(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ストライカの進入方向奥側に設けられたフック軸にガイドされ、解放位置から係合位置に移動することにより、ストライカの進入方向奥側に進入したストライカを係合保持するフックレバーと、
前記フックレバーと一部が重なり合った状態で、ストライカの進入方向奥側に設けられたガイド軸にガイドされるとともに、ストライカの進入方向奥側から入口側に向けて付勢され、前記フックレバーの解放位置から係合位置への移動を制限する一方、前記ストライカが進入方向奥側に進入した場合に、前記ストライカに押圧され、前記フックレバーを解放位置から係合位置に移動させるガイドレバーと、
前記フックレバーが解放位置に移動した場合に前記フックレバーに設けた当接部が当接することにより、ストライカの解放状態を示す解放検出位置に移動する一方、前記フックレバーが係合位置に移動した場合に前記当接部から離脱することにより、ストライカの係合状態を示す係合検出位置に移動可能となる検知レバーと
を備えたことを特徴とするロック装置。
前記検知レバーは、前記当接部を押圧する押圧部を有し、前記押圧部が前記当接部を押圧することにより、前記フックレバーを係合位置から解放位置に移動させるオープンレバーであることを特徴とする請求項1または2に記載のロック装置。
前記当接部は、前記フックレバーが解放位置にある場合に、前記オープンレバーに設けた検知部と対向し、前記フックレバーが係合位置にある場合に、前記押圧部と対向することを特徴とする請求項3に記載のロック装置。
前記ガイドレバーは、前記当接部の移動軌跡に設けられ、前記フックレバーの解放位置から係合位置への移動を制限する係合部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロック装置。
前記検知レバーは、前記フックレバーが係合位置にある場合に、前記当接部と対向し、前記フックレバーの係合位置から解放位置への移動を阻止する阻止部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のロック装置。
前記フックレバーが係合位置にある場合に前記阻止部が前記当接部に当接するように、前記検知レバーを付勢する検知レバーバネを備えたことを特徴とする請求項6に記載のロック装置。
前記ガイドレバーは、前記ガイド軸が挿通し、ストライカの進入方向入口側から奥側に向けて、自身をガイドするガイド穴を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のロック装置。
前記フックレバーが解放位置にある場合に、前記検知レバーに設けた検知部が前記当接部に当接することにより、前記検知レバーが解放検出位置で停止し、前記ガイドレバーが前記ストライカに押圧され、前記フックレバーが解放位置から係合位置に移動した場合に、前記検知部が前記当接部から離脱し、前記検知レバーに設けたストッパ部が前記当接部に当接することにより、前記検知レバーが係合検出位置で停止することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のロック装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態であるロック装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示したボディをベース側から見た斜視図である。
【
図4-1】
図4−1は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であって、ストライカが進入方向入口側に位置した状態を示す図である。
【
図4-2】
図4−2は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であって、ストライカが進入方向入口側から奥側に向けてわずかに進入した状態を示す図である。
【
図4-3】
図4−3は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であって、ストライカが進入方向入口側から奥側に向けてさらに進入した状態を示す図である。
【
図4-4】
図4−4は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であって、ストライカが進入方向奥側に位置した状態を示す図である。
【
図4-5】
図4−5は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であって、フックレバーが進入方向奥側に移動したストライカと係合した状態を示す図である。
