特許第5750698号(P5750698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750698
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20150702BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20150702BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2011-190560(P2011-190560)
(22)【出願日】2011年9月1日
(65)【公開番号】特開2013-54099(P2013-54099A)
(43)【公開日】2013年3月21日
【審査請求日】2014年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】708000650
【氏名又は名称】株式会社オプトロジック
(73)【特許権者】
【識別番号】391014055
【氏名又は名称】カンタツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋治
(72)【発明者】
【氏名】久保田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】平野 整
(72)【発明者】
【氏名】栗原 一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 善男
(72)【発明者】
【氏名】米澤 友浩
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/027690(WO,A1)
【文献】 特開2010−262270(JP,A)
【文献】 特開2011−257448(JP,A)
【文献】 特開2007−298572(JP,A)
【文献】 特開2011−095513(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0249348(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0087019(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとを配置して構成され、
前記第1レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、
前記第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状であり、
前記第3レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、
前記第5レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状であり、
前記第1レンズのアッベ数および前記第3レンズから前記第5レンズまでの各レンズのアッベ数が45よりも大きく、前記第2レンズのアッベ数が35よりも小さい、撮像レンズ。
【請求項2】
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第4レンズの焦点距離をf4、および前記第5レンズの焦点距離をf5としたとき、
f1<f3 且つ |f2|<f3
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5|
を満足する請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
前記第4レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に負となる形状である、
請求項1または2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第2レンズの焦点距離をf2としたとき、
−1.8<f2/f<−0.8
を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第2レンズの焦点距離をf2としたとき、
−1.0<f1/f2<−0.4
を満足する請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2f、像面側の面の曲率半径をR2rとしたとき、
1.5<R2f/R2r<6.0
を満足する請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第3レンズの焦点距離をf3としたとき、
5.0<f3/f<20.0
を満足する請求項1〜6のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記第3レンズの物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、前記第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、
Z0.7/f<0.1
を満足する請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
レンズ系全体の焦点距離をf、前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離をf34としたとき、
5.0<f34/f<25.0
を満足する請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【請求項10】
前記第2レンズの像面側の面から前記第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdA、前記第3レンズの像面側の面から前記第4レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdBとしたとき、
0.3<dA/dB<1.5
を満足する請求項1〜9のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子上に光学像を形成する撮像レンズに係り、携帯電話機、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の比較的小型のカメラに組み込まれて好適な撮像レンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機に内蔵されるカメラの性能は年々向上し、デジタルスティルカメラに匹敵する光学性能を有するカメラまでもが内蔵されるに至っている。一昔前まで数十万画素であった撮像素子の画素数は数百万画素まで向上し、カメラの解像度は飛躍的に向上した。こうしたカメラに組み込まれる撮像レンズにおいては、小型化はもちろんのこと、高画素の撮像素子に見合った解像度の確保、すなわち諸収差を良好に補正する必要がある。
【0003】
従来、2枚や3枚のレンズから構成される撮像レンズによって十分な光学性能の確保と小型化との両立が図られてきた。しかしながら、撮像素子の高画素化に伴って要求される光学性能は年々高くなり、2枚や3枚のレンズからなるレンズ構成によっては諸収差を十分に補正できず、要求される光学性能を実現することが困難になった。そこで近年では、4枚や5枚のレンズからなるレンズ構成が検討され、実用化されている。
【0004】
