特許第5750912号(P5750912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5750912
(24)【登録日】2015年5月29日
(45)【発行日】2015年7月22日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20150702BHJP
【FI】
   G03G15/16
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-16561(P2011-16561)
(22)【出願日】2011年1月28日
(65)【公開番号】特開2012-155271(P2012-155271A)
(43)【公開日】2012年8月16日
【審査請求日】2013年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】河尻 哲尚
(72)【発明者】
【氏名】福原 琢
(72)【発明者】
【氏名】宮本 陽子
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−114269(JP,A)
【文献】 特開2001−092279(JP,A)
【文献】 特開2010−191374(JP,A)
【文献】 特開2000−347519(JP,A)
【文献】 特開2000−019853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を保持する像保持体と、
前記静電潜像をトナーで現像して前記像保持体にトナー像を形成させる現像装置と、
少なくとも表層にフッ素系樹脂が分散されたフッ素系樹脂分散層を有する転写部材と、
前記像保持体に形成されたトナー像を前記転写部材に一次転写する一次転写装置と、
前記転写部材に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写装置と、
前記トナー像の前記転写部材から前記記録媒体への二次転写の度合を検出する検出手段と、
前記転写部材に接離可能に配置され、前記検出手段により検出された前記二次転写の度合に応じて前記転写部材に接触させられて前記転写部材の表層の一部を削り取る削取部材と、
前記二次転写の度合を検出するとき、前記トナーの劣化に起因する二次転写の度合の変化分を除外するように、前記トナーに電荷を付与する電荷付与手段と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2記載の画像形成装置では、トナー像を次工程領域まで搬送する保持体と、この保持体上の残留トナーを除去するためのクリーニング部材と、保持体表面を研磨する接離可能な摺擦部材を有し、フィルミング層の生成による転写効率の低下を防止するようにしている。
【0003】
特許文献3には、トナー像を保持する像保持体と、該トナー像を転写媒体上に転写した後の像保持体上に残留するトナーを回収するクリーニング装置と、像保持体の表面のフィルミング物を除去する研磨装置とを有する画像形成装置が開示されている。
【0004】
特許文献4には、中間転写体に形成されたトナー像が記録材に二次転写された後の残留トナーを中間転写体より除去するクリーニングブレードと、中間転写体の回転方向に対してクリーニングブレードの上流側に位置し、ループ状のブラシを有して中間転写体に当て付けて回転するブラシローラと、ブラシローラに研磨剤を供給する研磨剤供給手段とを有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−273893号公報
【特許文献2】特開平5−313526号公報
【特許文献3】特開2005−326770号公報
【特許文献4】特開2006−3604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フッ素系樹脂を分散させた転写部材の表面劣化による二次転写の性能低下を回復させるようにした画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1の画像形成装置は、静電潜像を保持する像保持体と、前記静電潜像をトナーで現像して前記像保持体にトナー像を形成させる現像装置と、少なくとも表層にフッ素系樹脂が分散されたフッ素系樹脂分散層を有する転写部材と、前記像保持体に形成されたトナー像を前記転写部材に一次転写する一次転写装置と、前記転写部材に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写装置と、前記転写部材に接離可能に配置され、接触されるときに前記転写部材の表層の一部を削り取る削取部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項の画像形成装置は、さらに、前記トナー像の前記転写部材から前記記録媒体への二次転写の度合を検出する検出手段を備え、前記削取部材は前記検出された二次転写の度合に応じて前記転写部材に接触させられることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項の画像形成装置は、さらに、前記二次転写の度合を検出するとき、前記トナーの劣化に起因する二次転写の度合の変化分を除外するように、前記トナーに電荷を付与する電荷付与手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載の画像形成装置によれば、新たなフッ素系樹脂分散層をベルト表面に露出させることができ、転写部材の表面劣化による二次転写の性能低下を回復させることができる。
【0011】
本発明の請求項に記載の画像形成装置によれば、二次転写の度合を検出しない場合に比べ、転写部材の表層を的確な時期に削り取ることができる。
【0012】