【
図5-1】
図5−1は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、フックレバーが進入方向奥側に移動したストライカと係合した状態を示す図である。
【
図5-2】
図5−2は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、
図5−1に示した状態から、オープンレバーをわずかに回転させた状態を示す図である。
【
図5-3】
図5−3は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、
図5−2に示した状態から、オープンレバーをさらに回転させた状態を示す図である。
【
図5-4】
図5−4は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、フックレバーからストライカが離脱可能となった状態を示す図である。
【
図5-5】
図5−5は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、
図5−4に示した状態からストライカがわずかに押し出された状態を示す図である。
【
図5-6】
図5−6は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、
図5−5に示した状態からストライカが離脱した状態を示す図である。
【
図5-7】
図5−7は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図であって、
図5−6に示した状態からオープンレバーが反転した状態を示す図である。
【
図6-1】
図6−1は、ストライカが基準位置にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入する前の状態を示す図である。
【
図6-2】
図6−2は、ストライカが基準位置にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入した状態を示す図である。
【
図7-1】
図7−1は、ストライカが基準位置よりも前方にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入する前の状態を示す図である。
【
図7-2】
図7−2は、ストライカが基準位置よりも前方にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入した状態を示す図である。
【
図8-1】
図8−1は、ストライカが基準位置よりも後方にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入する前の状態を示す図である。
【
図8-2】
図8−2は、ストライカが基準位置よりも前方にある場合において、ストライカが進入方向奥側に進入した状態を示す図である。
【
図9-1】
図9−1は、車両前方側にガイド軸に設けたロック装置を示す図であって、ストライカが進入方向奥側に進入する前の状態を示す図である。
【
図9-2】
図9−2は、車両前方側にガイド軸を設けたロック装置を示す図であって、ストライカが進入方向奥側に進入した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明にかかるロック装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、着脱式シートや移動式シートを構成するシートクッションに取り付けられ、車両本体、床の上面に取り付けられたストライカと係合することにより、シートクッションを固定するロック装置を例に説明するが、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態であるロック装置の構成を示す概念図であり、
図2は、
図1に示したロック装置の分解斜視図である。また、
図3は、
図2に示したボディをベース側から見た斜視図である。さらに、
図4は、フックレバーとガイドレバーとの関係を示した図であり、
図5は、フックレバーおよびガイドレバーとオープンレバーとの関係を示した図である。
【0021】
図1に示すように、ここで例示するロック装置1は、ベース2と、ベース2に組み合わせる態様で取り付けるボディ3を備えている。ボディ3は、所要の厚み(後述する、フックレバー4、オープンレバー5およびガイドレバー6を収容するに足りる厚み)を有しており、そのベース2側に対向する面(以下、「内側面」という)には、機構収容部30(