その中でも5枚のレンズからなるレンズ構成は設計自由度が高いことから、次世代の撮像レンズに採用されるレンズ構成として期待されている。例えば特許文献1に記載の撮像レンズは、物体側から順に、物体側の面が凸形状の正の第1レンズと、像面側に凹面を向けた負のメニスカス形状の第2レンズと、像面側に凸面を向けた正のメニスカス形状の第3レンズと、両面が非球面形状で光軸近傍において像面側の面が凹形状の負の第4レンズと、両面が非球面形状の正または負の第5レンズとから構成され、第1レンズのアッベ数の下限値、第2および第4レンズのアッベ数の上限値が制限される。このようなレンズ構成により、当該撮像レンズによれば軸上の色収差や倍率色収差が良好に補正される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−264180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の撮像レンズによれば、比較的良好な収差を得ることは可能である。しかしながら、レンズ系の全長が長いため、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立を図ることは困難である。なお、こうした小型化と良好な収差補正との両立は上記携帯電話機に組み込まれる撮像レンズに特有の課題ではなく、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の比較的小型のカメラに組み込まれる撮像レンズにおいても共通の課題である。
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型でありながらも収差を良好に補正することのできる撮像レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、負の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとを配置して構成される。第1レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状であり、第3レンズは、物体側の面の曲率半径が正となる形状であり、第5レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状である。当該構成において本発明の撮像レンズは、第1レンズのアッベ数および第3レンズから第5レンズまでの各レンズのアッベ数が45よりも大きく、第2レンズのアッベ数が35よりも小さいという条件を満足する。
【0009】
近年の高画素化された撮像素子に対応すべく撮像レンズの解像度を向上させるためには、諸収差の中でも特に色収差を良好に補正する必要がある。本発明に係る撮像レンズでは、第1レンズのアッベ数が45よりも大きく、第2レンズのアッベ数が35よりも小さいレンズ構成となっており、第1レンズおよび第2レンズは低分散の材料と高分散の材料との組合せで構成される。また、第3レンズから第5レンズまでの各レンズは、いずれもそのアッベ数が45よりも大きくなっており、低分散の材料で構成される。このため、第1レンズにおいて発生した色収差は第2レンズにて補正されるとともに、第3レンズから第5レンズまでの各レンズを通じて良好に補正されることになる。
【0010】
なお、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズおよび第3レンズから第5レンズまでの各レンズのアッベ数を同一とし、これら各レンズを同一の材料で形成することが望ましい。このようにすれば、撮像レンズの生産性の向上や製造コストの低減を好適に図ることができる。また、第1レンズから第5レンズまでの各レンズをプラスチック材料で形成すれば、さらなる生産性の向上や製造コストの低減が図られる。
【0011】
上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、第3レンズの焦点距離をf3、第4レンズの焦点距離をf4、および第5レンズの焦点距離をf5としたとき、次の条件式(1)および(2)を満足することが望ましい。
f1<f3 且つ |f2|<f3 (1)
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5| (2)
【0012】
条件式(1)および(2)は、撮像レンズの小型化を図りつつ諸収差を良好に補正するための条件である。条件式(1)および(2)を満足することにより、撮像レンズにおいて物体側に配置された第1レンズおよび第2レンズの屈折力が他の3枚のレンズの屈折力よりも強くなる。これにより、画角をある程度確保しつつ撮像レンズの光学全長を圧縮することが可能となり、撮像レンズの小型化が好適に図られる。また、本発明では第3レンズから第5レンズまでの各レンズの屈折力が相対的に弱くなっている。屈折力の強い第1レンズおよび第2レンズで発生した諸収差は、これら屈折力の弱い第3レンズから第5レンズまでの各レンズを通じて好適に補正される。
【0013】
上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズを、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に負となる形状に形成することが望ましい。
【0014】
上述のように第2レンズは、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に正となる形状、すなわち物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。第4レンズを、物体側の面の曲率半径および像面側の面の曲率半径が共に負となる形状、すなわち物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成することにより、第2レンズおよび第4レンズは、第3レンズに対して互いに凹面を向けた態様で配置されることになる。これにより、第1レンズにて発生した諸収差は、第2レンズから第4レンズまでの負正負の屈折力の配列、並びに第2レンズおよび第4レンズの各レンズ面の形状によっても好適に補正される。
【0015】
上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、第2レンズの焦点距離をf2としたとき、次の条件式(3)を満足することが望ましい。
−1.8<f2/f<−0.8 (3)
【0016】
条件式(3)は、色収差および像面湾曲を好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「−0.8」を超えると、レンズ系全体の屈折力に対して第2レンズの屈折力が相対的に強くなるため、軸上の色収差が補正過剰(基準波長の焦点位置に対して短波長の焦点位置が像面側に移動)になるとともに、軸外の倍率色収差が補正過剰(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸から遠ざかる方向に移動)となる。また、結像面が像面側に湾曲することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−1.8」を下回ると、レンズ系全体の屈折力に対して第2レンズの屈折力が相対的に弱くなるため、軸上の色収差が補正不足(基準波長の焦点位置に対して短波長の焦点位置が物体側に移動)になるとともに、軸外の倍率色収差が補正不足(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸に近づく方向に移動)となる。また、結像面が物体側に湾曲することとなり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0017】
上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2としたとき、次の条件式(4)を満足することが望ましい。
−1.0<f1/f2<−0.4 (4)
【0018】
