(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の印刷装置がネットワークを介してホスト機器に接続されたシステム構成図である。本システムは3台のパーソナルコンピュータ(PC1〜PC3)と、3台のプリンタ装置1〜3、及びサーバコンピュータ(サーバPC)4が、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワーク回線を介して接続された構成である。パーソナルコンピュータ(PC1〜PC3)は、不図示のキーボード等の入力部や、表示部、及びプリンタドライバ等で構成され、アプリケーションに従って作成した印刷データをサーバコンピュータ4、又は何れかのプリンタ装置1〜3に出力する。
【0016】
プリンタ装置1には、同図に示すように、操作パネル1a、電源管理部1bが設けられ、プリンタ装置2には操作パネル2a、電源管理部2bが設けられ、プリンタ装置3には操作パネル3a、電源管理部3bが少なくとも設けられている。
【0017】
図2は上記プリンタ装置1〜3の内部構成を説明する図であり、プリンタ装置1〜3を代表して、以下プリンタ装置1を使用して説明する。プリンタ装置1には、上記操作パネル1a、電源管理部1bが配設されており、更にCPU6、ROM7、RAM8、内部接続バス9、プリンタ制御LSI10、USBホストLSI11、エンジン部12、USB/LANインターフェース13、ハードディスク(HDD)等の外部記憶装置14、ネットワークインターフェース(以下、ネットワークI/Fで示す)15、及び不揮発性メモリ16で構成されている。
【0018】
CPU6はROM7に記憶されたプログラム及びデータに従ってプリンタ装置1の制御を行い、RAM8をワークエリアとして後述する処理を行う。また、ネットワークI/F15を介して前述のパーソナルコンピュータ(PC1〜PC3)やサーバコンピュータ(サーバPC)4が接続され、更に他のプリンタ装置2、及び3も接続されている。
【0019】
図3は、上記プリンタ装置1に設けられた電源管理部1bの構成を示す図である。電源管理部1bはメインコントローラ18、エンジンコントローラ19、メイン電源20、及びサブ電源21で構成されている。また、メインコントローラ18とエンジンコントローラ19はI/Fバスで接続され、メインコントローラ18にメイン電源20及びサブ電源21から電源供給が行われ、エンジンコントローラ19にメイン電源20から電源供給が行われる。また、エンジンコントローラ19によってメイン電源20及びサブ電源21の電源制御が行われる。
【0020】
図4は、上記不揮発性メモリ16に構築される電源用管理データのテーブル構成を示す図である。このテーブルはプリンタ装置1に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)の台数分作成される。また、このテーブルは接続されたパーソナルコンピュータのPC名、接続開始時間、接続終了時間、印刷回数、印刷データ量、及び印刷枚数の各情報を記憶する。
【0021】
一方、
図5はネットワークに接続された他のプリンタ装置2及び3の電源管理を行うテーブルであり、このテーブルも不揮発性メモリ16に構築されている。このテーブルは、上記のようにネットワークに接続された他のプリンタ装置2及び3に関する情報を記憶し、例えば電源をオンした時間、及び電源をオフした時間、電源がオン中であるプリンタ装置の情報、電源がオフ中であるプリンタ装置の情報を記憶する。
【0022】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
図6乃至
図10は、本例の処理動作を説明するフローチャートである。尚、
図6乃至
図8は処理の対象となるプリンタ装置1が電源オフの状態の場合のフローチャートであり、
図9及び
図10は処理の対象となるプリンタ装置1が電源オンの状態の場合のフローチャートである。
【0023】
最初に
図6乃至
図8に示すフローチャートを用いて、電源オフ状態のプリンタ装置1の処理動作について説明する。先ず、プリンタ装置1のCPU6はネットワークに電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が接続されているか判断する(ステップ(以下、Sで示す)1)。ここで、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に1台も接続されていなければ(S1がNO)、ネットワーク上に自己のプリンタ装置1以外に、稼動中のプリンタ装置が有るか判断する(S2)。そして、稼動中のプリンタ装置が無ければ(S2がNO)、処理を終了する。一方、稼動中のプリンタ装置が有れば(S2がYES)、この稼動中のプリンタ装置に停止の通知を行う(S3)。
【0024】
このように処理することにより、ネットワーク上に電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が1台も接続されていない場合において、ネットワーク上に接続された全てのプリンタ装置の稼動を停止し、無駄な電力消費を無くす。