図3参照)が形成してある。そして、
図2に示すように、機構収容部30の内部には、ベース2側からボディ3側に向けて順番にフックレバー4、オープンレバー5およびガイドレバー6が収容される。
【0022】
また、ベース2およびボディ3には、車両前後方向略中央となる位置にストライカ進入溝21,31が設けてある。ストライカ進入溝21,31は、ストライカS(
図4参照)の進入方向に沿って設けてある。本実施の形態のロック装置1は、上述したように、車両本体、床の上面に取り付けたストライカSと係合するので、ストライカSの進入方向は、略垂直であり、ストライカ進入溝21,31は、車両本体の床面側から天井面側に向けて略垂直となるように形成してある。ストライカ進入溝21,31は、ストライカSを収容することができる幅に形成してあり、ストライカ進入溝21,31の入口側から奥側に向けて漸次幅狭となるように形成してある。そして、ストライカ進入溝21,31の最奥部は、進入したストライカSが最奥部において二点で接するように、二つの傾斜面からなる三角形状に形成してある。
【0023】
図3に示すように、ボディ3の内側面には、ストライカSの進入方向奥側となる位置に、フック軸32が設けてある。フック軸32は、フックレバー4を回転可能に軸支するためのものであり、円筒状に形成してあり、車両幅方向、室内側から室外側に向けて略水平に延びている。また、フック軸32の中心を通る穴32aは、車両幅方向、室内側から室外側に貫通している。また、穴32aの内周面には、周方向、等間隔にリブ(凸条)32a1が形成してある。リブ32a1は、穴32aを挿通する締結部材9(
図7〜
図8参照)との間に摺動抵抗を生じさせる。
【0024】
また、ボディ3には、フック軸32の車両前後方向、後方側となる位置に、フック規制溝33が設けてある。フック規制溝33は、フックレバー4の回転領域を規制するためのものであり、フック軸32を中心とする円弧状に形成してある。
【0025】
また、ボディ3の内側面には、フック軸32の車両前後方向、前方側となる位置に、バネ座34が設けてある。バネ座34は、フックバネ(ねじりコイルバネ)7を取り付けるためのものであり、十字状に形成してあり、車両幅方向、室内側から室外側に向けて略水平に延びている。
【0026】
また、ボディ3の内側面には、フック軸32の車両前後方向、後方側斜め下方となる位置に、オープン軸35が設けてある。オープン軸35は、オープンレバー5を回転可能に軸支するためのものであり、円柱状に形成してあり、車両幅方向、室内側から室外側に向けて略水平に延びている。
【0027】
また、
図1に示すように、ボディ3の内側面と反対側となる面(外側面)には、ストライカ進入溝31の車両前後方向、後方側となる位置に、レバーバネ座36が設けてある。レバーバネ座36は、レバーバネ(ねじりコイルバネ)8を取り付けるためのものであり、レバーバネ8のコイル部分を装着する円柱状部分を残して凹むように形成してある。
【0028】
また、
図3に示すように、ボディ3には、フック軸32の車両前後方向、前方側斜め下方となる位置に、締結座37が設けてある。締結座37は、ロック装置1をシートに取り付けるためのものであり、フック軸32を中心とする円弧状に形成してある。締結座37は、ボディ3の厚み、そのままの厚みで形成してあり、その中央には、円弧状の締結穴38が形成してある。また、締結座37のストライカ進入溝31に臨む面には、ガイドレバー6を一時的に係止するための係止面37a(
図4参照)が形成してある。また、フック軸32に臨む内周面37b(
図4参照)は、ガイドレバー6が反時計方向に回転する場合の摺接面になる。
【0029】
図4に示すように、フック軸32の外周には、フックレバー4が回転可能に軸支されている。フックレバー4は、ストライカ進入溝21,31の入口側から奥側に進入したストライカSを係合保持するためのもので、鉤状に形成してある。また、フックレバー4は、その中央にフック軸32が嵌る軸穴41(
図2参照)が形成してあり、その外周に、係合溝42、フック部43およびバネ取付部44が形成してある。
【0030】
係合溝42は、軸穴41を中心に外周面から
図4において反時計方向に向けて形成したもので、ストライカSが収容できる幅に形成してある。また、係合溝42の開放側端部(先端側端部)の内周面は、軸穴41を中心とする円弧状に形成してある。これにより、係合溝42に係合保持されたストライカSに離脱する方向の力が作用しても、ストライカSが係合溝42から離脱する方向(
図4において反時計方向)にフックレバー4が回転することはない。さらに、係合溝42の中程から奥側に向けて延在する内周面は、漸次軸穴41までの距離が短くなるように、テーパー状に形成してある。これにより、フックレバー4がストライカSに係合する方向(
