。検出部は、リング状に形成され、前記送信用高周波コイルの外周側に配置され、前記被検体に投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を検出する。PET画像再構成部は、前記検出部により検出されたガンマ線に基づいて生成された投影データからPET画像を再構成する。高周波シールドは、略円筒状に形成され、前記送信用高周波コイルと前記検出部との間に配置され、前記送信用高周波コイルにより発生する高周波磁場を遮蔽する。前記PET−MRI装置は、前記静磁場の磁場中心を挟むように前記ボアの軸方向に間隔を開けて配置された少なくとも2つのPET検出部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施例1に係るPET−MRI装置の構成を示す図である。
図2図2は、本実施例1に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図である。
図3図3は、本実施例2に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図(1)である。
図4図4は、本実施例2に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図(2)である。
図5図5は、本実施例2に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図(3)である。
図6図6は、本実施例2に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図(4)である。
図7図7は、本実施例2に係るPET検出器の周辺における各部の配置を示す図(5)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本実施形態に係るPET−MRI装置について詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、本実施例1に係るPET−MRI装置の構成について説明する。図1は、本実施例1に係るPET−MRI装置100の構成を示す図である。図1に示すように、このPET−MRI装置100は、静磁場磁石1、寝台2、傾斜磁場コイル3、傾斜磁場コイル駆動回路4、送信用高周波コイル5、送信部6、受信用高周波コイル7、受信部8、MRデータ収集部9、計算機10、コンソール11、ディスプレイ12、PET検出器13、信号線14、PETデータ収集部15、PET画像再構成部16、シーケンスコントローラ17、及び高周波シールド18を有する。
【0010】
静磁場磁石1は、略円筒状のボア内に静磁場を発生させる。ここで、ボアは、静磁場磁石1や傾斜磁場コイル3などを収容する略円筒状の架台の内壁として形成される。寝台2は、被検体Pが載せられる天板2aを有する。この寝台2は、撮像時には、天板2aをボア内へ移動することで、被検体Pを静磁場内に移動する。
【0011】
傾斜磁場コイル3は、被検体Pに対して、磁場強度がX,Y,Z方向に直線的に変化する傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。この傾斜磁場コイル3は、略円筒状に形成され、静磁場磁石1の内周側に配置される。傾斜磁場コイル駆動回路4は、シーケンスコントローラ17による制御のもと、傾斜磁場コイル3を駆動する。
【0012】
送信用高周波コイル5は、送信部6から送信される高周波パルスに基づいて、静磁場内に置かれた被検体Pに高周波磁場を印加する。この送信用高周波コイル5は、略円筒状に形成され、傾斜磁場コイル3の内周側に配置される。送信部6は、シーケンスコントローラ17による制御のもと、送信用高周波コイル5に高周波パルスを送信する。
【0013】
受信用高周波コイル7は、高周波磁場及び傾斜磁場の印加により被検体Pから発せられる磁気共鳴信号を検出する。例えば、受信用高周波コイル7は、撮像対象の部位に応じて被検体Pの表面に配置される表面コイルである。例えば、被検体Pの体部が撮像される場合には、2つの受信用高周波コイル7が被検体の上部及び下部に配置される。受信部8は、シーケンスコントローラ17による制御のもと、受信用高周波コイル7によって検出された磁気共鳴信号を受信する。そして、受信部8は、受信した磁気共鳴信号をMRデータ収集部9に送る。
【0014】