【0025】
一方、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されている場合(S1がYES)、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が所定台数(n台)以上接続されているか判断する(S4)。ここで、所定台数(n台)は、予め設定された台数であり、所定台数(n台)以上のパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されているか否かによって、以下の処理を行ない、印刷処理に支障が無いように電源制御を行なう。
【0026】
先ず、ネットワーク上に所定台数(n台)以上のパーソナルコンピュータ(PC)が接続されていない場合(S4がNO)、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が有るか判断する(S5)。そして、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が有る場合(S5がYES)、処理を判断(S1)に戻し、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が無い場合(S5がNO)、自己のプリンタ装置1のメイン電源20を起動する(S6)。そして、プリンタ装置1の電源管理部1b内のテーブルに
図4に示すデータを記録する(S7)。例えば、接続されたパーソナルコンピュータ(PC)名、接続開始時間、接続終了時間、印刷回数、印刷データ量、及び印刷枚数の各データを記録する。このデータは接続されたパーソナルコンピュータ(PC)毎に記録される。
【0027】
このように処理することにより、ネットワーク上に所定台数(n台)以下の電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が接続されている場合、少なくとも1台のプリンタ装置をネットワーク上で駆動し、少ない消費電力で印刷処理を行うものである。
【0028】
一方、上記判断(S4)において、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に所定台数(n台)以上接続されている場合(S4がYES)、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が有るか判断する(S8)。ここで、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が有れば(S8がYES)、
図7に示すフローチャートに移行し、ネットワーク上で稼動しているプリンタ装置の状態を前述の
図5に示すテーブルに記録する(S9)。例えば、電源をオンした時間、及び電源をオフした時間、更に電源がオン中であるプリンタ装置の情報を記録する。
【0029】
次に、プリンタ装置が所定台数(m台)以上稼動しているか判断する(S10)。ここで、所定台数(m台)は、ネットワーク上にパーソナルコンピュータ(PC)が前述のn台以上稼動している場合に印刷処理に支障をきたさないプリンタ装置の台数である。したがって、ここで、プリンタ装置が所定台数(m台)以上稼動していれば(S10がYES)、処理を最初の判断(S1)に戻す。一方、プリンタ装置が所定台数(m台)以上稼動していなければ(S10がNO)、自己のプリンタ装置1のメイン電源20を起動し(S11)、前述と同様、プリンタ装置1の電源管理部1b内のテーブルに必要なデータを記録する(S12)。
【0030】
このように処理することにより、ネットワーク上に所定台数(n台)以上の電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が接続されている場合でも、印刷作業に支障をきたすことなく少ない消費電力で印刷処理を行うことができる。
【0031】
一方、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に所定台数(n台)以上接続され(S4がYES)、かつ上記判断(S8)において、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が無い場合(S8がNO)、
図8に示すフローチャートに移行し、先ず自己のプリンタ装置1のメイン電源20を起動し(S13)、前述と同様、プリンタ装置1の電源管理部1b内のテーブルに
図4に示すデータを記録する(S14)。
【0032】
その後、時間の経過によって自己のプリンタ装置1も含め、プリンタ装置がネットワーク上で所定台数(m台)以上稼動しているか判断し(S15)、所定台数以上稼動していなければ(S15がNO)、非稼動のプリンタ装置に起動を通知し(S16)、ネットワーク上で稼動するプリンタ装置の台数を増やす。この場合、例えば所定台数(m台)が2台であれば、上記通知によって自己のプリンタ装置1に加えて1台のプリンタ装置を稼動状態とする。尚、ネットワーク上にプリンタ装置が所定台数以上稼動していれば(S15がYES)、ネットワーク上で稼動しているプリンタ装置の状態を前述の