図4において時計方向)に回転すると、ストライカSは、係合溝42と一点で接することになり、クサビ効果を得ることができる。そして、このとき、ストライカSは、ストライカ進入溝21,31の最奥部の二点と係合溝42の一点で支持され、ストライカ進入溝21,31と係合溝42との間で安定する(ガタが生じることがない)。このように、ストライカSが安定すると、シートも確実に固定されることになる。
【0031】
図4−5に示すように、フック部43は、係合溝42を車両前後方向、前方側に向けて開口させた場合に、係合溝42よりも下側に位置する部分である。このフック部43は、フックレバー4を
図4において時計方向に回転移動させた場合に、
図4−5に示すように、ストライカ進入溝21,31を横切る位置(係合位置)で停止する一方、フックレバー4を
図4において反時計方向に回転移動させた場合に、
図4−1に示すように、ストライカ進入溝21,31を開放する位置(解放位置)で停止するように形成してある。
【0032】
バネ取付部44は、軸穴41の直径方向外側に延在する部分であり、バネ座34に装着したフックバネ(ねじりコイルバネ)7の一端(脚)が取り付けられる。これにより、フックレバー4には、
図4において常時時計方向に弾性復元力(付勢力)が作用することになる。
【0033】
また、軸穴41とフック部43との間には、レバー当接部45が形成してある。レバー当接部45は、オープンレバー5(
図5参照)およびガイドレバー6が当接する部分であり、車両幅方向、室外側から室内側に突出して設けられる。そして、レバー当接部45の一端側(ストライカ進入溝側)45aがオープンレバー5の受圧面45a1(以下「オープンレバー受圧面45a1」という)およびガイドレバー6の押圧面45a2(以下「ガイドレバー押圧面45a2」という)となり、他端側(外周側)45bがオープンレバー5の押圧面45b1(以下、「オープンレバー押圧面45b1」という)となる。これにより、レバー当接部45は、
図5に示すように、後述するオープンレバー5の押圧部54と検知部55との間に位置することになり、さらに、後述するガイドレバー6のフックレバー係合部62とフックレバー当接部63との間に位置することになる。言い換えると、レバー当接部45は、オープンレバー5の押圧部54と検知部55、ガイドレバー6のフックレバー係合部62とフックレバー当接部63に囲まれることになる。このように構成すると、フックレバー4、オープンレバー5およびガイドレバー6を近接して配置でき、ロック装置1の小型化が可能となる。
【0034】
また、レバー当接部45の一端側(ストライカ進入溝側)45aには、突起46が設けてある。突起46は、フック規制溝33に嵌り、フックレバー4の回転領域を規制する部分である。突起46は、円柱状に形成してあり、車両幅方向、室外側から室外側に突出して設けられる。そして、フックレバー4が反時計方向に回転し、突起46がフック規制溝33に当接した位置がフックレバー4の解放位置となり、ストライカ進入溝21,31を開放する(
図4−1参照)。一方、ストライカSがストライカ進入溝21,31を進入した後に、フックレバー4が時計方向に回転し、フックレバー4が係合位置まで回転しても、突起46とフック規制溝33の溝端との間には隙間が残り、突起46がフック規制溝33の溝端と当接することはない。
【0035】
図5に示すように、オープン軸35の外周には、オープンレバー5が回転可能に軸支されている。オープンレバー5は、フックレバー4から係合保持したストライカSを離脱させるためのもので、天秤状に形成してある。また、オープンレバー5は、その中央にオープン軸35が嵌る軸穴51が形成してあり、フック軸32に近い一端にプルロッド取付部52が形成され、フック軸32から遠い他端にプッシュロッド取付部53が形成される。また、オープンレバー5には、その中央から車両前後方向、前方に向けて押圧部54が形成してある。
【0036】
プルロッド取付部52、プッシュロッド取付部53は、ロック装置1を開放操作する操作部(図示せず)からの操作力が伝達される部分であり、操作部の仕様によって、いずれか一方に連係手段を構成するロッド(図示せず)を取り付ける。具体的には、操作部を引き操作することにより、オープンレバー5を回転させる場合には、プルロッド取付部52と操作部との間にロッド(プルロッド)を取り付ける。一方、操作部を押し操作することにより、オープンレバー5を回転させる場合には、プッシュロッド取付部53と操作部との間にロッド(プッシュロッド)を取り付ける。
【0037】