MRデータ収集部9は、シーケンスコントローラ17による制御のもと、受信部8から送られた磁気共鳴信号を収集する。そして、MRデータ収集部9は、収集した磁気共鳴信号を増幅及び検波した後にA/D変換し、計算機10に送る。計算機10は、コンソール11により制御され、MRデータ収集部9から送られた磁気共鳴信号に基づいてMR画像を再構成する。そして、計算機10は、再構成したMR画像をディスプレイ12に表示させる。
【0015】
PET検出器13は、被検体Pに投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線(消滅放射線を含む)を計数情報として検出する。このPET検出器13は、リング状に形成され、送信用高周波コイル5の外周側に配置される。例えば、PET検出器13は、シンチレータと光検出器とを有する検出器モジュールをリング状に配置することで形成される。ここで、シンチレータは、例えば、LYSO(Lutetium Yttrium Oxyorthosilicate)、LSO(Lutetium Oxyorthosilicate)、LGSO(Lutetium Gadolinium Oxyorthosilicate)などである。また、光検出器は、例えば、APD(Avalanche Photodiode)素子やSiPM(Silicon Photomultiplier)などである。そして、PET検出器13は、検出した計数情報を、信号線14を介してPETデータ収集部15に送る。
【0016】
PETデータ収集部15は、シーケンスコントローラ17による制御のもと、同時計数情報を生成する。このPETデータ収集部15は、PET検出器13によって検出されたガンマ線の計数情報を用いて、陽電子放出核種から放出されたガンマ線を略同時に検出した計数情報の組み合わせを同時計数情報として生成する。
【0017】
PET画像再構成部16は、PETデータ収集部15により生成された同時計数情報を投影データとしてPET画像を再構成する。このPET画像再構成部16によって再構成されたPET画像は、計算機10に送信されてディスプレイ12に表示される。シーケンスコントローラ17は、撮像時に実行される各種撮像シーケンス情報を計算機10より受け取り、上述した各部を制御する。
【0018】
このような構成のもと、本実施例1では、送信用高周波コイル5とPET検出器13との間に、略円筒状に形成された高周波シールド18が配置される。すなわち、高周波シールド18は、PET検出器13の内周側に配置され、送信用高周波コイル5により発生する高周波磁場を遮蔽する。これにより、PET検出器13が高周波磁場に曝露されることがなくなるので、高周波磁場の損失が抑えられる。
【0019】
次に、PET検出器13の周辺における各部の配置について説明する。図2は、本実施例1に係るPET検出器13の周辺における各部の配置を示す図である。
【0020】
図2に示すように、本実施例1では、静磁場磁石1の内周側に傾斜磁場コイル3が配置される。そして、傾斜磁場コイル3の内周側に、傾斜磁場コイル3との間でPET検出器13を挟むように、高周波シールド18が配置される。さらに、高周波シールド18の内周側には、送信用高周波コイル5、受信用高周波コイル7が配置される。なお、図2に示す点20は、静磁場の磁場中心を示している。また、図2に示す点線で囲まれた領域21は、MR画像の有効撮像領域を示している。
【0021】
このような配置によれば、PET検出器13が高周波シールド18と傾斜磁場コイル3との間に配置されるので、送信用高周波コイル5によって発生する高周波磁場とPET検出器13との干渉を防ぐことができる。
【0022】
また、図2に示すように、本実施例1では、PET検出器13に接続される信号線14は、高周波シールド18の外周側に配線される。この信号線14は、PET検出器13から出力される信号やPET検出器13に入力される制御信号を伝送する。これにより、送信用高周波コイル5によって発生する高周波磁場と信号線14を流れる信号とが干渉を起こさないようにすることができる。
【0023】