本発明の請求項に記載の画像形成装置によれば、トナーに電荷を付与しない場合に比べて、転写部材の表面の劣化したフッ素系樹脂分散層に起因する二次転写の性能低下を的確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を全体的に示す全体構成図である。
図2図1の画像形成装置の転写ベルトのフッ素系樹脂分散層について説明する説明図である。(a)は転写ベルトの断面図であり、(b)(c)(d)は転写ベルトのトナー像形成面を示す図である。
図3図1の画像形成装置の転写ベルトの転写回数に対する表面のフッ素系樹脂量と二次転写率の関係を示すグラフである。
図4図1の画像形成装置の転写ベルト上のトナーの帯電分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施形態について、添付の図面に基づいて説明する。
【0015】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示している。
【0016】
本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K(Yはイエロー用、Mはマゼンタ用、Cはシアン用、Kはブラック用を示す)を備えている。これらの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、それぞれ、像保持体の一例としての感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kを備え、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの周囲には、それぞれ、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面を帯電する帯電装置14Y,14M,14C,14Kと、帯電された感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に静電潜像を形成する露光装置16Y,16M,16C,16Kと、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に形成された静電潜像を現像剤に含まれるトナーによりトナー像とする現像装置18Y,18M,18C,18Kと、トナー像を転写ベルト100に一次転写するための例えば転写ロールからなる一次転写装置20Y,20M,20C,20Kと、転写後の感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に付着した残留トナーを除去するための感光体ドラムクリーナー22Y,22M,22C,22Kとが備えられている。
【0017】
また、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに対向して、転写部材の一例としての転写ベルト100が配置されている。転写ベルト100は、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと一次転写装置20Y,20M,20C,20Kとの間に配置されている。一次転写装置20Y,20M,20C,20Kには、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと転写ベルト100との間に電界を作用させるための転写電流が流されている。
【0018】
転写ベルト100は、駆動ロール26a、転写ベルト100がゆがんだり蛇行したりすることを防ぐテンション・ステアリングロール26c、支持ロール26b,26d,26eと共に、バックアップロール28により内周面側から張力を掛けつつ回転可能に支持(張架)されている。このように転写ベルト100を張架する複数のロール26a,26b,26c,26d,26eと、駆動ロール26aを回転させるモータ(図示省略)がベルト駆動装置25を構成している。
【0019】
転写ベルト100の周囲には、当該転写ベルト100を介してバックアップロール28と対向して例えば転写ロールからなる二次転写装置30が配置されている。また、二次転写装置30よりも転写ベルト100の回転方向(図中に矢印Xで示す)の上流側には、電荷付与手段の一例としてのコロトロン帯電器102と、第1反射濃度センサ104が配置されている。二次転写装置30よりも転写ベルト100の回転方向の下流側には、第2反射濃度センサ106と、削取装置108と、ベルトクリーナー32が配置されている。
【0020】
後述するように、コロトロン帯電器102は転写ベルト100上のトナーに電荷を付与するためのものである。第1反射濃度センサ104は転写ベルト100上の二次転写前のトナー像の濃度を検出するためのものである。第2反射濃度センサ106は転写ベルト100上の二次転写後の残トナー像の濃度を検出するためのものである。第1反射濃度センサ104と第2反射濃度センサ106は二次転写率検出装置を構成している。
【0021】
削取装置108は、2つの従動ロール110、112と、それらに懸架された削取部材の一例としての削取ベルト114と、従動ロール110を中心に従動ロール112を駆動させて削取ベルト114を転写ベルト100に対して接離可能とする駆動装置116とから構成される。削取ベルト114は、転写ベルト100の母材(後述)よりも硬度の高い材料、例えば表面がブラスト処理された金属ベルト、酸化アルミニウムやシリカやダイヤモンドやCBN(窒化ホウ素)などの無機物を砥粒として練り込まれたゴムベルトから構成される。削取ベルト114を転写ベルト100に接触させると、転写ベルト100の表層が削り取られる構成となっている。
【0022】
ベルトクリーナー32は、転写ベルト100の外周面に残留するトナーの除去と削取装置108による転写ベルト100の削り粉の除去を目的とするものである。