押圧部54は、フックレバー4に形成したレバー当接部45を押圧するためのものであり、爪状に形成してある。また、押圧部54は、レバー当接部45のオープンレバー受圧面45a1に対向する面が押圧面54aとなり、フックレバー4と重なり合った状態で配置される。そして、
図5−2に示すように、フックレバー4が係合位置にある場合に、オープンレバー5を
図5において時計方向に回転させると、押圧面54aがオープンレバー受圧面45a1を押圧して、フックレバー4が
図5において反時計方向に回転する。
【0038】
また、プルロッド取付部52が形成されるフック軸32に近い一端には、検知部55が設けてある。検知部55は、フックレバー4が解放状態にあることをオープンレバー5に伝達するためのもので、プルロッド取付部52が形成された一端の車両前後方向、前方側にクチバシ状に突出するように設けてある。そして、レバー当接部45のオープンレバー押圧面45b1に対向する面が受圧面55aとなる。そして、
図5−6に示すように、オープンレバー5を時計方向に回転させると、フックレバー4が係合位置から反時計方向に回転し、解放位置に移動する。その後、後述するレバーバネ8の弾性復元力が作用し、オープンレバー5が反時計方向に回転すると、受圧面55aがオープンレバー押圧面45b1に当接して、フックレバー4の係合位置よりも反時計方向に回転した解放検出位置で停止する。このように、オープンレバー5を時計方向に回転させると、その動作は、プルロッド取付部52あるいはプッシュロッド取付部53、ロッド、操作部の順に伝達される。これにより、オープンレバー5は、ストライカSの解放状態を示す解放検出位置に移動し、操作部にフックレバー4の状態(解放状態)が示される。
【0039】
また、検知部55と軸穴51との間で、レバー当接部45に対向する位置には、ストッパ部57が設けてある。ストッパ部57は、フックレバー4が係合状態にあることをオープンレバー5に伝達するためのものである。そして、レバー当接部45に対向する面が受圧面57aとなる。
図5−1に示すように、フックレバー4が係合状態にある場合に、後述するレバーバネ8の弾性復元力が作用したオープンレバー5を
図5において反時計方向に回転させると、受圧面57aがレバー当接部45と当接することにより、係合検出位置で停止する。この結果、オープンレバー5が係合検出位置で停止する場合と、解放検出位置で停止する場合とでは、フックレバー4のレバー当接部45との当接部位を異ならせることができるため、オープンレバー5と連係した操作部にフックレバー4の状態を正確に示すことが可能となる。このことにより、操作部は、フックレバー4の状態(係合状態、解放状態の別)を示すインジケータとしても機能する。
【0040】
このとき、オープンレバー5の時計方向への回転によって、フックレバー4が係合位置から解放位置に向けて反時計方向に回転する。押圧面54aがオープンレバー受圧面45a1を押圧している場合には、オープンレバー押圧面45b1が受圧面55aを押圧することがないため、オープン機能とインジケータ機能とが干渉し合うことはない。
【0041】
また、軸穴51とプルロッド取付部52が形成されるフック軸32に近い一端との間となる部位は、回転阻止部56を構成する。回転阻止部56は、車両が衝突等した場合であっても、係合位置にあるフックレバー4が勝手に解放位置に回転する事態を阻止するためのもので、フックレバー4が係合位置にある場合に、レバー当接部45のオープンレバー押圧面45b1に対向する面が回転阻止面56aとなる。そして、
図5−3に示すように、フックレバー4が係合位置にある場合には、オープンレバー押圧面45b1が回転阻止面56aに対向する。そして、車両等が衝突した反動でフックレバー4が係合位置から
図5において反時計方向に回転しても、オープンレバー押圧面45b1が回転阻止面56aに当接することにより、フックレバー4がそれ以上反時計方向に回転する事態が阻止され、フックレバー4が解放位置に至ることはない。
【0042】
図1に示すように、レバーバネ座36には、レバーバネ8を装着する。レバーバネ8は、オープンレバー5に常時弾性復元力(付勢力)が作用させるためのもので、レバーバネ8の弾性復元力が作用したオープンレバー5は、
図5において反時計方向に回転することにより、フックレバー4に設けたレバー当接部45と当接する。なお、本実施の形態では、レバーバネ座36にレバーバネ8を装着することで、オープンレバー5を反時計方向(
図5参照)に回転させる構造としたが、操作部側にレバーバネ8を装着することで、オープンレバー5を反時計方向に回転させる構造としてもよい。
【0043】