上述したように、本実施例1に係るPET−MRI装置100は、静磁場磁石1と、送信用高周波コイル5と、傾斜磁場コイル3と、受信用高周波コイル7と、計算機10と、PET検出器13と、PET画像再構成部16と、高周波シールド18とを備える。静磁場磁石1は、略円筒状のボア内に静磁場を発生させる。送信用高周波コイル5は、静磁場内に置かれた被検体Pに高周波磁場を印加する。傾斜磁場コイル3は、被検体Pに傾斜磁場を印加する。受信用高周波コイル7は、高周波磁場及び傾斜磁場の印加により被検体Pから発せられる磁気共鳴信号を検出する。計算機10は、受信用高周波コイル7により検出された磁気共鳴信号に基づいてMR画像を再構成する。PET検出器13は、リング状に形成され、送信用高周波コイル5の外周側に配置され、被検体Pに投与された陽電子放出核種から放出されるガンマ線を検出する。PET画像再構成部16は、PET検出器13により検出されたガンマ線に基づいて生成された投影データからPET画像を再構成する。高周波シールド18は、略円筒状に形成され、送信用高周波コイル5とPET検出器13との間に配置され、送信用高周波コイル5により発生する高周波磁場を遮蔽する。このような構成によれば、PET検出器13が高周波シールド18と傾斜磁場コイル3との間に配置されるので、送信用高周波コイル5によって発生する高周波磁場とPET検出器13との干渉を防ぐことができる。したがって、本実施例1によれば、PET検出器と送信用高周波コイルとの干渉によるMR画像の画質劣化を抑えることが可能になる。
【実施例2】
【0024】
なお、PET検出器13の周辺における各部の配置は、図2に示したものに限られない。以下では、実施例2として、PET検出器13の周辺における各部の配置に関する他の実施例について説明する。図3〜7は、本実施例2に係るPET検出器13の周辺における各部の配置を示す図である。
【0025】
図3に示すように、例えば、高周波シールド18が、PET検出器13の外周側に配置されてもよい。この場合には、PET検出器13は、高周波シールド18の内壁に電気的に接続される。さらに、PET検出器13の表面には、PET検出器13の露出面を覆うように高周波シールド22が形成される。これにより、送信用高周波コイル5によって発生する高周波磁場とPET検出器13との干渉を防ぐことができる。さらに、図2に示した配置と比べて、高周波シールド18の内径が大きくなるので、ボアの開口部付近の空間を広くすることができる。これにより、被検体Pが感じる閉塞感を抑えることができる。
【0026】
また、図4に示すように、例えば、2つのPET検出器13が、静磁場の磁場中心20を挟むようにボアの軸方向に間隔を開けて配置されてもよい。一般的に、高周波シールド18が送信用高周波コイル5の近くに配置されると、高周波シールド18に受動的に流れる高周波電流によって、MR画像の撮像に有効な高周波磁場の強度が弱くなってしまう。これに対し、図4に示す配置では、静磁場の磁場中心20の付近にPET検出器13が配置されないので、静磁場磁石1の中心部において高周波シールド18と送信用高周波コイル5との距離を確保することができる。これにより、MR画像の有効撮影領域21における高周波磁場の強度の低下を防ぐことができる。なお、図4では2つのPET検出器13が配置される場合を示したが、PET検出器13の数は3つ以上であってもよい。
【0027】
また、図5に示すように、例えば、PET検出器13に接続される信号線14が、高周波シールド18の内周側に配線されてもよい。このとき、例えば、信号線14が同軸ケーブルであった場合には、図6に示すように、同軸ケーブルの外側の導体が高周波シールド18に電気的に接続される。例えば、同軸ケーブルの外側の導体は、導体で形成された接続部23を介して高周波シールド18に接続される。この接続部23は、例えば、はんだにより形成される。これにより、信号線14を流れる信号と高周波磁場との干渉を防ぐことができる。また、例えば、図7に示すように、信号線14を覆うように高周波シールド24が形成されてもよい。この場合には、同軸ケーブルでない信号線25が用いられる場合でも、信号線25を流れる信号と高周波磁場との干渉を防ぐことができる。
【0028】
以上のように、実施例1又は2によれば、PET検出器と送信用高周波コイルとの干渉によるMR画像の画質劣化を抑えることが可能なPET−MRI装置を実現することができる。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0030】
1 静磁場磁石
5 送信用高周波コイル
3 傾斜磁場コイル
7 受信用高周波コイル
10 計算機
13 PET検出器
16 PET画像再構成部
18 高周波シールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7