【0023】
また、二次転写装置30の周囲には、二次転写装置30に対して記録媒体の一例としての記録用紙Pを搬送供給する給紙装置33と、二次転写装置30による二次転写後の記録用紙Pを搬送するための搬送装置34と、搬送装置34による搬送方向下流側に設けられて記録用紙Pに転写されたトナー像を定着するための定着装置36が設けられている。
【0024】
本実施形態に係る画像形成装置1では、まず、画像形成ユニット10Yにおいて、感光体ドラム12Yは図中時計方向に回転し、帯電装置14Yでその表面が帯電される。帯電された感光体ドラム12Yにレーザー書き込み装置などの露光装置16Yにより第1色(Y)の静電潜像が形成される。
【0025】
この静電潜像は現像装置18Yにより供給されるトナー(トナーを含む現像剤)によって現像され、可視化されたトナー像が形成される。トナー像は感光体ドラム12Yの回転により一次転写部に到り、一次転写装置20Yからトナー像に逆極性の電界を作用させることにより、トナー像が転写ベルト100に一次転写される。
【0026】
同様にして第2色のトナー像(M)、第3色のトナー像(C)、第4色のトナー像(K)が画像形成ユニット10M,10C,10Kにより順次形成され転写ベルト100において重ね合わせられ、多重トナー像が形成される。
【0027】
次に、転写ベルト100に転写された多重トナー像は転写ベルト100の回転で二次転写装置30が設置された二次転写部に到る。この二次転写部では、二次転写装置30と転写ベルト100を介して対向配置したバックアップロール28との間に二次転写装置30側からトナー像の極性と逆極性のバイアス(転写電圧)を印加することで、当該トナー像を記録用紙Pに静電吸着させて転写する。
【0028】
具体的には、記録用紙Pは、記録用紙容器(図示省略)に収容された記録用紙束からピックアップローラ(図示省略)で一枚ずつ取り出され、フィードロール(図示省略)で二次転写部の転写ベルト100と二次転写装置30との間に予め定められたタイミングで供給される。そして、供給された記録用紙Pには、二次転写装置30とバックアップロール28を圧接させると共に転写電圧を付与することで、転写ベルト100に保持されたトナー像が転写される。
【0029】
トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送装置34により定着装置36に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。
【0030】
多重トナー像の記録用紙Pへの転写が終了した転写ベルト100は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー32で外周面に残留するトナーの除去が行われ、次の転写に備えることとなる。また、二次転写装置30にもクリーニング部材(図示省略)が設けられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0031】
尚、単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー像を単色で二次転写して定着装置36に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は各色のトナー像が一次転写部で一致するように転写ベルト100と感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kとの回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。
【0032】
このようにして、本実施形態に係る画像形成装置1では、記録用紙Pに画像が形成される。
【0033】
本実施形態に係る画像形成装置1では、画像の質を向上させるため微小粒径(平均4μm)のトナーを使用している。そのような微小トナーは転写ベルト100に対する吸着性が高いため、一般的に二次転写率が低くなる。そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、転写ベルト100として、表層にフッ素系樹脂を分散させたフッ素系樹脂分散層を有するベルトを用いることで、トナーの離型性を高め、二次転写率を高めるようにしている。
【0034】
転写ベルト100の母材、例えばポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドのいずれか(又はそれらからなる混合材)には、分散材としてフッ素系樹脂、例えばPTFE(4フッ化エチレン)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)のいずれか(又はそれらのうちのいくつか)が均一に分散され、図2(a)に示すように、転写ベルト100の全厚(約100μm)に対して約1/3の厚みのフッ素系樹脂分散層100aがトナー像形成面100b(上記における「外周面」、以下「表面」という場合がある)の側に形成されている。分散材の平均粒径は例えば0.2μmとされる。図2(b)に示すように、転写ベルト100の表面100bにおける母材と分散材の面積比は、例えば7:3とされる。
【0035】
図3は、転写回数に対する表面100bのフッ素系樹脂量と二次転写率の関係を示すグラフである。転写ベルト100の表面100bのフッ素系樹脂量と二次転写率は、転写回数(プリント回数)の増加に伴って減少する。転写ベルト100の表面100bのフッ素系樹脂量が減少するのは、転写ベルト100の使用経過に伴って転写ベルト100の表面100bにおいて分散材が母材から脱落することによる(図2(c)参照)。そのため、トナーの離型性が低下し、二次転写率が低下することとなる。