条件式(4)は、レンズ系全体のペッツバールサムをゼロ近傍に抑制しつつ、非点収差、像面湾曲、および色収差を好ましい範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「−0.4」を超えると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に強くなるため、軸上および軸外の色収差が補正不足となる。非点収差については、タンジェンシャル像面が物体側に倒れて非点隔差が増大する。このため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−1.0」を下回ると、第2レンズの屈折力に対して第1レンズの屈折力が相対的に弱くなるため負の屈折力が強くなり、軸上および軸外の色収差は補正過剰となる。また、結像面が像面側に湾曲する。非点収差については、タンジェンシャル像面が像面側に倒れて非点隔差が増大する。よって、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0019】
上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの物体側の面の曲率半径をR2f、像面側の面の曲率半径をR2rとしたとき、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
1.5<R2f/R2r<6.0 (5)
【0020】
条件式(5)は、コマ収差、像面湾曲、および色収差のそれぞれを好ましい範囲内に抑制するための条件である。上限値「6.0」を超えると、第2レンズの屈折力が相対的に強くなり、軸外光線の外方コマが増大するとともに、軸上および軸外の色収差が補正過剰となる。また、結像面が像面側に湾曲するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「1.5」を下回ると、第2レンズの屈折力が相対的に弱くなり、軸上および軸外の色収差が補正不足となる。また、結像面が物体側に湾曲することとなり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0021】
上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、第3レンズの焦点距離をf3としたとき、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
5.0<f3/f<20.0 (6)
【0022】
本発明の撮像レンズにおいて第3レンズは、諸収差を補正するための機能を主に担う。条件式(6)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、諸収差をより良好に補正するための条件である。上限値「20.0」を超えるとレンズ系全体の屈折力に対して第3レンズの屈折力が弱くなるため、撮像レンズの小型化が困難となる。なお、第3レンズの屈折力が弱い場合には、第4レンズあるいは第5レンズの屈折力を強くすることによって撮像レンズの小型化を図ることが可能である。しかしながら、この場合には諸収差の補正が難しくなり(特にコマ収差の補正)、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「5.0」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、コマ収差が増大するとともに非点隔差が増大する。よって、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0023】
上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、次の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.7/f<0.1 (7)
【0024】
このように最大サグ量を一定の範囲内に抑制することにより、第3レンズおよび第4レンズは、光軸方向の厚さがほぼ均一になるとともに湾曲の度合いが少ない形状になる。第3レンズおよび第4レンズのこのような形状によれば、複雑な形状の収差の発生が抑制されるとともに、第1レンズおよび第2レンズで発生した諸収差が良好に補正されることになる。さらに、撮像レンズの製造に際して生じるディセンタ(軸ずれ)やチルト等による結像性能の劣化に対する敏感度、いわゆる製造誤差感度が低減する。また、光軸方向の厚さがほぼ均一になることで製造上の加工性が向上し、撮像レンズの製造コストの抑制も図られる。なお、ここでサグ量とは、各面において、光軸に直交する接平面から当該面までの光軸に平行な方向の距離をいう。
【0025】
上記構成の撮像レンズにおいては、レンズ系全体の焦点距離をf、第3レンズと第4レンズとの合成焦点距離をf34としたとき、次の条件式(8)を満足することが望ましい。
5.0<f34/f<25.0 (8)
【0026】
レンズ系全体の焦点距離に対する第3レンズおよび第4レンズの合成焦点距離の比を条件式(8)にて示される範囲内に抑制することによって、諸収差のより良好な補正を図ることができる。上限値「25.0」を超えると、第3レンズおよび第4レンズの合成の屈折力が相対的に弱くなり、諸収差をバランスよく好ましい範囲内に抑制することが困難となる。一方、下限値「5.0」を下回ると、第3レンズおよび第4レンズの合成の屈折力が相対的に強くなるため、歪曲収差の補正には有利となるものの、非点隔差が増大し、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0027】
上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの像面側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdA、第3レンズの像面側の面から第4レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdBとしたとき、次の条件式(9)を満足することが望ましい。
0.3<dA/dB<1.5 (9)
【0028】
CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子には、その構造上、入射光線の取込角度に制限がある。軸外光線の射出角度が上記制限された範囲から外れた場合には、当該範囲から外れた光線はセンサに取り込まれ難くなり、いわゆるシェーディング現象が生じる。すなわち、撮像レンズを通して得られた画像はその周辺部が中心部に比較して暗い画像となってしまう。
【0029】
上記条件式(9)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、軸外光線の最大射出角度を小さく保つためのものである。上限値「1.5」を超えると、軸外光線の最大射出角度を小さく保つことが容易となるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。一方、下限値「0.3」を下回ると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、色収差が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。