図4に示すように、ガイドレバー6は、ストライカSの進入方向、入口側から奥側に向けて移動したストライカSに押圧され、フックレバー4を解放位置から係合位置に移動させるためのものである。ガイドレバー6は、フックレバー4と一部が重なり合った状態で、ストライカSの進入方向奥側に設けられたガイド軸(フック軸32)に遊嵌され、さらに、ストライカSの進入方向、奥側から入口側に付勢されている。なお、本実施の形態では、ガイド軸は、フック軸32と同一軸であり、フック軸32がガイドレバー6を遊嵌するが、ガイド軸をフック軸32と別に設けるものとしてもよい。
【0044】
ガイドレバー6は、扇状に形成してあり、その要となる部分にガイド軸(フック軸32)が挿通する長穴形状のガイド穴61が形成してある。また、ガイドレバー6は、その外周にフックレバー係合部62(係合部)が形成され、右側縁部にフックレバー当接部63(係合部)が形成される。また、ガイド穴61の一端側を中心にして、その外周に、ストライカ係合部64、ストライカ摺接部65、バネ取付部66が形成され、ストライカ摺接部65とバネ取付部66との境界に係止部67が形成される。
【0045】
フックレバー係合部62は、
図4−1に示すように、ストライカ進入溝21,31にストライカSが進入する前の待機状態において、フックレバー4に設けたレバー当接部45と係合する部分である。
【0046】
フックレバー当接部63は、
図4−3に示すように、フックレバー4に設けたレバー当接部45と当接する部分であり、ガイド穴61の一端側から直径方向外側に延在している。
【0047】
ストライカ係合部64は、
図4−5に示すように、ストライカSが進入方向最奥部まで進入した場合に、ストライカSと係合する部分であり、その外周面は、ストライカSの外周と係合するように、円弧状に形成してある。
【0048】
ストライカ摺接部65は、
図4に示すように、ガイド穴61の一端を中心にして、ストライカ係合部64から時計方向に向けて、ガイド穴61の一端からの距離が漸次大きくなるように形成した部分であり、ストライカ進入溝21,31の入口側から奥側に向けて進入するストライカSに摺接することにより、ガイドレバー6は
図4において時計方向に漸次回転する。
【0049】
バネ取付部66は、ガイド穴61の一端側から直径方向外側に延在する部分であり、バネ座34に装着したフックバネ(ネジリコイルバネ)7の他端(脚)が取り付けられる。これにより、ガイドレバー6には、常時反時計方向とストライカ進入溝21,31の入口側とに向けて弾性復元力(付勢力)が作用することになり、フックレバー係合部62がフックレバー4に設けたレバー当接部45と係合することになる。
【0050】
係止部67は、
図4−1に示すように、ストライカ進入溝21,31にストライカSが進入する前の待機状態において、締結座37に形成した係止面37aに係止される部分であり、ストライカ進入溝21,31にストライカSが進入した場合に、係止面37aから離脱する。
【0051】
上記のように構成したロック装置1は、シート(図示せず)が床(図示せず)に対して固定前の状態にある場合、
図5−7に示すように、フックレバー4が解放位置に配置される。このとき、ガイドレバー6のガイド穴61の他端(奥側端)がフック軸32と当接するとともに、ガイドレバー6の係止部67が締結座37の係止面37aに係止される。これにより、ストライカ進入溝21,31にストライカSが進入する前の待機状態において、ガイドレバー6は、ボディ3に係止され、フックレバー4のレバー当接部45は、ガイドレバー6のフックレバー係合部62に係合する。この結果、フックレバー4は、解放位置から係合位置への移動が制限される。一方、オープンレバー5には、レバーバネ8の弾性復元力が作用することにより、オープンレバー5を反時計方向に回転させる力が作用する。これにより、オープンレバー5の検知部55は、フックレバー4のレバー当接部45と当接し、オープンレバー5は、ストライカSの解放状態を示す解放検出位置に移動する。このとき、操作部にフックレバー4が解放状態(シートがアンロック状態)にあることを示すことになる。
【0052】
この状態からシートを倒すと、車両本体、床の上面に取り付けたストライカSがガイドレバー6のストライカ摺接部65に当接し、ストライカ摺接部65を押圧することになる。これにより、ガイドレバー6は、フックバネ7の弾性復元力に抗して、フック軸32とガイド穴61、係止面37aと係止部67、およびレバー当接部45とフックレバー係合部62によるガイドによって、ストライカ進入溝21,31の奥側へ移動するとともに、時計方向に回転することになる。そして、
