【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、給湯制御システムを対象とし、対象エリア(1)の複数の給湯器(10)
を、同じタンク容量の給湯器(10)からなる複数の給湯器群に分類し、該複数の給湯器群の各給湯器(10)を予め定められた所定値N(Nは2以上)の複数のグループにそれぞれ振り分けて分類するグループ決定部(54)と、上記グループ決定部(54)で分類された複数のグループ(A,B,C)のうち異なるグループ(A,B,C)の給湯器(10)間の消費電力のピーク時刻を互いにずらすように上記複数の給湯器(10)の運転を制御する運転制御部(55)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明では、対象エリア(1)の複数の給湯器(10)が、グループ決定部(54)によって複数のグループ(A,B,C)に分類される。そして、運転制御部(55)は、各グループ(A,B,C)間の給湯器(10)の消費電力のピーク時刻を互いにずらすように、これらの給湯器(10)の運転を制御する。このため、対象エリア(1)では、複数の給湯器(10)の消費電力のピーク時刻が互いに重なることが抑制されるため、対象エリア(1)の給湯器(10)の全体の総消費電力のピークを低減できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記運転制御部(55)は、上記異なるグループ(A,B,C)の給湯器(10)の運転時間を互いにずらすように構成されることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、対象エリア(1)の複数の給湯器(10)が、グループ決定部(54)によって複数のグループ(A,B,C)に分類される。そして、運転制御部(55)は、各グループ(A,B,C)の給湯器(10)の運転時間を互いにずらすように、これらの給湯器(10)の運転を制御する。この結果、対象エリア(1)では、複数の給湯器(10)の消費電力のピーク時刻が互いに重なることが抑制されるため、対象エリア(1)の給湯器(10)の全体の総消費電力のピークを低減できる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、上記給湯器(10)は、上記異なるグループ(A,B,C)の給湯器(10)の沸上完了時刻を互いにずらすように構成される。
【0011】
第3の発明では、グループ決定部(54)によって複数のグループ(A,B,C)に分類される。そして、運転制御部(55)は、各グループ(A,B,C)間の給湯器(10)の目標となる沸上完了時刻を互いにずらすように、これらの給湯器(10)の運転を制御する。この結果、対象エリア(1)では、複数の給湯器(10)の消費電力のピーク時刻が互いに重なることが抑制されるため、対象エリア(1)の給湯器(10)の全体の総消費電力のピークを低減できる。
【0012】
第4の発明は、上記給湯器(10)は、圧縮機(12)を有するヒートポンプ式の給湯器で構成され、上記運転制御部(55)は、上記各グループ(A,B,C)の給湯器(10)の圧縮機(12)の運転周波数を周期的に変化させる又は該圧縮機(12)を周期的に発停させるとともに、上記異なるグループ(A,B,C)の給湯器(10)の圧縮機(12)の運転周期の位相を互いにずらすように構成されることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、対象エリア(1)の給湯器(10)が、ヒートポンプ式の給湯器で構成される。そして、これらの給湯器(10)は、グループ決定部(54)によって複数のグループ(A,B,C)に分類される。運転制御部(55)は、各グループ(A,B,C)の給湯器(10)の圧縮機(12)の運転周波数を周期的に変化させるか、あるいは圧縮機(12)を周期的に発停させる。また、運転制御部(55)は、各グループ(A,B,C)の給湯器(10)の運転周期の位相を互いにずらすように、複数の給湯器(10)の運転を制御する。これにより、対象エリア(1)では、圧縮機(12)の運転に起因する消費電力のピーク時刻が互いに分散される。この結果、対象エリア(1)の給湯器(10)の全体の総消費電力のピークを低減できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、対象エリア(1)の給湯器(10)の複数のグループ(A,B,C)に分類し、各グループ(A,B,C)の給湯器(10)の消費電力のピーク時刻を互いにずらすため、対象エリア(1)の給湯器(10)の総消費電力のピークを低減できる。これにより、対象エリア(1)の電力供給に対して、電力需要が過剰になることを防止でき、効果的な節電を行うことができる。
【0015】
また、上記第2や第3の発明によれば、異なるグループ(A,B,C)間の運転時間、あるいは沸き上げ時刻を互いにずらすことで、対象エリア(1)の給湯器(10)の総消費電力のピークを確実に低減できる。また、各々の給湯器(10)では、定格の運転能力(効率の高い運転能力)で沸き上げを行うことができるため、各々の給湯器(10)の消費電力が増大してしまうことも防止できる。
【0016】
また、第4の発明によれば、対象エリア(1)の圧縮機(12)の運転周波数を周期的に変動させる、あるいは周期的に発停させるとともに、圧縮機の運転周期の位相を互いにずらすことで、異なるグループ(A,B,C)の給湯器(10)を同じ時間帯に運転させつつ、給湯器(10)の消費電力のピークを抑えることができる。