また、軸外光線の最大射出角度が大きくなるため、シェーディング現象が生じ易くなる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の撮像レンズによれば、撮像レンズの小型化と良好な収差補正との両立が図られ、諸収差が良好に補正された小型の撮像レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施の形態について、数値実施例1に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図2図1に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図3図1に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図4】本発明の一実施の形態について、数値実施例2に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図5図4に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図6図4に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図7】本発明の一実施の形態について、数値実施例3に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図8図7に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図9図7に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図10】本発明の一実施の形態について、数値実施例4に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図11図10に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図12図10に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
図13】本発明の一実施の形態について、数値実施例5に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図14図13に示す撮像レンズの横収差を示す収差図である。
図15図13に示す撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1図4図7図10、および図13はそれぞれ、本実施の形態の数値実施例1〜5に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。いずれの数値実施例も基本的なレンズ構成は同一であるため、ここでは数値実施例1の概略断面図を参照しながら、本実施の形態に係る撮像レンズのレンズ構成について説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施の形態の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、負の屈折力を有する第4レンズL4と、負の屈折力を有する第5レンズL5とが配列されて構成される。第5レンズL5と像面IMとの間には、赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタ10が配置される。フィルタ10は割愛することも可能である。なお、本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1の物体側の面に開口絞りを設けている。
【0035】
本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1のアッベ数νd1および第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズのアッベ数νd3〜νd5は45よりも大きく、第2レンズL2のアッベ数νd2は35よりも小さくなっている。すなわち、第1レンズL1および第2レンズL2は低分散の材料と高分散の材料との組合せで構成されており、第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズは低分散の材料で形成されている。このようなアッベ数の並びにより、第1レンズL1において発生した色収差は第2レンズL2にて補正されるとともに、第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズを通じて良好に補正される。また、第1レンズL1〜第5レンズL5までの5枚のレンズのうち4枚のレンズが低分散の材料で形成されることから、色収差の発生自体が好適に抑制されることになる。なお、具体的には、第1レンズL1〜第5レンズL5までの各レンズのアッベ数νd1〜νd5を次の各条件式で示される範囲内に抑制することが望ましい。数値実施例1〜5に係る撮像レンズは次の各条件式を満足する。
45<νd1<85
νd2<35
45<νd3<85
45<νd4<85
45<νd5<85
【0036】
本実施の形態に係る数値実施例1〜5の撮像レンズでは、第1レンズL1および第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズのアッベ数は同一であり、各レンズは同一のプラスチック材料で形成されている。このため、撮像レンズの生産性の向上や製造コストの低減が好適に図られる。
【0037】
また、第1レンズL1から第5レンズL5までの各レンズは、次の条件式(1)および(2)を満足する。
f1<f3 且つ |f2|<f3 (1)
f3<|f4| 且つ |f2|<|f5| (2)
但し、
f1:第1レンズL1の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
【0038】
このように本実施の形態に係る撮像レンズでは、撮像レンズの物体側に配置された第1レンズL1および第2レンズL2の屈折力が他の3枚のレンズの屈折力よりも強くなっている。これにより、撮像レンズの小型化が図られるとともに、第1レンズL1および第2レンズL2で発生した諸収差は、屈折力の弱い第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズを通じて好適に補正される。
【0039】
上記構成の撮像レンズにおいて第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径R1および像面側の面の曲率半径R2が共に正となる形状、すなわち光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。なお、第1レンズL1の形状は、このような光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に限定されるものではなく、物体側の面の曲率半径R1が正となる形状であればよい。具体的には、第1レンズL1の形状として、曲率半径R1が正となって曲率半径R2が負となる形状、すなわち光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状を採用するようにしてもよい。
【0040】
第2レンズL2は、物体側の面の曲率半径R3および像面側の面の曲率半径R4が共に正であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。また、第2レンズL2は、次の条件式(3)および(5)を満足するように形成される。この第2レンズL2と前記第1レンズL1とは、上述のようにレンズ系の中でも屈折力が強いレンズである。本実施の形態においてこれら第1レンズL1および第2レンズL2は、次の条件式(4)を満足する。条件式(4)を満足することにより、レンズ系全体のペッツバールサムがゼロ近傍に抑制され、非点収差、像面湾曲、および色収差は好ましい範囲内にバランスよく抑制される。
−1.8<f2/f<−0.8 (3)
−1.0<f1/f2<−0.4 (4)
1.5<R2f/R2r<6.0 (5)
但し、
R2f:第2レンズL2の物体側の面の曲率半径
R2r:第2レンズL2の像面側の面の曲率半径
【0041】