図4−2に示すように、ガイドレバー6の係止部67は、締結座37の係止面37aから離脱することになり、フックレバー4のレバー当接部45は、ガイドレバー6のフックレバー係合部62から離脱して、ガイドレバー6のフックレバー当接部63に当接することになる。この当接により、フックバネ7により反時計方向に弾性復元力が作用するガイドレバー6を確実に時計方向へと回転させることができる。その後、
図4−3に示すように、さらに、ストライカSがストライカSの進入方向奥側に進入すると、ガイドレバー6のガイド穴61がフック軸32にガイドされるとともに、ストライカSがガイドレバー6のストライカ摺接部65に摺接することにより、ガイドレバー6が時計方向に回転し、ストライカSの進入方向奥側に移動することなる。なお、本実施の形態では、
図4に示したように、ガイドレバー6の係止部67と締結座37の内周面37bとは離間した状態で、ガイドレバー6がストライカSの進入方向奥側に移動する構造としたが、係止部67が内周面37bに常に当接する構造としてもよい。
【0053】
やがて、
図4−4に示すように、ストライカSがストライカSの進入方向最奥部まで到達すると、ストライカSは、ストライカ進入溝21,31の最奥部の二点で接することになる。一方、フックレバー4は、ガイドレバー6によるストライカSの進入方向奥側への移動に伴い、解放位置よりも増加したフックバネ7の弾性復元力により、時計方向に回転することになる。これにより、フックレバー4のレバー当接部45とオープンレバー5の検知部55との当接状態が解除される。
【0054】
そして、
図4−5に示すように、フックレバー4は、係合溝42の内周面の一点がストライカSと接するまで回転すると、フックレバー4がストライカSを係合保持することになる。このとき、フックレバー4の内周面とストライカSとの間でクサビ効果を得ることができ、ストライカSが安定して保持される。また、
図4−5に示すように、フックレバー4のフック部43がストライカ進入溝21,31を横切るように配置されるため、該フック部43によってストライカSがストライカ進入溝21,31から離脱する方向に移動する事態、つまり、シートの床に対する起立操作が阻止される(係合状態)。
【0055】
そして、オープンレバー5は、
図5において、解放検出位置よりも反時計方向に回転し、ストッパ部57の受圧面57aがフックレバー4のレバー当接部45と当接することで、ストライカSの係合状態を示す係合検出位置に移動する。これにより、操作部にフックレバー4が係合状態(シートがロック状態)にあることを示すことになる。また、このとき、
図5−1に示すように、フックレバー4のレバー当接部45は、オープンレバー5の回転阻止部56と対向する。これにより、車両等が衝突した反動でフックレバー4が係合位置から
図5において反時計方向に回転しても、レバー当接部45のオープンレバー押圧面45b1が回転阻止部56の回転阻止面56aに当接することにより、フックレバー4がそれ以上反時計方向に回転する事態が阻止され、フックレバー4が解放位置に至ることはない。
【0056】
一方、操作部を押し操作あるいは引き操作することにより、レバーバネ8の弾性復元力に抗してオープンレバー5を
図5において時計方向に回転させると、
図5−2に示すように、オープンレバー5の押圧部54がフックレバー4のレバー当接部45に当接する。さらに、オープンレバー5を
図5において時計方向に回転させると、
図5−3に示すように、オープンレバー5の押圧部54がフックレバー4のレバー当接部45を押圧し、フックレバー4を
図5において反時計方向に回転させることになる。
【0057】
これに伴い、
図5−4に示すように、係合位置よりも増加したフックバネ7の弾性復元力がガイドレバー6に作用し、ガイドレバー6を
図5において反時計方向とストライカ進入溝21,31の入口側とに向けて回転させる。したがって、ガイドレバー6には、進入方向奥側から入口側にストライカSを押し出す力が作用することになる。
【0058】
やがて、
図5−5に示すように、フックレバー4がストライカ進入溝21,31を開放すると、ストライカSがストライカ進入溝21,31から離脱可能となり、ガイドレバー6がストライカSを進入方向奥側から入口側に押し出すことになる。
【0059】
そして、
図5−6に示すように、フックレバー4が解放位置に移動し、ガイドレバー6がストライカSをストライカ進入溝21,31から押し出すと、シートを床に対して起立操作できるようになる。
【0060】
上述したロック装置1は、
図6に示すように、フック軸32を貫通する穴32aを挿通する締結部材9と、締結座37に設けた円弧状の締結穴38を挿通する締結部材10とにより、シートに取り付ける。これにより、ロック装置1は、フック軸32を中心に回転可能となる。そして、
