特許第5750807号(P5750807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750807
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】光コネクタ用アダプタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   G02B6/36
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-279321(P2012-279321)
(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公開番号】特開2014-123030(P2014-123030A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2014年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243342
【氏名又は名称】本多通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直英
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−225133(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3129567(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3147103(JP,U)
【文献】 特開2002−023008(JP,A)
【文献】 米国特許第06471412(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0100291(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36 − 6/40
G02B 6/42
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端開口部に光コネクタ用プラグを嵌合させて接続させるアダプタハウジングと、
前記アダプタハウジングの一端側開口部に設けられ斜め配置で当該一端側開口部を閉蓋するシャッターと、
前記シャッターを閉蓋方向に付勢する付勢手段とで構成される光コネクタ用アダプタにおいて、
前記アダプタハウジングの一端側開口部と前記シャッターとの回動自在な連結部に、前記付勢手段を組立て位置固定するための固定部を必要とせずに、該付勢手段によるシャッター機能を発揮するように、
前記シャッターの裏面に、前記付勢手段の一端部を収納するガイド溝が設けられるとともに、前記付勢手段を仮止めする収納部及び仮止め手段が設けられ、
前記アダプタハウジングの底部に前記付勢手段の他端部を収納するガイド溝が設けられ、
前記シャッターに付勢手段が仮止めされた状態で該シャッターの他端部が前記アダプタハウジングの所定の位置に回動自在に係合されて取り付けられ、
前記付勢手段が、アダプタハウジングにシャッターが取り付けられた状態で、当該付勢手段を仮止めするための前記収納部から脱し、前記シャッターのガイド溝とアダプタハウジングのガイド溝とに収納された当該付勢手段の一端部と他端部とにより支持されていること、
を特徴とする光コネクタ用アダプタ。
【請求項2】
付勢手段はトーションバネであり、シャッターに設けた仮止め手段は、前記付勢手段の円筒状のコイル部に突き刺さって該付勢手段を仮止めする三角状の突起であること、
を特徴とする請求項1に記載の光コネクタ用アダプタ。
【請求項3】
シャッターの裏面に設けられた付勢手段を収納する収納部及びガイド溝と、アダプタハウジングの底部に設けられたガイド溝とは、前記シャッターの全開状態で付勢手段を全部収納するとともに、当該シャッターの裏面とアダプタハウジングの底部上面とが密接状態になること、
を特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ用アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタ用プラグ同士を接続するシャッター付きの光コネクタ用アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光コネクタ用プラグ同士を接続するためのアダプタで、作業者・一般人に対する有害レーザーからの目の保護と、アダプタ内部への塵埃の侵入防止のためのシャッターが付いた光コネクタ用アダプタが知られている。これは、例えば、特許文献1に記載されているように、コネクタハウジングの両端に光軸を一致させて接続させる嵌合部A,Bをそれぞれ備え、前記嵌合部Aを、斜め配置で閉鎖するシャッター板と、該シャッター板を閉鎖方向へ付勢する板バネとを配設し、前記嵌合部Aに光コネクタを嵌合することによって前記シャッター板を板バネの押圧力に抗して開放するように構成する、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−225133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のシャッター付き光コネクタ用アダプタにおいては、前記シャッター板を閉鎖方向に付勢する板バネ等の付勢手段は、例えば、シャッター裏面にバネ固定部を形成するために、金型構造において複雑な形状を形成する必要があるので製造コストが嵩むという課題がある。また、付勢手段それ自体にも固定用のフック形状を形成する必要があるので、製造工程が増えてコストが嵩むことになる。
【0005】