諸収差をさらに良好に補正するためには、次の条件式(4A)を満足することが望ましい。数値実施例1〜5に係る撮像レンズは、当該条件式(4A)を満足する。
−0.7<f1/f2<−0.4 (4A)
【0042】
一方、第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径R5が正となり、像面側の面の曲率半径R6が負となる形状であって、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状に形成される。なお、第3レンズL3の形状は、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状に限定されるものではなく、物体側の面の曲率半径R5が正となる形状であればよい。数値実施例1〜3は、第3レンズL3の形状が光軸Xの近傍において両凸レンズとなる例であり、数値実施例4および5は、第3レンズL3の形状が、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる例である。
【0043】
第3レンズL3は次の条件式(6)を満足する。これにより、諸収差はより良好に補正される。数値実施例1〜5に係る撮像レンズは当該条件式(6)を満足する。
5.0<f3/f<20.0 (6)
【0044】
第4レンズL4は、物体側の面の曲率半径R7および像面側の面の曲率半径R8が共に負となる形状、すなわち光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。上述のように第2レンズL2は、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成されている。第4レンズL4を、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成することにより、第2レンズL2および第4レンズL4は、第3レンズL3に対して互いに凹面を向けた態様で配置されることになる。よって、第1レンズL1にて発生した諸収差は、第2レンズL2から第4レンズL4までの負正負の屈折力の配列、並びに第2レンズL2および第4レンズL4の各レンズ面の形状によって好適に補正される。
【0045】
上記第3レンズL3とこの第4レンズL4とは、諸収差を補正する機能を主として担う。本実施の形態に係る撮像レンズでは、第3レンズL3および第4レンズL4の各レンズ面のサグ量を一定の範囲内に抑制することによって諸収差が良好に補正されるようにしている。具体的には、第3レンズL3の物体側の面の最大有効径をφ3A、像面側の面の最大有効径をφ3B、第4レンズの物体側の面の最大有効径をφ4A、像面側の面の最大有効径をφ4B、これら面の最大有効径φ3A〜φ4Bの70%までにおけるサグ量の最大値の絶対値をZ0.7としたとき、次の条件式(7)を満足することが望ましい。数値実施例1〜5に係る撮像レンズは当該条件式(7)を満足する。
0.7/f<0.1 (7)
【0046】
第3レンズL3および第4レンズL4は、最大サグ量が条件式(7)の上限値未満に抑制されることにより、光軸Xの方向の厚さがほぼ均一になるため、湾曲の度合いが少ない形状になる。このようなレンズ形状によって諸収差はより良好に補正されることになる。さらに、撮像レンズの製造に際して生じるディセンタ(軸ずれ)やチルト等による結像性能の劣化に対する敏感度、いわゆる製造誤差感度が低減する。また、光軸Xの方向の厚さがほぼ均一になることで製造上の加工性が向上し、撮像レンズの製造コストが抑制される。なお、ここでサグ量とは、各面において、光軸Xに直交する接平面から当該面までの光軸Xに平行な方向の距離をいう。
【0047】
ここで、第2レンズL2から第4レンズL4までの各レンズは、次の条件式(8)および(9)を満足する。これにより、諸収差はより良好に補正される。また、軸外光線の最大射出角度が小さく保たれるため、シェーディング現象の発生が抑制される。
5.0<f34/f<25.0 (8)
0.3<dA/dB<1.5 (9)
但し、
f34:第3レンズL3と第4レンズL4との合成焦点距離
dA:第2レンズL2の像面側の面から第3レンズL3の物体側の面までの光軸上の距離
dB:第3レンズL3の像面側の面から第4レンズL4の物体側の面までの光軸上の距離
【0048】
第5レンズL5は、物体側の面の曲率半径R9および像面側の面の曲率半径R10が共に正となる形状であり、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。また、この第5レンズL5の像面側の面は、光軸Xの近傍において物体側に凸形状で且つ周辺部において物体側に凹形状となる非球面形状に形成される。第5レンズL5のこのような形状により、撮像レンズから出射した光の像面IMへの入射角が好適に抑制される。
【0049】
なお、上記条件式(1)〜(9)および(4A)の全てを満たす必要はなく、上記各条件式のそれぞれを単独に満たすことにより、各条件式に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0050】
本実施の形態では、各レンズのレンズ面を非球面で形成している。これらレンズ面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき、次式により表される。
【数1】
【0051】
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの数値実施例を示す。各数値実施例において、fはレンズ系全体の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。また、iは物体側より数えた面番号を示し、Rは曲率半径を示し、dは光軸X上のレンズ面間の距離(面間隔)を示し、Ndはd線(本実施の形態における基準波長)に対する屈折率を、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面の面には面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示すこととする。
【0052】
数値実施例1
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.75mm、Fno=2.4、ω=34.2°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.494 0.554 1.5346 56.0(=νd1)
2* 15.307 0.055
3* 4.867(=R2f) 0.295 1.6354 23.9(=νd2)
4* 2.081(=R2r) 0.395(=dA)
5* 199.951 0.443 1.5346 56.0(=νd3)
6* -13.687 0.479(=dB)
7* -5.445 0.352 1.5346 56.0(=νd4)
8* -5.735 0.050
9* 1.429 0.690 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.179 0.230
11 ∞ 0.300 1.5163 64.1
12 ∞ 0.671
(像面) ∞

非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-2.232E-03,A6=-4.156E-02,A8=1.146E-01,A10=-1.020E-01
第2面
k=0.000,A4=-2.852E-01,A6=7.759E-01,A8=-9.391E-01,A10=3.755E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.709E-01,A6=1.044,A8=-1.322,A10=6.076E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.733E-01,A6=5.688E-01,A8=-7.018E-01,A10=3.827E-01