図5に示すテーブルに記録する(S17)。
【0033】
このように処理することにより、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されている台数に対応して、稼動するプリンタ装置の設定を自動的に行うことができ、効率よく少ない消費電力で印刷システムを駆動することができる。
【0034】
次に、
図9及び
図10に示すフローチャートを用いて、電源オン状態の印刷装置1の処理動作について説明する。この場合も、先ず
図9に示すフローチャートに従って、ネットワークに電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が接続されているか判断する(ステップ(以下、STで示す)1)。ここで、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワークに1台も接続されていなければ(ST1がNO)、ネットワーク上に自己のプリンタ装置1以外に、稼動中のプリンタ装置が有るか判断し(ST2)、稼動中のプリンタ装置が無ければ(ST2がNO)、プリンタ装置1の電源管理部1b内のテーブルに
図4に示すデータを記録し(ST3)、メイン電源20をオフする(ST4)。一方、稼動中のプリンタ装置が有れば(ST2がYES)、稼動中のプリンタ装置に停止の通知を行い(ST5)、上記処理(ST3、及びST4)を実行する。
【0035】
このように処理することにより、ネットワーク上に電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が1台も接続されていない場合、ネットワーク上に接続された全てのプリンタ装置の稼動を停止し、無駄な電力消費を無くす。
【0036】
一方、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されている場合(ST1がYES)、前述と同様、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)が所定台数(n台)以上接続されているか判断する(ST6)。この場合も、所定台数(n台)は、予め設定された台数であり、所定台数(n台)以上のパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されているか否かによって、以下の処理を行ない、印刷処理に支障が無いように電源制御を行なう。
【0037】
先ず、ネットワーク上に所定台数(n台)以上のパーソナルコンピュータ(PC)が接続されていない場合(S6がNO)、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が有るか判断する(S7)。そして、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が無い場合(ST7がNO)、プリンタ装置1の電源管理部1b内のテーブルに
図4に示すデータを記録する(ST8)。
【0038】
このように処理することにより、ネットワーク上に少なくとも自己のプリンタ装置1が接続されており、少ない消費電力で印刷作業を効率よく行うことができる。
一方、上記判断(ST6)において、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に所定台数(n台)以上接続されている場合(ST6がYES)、
図10に示すフローチャートに移行し、先ずネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が所定台数(m台)以上有るか判断する(ST9)。ここで、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が所定台数(m台)以上無ければ(ST9がNO)、ネットワーク上で稼動しているプリンタ装置の状態を前述の
図5に示すテーブルに記録し(ST10)、稼動中のプリンタ装置のリストを作成する(ST11)。
【0039】
一方、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に所定台数(n台)以上接続され(ST6がYES)、かつ上記判断(ST9)において、ネットワーク上に稼動中のプリンタ装置が所定台数(m台)以上有る場合(ST9がYES)、稼動中のプリンタ装置に停止の通知を行い(S12)、t分の経過を待つ(ST13)。ここで、例えばt分は5分〜6分の時間であり、停止の通知を受けたプリンタ装置が稼動停止処理を行うための時間である。
【0040】
したがって、その後(ST13がYES)、プリンタ装置1は自己の電源管理部1bに、前述の
図4に示すデータの記録を行い(ST14)、ネットワーク上に稼動するプリンタ装置のリストを作成する(ST15)。そして、自己のプリンタ装置1のメイン電源20を停止する(ST16)。
【0041】
このように処理することにより、電源が投入されたパーソナルコンピュータ(PC)がネットワーク上に接続されている台数に対応して、稼動するプリンタ装置の設定を自動的に行うことができ、効率よく少ない消費電力で印刷システムを駆動することができる。