更に、付勢手段である板バネをシャッターの固定部に固定することにより機能を果たしているので、繰り返しの操作や衝撃などにより、板バネの固定部自体が破損するおそれがあり、このほか、板バネが前記固定部から脱落するおそれもある。つまり、付勢手段の組立て用の位置固定部が破損した場合、付勢手段が機能しなくなり、結果的にシャッター自体が機能しなくなるという課題がある。本発明に係る光コネクタ用アダプタは、このような課題を解決するために提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光コネク用アダプタの上記課題を解決して目的を達成するための要旨は、両端開口部に光コネクタ用プラグを嵌合させて接続させるアダプタハウジングと、前記アダプタハウジングの一端側開口部に設けられ斜め配置で当該一端側開口部を閉蓋するシャッターと、前記シャッターを閉蓋方向に付勢する付勢手段とで構成される光コネクタ用アダプタにおいて、
前記アダプタハウジングの一端側開口部と前記シャッターとの回動自在な連結部に、前記付勢手段を組立て位置固定するための固定部を必要とせずに、該付勢手段によるシャッター機能を発揮するように、
前記シャッターの裏面に、前記付勢手段の一端部を収納するガイド溝が設けられるとともに、前記付勢手段を仮止めする収納部及び仮止め手段が設けられ、前記アダプタハウジングの底部に前記付勢手段の他端部を収納するガイド溝が設けられ、
前記シャッターに付勢手段が仮止めされた状態で該シャッターの他端部が前記アダプタハウジングの所定の位置に回動自在に係合されて取り付けられ、
前記付勢手段が、アダプタハウジングにシャッターが取り付けられた状態で、当該付勢手段を仮止めするための前記収納部から脱し、前記シャッターのガイド溝とアダプタハウジングのガイド溝とに収納された当該付勢手段の一端部と他端部とにより支持されていることである。
【0007】
前記付勢手段はトーションバネであり、シャッターに設けた仮止め手段は、前記付勢手段の円筒状のコイル部に突き刺さって該付勢手段を仮止めする三角状の突起であることである。
【0008】
更に、前記シャッターの裏面に設けられた付勢手段を収納する収納部及びガイド溝と、アダプタハウジングの底部に設けられたガイド溝とは、前記シャッターの全開状態で付勢手段を全部収納するとともに、当該シャッターの裏面とアダプタハウジングの底部上面とが密接状態になることを含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光コネクタ用アダプタによれば、シャッターを閉方向に作用する付勢手段が、アダプタハウジングの組立において、シャッターの裏面に仮止めされ、当該シャッターをアダプタハウジングにピンで軸支させて組み立てるので、付勢手段を組立て位置固定する固定部自体を必要としない構造により、前記固定部の破損によってシャッター機能が損なわれるという従来の不都合が解消される。また、前記付勢手段の前記ピンに対する介在がなくなり、組立の手間が掛からず工期短縮となると言う優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1-A】本発明に係るシャッター付き光コネクタ用アダプタ1のシャッターを閉じている状態の斜視図(A)と、シャッターを全開させた状態の斜視図(B)である。
図1-B】同本発明に係るシャッター付き光コネクタ用アダプタ1のシャッターを閉じた状態の側面から見た断面図である。
図2】同本発明のシャッター付き光コネクタ用アダプタ1の、平面図(A)、側面図(B)、正面図(C)、背面図(D)である。
図3】同シャッター付き光コネクタ用アダプタ1におけるアダプタハウジング2の、斜め前方からの斜視図(A)、後方下からの斜視図(B)、平面図(C)、側面図(D)、正面図(E)である。
図4】シャッター3の裏面側の斜視図である。
図5】同シャッター3の表面側の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)、正面図(D)である。
図6】付勢手段であるトーションバネ4の、斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。
図7】シャッターをアダプタハウジングに回動自在に支持させるためのピン5の斜視図(A)、側面図(B)である。
図8】シャッターと付勢手段との仮止めさせる手順を示す説明用の斜視図(A),(B)である。
図9】付勢手段を仮止めしたシャッターを、アダプタハウジングの一方の開口部2aに組立して装着する様子を示す説明用平面図(A)と、そのアダプタハウジングにスリーブ等を装着する様子を示す、後方下から見た斜視図(B)とである。
図10】本発明に係る光コネクタ用アダプタ1の一部を拡大して示す、シャッターが閉じた状態の断面図(A)、シャッターが全開された状態の断面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る光コネクタ用アダプタ1は、図1−Bに示すように、シャッター閉用の付勢手段4を該付勢手段4の両端部4a,4bのみで支持するようにしたものである。
【実施例1】
【0012】
本発明に係る光コネクタ用アダプタ1は、図1−A乃至図1−Bに示すように、両端開口部2a,2bに光ファイバを嵌合させて接続させるアダプタハウジング2と、前記アダプタハウジング2の一端側開口部2aに設けられ斜め配置で当該一端側開口部2aを閉蓋するシャッター3と、前記シャッター3を閉蓋方向に付勢する付勢手段4とで構成されるものである。
【0013】
前記光コネクタ用アダプタ1において、前記アダプタハウジング2は、図3に示すように、全体が箱形の筒体であり、前方の一端側開口部2aには、付勢手段4の他端部4bを収納するガイド溝2cが設けられている。このガイド溝2cは、図3(A),(C),(E)に示すように、三角形状の案内板により凹溝が形成されているものである。
【0014】
前記一端側開口部の両側壁には、図3(A)に示すように、軸用孔2d,2eが左右方向に貫通して穿設されている。この軸用孔2d,2eは、シャッター3を回転自在に支持するピン5(図7参照)を一方から挿通させて前記両側壁間に架設して固定するものである。