第5面
k=0.000,A4=-2.063E-01,A6=1.702E-01,A8=-1.919E-01,A10=1.962E-01,
12=-3.889E-02,A14=-7.757E-02,A16=7.712E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.502E-01,A6=7.633E-02,A8=-2.745E-01,A10=4.997E-01,
12=-4.127E-01,A14=1.599E-01,A16=-1.374E-02
第7面
k=0.000,A4=3.640E-01,A6=-4.621E-01,A8=3.053E-01,A10=-1.135E-01,
12=-4.504E-03,A14=1.468E-02,A16=-2.511E-03
第8面
k=0.000,A4=7.839E-02,A6=3.330E-02,A8=-7.131E-02,A10=3.114E-02,
12=-7.637E-03,A14=1.613E-03,A16=-2.096E-04
第9面
k=-1.189,A4=-4.505E-01,A6=2.283E-01,A8=-5.421E-02,A10=2.224E-03,
12=1.448E-03,A14=-1.660E-04,A16=-1.344E-05
第10面
k=-2.993,A4=-2.108E-01,A6=1.146E-01,A8=-4.590E-02,A10=1.134E-02,
12=-1.666E-03,A14=1.401E-04,A16=-6.057E-06
【0053】
f1=3.06mm
f2=−5.97mm
f3=23.98mm
f4=−349.61mm
f5=−319.33mm
f34=26.31mm
0.7=0.064mm
【0054】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.59
f1/f2=−0.51
R2f/R2r=2.34
f3/f=6.39
0.7/f=0.017
f34/f=7.02
dA/dB=0.82
このように、本数値実施例1に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離(フィルタ10の厚さは空気換算長、以下同じ)は4.41mmであり、撮像レンズの小型化が好適に図られている。
【0055】
図2は、数値実施例1の撮像レンズについて、最大像高に対する各像高の比H(以下、「像高比H」という)に対応する横収差をタンジェンシャル方向とサジタル方向とに分けて示したものである(図5図8図11、および図14において同じ)。また、図3は、数値実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら収差図において、横収差図および球面収差図には、g線(435.84nm)、F線(486.13nm)、e線(546.07nm)、d線(587.56nm)、C線(656.27nm)の各波長に対する収差量を示し、非点収差図には、サジタル像面Sにおける収差量とタンジェンシャル像面Tにおける収差量とをそれぞれ示す(図6図9図12、および図15において同じ)。図2および図3に示されるように、本数値実施例1に係る撮像レンズによれば、諸収差が良好に補正される。
【0056】
数値実施例2
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.77mm、Fno=2.4、ω=34.1°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.493 0.556 1.5346 56.0(=νd1)
2* 14.784 0.056
3* 4.729(=R2f) 0.300 1.6142 25.6(=νd2)
4* 2.007(=R2r) 0.397(=dA)
5* 108.743 0.421 1.5346 56.0(=νd3)
6* -14.924 0.476(=dB)
7* -5.091 0.360 1.5346 56.0(=νd4)
8* -5.369 0.050
9* 1.418 0.698 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.165 0.230
11 ∞ 0.300 1.5163 64.1
12 ∞ 0.678
(像面) ∞

非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-1.255E-03,A6=-4.129E-02,A8=1.132E-01,A10=-1.049E-01
第2面
k=0.000,A4=-2.825E-01,A6=7.723E-01,A8=-9.440E-01,A10=3.726E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.734E-01,A6=1.044,A8=-1.323,A10=6.032E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.717E-01,A6=5.707E-01,A8=-6.998E-01,A10=3.844E-01
第5面
k=0.000,A4=-2.054E-01,A6=1.713E-01,A8=-1.914E-01,A10=1.958E-01,
12=-3.960E-02,A14=-7.774E-02,A16=7.858E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.524E-01,A6=7.643E-02,A8=-2.748E-01,A10=4.993E-01,
12=-4.129E-01,A14=1.599E-01,A16=-1.368E-02
第7面
k=0.000,A4=3.640E-01,A6=-4.616E-01,A8=3.053E-01,A10=-1.136E-01,
12=-4.529E-03,A14=1.468E-02,A16=-2.504E-03
第8面
k=0.000,A4=7.910E-02,A6=3.361E-02,A8=-7.125E-02,A10=3.114E-02,
12=-7.641E-03,A14=1.611E-03,A16=-2.105E-04
第9面
k=-1.185,A4=-4.504E-01,A6=2.282E-01,A8=-5.422E-02,A10=2.221E-03,
12=1.447E-03,A14=-1.663E-04,A16=-1.361E-05
第10面
k=-3.044,A4=-2.102E-01,A6=1.146E-01,A8=-4.589E-02,A10=1.134E-02,
12=-1.666E-03,A14=1.401E-04,A16=-6.063E-06
【0057】
f1=3.06mm
f2=−5.92mm
f3=24.58mm
f4=−334.74mm
f5=−315.43mm
f34=27.16mm
0.7=0.063mm
【0058】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.57
f1/f2=−0.52
R2f/R2r=2.36
f3/f=6.52
0.7/f=0.017
f34/f=7.20
dA/dB=0.83
このように、本数値実施例2に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離は4.42mmであり、撮像レンズの小型化が好適に図られている。
【0059】