【0036】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、第1反射濃度センサ104と第2反射濃度センサ106とからなる二次転写率検出装置と、削取装置108とを設け、二次転写率検出装置によって検出された二次転写率が予め定められた値α(図3参照)よりも低下した場合、削取装置108の削取ベルト114を転写ベルト100に接触させ、転写ベルト100の表層の一部を削り取るようにした。
【0037】
具体的には、画像形成装置1の起動時あるいは一定時間毎にテストパッチプリントを行い、転写ベルト100に一次転写されたテストパッチプリントのトナー像の濃度Aを第1反射濃度センサ104によって検出し、二次転写後に転写ベルト100に残されたテストパッチプリントのトナー像の濃度Bを第2反射濃度センサ106によって検出し、例えば(A−B)/Aの算出式によって二次転写率を算出する。算出された二次転写率が値αよりも小さい場合、削取装置108の削取ベルト114を転写ベルト100に接触させるように駆動する。そして、転写ベルト100を少なくとも1周以上回転させた後、削取ベルト114を転写ベルト100から離す。それにより、転写ベルト100全周にわたって表層を例えば0.2μm削り取る。
【0038】
このように、二次転写率が低下した場合、転写ベルト100の表面100bの劣化したフッ素系樹脂分散層を削り取り、新たなフッ素系樹脂分散層100aをベルトの表面100bに露出させる(図2(d)参照)。それにより、図3に示すように、転写ベルト100の表面100bのフッ素系樹脂量と二次転写率が回復する。
【0039】
ところで、二次転写率は、転写ベルト100の表面100bのフッ素系樹脂量のみならず、トナー自体の経時劣化による帯電性能の低下にも依存する。
【0040】
図4は、転写ベルト100上のトナーの帯電分布を示すグラフである。図示の如く、経時劣化のないトナー(初期トナー)の帯電分布に対し、経時劣化したトナー(経時劣化トナー)の帯電分布はプラス側に遷移する。即ち、経時劣化トナーでは帯電性能が低下しており、そのため二次転写においてトナーの静電吸着の作用が低下し、二次転写率が低下する。
【0041】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置1では、上述したように、コロトロン帯電器102を設け、テストパッチプリントを行うとき、転写ベルト100に一次転写されたテストパッチプリントのトナー像に対してコロトロン帯電器102によってマイナスの電荷を付与するようにした。
【0042】
図4に示すように、経時劣化トナーであってもコロトロン帯電器102によって電荷を付与したトナー(電荷付与後トナー)の帯電分布は、初期トナーのそれと同様となる。
【0043】
このように、テストパッチプリントを行い、二次転写率を検出するに際しては、トナー自体の経時劣化に起因する二次転写率の変化分を除外するようにした。それにより、転写ベルト100の表層の劣化したフッ素系樹脂分散層による二次転写率の低下を的確に把握した上での転写ベルト100の削り取りが可能となる。
【0044】
尚、本実施形態に係る画像形成装置1では、経時劣化トナーに対してコロトロン帯電器102によって電荷を付与するようにしたが、テストパッチプリントを行うとき、一次転写装置20において一次転写電流を例えば通常の1.5倍以上とし、トナーに通常よりもマイナスの電荷が付与されるようにしてもよい。その場合、コロトロン帯電器102を除去することで、構成の簡素化が図れる。
【0045】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、削取装置108における削取部材として削取ベルト114を採用したが、ロール状の部材から構成してもよい。ロール状の部材の方が構成が簡素であるが、ベルト状の部材の方が削り粉を転写ベルト100から取り除き易いため好適である。
【0046】
また、二次転写装置30にクリーニング装置を別途設けているので、テストパッチプリントのトナー像を記録用紙Pに転写するのではなく、二次転写装置30自体に転写するようにしてもよい。その場合、記録用紙Pを無駄に消費することがないと共に、二次転写率の検出を記録用紙Pの種別による変動なく行える。
【0047】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、転写ベルト100のフッ素系樹脂分散層100aを全厚に対して1/3としたが、転写ベルト100の全厚にわたってフッ素系樹脂を分散させるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、転写部材として転写ベルト100を採用したが、転写ドラムを採用してもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、二次転写前のトナー像の濃度Aと二次転写後のトナー像の濃度Bを検出し、(A−B)/Aの算出式によって求められる二次転写率を用いたが、例えばA−Bの算出式によって求められる差値であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
10 画像形成ユニット
12 感光体ドラム(像保持体の一例)
14 帯電装置
16 露光装置
18 現像装置
20 一次転写装置
22 感光体ドラムクリーナー
28 バックアップロール
30 二次転写装置
32 ベルトクリーナー
33 給紙装置
34 搬送装置
36 定着装置
100 転写ベルト
100a フッ素系樹脂分散層
100b トナー像形成面(表面)
102 コロトロン帯電器(電荷付与手段の一例)
104 第1反射濃度センサ
106 第2反射濃度センサ
108 削取装置
110 転写ベルト(転写部材の一例)
114 削取ベルト(削取部材の一例)
116 駆動装置
図1
図2
図3
図4