【0015】
また、アダプタハウジング2の他端側開口部2bからは、図1−Bに示すように、光ファイバ嵌合用の嵌合部6が挿入され装着されるものである。
【0016】
前記シャッター3は、図4乃至図5に示すように、その裏面に、前記付勢手段4の一端部4aを収納する、凹溝状のガイド溝3aが設けられるとともに、前記付勢手段4を仮止めする収納部3b及び仮止め手段3cが設けられている。
【0017】
また、シャッター3の下部には、ピン5(図7参照)を横に挿通させるためのピン用挿通部3dが、裏面から3箇所、正面から2箇所に互い違いに設けられることにより、シャッター支持部となっている。
【0018】
前記シャッター3に設けた収納部3bは、前記付勢手段4の本体部である、例えば、コイル部4c(図6参照)を全部収納できる凹部状の空間部である。また、前記仮止め手段3cは、前記付勢手段4の円筒状のコイル部4cに突き刺さって該付勢手段4を仮止めする三角状の突起である。
【0019】
なお、この実施例に限らず、他の公知の仮止め手段を適用できるものである。例えば、細い複数個のピン状突起でも良いし、両側壁で前記コイル部4cを緩い摩擦力で引掛けて、付勢手段4を挟持するようにしても良い。図4に示すように、符号3eは、逃げ部を示しており、これは、シャッター3を全開状態にした場合、前記アダプタハウジング2のガイド溝2cを収納するようになっている。
【0020】
前記付勢手段4は、図6に示すように、一例としてトーションバネである。これに限らず、板バネでも良い。
【0021】
以上のように構成される本発明に係る光コネクタ用アダプタ1の組立方法について説明する。図8に示すように、最初に、シャッター3の裏面に、付勢手段であるトーションバネ4を仮止めする。
【0022】
前記トーションバネ4の仮止めは、トーションバネ4の一端部4aをガイド溝3aの位置に対応させながら、コイル部4cを収納部3bの仮止め手段3cに突き刺すようにして押し込む。
【0023】
前記仮止め手段3cの三角状の突起部が、前記コイル部4cの巻いたバネの間に割り込んで入り込み、この付勢手段4が仮止めされる。こうして、シャッター3の裏面に付勢手段4が図8(B)に示すように仮止めされる。
【0024】
次に、図9(A)に示すように、アダプタハウジング2を用意し、その一端部側の開口部2aに対して、前記付勢手段4を仮止めしたシャッター3を装着する。付勢手段4の他端部4bをアダプタハウジング2側のガイド溝2cに入り込ませながら、シャッター3を前記開口部2aに向けて押し込む。
【0025】
前記シャッター3のピン用挿通部3dと、アダプタハウジング2の軸用孔2d,2eとが横一直線になったら、図9(A)に示すように、ピン5を一方から差し込んで軸用孔2d,2e間に架設し、圧入して固定する。
【0026】
前記アダプタハウジング2にシャッター3を組み立てて、図10(A),(B)に示すように、シャッター3を当該アダプタハウジング2の底部内壁に突き当たるまで倒した際に、前記付勢手段4のコイル部4cが、仮止め手段3cから外れる。
【0027】
これは、前記コイル部4cが付勢力に抗して締められるので、コイルの巻き付け間隔が縮まり、三角状の突起から捻り出るものである。仮止め手段3cが、三角形状にした突起なので、間隔が狭まることで付勢手段4が斜めに押し出されるものである。
【0028】
そして、図10(A)に示すように、付勢手段4は、そのコイル部4cが収納部3bから、また、ガイド溝2cからも浮いた状態となって配置される。図10(B)に示すように、シャッター3を全開状態にした場合、シャッター3裏面の収納部3b及びガイド溝3aに、付勢手段4が収納される。
【0029】
また、シャッター3の逃げ部3eがガイド溝2cを収納し、シャッター3の裏面とアダプタハウジング2の底部内壁とが密接する。当該シャッター3の組立方法は以上であり、従来の組立よりも遙かに容易で、手間が掛からず短時間ですむ。なお、シャッター3の開閉動作とその作用・効果は従来と同様であり、説明を省く。
【0030】
次に、図9(B)に示すように、アダプタハウジング2の他端側開口部2bから、スリーブAとスリーブBとを予め組み付けたスリーブ6を差し込んで装着する。これにより、シャッター付き光コネクタ用アダプタ1が完成する。
【0031】
以上のように、前記シャッター3に付勢手段4が仮止めされた状態で、該シャッター3の他端部が前記アダプタハウジング2の所定の位置に回動自在に係合されて取り付けられ、前記付勢手段4が、アダプタハウジング2にシャッター3が取り付けられた状態で、当該付勢手段4を仮止めするための前記収納部3bから脱し、前記シャッター3のガイド溝3aとアダプタハウジング2のガイド溝2cとに収納された当該付勢手段4の一端部4aと他端部4bとにより支持されているのである。
【0032】
こうして、シャッター用の付勢手段の組立構造において、付勢手段を組立て位置固定する固定部自体を必要としない構造となったことで、前記固定部の破損によってシャッター機能が損なわれるという従来の不都合が生じない光コネクタ用アダプタ1となる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る光コネクタ用アダプタ1は、シャッター付きの接続具に広く適用できるものである。
【符号の説明】
【0034】
1 光コネクタ用アダプタ、
2 アダプタハウジング、 2a 一端側開口部、
2b 他端側開口部、 2c ガイド溝、
2d,2e 軸用孔、
3 シャッター、 3a ガイド溝、
3b 収納部、 3c 仮止め手段、
3d ピン用挿通部、 3e 逃げ部、
4 付勢手段(トーションバネ)、 4a 一端部、
4b 他端部、 4c コイル部、
5 ピン、 5a 係止部、
6 嵌合部、 6a スリーブA、
6b スリーブB、
7 割りスリーブ。
図1-A】
図1-B】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10