図5は、数値実施例2の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図6は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図5および図6に示されるように、本数値実施例2に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0060】
数値実施例3
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.75mm、Fno=2.4、ω=33.7°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.469 0.529 1.5346 56.0(=νd1)
2* 17.604 0.057
3* 5.107(=R2f) 0.311 1.6142 25.6(=νd2)
4* 1.967(=R2r) 0.416(=dA)
5* 17.450 0.397 1.5346 56.0(=νd3)
6* -30.875 0.475(=dB)
7* -4.948 0.355 1.5346 56.0(=νd4)
8* -5.213 0.100
9* 1.293 0.600 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.078 0.230
11 ∞ 0.300 1.5163 64.1
12 ∞ 0.679
(像面) ∞

非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-8.828E-03,A6=-3.600E-02,A8=9.073E-02,A10=-1.009E-01
第2面
k=0.000,A4=-3.033E-01,A6=7.653E-01,A8=-9.313E-01,A10=4.154E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.902E-01,A6=1.046,A8=-1.308,A10=6.546E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.685E-01,A6=5.385E-01,A8=-6.571E-01,A10=3.751E-01
第5面
k=0.000,A4=-2.018E-01,A6=1.608E-01,A8=-1.860E-01,A10=1.964E-01,
12=-4.170E-02,A14=-8.252E-02,A16=7.450E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.444E-01,A6=7.709E-02,A8=-2.736E-01,A10=5.001E-01,
12=-4.125E-01,A14=1.604E-01,A16=-1.293E-02
第7面
k=0.000,A4=3.633E-01,A6=-4.604E-01,A8=3.078E-01,A10=-1.143E-01,
12=-4.492E-03,A14=1.475E-02,A16=-2.511E-03
第8面
k=0.000,A4=8.745E-02,A6=3.309E-02,A8=-7.145E-02,A10=3.112E-02,
12=-7.667E-03,A14=1.606E-03,A16=-2.108E-04
第9面
k=-1.169,A4=-4.523E-01,A6=2.282E-01,A8=-5.435E-02,A10=2.186E-03,
12=1.437E-03,A14=-1.637E-04,A16=-1.044E-05
第10面
k=-3.124,A4=-2.106E-01,A6=1.146E-01,A8=-4.588E-02,A10=1.135E-02,
12=-1.663E-03,A14=1.403E-04,A16=-6.224E-06
【0061】
f1=2.96mm
f2=−5.41mm
f3=20.91mm
f4=−338.97mm
f5=−402.36mm
f34=22.82mm
0.7=0.050mm
【0062】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.44
f1/f2=−0.55
R2f/R2r=2.60
f3/f=5.58
0.7/f=0.013
f34/f=6.09
dA/dB=0.88
このように、本数値実施例3に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離は4.35mmであり、撮像レンズの小型化が好適に図られている。
【0063】
図8は、数値実施例3の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図9は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図8および図9に示されるように、本数値実施例3に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0064】
数値実施例4
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.85mm、Fno=2.4、ω=33.0°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.496 0.563 1.5346 56.0(=νd1)
2* 11.052 0.054
3* 4.359(=R2f) 0.318 1.6354 23.9(=νd2)
4* 2.129(=R2r) 0.403(=dA)
5* 25.104 0.428 1.5346 56.0(=νd3)
6* 100.397 0.488(=dB)
7* -5.675 0.357 1.5346 56.0(=νd4)
8* -5.990 0.050
9* 1.432 0.706 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.176 0.230
11 ∞ 0.300 1.5163 64.1
12 ∞ 0.655
(像面) ∞

非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-2.168E-03,A6=-4.526E-02,A8=1.120E-01,A10=-1.002E-01
第2面
k=0.000,A4=-2.877E-01,A6=7.705E-01,A8=-9.423E-01,A10=3.788E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.725E-01,A6=1.047,A8=-1.321,A10=6.019E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.760E-01,A6=5.612E-01,A8=-7.063E-01,A10=3.859E-01
第5面
k=0.000,A4=-2.054E-01,A6=1.634E-01,A8=-1.966E-01,A10=1.934E-01,
12=-4.027E-02,A14=-7.780E-02,A16=7.807E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.488E-01,A6=8.112E-02,A8=-2.722E-01,A10=5.006E-01,
12=-4.126E-01,A14=1.597E-01,A16=-1.423E-02
第7面
k=0.000,A4=3.653E-01,A6=-4.620E-01,A8=3.053E-01,A10=-1.135E-01,
12=-4.476E-03,A14=1.471E-02,A16=-2.496E-03
第8面