図6−1に示すように、ストライカSが基準位置に取り付けてある場合には、ロック装置1は回転することなく、ストライカSを係合保持する(
図6−2参照)。
【0061】
一方、
図7に示すように、ストライカSが基準位置よりも車両前方に取り付けてある場合には、ストライカSがストライカ進入溝21,31に進入することにより、ロック装置1が
図7において時計方向に回転する。これにより、ロック装置1にストライカSが進入し、ロック装置1はストライカSを係合保持する(
図7−2参照)。したがって、ストライカSが基準位置よりも車両前方に取り付けてある場合でも、シートは固定されることになる。
【0062】
他方、
図8に示すように、ストライカSが基準位置よりも車両後方に取り付けてある場合には、ストライカSがストライカ進入溝21,31に進入することにより、ロック装置1が
図8において反時計方向に回転する。これにより、ロック装置1にストライカSが進入し、ロック装置1はストライカSを係合保持する(
図8−2参照)。したがって、ストライカSが基準位置よりも車両後方に取り付けてある場合でも、シートは固定されることになる。
【0063】
上述した本発明の実施の形態であるロック装置1は、フックレバー4がストライカSの進入方向奥側に設けられたフック軸32にガイドされ、解放位置から係合位置に移動することにより、ストライカSの進入方向奥側に進入したストライカSを係合保持する一方、ガイドレバー6がフックレバー4と一部が重なり合った状態で、フック軸32にガイドされるとともに、ストライカSの進入方向奥側から入口側に向けて付勢され、フックレバー4の解放位置から係合位置への移動を制限する一方、ストライカSが進入方向奥側に進入した場合に、ストライカSに押圧され、フックレバー4を解放位置から係合位置に移動させるので、フックレバー4とガイドレバー6とが小さくて済み、ロック装置1が小型になる。
【0064】
また、フックレバー4が解放位置に移動した場合にフックレバー4に設けたレバー当接部45が当接することにより、オープンレバー5がストライカSの解放状態を示す解放検出位置に移動する一方、フックレバー4が係合位置に移動した場合にレバー当接部45から離脱することにより、オープンレバー5がストライカSの係合状態を示す係合検出位置に移動可能となるので、フックレバー4が係合位置から解放位置に移動した場合に、オープンレバー5が係合検出位置から解放検出位置に確実に移動する。これにより、連係手段を構成するロッドにより、オープンレバー5と連係した操作部にフックレバー4の状態が示され、操作部は、フックレバー4の状態(係合状態、解放状態の別)を示すインジケータとしても機能する。
【0065】
また、ストライカ進入溝21,31にストライカSが進入する前の待機状態において、ガイドレバー6は、ボディ3(係止面37a)に係止され、フックレバー4のレバー当接部45は、ガイドレバー6のフックレバー係合部62に係合する。この結果、フックレバー4は解放位置から係合位置への移動が制限され、フックレバー4が保持される。
【0066】
また、一端がフックレバー4に係止され、他端がガイドレバー6に係止されたフックバネ7が、ガイドレバー6をストライカSの進入方向奥側から入口側に向けて付勢するので、フックレバー4が係合位置から解放位置に移動すると、ガイドレバー6にストライカSを押し出す力が作用することになり、操作部を押し操作あるいは引き操作し続けた状態でシートを起立操作する必要がない(操作部から手を離すことができる)。
【0067】
図9は、車両前方側にガイド軸を設けたロック装置を示す図であって、
図9−1は、ストライカが進入方向奥側に進入する前の状態を示す図であり、
図9−2は、ストライカが進入方向奥側に進入した状態を示す図である。
【0068】
図9に示すように、ガイドレバー16が、車両前方側に設けたガイド軸161に軸支され、フック軸32にガイドされるものであっても、ガイドレバー16がフックレバー4と一部が重なり合った状態で、ストライカSの進入方向奥側から入口側に向けて付勢させる構造としたことで、上述したロック装置1と同様に、フックレバー4の解放位置から係合位置への移動を制限する一方、ストライカSが進入方向奥側に進入した場合にストライカSに押圧され、フックレバー4を解放位置から係合位置に移動させる機能、フックレバー4の状態(係合状態、解放状態の別)を示すインジケータとしての機能およびフックレバー4が係合位置から解放位置に移動すると、ストライカSを押し出す機能を持たせることができるとともに、フックレバー4とガイドレバー16とが小さくて済み、ロック装置11が小型になる。