k=0.000,A4=7.807E-02,A6=3.337E-02,A8=-7.124E-02,A10=3.117E-02,
12=-7.628E-03,A14=1.616E-03,A16=-2.088E-04
第9面
k=-1.190,A4=-4.506E-01,A6=2.282E-01,A8=-5.418E-02,A10=2.248E-03,
12=1.456E-03,A14=-1.640E-04,A16=-1.308E-05
第10面
k=-3.033,A4=-2.109E-01,A6=1.145E-01,A8=-4.591E-02,A10=1.134E-02,
12=-1.665E-03,A14=1.403E-04,A16=-6.039E-06
【0065】
f1=3.17mm
f2=−6.93mm
f3=62.49mm
f4=−334.24mm
f5=−311.61mm
f34=78.62mm
0.7=0.039mm
【0066】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.80
f1/f2=−0.46
R2f/R2r=2.05
f3/f=16.23
0.7/f=0.010
f34/f=20.42
dA/dB=0.83
このように、本数値実施例4に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離は4.45mmであり、撮像レンズの小型化が好適に図られている。
【0067】
図11は、数値実施例4の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図12は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図11および図12に示されるように、本数値実施例4に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0068】
数値実施例5
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=4.03mm、Fno=2.4、ω=33.8°
単位 mm
面データ
面番号i R d Nd νd
(物面) ∞ ∞
1*(絞り) 1.435 0.582 1.5346 56.0(=νd1)
2* 19.399 0.050
3* 12.591(=R2f) 0.300 1.6142 25.6(=νd2)
4* 2.327(=R2r) 0.427(=dA)
5* 2.533 0.317 1.5346 56.0(=νd3)
6* 2.867 0.496(=dB)
7* -4.253 0.395 1.5346 56.0(=νd4)
8* -4.460 0.050
9* 1.465 0.683 1.5346 56.0(=νd5)
10* 1.176 0.230
11 ∞ 0.300 1.5163 64.1
12 ∞ 0.758
(像面) ∞

非球面データ
第1面
k=0.000,A4=-1.069E-02,A6=-3.135E-02,A8=6.640E-02,A10=-7.875E-02
第2面
k=0.000,A4=-2.936E-01,A6=7.790E-01,A8=-8.988E-01,A10=3.456E-01
第3面
k=0.000,A4=-3.251E-01,A6=1.044,A8=-1.254,A10=5.701E-01
第4面
k=0.000,A4=-1.182E-01,A6=5.603E-01,A8=-6.761E-01,A10=3.725E-01
第5面
k=0.000,A4=-2.166E-01,A6=1.845E-01,A8=-2.115E-01,A10=2.047E-01,
12=-5.521E-02,A14=-9.370E-02,A16=5.066E-02
第6面
k=0.000,A4=-1.396E-01,A6=9.119E-02,A8=-2.877E-01,A10=5.054E-01,
12=-4.175E-01,A14=1.590E-01,A16=-2.205E-02
第7面
k=0.000,A4=3.837E-01,A6=-4.522E-01,A8=2.893E-01,A10=-1.088E-01,
12=-2.938E-03,A14=1.541E-02,A16=-3.082E-03
第8面
k=0.000,A4=6.462E-02,A6=4.386E-02,A8=-7.139E-02,A10=3.095E-02,
12=-7.683E-03,A14=1.586E-03,A16=-1.918E-04
第9面
k=-1.584,A4=-4.420E-01,A6=2.332E-01,A8=-5.365E-02,A10=1.387E-03,
12=1.454E-03,A14=-1.265E-04,A16=-1.213E-05
第10面
k=-3.311,A4=-2.134E-01,A6=1.163E-01,A8=-4.577E-02,A10=1.136E-02,
12=-1.717E-03,A14=1.438E-04,A16=-5.312E-06
【0069】
f1=2.87mm
f2=−4.70mm
f3=30.60mm
f4=−515.28mm
f5=−411.21mm
f34=33.51mm
0.7=0.066mm
【0070】
各条件式の値を以下に示す。
f2/f=−1.17
f1/f2=−0.61
R2f/R2r=5.41
f3/f=7.59
0.7/f=0.016
f34/f=8.32
dA/dB=0.86
このように、本数値実施例5に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の距離は4.49mmであり、撮像レンズの小型化が好適に図られている。
【0071】
図14は、数値実施例5の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、図15は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら図14および図15に示されるように、本数値実施例5に係る撮像レンズによっても、数値実施例1と同様に像面が良好に補正され、諸収差が好適に補正される。
【0072】
したがって、上記各実施の形態に係る撮像レンズを、携帯電話機、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、セキュリティカメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の撮像光学系に適用した場合、当該カメラ等の高機能化と小型化の両立を図ることができる。
【0073】
なお、本発明に係る撮像レンズは上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では第1レンズL1〜第5レンズL5の全ての面を非球面としたが、全ての面を必ずしも非球面にする必要はない。第1レンズL1〜第5レンズL5のうちのいずれかのレンズの一方の面、あるいは両面を球面で構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、撮像レンズとして小型化とともに良好な収差補正能力が要求される機器、例えば携帯電話機やデジタルスティルカメラ等の機器に搭載される撮像レンズに適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
10 フィルタ
図1
図2
図3
図4
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図6
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図9
図10
図11
図12
図13
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図15